JP2015192578A - 電圧検出装置及び電圧電流検出装置 - Google Patents

電圧検出装置及び電圧電流検出装置 Download PDF

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裕次 松元
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悟 阿部
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Masanori Suda
正憲 須田
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Keiji Takagi
桂二 高木
善徳 辻村
Yoshinori Tsujimura
善徳 辻村
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Abstract

【課題】インバータ回路の入力側の電圧検知部と電流検知部の代替手段として、インバータ回路の入力電圧と入力電流を推定可能な電圧検出装置等を提供する。【解決手段】本発明の電圧検出装置は、スイッチング素子Q1〜Q6の制御に応じて直流の入力電圧Vin及び入力電流Iinを交流の出力電圧Vu、Vv、Vw及び出力電流Iu、Iv、Iwに変換して負荷12に供給するインバータ回路10における電圧を検出し、このインバータ回路10の出力側と負荷12の間に接続される複数の配線Lu、Lv、Lwの電圧に基づいて複数のスイッチング素子Q1〜Q6の制御状態を判定し、判定結果に応じて複数の配線Lu、Lv、Lwの電圧のうちの高電位と低電位の差である直流電圧値を求め、この直流電圧値に基づいて入力電圧Vinの電圧推定値V1を推定することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、直流の入力電力を交流の出力電力に変換して負荷に供給するインバータ回路を備えた電力変換装置に付加される電圧検出装置及び電圧電流検出装置に関する。
一般に、交流モータを駆動する際には、直流の入力電力を交流の出力電力に変換するインバータ回路を備える電力変換装置が用いられる。例えば、電気自動車や燃料電池車などに搭載されるモータを駆動する場合には、バッテリー電源を直接インバータ回路により交流電力に変換する構成や、直流電圧をDC−DCコンバータで昇圧した後にインバータ回路により交流電圧に変換する構成などが想定される。
従来の電力変換装置を適用したシステムにおいては、負荷の駆動状態に応じた適切な制御などの様々な目的で、インバータ回路の入力側における直流の電圧及び電流を検出する機能を有することが一般的である。例えば、特許文献1、2には、インバータ回路の入力側の電圧検知部と電流検知部によって検知された直流の電圧及び電流を、所定の値になるように制御する構成が開示されている。あるいは、特許文献3には、インバータ回路を制御する制御部に設けた電流推定部により、入力側の電流を推定する構成が開示されている。一方、特許文献4には、インバータ回路の出力側に電流検知部を設け、その電流検知部によって得られた電流値により入力電力を推定する構成が開示されている。
特開2005−251674号公報 特開2012−106581号公報 国際公開第2013/125320号 特開2012−39783号公報
上記従来の電力変換装置においては、負荷に大電力を供給する動作や、内部の発熱が増加する状態が想定されるので、十分な故障対策を施して信頼性を高めることが望ましい。例えば、電力変換装置に内蔵される上述の電圧検知部又は電流検知部が故障した場合には、負荷の駆動を正常に制御できなくなる事態を招くことになる。このような故障対策に関し、例えば、特許文献2には、バッテリーの直流電圧を監視する電圧検知部を3箇所に設け、上流側の電圧検知部の故障時に下流側の電圧検知部を用いて直流電圧を検知する手法が示されている。また、特許文献1には、電圧検知部と電流検知部の一方が故障した場合には、故障していない他方の検知部で得られた出力を用いて制御を行う手法が示されている。
しかし、特許文献1、2の構成は、電圧検知部と電流検知部の一方が故障したとき、何らかの代替手段でインバータ回路の入力側の電圧と電流のいずれか一方を得るに過ぎない。また、特許文献3の構成は、インバータ回路の入力側の電力を推定するものであるため、電流検知部の故障時の代替手段とするには、推定値から入力側の電流を取り出す工夫が必要になる。また、特許文献4の構成についても、入力側の電圧と電流を独立に推定することはできないことは明らかである。このように、従来の電力変換装置においては、インバータ回路の入力側において、電圧検知部と電流検知部の両方が故障したとしても、その代替手段として電圧と電流の両方を独立して推定することはできないため、電力変換装置の信頼性の確保の面で問題があった。
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、インバータ回路の入力側の電圧検知部と電流検知部の代替手段を提供し、追加デバイスを最小限に抑えつつ、インバータ回路の入力電圧と入力電流を独立に推定することが可能な電圧検出装置等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電圧検出装置は、複数のスイッチング素子(Q1〜Q6)の制御に応じて直流の入力電圧(Vin)及び入力電流(Iin)を交流の出力電圧(Vu、Vv、Vw)及び出力電流(Iu、Iv、Iw)に変換して負荷(12)に供給するインバータ回路(10)における電圧を検出する電圧検出装置であって、前記インバータ回路の出力側と前記負荷の間に接続される複数の配線(Lu、Lv、Lw)の電圧に基づいて前記複数のスイッチング素子の制御状態を判定し、判定結果に応じて前記複数の配線の電圧のうちの高電位と低電位の差である直流電圧値を求め、当該直流電圧値に基づいて前記入力電圧を推定可能であることを特徴としている。
