JP2015187549A - 車両用表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 定速制御機能によって車両の走行速度（車速）が設定車速となったときに、両車速の表示値が乖離する虞が少ない車両用表示装置を提供する。【解決手段】 表示手段２と、車速と定速制御機能の設定車速とを離散表現（車速画像２０、設定車速画像２２１）で表示手段２に表示させる制御手段３と、を備えた車両用表示装置１であって、制御手段２は、車速を表示手段２に表示させるにあたってヒステリシス特性を持つ。また、制御手段２は、定速制御機能が車速の加減速を制御している期間において、ヒステリシス特性を定速制御機能が車速の加減速を制御している期間でない他の期間よりも小さく設定する。【選択図】 図１

Description

本発明は、定速制御機能によって車両の走行速度（車速）が設定車速となったときに、両車速の表示値が乖離する虞が少ない車両用表示装置に関する。

従来、車速を指針式計器で指示するのに際して、センシングした車速のサンプリング値に対し、平均処理や遅延処理を施して、指針の指示を視認性良く滑らかにするものが特許文献１に開示されている。

また、車両の定速制御機能（クルーズコントロール機能）を有する車両に搭載される車両用表示装置においては、車速と、定速制御機能の設定車速とを表示器に対比可能に並べてアラビア数字で表示するものが種々提案されているが、定速制御機能によって車速が設定車速に達したと判定して定速制御機能が車両の加減速をしなくなったにもかかわらず、両車速として表示されるアラビア数字が同一にならない場合があった。

上記課題に鑑みて、前述するような表示の乖離の一因が、車速が高速になるに従ってタイヤの動半径が歪むことが表示器に表示する車速の演算に考慮されていないことにあるものとして、特許文献２には、車両の走行速度に対応したタイヤの動半径の歪を考慮して表示器に表示する車速を補正することにより、表示器に表示する車速の精度を高めて両者の表示の乖離を少なくする技術が開示されている。

特開平８−３２７６６４号公報 特開昭６１−８２１７１号公報

しかしながら、車速と定速制御機能の設定車速をアラビア数字で表示器に表示する場合においては、指針式計器のように連続表示とは異なり離散表示となることから、ヒステリシス特性を持たせて、表示分解能の境界値を往来する変化に過敏に反応して頻繁に数値が切り替わって視認性が低下することを防止するのが一般的であるが、当該ヒステリシス特性によっては、定速制御機能が設定車速に車速が達したと判定して定速制御機能が車両の加減速をしなくなったにもかかわらず、両車速として表示されるアラビア数字が同一にならず表示に乖離が起きる場合がある。
また、車速をアラビア数字などの離散表示で表示する場合においては、指針で指標部を指示するような指針式計器に比べて２つの表示値の差が明確となるため、車速が設定車速に到達した場合において、両者の表示が同一にならないことは運転者に違和感を与えるものであり、商品性を損なう。

本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、定速制御機能によって車速が設定車速となったときに、両車速の表示値が乖離する虞が少ない車両用表示装置を提供することを目的とする。

本発明に係る車両用表示装置は、
表示手段と、車速と定速制御機能の設定車速とを離散表現で前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、
前記制御手段は、前記車速を前記表示手段に表示させるにあたってヒステリシス特性を持ち、
前記制御手段は、前記定速制御機能が前記車速の加減速を制御している期間において、前記ヒステリシス特性を前記期間でない他の期間よりも小さく設定する。

本発明によれば、定速制御機能によって車速が設定車速となったときに、両車速の表示値が乖離する虞が少ない車両用表示装置を提供することができる。

本発明の実施形態である車両用表示装置の正面図である。 同実施形態である車両用表示装置の電気的構成図である。

以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。

本発明に係る車両用表示装置１は、表示手段２と、制御手段３と、を備え、例えばＣＡＮ（Controller Area Netrowk）からなる通信路４から車速、エンジン回転数、残燃料量、定速制御機能の動作状態などの各種車両情報の入力に応じて、表示手段２に計器画像を表示する。

