JP2015190608A - プラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手 - Google Patents

プラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手 Download PDF

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Abstract

【課題】 インコアを用いずに管の過大な変形や破損を防止しつつ安価で且つ容易に管の離脱を防止し得るプラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手を提供すること。
【解決手段】 第一の開口21からプラスチック管2が挿入されるC型リング状のリング本体20と、リング本体20の内周面20aに周方向に沿って設けられる複数の歯T1〜6と、リング本体20の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、一対のフランジを締結する締結手段を備える。複数の歯の第一の開口21に隣接する第一歯T1は、他の歯T2〜6よりも低い。第一歯T1とこの第一歯T1に隣接する第二歯T2との間の第一歯ピッチP1を除く他の歯ピッチP2〜5のうち少なくとも1つは、第一歯ピッチP1よりも大である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、プラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手に関する。さらに詳しくは、第一の開口からプラスチック管が挿入されるC型リング状のリング本体と、前記リング本体の内周面に周方向に沿って設けられる複数の歯と、前記リング本体の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、前記一対のフランジを締結する締結手段を備え、前記締結手段により前記リング本体を縮径させることで前記複数の歯を前記プラスチック管に食い込ませるプラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手に関する。
従来、上述の如きプラスチック管の離脱防止リングとして、例えば特許文献1に記載の如きものが知られている。このリングには、図14に示すように、リング本体20’の内周面に複数の歯t1〜8が同一ピッチb(歯ピッチP1’〜P7’)で設けられ、歯の高さhは同一である。リング本体20’をプラスチック管2の外径に対し0.5〜2.0%の量縮径させることで、歯t1〜8を管2に食い込ませて管2の離脱を防止する。
管2が、例えばポリエチレン管の場合、リング本体の縮径による管の過度な変形を防止するために、金属製のインコアが内嵌装着される。そのため、コスト高となり作業も煩雑となっていた。インコアを装着してないポリエチレン管に図14に示す離脱防止リングを締め付けて内圧引張試験(管温常温、内圧0.5MPa、歯数8本、歯高さ2.8mm、歯角度30°)を行った。図15(a)の結果では、管歪み4.5%で管が滑り始め5.5%でエア漏れが生じた。また、同図(b)では、管歪み5.9%で管が滑り始め7.1%で管が裂け、その裂け目からエア漏れが生じた。このように、発明者らの実験によれば、インコアを装着しない管では、例えばポリエチレン管の降伏ひずみ8%を超える管歪みに対し管の離脱を防止することが困難であった。
特許3653702号公報
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、インコアを用いずに管の過大な変形や破損を防止しつつ安価で且つ容易に管の離脱を防止し得るプラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るプラスチック管の離脱防止リングの特徴は、第一の開口からプラスチック管が挿入されるC型リング状のリング本体と、前記リング本体の内周面に周方向に沿って設けられる複数の歯と、前記リング本体の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、前記一対のフランジを締結する締結手段を備え、前記締結手段により前記リング本体を縮径させることで前記複数の歯を前記プラスチック管に食い込ませる構成において、前記複数の歯の前記第一の開口に隣接する第一歯は、他の歯よりも低く、前記第一歯とこの第一歯に隣接する第二歯との間の第一歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記第一歯ピッチよりも大であることにある。
