JP2015185440A - 透明導電膜およびその製造方法 - Google Patents

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和也 磯部
Kazuya Isobe
和也 磯部
石川 貴之
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貴之 石川
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Abstract

【課題】低抵抗であり、高い生産性で製造できる透明導電膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜であって、前記第2電極層が、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって形成されることを特徴とする透明導電膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明導電膜として有用な導電性複合積層体およびその製造方法に関する。
近年、有機EL素子や有機太陽電池といった有機電子デバイスが注目されており、このようなデバイスにおいて、透明電極は必須の構成技術となっている。有機電子デバイスにおいては、大面積化への要望が益々高くなってきており、従来用いられている酸化インジウムスズ(ITO)や導電性高分子のような透明電極の場合、電流の面均一性のため特に低い表面抵抗が必要とされる大面積用途においては、成膜コストが飛躍的に高くなるばかりか、実用上充分低い表面抵抗を得ることは非常に困難である。
このようななか、透明性と導電性を両立するため、ITOの透明導電膜と、パターン状に形成された金属導電層を組み合わせた透明電極が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、透明導電膜と金属導電層を組み合わせた透明電極の透明性を高めるには、金属導電パターンの微細化が必須となる。微細化された金属導電パターンを形成する手段としては、近年、印刷法により微細化された金属導電パターンをダイレクトに形成する方法が着目されている。印刷法による金属導電パターンの形成は工程が単純となり、低コストで実施することが可能な特長を有している。印刷法による金属導電パターンの形成においては、金属導電パターンを形成する基板上に、金属ナノインクなどの導電体を含むインクをパターン状に印刷し、金属導電パターンを形成する方法が採用される。金属導電パターンは高温で加熱し焼成することにより、導電性が向上する。
一方、有機電子デバイスにフレキシブル性を付与する場合、基板にポリエチレンテレフターレート(PET)等の樹脂フィルムが用いられるが、基板にダメージを与えないために、金属ナノ粒子より形成された導電性の金属細線パターンを局所加熱により焼成することは知られている。例えば、パルス光によって焼成する例が知られている。
さらに、局所加熱により焼成した金属細線パターン上に導電性高分子含有層であるPEDOT/PSS層を設ける例が、記載されている(例えば、非特許文献1参照)。このように、金属細線パターン上に導電性高分子含有層を設けることで、透明電極表面の平滑性が向上し、有機電子デバイスに用いる際において電極間の電流リークを抑えることが可能となる。
また、導電性高分子含有層を設ける手法としては、前述したように、市販のPEDOT/PSS分散液を塗布し、乾燥して用いる手法や、光化学的製造方法として、光重合開始剤を使用して、電解質と高分子物質を含む溶液を基体に塗布して形成した高分子膜に光吸収成分の吸収スペクトル内にある波長の光を照射することにより、光吸収成分から生じた励起種でピロール類を酸化して重合させることを特徴とする導電性高分子複合膜の光化学的製造方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−352073号公報 特開平1−51425号公報
Organic PhotoVoltaics、Open Innovation Program ECN−Holst Centre,Netherlands、Large−area,Organic & Printed Electronics Convention、June 2,2010、Ronn Andriessen
しかしながら、上記特許文献1に開示された方法では、ITOを透明導電膜として使用しているために、フレキシブル基材へ適用した際には、膜剥がれや、割れが生じやすく、デバイス耐久性悪化を招く要因となっていた。また、蒸着法により膜形成しており、製造装置の大型化によってコストアップを招くと共に、歩留まりが低いことによって製造コストが高いといった課題を有する。
上記特許文献2では、電解質と高分子物質を含む溶液を基体に塗布して形成した高分子膜に光吸収成分の吸収スペクトル内にある波長の光を照射することにより、光吸収成分から生じた励起種でピロール類を酸化して重合させることによって導電性高分子複合膜を形成しているが、フレキシブル性を有する導電性高分子を透明電極として使用するため、膜剥がれや割れといった課題は生じないものの、光吸収成分として、メチレンブルー、チオニン、プロフラビン等を使用しており、得られた導電性高分子膜はそのままでは可視光領域に吸収を有するが故に透明導電膜には適していない。また、光吸収剤やその分解物を結果として導電性高分子層に含有するため、特に、電子デバイス用途で採用した際には、その拡散によりデバイス特性が変動するといった問題がある。
非特許文献1では、導電性高分子層として、PEDOT/PSS分散液を塗布する方法が開示されているものの、強酸性の水系分散液であるが故に、抵抗が高くなるため、銅など腐食しやすい金属細線には適用できないという問題があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、低抵抗であり、高い生産性で製造できる透明導電膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する電極(第1電極)上に、導電性高分子層(第2電極)を形成する際に、金属細線の素材選択の自由度が高く、且つ、生産性に優れた透明導電膜およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する電極上に、導電性高分子層を電極として配置してなる透明導電膜において、前記導電性高分子層を、電極上で、少なくとも導電性高分子前駆体ならびに酸化剤および支持電解質を含む溶液を塗布した後、前記塗布膜に光を照射することによって前記導電性高分子前駆体を重合(光化学重合)することにより、上記目的を達成できることを知得した。上記知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、上記諸目的は、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜であって、前記第2電極層が、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって形成されることを特徴とする透明導電膜によって達成される。
また、上記諸目的は、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜の製造方法であって、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって前記第2電極層を形成することを有する、製造方法によっても達成される。
本発明によれば、低抵抗な透明導電膜を高い生産性で製造できる。
本発明の透明導電膜の一実施形態を示す模式断面図である。
本発明の透明導電膜は、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層(本願明細書では、単に「第1電極層」とも称する)と、導電性高分子を含有する第2電極層(本願明細書では、「第2電極層」または「導電性高分子層」とも称する)とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる構造を有する。ここで、本発明の透明導電膜において、第2電極層が、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって形成されることを特徴とする。
また、本発明の透明導電膜の製造方法は、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜の製造方法であって、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって前記第2電極層を形成することを有することを特徴とする。
