JP2015186474A - 細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置 - Google Patents

細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置 Download PDF

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拓 松村
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孝仁 小此木
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直之 中西
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Abstract

【課題】単一細胞を単一の状態で培養し、そのクローン細胞を得ることができる細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置を提供すること。【解決手段】内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路の前記コーティング層上に単一細胞を単一に播種する播種工程と、前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環工程と、を有する細胞培養方法。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置に関する。
単一細胞に由来する同一の遺伝情報を有する細胞集団(以下、「クローン細胞」と称する場合がある。)を得るためには、単一細胞を、他の細胞の接触等が阻害された単一に播種した状態で培養することが必要となる。このようなクローン細胞を得る方法は、多能性細胞を産業的に利用する場合において特に求められると予測される。
クローン細胞を得るための細胞培養方法として、例えば、特許文献1には、単一分散された細胞を培養液の層流条件が調整されたマイクロ流路内で培養する方法が開示されている。
また、特許文献2には、単一分散されたヒト多能性幹細胞を、単一細胞の状態で、且つ分化多能性を保持したまま培養する細胞培養方法であって、適用する培養基材の細胞外基質のコーティングが、ヒトラミニンα5β1γ1のE8フラグメントまたはヒトラミニンα3β3γ2のE8フラグメントである発明が開示されている。
一方、特許文献3には、多能性幹細胞の分化多能性を維持しつつ、ウイルス混入等の潜在的な危険性を回避することを目的として、ラミニン5を含み、且つ支持細胞又は血清を含まない培地中で培養する培養方法が開示されている。
国際公開第13/058403号公報 国際公開第11/043405号公報 国際公開第09/123349号公報
上述のように、特許文献1、2では、培養によって、クローン細胞が得られていることが記載されている。
上記特許文献1の技術は、培地を層流条件で送液することにより、単一分散培養によるクローン化が可能であるという知見に基づくものである。
一方、上記特許文献2の技術は、底面積が小さいwellに単一分散した細胞を1×10個〜5×10個も播種していることから、播種後に細胞同士の接着が起こり、2以上の細胞となった状態のもののみが増殖している可能性がある。
なお、単一細胞の培養方法として、細胞間の接着を切断することによるアポトーシスを阻害するアポトーシス阻害剤(Rock inhibitor)という薬剤を用いた方法も考えられるが、薬剤等の添加は細胞品質への悪影響が懸念されるため、好ましくない。
本発明は、単一細胞を単一の状態で培養し、そのクローン細胞を得ることができる細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1] 内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路の前記コーティング層上に単一細胞を単一に播種する播種工程と、前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環工程と、を有する細胞培養方法。
[2] 前記播種工程において、播種された単一細胞が、ラミニンを含む培地で継代培養されたものである[1]に記載の細胞培養方法。
[3] 前記継代培養の回数が2回以上である[2]に記載の細胞培養方法。
[4] 前記培養液が、馴化培養液である[1]〜[3]のいずれか1つに記載の細胞培養方法。
[5] 前記循環工程において、前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内を、前記培養液で満たした状態で維持した後、前記培養液の循環を開始する[1]〜[4]のいずれか1つに記載の細胞培養方法。
[6] 前記ラミニンが、ヒトラミニンである[1]〜[5]のいずれか1つに記載の細胞培養方法。
[7] 前記マイクロ流路内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有する[1]〜[6]のいずれか1つに記載の細胞培養方法。
[8] 単一細胞を播種する内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路を含む細胞培養部材。
[9] 前記マイクロ流路内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有する[8]に記載の細胞培養部材。
[10] [8]又は[9]に記載の細胞培養部材と、前記細胞培養部材の前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環装置と、を備える細胞培養装置。
本発明によれば、単一細胞を単一の状態で培養し、そのクローン細胞を得ることができる細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置を提供することができる。
本発明の細胞培養装置の全体構成の一例を示す平面図である。 本発明の細胞培養部材の一例を示す分解斜面図である。 本発明の細胞培養部材の一例を示す断面図である。 本発明のその他の細胞培養部材の一例を示す断面図である。 本発明のその他の細胞培養部材の一例を示す断面図である。 本発明の細胞培養方法の一例により培養した細胞を、位相差顕微鏡を用いて観察した結果を示す図である。 マイクロ流路内での培養から14日目のTIG1−iPSCを観察した結果を示す図である。 図7AのTIG1−iPSCを取出してマトリゲルをコートしたプレート上で馴化培養を行ったTIG1−iPSCを観察した結果を示す図である。 図7BのTIG1−iPSCを取出して、さらに1回目の継代培養を行ったTIG1−iPSCを観察した結果を示す図である。 本発明の細胞培養方法の一例により培養した細胞が多能性を維持していることを、免疫染色法により確認にした結果を示す図である。
[細胞培養方法]
本発明の1つの態様は、単一細胞を播種する内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路の前記コーティング層上に単一細胞を単一に播種する播種工程と、前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環工程と、を有する細胞培養方法である。
本発明の細胞培養方法によれば、播種工程と循環工程とを経ることにより、単一細胞を単一の状態で培養し、そのクローン細胞を得ることができる。
以下、各工程について述べる。
(播種工程)
播種工程においては、内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路のコーティング層上に、単一細胞を単一に播種する。
ここで、「単一細胞」とは、他の細胞と接触していない細胞であり、具体的には、カドヘリン等の細胞外マトリックスを介して2個以上の細胞が接合されていない、単離された細胞を示す。
また、「単一の状態に単一細胞を播種する」または「単一細胞を単一に播種する」とは、単一細胞を、他の細胞と接触しておらず、且つ他の細胞と接触し難い状態で播種することを示す。