上記構成によれば、第一歯はリング本体の第一の開口に隣接するので、隣接する歯は第二歯のみである。そのため、第一歯は、両側で他の歯と隣接する歯と比べてリング本体の縮径による管への押圧力が作用しやすく、他の歯よりも管に食い込みやすい。また、管が離脱しようとする際に生じる応力は、第一の開口側に位置する歯に集中しやすい。その第一歯を他の歯よりも低くすることで、管への食い込み可能な量を削減し、第一歯の過度な食い込みを抑制する。これにより、応力が第一歯に集中することを防止し、応力集中による裂け等の管の破損を防止することができ、管が離脱しようとする荷重(離脱力)を他の歯へ分散させることができる。そして、第一歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも1つを第一歯ピッチよりも大(広く)としている。各歯の食い込みは、隣接する歯の食い込みに対する管の反発力に影響されるので、歯ピッチが大きい程その影響が少なくなり、歯は管に食い込みやすくなる。よって、リング本体の管軸方向の中間部分に位置する歯が管に食い込みやすくなり、各歯の食い込み量のバランスが保たれ、複数の歯全体が管に食い込むように接触する。これにより、管の離脱力が分散して各歯に負荷されると共に複数の歯全体が抵抗となって、離脱を防止する。このように、各歯が同等に管に食い込み且つ複数の歯全体が管に食い込むように接触するので、締付トルクを強くせずとも管の破損及び離脱を防止することが可能となり、インコアの適用が不要となり且つ締付作業も容易となる。
前記他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記プラスチック管の肉厚以上であるとよい。肉厚以上とすることで、隣接する歯の食い込みに対する管の反発力を抑制することができ、隣接する歯への反発力を減少させて、より容易に歯を食い込ませることが可能となる。その結果、よりバランスよく管の離脱力が分散して各歯に負荷されると共に複数の歯全体が抵抗となって、より強固に離脱を防止する。
前記複数の歯の基部の角度は15°以上27°以下であるとよい。15°未満の場合、歯が離脱力が作用する管軸方向に対し細くなり、離脱力に対する強度が不十分となる恐れがある。一方、27°を超えると歯が管に食い込みにくくなり、管はより内径側に縮径し、締結手段の締付トルクは増加し作業性が低下する。さらに、歯が管に十分に食い込んでいないため、離脱力に対し管が滑り出しやすくなる。好ましくは、前記複数の歯の基部の角度は20°以上26°以下であるとよい。
前記一対のフランジは、互いに対向し且つ前記締結手段による前記リング本体の縮径によって接触する凸部を有し、前記凸部の高さを前記プラスチック管の縮径率が96%以上97%以下となるように設定するとよい。これにより、凸部の当接によって縮径の完了が認識でき、作業者により縮径量のバラツキを抑制することができる。また、高さを調整すればよいので、縮径量(縮径率)の調整が容易である。しかも、縮径率が96%以上97%以下の範囲内であれば、複数の歯が管に確実に食い込み、且つ、比較的低い締付トルクで作業でき、作業性もよい。
前記他の歯の高さは、前記プラスチック管の肉厚の10%以上20%以下であるとよい。当該数値範囲であれば、管の強度にも影響を与えず且つ管の滑り(離脱)を防止し得る。
上記いずれかに記載の管の離脱防止リングは、例えば、前記複数の歯は少なくとも5本有し、前記第一歯ピッチとこの第一歯ピッチに隣接する第二歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも2つは、前記第一歯ピッチよりも大であり且つ前記プラスチック管の肉厚以上であるとよい。また、前記プラスチック管がポリエチレン管である場合に、より好適に用いられる。
上記目的を達成するため、本発明に係るプラスチック管継手の特徴は、プラスチック管が挿入される継手本体と、前記継手本体の受口部に取り付けられるパッキンと、前記パッキンを前記受口部に押圧する押輪と、前記押輪を前記継手本体へ押圧する止輪と、前記継手本体、前記押輪及び前記止輪を連結する連結手段を備える構成において、前記止輪は、第一の開口から前記プラスチック管が挿入されるC型リング状のリング本体と、前記リング本体の内周面に周方向に沿って設けられる複数の歯と、前記リング本体の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、前記一対のフランジを締結する締結手段を備え、前記複数の歯の前記第一開口に隣接する第一歯は、他の歯よりも低く、前記第一歯とこの第一歯に隣接する第二歯との間の第一歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記第一歯ピッチよりも大であり、前記締結手段により前記リング本体を縮径させることで前記複数の歯を前記プラスチック管に食い込ませることにある。