従来の透明導電膜では、上述したように、ITOをスパッタリングすることによって、電極が形成されていた。しかし、当該方法では、生産効率が悪く、大量生産の観点からは好ましくなかった。また、上記非特許文献1では、導電性高分子膜を塗布法によって作製しているため、生産性は高いものの、強酸性の水系分散液を使用するため、通常電極として使用される銅等の金属細線を使用すると、金属腐食が生じ、抵抗が上昇する。このため、使用できる電極材料が限定されてしまうという問題があった。加えて、上記非特許文献1の方法は水分散液を使用するため、乾燥時の負荷が大きく、生産性を低下させてしまう上、残留水分によってデバイス保存性にも劣るという問題が生じる。したがって、従来では、高い生産性で製造できかつ低抵抗である透明導電膜およびその製造方法の開発は希求されていたにもかかわらず、有効な透明導電膜およびその製造方法は存在しなかった。
これに対して、本発明では、第2電極層を、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合(光重合)することによって形成する。このように、導電性高分子前駆体を塗布・光重合することによって電極層を形成するため、透明導電膜を高い生産性で製造することができる。また、本発明では、光照射により導電性高分子前駆体が励起され、励起された電子は酸化剤(例えば、過酸化水素)により消費される。これにより、導電性高分子前駆体はカチオン状態となり(正に帯電し)、カチオン状態の導電性高分子前駆体は近くの中性の導電性高分子前駆体より電子を抜き取るというプロセスを繰り返していく。このようにカチオン状態となった導電性高分子前駆体は、それがトリガーとなることで重合が開始される。特に酸化剤が導電性高分子前駆体に対して高濃度で存在するような割合で酸化剤と導電性高分子前駆体とを混合すると、カチオン状態の導電性高分子前駆体が効率よく近くにある中性の導電性高分子前駆体から電子を抜き取るため、カチオン状態となった導電性高分子前駆体をトリガーとして重合をより速やかに開始することができる。本発明の方法によると、スパッタリング等の従来の製造プロセスに比べ真空プロセスを用いることなく、塗布法にて膜作製が可能であり、製造プロセスの簡略に非常に有利である。また、以上のプロセスは、大面積の透明導電膜の作製にも有効である。
また、支持電解質は、重合により導電性高分子にドーパントとして取り込まれる。このため、本発明の透明導電膜の導電性を有効に向上できる。
加えて、本発明によると、酸化剤や支持電解質の酸性度は低い。このため、腐食等の問題で、従来技術では適用が困難であった低抵抗の汎用金属である銅などの所定パターンの金属細線上に、光化学重合法により電極上に直接導電性高分子層を形成することができる。ゆえに、本発明の透明導電膜は低抵抗を示す。また、本発明の透明導電膜は、水を用いない非水系で作製することができる。このため、残留水分によるデバイス劣化等の問題が少ないまたはない。このため、本発明の透明導電膜は、高いデバイス長期信頼性を獲得しうる。
したがって、本発明の透明導電膜は、安価で生産性に優れ、かつ低抵抗および高いデバイス長期信頼性を示す。なお、上記メカニズムは推定であり、本発明は上記推定によって何ら限定されない。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
{透明導電膜}
本発明に係る透明導電膜の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本願発明の透明導電膜の一例を示す模式断面図である。図1に示すように、透明導電膜1は、透明基板2、所定パターンの金属細線を有する第1電極層5、導電性高分子を含有する第2電極層4を有する。第2電極層4は、導電性高分子単独から構成されてもよいが、他の非導電性高分子をさらに含んでもよい。後者の場合には、成膜性を向上したり、得られた透明導電膜に柔軟性を付与することができる。なお、上述したように、本発明の透明導電膜は、透明基板、第1電極層及び第2電極層を有するものであればよいが、図1に示されるように、透明基板2と第1電極層/第2電極層4との間に、ガス(酸素、水分など)透過性を抑えるためにガスバリア層3を形成してもよい。
以下、本発明に係る透明導電膜の各構成要素について説明する。
[透明基板]
本発明に係る透明基板は、光透過率が10%以上であることが好ましく、更により好ましくは50%以上であり、特に80〜100%であることが好ましい。ここで、光透過率とは、JIS K 7361−1:1997(ISO 13468−1:1996に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率をいう。
当該基板としては、その材料、形状、構造、厚み、硬度等については公知のものの中から適宜選択することができるが、上記のように高い光透過性を有していることが好ましい。このような光透過性に優れる基板としては、ガラス板等の剛性を有する基板、ならびに樹脂フィルム基板のような可撓性を有する基板に大別することができる。前者の剛性を有する基板のうち、耐熱性の点でガラス板が好ましい。ここで、ガラスの種類は特に問わない。基板の厚さとしては、0.1〜100mmが好ましく、さらに0.5〜10mmであることが好ましい。
後者のフレキシブル性を有する基板としては、特に制限されないが、可視域の波長(400〜700nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムが好ましく使用できる。このような基板(樹脂フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。基板の厚さとしては、1〜1000μmが好ましく、さらに10〜100μmであることが好ましい。
これらのうち透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度およびコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
なお、上記基板には、必要であれば、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。ここで、表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。
[第1電極層(所定パターンの金属細線)]
本発明の透明導電膜は、第1電極層(所定パターンの金属細線)を有する。ここで、第1電極層は、金属、金属ナノ粒子や金属錯体を含む材料から構成される。金属ナノ粒子や金属錯体の金属元素は、導電性に優れていれば特に制限はなく、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等の金属やそれらの合金でもよい。コスト等を考えた場合には、汎用金属である銅を用いることが好ましい。すなわち、金属細線は銅を主成分として含むことが好ましい。ここで、「銅を主成分として含む」とは、銅または銅を主成分とする銅合金(以下では、「銅系材料」とも称する)を意味する。後者の場合、銅の含有量は特に制限されないが、金属細線を構成する材料中の銅の含有量が、導電性などを考慮すると、好ましくは90at%以上100at%未満、より95at%以上100at%未満、特に好ましくは99〜99.9at%である。なお、第1電極層を構成する金属材料の組成は、通常公知の方法によって確認できる。例えば、第1電極層から金属材料を採取し、X線光電子分光法(XPS)のデプスプロファイル等の一般的な金属合金の分析方法により測定することができる。
ここで、第1電極層が銅及び他の金属との合金である場合の、他の金属としては、特に制限されず、所望の特性(導電性)などによって適宜選択される。具体的には、マンガン、クロム、バナジウム、チタン、モリブデン、インジウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどが挙げられる。なお、上記他の金属は、単独で使用されてもあるいは2種以上が併用されてもよい。上記他の金属は、金属単体で含まれるものであっても、または酸化物形態で含まれてもよい。酸化に対する耐性を考慮すると、他の金属が酸化物として含まれるものであることが好ましい。
また、金属細線パターンを形成しうる金属ナノ粒子の大きさは特に制限されないが、平均粒径が、1〜100nmであることが好ましく、1〜50nmであることがより好ましく、1〜30nmであることがさらにより好ましい。なお、金属ナノ粒子の平均粒径は、金属ナノ粒子の電子顕微鏡観察から、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子をランダムに200個以上観察し、各金属ナノ粒子の粒径を求め、その数平均値を求めることにより得られる。また、ここでいう「平均粒径」とは、円形、楕円形又は実質的に円形若しくは楕円形として観察できる金属ナノ粒子の外縁を2本の平行線で挟んだ距離の内最小の距離を指す。なお、平均粒径を測定する際、明らかに金属ナノ粒子の側面などを表しているものは測定しない。
金属細線パターンを形成しうる金属錯体は、一般的な理解と同様に金属イオンに配位子が配位した化合物をいう。金属細線パターンを形成するための金属錯体としては、公知の材料を用いることができ、例えば、特表2008−531810号公報や、特開2011−126861号公報に記載されている有機銀錯体などを好ましく用いることができる。