単一の状態に単一細胞を播種する方法としては、例えば、コーティング層を有するマイクロ流路(以下、単に「マイクロ流路」と称する場合がある。)に、単一細胞を分散した単一細胞分散液を注入して流す方法が挙げられる。
具体的には、(1)単一細胞の濃度が薄い単一細胞分散液を、マイクロ流路に注入する方法、(2)単一細胞の濃度が薄い単一細胞分散液を、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有するマイクロ流路内に注入する方法、が挙げられる。
隔離構造の詳細については、細胞培養部材の項において説明する。
単一の状態に播種する単一細胞同士の間隔は、単一の状態に播種する観点から、1mm以上の間隔であることが好ましく、1mm以上10mm以下の間隔であることがより好ましい。
単一細胞分散液は、単一細胞と、溶媒と、その他の添加剤と、を含む。
溶媒としては、例えば、培養液が挙げられる。但し、培養液は、後述する循環工程において循環させる培養液と同じものが好ましい。
単一細胞分散液中の細胞の濃度は、単一の状態に単一細胞を播種する観点から、薄い方が好ましい。
具体的には、単一細胞分散液中の細胞の濃度は、例えば、2.5×10細胞/ml以上1.0×10細胞/ml以下が好ましく、5.0×10細胞/ml以上5.0×10細胞/ml以下がより好ましく、5.0×10細胞/mlが特に好ましい。
播種する単一細胞同士の間隔は、単一細胞分散液の細胞濃度により調整できる。
単一細胞分散液の調製方法、つまり、単一細胞を得る方法としては、例えば、カドヘリン等により接合している2個以上の細胞群から1個の細胞を単離する方法として公知の方法が挙げられ、例えば、力学的な方法、薬剤を用いて得る方法が挙げられる。
薬剤としては、プロテアーゼ活性を有する酵素又はEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含有する試薬が挙げられ、試薬として具体的には、例えば、トリプシン/EDTA、Accutase(登録商標、Bioneer社製)、及びAccumax(登録商標、Bioneer社製)が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、本発明の細胞培養方法で培養する細胞については後述する。
単一細胞を単一に播種するコーティング層には、ラミニンが含まれている。
ラミニンは、基底膜の主要構成成分である公知の糖タンパク質であり、ラミニンとして同定されているものであれば用いることができる。また、ラミニンは、必ずしも精製されている必要はなく、ラミニンを主要構成成分として含有する基底膜抽出物等を用いてもよい。
また、ラミニンは、例えば、ヒト由来、マウス由来、ラット由来等のいずれを用いてもよいが、これらの中でもヒト由来のヒトラミニンが好ましい。
ヒトラミニンとしては、ヒトラミニン521、ヒトラミニン511、ヒトラミニン522、ヒトラミニン523が挙げられ、これらの中でもヒトラミニン521、ヒトラミニン511が好ましく、ヒトラミニン521が特に好ましい。
コーティング層の詳細については、後述する。
単一状態に播種する単一細胞は、ラミニンを含む培地で継代培養されたものから得られる細胞であることが好ましい。
つまり、単一状態に播種する単一細胞は、ラミニンを含む培地で培養された細胞群に対して、上述の単一細胞分散液を調製する方法により分離された単一細胞であることが好ましい。
ラミニンとしては、例えば、単一細胞を単一に播種するコーティング層に含まれるラミニンと同じ種類のラミニンが挙げられる。
なお、継代培養用の培地に含まれるラミニンと、マイクロ流路のコーティング層のラミニンとは、同じ種類であることが好ましい。
継代培養に用いるラミニンを含む培地としては、例えば、少なくとも表面にラミニン分子が存在する固相上の培地が挙げられ、具体的には例えば、ラミニンをコートしたプレートが挙げられる。ラミニンをコートしたプレートは、動物細胞培養用のプレートとして市販されているので、本発明の方法においてはこれらの市販のラミニンコートプレートを好ましく用いることができる。
ラミニンを含む培地での継代培養の回数は、多い程好ましいが、2回以上であることが特に好ましい。
つまり、単一状態に播種する単一細胞は、ラミニンを含む培地で少なくとも2回以上連続して継代培養された細胞群に対して、上述の単一細胞分散液を調製する方法により分離された単一細胞であることが好ましい。
本発明の細胞培養方法で培養する細胞は、主に多能性細胞であるが、これに限らず、他の細胞であってもよい。
ここで、本発明において使用される「多能性細胞」は、複数の種類の細胞に分化する能力を有する細胞を意味する。例えば、多能性細胞は、(A)胚性幹細胞(ES細胞)、(B)***幹細胞(GS細胞)、(C)胚性生殖細胞(EG細胞)、(D)人工多能性幹細胞(iPS細胞)、(E)核移植により得られたクローン胚由来のES細胞、および(F)培養線維芽細胞や骨髄幹細胞由来の多能性細胞(Multilineage−differentiating Stress Enduring cells、Muse細胞)を含むが、これらに限定されない。多能性細胞は、種々の生物に由来するものであってよい。好ましくは、ヒトを含む哺乳類動物由来の多能性細胞であり、より好ましくは、マウス由来の多能性細胞や霊長類由来の多能性細胞である。特に好ましくは、ヒト由来の多能性細胞である。
以下、(A)〜(F)の細胞について説明する。
(A)胚性幹細胞
ES細胞は、ヒトやマウスなどの哺乳動物の初期胚(例えば胚盤胞)の内部細胞塊から樹立された、多能性と自己複製による増殖能を有する幹細胞である。ES細胞は、受精卵の8細胞期、桑実胚後の胚である胚盤胞の内部細胞塊に由来する胚由来の幹細胞であり、成体を構成するあらゆる細胞に分化する能力、いわゆる分化多能性と、自己複製による増殖能とを有している。ES細胞は、マウスで1981年に発見され (M.J. Evans and M.H. Kaufman(1981), Nature 292:154−156)、その後、ヒト、サルなどの霊長類でもES細胞株が樹立された (J.A. Thomson et al. (1998), Science 282:1145−1147; J.A. Thomson et al. (1995), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:7844−7848;J.A. Thomson et al. (1996), Biol.Reprod., 55:254−259; J.A. Thomson and V.S. Marshall (1998), Curr. Top. Dev. Biol., 38:133−165)。
ES細胞は、対象動物の受精卵の胚盤胞から内部細胞塊を取出し、内部細胞塊を線維芽細胞のフィーダー上で培養することによって樹立することができる。また、継代培養による細胞の維持は、白血病抑制因子(leukemia inhibitory factor (LIF))、塩基性線維芽細胞成長因子(basic fibroblast growth factor (bFGF))などの物質を添加した培養液を用いて行うことができる。ヒトおよびサルのES細胞の樹立と維持の方法については、例えばUSP5,843,780; Thomson JA, et al. (1995), Proc Natl. Acad. Sci. U S A. 92:7844−7848; Thomson JA, et al. (1998), Science. 282:1145−1147; H. Suemori et al. (2006),Biochem. Biophys. Res. Commun., 345:926−932; M. Ueno et al. (2006), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103:9554−9559; H. Suemori et al. (2001), Dev. Dyn., 222:273−279;H. Kawasaki et al. (2002), Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 99:1580−1585;Klimanskaya I, et al. (2006), Nature. 444:481−485などに記載されている。