上記本発明に係るプラスチック管の離脱防止リング及びプラスチック管の管継手の特徴によれば、インコアを用いずに管の過大な変形や破損を防止しつつ安価で且つ容易に管の離脱を防止することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
本発明に係る離脱防止リングの斜視図である。 本発明に係る離脱防止リング及び管継手の分解斜視図である。 離脱防止リングを管に締め付けた状態を示す斜視図である。 (a)は離脱防止リングを締め付けた状態の断面図、(b)は(a)の歯の食い込み量を示す図である。 図4の離脱防止リングの加工を説明する図である。 図4の離脱防止リングの引張試験の結果を示すグラフである。 (a)は比較例の離脱防止リングを締め付けた状態の断面図、(b)は(a)の歯の食い込み量を示す図である。 図7の離脱防止リングの加工を説明する図である。 図7の離脱防止リングの引張試験の結果を示すグラフである。 他の実施形態における歯の部分拡大図である。 他の実施形態の離脱防止リングの引張試験の結果を示すグラフである。 歯の数及び歯ピッチの組み合わせの例を模式的に示す図である。 フランジの改変例を示す平面図である。 従来の離脱防止リングを締め付けた状態の断面図である。 従来の離脱防止リングの引張試験の結果を示すグラフであり、(a)は締付トルク112N、(b)は締付トルク130Nの結果を示す。
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に係るプラスチック管の管継手10は、図1〜3に示すように、プラスチック管2が挿入される継手本体3と、継手本体3の受口部3aに取り付けられるパッキン4と、パッキン4を受口部3aに押圧する押輪5と、押輪5を継手本体3へ押圧する離脱防止リング1(止輪)と、継手本体3、押輪5及び止輪1を連結する連結手段6を備える。本実施形態において、プラスチック管2には、呼び径150のポリエチレン管(以下、単に「管」と称する)が用いられる。
本発明に係る離脱防止リング1は、図1〜3に示すように、第一の開口21から管2が挿入されるC型リング状のリング本体20と、リング本体20の内周面20aに周方向に沿って設けられる複数の歯より構成される内面歯群25と、リング本体20の周方向両端部に対向して設けられる一対のフランジ22,22と、一対のフランジ22,22を締結する締結手段24を備えている。締結手段24によりリング本体20を縮径させることで内面歯群25を管2に食い込ませることで、管の離脱を防止する。なお、締結手段24は、例えばTボルト24aと袋ナット24bよりなる。
一対のフランジ22には、図1,3に示すように、対向する位置に締結手段24によるリング本体20の縮径によって接触する凸部23を備える。本実施形態では、フランジ22の幅方向(管軸方向に平行となる方向)の両端部に一対設けられる。一対の凸部23a,23bは、フランジ22の幅方向に略直交する方向に突出している。リング本体20を締結手段24により縮径させていくと、図3に示すように、一対のフランジ22,22は接近し、凸部23a,23bは互いに当接する。この当接により縮径(締結手段24による締付)の完了が認識でき、作業者による縮径量のバラツキを抑制することができる。この凸部23の高さにより縮径量(縮径率)を調整する。
本実施形態では、一対の凸部23a,23bの高さ(幅方向に直交する方向への突出量)を管2の縮径率が96%以上97%以下となるように設定する。97%を超えると、管2の縮径が緩く後述する内面歯群25が管2に十分に食い込まず、管2がリング本体20に対し滑ってしまい離脱を確実に防止できない。他方、96%未満とすると、締結手段24の締付作業時間が増加すると共に締付ボルト24aも長くなる。また、締付トルクも増大することとなるので、作業性が低下する。
本実施形態における内面歯群25は、図4(a)に示すように、後述の歯ピッチPで管軸方向に配列された環状の6本の歯Tにより構成されている。ここで、6本の歯Tは、リング本体20の第一開口21に隣接する歯を第一歯T1とし、継手本体3に近づくにつれて第二歯T2、第三歯T3・・・、第六歯T6とする。また、同様に、リング本体20の第一開口21に隣接する歯ピッチPを第一歯ピッチP1とし、継手本体3に近づくにつれて第二歯ピッチP2、第三歯ピッチP3・・・、第五歯ピッチP5とする。以下、リング本体20の第一の開口21の側を前側F(又は管側)と称する。
