JP2015193813A - 樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐熱性および耐薬品性を有する成形品を得ることのできる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)および下記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含む樹脂前駆体組成物を、250℃〜450℃に加熱することにより前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化して得られる樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)が海相、前記ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離が0.01μm〜10μmである樹脂組成物。
【化1】
Figure 2015193813

(上記一般式(1)中、Arはアリーレン基、mは2〜50の範囲を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂およびポリアリーレンスルフィドを含む樹脂組成物とその製造方法に関するものである。
近年、高分子材料は様々な分野、用途において幅広く使用されており、その用途は、日常用品はもとより、自動車、航空機、エレクトロニクスデバイス、メディカルデバイス等、あらゆる産業分野にわたっている。これは、高分子材料が、その一次構造から高次構造の制御によって、各分野、用途のニーズに柔軟に対応し得たことが理由の一つである。中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィドは、優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性、寸法安定性、剛性および電気絶縁性など、エンジニアリングプラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用途を中心として、各種自動車部品、機械部品、電気・電子部品などの用途に使用されている。
高分子材料の高次構造制御技術の一つとして、ポリマーアロイ化技術が挙げられる。本技術は、異なる物性を有する樹脂を組合せ、各々の樹脂の長所を引き出し、短所を補い合うことにより、単一の樹脂に比べて優れた特性を発揮させる技術のことであり、その特性は、原料樹脂の物性、樹脂の分散相サイズと均一性により大きく変化する。
ポリマーアロイ化技術として、これまでに、例えば、特定のポリフェニレンスルフィド樹脂と熱可塑性樹脂からなる、構造周期0.01〜1μmの両相連続構造または粒子間距離0.01〜1μmの分散構造を有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂からなり、構造周期が0.001〜1μmの両相連続構造または粒子間距離0.001〜1μmの分散構造であるポリマーアロイにおいて、構造周期または粒子間距離が0.001μm以上0.1μm未満の場合は小角X線散乱測定において、構造周期または粒子間距離が0.1μm以上1μm以下の場合は光散乱測定において、散乱光の波数に対して散乱強度をプロットしたスペクトルにおけるピーク半値幅(a)、該ピークの極大波数(b)とするとき0<(a)/(b)≦1.2であることを特徴とするポリマーアロイが提案されている(例えば、特許文献2参照)。これらの技術により得られるポリマーアロイは、微細な相分離構造を形成している上、優れた規則性を有するため、衝撃強度や引張強度といった機械特性が良好であるといった特徴を有している。
一方、ポリアリーレンスルフィドは前述の通り、自動車部品、機械部品、電気・電子部品等に使用されている。しかしながら、自動車部品のうち、特に燃料その他薬液周りにおいて使用される部品は、高熱に曝される上、燃料や薬液等に接すると寸法や重量が増加する課題があり、耐熱性および耐薬品性のさらなる向上が求められていた。
特開2008−231249号公報 国際公開2009/041335号
本発明は、上記背景技術の課題に鑑み、優れた耐熱性および耐薬品性を有する成形品を得ることのできる樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
[1]ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)および下記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含む樹脂前駆体組成物を、250℃〜450℃に加熱することにより前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化して得られる樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)が海相、前記ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離が0.01μm〜10μmである樹脂組成物。
Figure 2015193813
(上記一般式(1)中、Arはアリーレン基、mは2〜50の範囲を表す。)
[2]前記樹脂前駆体組成物が、320℃において前記熱可塑性樹脂(A)と前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)が相溶している[1]に記載の樹脂組成物。
[3]ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)およびポリアリーレンスルフィドの合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記ポリアリーレンスルフィドを50重量部を超え85重量部以下含む樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)が海相、前記ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離が0.01μm〜10μmである樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
[5]前記熱可塑性樹脂(A)および前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含み、320℃において前記熱可塑性樹脂(A)と前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)が相溶している樹脂前駆体組成物を、250℃〜450℃に加熱することにより前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物により、優れた耐熱性および耐薬品性を有する成形品を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)(以下、単に「熱可塑性樹脂(A)」と記載する場合がある)およびポリアリーレンスルフィドを含有する。かかる樹脂組成物は、例えば、ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)および前記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィド(B)(以下、単に「環状ポリアリーレンスルフィド(B)」と記載する場合がある)を含む樹脂前駆体組成物を加熱することにより、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化することにより得られる。
