JP2015187961A - 蓄電デバイスの製造装置および蓄電デバイスの製造方法 - Google Patents

蓄電デバイスの製造装置および蓄電デバイスの製造方法 Download PDF

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栄作 二ノ宮
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正興 松岡
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Abstract

【課題】リチウムイオン電池等の蓄電デバイスの製造コストを低減する。
【解決手段】電極板の製造装置に備わるロールナイフコータRCは、第1方向に走行する集電箔PEPの表面側に配置されたナイフロールNRLと、ナイフロールNRLと対向して集電箔PEPの裏面側に配置されたバックロールBRLとを有し、さらに、上記第1方向と集電箔PEPの表面で直交する第2方向に順に配置された、第1液供給部LS1と、第2液供給部LS2と、第3液供給部LS3とを有する。第1液供給部LS1は絶縁物質を含有する溶液(第1絶縁材料IF1)を集電箔PEPの表面に供給し、第2液供給部LS2は電極材料(正極材料PAS)を集電箔PEPの表面に供給し、第3液供給部LS3は絶縁物質を含有する溶液(第1絶縁材料IF1)を集電箔PEPの表面に供給する。
【選択図】図3

Description

本発明は、蓄電デバイスの製造装置および製造方法に関し、例えば蓄電デバイスの電極材料を塗布する工程に好適に利用できるものである。
本技術分野の背景技術として、特開2003−045491号公報(特許文献1)がある。この公報には、正極シート状物送出機構と、正極電極物質塗工機構と、正極電極形成用加熱機構と、電解、絶縁物質塗工機構と、電解、絶縁物形成用加熱機構と、負極シート状物送出機構と、負極電極物質塗工機構と、負極電極形成用加熱機構と、電解、絶縁物質塗工機構と、電解、絶縁物形成用加熱機構と、捲回機構とを備えた二次電池製造装置が記載されている。上記捲回機構は、正極電極物質と電解、絶縁物質とが固着された正極シート状物と負極電極物質と電解、絶縁物質とが固着された負極シート状物を積層して所定の形状に捲回する機構である。
特開2003−045491号公報
例えば蓄電デバイスを代表するリチウムイオン電池は、集電用金属箔(以下、集電箔と記す)の表面に正極活物質を含有する正極材料を塗布し、乾燥させた正極板と、集電箔の表面に負極活物質を含有する負極材料を塗布し、乾燥させた負極板と、正極板と負極板との接触を防止するセパレータとを捲回した電極捲回体を備えている。そして、リチウムイオン電池では、この電極捲回体が電池缶に挿入されるとともに、電池缶内に電解質が注入されている。つまり、リチウムイオン電池では、正極板と負極板とが直接接触しないように、セパレータを介して断面渦巻状に捲回されて電極捲回体が形成される。
ところで、集電箔の表面に正極材料または負極材料を塗布すると、塗布した部分の両脇部分(両端部)が山型の様に盛り上がる。この盛り上がり部は、電極捲回体を形成する前に除去されるが、この除去される正極材料および負極材料の盛り上がり部も材料費としてリチウムイオン電池の製造コストに含まれる。そのため、正極材料および負極材料の盛り上がり部を除去することが、リチウムイオン電池の製造コストの低減を困難とする一因となっている。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態による蓄電デバイスの製造装置は、第1方向に走行する集電箔の表面側に配置されたナイフロールと、ナイフロールと対向して集電箔の裏面側に配置されたバックロールとを有し、さらに、上記第1方向と集電箔の表面で直交する第2方向に順に配置された第1液供給部と、第2液供給部と、第3液供給部とを有する塗工機を備える。第1液供給部は絶縁物質を含有する第1溶液を、第2液供給部は電極材料を、第3液供給部は絶縁物質を含有する第2溶液を、ナイフロールとバックロールとの間の集電箔の表面に同時に供給する。
一実施の形態による蓄電デバイスの製造方法は、第1方向に走行する集電箔の表面に、活物質を含有するスラリー状の電極材料を塗布し、上記第1方向と集電箔の表面で直交する第2方向の電極材料の両側の集電箔の表面に、絶縁物質を含有する溶液を塗布する工程と、電極材料および溶液の上面に、絶縁物質を含有するスラリー状の絶縁材料を塗布する工程とを有する。
一実施の形態によれば、リチウムイオン電池等の蓄電デバイスの製造コストを低減することができる。
本実施の形態におけるリチウムイオン電池の内部構造を示す断面図である。 本実施の形態におけるリチウムイオン電池の電極板の製造装置の概略図である。 本実施の形態におけるリチウムイオン電池の電極板の製造装置に備わる塗工機を説明する図である。(a)は塗工機の上面図、(b)は塗工機の断面図(同図(a)のA−A線の断面図)である。 本実施の形態における集電箔の表面に塗布した正極材料を模式的に示す断面図である。 本実施の形態における集電箔の表面に塗布した正極材料と、その上に塗布したセパレータとなる絶縁材料とを積層した塗膜を模式的に示す断面図である。 本実施の形態におけるリチウムイオン電池の具体的な製造工程をまとめた工程図である。 本発明に先立って、本発明者らが検討したリチウムイオン電池の電極板の製造装置に備わる塗工機を説明する図である。(a)は塗工機の上面図、(b)は塗工機の断面図(同図(a)のB−B線の断面図)である。 本発明に先立って、本発明者らが検討した集電箔の表面に塗布した電極材料と、その上に塗布したセパレータとなる絶縁材料とを積層した塗膜を模式的に示す断面図である。