ES細胞作製のための培養液として、例えば0.1mM 2−メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸、2mM L−グルタミン酸、20% KSR(Kinase suppressor of ras)および4ng/ml bFGFを補充したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)/F−12培養液を使用し、37℃、2% CO/98% 空気の湿潤雰囲気下でヒトES細胞を維持することができる(O. Fumitaka et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:215−224)。また、ES細胞は、3〜4日おきに継代する必要があり、このとき、継代は、例えば1mM CaClおよび20% KSRを含有するPBS(phosphate buffered saline)中の0.25% トリプシンおよび0.1mg/mlコラゲナーゼIVを用いて行うことができる。
ES細胞の選択は、一般に、アルカリホスファターゼ、Oct−3/4、Nanogなどの遺伝子マーカーの発現を指標にしてReal−Time PCR法で行うことができる。特に、ヒトES細胞の選択では、OCT−3/4、NANOG、ECADなどの遺伝子マーカーの発現を指標とすることができる(E.Kroon et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26:443−452)。
ヒトES細胞株は、例えばWA01(H1)およびWA09(H9)は、WiCell Reserch Instituteから、KhES−1、KhES−2およびKhES−3は、京都大学再生医科学研究所(京都、日本)から入手可能である。
(B)***幹細胞
***幹細胞は、精巣由来の多能性幹細胞であり、***形成のための起源となる細胞である。この細胞は、ES細胞と同様に、種々の系列の細胞に分化誘導可能であり、例えばマウス胚盤胞に移植するとキメラマウスを作出できるなどの性質をもつ(M. Kanatsu−Shinohara et al. (2003) Biol. Reprod., 69:612−616; K. Shinohara et al. (2004), Cell, 119:1001−1012)。神経膠細胞系由来神経栄養因子(glial cell line−derived neurotrophic factor (GDNF))を含む培養液で自己複製可能であるし、またES細胞と同様の培養条件下で継代を繰り返すことによって、***幹細胞を得ることができる(竹林正則ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊),41〜46頁,羊土社(東京、日本))。
(C)胚性生殖細胞
胚性生殖細胞は、胎生期の始原生殖細胞から樹立される、ES細胞と同様な多能性をもつ細胞であり、LIF、bFGF、幹細胞因子(stem cell factor)などの物質の存在下で始原生殖細胞を培養することによって樹立しうる(Y. Matsui et al. (1992), Cell, 70:841−847;J.L. Resnick et al. (1992), Nature, 359:550−551)。
(D)人工多能性幹細胞
人工多能性幹(iPS)細胞は、特定の初期化因子を、DNA又はタンパク質の形態で体細胞に導入することによって作製することができる、ES細胞とほぼ同等の特性、例えば分化多能性と自己複製による増殖能、を有する体細胞由来の人工の幹細胞である(K. Takahashi and S. Yamanaka (2006) Cell, 126:663−676; K. Takahashi et al. (2007), Cell, 131:861−872; J. Yu et al. (2007), Science, 318:1917−1920; Nakagawa, M.ら,Nat. Biotechnol. 26:101−106 (2008);国際公開WO 2007/069666)。初期化因子は、ES細胞に特異的に発現している遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon−cording RNAまたはES細胞の未分化維持に重要な役割を果たす遺伝子、その遺伝子産物もしくはnon−coding RNA、あるいは低分子化合物によって構成されてもよい。初期化因子に含まれる遺伝子として、例えば、Oct3/4、Sox2、Sox1、Sox3、Sox15、Sox17、Klf4、Klf2、c−Myc、N−Myc、L−Myc、Nanog、Lin28、Fbx15、ERas、ECAT15−2、Tcl1、beta−catenin、Lin28b、Sall1、Sall4、Esrrb、Nr5a2、Tbx3またはGlis1等が例示され、これらの初期化因子は、単独で用いても良く、組み合わせて用いても良い。初期化因子の組み合わせとしては、WO2007/069666、WO2008/118820、WO2009/007852、WO2009/032194、WO2009/058413、WO2009/057831、WO2009/075119、WO2009/079007、WO2009/091659、WO2009/101084、WO2009/101407、WO2009/102983、WO2009/114949、WO2009/117439、WO2009/126250、WO2009/126251、WO2009/126655、WO2009/157593、WO2010/009015、WO2010/033906、WO2010/033920、WO2010/042800、WO2010/050626、WO2010/056831、WO2010/068955、WO2010/098419、WO2010/102267、WO 2010/111409、WO 2010/111422、WO2010/115050、WO2010/124290、WO2010/147395、WO2010/147612、Huangfu D,et al. (2008), Nat. Biotechnol., 26: 795−797、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 2: 525−528、Eminli S, et al. (2008), Stem Cells. 26:2467−2474、Huangfu D, et al. (2008), Nat Biotechnol. 26:1269−1275、Shi Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3, 568−574、Zhao Y, et al. (2008), Cell Stem Cell, 3:475−479、Marson A, (2008), Cell Stem Cell, 3, 132−135、Feng B, et al. (2009), Nat Cell Biol. 11:197−203、R.L. Judson et al., (2009), Nat. Biotech., 27:459−461、Lyssiotis CA, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:8912−8917、Kim JB, et al. (2009), Nature. 461:649−643、Ichida JK, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:491−503、Heng JC, et al. (2010), Cell Stem Cell. 6:167−74、Han J, et al. (2010), Nature. 463:1096−100、MaliP, et al. (2010), Stem Cells. 28:713−720、Maekawa M, et al. (2011), Nature. 474:225−9.に記載の組み合わせが例示される。