本発明の樹脂組成物およびそれに用いられる樹脂前駆体組成物は、熱可塑性樹脂(A)を含むことにより、成形品の耐熱性を向上させ、高温条件下におけるクリープ特性を向上させることができる。熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は150℃以上が好ましい。熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度が100℃未満であると、成形品の耐熱性が低下する。熱可塑性樹脂(A)のガラス転移温度は高いほど耐熱性の向上効果が高いが、環状ポリフェニレンスルフィド(B)との相溶性および加工性の観点から、350℃以下が好ましく、320℃以下がより好ましい。
ここで、熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121−1987に記載される方法に従い、20℃/分の昇温条件における示差走査熱量測定(DSC測定)により求められる中間点ガラス転移温度を指す。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(A)としては、例えば、ポリイミド(ガラス転移温度:200℃〜320℃)、ポリエーテルエーテルケトン(ガラス転移温度:160℃)、ポリエーテルケトンケトン(ガラス転移温度:150〜170℃)、ポリスルホン(ガラス転移温度:190℃)、ポリアリレート(ガラス転移温度:195℃)、ポリフェニレンエーテル(ガラス転移温度:210℃)、ポリカーボネート(ガラス転移温度:150℃)などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。これらの中でも、成形品の耐熱性および耐久性をより向上させる観点から、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンエーテルが好ましく、ポリイミド、ポリフェニレンエーテルがより好ましい。
ポリイミドは、繰り返し単位にイミド結合を有する重合体である。本発明においては、繰り返し単位にイミド結合およびエーテル結合を有するポリエーテルイミドもポリイミドに分類する。ポリイミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、SABICイノベーティブプラスチックス社製“Ultem”(登録商標)1000、“Ultem”1010、“Ultem”1040、“Ultem”5000、“Ultem”6000、“Ultem”XH6050、“Extem”XHおよび“Extem”UH、三井化学(株)製“オーラム”(登録商標)PD450Mなどとして上市されているものを入手して用いることもできる。
ポリエーテルエーテルケトンは、ベンゼン環をエーテル結合、エーテル結合、ケトン結合を介して配した重合体である。特に限定されるものではないが、例えば、ダイセル・エボニック(株)製“ベスタキープ”(登録商標)、ビクトレックス・ジャパン(株)製“VICTREX”(登録商標)などとして上市されているものを入手して用いることもできる。
ポリエーテルケトンケトンは、ベンゼン環をエーテル結合、ケトン結合、ケトン結合を介して配した重合体である。特に限定されるものではないが、例えば、Cytec Fiberite社製“Cypek”(登録商標)、アルケマ(株)製“KEPSTAN”(登録商標)などとして上市されているものを入手して用いることもできる。
また、ポリエーテルケトンケトンのガラス転移温度は150〜170℃であることが好ましい。ガラス転移温度が150℃以上であれば、得られる成形品の耐熱性をより向上させることができる。一方、ガラス転移温度が170℃以下であれば、環状ポリフェニレンスルフィド(B)との相溶性および加工性をより向上させることができる。
ポリフェニレンエーテルは、下記一般式(11)で表される繰り返し単位を主要構成単位とする重合体であり、下記一般式(11)で表される繰り返し単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有することが好ましい。
Figure 2015193813
上記一般式(11)中、R5〜R8は、水素、ハロゲン、置換されていてもよい炭化水素基を表し、それぞれ同一でも異なっていてもよい。炭化水素基の炭素数は1〜3であることが好ましい。nは2〜50の範囲を表し、nは10〜30であることが好ましい。
ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2、6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げられる。また、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体などのポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。なかでも、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)および2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリアリーレンスルフィドを含むことにより、成形品の耐薬品性を向上させることができる。さらに、成形品の剛性や難燃性も向上させることができる。また、本発明の樹脂組成物に用いられる樹脂前駆体組成物において、環状ポリアリーレンスルフィド(B)はポリアリーレンスルフィドの前駆体であり、加熱によりポリアリーレンスルフィドに転化することで、成形品の耐薬品性、剛性、難燃性を向上させることができる。
本発明で用いられる環状ポリアリーレンスルフィド(B)は、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とし、好ましくは当該繰り返し単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有する。ここで、Arはアリーレン基、Sはスルフィドを表す。
一般式(1)におけるArとしては、例えば、下記一般式(2)〜(10)などで表される基などが挙げられる。中でも下記一般式(2)で表される基が好ましい。
Figure 2015193813
上記一般式(2)〜(10)中、R1およびR2は、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリール基またはハロゲン基を表し、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい。複数のR1およびR2はそれぞれ同一でも異なってもよい。R3およびR4は、水素原子、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリール基またはハロゲン基を表し、同一でも異なっていてもよい。R5は、炭素原子数1〜12の飽和炭化水素基である。また、aおよびbは0〜2の範囲を表し、同一でも異なっていてもよい。Aは、カルボニル基、スルホニル基またはエーテル結合を表す。
なお、前記一般式(1)においては、異なる−(Ar−S)−の繰り返し単位をランダムに含んでもよいし、ブロックで含んでもよく、それらを両方含んでもよい。また、Arとして、前記一般式(2)〜(10)で表される基を2種以上含んでもよい。
前記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィドの代表的なものとして、環状ポリアリーレンスルフィド、環状ポリアリーレンスルフィドスルホン、環状ポリアリーレンスルフィドケトンや、これらの繰り返し単位を含む環状ランダム共重合体、環状ブロック共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。これらの中でも、p−フェニレンスルフィド由来の単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有する環状ポリフェニレンスルフィドがより好ましく、90モル%以上含有する環状ポリフェニレンスルフィドがさらに好ましい。