本発明の電圧検出装置によれば、インバータ回路における複数のスイッチング素子の制御状態は、インバータ回路と負荷の間に接続される複数の配線の各電圧に基づいて判定され、その判定結果によって複数の配線の各電圧が直流電圧値に変換されるので、この直流電圧値を用いてインバータ回路の入力電圧の推定値を得ることが可能となる。従って、複雑かつ高価なデバイスを設けることなく、インバータ回路の入力側の電圧検知部が故障したときの代替手段を提供し、電力変換装置の信頼性を高めることができる。
本発明は多様な構成により実現することができる。例えば、複数の配線の電圧に基づいて、複数のスイッチング素子のそれぞれが導通するタイミングを示す複数の判定信号を出力する制御状態判定部を設けることができる。この場合、複数の判定信号に基づき、複数の配線の電圧のうちの高電位及び低電位の組合せを選択し、高電位から低電位を減算して直流電圧値を出力する電圧モニタ部を更に設けてもよい。
本発明は、インバータ回路が三相交流で負荷を駆動する構成に適用することが有効である。この場合、インバータ回路の出力電圧及び出力電流を負荷に供給する複数の配線は3本の配線で構成し、それぞれ三相交流のu相、v相、w相の電圧及び電流を3本の配線を介して負荷に供給するように構成すればよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の電圧電流検出装置は、複数のスイッチング素子の制御に応じて直流の入力電圧及び入力電流を交流の出力電圧及び出力電流に変換して負荷に供給するインバータ回路における電圧及び電流を検出する電圧電流検出装置であって、前記インバータ回路の出力側と前記負荷の間に接続される複数の配線の電圧に基づいて前記複数のスイッチング素子の制御状態を判定し、判定結果に応じて前記複数の配線の電圧のうちの高電位と低電位の差である直流電圧値を求めるとともに、前記判定結果と前記複数の配線の電流を検知する電流検知部の電流検知信号とに基づき、前記複数の配線の電流を直流に変換した直流電流値を求め、前記直流電圧値及び前記直流電流値に基づいて前記入力電圧及び前記入力電流を推定可能であることを特徴としている。
本発明の電圧電流検出装置によれば、インバータ回路の上述の入力電圧の推定値に加え、得られた直流電流値を用いてインバータ回路の入力電流の推定値を得ることが可能となり、インバータ回路の入力側の電圧検知部と電流検知部の両方が故障したとしても、その代替手段を提供することができる。なお、複数の配線の電圧に基づいて、複数のスイッチング素子のそれぞれが導通するタイミングを示す複数の判定信号を出力する制御状態判定部と、複数の判定信号に基づき、複数の電流検知信号のうち負荷に流れ込む方向又は負荷から流れ出る方向の電流値の和を直流電流値として出力する電流モニタ部とを更に設けてもよい。
本発明によれば、負荷を駆動するインバータ回路の入力側に設けられた電圧検知部及び電流検知部に故障等の不具合が生じたとしても、インバータ回路の出力側に設けた代替手段を有効に利用して、複雑かつ高価なデバイスを設けることなく、インバータ回路の入力電圧及び入力電流の推定値を得ることが可能となり、電力変換装置の信頼性の向上を図ることができる。
電力変換装置の主要部の構成を示す図である。 入力電圧電流推定部の機能を示すブロック図である。 制御状態判定部の回路例を示す図である。 図3の回路例における真理値表及びスイッチング状態を示す図である。 制御状態判定部の動作時の波形の例を示す図である。 電圧モニタ部の構成例を示す図である。 図5と同様の条件でモータを駆動した場合において、三相の電圧及び三相の電流の波形を示す図である。 電流モニタ部の構成例を示す図である。 三相交流の電圧のシミュレーション波形とインバータ回路のスイッチング制御との関係を示す図である。 図9のシミュレーション波形に関連して、制御信号と判定信号の対応関係を示す図である インバータ回路の入力側の正負の直流電圧と、モータに供給されるu相の電圧と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力側の正負の直流電圧と、モータに供給されるv相の電圧と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力側の正負の直流電圧と、モータに供給されるw相の電圧と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるu相の電流と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるv相の電流と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるw相の電流と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 図14〜図16に関連して、長い時間範囲において、3相の電流の各シミュレーション波形とインバータ回路の入力電流のシミュレーション波形とを重ねて示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるv相及びw相の電流の和と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるw相及びu相の電流の和と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 インバータ回路の入力電流と、モータに供給されるu相及びv相の電流の和と、制御信号と、判定信号との対応関係を示す図である。 図18〜図20に関連して、長い時間範囲において、3相の電流の和の各シミュレーション波形とインバータ回路の入力電流のシミュレーション波形とを重ねて示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に述べる実施形態は本発明を適用した形態の例であって、本発明が本実施形態の内容により限定されることはない。