上記初期化因子には、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤[例えば、バルプロ酸 (VPA)、トリコスタチンA、酪酸ナトリウム、MC 1293、M344等の低分子阻害剤、HDACに対するsiRNAおよびshRNA(例、HDAC1 siRNA Smartpool (Millipore)、HuSH 29mer shRNA Constructs against HDAC1 (OriGene)等)等の核酸性発現阻害剤など]、MEK阻害剤(例えば、PD184352、PD98059、U0126、SL327およびPD0325901)、Glycogen synthase kinase−3阻害剤(例えば、BioおよびCHIR99021)、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、5−azacytidine)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、BIX−01294 等の低分子阻害剤、Suv39hl、Suv39h2、SetDBlおよびG9aに対するsiRNAおよびshRNA等の核酸性発現阻害剤など)、L−channel calcium agonist (例えばBayk8644)、酪酸、TGFβ阻害剤またはALK5阻害剤(例えば、LY364947、SB431542、616453およびA−83−01)、p53阻害剤(例えばp53に対するsiRNAおよびshRNA)、ARID3A阻害剤(例えば、ARID3Aに対するsiRNAおよびshRNA)、miR−291−3p、miR−294、miR−295およびmir−302などのmiRNA、Wnt Signaling(例えばsoluble Wnt3a)、神経ペプチドY、プロスタグランジン類(例えば、プロスタグランジンE2およびプロスタグランジンJ2)、hTERT、SV40LT、UTF1、IRX6、GLISl、PITX2、DMRTBl等の樹立効率を高めることを目的として用いられる因子も含まれており、本明細書においては、これらの樹立効率の改善目的にて用いられた因子についても初期化因子と別段の区別をしないものとする。
初期化因子は、タンパク質の形態の場合、例えばリポフェクション、細胞膜透過性ペプチド(例えば、HIV由来のTATおよびポリアルギニン)との融合、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入してもよい。一方、DNAの形態の場合、例えば、ウイルス、プラスミド、人工染色体などのベクター、リポフェクション、リポソーム、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入することができる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター(以上、Cell, 126, pp.663−676, 2006; Cell, 131, pp.861−872, 2007; Science, 318, pp.1917−1920, 2007)、アデノウイルスベクター(Science, 322, 945−949, 2008)、アデノ随伴ウイルスベクター、センダイウイルスベクター(WO 2010/008054)などが例示される。また、人工染色体ベクターとしては、例えばヒト人工染色体(HAC)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC、PAC)などが含まれる。プラスミドとしては、哺乳動物細胞用プラスミドを使用しうる(Science, 322:949−953, 2008)。ベクターには、核初期化物質が発現可能なように、プロモーター、エンハンサー、リボゾーム結合配列、ターミネーター、ポリアデニル化サイトなどの制御配列を含むことができるし、さらに、必要に応じて、薬剤耐性遺伝子(例えばカナマイシン耐性遺伝子、アンピシリン耐性遺伝子、ピューロマイシン耐性遺伝子など)、チミジンキナーゼ遺伝子、ジフテリアトキシン遺伝子などの選択マーカー配列、緑色蛍光タンパク質(GFP)、βグルクロニダーゼ(GUS)、FLAGなどのレポーター遺伝子配列などを含むことができる。また、上記ベクターには、体細胞への導入後、初期化因子をコードする遺伝子もしくはプロモーターとそれに結合する初期化因子をコードする遺伝子を共に切除するために、それらの前後にLoxP配列を有してもよい。
また、RNAの形態の場合、例えばリポフェクション、マイクロインジェクションなどの手法によって体細胞内に導入しても良く、分解を抑制するため、5−メチルシチジンおよびpseudouridine (TriLink Biotechnologies)を取り込ませたRNAを用いても良い(Warren L, (2010) Cell Stem Cell. 7:618−630)。
iPS細胞誘導のための培養液としては、例えば、10〜15%FBSを含有するDMEM、DMEM/F12又はDME培養液(これらの培養液にはさらに、LIF、penicillin/streptomycin、puromycin、L−グルタミン、非必須アミノ酸類、β−メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)または市販の培養液[例えば、マウスES細胞培養用培養液(TX−WES培養液、トロンボX社)、霊長類ES細胞培養用培養液(霊長類ES/iPS細胞用培養液、リプロセル社)、無血清培地(mTeSR、Stemcell Technology社)]などが含まれる。
培養法の例としては、たとえば、37℃、5%CO存在下にて、10%FBS含有DMEM又はDMEM/F12培養液上で体細胞と初期化因子とを接触させ約4〜7日間培養し、その後、細胞をフィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上にまきなおし、体細胞と初期化因子の接触から約10日後からbFGF含有霊長類ES細胞培養用培養液で培養し、該接触から約30〜約45日又はそれ以上ののちにiPS様コロニーを生じさせることができる。
あるいは、37℃、5% CO存在下にて、フィーダー細胞(たとえば、マイトマイシンC処理STO細胞、SNL細胞等)上で10%FBS含有DMEM培養液(これにはさらに、LIF、ペニシリン/ストレプトマイシン、ピューロマイシン、L−グルタミン、非必須アミノ酸類、β−メルカプトエタノールなどを適宜含むことができる。)で培養し、約25〜約30日又はそれ以上ののちにES様コロニーを生じさせることができる。望ましくは、フィーダー細胞の代わりに、初期化される体細胞そのものを用いる(Takahashi K, et al. (2009), PLoS One. 4:e8067またはWO2010/137746)、もしくは細胞外基質(例えば、Laminin−5(WO2009/123349)またはマトリゲル(BD社))を用いる方法が例示される。
この他にも、血清を含有しない培地を用いて培養する方法も例示される(Sun N, et al. (2009), Proc Natl Acad Sci U S A. 106:15720−15725)。さらに、樹立効率を上げるため、低酸素条件(0.1%以上、15%以下の酸素濃度)によりiPS細胞を樹立しても良い(Yoshida Y, et al. (2009), Cell Stem Cell. 5:237−241またはWO2010/013845)。
上記培養の間には、培養開始2日目以降から毎日1回新鮮な培養液と培養液交換を行う。また、核初期化に使用する体細胞の細胞数は、限定されないが、培養ディッシュ100cmあたり約5×10〜約5×10細胞の範囲である。
iPS細胞は、形成したコロニーの形状により選択することが可能である。一方、体細胞が初期化された場合に発現する遺伝子(例えば、Oct3/4、Nanog)と連動して発現する薬剤耐性遺伝子をマーカー遺伝子として導入した場合は、対応する薬剤を含む培養液(選択培養液)で培養を行うことにより樹立したiPS細胞を選択することができる。また、マーカー遺伝子が蛍光タンパク質遺伝子の場合は蛍光顕微鏡で観察することによって、発光酵素遺伝子の場合は発光基質を加えることによって、また発色酵素遺伝子の場合は発色基質を加えることによって、iPS細胞を選択することができる。