本発明における環状ポリアリーレンスルフィド(B)の重量平均分子量は、5,000未満が好ましく、4,000以下がより好ましく、3,000以下がさらに好ましい。重量平均分子量が5,000未満であれば、粘度が適度に抑えられ、取り扱い性に優れる。一方、重量平均分子量の下限値には特に制限はないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましい。ここで、環状ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求めることができる。
なお、環状ポリアリーレンスルフィド(B)の前記一般式(1)中の繰り返し数mは、2〜50である。mが大きくなると相対的に粘度が上昇するため、mが50を超えると、Arの種類によっては環式ポリアリーレンスルフィドの溶融解温度が高くなり、樹脂の取り扱い性に劣る場合がある。25以下が好ましく、20以下がさらに好ましい。一方、mは3以上が好ましい。ここで、前記一般式(1)における繰り返し数mは、NMRおよび質量分析により構造解析を行うことで求めることができる。
また、環状ポリアリーレンスルフィド(B)は、前記一般式(1)で表される化合物として、単一の繰り返し数mを有する単独化合物、異なる繰り返し数mを有する環式化合物の混合物のいずれであってもよいが、異なる繰り返し数を有する環式化合物の混合物の方が単一の繰り返し数を有する単独化合物よりも溶融解温度が低い傾向にあり、ポリアリーレンスルフィドへの転化を行う際の温度をより低くできるため好ましい。
前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)は、例えば、少なくともスルフィド化剤(イオウ成分)、ジハロゲン化芳香族化合物(アリーレン成分)および有機極性溶媒を含む反応混合物を加熱して反応させることにより得ることができる。スルフィド化剤としては、例えば、硫化ナトリウムなどのアルカリ金属の硫化物が挙げられる。ジハロゲン化芳香族化合物としては、例えば、ジクロロベンゼンなどが挙げられる。有機極性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
環状ポリアリーレンスルフィド(B)を効率よく製造する観点から、反応混合物の常圧下における還流温度を超えて加熱することが望ましい。反応温度は180〜320℃が好ましく、225〜300℃がより好ましい。また、一定温度で反応させる1段階反応、段階的に温度を上げて反応させる多段反応、連続的に温度を変化させて反応させる形式のいずれでもかまわない。
反応時間は0.1時間以上が好ましく、0.5時間以上がより好ましい。一方、反応時間に特に上限はなく、40時間以内でも十分に反応が進行し、6時間以内が好ましい。
また、反応時の圧力に特に制限はなく、ゲージ圧で0.05MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましい。前記好ましい反応温度においては反応混合物の自圧による圧力上昇が発生するため、この様な反応温度における圧力は、ゲージ圧で0.25MPa以上が好ましく、0.3MPa以上がより好ましい。一方、反応時の圧力は10MPa以下が好ましく、5MPa以下がより好ましい。反応時の圧力を前記好ましい範囲とするために、反応を開始する前や反応中など任意の段階で、好ましくは反応を開始する前に、不活性ガスにより反応系内を加圧することも好ましい方法である。なお、ここでゲージ圧とは大気圧を基準とした相対圧力のことであり、絶対圧から大気圧を差し引いた圧力差と同意である。
本発明においては、反応混合物を反応させる過程の全過程に渡って有機カルボン酸金属塩を存在させてもよいし、一部の過程においてのみ有機カルボン酸金属塩を存在させてもよい。
本発明における樹脂前駆体組成物は、熱可塑性樹脂(A)および環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含む。熱可塑性樹脂(A)が15重量部未満で環状ポリアリーレンスルフィド(B)が85重量部を超える場合、成形品の耐熱性が低下する。熱可塑性樹脂(A)が25重量部以上、環状ポリアリーレンスルフィド(B)が75重量部以下であることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂(A)が50重量以上で環状ポリアリーレンスルフィド(B)が50重量部以下の場合、成形品の耐薬品性が低下する。熱可塑性樹脂(A)が35重量部以下、環状ポリアリーレンスルフィド(B)が65重量部以上であることが好ましい。
本発明の樹脂前駆体組成物は、320℃において熱可塑性樹脂(A)と環状ポリアリーレンスルフィド(B)が相溶していることが好ましい。ここで言う、相溶している状態とは、320℃の樹脂前駆体組成物を、光学顕微鏡を用いて100倍に拡大して観察した際に、未溶解の塊状物や凝集物が確認できない状態のことを指す。320℃においてこれらが相溶している場合、後述する樹脂組成物において、後述する所望の海島構造を形成させ、粒子間距離を後述する所望の範囲に容易に調整することができる。なお、320℃より高い温度では、短時間で環状ポリアリーレンスルフィド(B)がポリアリーレンスルフィドに転化し始めてしまう傾向があり、320℃より低い温度では熱可塑性樹脂(A)と環状ポリアリーレンスルフィド(B)の相溶性が低下する傾向にあるため、320℃における相溶性を確認することが好ましい。
本発明において樹脂前駆体組成物を得る方法としては、例えば、熱可塑性樹脂(A)および環状ポリアリーレンスルフィド(B)をそれぞれ粉末化し、粉末状態で混合する方法や、熱可塑性樹脂(A)および環状ポリアリーレンスルフィド(B)を両成分の良溶媒に溶解し、減圧や加熱により溶媒を除去する方法などが挙げられる。前記方法により十分に混合された樹脂前駆体組成物を320℃に加熱することにより、相溶状態とすることができる。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)およびポリアリーレンスルフィドの合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を15重量部以上50重量部未満、ポリアリーレンスルフィドを50重量部を超え85重量部以下含む。熱可塑性樹脂(A)が15重量部未満でポリアリーレンスルフィドが85重量部を超える場合、成形品の耐熱性が低下する。熱可塑性樹脂(A)が25重量部以上、ポリアリーレンスルフィドが75重量部以下であることが好ましい。一方、熱可塑性樹脂(A)が50重量以上でポリアリーレンスルフィドが50重量部以下の場合、成形品の耐薬品性が低下する。熱可塑性樹脂(A)が35重量部以下、ポリアリーレンスルフィドが65重量部以上であることが好ましい。
ポリアリーレンスルフィドの代表的なものとして、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンスルフィドスルホン、ポリアリーレンスルフィドケトンや、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。これらの中でも、p−フェニレンスルフィド由来の単位を全繰り返し単位中80モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドがより好ましく、90モル%以上含有するポリフェニレンスルフィドがさらに好ましい。
ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は10,000以上が好ましく、15,000以上がより好ましい。ここで、ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求めることができる。
また、環状ポリアリーレンスルフィドのポリアリーレンスルフィドへの転化率は70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。
本発明の樹脂組成物は、例えば、前記樹脂前駆体組成物を250℃〜450℃に加熱することにより、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化して得ることができる。
このときの加熱温度は、250℃〜450℃の範囲で、樹脂前駆体組成物の組成や分子量、加熱時の環境に応じて適宜選択することができる。加熱温度を250℃以上とすることにより、より短時間で環状ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに転化することができる。加熱温度は280℃以上が好ましく、300℃以上がより好ましく、350℃以上がさらに好ましい。一方、加熱時間を450℃以下とすることにより、分解反応等の副反応を抑制することができる。加熱温度は420℃以下が好ましく、400℃以下がより好ましく、380℃以下がさらに好ましい。
加熱時間は、樹脂前駆体組成物の特性、加熱温度などの条件に応じて適宜選択することができる。環状ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに十分転化する観点から、0.01時間以上が好ましく、0.05時間以上がより好ましい。一方、分解反応等の副反応を抑制する観点から、10時間以下が好ましく、3時間以下がさらに好ましい。
前記樹脂前駆体組成物を加熱して環状ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに転化する方法としては、例えば、通常の重合反応装置を用いて加熱する方法、プレス成形装置や成形品を製造する型内で加熱する方法、押出機などの溶融混練機を用いて加熱する方法などが挙げられる。バッチ方式、連続方式など任意の方法が採用できる。加熱装置としては、加熱機構を具備した装置であれば特に制限なく用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)が海相、ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成する。ここで、海島構造とは、片方の樹脂成分が主成分であるマトリックス(海相)の中に、もう片方の樹脂成分が主成分である粒子(島相)が点在している相分離構造のことを指す。
相分離構造を形成する方法は、樹脂組成物を構成する成分の種類や配合比などに応じて適宜選択することができ、例えば、環状ポリアリーレンスルフィド(B)のポリアリーレンスルフィドへの転化後の固化速度を調整する方法などを挙げることができる。320℃において相溶状態となった樹脂前駆体組成物中の環状ポリアリーレンスルフィド(B)を加熱によりポリアリーレンスルフィドに転化することにより、熱可塑性樹脂(A)との相溶性が変化し、相分離構造を形成する。すなわち、環状ポリアリーレンスルフィドのポリアリーレンスルフィドへの転化により、安定領域にあった系は急速に不安定領域になるため、相溶状態であった樹脂前駆体組成物は、スピノーダル分解を経て、それぞれの成分が連続相を形成し、互いに3次元的に絡み合った構造、すなわち共連続構造を形成する。この状態から、氷水等を用いて急冷するなど固化速度を高くすると、環状ポリアリーレンスルフィド(B)がポリアリーレンスルフィドに転化した状態で構造が固定化されるため、均一構造または両相連続構造になりやすい傾向がある。一方、さらに加熱を続けて溶融時間を長くする、樹脂組成物を徐冷して固化速度を低くする、などの方法により相分離構造を発展させることで、海島構造を形成することができる。このため、例えば、環状ポリアリーレンスルフィド(B)を加熱によりポリアリーレンスルフィドに転化して得られた樹脂組成物をゆっくり冷却することにより、海島構造を形成させることができる。冷却速度は20℃/分以下が好ましい。
相溶状態である樹脂前駆体組成物中の成分の転化によって相分離構造を形成することにより、転化する成分を島相とすることができる。すなわち本発明においては、環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化することで、ポリアリーレンスルフィドが島相、熱可塑性樹脂が海相である海島構造を形成することができる。ガラス転移温度の高い熱可塑性樹脂(A)を海相とすることにより、成形品の耐熱性を向上させ、高温条件下におけるクリープ特性を向上させることができる。
さらに、前記海島構造において、島相同士の粒子間距離は0.01〜10μmである。粒子間距離が0.01μm未満である場合または海島構造を形成しない場合は、それぞれの樹脂の特性が発現されにくくなり、成形品の耐熱性または耐薬品性が低下する。0.1μm以上がより好ましく、0.5μm以上がさらに好ましい。一方、粒子間距離が10μmを超えると、それぞれの樹脂の短所を補い合う効果が奏されにくくなり、成形品の耐熱性または耐薬品性が低下する。7μm以下がより好ましく、6μm以下がさらに好ましい。
ここで、本発明における樹脂組成物の島相同士の粒子間距離は、以下の方法により測定することができる。一般的な成形条件であれば、樹脂組成物の海島構造と島相同士の粒子間距離は成形品においても維持されるため、本発明においては、樹脂組成物の成形品断面を透過型電子顕微鏡により観察することにより、島相同士の粒子間距離を測定することができる。まず、正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描き、いずれの直線にも10個以上100個未満の島相が接するよう、適切な観察倍率に調整する。かかる適切な観察倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を接する島の数で割る。10本の直線について同様の作業を行う。かかる作業を、成形品断面から無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を算出することによって、粒子間距離を求めることができる。なお、ここでいう線分の距離とは、実際の距離のことであり、観察写真中のスケールバーを基準に実際の距離を求めることができる。
なお、前記の通り320℃において相溶状態とした樹脂前駆体組成物中の環状ポリアリーレンスルフィド(B)を加熱によりポリアリーレンスルフィドに転化させて相分離構造を形成し、前述の方法により相構造を発展させることで、粒子間距離を上記範囲内にすることができる。
本発明の樹脂前駆体組成物および樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物、長鎖脂肪族エステル系化合物、長鎖脂肪族アミド系化合物などの離型剤、防食剤、着色防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などの任意の添加剤を含有することができる。