図1は、本発明の電圧電流検出装置を適用した一実施形態に係る電力変換装置の主要部の構成を示す図である。図1においては、本実施形態の電力変換装置のうち、インバータ回路10と、電流検知部11と、モータ12と、分圧回路13と、入力電圧電流推定部14を含む範囲を示している。実際の電力変換装置においては、例えば、直流電源あるいはバッテリーや、インバータ回路10の前段の各種回路(昇圧回路、DC/DCコンバータ等)や、制御回路など多様な構成要素を含んで構成されるが、図1では省略している。
図1の構成において、インバータ回路10は、6個のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6を含んで構成され、直流の入力電力を三相交流の出力電力に変換する。スイッチング素子Q1〜Q6としては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられる。インバータ回路10の入力側は、正の直流電圧Vd+が印加される配線Laと、負の直流電圧Vd−が印加される配線Lbとに接続される。これにより、1対の配線La、Lbの間に直流の入力電圧Vin(Vin=(Vd+)−(Vd−))が発生する。例えば、Vd+=100V、Vd−=−100Vであれば、Vin=200Vとなる。また、入力電圧Vinに応じた入力電流Iinが、一方の配線Laからインバータ回路10及び負荷であるモータ12を経由して他方の配線Lbに流れる。
インバータ回路10において、3個のスイッチング素子Q1、Q2、Q3はそれぞれの一端が配線Laに接続されるとともに、3個のスイッチング素子Q4、Q5、Q6はそれぞれの一端が配線Lbに接続される(以下、プラス側のスイッチング素子Q1〜Q3、マイナス側のスイッチング素子Q4〜Q6と呼ぶ場合がある)。また、1対のスイッチング素子Q1、Q4が直列接続され、両者の接続点が配線Luに接続されている。同様に、1対のスイッチング素子Q2、Q5が直列接続され、両者の接続点が配線Lvに接続され、1対のスイッチング素子Q3、Q6が直列接続され、両者の接続点が配線Lwに接続されている。これら3本の配線Lu、Lv、Lwには、インバータ回路10から出力される三相(u相、v相、w相)の電圧Vu、Vv、Vwがそれぞれ発生する。
インバータ回路10の6個のスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子には、外部から制御信号S1、S2、S3、S4、S5、S6がそれぞれ供給される。これらの制御信号S1〜S6は、スイッチング素子Q1〜Q6の各々をオン又はオフに制御するための信号であり、これにより矩形波あるいはPWM波の三相交流を作り出すことができる。本実施形態では、制御信号S1〜S6を直接監視することなく、三相の電圧Vu、Vv、Vwの各波形に基づいて制御信号S1〜S6による制御状態を判定することができるが、詳しくは後述する。
インバータ回路10から三相のモータ12には、出力側の各配線Lu、Lv、Lwを経由して、三相の電流Iu、Iv、Iwがそれぞれ流れる。そして、配線Lu、Lv、Lwの近傍に配置された電流検知部11は、電流Iu、Iv、Iwを検知するセンサであり、それぞれの電流値を示す電流検知信号SIu、SIv、SIwを入力電圧電流推定部14に出力する。電流検知部11としては、例えば、それぞれの配線Lu、Lv、Lwの周囲に発生する磁界を検知するデバイスを用いることにより、電流Iu、Iv、Iwの大きさに比例する振幅を有する電流検知信号SIu、SIv、SIwを生成することができる。
モータ12は、例えば、三相交流によって固定子が発生する回転磁界に応じて、界磁を有する回転子が回転する三相モータである。モータ12は、互いに位相が120°ずれた電流Iu、Iv、Iwを、u相、v相、w相の各端子を介して供給することにより駆動される。なお、モータ12の回転速度は、上述の制御信号S1〜S6の波形に応じて制御される三相交流の周期に連動して変化する。
図1に示すように、三相の各配線Lu、Lv、Lwはモータ12に接続される途中で分岐し、それぞれ分圧回路13にも接続される。分圧回路13は、インバータ回路10から出力される電圧Vu、Vv、Vwが高電圧であるため、それを分圧することにより、比較的小さい分圧電圧VDu、VDv、VDwを生成する役割がある。分圧回路13はグランドGにも接続され、このグランドGを基準電位として分圧電圧VDu、VDv、VDwを生成することができる。例えば、Vd+=100V、Vd−=−100Vなどの高電圧の入力条件に対し、分圧回路13の後段の論理回路等が0〜5Vの範囲内で動作する場合には、分圧回路13を介して電圧振幅を40分の1程度に低減する必要がある。この場合、分圧回路13は、例えば、所定の抵抗比に設定された複数の抵抗素子と、その後段のオペアンプを用いたバッファアンプなどにより構成することができる。
入力電圧電流推定部14は、分圧回路13から受け取った分圧電圧VDu、VDv、VDwと、電流検知部11から受け取った電流検知信号SIu、SIv、SIwとを用いて、インバータ回路10の入力側における入力電圧Vin及び入力電流Iinのそれぞれの電圧推定値V1及び電流推定値I1を出力する。なお、図1には示していないが、入力電圧電流推定部14から、電圧推定値V1及び電流推定値I1に加えて、インバータ回路10の出力側の各電圧値(三相の各相間の電圧など)、各電流値(三相の各電流Iu、Iv、Iwなど)及び出力電力をそれぞれ出力する構成としてもよい。
次に、入力電圧電流推定部14の具体的な構成及び動作について説明する。図2は、入力電圧電流推定部14の機能を示すブロック図である。図2に示す入力電圧電流推定部14は、制御状態判定部20と、クロック発生部21と、電圧モニタ部22と、電流モニタ部23と、電圧補正部24と、電流補正部25とを含んで構成される。
図2の構成において、制御状態判定部20は、図1の分圧回路13から出力される分圧電圧VDu、VDv、VDwに基づいて、インバータ回路10のスイッチング制御の状態を判定し、その判定結果を判定信号D(後述の判定信号D0〜D7)として出力する。ここで、図3には、制御状態判定部20の回路例を示している。また、図4には、図3の回路例における真理値表及びスイッチング制御の状態を示し、図5には、制御状態判定部20の動作時の波形の例を示している。なお、図3〜図5では、矩形波の三相交流によってモータ12を駆動する場合を前提として説明を行う。
