JP2015182697A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室内の空調をより適切に行えるようにする。【解決手段】乗員が運転席にのみ着座している場合の所定条件の成立時に、車室90内の空調を全席モードから運転席モードに切り替える車両用空調装置1の制御装置2であって、車室90内に供給される空調空気を制御する空調制御手段32が、車室90内の空調に必要な必要空調熱量Qrを算出する必要熱量算出部33と、必要空調熱量Qrに基づいて空調空気を制御する空調制御部37と、空調モードが全席モードから運転席モードに切り替わると、車室90内の運転席周りの空間に含まれない空間の負荷熱量QLを算出する負荷熱量算出部34と、空調モードが運転席モードから全席モードに切り替わると、運転席モードである間に算出された総負荷熱量QL_allに基づいて、必要熱量算出部33が算出した必要空調熱量Qrの補正量Dを算出する補正量決定部35と、を備える構成とした。【選択図】図4

Description

本発明は、車両用空調装置に関する。
車両用空調装置では、温度センサで検出した車室内の温度と、空調の設定温度とに基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量が調整される。
ここで、車室内に設置できる温度センサの数には限りがあるので、従来の車両用空調装置では、車両の走行時に必ず乗員が着座する運転席周りに温度センサを設けて、車室内の実際の温度を検出している。
特許文献1には、運転席にのみ乗員が着座している場合に、車室内の空調を、車室内の全席を対象とするモード(全席モード)から、運転席周りのみを対象とするモード(運転席モード)に切り替えて実施する車両用空調装置が開示されている。
特許第3405074号公報
しかし、車室内の空調を運転席モードで実施すると、運転席モードでは運転席周りのみが空調されて、他の座席周りは空調されないので、運転席周りの温度と、他の座席周りの温度との間に乖離が生じてしまう。
そのため、運転席周りに設けた温度センサのみで車室内の温度を検出する車両用空調装置の場合、他の座席への乗員の着座により、空調モードが運転席モードから全席モードに復帰すると、復帰直後に温度センサで検出した車室内の温度は、他の座席周りの温度を反映していないものとなる。
そして、この他の座席周りの温度を反映していない車室内の温度に基づいて、空調空気の温度と風量を決定すると、他の座席周りの空調が不十分となってしまう。
ここで、他の座席周りの温度を、空調空気の温度と風量の決定に反映させるには、車室内に設ける温度センサの数を増やす必要があるが、温度センサの数を増やすと、その分だけ、車両用空調装置のコストが高くなってしまう。
そこで、運転席周りの温度に基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量を調整する車両用空調装置において、車室内の空調が運転席モードから全席モードに切り替わった際の車室内の空調を、より適切に行えるようにすることが求められている。
本発明は、
車室内の全空間を空調対象とする第1の空調モードと、前記車室内の特定の空間を空調対象とする第2の空調モードとが、車室内の空調モードとして用意されており、
乗員が前記特定の空間にのみ着座している場合の所定条件の成立時に、前記車室内の空調モードが、前記第1の空調モードから前記第2の空調モードに切り替えられるように構成された車両用空調装置の制御装置であって、
前記空調モードを決定する空調モード決定手段と、
前記車室内に供給される空調空気を制御する空調制御手段と、を備え、
前記空調制御手段は、
少なくとも、温度センサで検出した前記特定の空間の温度と、空調の設定温度とに基づいて、前記車室内の空調に必要な熱量を算出する必要熱量算出部と、
前記熱量に基づいて、前記車室内に供給される空調空気の温度と風量を制御する空調制御部と、
前記空調モードが、前記第1の空調モードから前記第2の空調モードに切り替わると、前記車室内の前記特定の空間に含まれない空間での負荷熱量を算出する負荷熱量算出部と、
前記空調モードが、前記第2の空調モードから前記第1の空調モードに切り替わると、前記第2の空調モードである間に算出された前記負荷熱量に基づいて、前記必要熱量算出部が算出した熱量の補正量を決定する補正量決定部と、を備え、
前記空調制御部は、前記補正量が決定されると、当該補正量で補正された前記熱量に基づいて、前記空調空気の温度と風量を制御することを特徴とする車両用空調装置の制御装置。
このように構成すると、第2の空調モードから第1の空調モードに切り替わると、第2の空調モードの際に空調の対象外であった空間(特定の空間に含まれない車室内の空間)の負荷熱量に基づいて、必要熱量算出部で算出された熱量が補正される。