金属細線パターンの形状は特に制限されない。例えば、平面視して、ストライプ状であってもよいし、あるいは正方格子やハニカム格子などのメッシュ状であってもよい。金属細線パターンの開口率は透明性の観点から80%以上であることが好ましい。ここでいう「開口率」とは、単位面積当たりで金属細線パターンが存在しない面積比率を意味し、例えば、金属細線パターンがストライプ状であるとき、線幅100μm、線間隔1mmのストライプ状パターンの開口率は、90%である。また、金属細線パターンの線幅は、特に制限されないが、3〜200μmが好ましい。細線の線幅が3μm以上だと、所望の導電性が得られ、また200μm以下だと、透明電極として用いる場合に十分な透明性が得られる。金属細線パターンの高さは、0.1〜5μmが好ましい。細線の高さが0.1μm以上だと所望の導電性が得られ、また5μm以下では、有機電子素子に用いる場合に、その凹凸差が有機機能層の膜厚分布に与える影響を軽減できる。
[第2電極層(導電性高分子層)]
本発明に係る第2電極層(導電性高分子層)は、光励起によって励起された導電性高分子前駆体が酸化剤や支持電解質と接触することで、容易に酸化され、周囲に存在する導電性高分子前駆体と接触することで、重合することにより形成される。すなわち、本発明に係る導電性高分子層は、酸化剤や支持電解質の存在下で酸化された導電性高分子前駆体を重合開始剤として光重合反応により形成された導電性高分子を有する。詳細には、塗布膜中の導電性高分子前駆体に光を照射すると、当該導電性高分子前駆体において励起された電子が酸化剤(例えば、過酸化水素)や支持電解質(例えば、Li[(CFSON])により消費される。これにより、導電性高分子前駆体はカチオン状態となり、カチオン状態の導電性高分子前駆体は近くの中性の導電性高分子前駆体より電子を抜き取る。上記電子の移動工程を繰り返して、導電性高分子前駆体が順次カチオン状態となっていく。このようにカチオン状態となった導電性高分子前駆体は、それがトリガーとなることで重合が開始される。また、以上のプロセスは導電性高分子前駆体の光励起を利用するため、重合が非常に早く進行するため重合時間を短くすることが可能であり、製造のタクトタイムを短縮可能であるとともに、ロールtoロールプロセスへの適合性が高い。
また、酸化剤が導電性高分子前駆体に対して高濃度で存在するような割合で酸化剤と導電性高分子前駆体とを混合すると、カチオン状態の導電性高分子前駆体が効率よく近くに中性の導電性高分子前駆体から電子を抜き取るため、カチオン状態となった導電性高分子前駆体をトリガーとして重合をより速やかに開始することができる。
上記したようにカチオン状態の導電性高分子前駆体のカチオンは支持電解質のアニオンとイオンペアを形成する。このため、本発明によると、導電性高分子前駆体の重合がよりスムーズに進行する。
ゆえに、本発明の方法によると、スパッタリング等の従来の製造プロセスに比べ非常に早く進行するため重合時間を短くする事が可能であり、製造プロセスの簡略に非常に有利である。
上述したように、導電性高分子前駆体の溶液に、導電性高分子前駆体を励起するための光源と励起された電子を奪う支持電解質および酸化剤が存在することにより、導電性高分子前駆体の重合が可能となる。さらに、酸化剤の準位が励起した導電性高分子前駆体の順位よりも高ければ電子を奪うことが可能である。一方、酸化剤の準位が高すぎると、導電性高分子前駆体(例えば、bis−EDOT)を直接酸化重合してしまい、均一な膜を形成することが困難になる可能性がある。このため、適度な標準電極電位を有する酸化剤で重合することが好ましい。上記点を考慮すると、本発明に係る酸化剤は、−1.5〜+2.5Vの標準電極電位(E (OX))(V)を有することが好ましく、−0.5〜+2.0Vの標準電極電位(E (OX))(V)を有することがより好ましい。ここで、酸化剤の標準電極電位が上限以上であれば、重合をより効率的に進行させることができる。また、酸化剤の標準電極電位が下限以下であれば、反応(反応速度)の制御が容易であり、生産性に優れ、産業上好ましい。すなわち、このような標準電極電位(E (OX))(V)を有する酸化剤は、光照射時に導電性高分子前駆体で励起された電子をより効率よく消費できるため、導電性高分子前駆体の重合をより促進でき、また、均一な膜を形成することができる。本明細書において、「標準電極電位(E (OX))(V)」は、水溶液中における標準電極電位(25℃)を意味する。
上記したような酸化剤としては、過酸化水素、酸素、メタノール、金属塩及び過酸化物があり、過酸化水素、金属塩及び有機過酸化物[ハイドロパーオキサイド(R−O−O−H)、ジアルキルパーオキサイド(R−O−O−R’)、パーオキシエステル(R−C(=O)−O−O−R’)、ジアシルパーオキサイド(R−C(=O)−O−O−C(=O)−R’)、パーオキシカーボネート(R−O−C(=O)−O−O−C(=O)−O−R’)、パーオキシケタール(R−O−O−C(X)(X’)−O−O−R’)、ケトンパーオキサイド(H−O−O−C(X)(X’)−O−O−H)]であることが好ましい。すなわち、本発明に使用される酸化剤は、過酸化水素、酸素、メタノール、金属塩または有機過酸化物であることが好ましい。
また、本発明に係る酸化剤は、光照射(自身が還元されること)により気体化合物または液体化合物となるような化合物であることが好ましい。このように酸化剤が重合反応後に気体または液体になることによって、重合膜(第2電極層)中に酸化剤が残らないため、得られる光電変換素子の耐久性をさらに向上できる。なお、本明細書において、「気体化合物」とは、20℃、1atmの条件下で気体状である化合物を意味する。また、「液体化合物」とは、20℃、1atmの条件下で液体状である化合物を意味する。
酸化剤及び支持電解質存在下で導電性高分子前駆体に光を照射すると、導電性高分子前駆体において励起された電子が酸化剤(例えば、過酸化水素/過酸化水素水など)により消費され、カチオン状態の導電性高分子前駆体(モノマー)から電子を引き抜き、重合が開始されると考えられる。
上記過酸化物としては、過マンガン酸又はその塩、クロム酸又はその塩、ペルオキソ酸又はその塩、酸素酸又はその塩、硝酸類、硫酸類等が挙げられ、具体的には、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、クロム酸金属塩、重クロム酸金属塩、ペルオキソ二硫酸、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸金属塩、ペルオキソリン酸、ペルオキソ硫酸、ペルオキソホウ酸ナトリウム、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜ヨウ素酸、塩素酸、臭素酸、ヨウ素酸、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム等の無機過酸化物;クメンヒドロペルオキシド、ギ酸、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、過フタル酸、t−ブチルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ジ−t−ヘキシルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ(2−t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ジ−(t−ブチルペルオキシ)バレレート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルペルオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ 2−エチルヘキシルモノカルボネート、t−ブチルペルオキシ イソプロピルモノカルボネート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5,−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシマレイン酸、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルモノカルボネート、2,2−ジ(4,4−ジ−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキシル)プロパン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、ジイソブチリルペルオキシド、クミルペルオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルペルオキシジカルボネート、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカルボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカルボネート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、二コハク酸ペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。上記過酸化物は、合成してもあるいは市販品を使用してもよい。
