JP2015188332A - 米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物およびその製造方法 - Google Patents

米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】米糠の食品材料としての有効利用を図り、機能性有効成分を多く含み、また香り、風味等が良好な米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法を提供する。
【解決手段】(1)低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末を、水分調整して所定形状に成形した後、乾燥して保形し、(2)得られた脱脂米糠成形物に対して、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、およびその自然変異株、人工的突然変異株、及び遺伝子操作による変異株から成る群から選択される少なくとも1種の麹菌を水分とともに添加し、培養を行い、(3)(a)得られた米糠麹に、加水加熱して糊化させた穀物粉を、乾燥重量換算で1:0.1〜1:10の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理する、または(b)得られた米糠麹に対し水を、1:2〜1:4の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理し、(4)加熱により麹菌ないし酵素を殺菌、失活させ、必要に応じて水分調節の後、(5)得られた米糠麹穀物粉糖化物または米糠麹糖化物に乳酸菌を加えて培養を行うことで米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物を得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物およびその製造方法に関するものである。詳しく述べると本発明は、機能性有効成分を多く含み、また香り、風味等が良好で食品材料として有用である米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物およびその製造方法に関するものである。
玄米の胚芽や表皮からなる米糠は、米全体の約1割を占めており、我が国における水田から生産される豊富な資源である。また、米糠は栄養価が高く、繊維質を多く含み、ビタミン、鉄分などのミネラルも豊富に含むものである。また、米糠には、γ―オリザノールが多く含まれ、その結合物であるフェルラ酸は抗酸化作用による細胞の老化防止、抗腫瘍活性、メタボリックシンドロームおよびアルツハイマー型認知症の予防に有効であることが知られている。しかしながら、米糠は、酸化安定性、細菌繁殖、食味等の点において問題があり、米糠油として油分抽出して一部利用されている他は、肥料原料、畜産用飼料原料や糠漬けの糠床材料などとして主に利用されており、食料としてはあまり有効に活用されていないのが現状である。
特許文献1には、米糠の粉末に、水分を加え粒子状に加工する第一の工程と、該粒子状になった米糠を蒸気をあて蒸す第二の工程と、該蒸した米糠に、アスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)を種麹として摂取し、むろにおいて培養する第三の工程と、培養された麹と培養中に産出された酵素を含む玄米麹を乾燥する第4の工程とからなる米糠を基質とした麹培養方法が開示され、これにより得られた培養した麹菌と該麹菌から産生された酵素からなる玄米麹を、健康補助食品として利用することが提案されている。
しかしながら、特許文献1に示されるような方法により製造された米糠麹は、麹菌の育成、当該麹菌による酵素生産性が十分なものとはいえず、また、例えば、このような米糠麹を用いて米粉糖化液を製造した場合、その糖度やクエン酸含有量、また遊離フェルラ酸等の有効成分の含有量が低く、香りや風味としても、食用として適したものとはなっていないものであった。
ところで、米糠油の製造は、通常、米糠を乾式エクストルージョンまたはクッキング、あるいは湿式エクストルージョンまたは水蒸気処理に供することによって、米糠に含まれるリパーゼを失活させ、そして、米糠をノルマルヘキサンによって処理することで米油を抽出することで行われている(溶剤抽出法)。得られた米油原油は、通常、0.5%程度の微粉末と5〜8%の蝋を含む。原油を脱ガム、脱酸、脱蝋、脱色、ウインター処理し、次いで脱臭している。米油原油を抽出した残留分はいわゆる脱脂糠である。脱脂糠は、米糠に含まれている上記したようなビタミン、ミネラル、繊維質成分や、多様な生理活性物質を未だ多く含んでいる。
しかし、米糠から米油原油をノルマルヘキサンを使用して抽出すると、大豆油や菜種油の場合と比べて溶剤のロスが多く、大気中に比較的に多量の溶剤が放出されるために、環境的に悪影響がある。そして、ノルマルヘキサンを使用して米油原油を抽出すると、抽出後の脱脂糠は、ノルマルヘキサンを含有するおそれがあることから、人用の食品としては使用できなかった。
また、エキスペラーによって米糠を圧搾し、残留した脱脂糠を粉砕し、微粉末を得ることも知られている。しかし、この場合には、米糠が摩擦熱により200℃以上の高温にさらされるために、タンパク質およびでんぷんが熱変性する。このため、例えば脱脂糠粉末と小麦粉を混合してミックス粉とし、ミックス粉を使用してスポンジケーキを造ると、製品が離水してしまい、所定の形状を保持できず、このため食品原料としては利用困難であった。
このような観点から、我々は、特許文献2に開示されるように、米糠の低温圧搾機によって得られた蝋分1%以下、油分12%以下の脱脂糠を粉砕することによって、半脱脂糠粉末を得ることを特徴とする、脱脂糠粉末の製造方法を提唱した。これによって得られる脱脂糠粉末は、ノルマルヘキサン等の有機溶剤分を含有しておらず、また、食品製造用粉体として使用した場合に離水を生じにくく、食品の形状保持性が良好となるものであった。しかしながら、その香り、風味等に関しては未だ十分なものとは言えず改良の余地の残るものであった。
なお、米糠からフェルラ酸を抽出する技術としては、特許文献3には、米糠をエタノール抽出処理し、エタノールを除去後に得られる残渣を酵素により加水分解して遊離フェルラ酸を得る技術が、また特許文献4には、米糠を水等の溶媒に所定時間浸漬した後、固液分離により米糠浸出液を回収し、この米糠浸出液をイオン交換樹脂と接触させて米糠吸着物質を吸着させ、当該米糠吸着物質をアルカリ溶液と接触させて米糠吸着物質を加水分解する技術が開示されている。しかしながら、これらの方法はいずれも多段の工程を必要とし、処理が煩雑なものとなるうえその効率も十分なものとは言えない。