ここで、第2の空調モードである間に算出された負荷熱量は、空調の対象外であった空間の第2の空調モードの間の温度変化に寄与した熱量であるので、補正後の熱量は、空調の対象外であった空間の温度変化に寄与した熱量(負荷熱量)を考慮したものとなる。
よって、第2の空調モードから第1の空調モードに切り替わった後の車室内の空調を、補正後の熱量に基づいて行うと、熱量を補正せずに空調を行う場合よりも適切に車室内を空調できる。
実施の形態にかかる車両用空調装置を搭載した車両の概略構成図である。 実施の形態にかかる車両用空調装置の制御装置の機能ブロック図である。 制御装置の空調モード決定手段が実施する処理のフローチャートである。 制御装置の空調制御手段が実施する処理のフローチャートである。 必要空調熱量と負荷熱量の変化を説明するタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施の形態にかかる車両用空調装置1を搭載した車両Vの概略構成を説明する図である。図1の(a)は、車両用空調装置1が搭載された車両Vの平面図であって、車両用空調装置1の空調モードが全席モードである場合に空調される空間の範囲と、運転席モードである場合に空調される空間の範囲を説明する図である。図1の(b)は、車両用空調装置1が搭載された車両Vの断面を模式的に示した図であって、車両用空調装置1の構成を模式的に示した図である。
車両用空調装置1は、車室90内に供給する空調空気(温度が調整された空気)を調整するものであり、ブロワ11から送風された空気を冷却するエバポレータ12と、エバポレータ12で冷却された空気のヒータコア13側への流入量を調整するミックスドア14と、エバポレータ12側から流入した空気を暖めるヒータコア13と、を有している。
この車両用空調装置1では、エバポレータ12により冷却された空気と、ヒータコア13を経由して暖められた空気とを、混合部15内で混合して、所定温度の空調空気を調整するようになっており、空調空気の温度の調節は、ヒータコア13側に流入する冷却された空気の量を、ミックスドア14により調整することで行われるようになっている。
混合部15内で温度が調整された空調空気は、混合部15に開口する供給口(デフ側供給口16、フロント側供給口17、ベント側供給口18)を通って、車室90内に供給されるようになっている。
例えば、図1の(a)に示すように、フロント側供給口17には、運転席DS側に空調空気を供給する運転席側ダクト19a、19bと、助手席PS側に空調空気を供給する助手席側ダクト19c、19dと、が接続されており、各ダクト19a〜19dには、ダクトドア駆動モータ56(図2参照)により駆動されるドア20(20a〜20d)が取り付けられている。
実施の形態にかかる車両用空調装置1では、車室90内の全空間を空調対象とする全席モードと、車室90内の運転席DS周りのみを空調対象とする運転席モードとが、車室90内の空調モードとして用意されており、全席モードと運転席モードの切り替えが、車両用空調装置1の制御装置2(図2参照)により制御されるようになっている。
図2は、車両用空調装置1の制御装置2の機能ブロック図である。
図2に示すように、車両用空調装置1の制御装置2は、CPU30と、記憶部40と、入出力ポート(I/O)21と、を備えており、これらは、バス22を介して、互いに接続されている。
この制御装置2の入出力ポート21には、着座センサ51と、温度センサ52と、外気温センサ53と、日射量センサ54とが接続されている。
着座センサ51は、車室90内の各座席(運転席DS、助手席PS、後席RS)に設けられており、着座センサ51の各々は、着座センサ51が設けられた座席における乗員の有無を示す信号を、制御装置2に出力する。
温度センサ52は、運転席DS周りの温度を検出するセンサであり、検出した運転席DS周りの温度を示す信号を、制御装置2に出力する。
実施の形態では、温度センサ52は、ステアリンコラムカバー91(図1の(b)参照)に取り付けられている。
外気温センサ53は、車室90外の温度を検出するセンサであり、検出した車室90外の温度を示す信号を、制御装置2に出力する。
日射量センサ54は、車室90内への日射量を検出するセンサであり、検出した日射量を示す信号を、制御装置2に出力する。
さらに、制御装置2の入出力ポート21には、ミックスドア駆動モータ55と、ダクトドア駆動モータ56と、空調設定手段57とが、接続されている。
ミックスドア駆動モータ55は、車両用空調装置1のミックスドア14を回動させるアクチュエータであり、このミックスドア駆動モータ55は、制御装置2から入出力ポート21を介して入力される駆動信号に基づいて、ミックスドア14を回動させる。
そのため、車両用空調装置1では、ミックスドア14の回動軸周りの角度位置に応じて、ヒータコア13側に流入する空気の量が調整できるようになっている。