第一歯T1の高さH1は、他の歯T2〜T6の高さH2よりも低く(短く)形成されている。本実施形態では、例えば、第一歯T1の高さH1を他の歯T2〜T6の高さH2の半分程度としている。第一歯T1は、第二歯T2のみが隣接するので、隣接する歯の食い込みの影響が少なく、他の歯に比べて管に食い込みやすい。そのため、第一歯T1の高さH1と第二歯T2の高さH2が同等であれば、第一歯T1が深く食い込む一方、第二歯T2の食い込みは浅くなる。第一歯T1の管2への食い込み量が増加すると、その分管2が変形し他の歯の食い込みに影響する。よって、第一歯T1を他の歯T2〜T6よりも低く(短く)することで、第一歯T1の最大食い込み量を減らし、他の歯への影響を抑制する。また、管が離脱しようとする際に生じる応力は、第一歯T1に集中しやすい。そのため、第一歯T1が管2に食い込みすぎると、その応力によって管が破損(裂け)する場合がある。よって、第一歯T1の最大食い込み量を抑制することで、離脱防止の際の管の破損をも防止する。
ここで、第二歯T2〜T6の歯の高さH2は、管2の肉厚Wの10%以上20%以下に設定される。肉厚Wの10%未満であれば、離脱力に対抗し得るだけの歯の食い込み深さを確保できず、離脱力に対し滑りが生じてしまう恐れがある。他方、肉厚Wの20%を超えると、歯が管2に食い込み過ぎて管2の強度に影響を与える恐れがある。
また、第一歯ピッチP1をピッチbとした場合、第二歯ピッチP2、第五ピッチP5は同じピッチbとし、第三、第四歯ピッチP3,P4は、2倍ピッチ2bとしている。歯ピッチPが広くなると、隣接する歯の食い込みに対する管の反発力の影響が少なくなり、歯Tが管2に食い込みやすくなる。このように、第一歯ピッチP1を除く他の歯ピッチP2〜P5のうち少なくとも1つを第一歯ピッチP1よりも大きくすることで、特に、リング本体20の軸方向中間部分における歯Tが管2に食い込みやすくする。これにより、各歯の食い込み量のバランスが保たれ、管の離脱力が分散して各歯に負荷されると共に複数の歯全体が抵抗となって、離脱を防止することができる。
また、第一歯ピッチP1よりも広いピッチを管2の肉厚W以上とするとよい。本実施形態では、第三、第四歯ピッチP3,P4のピッチ2bを管2の肉厚と同程度に設定している。管2の肉厚未満であると、隣接する歯が管2に食い込む際に生じる管2の反発力によって、歯が食い込みにくくなる。例えば、呼び径150のポリエチレン管の肉厚は16.4〜17.5mmなので、2b=16.4程度のピッチとなる。
ここで、離脱防止リングはダクタイル鋳鉄製である。上述の如く、広いピッチ部分が存在するので、図5に示すように、リング本体20の内周面20aの露出部分をそのまま活用でき、削り代C1〜3が少なくて済む。これにより、切削時間を削減でき加工も容易となり、安価に製造できる。一方、図8に示す比較例では、ピッチが狭いため、リング本体20の内側を全て切削しなければならず、削り代C’が多く加工も手間となり、製造コストも上昇する。
さらに、本実施形態において、図4(a)に示すように、歯Tの角度θ1は25°に設定されている。管2に少ない力(締付トルク)で歯Tを管2に食い込ませることができる。歯Tの角度θ1は25°に限られるものではなく、15°以上27°以下であるとよい。15°未満であると、歯Tが細くなり管の離脱力に対する強度が不足する場合がある。27°を超えると、歯Tが管2に食い込みにくくなり、管2はより内径(中心軸)側に縮径し、締結手段24の締付トルクが増加し作業性が低下する。さらに、歯Tが管2に十分に食い込まないため、管の離脱力に対し滑りが生じやすくなる。より好ましくは、20°以上26°以下である。
ここで、本実施形態の効果について、図4,7を参照しながら説明する。
図4(b)は、同図(a)に示す離脱防止リング1(実施例)における各歯Tの管2への食い込み量Dの実測値を示す。図中の符号Aはフランジ22の根元部分、Bはフランジ22の軸に対し対称の地点を示す。図7(b)は、同図(a)に示す離脱防止リング1’(比較例)における各歯Tの管2への食い込み量Dの実測値を示す。内面歯群25の配置は各図(a)の通りである。実施例及び比較例共に歯の高さは、第一歯T1は1.4mm、他の歯は2.8mmである。また、実施例の歯の角度θ1は25°、比較例は30°である。管2、締付手段24、縮径率(96.5%)等の他の条件は同じである。
図4(b)に示す実施例においては、A地点では第二歯T2〜第六歯T6まで同程度食い込んでおり、第一歯T1は1.6mm食い込んでいる。また、A地点と略対称となるB地点では、第六歯T6は若干多いものの第二歯T2〜第六歯T6までほぼ同程度食い込んでおり、第一歯T1は0.6mm食い込んでいる。このように、実施例では、各歯T1〜6は設定した歯の高さとほぼ同程度で食い込み、しかも他の歯T2〜6は同深さで食い込んでいる。このように、実施例では、設定した歯Tの高さH1,H2と同程度の深さDで管2に歯Tが食い込むので、内面歯群25全体が管2に食い込むようにして管2外面に接触する。しかも、歯T2〜6は同深さであるので、管の離脱力が分散して各歯に負荷される。従って、応力が集中することなく、管の離脱力が分散して各歯に負荷されると共に複数の歯全体が抵抗となって、管の離脱を防止する。