また、米糠原料を乳酸発酵する技術も知られている。例えば、特許文献5には、米糠成分を含有する原料に水を添加した後、液化型アミラーゼを加えて加熱処理し、予め澱粉を液化した後、この処理液に液化型アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼおよび糖化型アミラーゼから選ばれた少なくとも1種を加えて酵素処理し、この処理液を遠心分離又は濾過して油脂部分を除去することによって発酵原料液を調製し、さらにこれに乳酸菌を摂取して一次発酵させた後、得られた一次発酵液にフラボバクテリウム属に属する微生物を摂取して二次発酵させることによって乳酸発酵液を得ることが開示されている。
さらに、特許文献6には野菜、穀物、果物、草類、豆類、芋類、種子、米糠、ふすま等の植物素材を酵素発酵処理した後、フェルラ酸産生能を有するラクトバチルス・ヘルベティカス等の特定の乳酸菌群中で培養することによって、フェルラ酸含有画分を製造する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献5、6に示される技術に関しても、乳酸発酵を行うための米糠原料の前処理が十分なものではなく、最終的に得られる乳酸菌発酵物の風味、味覚が満足のいくものとならず、また米糠が本来有するビタミン、ミネラル、その他の多様な生理活性物質等を十分に有効活用できるものとはなっておらず、改善の余地があった。
特開2004−267178号公報 特開2003−180275号公報 特開2006−166834号公報 特開2011−140443号公報 特開平10−127252号公報 特開2012−205539号公報
従って本発明は、上記したようにビタミン、ミネラル、繊維質成分や、多様な生理活性物質を豊富に含む米糠の食品材料としての有効利用を図るために、これらの有効成分を多く含み、また香り、風味等が良好で食品材料として有用である米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法およびこれにより得られた米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、(1)低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末を、水分調整して所定形状に成形した後、乾燥して保形し、(2)得られた脱脂米糠成形物に対して、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、およびその自然変異株、人工的突然変異株、及び遺伝子操作による変異株から成る群から選択される少なくとも1種の麹菌を水分とともに添加し、培養を行い、(3)(a)得られた米糠麹に、加水加熱して糊化させた穀物粉を、乾燥重量換算で1:0.1〜1:10の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理する、または(b)得られた米糠麹に対し水を、1:2〜1:4の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理し、(4)加熱により麹菌ないし酵素を殺菌、失活させ、必要に応じて水分調節の後、(5)得られた米糠麹穀物粉糖化物または米糠麹糖化物に乳酸菌を加えて培養を行うことを特徴とする米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法である。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法において、低温圧搾による脱脂処理は、100℃〜130℃の温度条件下において行われ、脱脂米糠粉末は油分含有量12%以下のものとされていることが望ましい。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法において、脱脂米糠成形物はフレーク状、粒状とされたものであり、水分含量が3〜10%程度、より好ましくは4〜6%のものであることが望ましい。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物において、麹菌の培養は、脱脂米糠成形物の水分含有量を32〜42%に調整して行うことが望ましい。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物において、乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・ラムノサス、ストレプトコッカス・サーモフィルスまたはラクトバチルス・ヘルベティカスの少なくともいずれかを含むものであることが望ましい。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物において、乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むこと、またはエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むことが望ましい。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物においては、乳酸菌として、上記した製造方法により先に調製された米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の一部を用い、これを新たな米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物に添加することも可能である。
上記米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法において、穀物粉として米粉を用いることが望ましい。
本発明の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法によれば、脱脂ないし半脱脂米糠を原料として、香り、風味が改善され、またGABA、オルチニン、シトルリンなどの有用なアミノ酸代謝物およびアデノシンなどの核酸代謝物含有量が増加し、フェルラ酸やクエン酸等の有用成分を多く含む上で、十分な糖度と適度な酸味を有した米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物を製造することが可能となり、米糠を原料として極めて有用な食品材料を提供できるものである。