ダクトドア駆動モータ56は、車両用空調装置1の混合部15に開口する供給口(デフ側供給口16、フロント側供給口17、ベント側供給口18)のドア20を回動させるアクチュエータであり、ドア20毎に、専用のダクトドア駆動モータ56が設けられている。
ダクトドア駆動モータ56もまた、制御装置2から入出力ポート21を介して入力される駆動信号に基づいて、ドア20を回動させるようになっており、車両用空調装置1では、ドア20により、供給口(デフ側供給口16、フロント側供給口17、ベント側供給口18)を介して車室90内に流入する空調空気の量を制御するようになっている。
例えばフロント側供給口17の場合、このフロント側供給口17には、運転席DS側に空調空気を供給する運転席側ダクト19a、19bと、助手席PS側に空調空気を供給する助手席側ダクト19c、19dと、が接続されている。
そのため、ダクトドア駆動モータ56は、各ダクト19a〜19dに取り付けられたドア20a〜20dを回動させて、各ダクト19a〜19dの混合部15側の開口を開閉する。
なお、図1の(a)では、空調モードが運転席モードである場合のドア20a〜20dの位置が示されており、車両用空調装置1で調整された空調空気が、運転席側ダクト19a、19bにのみ供給される状態が示されている。
空調設定手段57は、車両用空調装置1に対する指示を入力するインタフェースであり、例えば、車両用空調装置1の運転モード(自動、手動)の指示入力や、車室90内の空調の設定温度を指示入力する際に、乗員により操作される。
そのため、車室90内において空調設定手段57は、運転席DSや助手席PSに着座した乗員の操作可能な位置に設けられている。
記憶部40は、例えばROMやメモリなどの情報記録媒体から構成されており、CPU30で実施される各処理の制御プログラムなどを記憶している。
CPU30は、空調の実施態様(空調モード)を決定する空調モード決定手段31と、決定された空調モードに従って、車室内に供給される空調空気を制御する空調制御手段32と、を有している。
前記したように、実施の形態では、車室90内の空調モードとして、車室90内の全空間を空調対象とする全席モードと、車室90内の運転席DS周りの空間を空調対象とする運転席モードとが、用意されている。
実施の形態では、空調モード決定手段31は、乗員が運転席DSにのみ着座している場合の所定条件の成立時にのみ、運転席モードでの空調を決定し、通常は、全席モードでの空調を決定するようになっている。
乗員の運転席DSのみへの着座は、各座席(運転席DS、助手席PS、後席RS)に設けた着座センサ51の出力信号により特定される。
また、所定条件は、温度センサ52で検出した運転席DS周りの温度Tcと、現時点の空調の設定温度Tsetとの差ΔT(絶対値)が、所定の閾値温度T_th未満である場合に成立する(T_th>ΔT(=|Tset−Tc|)。
ここで、全席モードでの空調時に、設定温度Tsetと、温度センサ52で検出した温度Tcとの差が閾値温度T_th未満になると、車室90内の全空間の温度が、設定温度Tsetとほぼ同じ温度に調整されて、車室90内の温度が安定していることになる。
実施の形態では、空調モード決定手段31は、乗員が運転席DSにのみ着座している場合であって、車室90内の温度が安定しているときに、運転席モードへの変更を決定するようになっている。
なお、空調モード決定手段31は、車室内の空調を運転席モードで制御しているときに、運転席DS以外の座席(助手席PS、後席RS)への乗員の着座が検出された場合には、車室90内の空調モードを、運転席モードから全席モードに切り替えるようになっている。
空調制御手段32は、車室90内に供給する空調空気を制御するものであり、必要熱量算出部33と、負荷熱量算出部34と、補正量決定部35と、空調条件決定部36と、空調制御部37と、を備えている。
必要熱量算出部33は、車室90内の空調に必要な熱量(必要空調熱量Qr)を算出する。
必要空調熱量Qrは、車室90内の温度を安定させるために必要な熱量(必要安定熱量Qs)と、車室90内の温度を変化させるために必要な熱量(必要変化熱量Qv)と、から構成される(Qr=Qs+Qv)。
ここで、必要安定熱量Qsは、車室90外から車室90内に作用して車室90内の温度を変化させる熱量を相殺するのに必要な熱量であって、外気温Tambや日射量Qsunに依存する熱量である。
また、必要変化熱量Qvは、車室90内の温度を、空調の設定温度まで変化させるのに必要な熱量であり、空調の設定温度Tsetと車室90内の実際の温度Tcと、車室90内の空気の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量とに依存する熱量である。
そのため、車室90内の実際の温度Tcが、空調の設定温度Tsetになると、車室90内の温度を変化させる必要が無いので、必要変化熱量Qvは、0(ゼロ)になる。