上記金属塩としては、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、硝酸銀(AgNO)、クエン酸鉄(III)、硫酸アンモニウム鉄(III)等が挙げられる。
上記以外にも、−0.5〜+2.0(V)の標準電極電位(E (OX))を有する酸化剤を使用してもよく、このような例としては、メタノール(+0.588V)、酸素(+1.229V)などが使用できる。
上記酸化剤のうち、過酸化水素(+1.763V)、クメンヒドロペルオキシド、ギ酸(+0.034V)、塩化鉄(II)(−0.440V)、硝酸銀(AgNO)(+0.799V)、メタノール、酸素(+1.229V)が好ましく、過酸化水素、メタノール、酸素(+1.229V)がより好ましい。なお、上記において、括弧内は、標準電極電位(E (OX))(V)を示す。
本発明に係る導電性高分子前駆体は、以下の単量体式1で示される繰り返し単位を有する単量体成分であることが好ましい。
上記単量体式1中、Xは、S、NR、Oを表し、当該Rは水素原子、アルキル基のいずれかであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数2〜30のポリエチレンオシキド基、または置換もしくは無置換の炭素原子数4〜30の環式化合物含有基である。
ここで、ハロゲン原子は、特に制限されないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子がある。
上記炭素原子数1〜30の直鎖若しくは分岐状のアルキル基は特に制限されない。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−メチル−1−イソプロピルブチル基、2−メチル−1−イソプロピル基、1−t−ブチル−2−メチルプロピル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜6の直鎖のアルキル基が好ましい。
上記炭素原子数3〜10のシクロアルキル基もまた特に制限されない。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などが挙げられる。これらのうち、炭素原子数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。
上記炭素原子数1〜30のアルコキシ基もまた特に制限されない。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、n−ヘンエイコシルオキシ基、n−ドコシルオキシ基、n−トリコシルオキシ基、n−テトラコシルオキシ基などが挙げられる。これらのうち、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルコキシ基が好ましく、炭素原子数2〜6の直鎖のアルコキシ基が好ましい。
上記炭素原子数2〜30のポリエチレンオシキド基は、式:−(CHCHO)Hまたは式:−(OCHCHH[この際、xは、1〜9の整数である]で表わされる基である。これらのうち、xが1〜6であるものが好ましい。
上記炭素原子数4〜30の環式化合物基は、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、チオフェン基、フェニルチオフェン基、ジフェニルチオフェン基、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピロール環、フラン環、ベンズイミダゾール環、ベンズオキサゾール環、ローダニン環、ピラゾロン環、イミダゾロン環、ピラン環、ピリジン環、フルオレン環等のうち水素原子を一つ除いた基から導かれるものである。ここで、上記環式化合物基はいずれかの水素原子を他の置換基で置換されてもよい。ここで、置換基としては、上記例示したアルキル基、上記例示したアルコキシ基、アルケニル基(ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基など)、アルキニル基(エチニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基など)、アリール基(フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、ピレニル基、アズレニル基、アセナフチレニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基など)、および複素環基(ピロリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、イソベンゾフラニル、クロメニル基、チエニル基、チアントレニル基、モルホリニル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、フェノキサチイニル基など)などが挙げられる。また、上記置換基は、上記した環式化合物基が炭素数の数を超えない範囲で置換されてもよい。なお、場合によって存在する置換基は、置換する基と同じとなることはない。例えば、Rがアルキル基の場合には、さらにアルキル基で置換されることはない。
上記単量体式1中におけるより好ましいR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、炭素原子数1〜10の直鎖若しくは分岐状のアルコキシ基、フェニル基、ビフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基に置換されたフェニル基、炭素数1〜8のアルキル基に置換されたビフェニル基、チオフェン基、ビチオフェン基、炭素数1〜8のアルキル基に置換されたチオフェン基、炭素数1〜8のアルキル基に置換されたビチオフェン基、炭素数1〜8のアルコキシ基に置換されたチオフェン基、炭素数1〜8のアルコキシ基に置換されたビチオフェン基である。
また、本発明に係る導電性高分子前駆体は、上記単量体式1を有しかつポリマー化する役割を担うものであればよい。そのため、上記単量体式1を単独または複数種類の繰り返し単位が結合した多量体を用いてもよい。さらに、予め上記繰り返し単位を有するモノマーを必要に応じて、単独あるいは複数種類のモノマーと共に重合したプレポリマー(二量体以上の多量体やいわゆるオリゴマーを含む)であってもよい。この場合は、導電性高分子前駆体がプレポリマーであり、後述の合成方法でも記載するが、導電性高分子前駆体を第1電極層が形成された透明基板にプレポリマーの形態で塗布して、化学重合して導電性高分子を形成する方法が簡便でありうる。
導電性高分子前駆体が多量体の場合の繰り返し単位は、以下の繰り返し単位式2:
上記繰り返し単位式2中、XおよびR〜Rは上記単量体式1と同一であり、mが単量体の結合数を表し、例えばm=2の場合は二量体、m=3の場合は三量体を示す。ここではmは1以上10以下の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
さらに、以下、本発明に係る導電性高分子前駆体の特に好ましい形態を表1に示す。なお、以下において、各導電性高分子前駆体を、各繰り返し単位の欄に記載される名称で記載する。例えば、繰り返し単位式2中、X−S、m=2、R〜R=Hである2,2’−ビス[3,4−(エチレンビスオキシ)チオフェン]は、導電性高分子前駆体M−2と称する。
上記の導電性高分子前駆体のうち、導電性高分子前駆体は下記一般式(4):
に示される繰り返し単位を有することが好ましい。
すなわち、本発明に係る導電性高分子は、下記一般式(2):
上記一般式(2)中、Xは、S、NR、Oを表し、当該Rは水素原子、アルキル基のいずれかであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数2〜30のポリエチレンオシキド基、または置換もしくは無置換の炭素原子数4〜30の環式化合物含有基である、
に示される繰り返し単位を有することが好ましい。
上記一般式(2)における好ましい置換基(R〜R)およびXは、上記繰り返し単位と同様である。
同様にして、本発明に係る導電性高分子は、下記一般式(3):
に示される繰り返し単位を有することが好ましい。
本発明に係る導電性高分子の重合度は、その合成方法により得られた重合体から把握することは困難である。しかしながら、重合後に形成された第2電極層の溶媒溶解性は大きく低下するため、重合体かどうかの確認については、当該重合体の溶解が可能なテトラヒドロフラン(THF)に第2電極層を浸漬させることで、その溶解度により判断できる。具体的には、25mLのサンプル瓶に化合物(導電性高分子)60mgをとり、THF 10mlを添加して、超音波(25kHz、150W 超音波工業(株)COLLECTOR CURRENT1.5A超音波工業製150)を5分間照射したときに、溶解している化合物が5mg以下の場合は重合していると判断する。