以下、本発明を実施形態に基づき、より詳細に説明する。
(脱脂米糠粉末)
本発明の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法においては、原料として、低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末を使用する。
原料として脱脂していない米糠を使用することは、米糠に含まれる油分が麹菌の増殖作用を阻害する一因となるゆえ、好ましくない。さらに、米糠の脱脂処理に、一般的に行われるようなノルマルへキサン等の有機溶剤を使用すると、その後の食品用原料としては不適となる。そこで、本発明においては、低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末を使用するものである。
ここで低温圧搾とは、米糠を加圧し100℃以下の温度の米油原油を絞り出すことである。
原料となる米糠は、代表的には、例えば、水分:13〜15%、油分:18〜20%、固形 分:65〜70%、蝋分:0.9〜1.6%、リン脂質:0.3〜0.5%、その他、リパーゼなどの酵素等を含有している。
このような米糠を低温圧搾するには、特に限定されるわけではないが、前述した特許文献2において開示されるようにして行うことが可能である。
すなわち、まず、米糠から、例えば、シフターなどによって、不要な異物(例えば石、砕けた米)を除去し、次いで、米糠を一定量ごと乾燥機に送り、送風機から熱風を送風して気流乾燥する。この気流乾燥によって、比較的に短時間で殺菌および乾燥を行う。乾燥後の米糠の好ましい水分量は5〜10%、より好ましくは5〜6%である。次いで、ラインを通して米糠を空気輸送し、サイクロンを通してケトルへと投入する。ケトルにおいては、米糠を加熱焙煎し、これによってリバーゼを失活させて米糠の酸価の上昇を止める。一般に、玄米を精米すると、米糠中のリパーゼが直ちに活性化され、米糠中のトリグリセリドを加水分解し、遊離脂肪酸、ジグリセリド、モノグリセリドを生み出す。遊離脂肪酸の量が増大すると、遊離脂肪酸の酸化によって米糠に石鹸様の匂いが発生し、食用に適さなくなる。このため、乾燥後に米糠を焙煎することで、リパーゼを失活させることが望ましい。ただし、焙煎時の温度が高くなると、米糠中のタンパク質およびデンプンが変性し、脱脂糠粉末の形状保持性が低下する傾向がある。従って、脱脂糠粉末の形状 保持性を良好とするという観点からは、焙煎時の温度を130℃以下とすることが好ましい。また、リバーゼを失活させるという観点からは、焙煎時の温度を100℃以上とすることが好ましい。また、好ましくは、焙煎段階での米糠の水分量を2〜8%とする。
次いで、米糠を低温圧搾機に投入し、低温圧搾、すなわち、前記したように、米糠を加圧し100℃以下の温度の米油原油を絞り出す。また、脱脂糠粉末の形状保持性を向上させるという観点から、低温圧搾後のケーキの温度を130℃以下とすることが好ましい。
ここで、低温圧搾に供する米糠の温度は、前述したよう に、100℃以上、130℃以下とすることが、リパーゼを失活させる上で好ましい。特に好ましくは、100℃以上、115℃、更に好ましくは105℃以上、110℃以下に加熱された米糠を低温圧搾機に投入し、低温圧搾を行う。
特に好ましくは、低温圧搾機が、100℃以上、115℃以下、更に好ましくは105℃以上、110℃以下に加熱された米糠を受け入れて圧搾し、蝋分の多くを米油原油中に絞り出す。
一方、低温圧搾機においては、脱脂糠の蝋分が1%以下となり、油分が12%以下となるような圧力を加えることで脱脂米糠が得られる。なお、蝋分とは、室温で固形の脂肪族エステルのことであり、典型的には、炭素数16以上の飽和脂肪酸と炭素数24以上の脂肪族アルコールとのエステルである。
好適な実施形態においては、低温圧搾直後の脱脂糠の蝋分の含有量は、0.8%以下である。なお、蝋分とは、室温で固形の脂肪族エステルのことであり、典型的には、炭素数16以上の飽和脂肪酸と炭素数24以上の脂肪族アルコールとのエステルである。
また、好適な実施形態においては、低温圧搾直後の脱脂糠の油分の含有量を10%以下とすることができ、これによって脱脂糠粉末を貯蔵したときの酸価の上昇を一層効果的に抑制できる。この観点からは、脱脂糠の油分の含有量を6%以下とすることが更に好ましい。
低温圧搾直後の脱脂米糠は、形状が一定していないので、必要に応じて、解砕機等を使用して解砕し、粒度を一定し、さらに、例えば、ハンマーミル、ピンミル、ローラーミル、石臼、ディスクミル等を用いて粉砕、分級処理を行うことができる。
なお、このような、低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末としては、例えば、ハイブレフ(商品名、サンブラン株式会社製)として、商業的にも入手可能である。
(脱脂米糠の成形加工)
本発明においては、後述するような特定の糸状菌(麹菌)を脱脂米糠に繁殖させ麹を得るに先立ち、上記のようにして調製した脱脂米糠粉末を、水分調整して所定形状に成形した後、乾燥して保形し、脱脂米糠成形物とする。脱脂米糠成形物の水分含有量は特に限定されるものではないが、例えば、3〜10%程度、より好ましくは4〜6%程度のものとすることができる。
これは、麹菌の繁殖には十分な酸素が必要であり、粉末状の脱脂米糠であると、堆積状態において十分な酸素が行渡らず、麹とした場合の品質が低下することを防止するためである。
脱脂米糠成形物の形状としては、上記したように堆積状態においても脱脂米糠に十分な酸素が接触できるものとできる限り、特に限定されるわけではなく、例えば、粒状、フレーク状、麺状等の固形状とすることができる。その大きさとしても特に限定されるわけではないが、例えば、成形物の外寸のうち、少なくとも最も短尺となる部位が、3〜5mm程度のものとすることができる。
具体的には例えば、脱脂米糠粉末を、水分調整、例えば、加水して水分含有量を30〜40%程度とし、押出し製麺機で製麺した後、裁断してフレーク状とし、スチーム加熱器にて、95〜120℃、代表的には約100℃の温度にて加熱することによって、固形状に成形した脱脂米糠成形物とすることができる。
なお、このような成形加工方法としては、上記に例示したものに限られることなく、各種の成形機、造粒機を使用することができる。