以下の実施の形態においては、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、以下の実施の形態で用いる図面においては、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す。また、以下の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明では、正極材料および負極材料を総括して「電極材料」と呼び、乾燥工程後の正極材料からなる膜を「正極膜」、乾燥工程後の負極材料からなる膜を「負極膜」、正極膜および負極膜を総括して「電極膜」と呼ぶ。また、以下の説明では、乾燥工程前の正極材料、負極材料および絶縁材料は、バインダ溶液および有機溶剤などの液体を含み、流動性を有する物質である。また、以下の説明では、正極膜が形成された集電箔を「正極板(正極シートなどとも言う)」、負極膜が形成された集電箔を「負極板(負極シートなどとも言う)」、正極板および負極板を総括して「電極板(電極シートなどとも言う)」と呼ぶ。また、以下の説明で「集電箔の表面」という場合は、集電箔の表側の面および裏側の面を含めた全面ではなく、表側の面のみを指すものとする。また、以下の説明では、集電箔が走行する方向を「第1方向」とし、第1方向と集電箔の表面で直交する方向を「第2方向」とする。
(本発明者らが比較検討を行ったリチウムイオン電池の製造装置および製造方法)
まず、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の製造装置および製造方法がより明確となると思われるため、比較例として、本発明者らによって検討された、本発明が適用される前のリチウムイオン電池の製造装置および製造方法について説明する。
図7は、本発明に先立って、本発明者らが検討したリチウムイオン電池の電極板の製造装置に備わる塗工機を説明する図である。図7(a)は塗工機の上面図、図7(b)は塗工機の断面図(同図(a)のB−B線の断面図)である。
図7(a)および(b)に示すように、塗工機であるロールナイフコータRC0は、バックロール(バックアップロールなどとも言う)BRLと、ナイフロールNRLと、液供給部(液留め、ダムなどとも言う)LSとから構成される。
バックロールBRLおよびナイフロールNRLは、集電箔PEPが走行する第1方向と集電箔PEPの表面で直交する第2方向に延長するロールであり、バックロールBRLとナイフロールNRLとは集電箔PEPを挟んで対向している。また、バックロールBRLは集電箔PEPを第1方向へ走行させる方向に回転するが、ナイフロールNRLは固定されている。
バックロールBRLと集電箔PEPとは接しているが、ナイフロールNRLと集電箔PEPとは接しておらず、ナイフロールNRLと集電箔PEPとの間に隙間を有するように、バックロールBRLおよびナイフロールNRLは設置されている。すなわち、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間の間隔により、電極材料EMの厚さが調整される。
液供給部LSは、バックロールBRLとナイフロールNRLとが対向する位置よりも上流側に設置されている。液供給部LSの第2方向の両脇には壁WAが形成されて、液供給部LSに活物質を含有する電極材料EMが溜められている。集電箔PEPが第1方向へ走行すると、これに伴って、バックロールBRLとナイフロールNRLとが対向する位置へ、液供給部LSから電極材料EMが引き出される。これにより、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、電極材料EMが塗布される。
図8は、本発明に先立って、本発明者らが検討した集電箔の表面に塗布した電極材料と、その上に塗布したセパレータとなる絶縁材料とを積層した塗膜を模式的に示す断面図である。
図8に示すように、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、電極材料EMが塗布されて、ほぼ一定の厚さを有する電極材料EMが形成される。しかし、電極材料EMの第1方向と集電箔PEPの表面で直交する第2方向の両脇部分(両端部)が山型の様に盛り上がる。この電極材料EMの盛り上がり部は、電極材料EMの粘度および表面張力などに起因して生じる。電極材料EMの盛り上がり部の頂点と、電極材料EMの平坦部分との差は、例えば数μm程度あるが、電極材料EMの盛り上がり部を残したまま、電極材料EMの上にセパレータとなる絶縁材料IFを塗布すると、電極材料EMの盛り上がり部の頂点から下方へ絶縁材料IFが流れて、電極材料EMの盛り上がり部が露出するという問題がある。
上記問題は、正極材料および負極材料において同様に生じる。そして、正極材料の盛り上がり部を残したままの正極板と、負極材料の盛り上がり部を残したままの負極板とを使用して電極捲回体を形成すると、盛り上がり部が重なり合い隙間が生じて、電池缶内に正極板および負極板を隙間無く挿入することが困難となる。
そこで、正極板および負極板を電池缶内に隙間無く挿入するために、正極板および負極板を所定の帯状の大きさに切断して、正極材料および負極材料の両脇に生じた盛り上がり部を除去した後、電極捲回体が形成されている。すなわち、電極捲回体では、集電箔PEPの表面に正極材料が均一に塗布された部分の正極板および集電箔PEPの表面に負極材料が均一に塗布された部分の負極板を使用している。