図3に示す制御状態判定部20は、3個のコンパレータ30と、8個のANDゲート31により構成される。3個のコンパレータ30は、分圧電圧VDu、VDv、VDwのそれぞれと参照電圧Vrefとの大小を比較し、比較結果としてハイ又はローの2値を出力する。参照電圧Vrefは、分圧電圧VDu、VDv、VDwのハイとローの中間の電位に設定すればよい。例えば、分圧回路13が0〜5Vで動作する場合、上述のように、モータ12を矩形波で駆動すれば、ハイが最大で5V、ローが最小で0Vになるので、本来はコンパレータ30を設けなくてもよい。ただし、モータ12に供給される電圧Vu、Vv、Vwがノイズや振幅変動の影響を受ける場合も想定されるので、コンパレータ30を介して電圧波形を整形するものである。
8個のANDゲート31は、3個のコンパレータ30のハイとローの8通りのパターンのうち、互いに異なるパターンを判別し、上述したように、それぞれ異なるタイミングのパルスを含む判定信号D0〜D7を出力する。ここで、図4には、インバータ回路10に対する制御状態として、8通りの状態0〜7が示され、それぞれの状態0〜7に関し、制御状態判定部20に入力される分圧電圧VDu、VDv、VDwのハイ(H)とロー(L)の組合せパターン(真理値表)と、そのパターンに応答してハイになる判定信号D0〜D7と、その際のインバータ回路10におけるスイッチング素子Q1〜Q6の状態(オン又はオフ)が対応付けられている。なお、図4の状態0〜7のうち、スイッチング素子Q1〜Q6がオン(ON)であれば、図1で対応する制御信号S1〜S6がハイに制御され、スイッチング素子Q1〜Q6がオフ(OFF)であれば、図1で対応する制御信号S1〜S6がローに制御されることを意味する。
図4において、例えば、直列接続される1対のスイッチング素子Q1、Q4に着目すると、一方がオンに制御され、他方がオフに制御されることがわかる。よって、図1の出力側の配線Luは、オンになった側のスイッチング素子Q1、Q4を介して、配線La、Lbの一方に接続される。このとき、スイッチング素子Q1、Q4の両方が同時にオンになると、配線La、Lbの間に大電流が流れることになるので、少なくとも一方はオフに保つ必要がある。以上の制御については、直列接続される1対のスイッチング素子Q2、Q5と、直列接続される1対のスイッチング素子Q3、Q6についても同様である。
図5には、矩形波の三相交流によりモータ12を駆動した場合において、図1の配線Lu、Lv、Lwの電圧Vu、Vv、Vwの波形と、図3の制御状態判定部20により出力される判定信号D1〜D6の波形を示している。ここで、矩形波による駆動の場合、図3の判定信号D0〜D7のうちの判定信号D0、D7は生成されないため、図5では6個の判定信号D1〜D6のみを示している。また、電圧Vu、Vv、Vwは、正の高電位+VHと負の低電位−VLの間で変化し、分圧電圧VDu、VDv、VDwとレベルが異なるが同様の波形になる。なお、高電位+VH及び低電位−VLの絶対値は、電力変換装置の各部の電圧降下等により図1の正負の直流電圧Vd+、Vd−の絶対値より若干小さく、かつ時間的に変動するが、図5では考慮しないものとする。
図5の上部には、三相交流の周期Tを示しており、電圧Vu、Vv、Vwは、位相120°に相当する時間T/3だけ互いの波形がずれている。そして、電圧Vu、Vv、Vwの波形パターンは、周期Tを6つに区分した周期T/6で変化していくことがわかる。一方、判定信号D1〜D6は、図4の左側の真理値表に対応して変化し、互いに異なるタイミングで時間幅T/6のパルスを発生する。図5に示す周期T内では、判定信号D5、D1、D6、D2、D4、D3の順にパルスが現れ、それ以降も、同じパターンで変化し続ける。従って、三相交流内の周期Tの任意の時間帯において、判定信号D1〜D6が重なることなく、いずれか1つが常にハイになる。換言すれば、ハイになっている判定信号D1〜D6と、電圧Vu、Vv、Vwの波形パターンとを対応付けることができる。
例えば、判定信号D1がハイになるタイミングを例にとると、このときにVu=+VH、Vv=−VL、Vw=−VLとなるが、これは図4のスイッチング制御の「状態1」(Q1、Q5、Q6がON、Q2、Q3、Q4がOFF)を反映している。従って、後述の電圧モニタ部22において、クロックCLKに基づくサンプリングで得られた電圧Vu、Vv、Vwに相当する各電圧値を用いて、判定信号D1がハイのときにVu−Vv(又はVu―Vw)に相当する演算を行うことで、モータ12に印加される瞬時的な電圧を判断することができる。また、以上の動作により、インバータ回路10の入力電圧Vinも推定可能となるが、詳しくは後述する。
図2に戻って、クロック発生部21は、上述のサンプリングに基づくクロックCLKを発生し、電圧モニタ部22及び電流モニタ部23に供給する。クロック発生部21が発生するクロックCLKは、図5からわかるように、判定信号D1〜D6の各パルスの時間幅(図5ではT/6)内で確実にサンプリングができる程度に高い周波数に設定する必要がある。なお、電圧モニタ部22及び電流モニタ部23において、分圧電圧VDu、VDv、VDwをアナログ信号のまま用いる構成の場合には、クロック発生部21を設けなくてもよい。
次に、図2の電圧モニタ部22は、分圧回路13から出力される分圧電圧VDu、VDv、VDwに基づいて、インバータ回路10からモータ12に供給される三相交流を、図6に示す手法によって直流電圧に変換した直流電圧値V1aを生成する。そして、電圧モニタ部22の後段の電圧補正部24は、直流電圧値V1aに対して、インバータ回路10の損失特性等の条件を考慮した補正演算を行い、入力電圧Vinを推定した電圧推定値V1を出力する。