本発明の樹脂前駆体組成物および樹脂組成物は、本発明の効果を奏しない範囲において、必要に応じて充填材を含有してもよい。充填材を含有することにより、成形品の強度および寸法安定性等を向上させることができる。充填材の形状としては、繊維状、非繊維状などが挙げられ、繊維状充填材と非繊維状充填材を組み合わせてもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などが挙げられる。非繊維状充填材としては、例えば、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などが挙げられる。これらは中空であってもよく、これら充填材を2種以上併用することも可能である。また、これら充填材は、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理されていてもよく、成形品の強度をより向上させることができる。
充填材を含有する場合、その含有量は特に制限はないが、熱可塑性樹脂(A)および環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、または熱可塑性樹脂(A)およびアリーレンスルフィドの合計100重量部に対して、30〜400重量部が好ましい。
本発明の樹脂前駆体組成物および樹脂組成物は、成形品の耐熱性および耐薬品性を向上させることができるため、例えば、耐熱性および耐薬品性が要求される自動車部品や電機部品などの用途に好適に使用することができる。
本発明の樹脂組成物は、任意の方法により成形することができる。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができる。これらを2種以上組み合わせてもよい。中でも射出成形は、射出後、金型内で熱処理と構造固定化が同時にできることから好ましい。また、フィルムおよび/またはシートの押出成形は、延伸時に熱処理し、その後の巻き取り前に自然冷却することにより構造固定化が可能であるため好ましい。成形品の形状は特に限定されず、例えば、フィルムやシート、チューブ、繊維、任意形状の射出成形体などが挙げられる。例えば、フィルムおよび/またはシートに成形する方法としては、単軸押出機や2軸押出機などの押出機を用いて樹脂組成物をTダイから溶融押出し、キャストドラムで冷却固化してシート化する方法、溶融押出シートを2つのロール間で成形するポリッシング方法やカレンダーリング方法などが挙げられる。また、溶融押出した溶融樹脂をキャストドラムにキャストする際、溶融樹脂をキャストドラムに密着させる方法としては、例えば、静電印加を与える方法、エアーナイフを用いる方法、キャストドラムに対向する押さえのドラムを用いる方法等を挙げることができる。
本発明の成形品は、コネクター、コイル、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電子部品用途、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品用途、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク、DVD等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品用途、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品用途、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品用途、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース等の自動車・車両関連部品用途等々、各種用途に適用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各実施例において用いた熱可塑性樹脂(A)を以下に示す。
・ポリエーテルケトンケトン(アルケマ社製“KEPSTAN”(登録商標)6003、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:160℃)
・ポリエーテルイミド(SABICイノベーティブプラスチックス社製“Ultem”(登録商標)1000、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:210℃)
・ポリアリレート(ユニチカ(株)製“Uポリマー”(登録商標)U−100、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:195℃)
・ポリフェニレンエーテル(三菱ガス化学(株)製 YPX−100F、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:210℃)
・ポリスルホン(ソルベイ社製“ユーデル”(登録商標)P−3500、JIS K7121−1987に従って測定したガラス転移温度:190℃)。
<評価方法>
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)320℃における相溶状態観察
各実施例および比較例により得られた樹脂前駆体組成物の一部をカバーグラス上に採取し、上から別のカバーグラスを被せ、プレパラートを作製した。プレパラートを、ホットステージ(リンカム製、形式10002)上で320℃に加熱しながら、光学顕微鏡を用いて観察倍率100倍で観察した。未溶解の塊状物や凝集物が観察されない場合を「相溶」、観察された場合を「非相溶」とした。
(2)相分離構造形態の確認
各実施例および比較例により得られた樹脂組成物のフィルムから、ライカ製ウルトラミクロトーム(EM UC7)を用い、ダイヤモンドナイフにより約2mm×約1mmの断面観察用サンプルを作製した。透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7100)により、加速電圧100kVとして、観察用サンプルの断面の相構造を観察し、相構造の形態(海島構造、共連続構造)を確認した。なお、海島構造とは、片方の成分が主成分である粒子状に形成した部分と、もう片方の成分が主成分であるマトリックスとが存在し、そのマトリックスの中に粒子が点在した構造のことを指し、共連続構造とは混合する2種以上の成分がそれぞれ連続相を形成し、互いに3次元的に絡み合った構造を指す。
(3)島相同士の粒子間距離測定/共連続構造の構造周期測定
前記海島構造を形成しているサンプル、共連続構造を形成していているサンプルにつき、それぞれ島構造の粒子間距離、構造周期を求めた。
海島構造を形成しているサンプルについては、以下の方法で島構造の粒子間距離を求めた。正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描き、いずれの直線にも10個以上100個未満の島相が直線に接するよう、適切な観察倍率に調整した。かかる適切な観察倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を接する島の数で割った。10本の直線について同様の作業を行った。かかる作業をサンプル上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を算出することによって、島構造の粒子間距離を求めた。
共連続構造を形成しているサンプルについては、以下の方法で構造周期を求めた。正方形の電子顕微鏡観察写真に無作為に10本の直線を描いた際、いずれの直線にも20個以上200個未満のA相とB相の境界が直線と交差するよう、適切な観察倍率に調整した。かかる適切な倍率において、観察像に無作為に描かれた直線の像の端から端までの線分の距離を、A相とB相の境界の数を2で割った数で割った。10本の直線について同様の作業を行い、かかる作業を試料上の無作為に選択した10カ所の電子顕微鏡観察写真において実施し、それらの数平均値を得ることによって、構造周期を求めた。なお、ここでいう、線分の距離とは、実際の距離のことであり、観察写真中のスケールバーを基準に実際の距離を求めた。
(4)島相成分の評価