本明細書中で使用する「体細胞」なる用語は、卵子、卵母細胞、ES細胞などの生殖系列細胞または分化全能性細胞を除くあらゆる動物細胞(好ましくは、ヒトを含む哺乳動物細胞)をいう。体細胞には、非限定的に、胎児(仔)の体細胞、新生児(仔)の体細胞、および成熟した健全なもしくは疾患性の体細胞のいずれも包含されるし、また、初代培養細胞、継代細胞、および株化細胞のいずれも包含される。具体的には、体細胞は、例えば(1)神経幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、歯髄幹細胞等の組織幹細胞(体性幹細胞)、(2)組織前駆細胞、(3)リンパ球、上皮細胞、内皮細胞、筋肉細胞、線維芽細胞(皮膚細胞等)、毛細胞、肝細胞、胃粘膜細胞、腸細胞、脾細胞、膵細胞(膵外分泌細胞等)、脳細胞、肺細胞、腎細胞および脂肪細胞等の分化した細胞などが例示される。
また、iPS細胞を移植用細胞の材料として用いる場合、拒絶反応が起こらないという観点から、移植先の個体のHLA遺伝子型が同一もしくは実質的に同一である体細胞を用いることが望ましい。ここで、「実質的に同一」とは、移植した細胞に対して免疫抑制剤により免疫反応が抑制できる程度にHLA遺伝子型が一致していることであり、例えば、HLA−A、HLA−BおよびHLA−DRの3遺伝子座あるいはHLA−Cを加えた4遺伝子座が一致するHLA型を有する体細胞である。
(E)核移植により得られたクローン胚由来のES細胞
nt ES細胞は、核移植技術によって作製されたクローン胚由来のES細胞であり、受精卵由来のES細胞とほぼ同じ特性を有している (T. Wakayama et al. (2001), Science, 292:740−743; S. Wakayama et al. (2005), Biol. Reprod., 72:932−936; J. Byrne et al.(2007), Nature, 450:497−502)。すなわち、未受精卵の核を体細胞の核と置換することによって得られたクローン胚由来の胚盤胞の内部細胞塊から樹立されたES細胞がnt ES(nuclear transfer ES)細胞である。nt ES細胞の作製のためには、核移植技術(J.B. Cibelli et al. (1998), Nature Biotechnol., 16:642−646)とES細胞作製技術(上記)との組み合わせが利用される(若山清香ら(2008),実験医学,26巻,5号(増刊), 47〜52頁)。核移植においては、哺乳動物の除核した未受精卵に、体細胞の核を注入し、数時間培養することで初期化することができる。
(F) 培養線維芽細胞や骨髄幹細胞由来の多能性細胞(Muse細胞)
Muse細胞は、WO2011/007900に記載された方法にて製造された多能性幹細胞であり、詳細には、線維芽細胞または骨髄間質細胞を長時間トリプシン処理、好ましくは8時間または16時間トリプシン処理した後、浮遊培養することで得られる多能性を有した細胞であり、SSEA−3およびCD105が陽性である。
(循環工程)
循環工程においては、上述の播種工程で単一細胞が単一に播種されたマイクロ流路内に、培養液を循環させる。
循環させる培養液の流速は、細胞に栄養を供給しつつ、老廃物を除去することの観点から、例えば、250nl/分以上40000nl/分以下が好ましく、500nl/分以上10000nl/分以下がより好ましく、5000nl/分が特に好ましい。
循環させる培養液の種類は、培養する細胞に応じて選択することができる。例えば、ES細胞を培養するための培養液としては、0.1mMの2−メルカプトエタノール、0.1mMの非必須アミノ酸、2mMのL−グルタミン酸、20%のKSR(Kinase suppressor of ras)、及び4ng/mlのbFGF(basic fibroblast growth factor)を補充したDMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)/F−12培養液が使用される。また、iPS細胞誘導のための培養液としては、10%以上15%以下のFBS(Fetal bovine serum)を含有するDMEM、DMEM/F12、又はDME培養液が用いられる。また、市販の培養液(マウスES細胞培養用培養液、霊長類ES細胞培養用培養液)、無血清培地などが含まれる。
なお、単一細胞を単一状態で培養する方法として、細胞間の接着を切断することによるアポトーシスを阻害するアポトーシス阻害剤(Rock inhibitor)という薬剤を培養液に添加する方法が考えられるが、薬剤等の添加は細胞品質への悪影響が懸念されるため、好ましくない。
しかし、本発明の細胞培養方法によれば、アポトーシス阻害剤を適用せずに、単一状態に播種された単一細胞を培養することができる。
循環させる培養液は、馴化培養液であることが好ましい。馴化培養液は、フィーダー細胞の培養上清を含む馴化培養液であってもよいが、例えば、本発明の方法により培養される単一細胞を継代培養していたときに馴化された培養液、該単一細胞と同じ種類の細胞を培養することにより馴化された培養液、が好ましい。
循環させる培養液として馴化培養液を用いることにより、細胞が分泌した物質(例えば、増殖に必要な物質)が、分泌した細胞以外の細胞に作用する現象(パラクライン)が生じ易くなるため、単一の状態に播種された単一細胞が増殖し易くなると考えられる。
循環工程は、播種工程で単一細胞が単一に播種されたマイクロ流路内を培養液で満たした状態で維持した後、培養液の循環を開始することが好ましい。
この工程を有することにより、単一に播種された単一細胞の周辺に培養液が留まる結果、細胞が分泌した物質(例えば、増殖に必要な物質)が、分泌した細胞自身に作用する現象(オートクライン)が生じ易くなり、単一の状態に播種された単一細胞が増殖し易くなると考えられる。
培養液で満たした状態の時間は、オートクラインの影響を得る観点から、例えば、8時間以上が好ましく、8時間以上24時間以内がより好ましい。
本発明の細胞培養方法は、上述のように、細胞の培養に適した温度で行うことが好ましい。例えば、細胞がヒト由来の細胞である場合、人の体温に近い温度で細胞の培養を行えるよう、培養液の温度を36℃以上38℃以下に維持することが好ましい。さらに、本発明の細胞培養方法は、4%以上6%以下のCO雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに、維持培養のために、低酸素状態の状況下に設置してもよい。ここで、低酸素状態とは、酸素分圧が、1%以上10%以下の状態であり、好ましくは、5%である。
[細胞培養装置]
本発明の細胞培養装置の一例である細胞培養装置10は、図1に示すように、例えば、後述する細胞培養部材12と、細胞培養部材12のマイクロ流路内に培養液を循環させる循環装置と、を備える。
上述した本発明の細胞培養方法は、例えば、図1に示す細胞培養装置10を適用することにより実現する。
以下、本発明の細胞培養装置について、図1を用いて詳細に説明する。
(循環装置)
循環装置は、例えば、リザーバ(貯蔵部)14、循環ポンプ(送液手段)16、圧力均一化機構(圧力均一化手段)18、エアトラップ(気泡除去手段)20、加圧機構(加圧手段)22を備えており、各部にはチューブ24A〜24Fが接続されて循環流路26を構成している。なお、循環装置は、細胞培養部材12に形成された6つのチャネルのうち、2つのチャネルを用いて培養を行うように、循環ポンプ16、圧力均一化機構18、エアトラップ20、及び加圧機構22が2つずつ設けられているが、これに限らず、使用するチャネルの数に応じて、さらに多くの循環流路26を設けてもよい。また、1つの循環ポンプ16に複数のチューブ24を接続してもよい。
リザーバ14は、図1の下側に設けられており、リザーバ14の中には、培養液が貯蔵される。また、本実施形態では、1つのリザーバ14に対して2つの循環ポンプ16が接続されているが、これに限らず、それぞれの循環ポンプ16に対して独立してリザーバ14を設けてもよい。
リザーバ14には、チューブ24Aを介して送液手段としての循環ポンプ16が接続されている。循環ポンプ16としては、様々な送液ポンプを利用することができるが、低流量で小型のポンプが好ましい。本実施形態では、一例として、ペリスタルティック方式のチュービングポンプが挙げられるが、これに限らず、他のポンプを用いてもよい。