本発明に係る第2電極層は、導電性高分子、好ましくは一般式(2)で示される導電性高分子および支持電解質、ならびに場合によっては酸化剤を含むものであり、必要により第2電極層は、添加剤をさらに含んでもよい。
ここで、支持電解質は、ドーパントとして作用する。支持電解質としては、イオン電離可能なものが用いられ、特定のものに限定されないが、酸化、還元を受けにくいものが好適に用いられる。具体的には、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸テトラブチルアンモニウム[(CNClO]、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、(n−CNBF、(n−CNPF、p−トルエンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(例えば、ナトリウム塩)などが好ましく挙げられる。また、特開2000−106223号公報に記載されるポリマー電解質(例えば、同公報中のPA−1〜PA−10)を支持電解質として使用してもよい。上記支持電解質は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。すなわち、支持電解質が、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、(n−CNBF、(n−CNPF、p−トルエンスルホン酸塩およびドデシルベンゼンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これらのうち、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸テトラブチルアンモニウム[(CNClO]、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、(n−CLi)NBF、(n−CNPFが好ましく、過塩素酸リチウム(LiClO)、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)がより好ましい。これらの好ましい支持電解質は、導電性高分子のドーパントとして取り込まれるため、光重合後の導電性高分子の導電性をより発現できる。また、得られる導電性高分子は中性であるため、第1電極層の金属材料(例えば、銅系材料)の腐食をより有効に抑制できる。また、透明導電膜では、(a)導電性高分子の主鎖に沿って、(b)支持電解質を介した導電性高分子の主鎖間で、および(c)複数の導電性高分子の主鎖が支持電解質を介して形成してなるフィブリル間で、電気が流れる。上記好ましい支持電解質は大きさが小さいため、上記の電気の流れのうち(b)での電気の流れがよりスムーズに進む。上記理由により、得られた透明導電膜の抵抗をより低くおさえることが可能である。
本発明に係る第2電極層は、上記導電性高分子のみから構成されてもよいが、成膜性や膜強度を確保するために、透明な非導電性高分子や添加剤を含んでいてもよい。好ましくは、本発明に係る第2電極層は、導電性高分子に加えて、非導電性高分子をさらに含む。本発明に係る導電性高分子は、一般的に、非導電性高分子に比して、結晶性が高い。このため、非導電性高分子をさらに添加することによって、第2電極層の柔軟性を向上できる。ゆえに、特に柔軟性(折り曲げ耐性)が要求される場合には、第2電極層は非導電性高分子をさらに含むことが好ましい。
ここで、非導電性高分子としては、特に制限されないが、透明で、導電性高分子と相溶又は混合分散可能であることが好ましい。また、非導電性高分子は、熱硬化性樹脂であってもまたは熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、ポリアクリル酸等のアクリル系樹脂及びこれらの共重合体(例えば、スチレン・アクリル共重合樹脂、アクリル酸・メタクリル酸共重合体等)などが挙げられる。これらのうち、光透過性に優れるおよび結晶性が低いという観点から、スチレン・アクリル共重合樹脂、ポリアクリロニトリルが好ましい。
[透明導電膜の製造方法]
本発明の透明導電膜の製造方法は、第2電極層は、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって形成される限り、特に制限されず、従来公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。すなわち、本発明、透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜の製造方法であって、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって前記第2電極層を形成することを有する、製造方法を提供する。
本発明の好ましい形態によると、透明基板上に所定パターンの金属細線を第1電極層として形成し(工程(1))、前記工程(1)により第1電極層が形成された透明基板上に、導電性高分子前駆体、酸化剤及び支持電解質を含む導電性高分子前駆体溶液を塗布し(工程(2))、前記塗布膜(特に塗布膜中の導電性高分子前駆体)に光を照射して、前記酸化剤及び支持電解質の存在下で前記導電性高分子前駆体を重合して、第2電極層(導電性高分子層)を形成する(工程(3))。以下、上記好ましい形態について詳細に説明する。なお、本発明は、上記形態に限定されない。
(工程(1))
本工程では、透明基板上に所定パターンの金属細線を第1電極層として形成する。
第1電極層の形成方法は、特に制限されず、従来公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。具体的には、ストライプ状またはメッシュ状等の定形の金属細線パターンを形成する方法としては、金属ナノ粒子や金属錯体を含有するインクを所望の形状に印刷する方法が好ましい。印刷方法としては特に制限はなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等の公知の印刷法により所望の形状に印刷し形成することができる。また、上記印刷後、フラッシュランプを用いた光照射によって加熱焼成することで、金属細線パターンを焼成して、その導電性を向上することができる。ここで、フラッシュランプの放電管としては、キセノン、ヘリウム、ネオン、アルゴンを用いることが出来るが、キセノンを用いることが好ましい。
または、第1電極層はエッチングによって製造してもよい。具体的には、上記金属材料を用いて第1電極層を形成した後に、上記第1電極層上にパターン状のレジストを形成し、次いで、上記レジストをマスクとしてエッチングすることにより、所定の形状に形成された第1電極層が形成できる。ここで、第1電極層の形成方法は、例えば、タッチパネルセンサの製造に用いられているような一般的な方法を用いることができる。より具体的には、真空蒸着、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等の公知の方法(ドライプロセス)を同様にしいてあるいは適宜修飾して使用できる。
また、エッチングに用いられるエッチング液としては、上記第1電極層を構成する金属材料(例えば、銅系材料)の種類等に応じて適宜設定できる。具体的には、燐酸、硝酸および酢酸を含む燐硝酢酸水溶液、過酸化水素水および硫酸に代表される酸化剤を混合した系、臭化水素酸やハロゲン化水素酸等を挙げることができる。
また、上記第1電極層をパターン状にエッチングした後、焼成を行ってもよい。ここで、焼成条件は、特に制限されず、金属材料(例えば、銅系材料)の種類等に応じて適宜設定できる。例えば、焼成温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150℃〜250℃である。上記焼成温度とすることで第1電極層の表面に十分に添加金属を析出させることができる。また、焼成時の雰囲気としては、大気圧下、減圧下のいずれの雰囲気であってもよい。
(工程(2))
本工程では、上記工程(1)により第1電極層が形成された透明基板上に、導電性高分子前駆体、酸化剤及び支持電解質を含む導電性高分子前駆体溶液を塗布する。当該工程において、導電性高分子前駆体、酸化剤及び支持電解質は、上記記載と同様である。
導電性高分子前駆体溶液を調製するのに使用できる溶媒は、上記導電性高分子前駆体、酸化剤及び支持電解質を溶解できるものであれば特に制限されない。具体的には、炭酸プロピレン、ブチレンオキシド、クロロホルム、シクロヘキサノン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、プロピレンカーボネイト、ジクロロメタン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメトキシエタン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、塩化メチレン等が挙げられる。また、上記溶媒に、必要に応じて水やその他の有機溶剤を加えて混合溶媒として使用してもよい。上記溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