前記(2)に記載の透過型電子顕微鏡観察において海島構造を形成した樹脂組成物について、(2)に記載の断面観察用サンプルと同様の方法で作製したサンプルを95%硫酸に1分間浸漬し、取り出した後、流水で10分間表面を洗浄した。次いで、60℃熱風乾燥機内で1時間乾燥させた後、電界放出形走査型電子顕微鏡(JEOL製 JSM−6301NF)により、加速電圧5kV、エミッション電流12μAとして、サンプル表面を観察した。残存している成分は硫酸に侵されないポリアリーレンスルフィド成分であり、本表面観察により島成分がポリアリーレンスルフィドか否かを判別した。
(5)耐熱性評価
各実施例および比較例により得られたフィルムから10mm×50mmの大きさの試験片を切り出した。試験片の片端20mmを保持して試験片が水平になるように片持ち状態で固定し、110℃のオーブン中に4分間放置した後、保持した部分と反対側の先端が自重によって垂れ下がった変化量(水平距離)を測定し、耐熱性を評価した。変化量が小さいほど耐熱性に優れる。
(6)耐薬品性評価
各実施例および比較例により得られたフィルムから10mm×50mmの試験片を切り出した。試験片を95%硫酸中に15分間浸漬し、試験前の形態を維持しているか否かを観察し、○(変化無し)、△(一部崩壊するが形態保持)、×(形態保持せず)の評価基準で評価した。
(参考例1:環状ポリフェニレンスルフィド(PPS)の準備)
撹拌機を具備したステンレス製オートクレーブに、水硫化ナトリウムの48重量%水溶液を14.03g(0.120モル)、96重量%水酸化ナトリウムを用いて調製した48重量%水酸化ナトリウム水溶液12.50g(0.144モル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)615.0g(6.20モル)およびp−ジクロロベンゼン(p−DCB)18.08g(0.123モル)を仕込んだ。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素ガス下に密封した。
400rpmで撹拌しながら、室温から200℃まで約1時間かけて昇温した。この段階で、反応容器内の圧力はゲージ圧で0.35MPaであった。次いで200℃から270℃まで約30分間かけて昇温した。この段階の反応容器内の圧力はゲージ圧で1.05MPaであった。270℃で1時間保持した後、室温近傍まで急冷してから内容物を回収した。
得られた内容物をガスクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーにより分析した結果、モノマーのp−DCBの消費率は93%、反応混合物中のイオウ成分がすべて環状PPSに転化すると仮定した場合の環状PPS生成率は18.5%であることがわかった。
得られた内容物500gを約1500gのイオン交換水で希釈したのちに平均目開き10〜16μmのガラスフィルターで濾過した。フィルターオン成分を約300gのイオン交換水に分散させ、70℃で30分間撹拌し、再度前記同様の濾過を行う操作を計3回行い、白色固体を得た。これを80℃で一晩真空乾燥し、乾燥固体を得た。
得られた固形物を円筒濾紙に仕込み、溶剤としてクロロホルムを用いて約5時間ソックスレー抽出を行うことにより、固形分に含まれる低分子量成分を分離した。
抽出操作後に円筒濾紙内に残留した固形成分を70℃で一晩減圧乾燥しオフホワイト色の固体を約6.98g得た。分析の結果、赤外分光分析における吸収スペクトルよりこれはフェニレンスルフィド構造からなる化合物であり、また、重量平均分子量は6,300であった。
クロロホルム抽出操作にて得られた抽出液から溶媒を除去した後、約5gのクロロホルムを加えてスラリーを調製し、これを約300gのメタノールに撹拌しながら滴下した。これにより得られた沈殿物を濾過回収し、70℃で5時間真空乾燥を行い、1.19gの白色粉末を得た。この白色粉末は赤外分光分析における吸収スペクトルよりフェニレンスルフィド単位からなる化合物であることを確認した。また、高速液体クロマトグラフィーにより成分分割した成分のマススペクトル分析(装置;日立製M−1200H)、さらにMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、この白色粉末はp−フェニレンスルフィド単位を主要構成単位とし繰り返し単位数4〜13の環式化合物を約99重量%含むことが判明した。なお、GPC測定を行った結果、この白色粉末は室温で1−クロロナフタレンに全溶であり、重量平均分子量は900であった。
(参考例2:ポリフェニレンスルフィド樹脂の準備)
撹拌機付きの70リットルオートクレーブに、47.5重量%水硫化ナトリウム8267.37g(70.00モル)、96重量%水酸化ナトリウム2957.21g(70.97モル)、NMP11434.50g(115.50モル)、酢酸ナトリウム2583.00g(31.50モル)およびイオン交換水10500gを仕込み、常圧で窒素を通じながら245℃まで約3時間かけて徐々に加熱し、水14780.1gおよびNMP280gを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たりの系内残存水分量は、NMPの加水分解に消費された水分を含めて1.06モルであった。また、硫化水素の飛散量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モル当たり0.02モルであった。
次に、p−ジクロロベンゼン10235.46g(69.63モル)、NMP9009.00g(91.00モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封し、240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で238℃まで昇温した。238℃で95分間反応を行った後、0.8℃/分の速度で270℃まで昇温した。270℃で100分間反応を行った後、1260g(70モル)の水を15分間かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後200℃まで1.0℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷した。
内容物を取り出し、26300gのNMPで希釈後、溶剤と固形物をふるい(80mesh)で濾別し、得られた粒子を31900gのNMPで洗浄、濾別した。これを、56000gのイオン交換水で数回洗浄、濾別した後、0.05重量%酢酸水溶液70000gで洗浄、濾別した。70000gのイオン交換水で洗浄、濾別した後、得られた含水PPS粒子を80℃で熱風乾燥し、120℃で減圧乾燥し、ポリフェニレンスルフィド樹脂を得た。
(実施例1)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末2g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は5.2μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例2)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は4.8μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例3)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末4g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物6gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は8.3μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例4)