ここで、図6には、電圧モニタ部22の構成例を示している。図6に示す電圧モニタ部22は、3個の減算部40と、3個の反転部41と、8個のマルチプレクサ42と、1個の加算部43により構成される。図6の構成において、入力される分圧電圧VDu、VDv、VDwは、アナログ信号とディジタル信号のいずれであってもよい。なお、ディジタル信号の分圧電圧VDu、VDv、VDwを得るためには、減算部40のそれぞれの前段に、3個のAD変換器を挿入し、図2のクロックCLKに応じたサンプリング周期で、アナログの分圧電圧VDu、VDv、VDwをディジタル信号に変換する必要がある。
図6において、3個の減算部40は、分圧電圧VDu、VDv、VDwのうち所定の2つの電圧値を減算する。減算結果としては、例えば、VDu−VDv(VDu−VDw)、VDv−VDw(VDv−VDu)、VDw−VDu(VDw−VDv)の3つの電圧値が得られる。3個の反転部41は、3個の減算部40から出力された3つの電圧値を反転する(ディジタル値の場合は−1を乗じる)。例えば、VDu−VDv、VDv−VDw、VDw−VDuが3個の反転部41に入力された場合、VDv−VDu、VDw−VDv、VDu−VDwがそれぞれ出力され、全部で6つの電圧値が得られることになる。
8個のマルチプレクサ42は、判定信号D0〜D7に基づいて、2つの入力の一方を選択的に出力する。8個のマルチプレクサ42のうち、上側の6個のマルチプレクサ42の一端(端子1)には、3個の減算部40及び3個の反転部41から出力される上述の6つの電圧値が入力され、下側の2個のマルチプレクサ42の一端(端子1)には、後述の信号ホールド部44の出力信号が入力される。また、8個のマルチプレクサ42の他端(端子0)は、いずれも基準の電位が入力される。加算部43は、8個のマルチプレクサ42の出力値の全てを加算し、加算結果を上述の直流電圧値V1aとして出力する。一方、信号ホールド部44は、加算部43から出力される直流電圧値V1aを入力し、加算結果が更新されるまで、その直流電圧値V1aを保持する。
図6における動作の具体例として、インバータ回路10が図5の波形に示すように制御される場合を想定する。この場合、判定信号D1〜D6が周期T/6で順次ハイになり、これに連動して6個のマルチプレクサ42を1個ずつ活性化する。6個のマルチプレクサ42の並び順に、例えば、VDu−VDv、VDv−VDw、VDw−VDu、VDv−VDu、VDw−VDv、VDu−VDwの各電圧値が順次出力される。これらの電圧値は、各々の周期T/6内における三相電圧の高電位と低電位の差に対応し、インバータ回路10の入力電圧Vinに比例した値になる。なお、任意の時間帯において、1個のマルチプレクサ42のみが端子1の側に制御され、他の7個のマルチプレクサ42は端子0の側に制御される状態(電圧値0が出力される状態)であるので、2以上の電圧値が加算部43で加算されることはない。
図2に戻って、電流モニタ部23は、電流検知部11から出力される電流検知信号SIu、SIv、SIwに基づいて、インバータ回路10からモータ12に供給される三相の電流Iu、Iv、Iwを、直流電流に変換した直流電流値I1aを生成する。そして、電流モニタ部23の後段の電流補正部25は、直流電流値I1aに対して、インバータ回路10の損失特性等の条件を考慮した補正演算を行い、入力電流Iinを推定した電流推定値I1を出力する。
ここで、図5に示す三相の電圧Vu、Vv、Vwの波形と、三相の電流Iu、Iv、Iwの波形との関係について説明する。図7は、図5と同様の条件でモータ12を駆動した場合において、電圧Vu、Vv、Vwの波形と共通の時間軸で、電流Iu、Iv、Iwの波形を示している。なお、電流検知信号SIu、SIv、SIwは、電流Iu、Iv、Iwに比例する信号であるため、同様の波形になる。
図7に示すように、電圧Vu、Vv、Vwが矩形波であるのに対し、電流Iu、Iv、Iwは矩形波ではなく、緩やかに変化する波形になっている。これは、モータ12が誘導性のインピーダンス成分を有するためである。そのため、電流Iu、Iv、Iwの波形には、インバータ回路10のスイッチング制御によるリプル等の状態変化は生じない。ただし、図7では電流Iu、Iv、Iwの各波形を正弦波のように示しているが、実際にはそうではなく、ここでは便宜上、正弦波として表現したものである。また、電流Iu、Iv、Iwの各々は、対応する電圧Vu、Vv、Vwが高電位+VHであるときは上昇し、対応する電圧Vu、Vv、Vwが低電位−VLであるときは低下することがわかる。
また、図7の下部において、図5に示す1つの判定信号D1のみを例示している。この判定信号D1がハイのとき、図4の「状態1」として示されるように、3個のスイッチング素子Q1、Q5、Q6がオンとなり、他の3個のスイッチング素子Q2、Q3、Q4がオフとなる。従って、図1のインバータ回路10の入力電流Iinは、配線La、スイッチング素子Q1、配線Lu、モータ12、配線Lv、Lw、スイッチング素子Q5、Q6、配線Lbの経路に沿って流れる。この場合、電流Iuは電流Iv、Iwと逆方向に流れ、電流Iuの大きさが電流Iv、Iwの大きさの和に一致するはずである。なお、電流Iu、Iv、Iwの最大値は、インバータ回路10内の電流リーク等により、上述の入力電流Iinの絶対値より若干小さく、かつ時間的に変動する。
次に図8には、電流モニタ部23の構成例を示している。図8に示す電流モニタ部23は、3個の加算部51と、6個のマルチプレクサ52と、1個の加算部53により構成される。図8の構成において、電流検知信号SIu、SIv、SIwは、上側の3個のマルチプレクサ52の一端と3個の加算部51の一端にそれぞれ入力される。3個の加算部51は電流検知信号SIu、SIv、SIwのうち所定の2つの検知信号を加算し、例えば、加算結果として、SIv+SIw、SIw+SIu、SIu+SIvの3つの値が得られる。3個の加算部51の加算結果は、下側の3個のマルチプレクサ52の一端に入力される。6個のマルチプレクサ52は、判定信号D1〜D6に基づいて、2つの入力の一方を選択的に出力する。3個の加算部51と8個のマルチプレクサ52の構成は、図4のスイッチング制御の状態を反映したものであり、プラス側のスイッチング素子Q1〜Q3を経由してインバータ回路10からモータ12に流れ込む電流値の和を得るための演算を行うものである。なお、図8においては、図6とは異なり、判定信号D0、D7が入力される2個のマルチプレクサ42及び信号ホールド部44に対応する構成は設けられない。これは、図4の「状態0」及び「状態7」に示すように、判定信号D0はプラス側のスイッチング素子Q1〜Q3が全てオフになり、判定信号D7はマイナス側のスイッチング素子Q4〜Q6が全てオフになるため、図1のインバータ回路10内で入力電流Iinが流れる経路が遮断され、電流Iu、Iv、Iwがゼロとみなせるからである。加算部53の役割は、図6の加算部43と同様であり、加算部53の加算結果として上述の直流電流値I1aが出力される。