実施の形態において必要熱量算出部33は、外気温Tambと日射量Qsunとに基づいて、必要安定熱量Qsを算出すると共に、空調の設定温度Tsetと車室90内の実際の温度Tcとに基づいて、必要変化熱量Qvを算出し、算出した必要安定熱量Qsと必要変化熱量Qvとを合算して、必要空調熱量Qrを算出する。
負荷熱量算出部34は、車室90内の空調モードが、全席モードから運転席モードに切り替わった際に、運転席モードで空調の対象外となる空間(運転席DSを除いた空間)に作用する負荷熱量QLを算出する。
この負荷熱量QLは、下記式(1)から算出される。
QL=(A×(Tamb−Tset)/t)+B×Qsun+C ・・・(1)
ここで、A、B、Cは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
なお、負荷熱量QLは、運転席モードの際に空調の対象外となる空間に作用して、当該対象外となる空間の温度を変化させる熱量であり、この負荷熱量QLは、空調モードが運転席モードである間、処理の実行間隔毎に繰り返し算出されるようになっている。
ここで、記憶部40には、負荷熱量QLの積算値(総負荷熱量QL_all)を記憶する領域(記憶領域40a)が確保されており、負荷熱量算出部34は、負荷熱量QLが算出される度に、算出された負荷熱量QLを、記憶部40の記憶領域40aに記憶された値に加算するようになっている。
そのため、負荷熱量QLの記憶領域40aを参照することで、その時点までに算出された負荷熱量QLの積算値(総負荷熱量QL_all)が判るようになっている。
補正量決定部35は、空調モードが運転席モードから全席モードに復帰すると、運転席モードの間の総負荷熱量QL_allに基づいて、必要熱量算出部33で算出した必要空調熱量Qrの補正量Dを決定し、決定した補正量Dで、必要空調熱量Qrを補正する。
この補正量Dは、下記式(2)から算出される。
D=E×(Tamb−Tset)+F×Qsun+G ・・・(2)
ここで、E、F、Gは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
なお、補正量Dは、当該補正量Dの算出時の、外気温Tambと空調の設定温度Tsetとの差、および日射量Qsunを考慮して算出される熱量であり、外気温Tambと空調の設定温度Tsetとの差や、日射量Qsunが大きいほど、大きい値になるように設定される。
空調条件決定部36は、必要熱量算出部33で算出された必要空調熱量Qrに基づいて、車両用空調装置1で調整する空調空気の目標温度Taと、車両用空調装置1から車室90内に供給する空調空気の目標風量Afと、を決定する。
また、補正量決定部35で補正量Dが決定された場合には、必要熱量算出部33が算出した必要空調熱量Qrに補正量Dを加算して得られる熱量を、補正後の必要空調熱量Qr’(Qr’=Qr+D)とし、この補正後の必要空調熱量Qr’に基づいて、空調空気の目標温度Taと目標風量Afを決定する。
空調制御部37は、空調条件決定部36で決定された目標温度Taと目標風量Afを実現するために、ミックスドア駆動モータ55の駆動信号と、ブロワ11の駆動信号とを生成し、生成した駆動信号を、入出力ポート21を介して、ミックスドア駆動モータ55と、ブロワ11とに出力する。
これにより、ブロワ11の送風量が、目標風量Afとなるように制御されると共に、ヒータコア13を経由した空気と、エバポレータ12から混合部15内に直接流入した空気とが、混合部15内で混合されて目標温度Taの空調空気となるように、ミックスドア14の位置が制御される。
なお、上記した空調モード決定手段31と、空調制御手段32の必要熱量算出部33、負荷熱量算出部34、補正量決定部35、空調条件決定部36および空調制御部37の各機能ブロックは、制御装置2が備えるCPU30が、記憶部40に記憶しているプログラムを実行することで実現される。
以下、制御装置2で実施される処理を説明する。
図3は、制御装置2の空調モード決定手段31が実施する処理であって、全席モードと運転席モードとの間での切り替えを判定する処理を説明するフローチャートである。
図4は、制御装置2の空調制御手段32が実施する処理を説明するフローチャートである。
図5は、必要空調熱量Qrと負荷熱量QLの変化を説明するタイムチャートである。
実施の形態にかかる車両用空調装置1では、運転席モードへの切り替えのための所定条件が満たされない限り、車室90内の空調を全席モードで実施するようになっており、空調モード決定手段31は、所定条件が満たされた場合に運転席モードへの切り替えを決定すると共に、運転席モードへの切り替え後、所定条件が満たされなくなった場合に、運転席モードから全席モードへの復帰を決定する。
始めに、ステップS101において空調モード決定手段31は、着座センサ51の出力信号に基づいて、運転席DSにのみ乗員が着座しているか否かを確認する。