前記ポリエーテルイミドの粉末2g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
370℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は2.1μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例5)
前記ポリエーテルイミドの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
370℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は1.9μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例6)
前記ポリアリレートの粉末2g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は4.1μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例7)
前記ポリアリレートの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は4.2μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例8)
前記ポリアリレートの粉末4g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物6gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は6.8μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例9)
前記ポリフェニレンエーテルの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は2.4μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例10)
前記ポリフェニレンエーテルの粉末4g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物6gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は3.3μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例11)
前記ポリスルホンの粉末2g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は3.7μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、N,N−ジメチルホルムアミド浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例12)
前記ポリスルホンの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は3.9μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、N,N−ジメチルホルムアミド浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(実施例13)
前記ポリスルホンの粉末4g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物6gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は6.5μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、N,N−ジメチルホルムアミド浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、いずれも良好な特性を有していることがわかった。
(比較例1)
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物10gを1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。
得られたフィルムを用い、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性に大きく劣る結果となった。
(比較例2)
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記ポリエーテルケトンケトンの粉末10gを1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。
得られたフィルムを用い、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐熱性を有していたが、耐薬品性に大きく劣る結果となった。
(比較例3)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末1g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物9gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は8.6μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面に孔が多数観察されたことから、島成分がポリエーテルケトンケトンであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性に劣る結果となった。
(比較例4)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末5g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物5gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、10℃/分の速度で徐々に降温し、室温まで冷却することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は8.8μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面に島状構造体が多数観察されたことから、島相成分がポリフェニレンスルフィドであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐熱性を有していたが、耐薬品性に大きく劣る結果となった。
(比較例5)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末2g、製造例2により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂の粉末8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、非相溶であることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は10.5μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面には孔が多数観察されたことから、島成分がポリエーテルケトンケトンであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性にやや劣る結果となった。