図8の構成例では、配線Laからモータ12に流れ込む方向の電流値の和により直流電流値I1aを求める場合を示したが、モータ12から配線Lbに流れ出す方向の電流値の和により直流電流値I1aを求めてもよい。この場合、図8において、6個のマルチプレクサ52に対して上側から判定信号D4、D5、D6、D1、D2、D3の順に接続するか、又は、上側の3個のマルチプレクサ52の各一端(端子1)には3個の加算部51の出力を上から順に接続し、下側の3個のマルチプレクサ52の各一端(端子1)には電流検知信号SIu、SIv、SIwを上から順に接続すればよい。これにより、加算部53の加算結果として、判定信号D1〜D6に順次対応して、SIv+SIw、SIw+SIu、SIu+SIv、SIu、SIv、SIwの6つの値が得られる。
なお、図6の電圧モニタ部22及び図8の電流モニタ部23はいずれも一例であって、多くの変形例がある。例えば、図6の3個の反転部41は、いずれもマルチプレクサ42の入力側に配置されるが、これら3個の反転部41をマルチプレクサ42の出力側と加算部43の入力側の間に挿入しても等価な動作を実現することができる。また例えば、図6のマルチプレクサ42はいずれも2入力タイプであるが、これらを1個の8入力マルチプレクサに置き換えて構成してもよい。一般に、8入力マルチプレクサは、3ビットの選択制御信号によって制御されるので、8個の判定信号D0〜D7を、8−to―3エンコーダを介して3ビットに変換した上で、それを選択制御信号として8入力マルチプレクサに供給することができる。一方、図8の電流モニタ部23のマルチプレクサ52についても、同様に8入力マルチプレクサに置き換えることができるが、2つの入力端子が余ることになるので、その2つの入力端子には電流ゼロに相当する値を入力すればよい。以上の変形例以外にも、同様の機能を実現可能な多様な構成を採用することができる。
図2に戻って、前述の電圧補正部24及び電流補正部25における補正演算は、例えば、入力された直流電圧値V1a、直流電流値I1aに対し、インバータ回路10の特性等に応じた所定の係数を乗じる演算とすることができる。この際に用いる係数は、インバータ回路10のスイッチング制御の状態の経時的な変化を反映させるように制御してもよく、あるいは、予め設けた係数テーブルから適宜読み込んだ係数を用いるように制御してもよい。また、これらの電圧補正部24及び電流補正部25は、電圧電流検出ユニット14aと一体的に設ける構成には限られず、例えば、電力変換装置内の制御部の構成要素として設けることができる。
また、図2の入力電圧電流推定部14において、制御状態判定部20と、クロック発生部21と、電圧モニタ部22と、電流モニタ部23を含む部分は、電圧電流検出ユニット14a(本発明の電圧電流検出装置)を構成する。すなわち、電力変換装置の配線Lu、Lv、Lwの近傍に別体の電圧電流検出ユニット14aを取り付けることで、電力変換装置に対して本発明を適用することができる。なお、上述したように、電圧電流検出ユニット14aは直流電圧値V1a及び直流電流値I1aに加えて、インバータ回路10の出力側の各電圧値及び電流値や出力電力を出力する構成(不図示)を採用してもよい。さらに、図2において、制御状態判定部20と、クロック発生部21と、電圧モニタ部22を含む部分のみを、電圧検出ユニット(本発明の電圧検出装置)として構成してもよい。
次に、本実施形態の入力電圧電流推定部14に対してシミュレーションを実施し、その結果、得られた波形について説明する。上述の図5及び図7では、矩形波の三相交流によってモータ12を駆動する場合を説明したが、本シミュレーションでは、PWM波の三相交流によってモータ12を駆動することを前提にする。
図9は、三相交流の電圧Vu、Vv、Vwのシミュレーション波形とインバータ回路10のスイッチング制御との関係を示す図である。図9では、Vin=400(V)程度の高電圧でモータ12をPWM波で駆動する場合において、短時間の時間範囲(1ms)内における電圧Vu、Vv、Vwと制御信号S1、S2、S3のそれぞれの波形を示している。矩形波の図5や図7と比べると、PWM波による駆動は、スイッチング制御の状態が頻繁に変化し、各制御信号S1、S2、S3のデューティ比がきめ細かく制御される。なお、制御信号S1、S2、S3のハイ/ローは、図4の右側におけるスイッチング素子Q1、Q2、Q3のオン/オフにそれぞれ対応する。なお、図9では、制御信号S4、S5、S6は省略しているが、制御信号S1、S2、S3の組合せパターンを設定したとき、それに対応して制御信号S4、S5、S6の組合せパターンが一律に定まることは、図4からも明らかである。
図9においては、制御信号S1が変化するタイミングtuと、制御信号S2が変化するタイミングtvと、制御信号S3が変化するタイミングtwのうち、連続する3つずつを示している。まず、タイミングtuでは、制御信号S1に連動して電圧Vuが変化し、S1=Hのときに電圧Vuが高電位になり、S1=Lのときの電圧Vuが低電位になる。タイミングtv、twに関しても同様であり、制御信号S2、S3に連動して電圧Vv、Vwがそれぞれ上記のように変化する。このことは、電圧Vu、Vv、Vwに比例する分圧電圧VDu、VDv、VDwのハイ/ローに基づいて、インバータ回路10のスイッチング状態に対応する判定信号Dを生成できることを意味する。なお、図9のシミュレーション波形によれば、例えば、S1=Hのときに電圧Vuの高電位が変動しているが、これはスイッチング制御の状態に応じてグランドGとの相対電位が変化するためであり、高電位と低電位の差は概ね一定に保たれる。