他方、図7(b)に示す比較例においては、歯Tの食い込みにバラつきが大きい。特に、第二、第三歯t2、t3の食い込み量が2.4mm,2.0mmと大きく、その内側(継手本体3側)の第四、第五歯t4、t5の食い込み量が1.4mm,1.5mmと小さく、その差が大きい。このように、実施例では、離脱防止リング1’の中間部分の歯(第四、第五歯t4、t5)の食い込み量が少ないため、管の離脱力に対する応力は前側Fに集中することとなる。そのため、全体として離脱力に対抗することができず、応力が集中してしまい管が破損するおそれもある。また、歯の食い込み量にバラつきが大きいため、内面歯群25全体で離脱力に対抗できず、管の離脱を十分に防止することができない。なお、A地点における第一歯T1の食い込み量が歯の高さH1よりも大きくなった。これは、第一歯T1の他の歯と隣接しない前側Fの平坦部34が管2を圧縮して第一歯T1が管2に食い込んだためである。
しかも、実施例の締付トルクは86N・m、比較例では110N・m程度となり、締付トルクを約20%低減できた。すなわち、作業性を向上させながら管離脱防止性能も向上したことが分かった。締付トルクが低減できたので、ポリエチレン管が硬くなり縮径しくい寒冷地などの低温環境(−5℃〜5℃)での作業性の悪化も防止し得る。
また、離脱防止リングの性能を確認するために内圧0.5Mpaを掛けて引張試験を行った。図6は実施例、図9は比較例の結果を示す。本実施例では、図6に示すように、管歪み8.4%にて滑り始め20mm抜けたところで9.8%に達していた。試験を終了した段階で離脱防止リング1の締付部側(フランジ22側)は大きく裂けることはなかった。また、エア漏れも確認できなかった。他方、比較例では、管歪み5%で滑り始め7%でエア漏れが生じた。このように、管の変形(破損)を防止し且つ管の離脱も十分に防止し得ることが分かった。
最後に、本発明の他の実施形態の可能性について言及する。なお、上述の実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
上記実施形態において、図4に示すように、歯Tは一定の角度で根元から先端部まで形成した。しかし、これに限られるものではなく、例えば図10に示す如き形状であってもよい。図10に示す歯Tの基端部の角度θ1と先端部の角度θ2を異ならせて、θ2>θ1としてもよい。これにより先端の強度を向上させることができる。この実施形態においても、図11に示すように、上記実施形態と同等の結果が得られた。なお、図10の例では、θ2は30°である。
上記実施形態において、第三、第四歯ピッチP3,P4を他の歯ピッチPのピッチbの2倍としたが、これに限られるものではない。例えば、図12(a)に示すように、例えば第三歯ピッチP3をピッチ3bとすることも可能である。もちろん、第四歯ピッチP4をピッチ3bとしても構わない。また、同図(b)に示すように、第三〜第五歯ピッチP3〜5をピッチ2bとしても構わない。さらに、同図(c)に示すように、歯Tを5本とし、第三、第四歯ピッチP3,P4を第一、第二歯ピッチP1,P2の2倍(2b)とすることも可能である。さらに、同図(a)の第五歯T5を省略して歯を5本とし、第四歯T4と第六歯T6の歯ピッチを2bとすることも可能である。すなわち、複数の歯は少なくとも5本有し、第一歯ピッチとこの第一歯ピッチに隣接する第二歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも2つは、第一歯ピッチよりも大であるとよい。さらに、上記各実施形態において、広いピッチを第一歯ピッチP1のピッチ量bの2倍(2b)としたが、1.8倍(1.8b)以上であればよい。1.8倍よりも小さいと、大きな歪みに対して前側Fの歯に負荷が集中し各歯に分散させることができない。例えば、第一歯ピッチP1の2倍から3倍程度でも可能である。
また、上記実施形態において、プラスチック管2として、呼び径150のポリエチレン管を例に説明した。しかし、管の呼び径は150に限られるものではなく、呼び径100,200の管にも適用可能である。また、ポリエチレン管に限られず、ポリエチレン管と同等に比較的変形でインコアの装着が必要な管に好適に用いられ、インコアの内嵌装着を不要とする。
上記実施形態において、一対のフランジ22には、その両端部に略矩形の凸部23を一対設けた(凸部23a,23b)。しかし、凸部23の態様は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、図13(a)に示すように、一対のフランジ22の対向部分の全部を当接するように構成してもよい。また、同図(b)に示すように、凸部23を3組(複数組)設けることも可能である。さらに、同図(c)に示すように、同一高さの凸部23を一方側にのみ設けてもよい。このように、一対のフランジ22の少なくとも管軸方向Aに沿う両端部を互いに当接させるように凸部23(当接部)を設けることで、管の離脱力が管軸方向Aに交差する方向に作用しても、フランジ22の両端部における不均等な変形が抑制されるので、一対のフランジ22,22が開いて管2の保持が緩むことを防止する。