導電性高分子前駆体溶液の組成は、特に制限されない。具体的には、酸化剤の量は、導電性高分子前駆体100重量部に対して、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。支持電解質の量は、導電性高分子前駆体100重量部に対して、好ましくは30〜3000重量部、より好ましくは50〜1500重量部である。非導電性高分子の量は、導電性高分子前駆体100重量部に対して、好ましくは30〜1000重量部、より好ましくは50〜500重量部である。溶媒の量は、導電性高分子前駆体100重量部に対して、好ましくは2000〜10000重量部、より好ましくは2000〜5000重量部である。
また、上記溶液の塗布方法としては、具体的には、インクジェット、ディッピング、滴下、ドクターブレード、スピンコート、刷毛塗り、スプレー塗装、ロールコーター、エアーナイフコート、カーテンコート、ワイヤーバーコート、グラビアコート、米国特許第2681294号記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート、および米国特許第2761418号、同3508947号、同2761791号記載の多層同時塗布方法等の各種塗布法を用いることができる。また、このような塗布の操作を繰り返し行って積層するようにしてもよい。この場合の塗布回数は、特に制限されず、所望の第2電極層(導電性高分子層)の厚みに応じて適宜選択できる。
(工程(3))
本工程では、前記工程(2)で形成された塗布膜(特に塗布膜中の導電性高分子前駆体)に光を照射して、前記酸化剤及び支持電解質の存在下で前記導電性高分子前駆体を重合して、第2電極層(導電性高分子層)を形成する。
導電性高分子前駆体に光を照射することにより、導電性高分子を形成する。ここで、光照射条件は、特に制限されないが、照射する光の波長が導電性高分子前駆体の吸収波長を含むことが好ましい。具体的には、メタルハライドランプ(HQI(石英発光管)またはHCI(セラミック発光管))、水銀ランプ(低圧型または高圧型)、ハロゲンランプ、青色蛍光灯、ブラックライトまたは蛍光殺菌ランプなどの光源を使用して、導電性高分子前駆体に光として紫外線を照射する。この紫外線の照射条件としては、例えば、波長=約400nm以下、照射強度=約1mW/cm〜300mW/cm、積算光量=約100mJ/cm〜50000mJ/cmとする。また、光照射時間は、0.1〜30分間が好ましく、0.5〜15分間がより好ましい。導電性高分子前駆体に紫外線を照射する際には、例えば、その照射処理を大気中において行うようにしてもよいし、あるいは窒素(N)やアルゴン(Ar)などの不活性ガス中において行うようにしてもよい。この場合には、特に、大気中において照射処理を行った際に、その照射処理時に発生する活性酸素種の存在に起因して導電性高分子の主鎖が過剰に酸化する結果、導電性高分子前駆体の導電率が低下し得るため、この導電性高分子前駆体の導電率の低下を防止する上では、大気中よりも不活性ガス中において照射処理を行うのが好ましい。
上記工程(3)後に、必要であれば、第2電極層(導電性高分子層)を洗浄、乾燥させる。当該洗浄処理により、第2電極層(導電性高分子層)に含まれる未反応の導電性高分子前駆体、導電性高分子にドープされなかった過剰な支持電解質、あるいは使用済みの酸化剤などが洗い流されて除去される。この導電性高分子層を洗浄するための洗浄液としては、導電性高分子層を溶解せず、かつ所定パターンの金属細線を有する透明基板を浸食しないような液体を適宜使用可能であり、例えば、水、アルコール、アセトニトリル、アセトンまたはヘキサンなどを使用する。これにより、本発明の透明導電膜が完成する。
[ガスバリア層]
本発明の透明導電膜は、必要であれば透明基板の少なくとも一方の面に保護層を有してもよい。一方、本発明の透明導電膜は有機EL素子などの有機電子素子の電極として使用されうる。かかる有機電子素子は、素子内部に微量の水分や酸素が存在すると容易に性能劣化が生ずる。透明基板として樹脂基板を使用する場合には、樹脂基板を通して素子内部に水分や酸素が拡散することを防止することが好ましい。このため、本発明の透明導電膜は、水分や酸素に対して高い遮蔽能を有するガスバリア層を有していてもよい。なお、ガスバリア層は本発明の透明導電膜において必須の要素ではなく省略されてもよい。
ここで、ガスバリア層の組成および構造ならびにその形成方法には特に制限はなく、シリカ等の無機化合物による膜を真空蒸着やCVD法により形成することができる。また、ポリシラザン化合物を含有する塗布液を塗布乾燥後、酸素及び水蒸気を含む窒素雰囲気下で紫外線照射により酸化処理してガスバリア層を形成することもできる。または、無機物、有機物の被膜又はその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
ここで、ポリシラザン化合物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体例としては、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。ポリシラザン化合物の塗布方法は、任意の適切な方法を選択することができ、例えば、塗工方法として、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種印刷方法に加えて、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷等の各種塗布法を用いることができる。ガスバリア層をパターン状に形成することが好ましい場合には、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法を用いることが好ましい。ガスバリア層に用いられるポリシラザンとは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。樹脂基板を用いる場合には、特開平8−112879号公報に記載されているように比較的低温でセラミック化してシリカに変性するものがよく、下記一般式(5)で表されるものを好ましく用いることができる。
一般式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。パーヒドロポリシラザンは、R、RおよびRの全てが水素原子であり、オルガノポリシラザンは、R、RおよびRのいずれかがアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基である。得られるバリア膜としての緻密性から、R、R及びRの全てが水素原子であるパーヒドロポリシラザンが特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより下地基板との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミック膜に靭性を持たせることができ、より(平均)膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
また、塗布された膜は溶媒が除去された均一な乾燥膜を得る上で、アニールする態様が好ましい。アニール温度は、好ましくは60〜200℃の範囲であり、更に好ましくは70〜160℃の範囲である。アニール時間は、好ましくは5秒〜24時間程度、更に好ましくは10秒〜2時間程度である。
なお、アニールは、一定温度で行ってもよく、段階的に温度を変化させてもよく、連続的に温度を変化(昇温及び/又は降温)させてもよい。アニールの際には、反応を安定化するために湿度を調節することが好ましく、通常30〜90%RHの範囲であり、より好ましくは40〜80%RHの範囲である。
ポリシラザンの酸化処理としては、水蒸気酸化及び/又は加熱処理(乾燥処理を含む)、紫外線照射による処理等が知られており、好ましく用いられるのは紫外線照射処理である。酸素の存在下で紫外光を照射することで活性酸素やオゾンが発生し、酸化反応をより進行させることができる。
更に反応性オゾンの不足分を光照射部とは異なる部分で、放電法などの公知の方法により酸素からオゾンを生成し、紫外線照射部に導入しても良い。
このときに照射する紫外線の波長は特に限定されるところではないが、紫外光の波長は100〜450nmの範囲が好ましく、150〜300nmの範囲程度の紫外光を照射することがより好ましい。
光源は、低圧水銀灯、重水素ランプ、Xeエキシマーランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザーなどを用いることができる。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては100mW/cm〜100kW/cm、照射エネルギーとしては10〜5000mJ/cmの範囲が好ましく、100〜2000mJ/cmの範囲がより好ましい。また、紫外線照射の際の照度は1mW/cm〜10W/cmの範囲が好ましい。ポリシラザン塗布膜に酸化性ガス雰囲気下で紫外線を照射することにより、ポリシラザンが高密度の珪素酸化物膜、すなわち高密度シリカ膜に転化するが、該シリカ膜の膜厚や密度は紫外線の強度、照射時間、波長(光のエネルギー密度)により制御が可能であり、所望の膜構造を得るためにランプの種類を使い分ける等、適宜選択することが可能である。また、連続的に照射するだけでなく複数回の照射を行ってもよく、複数回の照射が短時間ないわゆるパルス照射であっても良い。