しかし、正極板および負極板を所定の帯状の大きさに切断して、正極材料および負極材料の盛り上がり部を破棄するため、塗布工程で集電箔PEPの表面に塗布した正極材料または負極材料の全てを有効に利用することができない。また、破棄される正極材料および負極材料の盛り上がり部もリチウムイオン電池の製造コストに含まれる。そのため、正極材料および負極材料の盛り上がり部を廃棄することが、リチウムイオン電池の製造コストの低減を困難とする一因となっている。なお、電極捲回体タイプのリチウムイオン電池に限らず、例えばラミネートタイプのリチウムイオン電池においても、同様の課題を有している。
(実施の形態)
本実施の形態では、蓄電デバイスである二次電池としてリチウムイオン電池を例示し、その製造装置およびその製造方法について説明する。リチウムイオン電池は、非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池である。
正極には、例えばリチウム含有複合酸化物を用い、負極には、例えば炭素質材料を用いる。電解質には、例えば炭酸エチレンなどの有機溶剤またはヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)などのリチウム塩からなる電解液を用いる。リチウムイオン電池内では、充電時にリチウムイオンは正極から出て負極に入り、放電時に逆にリチウムイオンは負極から出て正極に入る。
≪リチウムイオン電池の構造≫
本実施の形態におけるリチウムイオン電池の内部構造を図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の内部構造を示す断面図である。
図1に示すように、リチウムイオン電池は、例えば集電箔(例えばAl(アルミニウム)箔)の表面に正極用の電極膜(正極膜)を形成した正極板PEと、集電箔(例えばCu(銅)箔)の表面に負極用の電極膜(負極膜)を形成した負極板NEとを有する。そして、正極板PEと、負極板NEと、正極板PEと負極板NEとの接触を防止するポリマフィルムなどのセパレータSPとを捲回した電極捲回体が、円筒形の電池缶(外装缶、容器などとも言う)CO内に組み込まれている。つまり、リチウムイオン電池では、集電箔の表面に正極膜を形成した正極板PEと、集電箔の表面に負極膜を形成した負極板NEとが帯状に形成され、帯状に形成された正極板PEと負極板NEとが、正極膜と負極膜とが直接接触しないように、セパレータSPを介して断面渦巻状に捲回されて電極捲回体が形成されている。
そして、リチウムイオン電池では、この電極捲回体が電池缶COに挿入されるとともに、電池缶CO内に電解質が充填されている。電池缶COの一端は正極端子PETにより封止され、他端は負極端子NETにより封止されている。正極板PEは、金属膜からなる正極リードPELを介してガス排出構造を有する正極端子PETに電気的に接続されており、負極板NEは、金属膜からなる負極リード(図示せず)を介して負極端子NETに電気的に接続されている。
≪リチウムイオン電池の電極シートの製造方法≫
本実施の形態におけるリチウムイオン電池の電極板の製造方法を図2〜図5を用いて説明する。図2は、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の電極板の製造装置の概略図である。図3は、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の電極板の製造装置に備わる塗工機を説明する図であり、図3(a)は塗工機の上面図、図3(b)は塗工機の断面図(同図(a)のA−A線の断面図)である。図4は、本実施の形態における集電箔の表面に塗布した正極材料を模式的に示す断面図である。図5は、本実施の形態における集電箔の表面に塗布した正極材料と、その上に塗布したセパレータとなる絶縁材料とを積層した塗膜を模式的に示す断面図である。
本実施の形態では、第1方向に走行する集電箔の表面に1列に形成される正極膜の製造方法を例示する。また、本実施の形態では、正極板の片面の製造方法を例示するが、負極板の片面の製造方法も同様である。
図2に示すように、リチウムイオン電池の電極板の製造装置M1においては、集電箔(金属箔、電極板、基材、基板、シート状物などとも言う)PEPは、巻き出しロールSL1から送り出され、複数のローラによって巻き取りロールSL2へ搬送される。そして、巻き出しロールSL1から巻き取りロールSL2に向かって、ロールナイフコータRC、スリットコータ(スリットダイコータなどとも言う)DCおよび乾燥室(乾燥炉、乾燥機構などとも言う)DRYが順に設置されている。
1.第1塗布工程(正極材料および第1絶縁材料塗布工程)
まず、図2に示すように、巻き出しロールSL1から送り出され、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、正極材料PASと第1絶縁材料IF1とが同時にロールナイフコータRCを用いて塗布される。
図3(a)および(b)に示すように、塗工機であるロールナイフコータRCは、バックロールBRLと、ナイフロールNRLと、第1液供給部LS1と、第2液供給部LS2と、第3液供給部LS3とから構成される。
バックロールBRLとナイフロールNRLとは、第1方向に走行する集電箔PEPを挟んで対向している。バックロールBRLの第1方向と集電箔PEPの表面で直交する第2方向の長さは集電箔PEPの第2方向の幅よりも長く、バックロールBRLの第1方向に沿った断面は円形である。また、バックロールBRLは、回転機能を有しており、第1方向に沿った断面の中心を軸として集電箔PEPを第1方向へ走行させるように回転する。バックロールBRLと同様に、ナイフロールNRLの第2方向の長さは集電箔PEPの第2方向の幅よりも長い。しかし、ナイフロールNRLの第1方向に沿った断面は略円形であるが、バックロールBRLと異なり、ナイフロールNRLは、正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1の厚さを調整するため、これらを掻き落とす部位を第2方向に沿って有している。また、ナイフロールNRLは、固定されている。