運転席DS以外の座席にも乗員が着座している場合(ステップS101、No)には、運転席DSにのみ乗員が着座した状態になるまで、ステップS101の処理が繰り返し実行される。運転席モードでの空調は、運転席DSにのみ乗員が着座していることを前提として実施されるからである。
運転席DSにのみ乗員が着座している場合(ステップS101、Yes)、ステップS102において空調モード決定手段31は、車室90内の温度が安定しているか否かを確認する。
具体的には、空調モード決定手段31は、温度センサ52で検出した運転席DS周りの温度Tcと、現時点の空調の設定温度Tsetとの差ΔT(絶対値)が、所定の閾値温度T_th未満であるか否かを確認し、算出された差ΔTが閾値未満である場合(ΔT<T_th)に安定していると判定し、算出された差ΔTが閾値未満でない場合(ΔT≧T_th)には安定していないと判定する。
車両用空調装置1の始動直後のように、車室90内の空調が開始された直後では、車室90内の温度Tcと空調の設定温度Tsetとが離れていることが一般的である。この場合には、車室90内全体の温度を設定温度Tsetに近づけることができる全席モードが、運転席モードよりも優先されるようになっている。
また、運転席モードの間に算出される運転席DSを除いた空間の負荷熱量QLは、車室90内の温度Tcが安定した状態(安定期)でないと、正確に算出できないからである。
そのため、車室90内の温度が安定していない場合(ステップS102、No)には、車室90内の温度Tcが安定するまでの間、ステップS101とステップS102の処理が繰り返し実行されるようになっている。
車室90内の温度Tcが安定している場合(ステップS102、Yo)には、空調モード決定手段31は、車室90内の空調モードの運転席モードへの切り替えを決定する。これにより、空調制御手段32が、車室90内の運転席DS周りの空間のみを空調の対象として、空調空気の目標温度や目標風量を決定すると共に、車両用空調装置1で調整された空調空気が、運転席DS周りの空間にのみ、供給されるようになる。
続くステップS104において空調モード決定手段31は、着座センサ51の出力信号に基づいて、運転席DSにのみ乗員が着座しているか否かを確認する。
そして、運転席DSにのみ乗員が着座している場合(ステップS104、Yes)には、このステップS103とステップS104の処理が繰り返し実施されて、運転席DSを除いた他の座席(助手席PS、後席RS)への乗員の着座が検出されるまでの間、車室90内の空調モードとして、運転席モードが継続されることになる。
なお、運転席DS以外の座席への乗員の着座が検出された場合(ステップS104、No)には、ステップS105において空調モード決定手段31が、車室90内の空調モードを、運転席モードから全席モードに復帰させることになる。運転席モードでの空調は、運転席DSにのみ乗員が着座していることが前提として実施されるからである。
これにより、以降、運転席モードへの切り替えのための所定条件が再び満たされるまでの間、空調制御手段32が、車室90内の全席を空調の対象として、空調空気の目標温度や目標風量を決定することになり、車両用空調装置1で調整された空調空気が、車室内の全席に向けて供給されることになる
続いて、空調制御手段32で実施される処理を、図4および図5を参照しながら、(1)運転席モードへの切り替え前、(2)運転席モードの実施中、(3)運転席モードから全席モードへの復帰直後、に分けて説明する。
(1)運転席モードへの切り替え前
運転席モードの実施前では、車室90内の空調は、全席モードで実施されている。そのため、ステップS201の処理が否定されて、ステップS202において補正量決定部35が、必要空調熱量Qrの補正の要否を確認する。
具体的には、補正量決定部35が、記憶部40に記憶されている総負荷熱量QL_allが、0(ゼロ)よりも大きいか否かを確認し、0(ゼロ)よりも大きい場合には、補正が必要であると判定し、0(ゼロ)である場合には補正が必要ないと判定する。
運転席モードが一度も実施されていない場合には、記憶部40に記憶されている総負荷熱量QL_allは、0(ゼロ)であるので、補正量決定部35は、補正が必要ないと判定する(ステップS202)。
その結果、ステップS203の処理に移行して、必要熱量算出部33が、全席モードでの空調に必要な必要空調熱量Qrを算出して、算出した必要空調熱量Qrを、目標空調熱量として決定することになる。
ここで、車両用空調装置1の始動直後のように、車室90内の空調が開始された直後(図5において、時刻t0よりも前)では、温度センサ52が検出した温度Tcと、設定温度Tsetとの差が大きく、車室90内の温度が安定していないことが一般的である。