なお、脱脂米糠粉末を上記したように成形加工する上で、例えば、酒米吟上粕や米粉を添加して、保形性を向上させることも可能である。しかしながら、前記した脱脂米糠粉末を原料とした場合、これらのつなぎ成分を添加せずとも、水分含有量が3〜10%程度の十分な保形性を有した脱脂米糠成形物とすることができ、麹とするために、例えば、水分含有量を30〜40%、代表的には約35%程度となるように加水しても、成形物は崩壊することないため、これらのものを混合する必要性は特にはない。
(麹の製造)
本発明においては、上記のようにして調製した脱脂米糠成形物に対して、特定種の麹菌を播種し、培養して麹を製造する。
本発明においては、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・シロウサミ(Aspergillus shirousamii)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)並びに、これら糸状菌の自然変異株、人工的突然変異株、及び遺伝子操作による変異株から成る群から選択される少なくとも1種の麹菌を使用する。これらのうち、特に、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・シロウサミ(Aspergillus shirousamii)、さらに望ましくは、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を使用する。
アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)およびアスペルギルス・サイトイ(Aspergillus saitoi)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)は、泡盛の製造等に用いられる黒麹菌として知られており、また、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・シロウサミ(Aspergillus shirousamii)は、前記アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)より分離された白色変異菌であり、焼酎の製造に用いられる白麹菌として知られている。
本発明者らが行った研究によれば、麹菌として最も一般的なものであるアスペルギルス・オリーゼ(Aspergillus oryzae)を麹種として用いた場合と比べ、米糠麹とした場合、上記したような菌種を用いた米糠麹が、糖化において優れており、またクエン酸生産性が高く香気の改善効果があり、特にアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いた場合、各種の酵素活性が概して高く、殊に、糖化酵素であるグルコアミラーゼ活性が非常に高く、またデンプン液化酵素であるαーアミラーゼ活性も十分なものであり、液化、糖化において最も優れているものであった。加えて、キシラナーゼ活性やエステル分解酵素、特に、フェルラ酸抽出に係るフェルラ酸エステラーゼ活性も顕著に高く、米糠からの大量の遊離フェルラ酸の抽出が見られた。これゆえ、香り、風味が改善され、またフェルラ酸やクエン酸等の有用成分を多く含む食品用原料として極めて有望な米糠麹を製造することができるとの知見を得、これらの特定の麹菌を用いることとしたものである。
麹の製造条件としては、前記した特定種の麹菌が、上記のようにして調製した脱脂米糠成形物において良好に増殖可能なものであれば、特に限定されるものではないが、脱脂米糠成形物の水分含有量を32〜42%、代表的には約38%程度となるように加水し、加熱殺菌を行い、これに、前記した特定種の麹菌を種麹として播種し、30〜38℃、代表的には約35℃の温度、95%以上の湿度条件下で、所定時間、例えば42〜50時間程度培養することが望ましい。
(米糠麹穀物粉糖化物の製造)
米糠麹穀物粉糖化物の製造する場合は、上記したようにして調製された米糠麹に、加水加熱して糊化させた米粉等の穀物粉を、乾燥重量換算で1:0.1〜1:10、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:2〜1:4、最も好ましくは1:3〜1:4の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下、代表的には、例えば、約56℃程度の温度で、必要に応じて時々攪拌しながら、所定時間、例えば、5〜8時間程度、処理することにより、米糠麹のグルコアミラーゼなどの糖化酵素、α−アミラーゼ等のデンプン液化酵素により、糖化、液化を行う。
なお、米粉を糊化させる場合の条件としては、特に限定されないが、例えば、米粉に対し、3〜5倍量、代表的には、4倍量の水を加え、80〜90℃程度の温度で20〜30分程度加熱処理すれば良い。
その後、必要に応じて、高温、例えば95℃まで加熱することで、酵素を失活させ、水分調整を行い、さらに、滅菌処理、特に限定されるわけではないが、例えば、85℃で15分間処理し、冷却後、低温、例えば、4℃程度の温度にて保存することが可能である。
(米糠麹糖化物の製造)
米糠麹糖化物の製造する場合は、上記したようにして調製された米糠麹に対し水を、例えば、1:2〜1:4の割合、より好ましくは、約1:2の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下、代表的には、例えば、約56℃程度の温度で、必要に応じて時々攪拌しながら、所定時間、例えば、5〜8時間程度、処理することにより、米糠麹のグルコアミラーゼなどの糖化酵素、α−アミラーゼ等のデンプン液化酵素により、糖化、液化を行う。
その後、必要に応じて、高温、例えば95℃まで加熱することで、酵素を失活させ、水分調整を行い、さらに、滅菌処理、特に限定されるわけではないが、例えば、85℃で15分間処理し、冷却後、低温、例えば、4℃程度の温度にて保存することが可能である。
(乳酸発酵前処理)
上述したようにして米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物を製造した後、後述するようい乳酸発酵処理を行う前に、米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物を、高温、例えば95℃まで加熱することで、酵素を失活させ、水分調整を行い、さらに、滅菌処理、特に限定されるわけではないが、例えば、85℃で15分間処理する。なお、乳酸発酵処理を連続的に行わない場合には、冷却後、必要に応じて、低温、例えば、4℃程度の温度にて乳酸発酵処理まで、保存することが可能である。