バックロールBRLと集電箔PEPとは接しているが、ナイフロールNRLと集電箔PEPとは接しておらず、ナイフロールNRLと集電箔PEPとの間に隙間を有するように、バックロールBRLとナイフロールNRLとは設置されている。すなわち、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間の間隔により、正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1の厚さが調整される。バックロールBRLとナイフロールNRLとの間隔は、例えば50μm〜200μm程度である。
第1液供給部LS1、第2液供給部LS2および第3液供給部LS3は、バックロールBRLとナイフロールNRLとが対向する位置よりも上流側に、第2方向に順に並んで設置されている。言い換えれば、第2液供給部LS2を第2方向に挟んで、第1液供給部LS1と第3液供給部LS3とが設置されている。
第1液供給部LS1および第3液供給部LS3は、第1絶縁材料IF1を溜めるダムであり、第2液供給部LS2は、正極材料PASを溜めるダムである。正極材料PASは、充放電によりリチウムイオンの放出・吸蔵が可能な正極活物質の粉末と導電助剤の粉末とを、これら粉末を結着させるためのバインダおよび溶剤などと混練、分散した高粘度のスラリー状の液体である。また、第1絶縁材料IF1は、絶縁物質を含有する溶液である。第1絶縁材料IF1に、後述するセパレータとなる第2絶縁材料IF2と同じ材料を用いてもよい。
集電箔PEPが第1方向へ走行すると、バックロールBRLを通過する集電箔PEPがバックロールBRLとナイフロールNRLとが対向する位置へ、第2液供給部LS2から正極材料PASを引き出し、第1液供給部LS1および第3液供給部LS3からそれぞれ第1絶縁材料IF1を引き出す。そして、ナイフロールNRLで目標量以上の余分な正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1を掻き落とす。これにより、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、正極材料PASが塗布され、同時に、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、正極材料PASを第2方向に挟むように、正極材料PASの第2方向の両側に第1絶縁材料IF1が塗布される。言い換えれば、正極材料PASが、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に塗布されると同時に、第1絶縁材料IF1が、正極材料PASの第2方向の両側面に接液して、正極材料PASの第2方向の外側の集電箔PEPの表面に塗布される。
第1液供給部LS1、第2液供給部LS2および第3液供給部LS3のそれぞれの第2方向の両脇には壁WAが設けられており、第1液供給部LS1の第1絶縁材料IF1と第2液供給部LS2の正極材料PAS、および第3液供給部LS3の第1絶縁材料IF1と第2液供給部LS2の正極材料PASとが混ざり合わないように仕切られている。
ところで、正極材料PASはスラリー状の液体であるため、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間を通過する際に広がり、集電箔PEPの表面に塗布された正極材料PASの第2方向の幅W1は、第2液供給部の液供給口の第2方向の幅W2よりも大きくなる。バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間を通過する際の正極材料PASの広がりは、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間の間隔、正極材料PASの粘度および集電箔PEPの搬送速度などによって変化するため、一定の広がりではない。
そのため、第1液供給部LS1と第2液供給部LS2との間および第3液供給部LS3と第2液供給部LS2との間にそれぞれ設けられた壁WAの幅が薄すぎると、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間を正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1が通過する際に、両者が混ざり合ってしまう。一方、第1液供給部LS1と第2液供給部LS2との間および第3液供給部LS3と第2液供給部LS2との間にそれぞれ設けられた壁WAの幅が厚すぎると、バックロールBRLとナイフロールNRLとの隙間を正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1が通過する際に両者が接液せず、正極材料PASの両脇部分(両端部)が山型の様に盛り上がってしまう。
従って、第1液供給部LS1、第2液供給部LS2および第3液供給部LS3のそれぞれの第2方向の両脇に形成された壁WAは、最適な幅を有することが好ましい。そこで、ロールナイフコータRCには、壁WAの幅を塗工条件に合わせて調整することのできる機構が備わっており、壁WAの幅を調整することにより、正極材料PASと第1絶縁材料IF1とが混ざり合うことなく、正極材料PASと第1絶縁材料IF1とを接液させている。