よって、この場合のステップS203の処理では、車室内の温度を設定温度Tsetで安定させるのに必要な熱量(必要安定熱量Qs)と、車室内の温度を設定温度Tsetまで変化させるのに必要な熱量(必要変化熱量Qv)とを合算した熱量が、必要空調熱量Qrとなる。
なお、車室90の温度と設定温度Tsetとの差ΔTが閾値温度T_th未満になると、この場合には、車室90内の温度を変化させる必要がないので、車室内の温度を設定温度Tsetで安定させるのに必要な熱量(必要安定熱量Qs)が、必要空調熱量Qr(目標空調熱量)となる(図5において、時刻t0以降)。
そして、続くステップS204では、空調条件決定部36が、目標空調熱量に基づいて、車室90内に供給する空調空気の温度と風量の目標値(目標温度、目標風量)を決定し、空調制御部37が、決定された目標温度および目標風量となるように、ミックスドア駆動モータ55やブロワ11を制御することになる。
(2)運転席モードの実施中
運転席DSにのみ乗員が着座している状態で、車室90内の空調が安定すると、空調モード決定手段31が、車室内の空調モードを、全席モードから運転席モードに切り替えることになる。
そうすると、ステップS201の処理が肯定されて、ステップS205において負荷熱量算出部34が、負荷熱量QLを算出する。
運転席モードでは、運転席のみが空調の対象となるので、運転席モードの際に算出される必要空調熱量Qrは、運転席DS周りの空間の温度を設定温度で保持できる熱量であって、車室90内の全席を設定温度で保持できる熱量よりも少ない熱量となる。
例えば、図5の場合には、運転席モードに切り替わった時刻t1以降、必要安定熱量Qsは、全席空調の場合の必要安定熱量Qsよりも、図中斜線で示す高さ分だけ小さい値となる。
そのため、車室90内の運転席を除いた空間の温度は、運転席モードの間、周囲の環境から作用する因子(車室外の温度や日射量)の影響を受けて変化することになる。
そこで、負荷熱量算出部34は、運転席モードの際に空調の対象外となる空間に作用して、当該対象外となる空間の温度を変化させる熱量(負荷熱量QL)を、下記式(1)から算出する。
QL=(A×(Tamb−Tset)/t)+B×Qsun+C ・・・(1)
ここで、A、B、Cは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
続くステップS206において負荷熱量算出部34は、算出した負荷熱量QLを記憶部40に設定した負荷熱量QLの記憶領域40aに記憶する。
そして、ステップS203において必要熱量算出部33が、運転席モードでの空調に必要な必要空調熱量Qrを算出して、算出した必要空調熱量Qrを、目標空調熱量として決定したのち、ステップS204において空調条件決定部36が、目標空調熱量に基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量の目標値(目標温度、目標風量)を決定し、空調制御部37が、決定された目標温度および目標風量となるように、ミックスドア駆動モータ55やブロワ11を制御することになる。
ここで、負荷熱量QLの算出は、運転席モードである間繰り返し実施されるので、記憶部40の記憶領域40aに記憶された負荷熱量QLの積算値(総負荷熱量QL_all)は、運転席モードの継続時間が増えるにつれて増大することになる(図5:負荷熱量積算期間参照)。
(3)運転席モードから全席モードへの復帰直後
車室90内の空調を運転席モードで実施しているときに、他の座席への乗員の着座が検出されると、空調モード決定手段31が、車室90内の空調モードを、運転席モードから全席モードに復帰させることになる。
そうすると、ステップS201の処理が否定されて、ステップS202において補正量決定部35が、必要空調熱量Qrの補正の要否を確認する。
ここで、運転席モードから全席モードへ復帰した時点では、運転席モードの間に算出された負荷熱量QLの積算値(総負荷熱量QL_all)が、0(ゼロ)よりも大きい値となっている。
そのため、ステップS202において補正が必要(ステップS202、Yes)と判定されて、ステップS207において補正量決定部35が、必要空調熱量Qrの補正量Dを、下記式(2)から算出する。
D=E×(Tamb−Tset)+F×Qsun+G ・・・(2)
ここで、E、F、Gは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
続いて、ステップS208において補正量決定部35が、記憶部40に記憶されている総負荷熱量QL_allから、ステップS207で算出した補正量Dを減算した値を、新たな総負荷熱量QL_allとする。
運転席モードの間に運転席を除いた車室内の空間の温度変化に寄与した熱量(総負荷熱量QL_all)が、続くステップS209の処理により、補正量Dの分だけ相殺されることになるからである。