循環ポンプ16は、リザーバ14からチューブ24Aを通じて培養液を吸い上げ、チューブ24Bへ送液する。これにより、チューブ24Bが接続された圧力均一化機構18内の培養液が押し出され、チューブ24Cを通じてエアトラップ20へ送液される。これと同様にして、培養液は、チューブ24Dを通じて細胞培養部材12へ送液され、さらにチューブ24E及び加圧機構22を通じてリザーバ14へ送液される。このようにして、培養液は層流として細胞培養部材12のマイクロ流路32B内を循環する。なお、ここでいう層流とは、流体の流線が壁面と平行であることを意味し、乱流ではない流れ場を意味する。好ましくは、層流は、壁に近づくほど流速は小さくなり、一定以上壁面から離れることで流速が均一となる流れ場である。
なお、循環装置は、少なくとも循環ポンプ(送液手段)16と接続用のチューブを備えていればよく、リザーバ(貯蔵部)14、圧力均一化機構(圧力均一化手段)18、エアトラップ(気泡除去手段)20、及び加圧機構(加圧手段)22は、備えていなくてもよい。
(細胞培養部材)
細胞培養部材12は、単一細胞を播種する内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路を含む。
以下、具体的に説明する。
上述した本発明の細胞培養方法は、本発明の細胞培養部材を適用することが好ましい。
本発明の細胞培養部材12の一例を、図2〜図5を用いて説明する。但し、本発明の細胞培養部材12は、図2〜図5に示すものに限られない。
細胞培養部材12は、図2に示すように、例えば、樹脂板(樹脂プレート)30、第1のポリメチルシロキサン(ポリジメチルシロキサン(PDMS))板32、第2のポリメチルシロキサン(PDMS)板33、及びガラス板34を備えており、これらをこの順番に重ねて形成されている。また、ガラス板34の下方に下クランプ38を配置した状態で、樹脂板30の上方から上クランプ36を当てて、上クランプ36と下クランプ38とで、樹脂板30、第1のPDMS板32、第2のPDMS板33、及びガラス板34を挟み込んでいる。この状態で、上クランプ36の形成されたボルト孔36Aと下クランプ38に形成されたボルト孔38Aにボルト40を挿通して互いを締結し、細胞培養部材12が形成されている。下クランプ38は、培養中の細胞を観察するための穴がある。
樹脂板30には、第1のPDMS板32に重ね合せたときにスリット32B(以下、「マイクロ流路32B」と称する場合がある)の一端に重なる位置に第1の孔30Aが6つ形成され、さらに、マイクロ流路32Bの他端に重なる位置に第2の孔30Bが6つ形成されている。第1の孔30A及び第2の孔30Bがこのような位置であることにより、マイクロ流路32B内を循環する培養液は、例えば、チューブ24Dを通って第1の孔30Aから流入し、マイクロ流路32B内を流れた後、チューブ24Eを通って第2の孔30Bから流出する。
第1のPDMS板32には、例えば、マイクロ流路を形成するためのスリット32Bが独立して6つ形成されている。なお、スリット32Bの数は、6つに限られない。
スリット32Bの幅は、例えば、0.1mm以上1mm以下が好ましく、0.2mm以上0.5mm以下がより好ましい。また、スリット32Bの深さは、0.1mm以上1mm以下がより好ましく、0.2mm以上0.5mm以下が特に好ましい。スリット32Bの長さは、0.5cm以上10cm以下が好ましく、1cm以上2cm以下がより好ましい。
第2のPDMS板33には、第1のPDMS板32に重ね合せたときに第1のPDMS板32のマイクロ流路32Bに沿う位置に孔(隔離孔33A)が5つ独立して形成されている。そのため、隔離孔33Aは、図3に示すように、マイクロ流路32Bに対してポケット状の窪みを形成することとなるので、マイクロ流路32Bは、ポケット状の窪みを有する流路となる。
つまり、図2、図3の細胞培養部材12は、マイクロ流路32B内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造として、ポケット状の窪みを有する。なお、隔離孔33Aの数は、5つに限られない。
単一細胞は、隔離孔33Aが形成する窪みの内部に播種することにより、他の細胞から隔離された単一の状態で培養し易くなる。
隔離孔33Aは、内径0.1mm以上2mm以下が好ましく、0.5mm以上1.5mm以下がより好ましく、0.5mm以上1mm以下が特に好ましい。
また、隔離孔33Aの深さは、0.5mm以上2mm以下が好ましく、0.5mm以上1mm以下がより好ましい。
隔離孔33A同士の中心間距離は、0.1mm以上20mm以下が好ましく、0.2mm以上10mm以下がより好ましい。
なお、第1のPDMS板32及び第2のPDMS板33は、他の材質の部材にスリット32B又は隔離孔33Aを形成したものであってもよい。他の材質としては、例えば、プラスチック、シリコン樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリスチレン、又はガラスが挙げられる。
ガラス板34は、図3に示すように、隔離孔33Aにより露出される領域にラミニンを含むコーティング層34Aを有する。
ガラス板34の材質は、第1のPDMS板32及び第2のPDMS板33と比較して、コーティング層を形成し易い材質が好ましい。
マイクロ流路32Bは、樹脂板30、第1のPDMS板32、第2のPDMS板33、及びガラス板34を、この順に積層することにより形成される流路である。
つまり、マイクロ流路32Bは、第1のPDMS板32及び第2のPDMS板33の表面で構成された主流路に、ガラス板34を底面とした隔離孔33Aで構成された窪み(孔)を有する。
マイクロ流路32Bは、ラミニンを含むコーティング層34Aを有する。具体的には、例えば、主に、マイクロ流路32Bの内壁のうち、隔離孔33Aにより露出された、底面となるガラス板34は、ラミニンを含むコーティング層34Aにより選択的に被覆されている。
ラミニンを含むコーティング層は、ガラス板34の表面を処理して親水性特性を付与することにより、選択的に被覆し易くなる。すなわち、底面となるガラス板34の表面に親水性特性を付与した後に、マイクロ流路32B内にラミニンを含むコーティング層形成用溶液を注入することを含む方法により、コーティング層を、隔離孔33Aにより露出された、底面となるガラス板34に形成してもよい。
コーティング層34Aには、培養に影響しない範囲で、ラミニン以外に例えば、マトリゲル、フィブロネクチン、ポリLリジンが含まれていてもよい。
コーティング層34Aの形成方法としては、例えば、上述の構成で細胞培養部材12を組立て、マイクロ流路32Bを形成後、ラミニンを含むコーティング層形成溶液を、第1の孔30A又は第2の孔30Bからマイクロ流路内に注入して、ガラス板34上に塗布する方法が挙げられる。なお、コーティング層34Aは、ガラス板34の表面を酸素プラズマ等で処理して親水性特性を得ることにより、さらに選択的にガラス板34上に形成することができる。
ラミニンを含むコーティング層形成溶液は、具体的には例えば、以下のようにして調製する。
PBSまたは培地でラミニンなどのコーティング剤を希釈して調製する。
本発明の細胞培養部材12は、単一細胞を単一に播種する観点から、図3に示すように、マイクロ流路32B内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有することが好ましい。
隔離構造は、図3に示す構造に限られず、その他の隔離構造としては、例えば、マイクロ流路32B中に一対の隔壁33Bを有する構造(図4参照)、ラミニンを含むコーティング層34Aを平坦面に部分的に設けた構造(以下、マイクロ流路32Bに部分的に設けたコーティング層を、「部分コーティング層34B」と称する場合がある。図5参照)とする構造、が挙げられる。
図4に示すマイクロ流路32B中に隔壁を有する構造は、隔壁33Bが複数設けられているため、隔壁33Bの間で単一細胞を他の細胞から隔離して単一で播種し、該単一細胞を培養することができる。つまり、隔壁33Bは単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造として機能する。
図5に示すラミニンを含むコーティング層を部分的に設ける構造は、ガラス板34上の平坦面に、ラミニンを含む部分コーティング層34Bを設けている。部分コーティング層34Bを個別に複数設けることにより、部分コーティング層34B上の単一細胞を、他の細胞から隔離することができる。