図4に、正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1が塗布された集電箔PEPの第2方向の断面図を示す。
図4に示すように、集電箔PEPの表面に塗布された正極材料PASの厚さは、ほぼ一定となる。これに対して、集電箔PEPの表面に、正極材料PASを第2方向に挟むように塗布された第1絶縁材料IF1には、山型の様な盛り上がりが生じる。この盛り上がり部は、第1絶縁材料IF1の粘度および表面張力などに起因して生じる。しかし、第1絶縁材料IF1が塗布された領域は、正極板が完成した後に切断される領域であり、この盛り上がり部は、後に破棄される。
2.第2塗布工程(第2絶縁材料(セパレータ材料)塗布工程)
次に、図2に示すように、第1方向に走行する集電箔PEPの表面に、スリットコータDCから供給されるスラリー状の第2絶縁材料IF2が塗布される。
第2絶縁材料IF2は、集電箔PEPが走行する第1方向に沿って第1絶縁材料IF1および正極材料PASの上面に塗布される。第2絶縁材料IF2の厚さは、例えば10μm〜40μm程度である。第2絶縁材料IF2の厚さは、例えばスリットダイコータDCの口金の高さ調整および第2絶縁材料IF2の送量などによって調整することができる。
図5に、正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1の上面に第2絶縁材料IF2が塗布された集電箔PEPの第2方向の断面図を示す。
図5に示すように、集電箔PEPの表面に塗布された正極材料PASの上面はほぼ平坦な面であるため、この正極材料PASの上面に塗布された第2絶縁材料IF2の厚さはほぼ一定となる。これに対して、集電箔PEPの表面に、正極材料PASを第2方向に挟むように塗布された第1絶縁材料IF1には、山型の様な盛り上がり部が形成されている。このため、第1絶縁材料IF1の盛り上がり部の上面に塗布された第2絶縁材料IF2は、第1絶縁材料IF1の平坦部分の上面に塗布された第2絶縁材料IF2の厚さよりも薄くなり、第1絶縁材料IF1の盛り上がり部が露出する。しかし、第1絶縁材料IF1が塗布された領域は、正極板が完成した後に切断される領域であり、この盛り上がり部は後に破棄されるので、第1絶縁材料IF1が盛り上がっていても問題はない。
また、切断され、盛り上がり部が破棄される第1絶縁材料IF1が含有する絶縁物質の価格は、正極材料PASが含有する正極活物質の価格よりも安価である。そのため、正極材料PASの一部の破棄に代えて、第1絶縁材料IF1の一部を破棄することにより、リチウムイオン電池の製造コストの低減を図ることができる。
3.乾燥工程
次に、図2に示すように、乾燥室DRYを通過することで、集電箔PEPの表面に塗布した正極材料PASおよび第1絶縁材料IF1と、これらの上面に塗布した第2絶縁材料IF2とを積層した塗膜の全体が乾燥し、その表面に正極材料PASからなる正極膜および第2絶縁材料IF2からなるセパレータが形成された集電箔PEPが巻き取りロールSL2に巻き取られる。
≪リチウムイオン電池の具体的な製造工程≫
本実施の形態によるリチウムイオン電池の具体的な製造工程を図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態におけるリチウムイオン電池の具体的な製造工程をまとめた工程図である。
図6に示すように、リチウムイオン電池の製造工程は、正極板製造工程と、負極板製造工程と、電池セル組立工程と、電池モジュール組立工程とを含んでいる。
正極板製造工程では、まず、第1方向に走行するフィルム状の集電箔の表面に、スラリー状の正極活物質を含有する正極材料を塗布し、同時に、第1方向に走行するフィルム状の集電箔の表面に、正極材料を第1方向と集電箔の表面で直交する第2方向に挟むように、スラリー状の絶縁物質を含有する第1絶縁材料を塗布する(正極材料および第1絶縁材料塗布工程)。正極材料および第1絶縁材料はそれぞれ原料となる各種材料を混連および調合することにより作製される。例えば前記図4に示したように、第1絶縁材料には山型の盛り上がり部が形成されるが、正極材料の厚さはほぼ一定となる。
続いて、フィルム状の集電箔の表面に塗布した正極材料および第1絶縁材料の上面に、セパレータとなるスラリー状の第2絶縁材料を塗布する(セパレータ材料塗布工程)。第2絶縁材料は原料となる各種材料を混連および調合することにより作製される。例えば前記図5に示したように、第1絶縁材料の盛り上がり部では第2絶縁材料の厚さが薄くなり、第1絶縁材料の上面が露出することがあるが、正極材料の上面には均一な厚さの第2絶縁材料が塗布されて、第1絶縁材料の上面は露出しない。
続いて、フィルム状の集電箔の表面に塗布した正極材料および第1絶縁材料と、これらの上面に塗布した第2絶縁材料とを積層した塗膜の全体を乾燥させた後(乾燥工程)、この塗膜が形成された集電箔に圧縮および切断といった加工を行う(加工工程)。これにより、フィルム状の集電箔の表面に、正極材料からなる正極膜および第1絶縁材料からなる絶縁膜と、これらの上面に形成された第2絶縁材料からなるセパレータとが積層されたフィルム状の正極板が製造される。ここで、上記塗膜が形成された集電箔を切断する際には、第1絶縁材料からなる絶縁膜が形成された領域が切断されて、絶縁膜の盛り上がり部(例えば前記図5に示した第1絶縁材料IF1の盛り上がり部)が除去される。これにより、正極板および絶縁膜(除去さずに残存した一部の絶縁膜)と、これらの上面に形成されたセパレータとから構成される均一な厚さの正極板が製造される。