ステップS209では、必要熱量算出部33が、空調に必要な必要空調熱量Qrを算出すると共に、算出した必要空調熱量Qrに、ステップS207で算出された補正量Dを付加した値を、現時点での目標空調熱量として決定する。
これにより、ステップS204において空調条件決定部36が、目標空調熱量に基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量の目標値(目標温度、目標風量)を決定し、空調制御部37が、決定された目標温度および目標風量となるように、ミックスドア駆動モータ55やブロワ11を制御することになる。
この必要空調熱量Qrに補正量Dを付加した値に基づく空調条件の決定は、運転席モードの間に積算された負荷熱量QL(総負荷熱量QL_all)がゼロになるまで、繰り返し実行されることになる。
そして、運転席モードの間に運転席を除いた車室内の空間の温度変化に寄与した熱量(総負荷熱量QL_all)が総て相殺された時点で、ステップS202において補正が必要ないと判定されて(ステップS202、No)、以降、通常の全席モードでの、目標空調熱量の決定と、目標空調条件の決定が実施されることになる(ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204)。
ここで、図5の場合には、全席モードに復帰した時刻t2以降、総負荷熱量QL_allが0(ゼロ)になる時刻t3までの間、補正量Dが加算された必要空調熱量Qr’に基づいて、目標空調条件が決定されることになる(図5、補正期間参照)。
なお、全席モードに復帰したのち、空調モードが運転席モードに再び切り替わると、運転席モードの間、負荷熱量QLの算出および積算と、目標空調熱量の決定および目標空調条件の決定が実施され(ステップS201→ステップS205→ステップS206→ステップS203→ステップS204)、その後、空調モードが運転席モードから全席モードに復帰すると、運転席モードの間に積算された負荷熱量QL(総負荷熱量QL_all)が相殺されるまでの間、補正量Dが加算された必要空調熱量Qr’に基づいて、空調が実施されることになる。
このように、運転席モードの間に運転席を除いた車室内の空間の温度変化に寄与した熱量(総負荷熱量QL_all)が相殺されるまで、その時点の外気温度Tambや日射量Qsunを考慮して算出された補正量Dが、必要熱量算出部33が算出した必要空調熱量Qrに加算されて、空調に必要な必要空調熱量Qrが補正される。
よって、車室90内の空調が運転席モードで実施されていた際の影響で、全席モードに復帰した後の空調の応答性が低下して、車室内の空調が不十分となることを好適に防止できる。
とくに、運転席モードで空調が実施された時間ではなく、運転席を除いた空間の温度変化に寄与した熱量であって、運転席モードの間に作用した熱量(総負荷熱量QL_all)に基づいて、補正量Dを加算する期間を決定したことで、単純に時間に基づいて補正量Dを加算する場合よりも、より適切に運転席モードで実施されていた際の影響を抑えることができる。
また、運転席DS以外の座席への乗員の乗車により、空調モードが運転席モードから全席モードに復帰した際の全席の空調を、新たな温度センサを追加することなく、速やかに実施できる。
以上の通り、実施の形態では、
(1)車室90内の全空間を空調対象とする全席モード(第1の空調モード)と、車室90内の運転席DS周りの空間を空調対象とする運転席モード(第2の空調モード)とが、車室90内の空調モードとして用意されており、
乗員が運転席にのみ着座している場合の所定条件の成立時に、車室90内の空調が、全席モードから運転席モードに切り替えられるように構成された車両用空調装置1の制御装置2であって、
空調モードを決定する空調モード決定手段31と、
車室90内に供給される空調空気を制御する空調制御手段32と、備え、
空調制御手段32は、
少なくとも、温度センサ52で検出した運転席DS周りの空間の温度Tcと、空調の設定温度Tsetとに基づいて、車室90内の空調に必要な熱量(必要空調熱量Qr)を算出する必要熱量算出部33と、
必要空調熱量Qrに基づいて、車両用空調装置1から車室90内に供給される空調空気の温度と風量を制御する空調制御部37と、
空調モードが、全席モードから運転席モードに切り替わると、車室90内の運転席周りの空間に含まれない空間での負荷熱量QLを算出する負荷熱量算出部34と、
空調モードが、運転席モードから全席モードに切り替わると、運転席モードである間に算出された総負荷熱量QL_allに基づいて、必要熱量算出部33が算出した必要空調熱量Qrの補正量Dを算出する補正量決定部35と、を備え、
空調制御部37は、必要熱量算出部33が補正量Dを算出した場合には、必要空調熱量Qrの補正量Dが加算された補正後の必要空調熱量Qr’に基づいて、空調空気の温度と風量を制御する構成とし、
負荷熱量算出部34が算出する負荷熱量QLは、運転席モードの間に運転席DSを除いた車室90内の空間に作用して、当該空間の温度変化に寄与した熱量である構成とした。