細胞培養部材12としては、単一細胞を単一に播種する観点から、隔離構造を有する細胞培養部材が好ましい。隔離構造としては、単一に播種した単一細胞の培養を促す観点から、上述の、マイクロ流路32Bに隔離孔33Aを有する構造(図3に示す構造)、マイクロ流路32Bに隔壁33Bを有する構造(図4に示す構造)、が好ましい。
隔離構造が、マイクロ流路32Bに隔離孔33Aを有する構造、又は、マイクロ流路32Bに隔壁33Bを有する構造の場合、単一に播種された単一細胞の周辺の空間が狭まり、且つ、単一細胞の周辺に新たな培養液が流入し難くなるので、細胞が分泌した物質(例えば、増殖に必要な物質)が、分泌した単一細胞自身に作用する現象(オートクライン)が生じ易くなり、細胞が増殖し易くなると考えられる。
本発明の細胞培養装置10は、インキュベーター102(恒温器)に格納することが好ましい。例えば、細胞がヒト由来の細胞である場合、人の体温に近い温度で細胞の培養を行えるよう、培養液の温度を36℃以上38℃以下に維持することが好ましい。
インキュベーター102は、細胞の培養に適した温度に維持できるものが好ましい。また、インキュベーター102としてCOインキュベーター102を用いて、4%以上6%以下のCO雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに、維持培養のために、低酸素状態の状況下に設置してもよい。ここで、低酸素状態とは、酸素分圧が、1%以上10%以下の状態であり、好ましくは、5%である。
なお、本発明の細胞培養部材は、単一分散状態の多能性細胞を単一の状態で培養した後、スクリーニングの対象となる候補薬剤を添加した培地をさらに流し、多能性細胞の変化を観察することで、候補薬剤の効果を検査するキットとして用いることができる。
ここで、多能性細胞の変化とは、例えば、内胚葉細胞、外胚葉細胞、中胚葉細胞、脊索中胚葉、沿軸中胚葉、中間中胚葉細胞、側板中胚葉、神経細胞、グリア細胞、造血細胞、肝細胞、膵β細胞、腎前駆細胞、内皮細胞、周皮細胞、上皮細胞、骨芽細胞、筋芽細胞、軟骨細胞など特定の細胞への変化が挙げられる。また、候補薬剤は、各細胞への分化誘導剤として選択することができる。
なお、本発明の細胞培養部材を用いた場合、マイクロ流路内で培養するため、候補薬剤の量を少量にすることができる。
[試験例1]
(単一細胞分散液1)
−iPS細胞の調製−
JCRB細胞バンクにより提供されたヒト胎児肺線維芽細胞(TIG1)を用いて、OCT3/4、SOX2、KLF4及びc−MYCをレトロウイルスにより導入し、hiPSCs株を誘導した。マトリゲル被覆ディッシュ上、MEF(マウス胚性繊維芽細胞)馴化hES培地(20%ノックアウト血清置換(Invitrogen、Carlsbad、CA、USA)、L−グルタミン、非必須アミノ酸、2−メルカプトエタノール及び10ng/ml bFGF(Peprotech、Rocky Hill、NJ、USA)を補充したDMEM/F12)中で、TIG1−iPSCを培養した。
−細胞の分散−
このマトリゲルを含む培地で継代培養されたTIG1−iPSCを、0.25%トリプシン(Gibco)/0.04%EDTAにより解離させて回収し、2回の洗浄後、5.0×10細胞/mlとなるように500μlの新鮮な培養液(MEFコンディションドメディウム、mTeSR1(modified Tenneille Serum Replacer 1))中に懸濁し、単一細胞分散液1を得た。
(細胞培養部材)
−各部材の準備−
・樹脂板30
樹脂板30は、ポリカーボネート(PC)で作製した。樹脂板30には、内径1mmの第1の孔30A及び第2の孔30Bを設けた。
・第1のPDMS板32
まず、SU8リソグラフィ法により作製された、マイクロ流路となる6つのスリット(幅0.5mm、長さ20mm、深さ0.5mm)を形成させる鋳型へ熱硬化性のPDMS(Slipot184、Toray−DawCorning、Japan)を0.5mmの厚さになるように注ぎ、80℃で4時間、乾燥器中で硬化させた。その後、硬化したPDMSを鋳型から取り出して6つの流路が形成された第1のPDMS板32を得た。
・第2のPDMS板33
第2のPDMS板33は、第1のPDMS板32のマイクロ流路となる6つのスリットのかわりに、内径1mm、深さ0.5mmの隔離孔33Aを作製した以外は、第1のPDMS板32と同様にして作製した。
第2のPDMS板33の隔離孔33Aは、第1のPDMS板32のマイクロ流路となる溝の長手方向に沿って、スリット1つにつき5個設けた。孔の中心と、この孔に隣接する孔の中心までの距離は、2.5mmとなるようにした。
なお、第2のPDMS板33に設けられた隔離孔33Aは、合計で30個であった。
・ガラス板34
ガラス板34は、SU8(SU−8 2010、Microchem社製)を塗布してSU8層を設けたガラス板とした。SU8層は、ガラス板へSU8を塗布後、紫外線を照射し硬化させ作製した。ガラス板には、第1及び第2のPDMS層と接合する際のXY軸を合わせるための十字印をSU8リトグラフィにより付した。次いで、SU8層の表面を酸素プラズマで処理することで、親水性特性を付加した。
−細胞培養部材の組立て−
図2に示す細胞培養部材12を、以下の方法で得た。
樹脂板30、マイクロ流路を形成するスリット状の溝を有する第1のPDMS板32、隔離構造(上記(1)のマイクロ流路中に隔離孔33Aを有する構造)を形成する第2のPDMS板33、及びコーティング層を有するガラス板34を、上から順番に重ねて積層体を形成した。そして、上記積層体のガラス板の下方に下クランプを配置した状態で、樹脂プレートの上方から上クランプを当てて、上クランプと下クランプとで、樹脂板30、第1のPDMS板32、第2のPDMS板33、及びガラス板34を挟み込んだ。
この状態で、上クランプの形成されたボルト孔と下クランプに形成されたボルト孔にボルトを挿通して互いを締結し、コーティング層未形成の細胞培養部材12を作製した。
−コーティング層の形成−
まず、ヒトラミニン521を含むコーティング層形成用溶液を、以下のようにして作製した。
PBSでヒトラミニン521を希釈して終濃度 20 μg/mLとなるよう調製した。
次に、上記コーティング層形成用溶液を、上記で得た細胞培養部材12の第1の孔30A(注入口)から注入し、マイクロ流路32B内の、隔離孔33Aにより露出したガラス板34上を被覆するようにヒトラミニン521を含むコーティング層を形成した。
位相差顕微鏡で確認したところ、コーティング層が、マイクロ流路32B内の隔離孔33Aにより露出した領域、つまりガラス板34上に形成されていた。
(単一細胞の培養)
−播種工程−
ヒトラミニン521を含むコーティング層が形成された細胞培養部材の第1の孔30A(注入口)から、上記単一細胞分散液1を、シリンジを用いて注入し、単一細胞を単一に播種した。単一細胞分散液1は、第1のPDMS板32の溝と、第2のPDMS板33に設けられた孔とを満たす量を注入した。
マイクロ流路内に播種された単一細胞は、165個であった。
注入後、単一細胞が第2のPDMS板33に設けられた隔離孔33Aに1個ずつ入っていることを、位相差顕微鏡を用いて確認した。
その後、単一細胞が単一に播種された細胞培養部材を、温度が37℃に維持されたCOインキュベーター102内に、24時間静置した。
−循環工程−
静置した上記細胞培養部材を、図1に示す、細胞培養装置10に配置した。
連結用のチューブには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管TUF−100シリーズAWG−30(Chukoh Chemical Industries,Japan社製)を使用した。
リザーバ14には、単一細胞分散液1の培養液と同じ種類の培養液であって、TIG1−iPSCを培養して馴化した馴化培養液を入れた。
細胞培養装置を用いて、馴化培養液を流速5000nl/分で循環させた。細胞培養装置は、温度が37℃に維持されたCOインキュベーター102内に設置した。
(評価)
−培養の確認−
培養の確認を、上記の細胞培養装置を用いて単一に播種した単一細胞を、位相差顕微鏡を用いて観察することにより行った。観察は、循環を開始する直前(0日目)、培養から2日目、培養から6日目、培養から8日目、培養から13日目、の計5回行った。細胞数は、0日目で1個、2日目で1個、6日目で8個、8日目で28個、13日目で85個であった。観察の結果を図6に示す。