次に図10は、制御信号S1〜S6と判定信号D1〜D6の対応関係を示す図である。図10の3つの制御信号S1〜S3に関しては、図9うち初期の時間幅(0.4ms)のシミュレーション波形と同様であり、それに対応する制御信号S4〜S6及び判定信号D1〜D6のシミュレーション波形を付加したものである。図10においては、制御信号S1、S2、S3がそれぞれ変化するタイミングtu、tv、twを示しているが、いずれも判定信号D1、D6の変化のタイミングに合致している。この場合も、図4に示すように、制御信号S1〜S6のハイ/ローに対応するスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフは、判定信号D1〜D6のハイ/ローに対応している。なお、図10では、上述のように電流の経路が遮断される状態の判定信号D0、D7については図示を省略している。
次に図11〜図13は、図10と同様の時間幅(0.4ms)において、インバータ回路10の入力側の正負の直流電圧Vd+、Vd−と、モータ12に供給される電圧Vu、Vv、Vwと、制御信号S1〜S3と、判定信号D1〜D3との対応関係を示すものである。このうち、図11は、u相の電圧Vuと判定信号D1との関係に着目した図であり、D1=Hとなる初期の期間Taにおいて、Vu=Vd+の関係を満たすことがわかる。このとき、Vv=Vd−の関係も満たしているので、Vu―Vvの演算に基づき、入力電圧Vinを推定できることを意味する。なお、電圧Vvを電圧Vwに置き換えても同様である。
また、図12は、v相の電圧Vvと判定信号D2との関係に着目した図であり、D2=Hとなる初期の期間Tbにおいて、Vv=Vd+の関係を満たすことがわかる。このとき、Vw=Vd−の関係も満たしているので、Vv―Vwの演算に基づき、入力電圧Vinを推定できることを意味する。なお、電圧Vwを電圧Vuに置き換えても同様である。さらに、図13は、w相の電圧Vwと判定信号D3との関係に着目した図であり、D3=Hとなる初期の期間Tcにおいて、Vw=Vd+の関係を満たすことがわかる。このとき、Vu=Vd−の関係も満たしているので、Vw―Vuの演算に基づき、入力電圧Vinを推定できることを意味する。なお、電圧Vuを電圧Vvに置き換えても同様である。以上の図11〜図13のシミュレーション波形により、図6の電圧モニタ部22の構成例(特に減算部40)の妥当性が判断できる。
次に図14〜図16、図18〜図20は、図10と同様の時間幅(0.4ms)において、インバータ回路10の入力電流Iinと、モータ12に供給される電流Iu、Iv、Iw及びそれらの和(Iv+Iw、Iw+Iu、Iu+Iv)と、制御信号S1〜S6と、判定信号D1〜D6との対応関係を示すものである。なお、図14〜図16、図18〜図20の上段には、入力電流Iinのシミュレーション波形と各々の電流Iu、Iv、Iw、Iv+Iw、Iw+Iu、Iu+Ivのシミュレーション波形を重ねて示している。また、図14、15、16は、この順に図4の状態1、2、3(図8の上側の3個のマルチプレクサ52)に対応し、図18、19、20は、この順に図4の状態4、5、6(図8の下側3個のマルチプレクサ52)に対応する。
図14は、u相の電流Iuと判定信号D1との関係に着目した図であり、D1=Hとなる初期の期間Tdにおいて、Iu=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、電流Iuの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。図15は、v相の電流Ivと判定信号D2との関係に着目した図であり、D2=Hとなる初期の期間Teにおいて、Iv=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、電流Ivの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。図16は、w相の電流Iwと判定信号D3との関係に着目した図であり、D3=Hとなる初期の期間Tfにおいて、Iw=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、電流Iwの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。
図14〜図16に関連して、図17には、より長い時間範囲(10ms)において、3相の電流Iu、Iv、Iwの各シミュレーション波形とインバータ回路10の入力電流Iinのシミュレーション波形とを重ねて示している。電流Iu、Iv、Iwについては、緩やかに変化する正弦波に近いのに対し、入力電流Iinについては、PWM波の制御に基づいて図14〜図16と同様の短期的な変動が現れるとともに、その短期的な変動の包絡線が電流Iu、Iv、Iwの各正弦波に沿っている様子がわかる。
図18は、v相の電流Ivとw相の電流Iwの和Iv+Iwと、判定信号D4との関係に着目した図であり、D4=Hとなる初期の期間Tgにおいて、Iv+Iw=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、上記電流の和Iv+Iwの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。図19は、w相の電流Iwとu相の電流Iuの和Iw+Iuと、判定信号D5との関係に着目した図であり、D5=Hとなる初期の期間Thにおいて、Iw+Iu=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、上記電流の和Iw+Iuの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。図20は、u相の電流Iuとv相の電流Ivの和Iu+Ivと、判定信号D6との関係に着目した図であり、D6=Hとなる初期の期間Tiにおいて、Iu+Iv=Iinの関係を満たすことがわかる。すなわち、上記電流の和Iu+Ivの値を用いて入力電流Iinを推定できることを意味する。