(乳酸発酵処理)
次いで、上記のようにして得られた米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物に、乳酸菌を接種し、乳酸発酵を行う。
使用できる乳酸菌としては、特に限定されるものではなく、例えば、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、ストレプトコッカス属、ラクトコッカス属、エンテロコッカス属、ロイコノストック属、オエノコッカス属などに属する各種乳酸菌を、単独であるいは複数種組合せて用いることが可能である。例えば、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ケフィラノファシエンス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ガリナラム、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ブクネリ、ラクトバチルス・デルブルイッキー、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ブレビス、ビフィドバクテリア・ビフィダム、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトコッカス・ラクチスペディオコッカス・ペントサセウス、ラクトコッカス・ラクチス、エンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム、ロイコノストック・メセンテロイデス、オエノコッカス・オエニなどを例示することができるが、これらに限られるものではない。
本発明においては、特に、乳酸菌としてエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、ストレプトコッカス・サーモフィルスまたはラクトバチルス・ヘルベティカスのいずれかを少なくとも含むことが米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物に対する十分な増殖作用を示すこととなるために好ましい。
更には、乳酸菌としてエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むこと、またはエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むことが、米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物に対する十分な増殖作用を示し、かつ得られる乳酸菌発酵物の風味等が良好となるために好ましい。
乳酸菌としてのエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して、さらに必要に応じてこれらに加えてラクトバチルス・アシドフィルスを混合して用いる場合においては、主に、エンテロコッカス・フェシウムによる良好な初期増殖性、ラクトバチルス・ラムノサスによる発酵期間全般を通じての良好な増殖性、ラクトバチルス・ブレビスによる風味改善性、またラクトバチルス・アシドフィルスによる糠臭改善、甘味および後味改善性が期待され、極めてバランスの良い風味を得ることが可能となる。
乳酸発酵処理は、上記のようにして得られた米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物100質量部に対して、乳酸菌を0.01〜0.5質量部程度、より好ましくは、例えば米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物99.95〜99.8質量%に対して、乳酸菌を0.05〜0.2質量%程度、さらに好ましくは、米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物約99.9質量%に対して、乳酸菌を約0.01質量%程度添加(接種)して行う。発酵は、使用する菌種によってもある程度左右されるが、その使用した菌の増殖に至適な温度、例えば、35〜40℃程度、より好ましくは約37℃にて、所定時間、例えば、15〜30時間程度、より好ましくは約18〜24時間程度保持することにより行われる。発酵処理中においては、必要に応じて、攪拌処理を行うことも可能であるが、静止発酵にて十分な発酵が進行する。
所定時間の発酵を行った後、高温、例えば、被処理物の中心温度が85℃となるまで加熱後、その温度を15〜20分程度、例えば、約15分間保持することで、乳酸発酵を停止させ、例えば、85℃で15分間処理し、冷却後、低温、例えば、4℃程度の温度にて保存することが可能である。
なお、乳酸発酵処理の途中および終了時において、所定の発酵が進行しているかどうかを確認するため、必要に応じて、pH、Brix値(糖度)、酸度、生菌数等を検査することが好ましい。
なお、上記した方法においては、米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物に、乳酸菌を直接接種し、乳酸発酵を行うことを説明したが、本発明においては、上記のようにして得られた乳酸菌発酵物(高温熱処理以前のもの)の一部ないしは全部を乳酸菌源(二次スターター)として使用し、新たな米糠麹穀物粉糖化物あるいは米糠麹糖化物に対しこの二次スターターを添加し、以降上記と同様にして発酵処理を行うことによって、米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物を得ることも可能である。
以下、本発明を実施例に基づき、より具体的に説明する。
実験例1 (脱脂米糠の成形加工試験)
脱脂米糠として、「ハイブレフ」(油分含有量 11%、サンブラン株式会社製)を用意し、加水して含有水分量を36%程度に調整した後、押出し製麺機(「さくら」(商品名)、アベ技研製)で、製麺した後、固形状(長さ約10〜15mm、幅約5mm×3mm)に裁断し、これを蒸気にて加熱することで、固形状の脱脂米糠の成形品を製造した。
また、前記脱脂米糠に、酒米吟上糠(白糠)や米粉を所定量配合したものについても、上記と同様にして、フレーク状の成形品を製造した。