本発明に係る離脱防止リングは、地中に埋設されるプラスチック製の水道管等の管継手等に利用することができる。
1:離脱防止リング(止輪)、2:プラスチック管、3:継手本体、3a:受口部、4:パッキン、5:押輪、6:連結手段、10:管継手、20:リング本体、20a:内周面、21:第一開口、22:フランジ、23,23a,23b:凸部、24:締結手段、24a:ボルト、24b:ナット、25:内面歯群、30:基部、32:先端部、33:凹部、34:平坦部、A:管軸方向、C:切削しろ、D:深さ(歯食い込み量)、P,p:歯ピッチ、H1,H2,h:高さ、T,t:歯部、W:肉厚、θ1:基部角度、θ2:先端角度

Claims (9)

  1. 第一の開口からプラスチック管が挿入されるC型リング状のリング本体と、前記リング本体の内周面に周方向に沿って設けられる複数の歯と、前記リング本体の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、前記一対のフランジを締結する締結手段を備え、前記締結手段により前記リング本体を縮径させることで前記複数の歯を前記プラスチック管に食い込ませるプラスチック管の離脱防止リングであって、
    前記複数の歯の前記第一の開口に隣接する第一歯は、他の歯よりも低く、
    前記第一歯とこの第一歯に隣接する第二歯との間の第一歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記第一歯ピッチよりも大であるプラスチック管の離脱防止リング。
  2. 前記他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記プラスチック管の肉厚以上である請求項1記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  3. 前記複数の歯の基部の角度は15°以上27°以下である請求項1又は2記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  4. 前記複数の歯の基部の角度は20°以上26°以下である請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  5. 前記一対のフランジは、互いに対向し且つ前記締結手段による前記リング本体の縮径によって接触する凸部を有し、前記凸部の高さを前記プラスチック管の縮径率が96%以上97%以下となるように設定する請求項1〜4のいずれかに記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  6. 前記他の歯の高さは、前記プラスチック管の肉厚の10%以上20%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  7. 前記複数の歯は少なくとも5本有し、前記第一歯ピッチとこの第一歯ピッチに隣接する第二歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも2つは、前記第一歯ピッチよりも大であり且つ前記プラスチック管の肉厚以上である請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  8. 前記プラスチック管は、ポリエチレン管である請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチック管の離脱防止リング。
  9. プラスチック管が挿入される継手本体と、前記継手本体の受口部に取り付けられるパッキンと、前記パッキンを前記受口部に押圧する押輪と、前記押輪を前記継手本体へ押圧する止輪と、前記継手本体、前記押輪及び前記止輪を連結する連結手段を備えるプラスチック管の管継手であって、
    前記止輪は、第一の開口から前記プラスチック管が挿入されるC型リング状のリング本体と、前記リング本体の内周面に周方向に沿って設けられる複数の歯と、前記リング本体の両端部に対向して設けられる一対のフランジと、前記一対のフランジを締結する締結手段を備え、
    前記複数の歯の前記第一開口に隣接する第一歯は、他の歯よりも低く、
    前記第一歯とこの第一歯に隣接する第二歯との間の第一歯ピッチを除く他の歯ピッチのうち少なくとも1つは、前記第一歯ピッチよりも大であり、
    前記締結手段により前記リング本体を縮径させることで前記複数の歯を前記プラスチック管に食い込ませるプラスチック管の管継手。
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