一方、負極板製造工程では、使用される原料となる各種材料は正極板製造工程とは異なるが、負極板が製造されるまでの手順は正極板製造工程と同じである。まず、第1方向に走行するフィルム状の集電箔の表面に、スラリー状の負極活物質を含有する負極材料を塗布し、同時に、第1方向に走行するフィルム状の集電箔の表面に、負極材料を第1方向と集電箔の表面で直交する第2方向に挟むように、スラリー状の絶縁物質を含有する第1絶縁材料を塗布する(負極材料および第1絶縁材料塗布工程)。負極材料および第1絶縁材料はそれぞれ原料となる各種材料を混連および調合することにより作製される。例えば前記図4に示したように、第1絶縁材料には山型の盛り上がり部が形成されるが、負極材料の厚さはほぼ一定となる。
続いて、フィルム状の集電箔の表面に塗布した負極材料および第1絶縁材料の上面に、セパレータとなるスラリー状の第2絶縁材料を塗布する(セパレータ材料塗布工程)。第2絶縁材料は原料となる各種材料を混連および調合することにより作製される。例えば前記図5に示したように、第1絶縁材料の盛り上がり部では第2絶縁材料の厚さが薄くなり、第1絶縁材料の上面が露出することがあるが、負極材料の上面には均一な厚さの第2絶縁材料が塗布されて、第1絶縁材料の上面は露出しない。
続いて、フィルム状の集電箔の表面に塗布した負極材料および第1絶縁材料と、これらの上面に塗布した第2絶縁材料とを積層した塗膜の全体を乾燥させた後(乾燥工程)、この塗膜が形成された集電箔に圧縮および切断といった加工を行う(加工工程)。これにより、フィルム状の集電箔の表面に、負極材料からなる負極膜および第1絶縁材料からなる絶縁膜と、これらの上面に形成された第2絶縁材料からなるセパレータとが積層されたフィルム状の負極板が製造される。ここで、上記塗膜が形成された集電箔を切断する際には、第1絶縁材料からなる絶縁膜が形成された領域が切断されて、絶縁膜の盛り上がり部(例えば前記図5に示した第1絶縁材料IF1の盛り上がり部)が除去される。これにより、負極板および絶縁膜(除去さずに残存した一部の絶縁膜)と、これらの上面に形成されたセパレータとから構成される均一な厚さの負極板が製造される。
次に、電池セル組立工程では、フィルム状の正極板から、電池セルに必要な大きさの正極を切り出し、フィルム状の負極板から、電池セルに必要な大きさの負極を切り出し、正極と負極とを挟んで重ねて捲き合わせることにより、電極捲回体(捲き合わせた正極および負極の電極対の群)を形成する(捲回工程)。正極板および負極板には、すでにセパレータが形成されているので、この捲回工程では、正極と負極との間にセパレータを挟んで重ねて捲き合わせる必要がなく、リチウムイオン電池の製造コストを低減することができる。また、正極板および負極板の厚さはほぼ均一であるので、正極と負極とを隙間なく捲き合わせることができる。
次に、電極捲回体を組み立てて溶接する(溶接・組立工程)。続いて、溶接した電極捲回体を、電解液が注入された電池缶内に配置した後(注液工程)、電池缶を完全に密閉して(封口工程)、電池セルを作製する。電極捲回体では、正極と負極とが隙間なく捲き合わせてあるので、電池缶内に電極捲回体を容易に隙間なく挿入することができる。
次に、作製された電池セルを繰り返し充放電して(充放電工程)、この電池セルの性能および信頼性に関する検査(例えば電池セルの容量および電圧、並びに電池セルの充電時または放電時の電流および電圧等の検査)を行う(単電池検査工程)。これにより、電池セルが完成し、電池セル組立工程が終了する。
次に、電池モジュール組立工程では、複数個の電池セルを直列に組み合わせて電池モジュールを構成し、さらに、充電/放電制御用コントローラを接続して電池システムを構成する(モジュール組立工程)。続いて、組み立てられた電池モジュールの性能および信頼性に関する検査(例えば電池モジュールの容量および電圧、並びに電池モジュールの充電時または放電時の電流および電圧等の検査)を行う(モジュール検査工程)。これにより、電池モジュールが完成し、電池モジュール組立工程が終了する。
≪リチウムイオン電池の各材料≫
本実施の形態におけるリチウムイオン電池を構成する各材料、およびリチウムイオン電池を製造する際に用いる各材料について詳しく説明する。
本実施の形態で用いる正極活物質には、例えばコバルト酸リチウムまたはMn(マンガン)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物を用いることができる。また、正極活物質には、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)およびMn(マンガン)を含む複合酸化物、またはオリビン型リン酸鉄に代表されるオリビン型化合物などを用いることもできる。ただし、正極活物質に用いる材料は、これらに限定されるものではない。