使用した原料の配合割合、スチーム加熱および乾燥条件、および得られた成形品の水分含有量は表1に示すとおりである。なお、水分含有量の測定は、常圧加熱乾燥法(135℃、3時間)にて行った。
Figure 2015188332
この結果、つなぎ素材として酒米吟上糠(白糠)や米粉を配合しなくとも、脱脂米糠のみでフレーク状に成形することが可能であることがわかった。
さらに、得られた脱脂米糠100%のフレーク状の成形品に、水分が38%程度になるように水分を加えても、成形品の形状は崩壊せず、製麹用材料として十分に使用可能であることがわかった。
実験例2 (麹菌種による麹特性の比較:糖化、液化)
原料として脱脂米糠「ハイブレフ」を100%し、実験例1におけると同様にしてフレーク状の成形品を得た。得られた脱脂米糠のフレーク状の成形品を加水し、水分を38%に調整した後、表2に示す麹菌を、種麹として散布し、温度35℃、湿度90%以上の恒温室(ドゥコンディショナー、株式会社マルゼン製)内に静置して、44時間培養を行った。
なお、使用した麹菌は、焼酎用麹(Aspergillus kawachi)、白麹雪こまち(Aspergillus oryzae白色変異株)、白麹すずらん((Aspergillus oryzae白色変異株)および味醂用麹(Aspergillus oryzae)であった。
得られた麹の水分含有量の測定を、常圧加熱乾燥法(135℃、3時間)にて行った。
また、得られた麹の特性を調べるため、上記で調製した麹に同量の水を加えて、時々攪拌しながら56℃で1時間糖化させ、その後No.2の濾紙で正確に1時間濾過を行った液を糖化液とした。この糖化液の液量、pH、糖度、グルコース含量を測定した。なお、pH測定には、マルチ水質計MN−60R、東亜ディーケーケー(株)製を、糖度測定には、デジタル糖度計IPR−201、iuchi製を用い、グルコース含量は、HPLC(日本分光(株)製)を用いてグアニジン・ポストカラム蛍光誘導体化により測定した。
得られた結果を表2に示す。
Figure 2015188332
いずれの麹菌を使用した場合においても、脱脂米糠のフレーク状の成形品の表面には麹菌が良好に生育したが、本発明に係る焼酎用麹、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹は、他の麹菌による米糠麹と比較して、液化、糖化とも最も良好であり、食味の改善に係るグルコース含量も比較的良好な値となった。
実験例3 (麹菌種による麹特性の比較:酵素活性)
実験例2と同様の手法により、各種の麹菌を用いて米糠麹を調製した。
また、参考のために、原料として米粉を100%使用し、実験例1におけると同様にしてフレーク状の成形品を調製し、これに実験例2と同様の手法により、各種の麹菌を用いて米粉麹を別途調製した。
得られた各米糠麹、米粉麹に関して、αーアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、フェルラ酸エステラーゼの各酵素活性の測定を行った。
なお酵素活性の測定は、次の条件により行った。
麹10gを0.5%塩化ナトリウム含有0.01M酢酸緩衝液(pH5.0)溶液100mlに加え、3時間抽出後濾過して得られた濾液を0.01M酢酸緩衝液(pH5.0)に対して一晩透析し、粗酵素液として、セロビオヒドロラーゼ以外の糖質関連酵素はジニトロサリチル酸を用いた比色法により、セロビオヒドロラーゼはp-ニトロフェニルセロビオシドを基質に比色法により、エステラーゼはアルファ-ナフチル酪酸を基質に比色法により、フェルラ酸エステラーゼはメチルフェルラ酸を基質に、分解産物のフェルラ酸をODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。得られた結果を表3に示す。
Figure 2015188332
表3に示す結果から明らかなように、米糠麹は総じて、対照となる米粉麹よりも、αーアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、キシラナーゼ、フェルラ酸エステラーゼ活性において高い活性を示した。そして、本発明に係る焼酎用麹、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹は、他の麹菌による米糠麹と比較して、αーアミラーゼ、グルコアミラーゼ活性が良好であり、また、キシラナーゼ、フェルラ酸エステラーゼ活性が顕著に高いものであり、総合的に見て酵素活性が最も高いものであった。このことから、本発明に係る米糠麹は、液化、糖化が良好であり、遊離フェルラ酸産生能に優れるものであることが裏付けられた。
実験例4 (麹菌種による麹特性の比較:有機酸、フェルラ酸含有量)
実験例2と同様の手法により、各種の麹菌を用いて米糠麹を調製し、同様の手法によりさらに糖化液を調製した。得られた米麹の糖化液を−80℃にて冷凍保存しておいたものを、流水にて解凍した。解凍後3000rpm×10分間遠心分離し、上澄みから1mlとり(質量測定)、10mlにメスアップし、0.45μmのメンブランフィルターでロ化したものを測定試料とした。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、ブロモチモールブルー(BTB)溶液を用いたポストカラム誘導体化可視吸光法により、有機酸含量の測定を行った。標準物質として、フィチン酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、蟻酸、酢酸、n−酪酸を使用した。クエン酸、乳酸、酢酸以外の物質は、測定試料中に含有されているかは不明であったが、得られた保持時間と標準物質の保持時間が同じに検出されたものはその物質として換算した。得られた結果を表4に示す。
Figure 2015188332
表4に示す結果から明らかなように、本発明に係る焼酎用麹菌、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹は、他の麹菌による米糠麹と比較して、クエン酸、酢酸含有量が高く、特にクエン酸含量は、他の40〜60倍程度と圧倒的に高い値となり、味の改善に係るとともに、有用性の高いクエン酸の高い産生能力を有することが認められた。
フェルラ酸は、実験例3に示すように、ODSカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、320nmで検出し、標準フェルラ酸の検量線により定量した。得られた結果を表5に示す。