(比較例6)
前記ポリエーテルケトンケトンの粉末3g、製造例2により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂の粉末7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、非相溶であることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は9.6μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、95%硫酸浸漬後のフィルム表面には孔が多数観察されたことから、島成分がポリエーテルケトンケトンであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、耐熱性、耐薬品性とも劣る結果となった。
(比較例7)
前記ポリエーテルイミドの粉末3g、参考例1により得られた環状ポリフェニレンスルフィドの混合物7gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂前駆体組成物を作製した。前記方法により320℃での相溶性を観察したところ、相溶していることがわかった。
380℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂前駆体組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、2相が連続構造を形成した共連続構造を形成しており、構造周期は1.2μmであることがわかった。耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、実施例5と比較し耐熱性に劣る結果となった。
(比較例8)
前記ポリアリレートの粉末2g、製造例2により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂の粉末8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、非相溶であることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は12.1μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面には孔が多数観察されたことから、島成分がポリアリレートであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性に劣る結果となった。
(比較例9)
前記ポリフェニレンエーテルの粉末4g、製造例2により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂の粉末6gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、非相溶であることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は12.4μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、クロロホルム浸漬後のフィルム表面には孔が多数観察されたことから、島成分がポリフェニレンエーテルであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性に劣る結果となった。
(比較例10)
前記ポリスルホンの粉末2g、製造例2により得られたポリフェニレンスルフィド樹脂の粉末8gを金属製容器に投入し、320℃オーブン中で時々撹拌しながら5分間加熱し、樹脂組成物を作製した。前記方法により320℃における相溶性を観察したところ、非相溶であることがわかった。
360℃に加熱された加熱プレス機を用い、前記樹脂組成物を1.5MPaで2時間加熱した後、氷水を用いて急冷することで、厚さ0.1mmのフィルムを得た。得られたフィルムの断面を前記方法により観察した結果、海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離は11.1μmであることがわかった。また、前記方法により島相成分を評価したところ、N,N−ジメチルホルムアミド浸漬後のフィルム表面には孔が多数観察されたことから、島成分がポリスルホンであることがわかった。さらに、耐熱性評価、耐薬品性評価を行ったところ、良好な耐薬品性を有していたが、耐熱性に劣る結果となった。
各実施例および比較例の評価結果をまとめて表1〜4に示す。
Figure 2015193813
Figure 2015193813
Figure 2015193813
Figure 2015193813

Claims (5)

  1. ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)および下記一般式(1)で表される環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含む樹脂前駆体組成物を、250℃〜450℃に加熱することにより前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化して得られる樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)が海相、前記ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離が0.01μm〜10μmである樹脂組成物。
    Figure 2015193813
    (上記一般式(1)中、Arはアリーレン基、mは2〜50の範囲を表す。)
  2. 前記樹脂前駆体組成物が、320℃において前記熱可塑性樹脂(A)と前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)が相溶している請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. ガラス転移温度が100℃以上である熱可塑性樹脂(A)およびポリアリーレンスルフィドの合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記ポリアリーレンスルフィドを50重量部を超え85重量部以下含む樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂(A)が海相、前記ポリアリーレンスルフィドが島相である海島構造を形成しており、島相同士の粒子間距離が0.01μm〜10μmである樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形品。
  5. 前記熱可塑性樹脂(A)および前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂(A)を15重量部以上50重量部未満、前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)を50重量部を超え85重量部以下含み、320℃において前記熱可塑性樹脂(A)と前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)が相溶している樹脂前駆体組成物を250℃〜450℃に加熱することにより前記環状ポリアリーレンスルフィド(B)をポリアリーレンスルフィドに転化する請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
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