観察した結果、50細胞以上まで増殖した単一細胞は、2例であった(表1中の50細胞以上の増殖例(B))。また、表1中の、播種された単一細胞数(A)、及び50細胞以上の増殖例(B)から、平均増殖率(B/A)を求めた。結果を表1に示す。
−多能性の確認−
マイクロ流路内での培養14日目のTIG1−iPSC(図7A参照)のコロニーからTIG1−iPSCを取り、マトリゲルをコートしたプレート上で通常の培養を行い(図7B参照)、1回目の継代培養を行ったTIG1−iPSC(図7C参照)を回収して、多能性が維持されているか、確認した。
多能性は、免疫染色法により確認した。各方法とその結果を、以下に示す。
・免疫染色法
回収した細胞(TIG1−iPSC)を4% PFA(パラホルムアルデヒド)/PBS(リン酸緩衝生理食塩水)を用いて、室温(25℃)で10分間固定し、PBST(PBS中、 0.1% Triton X−100)で洗浄後、4℃でブロッキング溶液(PBST中、3% BSAおよび2% スキムミルク(DIFCO,USA))中で一晩プレ処理した。次いで、一次抗体;抗OCT4(1:50, Santa Cruz Biotechnology, USA)、抗SOX2(1:500, Abcam, Cambridge, UK)または抗NANOG(1:200, Abcam, Cambridge, UK)と免疫反応させた後に、蛍光二次抗体(1:500, Invitrogen)により染色した。
さらに、DAPI(4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)を用いて核を対比染色し、SlowFade light褪色防止キット(Invitrogen)を用いて光褪色を防止した後、IX70倒立顕微鏡を用いて蛍光画像を得た。
上述の方法で免疫染色を行ったところ、OCT4及びNANOGの多能性マーカータンパク質の発現が確認された(図8参照)。また、DAPI染色の結果、核が確認された。
上記の結果より、本実施例の培養方法は、単一に播種された単一細胞(TIG1−iPSC)の多能性を維持したまま培養できることが明らかとなった。
なお、参考例として、マイクロ流路内ではなくシャーレ内で培養したTIG1−iPS及びフィーダー細胞(MEF、株式会社リプロセル)についても、上記と同様に免疫染色法を行った(図8参照)。
その結果、シャーレ内で培養したTIG1−iPSについても、試験例1のマイクロ流路内での培養14日目のTIG1−iPSと同様に、OCT4及びNANOGの多能性マーカータンパク質の発現が確認された。また、DAPI染色の結果、核が確認された。
フィーダー細胞については、DAPI染色の結果、核は確認されたが、OCT4及びNANOGの多能性マーカータンパク質の発現は確認されなかった。
[試験例2]
調製したTIG1−iPSCを、マトリゲル被覆を用いてマトリゲルを含む培地で培養するのではなく、ヒトラミニン521被覆を用いて、ヒトラミニン521を含む培地で培養を1回行った以外は、試験例1と同様にしてTIG1−iPSCを得た。
この培養により得られたTIG1−iPSCを、単一細胞分散液1と同様に処理して細胞群を解離し、単一細胞分散液2を得た。単一細胞分散液2の細胞濃度は、5×10細胞/mlであった。
この単一細胞分散液2を、試験例1と同様の細胞培養部材に注入して播種し、試験例1と同様に培養した。
なお、単一細胞分散液2を注入後、単一細胞が第2のPDMS板33に設けられた孔に1個ずつ入っていることを、位相差顕微鏡を用いて確認した。
また、試験例2においてマイクロ流路内に播種された単一細胞は、262個であった。
(評価)
試験例1と同様にして、培養された単一細胞の観察を、位相差顕微鏡を用いて行ったところ、50細胞以上まで増殖した単一細胞は、10例であった。また、表1中の、播種された単一細胞数(A)、及び50細胞以上の増殖例(B)から、平均増殖率(B/A)を求めた。結果を表1に示す。
[比較試験例1]
コーティング層形成溶液として、ヒトラミニン521ではなくマトリゲルを含むコーティング層形成溶液を用いたこと以外は、試験例1で用いた細胞培養部材と同様にして細胞培養部材を作製した。
マトリゲルを含むコーティング層形成溶液は、以下のようにして作製した。
マトリゲルを培養液にて50倍に希釈して、マトリゲルコ―ティング溶液を作製した。
その後、試験例1と同様にして、上記細胞培養部材に単一細胞分散液1を注入して播種し、試験例1と同様に培養した。
なお、単一細胞分散液1を注入後、単一細胞が第2のPDMS板33に設けられた孔に1個ずつ入っていることを、位相差顕微鏡を用いて確認した。
また、比較試験例1においてマイクロ流路内に播種された単一細胞は、783個であった。
(評価)
試験例1と同様にして、培養された単一細胞の観察を、位相差顕微鏡を用いて行ったところ、50細胞以上まで増殖した単一細胞は、0例であった。また、表1中の、播種された単一細胞数(A)、及び50細胞以上の増殖例(B)から、平均増殖率(B/A)を求めた。結果を表1に示す。
上記の結果、本実施例の細胞培養方法、細胞培養部材、及び細胞培養装置により、単一に播種した単一細胞を培養し、多能性を維持したまま、そのクローン細胞を得ることができることが明らかである。
また、単一細胞分散液用の細胞の継代培養用培地には、マイクロ流路のコーティング層と同様に、ヒトラミニン521が含まれている方がよいことが明らかとなった。
10 細胞培養装置
12 細胞培養部材
14 リザーバ(貯蔵部)
16 循環ポンプ(送液手段)
18 圧力均一化機構(圧力均一化手段)
20 エアトラップ(気泡除去手段)
22 加圧機構(加圧手段)
24A〜24F チューブ(循環流路)
26 循環流路
30 樹脂プレート
30A 第1の孔
30B 第2の孔
32 第1のPDMS層
32B スリット(マイクロ流路)
33 第2のPDMS層
33A 隔離孔
33B 隔壁
34 ガラス板
34A コーティング層
34B 部分コーティング層
36 上クランプ
36A ボルト孔
38 下クランプ
38A ボルト孔
40 ボルト
102 インキュベーター(恒温器)

Claims (10)

  1. 内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路の前記コーティング層上に単一細胞を単一に播種する播種工程と、
    前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環工程と、
    を有する細胞培養方法。
  2. 前記播種工程において、播種された単一細胞が、ラミニンを含む培地で継代培養されたものである請求項1に記載の細胞培養方法。
  3. 前記継代培養の回数が2回以上である請求項2に記載の細胞培養方法。
  4. 前記培養液が、馴化培養液である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  5. 前記循環工程において、前記播種工程で単一細胞が単一に播種された前記マイクロ流路内を、前記培養液で満たした状態で維持した後、前記培養液の循環を開始する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  6. 前記ラミニンが、ヒトラミニンである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  7. 前記マイクロ流路内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の細胞培養方法。
  8. 単一細胞を播種する内壁にラミニンを含むコーティング層を有するマイクロ流路を含む細胞培養部材。
  9. 前記マイクロ流路内に、単一細胞を他の細胞から隔離する隔離構造を有する請求項8に記載の細胞培養部材。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の細胞培養部材と、
    前記細胞培養部材の前記マイクロ流路内に培養液を循環させる循環装置と、
    を備える細胞培養装置。
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