表示手段２は、薄膜トランジスタ型カラー液晶モジュールや、有機ＥＬ（Electro Luminescence）モジュールからなる表示器である。

制御手段３は、ＣＰＵなどの演算装置と、ＲＡＭ，ＲＯＭなどの記憶装置と、外部装置への入出力を備えたマイクロコントローラからなり、通信路４から入力された各種車両情報のうち、車速と定速制御機能の動作状態とを計器画像として構成して表示手段２に表示させる。
計器画像は、車速をアラビア数字で示す車速画像２０と、定速制御機能の動作状態を示す定速制御機能状態画像２２とで構成され、定速制御機能状態画像２２は、定速制御機能に設定されている車間距離を示す設定車間距離画像２２０と、定速制御機能に設定されている車速をアラビア数字で表す設定車速画像２２１と、からなる。
また、車速画像２０と設定車速画像２２１に表示するアラビア数字の表示分解能は１キロメートル毎時（ｋｍ／ｈ）とする。

また、制御手段３は、通信路４から入力される車速を表示手段２に表示するにあたっては、通信路４から入力される車速に、平均処理と遅延処理を施して補正車速を求めた後、当該補正車速にヒステリシス処理を施して表示車速を求め、当該表示車速を表示手段２に表示する。

平均処理は、通信路４から入力される車速について、現時点から過去の一定期間において入力された車速の平均値を求め、目標車速として遅延処理に出力する。
また、目標車速の分解能は、０．０１キロメートル毎時（ｋｍ／ｈ）とする。

遅延処理は、目標車速と前回の補正車速との差分を求め、差分をＮで除算したものを、前回の補正車速に加算して新たな補正車速としてヒステリシス処理に出力する。なお、Ｎの数が大きいほど車速の変動が表示手段２に反映されるまでの遅延時間が大きくなる。
また、補正車速の分解能は、０．０１キロメートル毎時（ｋｍ／ｈ）とする。

ヒステリシス処理は、遅延処理が出力した補正車速に対し、ヒステリシス特性を適用した表示車速を求める。また、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している期間と、それ以外の期間（他の期間）において、異なるヒステリシス特性を適用する。
また、表示車速の分解能は、車速画像２０の表示分解能と同様に１キロメートル毎時（ｋｍ／ｈ）とする。
具体的なヒステリシス特性の設定例としては、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している期間においてはヒステリシス幅を±０．５キロメートル毎時と設定し、他の期間においては、ヒステリシス幅を±１．０キロメートル毎時と設定する。

このように構成することで、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している期間においては、他の期間に比べて車速画像２０の応答性が鋭敏になることから、定速制御機能によって車速が設定車速となったときに、両車速の表示値が乖離する虞が少ない。
また、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している期間において、車速画像２０の応答性が鋭敏になることから、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している様を如実に伝えることができ、車両用計器の商品性を高めることができる。

以上、本発明の実施形態について説明したが、これらに限られず種々の変形を行うことができる。

例えば、表示手段２に表示する車速は、アラビア数字ではなく、複数のセグメントで構成した帯状の図形集合体であってもよく、種々の離散表示に適用が可能である。

また、制御手段３は、ヒステリシス特性を車速の増加（＋）方向と減少（−）方向とで異なるヒステリシス特性を持つものとしてもよい。
制御手段３は、定速制御機能が車速を設定車速を維持または達するように制御している期間におけるヒステリシス特性を、車速と設定車速の大小関係に応じて、定速制御機能が車速を設定車速となるように制御する方向に対応するヒステリシス特性（車速＜設定車速であれば、増加方向に対するヒステリシス特性）を、他の方向に対応するヒステリシス特性に比べて小さく設定することが好ましい。

本発明は、自動車などの移動体に搭載される車両情報の表示装置として好適である。

１ …車両用表示装置
２ …表示手段
２０ …車速画像
２１ …残燃料画像
２２ …定速制御機能状態画像
２２０ …設定車間画像
２２１ …設定車速画像
３ …制御手段
４ …通信路

Claims (2)

1. 表示手段と、
   車速と定速制御機能の設定車速とを離散表現で前記表示手段に表示させる制御手段と、を備えた車両用表示装置であって、
   前記制御手段は、前記車速を前記表示手段に表示させるにあたってヒステリシス特性を持ち、
   前記制御手段は、前記定速制御機能が前記車速の加減速を制御している期間において、前記ヒステリシス特性を前記期間でない他の期間よりも小さく設定する
   ことを特徴とする車両用表示装置。
2. 前記制御手段は、前記定速制御機能が前記車速の加減速を制御している期間におけるヒステリシス特性を、前記車速と前記設定車速との大小関係に応じて変更する
   ことを特徴とする請求項１に記載の車両用表示装置。

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