Figure 2015188332
表5に示す結果から明らかなように、本発明に係る焼酎用麹菌、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹は、他の麹菌による米糠麹と比較して、フェルラ酸含有量が15倍から40倍程度と圧倒的に高く、生理活性物質のフェルラ酸の高い産生能力を有することが認められた。
実験例5 (原料種による麹特性の比較)
原料として、脱脂米糠「ハイブレフ」、酒米吟上糠(白糠)、米粉を用意し、これらを表6に示す割合で使用し、実験例1におけると同様にしてフレーク状の成形品を得た。得られた各フレーク状の成形品を加水し、水分を38%に調整した後、焼酎用麹(Aspergillus kawachi)を、種麹として散布し、実験例1と同様の条件にて培養して、麹を作成し、原料種の相違による麹の特性(一般成分、酵素活性)を調べた。得られた一般成分の結果を表6に示す。なお、液化%、糖度、pH、グルコース含有量については実験例1に示すものと同様の手法により、またクエン酸含有量については、実験例4に示すものと同様の手法によりそれぞれ測定した。
Figure 2015188332
表6に示される結果から、原料として脱脂米糠のみを用いた場合には、米粉のみを用いた場合や、これらを配合した場合と比較して、原料中に含まれるデンプン質の量が少ないことに起因するためか、液化、糖度が低い値となる反面、pH値は米麹の至適範囲であるpH5.7〜6.0程度の範囲内にあり、クエン酸含量が非常に高まることが認められた。
実験例3に示す同様の方法により、酵素活性を調べた。得られた結果を表7に示す。
Figure 2015188332
表7に示す結果から明らかなように、脱脂米糠100%麹は総じて、米粉麹、白糠麹よりも、αーアミラーゼ、グルコアミラーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、フェルラ酸エステラーゼ活性において高い活性を示した。とりわけ、αーアミラーゼ、キシラナーゼ、フェルラ酸エステラーゼ活性は最も高いものであった。このことから、本発明に係る米糠麹は、液化、糖化が良好であり、遊離フェルラ酸産生能に優れるものであることが裏付けられた。
なお、フェルラ酸エステラーゼ活性は、表7のデータを見ても明らかなように、白糠や米粉の混合量を増やしていくにつれ低下していくことが確認され、これらの酵素を生産するためには、米糠100%で麹を調製することが望ましいと考えられた。
実験例6 (米糠麹米粉糖化物の調製)
原料として脱脂米糠「ハイブレフ」を100%使用し、実験例1におけると同様にしてフレーク状の成形品を得た。得られた脱脂米糠のフレーク状の成形品を加水し、水分を38%に調整した後、焼酎用麹(Aspergillus kawachii)または白麹すずらん(Aspergillus oryzae白色変異株)を、種麹として散布し、実験例1と同様の条件にて培養を行い、米糠麹を調製した。
一方、うるち米粉(「はえぬき」米粉)を用意し、この米粉に3倍量の水を加え、市販の炊飯器で加水加熱調理して、糊化させた。
上記で得られた米糠麹に対し、この加水加熱して糊化させた米粉を、乾燥重量換算で1:3の割合で混合した。この混合物中の成分割合は表8に示す通りである。
Figure 2015188332
得られた混合物を、57℃のウォーターバスに浸漬し、品温を56℃に保ち、7時間保持して、糖化処理を行った。なお、保持時間中、一時間に1度以上攪拌し、十分な攪拌状態とした。
その後、得られた糖化物を95℃まで加熱し、3分間保持した後、水分調整を行って水分含有量を約75%とした。その後、市販のナイロンポリエチレン袋に糖化物を充填し、開口部をシールした後、85℃で15分間熱処理を行って殺菌し、冷却した。得られた糖化物は使用するまで4℃にて保存した。
得られた米糠麹米粉糖化物の糖度、pH、グルコース含有量につき測定した結果を表9に示す。なお、糖度、pH、グルコース含有量は実験例1に示すものと同様の手法により、クエン酸含有量は実験例4に示すものと同様の方法により、フェルラ酸含有量は実験例3に示すものと同様の方法により、それぞれ測定した。
Figure 2015188332
表9に示すように、本発明に係る焼酎用麹、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹を使用して米糠麹米粉糖化物を調製すると、その糖化は十分に進行し、食味の良好な糖化液となること、また、クエン酸およびフェルラ酸の含有量が非常に高まることが確認できた。
実施例1 (乳酸菌発酵物の調製および風味評価)
実験例6と同様の手法により、焼酎用麹(Aspergillus kawachii)を麹菌として用いて米糠麹を調製し、同様の手法によりさらに糖化液を調製した。この糖化液99.9質量%に対し、乳酸菌としてエンテロコッカス・フェシウム(A)、ラクトバチルス・アシドフィルス(B)、ラクトバチルス・ラムノサス(C)、およびラクトバチルス・ブレビス(D)およびA〜Dの等量混合物(E)を0.01質量%加え、37℃にて18時間静置して発酵させた。所定時間経過後、85℃で15分間処理し、冷却した。
得られた各サンプルについて、pH、糖度、酸度、乳酸菌生菌数、および官能評価を行った。pH、糖度は実験例1に示すものと同様の手法により行った。
酸度は、試料を10g測り取り、0.1N-NaOHでpHが8.50に到達するまでに要したml量により調べた。
乳酸菌生菌数は、2検体から半々の量を採取し、乳酸菌生菌数をBCP培地で測定して、調べた。
官能評価は、無作為に抽出した40〜60歳の男女10名をパネリストとして、得られた乳酸菌発酵物を実際に食してもらい、酸味、甘み、風味、糠臭、渋みについて5段階評価(1:弱い〜5:強い)、および総合評価についても5段階評価(1:悪い〜5:良い)を行ってもらい、その平均をまとめた。
得られた結果を表10に示す。
Figure 2015188332
この結果、いずれの乳酸菌を用いた場合においても、米糠糖化液の乳酸発酵が行えることが判ったが、単種使用では、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバシルス・ブレビスが良好な風味官能性を示し、また、これら4種の混合物が単種使用の場合よりもさらに風味バランスの良い乳酸菌発酵物となった。
実施例2 (乳酸菌発酵物の調製および含有成分評価)