Mn(マンガン)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、これを含む正極シートを形成することで、安全性の高いリチウムイオン電池を構成することができる。また、正極活物質には、Mn(マンガン)を含有するスピネル構造のリチウム含有複合酸化物のみを用いてもよいが、他の正極活物質を併用してもよい。このような他の正極活物質としては、例えばLi1+xMO(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mn、Al、Mg、Zr、Tiなど)で表わされるオリビン型化合物などが挙げられる。また、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物の具体例としては、LiCoOまたはLiNi1−xCox−yAl(0.1≦x≦0.3、0.01≦y≦0.2)などを用いることができる。また、層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物には、少なくともNi(ニッケル)、Co(コバルト)およびMn(マンガン)を含む酸化物(LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn5/12Ni5/12Co1/6、LiNi3/5Mn1/5Co1/5など)などを用いることができる。
本実施の形態で用いる負極活物質には、例えば天然黒鉛(鱗片状黒鉛)、人造黒鉛または膨張黒鉛などの黒鉛材料を用いることができる。また、負極活物質には、ピッチを焼成して得られるコークスなどの易黒鉛化性炭素質材料を用いることもできる。また、負極活物質には、フルフリルアルコール樹脂(PFA)、ポリパラフェニレン(PPP)またはフェノール樹脂などを低温焼成して得られる非晶質炭素などの難黒鉛化性炭素質材料を用いてもよい。また、炭素材料の他に、Li(リチウム)またはリチウム含有化合物なども負極活物質として用いることができる。
リチウム含有化合物としては、Li−Alなどのリチウム合金、あるいはSi(ケイ素)またはSn(スズ)などとLi(リチウム)との合金化が可能な元素を含む合金が挙げられる。さらに、Sn酸化物またはSi酸化物などの酸化物系材料も用いることも可能である。
本実施の形態で用いる導電助剤は、正極膜に含有させる電子伝導助剤として用いるもので、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト、カーボンファイバーまたはカーボンナノチューブなどの炭素材料が好ましい。上記炭素材料の中でも、添加量と導電性の効果、および塗布用正極合剤スラリの製造性の点から、アセチレンブラックまたはケッチェンブラックが特に好ましい。導電助剤は負極膜に含有させることも可能であり、好ましい場合もある。
本実施の形態で用いるバインダは、活物質および導電助剤を結着するためのバインダも含有していることが好ましい。バインダとしては、例えばポリビニリデンフルオライド系ポリマー(主成分モノマーであるビニリデンフルオライドを80質量%以上含有する含フッ素モノマー群の重合体)またはゴム系ポリマーなどが好適に用いられる。上記ポリマーは、2種以上を併用してもよい。また、バインダは、溶媒に溶解した溶液の形態で供されるものが好ましい。
上記ポリビニリデンフルオライド系ポリマーを合成するための含フッ素モノマー群としては、ビニリデンフルオライド、またはビニリデンフルオライドと他のモノマーとの混合物で、ビニリデンフルオライドを80質量%以上含有するモノマー混合物などが挙げられる。他のモノマーとしては、例えばビニルフルオライド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフルオロアルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
上記ゴム系ポリマーとしては、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴムおよびフッ素ゴムなどが挙げられる。
電極膜中におけるバインダの含有量は、乾燥後の電極膜を基準として0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であって、10質量%以下、さらに、5質量%以下であることがより望ましい。バインダの含有量が少な過ぎると、乾燥工程における固化が不十分となるばかりでなく、乾燥後の電極膜の機械的強度が不足し、電極膜が集電箔から剥離するおそれがある。また、バインダの含有量が多過ぎると、電極膜中の活物質量が減少して、電池容量が低くなるおそれがある。
本実施の形態で用いる絶縁材料には、Al(アルミナ)またはSiO(シリカ)などの無機酸化物を用いることができる。また、ポリプロピレンまたはポリエチレンの微粒子を混同したスラリを用いてもよく、これを用いることで、シャットダウン性を持たせることができる。また、絶縁材料に用いた無機酸化物粒子を結着させるために、バインダとして樹脂を用いる。バインダには、電極膜に用いられるバインダが好適に用いられる。
本実施の形態で用いる集電箔は、シート状の箔に限定されることはない。その基体としては、例えばAl(アルミニウム)、Cu(銅)、ステンレス鋼またはTi(チタン)などの純金属または合金性導電材料を用いて、その形状として、網、パンチドメタル、フォームメタルまたは板状に加工した箔などが用いられる。集電箔の厚さとしては、例えば5μm〜30μm、より好ましくは8μm〜16μmが選択される。また、集電箔の一方の面(表面)に形成される電極膜の厚さは、乾燥後の厚さで、例えば50μm〜200μm程度である。
なお、本実施の形態におけるリチウムイオン電池は、前述した方法で製造される正極および負極を含むこと以外は、従来のリチウムイオン電池と同様に製造することができる。電池缶の構造またはサイズ、あるいは正極および負極を主構成要素とする電極体の構造等について、特に制限はない。