その中でもよりフォトンエネルギーが大きい200nm以下の波長成分を有する真空紫外線照射によって処理することが好ましい。エネルギーが小さいとポリシラザンの効果が不十分となりバリア性が低くなるためである。これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
また、紫外線照射と同時に該塗膜を加熱することも、反応(酸化反応、転化処理ともいう)を促進するために好ましく用いられる。加熱の方法は、ヒートブロック等の発熱体に基板を接触させ熱伝導により塗膜を加熱する方法、抵抗線等による外部ヒーターにより雰囲気を加熱する方法、IRヒーターの様な赤外領域の光を用いた方法等が挙げられるが、特に限定はされない。塗膜の平滑性を維持できる方法を適宜選択してよい。
加熱する温度としては、50〜200℃の範囲が好ましく、更に好ましくは80〜150℃の範囲であり、加熱時間としては1秒〜10時間の範囲が好ましく、更に好ましくは10秒〜1時間の範囲で加熱することである。
ガスバリア層は1層でもよいが、2層以上の積層構造を有していてもよい。積層構造を有する場合には、無機化合物の積層構造であってもよいし、無機化合物と有機化合物のハイブリッド被膜として形成してもよい。また、ガスバリア層の間に応力緩和層を挟んでもよい。単層の場合でも積層した場合でも1つのガスバリア層の膜厚(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、好ましくは30〜1000nm、より好ましくは30〜500nm、特に好ましくは90〜500nmである。30nm以上とすると膜厚均一性が良好となり、優れたバリア性能が得られる。1000nm以下にすると、屈曲によるクラックが急激に入ることが極めて少なくなり、成膜時の内部応力の増大をとどめて、欠陥の生成を防止することができる。
ガスバリア層のガスバリア性は、特に制限されないが、水分や酸素による性能劣化の抑制・防止効果などを考慮すると、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下であることが好ましい。また、水分や酸素による性能劣化の抑制・防止効果などを考慮すると、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下(1atm=1.01325×10Pa)であることが好ましい。
または、ガスバリア層を形成する前に、透明基板との接着性を向上するために、シランカップリング剤などを用いて透明基板の表面に前処理を施すこともできる。
[ハードコート層]
上述したように、本発明の透明導電膜は、透明基板、第1電極層および第2電極層を有するものであればよいが、必要であれば最表層にハードコート層を有してもよい。これにより、耐傷性に優れる。
ここで、ハードコート層の膜厚(乾燥膜厚)は、通常0.5〜50μmの範囲であり、好ましくは1〜20μmの範囲であり、さらに好ましくは2μm〜10μmの範囲であり、最も好ましくは3〜7μmの範囲である。
またハードコート層の強度は、特に制限されないが、耐傷性の向上などを考慮すると、JIS K5400に従う鉛筆硬度試験で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。また、JISK5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
ハードコート層は、電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成されることが好ましい。例えば、電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーを含む塗布組成物を透明支持体上に塗布し、多官能モノマーや多官能オリゴマーを架橋反応、又は、重合反応させることにより形成することができる。
電離放射線硬化性の多官能モノマーや多官能オリゴマーの官能基としては、光、電子線、放射線重合性のものが好ましく、中でも光重合性官能基が好ましい。光重合性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
光重合性官能基を有する光重合性多官能モノマーの具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸ジエステル類;2,2−ビス{4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル}プロパン、2−2−ビス{4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル}プロパン等のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸ジエステル類;等を挙げることができる。
さらにはエポキシ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類も、光重合性多官能モノマーとして、好ましく用いられる。
中でも、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましい。さらに好ましくは、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタアクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサトリアクリレート等が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリロイル」は、それぞれ「アクリレートおよび/またはメタクリレート」、「アクリル酸および/またはメタクリル酸」、「アクリロイルおよび/またはメタクリロイル」を表す。上記多官能モノマーは、単独で使用されてもあるいは二種類以上の混合物の形態で使用されてもよい。
光重合性多官能モノマーの重合反応には、光重合開始剤を用いることが好ましい。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤が好ましく、特に好ましいのは光ラジカル重合開始剤である。光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド及びチオキサントン類等が挙げられる。光ラジカル重合開始剤として、市販品を使用してもよい。ここで、市販の光ラジカル重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、BASFジャパン社製のイルガキュア(651,184,500,907,369,1173,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等が挙げられる。また、光開裂型の光ラジカル重合開始剤が好ましく使用される。光開裂型の光ラジカル重合開始剤については、「最新UV硬化技術」,(株)技術情報協会,1991年,p.159に記載されている。市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASFジャパン社製のイルガキュア(651,184,907)等が挙げられる。
光重合開始剤の量は、特に制限されないが、多官能モノマー100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10重量部の範囲である。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトン及びチオキサントンを挙げることができる。市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
光重合反応は、ハードコート層の塗布及び乾燥後、紫外線照射により行うことが好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
実施例1:透明導電膜1の製造
透明基材として、ポリエチレンテレフターレート(PET)基材(厚み:50μm)を用いた。その表面上に銅系材料(金属組成:銅(Cu) 99at%、マンガン(Mn) 1at%)からなり、厚み300nmの銅系材料層をスパッタリング法にて形成した。その後、銅系材料層上にポジ型感光樹脂(レジスト)を塗布し、フォトリソグラフィー法によってパターニングした。ここで、レジストのパターンは、0.02mm〜0.05mm幅の取出し配線層、接続端子に対応するパターンを有するものとした。その後、エッチング液(関東科学 混酸SEA−517)を用いてエッチングすることにより、PET基板上に銅系材料からなる所定パターンの金属細線(幅:5μm、高さ:1μm、線間隔:150μm)を第1電極層として形成した。