実験例2と同様の手法により、焼酎用麹(Aspergillus kawachii)または白麹すずらん(Aspergillus oryzae白色変異株)を麹菌を用いて米糠麹を調製し、同様の手法によりさらに糖化液を調製した。この糖化液99.9質量%に対し、乳酸菌としてエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスの等量混合物を0.01質量%加え、37℃にて18時間静置して発酵させた。所定時間経過後、85℃で15分間処理し、冷却した。
得られた乳酸菌発酵物中における、クエン酸、乳酸、酢酸およびフェルラ酸含有量につき調べ、原料となった糖化液との比較において表11に示した。
Figure 2015188332
この結果、本発明に係る焼酎用麹、すなわちアスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)を用いて得られた米糠麹米粉糖化物は白麹すずらん(Aspergillus oryzae白色変異株)を用いて得られた米糠麹糖化物よりクエン酸およびフェルラ酸の含有量が高く、該糖化液を用いての4種の乳酸菌混合による発酵物を調製すると、さらに乳酸および酢酸の含有量が高い乳酸菌発酵物を得ることができた。
また、得られた乳酸菌発酵物について、含有されるアミノ酸、アミノ酸代謝物、有機酸および核酸に関しても調べた。この測定は、キャピラリー電気泳動/質量分析装置により行った。
糖化物と乳酸菌発酵物との比較において表12、13、14にそれぞれアミノ酸、アミノ酸代謝物、核酸の動態の結果を示した。
Figure 2015188332
Figure 2015188332
Figure 2015188332
Figure 2015188332
表12、13、14、15に示すように、本発明に係る乳酸菌発酵物は、GABA、シトルリン、オルニチンなど有用なアミノ酸代謝物やアデノシン、デオキシアデノシンなど機能性の核酸を多く含み、特に、オルニチン、シトルリンは乳酸菌発酵中に200倍以上の増加を示した。一方、乳酸菌発酵物中の一部のアミノ酸、有機酸は減少した。
実施例3(2次発酵による乳酸菌発酵物の調製)
実施例2におけると同様にして、乳酸菌を37℃にて18時間静置して発酵させた後、この乳酸菌発酵物を次の発酵のための二次スターターとして利用した。得られた、乳酸菌発酵物51質量%に対し、滅菌水48質量%、酢酸ナトリウム1質量%を加えて二次スターターを調製した。そして、実験例2と同様の手法により調製された新たな糖化液99.9質量%に対し、乳酸菌としてこの二次スターターを0.01質量%加え、37℃にて18時間静置して発酵させた。所定時間経過後、85℃で15分間処理し、冷却した。得られた、乳酸菌発酵物の成分、風味等を調べたところ、実施例1,2において示した本発明に係る乳酸菌発酵物のものと、実質的になんら変わるところはなく、本発明に係る乳酸菌発酵物を二次スターターとして、乳酸発酵が可能であることが判った。

Claims (8)

  1. (1)低温圧搾により脱脂処理して得られた脱脂米糠粉末を、水分調整して所定形状に成形した後、乾燥して保形し、(2)得られた脱脂米糠成形物に対して、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、およびその自然変異株、人工的突然変異株、及び遺伝子操作による変異株から成る群から選択される少なくとも1種の麹菌を水分とともに添加し、培養を行い、(3)(a)得られた米糠麹に、加水加熱して糊化させた穀物粉を、乾燥重量換算で1:0.1〜1:10の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理する、または(b)得られた米糠麹に対し水を、1:2〜1:4の割合で加え、50℃〜60℃の温度条件下で糖化処理し、(4)加熱により麹菌ないし酵素を殺菌、失活させ、必要に応じて水分調節の後、(5)得られた米糠麹穀物粉糖化物または米糠麹糖化物に乳酸菌を加えて培養を行うことを特徴とする米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  2. 前記低温圧搾による脱脂処理は、100℃〜130℃の温度条件下において行われ、脱脂米糠粉末は油分含有量12%以下のものとされていることを特徴とする請求項1に記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  3. 脱脂米糠成形物はフレーク状、粒状とされたものであり、水分含量が3〜10%程度のものである請求項1または2に記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  4. 麹菌の培養は、脱脂米糠成形物の水分含有量を32〜42%に調整して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  5. 乳酸菌として、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、ストレプトコッカス・サーモフィルスまたはラクトバチルス・ヘルベティカスの少なくともいずれかを含むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  6. 乳酸菌として、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むこと、またはエンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ラムノサス、およびラクトバチルス・ブレビスを混合して含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  7. 乳酸菌として、請求項1に記載の製造方法により先に調製された米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の一部を用い、これを新たな米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物に添加するものである請求項1〜5のいずれか1つに記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
  8. 穀物粉として米粉を使用するものである請求項1〜7のいずれか1つに記載の米糠麹穀物粉糖化物ないし米糠麹糖化物の乳酸菌発酵物の製造方法。
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