このように、本実施の形態によれば、集電箔PEPの表面に、電極材料(正極材料および負極材料)を第2方向に挟むように塗布された第1絶縁材料IF1には、山型の様な盛り上がり部が形成されるが、集電箔PEPの表面に塗布された電極材料の上面はほぼ平坦となる。従って、第1絶縁材料IF1の盛り上がり部が形成された領域を電極板(正極板および負極板)が完成した後に切断して、削除することにより、電極膜(正極膜および負極膜)および絶縁膜(除去されずに残存した一部の絶縁膜)と、これらの上面に形成されたセパレータとから構成される均一な厚さの電極板(正極板および負極板)が製造される。これにより、正極と負極とを隙間なく捲き合わせることができ、さらに、電池缶内に電極捲回体を容易に隙間なく挿入することができる。
また、切断され、盛り上がり部が破棄される第1絶縁材料IF1が含有する絶縁物質の価格は、電極材料(正極材料および負極材料)が含有する活物質の価格よりも安価である。そのため、電極材料(正極材料および負極材料)の一部の破棄に代えて、第1絶縁材料IF1の一部を破棄することにより、リチウムイオン電池の製造コストの低減を図ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態では、蓄電デバイスである二次電池としてリチウムイオン電池を例示し、その製造装置およびその製造方法について説明したが、これに限定されるものではない。
BRL バックロール
CO 電池缶
DC スリットコータ
DRY 乾燥室
EM 電極材料
IF 絶縁材料
IF1 第1絶縁材料
IF2 第2絶縁材料
LS 液供給部
LS1 第1液供給部
LS2 第2液供給部
LS3 第3液供給部
M1 電極板の製造装置
NE 負極板
NET 負極端子
NRL ナイフロール
PAS 正極材料
PE 正極板
PEL 正極リード
PEP 集電箔
PET 正極端子
RC ロールナイフコータ
RC0 ロールナイフコータ
SL1 巻き出しロール
SL2 巻き取りロール
SP セパレータ
WA 壁

Claims (11)

  1. 集電箔を第1方向に搬送する搬送機構と、
    前記集電箔の表面に、活物質を含有するスラリー状の電極材料を塗布する第1塗工機構と、
    を備え、
    前記第1塗工機構は、
    前記集電箔の表面側に配置された第1ロールと、
    前記第1ロールと対向し、前記集電箔の裏面側に配置された第2ロールと、
    前記第1ロールと前記第2ロールとの間の前記集電箔の表面に、絶縁物質を含有する第1溶液を供給する第1液供給部と、
    前記第1ロールと前記第2ロールとの間の前記集電箔の表面に、前記電極材料を供給する第2液供給部と、
    前記第1ロールと前記第2ロールとの間の前記集電箔の表面に、絶縁物質を含有する第2溶液を供給する第3液供給部と、
    を備え、
    前記第1方向と前記集電箔の表面で直交する第2方向に、前記第2液供給部を挟んで前記第1液供給部と前記第3液供給部とが配置されている、蓄電デバイスの製造装置。
  2. 請求項1記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1液供給部と前記第2液供給部との間、および前記第2液供給部と前記第3液供給部との間にそれぞれ壁が設置されており、前記壁の前記第2方向の厚さが調整できる、蓄電デバイスの製造装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1溶液、前記電極材料および前記第2溶液は、同時に前記第1ロールと前記第2ロールとの間の前記集電箔の表面に供給される、蓄電デバイスの製造装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1ロールと前記第2ロールとの間隔は、50μmから200μmである、蓄電デバイスの製造装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1ロールは、固定され、
    前記第2ロールは、前記集電箔を前記第1方向へ走行させる回転機能を有する、蓄電デバイスの製造装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1溶液、前記電極材料および前記第2溶液の上面に、絶縁物質を含有するスラリー状の絶縁材料を塗布する第2塗工機構
    をさらに備える、蓄電デバイスの製造装置。
  7. 請求項6記載の蓄電デバイスの製造装置において、
    前記第1溶液、前記電極材料、前記第2溶液および前記絶縁材料を乾燥する乾燥機構、
    をさらに備える、蓄電デバイスの製造装置。
  8. (a)第1方向に走行する集電箔の表面に、活物質を含有するスラリー状の電極材料を塗布し、前記第1方向と前記集電箔の表面で直交する第2方向の前記電極材料の両側の前記集電箔の表面に、絶縁物質を含有する溶液を塗布する工程、
    (b)前記(a)工程の後、前記電極材料および前記溶液の上面に、絶縁物質を含有するスラリー状の絶縁材料を塗布する工程、
    (c)前記(b)工程の後、前記電極材料、前記溶液および前記絶縁材料を乾燥させる工程、
    を有する、蓄電デバイスの製造方法。
  9. 請求項8記載の蓄電デバイスの製造方法において、
    前記電極材料および前記溶液は、同時に前記集電箔の表面に塗布される、蓄電デバイスの製造方法。
  10. 請求項8または請求項9に記載の蓄電デバイスの製造方法において、
    前記集電箔の表面において、前記電極材料と前記溶液とは接している、蓄電デバイスの製造方法。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の蓄電デバイスの製造方法において、
    前記電極材料の上面は平坦である、蓄電デバイスの製造方法。
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