導電性高分子前駆体M−2を0.1(mol/l)、Li[(CFSON]を1.0(mol/l)、ポリスチレン樹脂(PS679 PSジャパン(株)製)を5wt%の割合で炭酸プロピレンに溶解して溶液を調製した後、30wt%の過酸化水素水を1v/v%となるように当該溶液に加え、上記作製した所定パターンを有する金属細線(第1電極層)を形成したPET基板にインクジェット法にて塗布した。そして、塗布面上から、水銀ランプを使用して導電性高分子前駆体に紫外線を照射することにより、導電性高分子を重合した。この際、紫外線の照射条件としては、照射強度=100mW/cm、積算光量=30000mJ/cm、照射時間=5分間とした。最後に、アセトニトリルで十分に洗浄することにより、未反応の単量体、過剰な支持電解質、ならびに使用済みの酸化剤を洗い流したのち、乾燥させることによって、透明導電膜1を作製した。
実施例2:透明導電膜2の製造
実施例1において、過酸化水素水の代わりに、酸素を酸化剤として使用した以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、透明導電膜2を作製した。なお、酸素については、導電性高分子前駆体、非導電性高分子、支持電解質の溶液に酸素バブリングを行い、酸素飽和状態にて重合を行った。
実施例3〜6:透明導電膜3〜6の製造
実施例1において、過酸化水素水の代わりに、表2に示される酸化剤を使用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、透明導電膜3〜6を作製した。なお、酸化剤量は、0.02(mol/l)となるように調整した。
実施例7〜28:透明導電膜7〜28の製造
実施例1において、表2で示される非導電性高分子、導電性高分子前駆体および支持電解質を使用した以外は、実施例1に記載の方法と同様にして、透明導電膜7〜28を作製した。なお、本実施例において、各非導電性高分子は、以下のものを使用した。
比較例1:透明導電膜29の作製
実施例1と同様にして、第1電極層を作製した。
市販のPEDOT/PSS分散液(ヘレウス(株)製、商品名:PH−1000)を、上記作製した所定パターンを有する金属細線(第1電極層)を形成したPET基板にインクジェット法にて塗布した。そして、オーブンにて100℃、30min乾燥させることによって、透明導電膜29を作製した。
[評価]
上記実施例1〜28で得られた透明導電膜1〜28および比較例1で得られた透明導電膜29について、以下の方法により、シート抵抗、光透過率および環境試験耐性の評価を行った。結果を下記表3に示す。
(1)シート抵抗の測定
各透明導電膜のシート抵抗を、高抵抗抵抗率計 ロレスタGP MCP−T610型(三菱化学製)を用いて測定する。
(2)光透過率の測定
各透明導電膜から適当な大きさ(5cm×5cm)の試験片を切り出し、JIS K7375−2008に記載の「プラスチック−全光線透過率及び全光線反射率の求め方」に従って測定する。
(3)環境試験耐性の評価
60℃、95%Rhの環境試験槽に配線にAC3Vの電流を印加した状態で500h投入し、第1電極層の外観(変色の有無を目視で観察)およびシート抵抗の変化を確認することにより、配線部(第1電極層)の環境試験耐性を検証した。なお、評価は、以下の基準で行う。
上記表3から、本発明の透明導電膜は、比較例1の透明導電膜に比して、有意にシート抵抗が低く、また、環境試験耐性に優れることが示される。また、本発明の透明導電膜は、塗布法により作製されるために、高い生産性で製造できる。
1…透明導電膜、
2…透明基板、
3…ガスバリア層、
4…第2電極層、
5…第1電極層。

Claims (18)

  1. 透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜であって、前記第2電極層が、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって形成されることを特徴とする透明導電膜。
  2. 前記第2電極層は非導電性高分子をさらに含有する、請求項1に記載の透明導電膜。
  3. 前記酸化剤は−0.5〜+2.0(V)の標準電極電位(E (OX))を有する、請求項1または2に記載の透明導電膜。
  4. 前記酸化剤は、過酸化水素、酸素、メタノール、金属塩または有機過酸化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  5. 前記金属細線は銅を主成分として含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  6. 前記導電性高分子は下記一般式(2):
    上記一般式(2)中、Xは、S、NR、Oを表し、Rは水素、アルキル基のいずれかであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数2〜30のポリエチレンオキシド基、または置換もしくは無置換の炭素原子数4〜30の環式化合物含有基である、
    に示される繰り返し単位を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  7. 前記導電性高分子は下記一般式(3):
    に示される繰り返し単位を有する、請求項6に記載の透明導電膜。
  8. 照射する光の波長が前記導電性高分子前駆体の吸収波長を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  9. 前記支持電解質が、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、(n−CNBF、(n−CNPF、p−トルエンスルホン酸塩およびドデシルベンゼンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の透明導電膜。
  10. 透明基板と、所定パターンの金属細線を有する第1電極層と、導電性高分子を含有する第2電極層とを有し、前記透明基板上に前記第1電極層および第2電極層がこの順に形成されてなる透明導電膜の製造方法であって、酸化剤および支持電解質の存在下で、導電性高分子前駆体の光励起を利用して重合することによって前記第2電極層を形成することを有する、製造方法。
  11. 前記第2電極層は非導電性高分子をさらに含有する、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記酸化剤は−0.5〜+2.0(V)の標準電極電位(E (OX))を有する、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. 前記酸化剤は、過酸化水素、酸素、メタノール、金属塩または有機過酸化物である、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記金属細線は銅を主成分として含む、請求項10〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 前記導電性高分子前駆体は、下記単量体式1:
    上記単量体式1中、Xは、S、NR、Oを表し、Rは水素、アルキル基のいずれかであり、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜30の直鎖または分岐状のアルキル基、炭素原子数3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、炭素原子数2〜30のポリエチレンオキシド基、または置換もしくは無置換の炭素原子数4〜30の環式化合物含有基である、
    に示される繰り返し単位を有する、請求項10〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 前記導電性高分子前駆体は下記一般式(4):
    に示される繰り返し単位を有する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 照射する光の波長が前記導電性高分子前駆体の吸収波長を含む、請求項10〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 前記支持電解質が、過塩素酸リチウム(LiClO)、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、Li[(CFSON](リチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド)、(n−CNBF、(n−CNPF、p−トルエンスルホン酸塩およびドデシルベンゼンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項10〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
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