図18〜図20に関連して、図21には、図17と同様の長い時間範囲(10ms)において、3相の電流の和Iv+Iw、Iw+Iu、Iu+Ivの各シミュレーション波形とインバータ回路10の入力電流Iinのシミュレーション波形とを重ねて示している。この場合において、上記電流の和Iv+Iw、Iw+Iu、Iu+Iv及び入力電流Iinの各波形の状況は、図17で説明した通りであることがわかる。以上のように、図14〜図21のシミュレーション波形により、図8の電流モニタ部23の構成例の妥当性が判断できる。
以上説明したように、本実施形態の構成は、インバータ回路10の入力側に設けた電圧検知部及び電流検知部の故障対策として有効な代替手段になる。この場合、図1の入力電圧電流推定部14では、電圧推定値V1及び電流推定値I1を独立に生成することができるので、インバータ回路10の入力側の電圧検知部及び電流検知部のうち、一方のみが故障したとき、あるいは両方が故障したときのいずれであっても対応可能となる。また、インバータ回路10の入力側に電圧検知部及び電流検知部が設けられない構成であっても、本実施形態の電圧電流検出装置を取り付けることで、電力変換装置において、インバータ回路10の入力側の電圧検出機能と電流検出機能を付加することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明を適用した電力変換装置(及び電圧電流検出装置、電圧検出装置)は、多様な用途に利用することができる。例えば、電気自動車、電動バイク、電車などの移動体、ブロワ、FA装置、加工装置等の産業用途、昇降機、空調装置等の利用分野において、磁石磁束の変動を補償する構成を備えた電力変換装置や、それ以外の多様な電圧電流検出装置及び電圧検出装置に対して本発明を適用することができる。
10…インバータ回路
11…電流検知部
12…モータ
13…分圧回路
14…入力電圧電流推定部
20…制御状態判定部
21…クロック発生部
22…電圧モニタ部
23…電流モニタ部
24…電圧補正部
25…電流補正部
30…コンパレータ
31…ANDゲート
40…減算部
41…反転部
42、52…マルチプレクサ
43、51、53…加算部
44…信号ホールド部
La、Lb…配線(インバータの入力側)
Lu、Lv、Lw…配線(インバータの出力側)
Vin…入力電圧
Vd+…正の直流電圧
Vd−…負の直流電圧
Iin…入力電流
Vu、Vv、Vw…三相交流の電圧
Iu、Iv、Iw…三相交流の電流
VDu、VDv、VDw…分圧電圧
V1…電圧推定値
V1a…直流電圧値
I1…電流推定値
I1a…直流電流値
Q1〜Q6…スイッチング素子
S1〜S6…制御信号
D0〜D7…判定信号
SIu、SIv、SIw…電流検知信号

Claims (6)

  1. 複数のスイッチング素子の制御に応じて直流の入力電圧及び入力電流を交流の出力電圧及び出力電流に変換して負荷に供給するインバータ回路における電圧を検出する電圧検出装置であって、
    前記インバータ回路の出力側と前記負荷の間に接続される複数の配線の電圧に基づいて前記複数のスイッチング素子の制御状態を判定し、判定結果に応じて前記複数の配線の電圧のうちの高電位と低電位の差である直流電圧値を求め、当該直流電圧値に基づいて前記入力電圧を推定可能であることを特徴とする電圧検出装置。
  2. 前記複数の配線の電圧に基づいて、前記複数のスイッチング素子のそれぞれが導通するタイミングを示す複数の判定信号を出力する制御状態判定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電圧検出装置。
  3. 前記複数の判定信号に基づき、前記複数の配線の電圧のうちの前記高電位及び前記低電位の組合せを選択し、前記高電位から前記低電位を減算して前記直流電圧値を出力する電圧モニタ部を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の電圧検出装置。
  4. 前記インバータ回路は三相交流の前記出力電圧及び前記出力電流を前記負荷に供給し、前記複数の配線は三相交流の各相の電圧及び電流が供給される3本の配線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電圧検出装置。
  5. 複数のスイッチング素子の制御に応じて直流の入力電圧及び入力電流を交流の出力電圧及び出力電流に変換して負荷に供給するインバータ回路における電圧及び電流を検出する電圧電流検出装置であって、
    前記インバータ回路の出力側と前記負荷の間に接続される複数の配線の電圧に基づいて前記複数のスイッチング素子の制御状態を判定し、判定結果に応じて前記複数の配線の電圧のうちの高電位と低電位の差である直流電圧値を求めるとともに、前記判定結果と前記複数の配線の電流を検知する電流検知部の電流検知信号とに基づき、前記複数の配線の電流を直流に変換した直流電流値を求め、前記直流電圧値及び前記直流電流値に基づいて前記入力電圧及び前記入力電流を推定可能であることを特徴とする電圧電流検出装置。
  6. 前記複数の配線の電圧に基づいて、前記複数のスイッチング素子のそれぞれが導通するタイミングを示す複数の判定信号を出力する制御状態判定部と、
    前記複数の判定信号に基づき、前記複数の電流検知信号のうち前記負荷に流れ込む方向又は前記負荷から流れ出る方向の電流値の和を前記直流電流値として出力する電流モニタ部と、
    を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の電圧電流検出装置。
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