このように構成すると、空調モードが、運転席モードから全席モードに切り替わると、運転席モードの際に空調の対象外であった空間(運転席を除いた車室90内の空間)の総熱負荷量QL_allに基づいて、必要熱量算出部33で算出された必要空調熱量Qrの補正量Dが算出される。
ここで、空調の対象外であった空間の総熱負荷量QL_allは、この空調の対象外であった空間の運転席モードであった間の温度変化に寄与した熱量であるので、補正量Dは、空調の対象外であった空間の温度変化に寄与した総熱負荷量QL_allを考慮したものとなる。
よって、運転席モードから全席モードに切り替わった後の車室90内の空調を、必要熱量算出部33が算出された必要空調熱量Qrに補正量Dを加算した補正後の必要空調熱量Qr’に基づいて行うと、必要空間熱量Qrを補正せずに空調を行う場合よりも適切に車室90内を空調できる。
(2)負荷熱量は、下記式から算出される構成とした。
負荷熱量=(A×(Tamb−Tset)/t)+B×Qsun+C
ここで、A、B、Cは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
負荷熱量の算出に、外気温Tambと空調の設定温度Tsetとの差と、日射量Qsunを考慮することで、運転席モードの際に空調の対象外であった空間に作用して当該空間の温度変化に寄与した熱量をより正確に算出できる。
これにより、必要空調熱量Qrに加算される補正量Dを適切な値にすることができるので、運転席モードから全席モードに切り替わった後の車室90内の空調をより適切に行うことができるようになる。
(3)補正量Dは、運転席モードの際に空調の対象外であった空間の温度変化に寄与した熱量(総熱負荷量QL_all)を相殺するために、必要熱量算出部33が算出した熱量(空調必要熱量Qr)に加算される熱量である構成とした。
このように構成すると、運転席モードから全席モードに復帰した直後の温度センサで検出した温度Tcが、運転席を除いた他の座席周りの温度を反映していないものであっても、運転席モードであった間の他の座席周りの空間に作用した熱量が考慮されるので、必要空間熱量Qrを補正せずに空調を行う場合よりも適切に車室90内を空調できる。
(4)補正量決定部35は、運転席モードの際に空調の対象外であった空間(運転席を除いた車室90内の空間)の温度変化に寄与した熱量(総熱負荷量QL_all)が、決定された補正量Dの積算値で相殺されるまで、必要熱量算出部33が車室90内の空調に必要な熱量(必要空調熱量Qr)を算出するたびに、補正量Dを決定する構成とした。
このように構成すると、運転席モードであった間に他の座席周りの空間に作用して、当該空間の温度変化に寄与した熱量(総熱負荷量QL)が相殺されるまで、必要熱量算出部33が算出した車室90内の空調に必要な熱量(必要空調熱量Qr)が補正されるので、車室90内の空調が運転席モードで実施されていた際の影響が、全席モードに復帰したのちに及んで、車室内の空調が不十分となることを好適に防止できる。
なお、補正量Dは、下記式から算出される構成とした。
補正量=E×(Tamb−Tset)+F×Qsun+G ・・・(2)
ここで、E、F、Gは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
このように構成すると、補正量の算出に、全席モード復帰後の外気温Tambと空調の設定温度Tsetとの差と、日射量Qsunを考慮することで、全席モード復帰後の周囲の環境から車室内に作用する熱量をより正確に算出できる。
これにより、必要空調熱量Qrに加算される補正量Dをより適切な値にすることができるので、運転席モードから全席モードに切り替わった後の車室90内の空調をより適切に行うことができるようになる。
(5)空調モード決定手段31は、乗員が運転席にのみ着座している場合の全席モードでの空調時に、空調の設定温度Tsetと、温度センサ52で検出した温度Tcとの差ΔTが閾値温度T_Th未満になると、全席モードから運転席モードへの切り替えを決定する構成とした。
全席モードでの空調時に、設定温度Tsetと温度センサ52で検出した温度Tcとの差ΔTが閾値温度T_th未満になると(ΔT<T_th)、車室90内の全空間の温度が、設定温度Tset周りの温度で、略均一に保持されていることになる。
この状態では、車室90内の温度が安定しており、車室90内の温度に影響を及ぼす要素が、日射量Qsunや外気温Tambに限定されるので、この状態の時に運転席モードへの移行を決定すると、運転席モードの間、空調の対象外となる空間について算出される熱負荷量QLがより正確なものとなる。
よって、運転席モードから全席モードに切り替わった後に実施される必要空調熱量Qrの補正量Dによる補正をより正確に行うことができるので、全席モードに切り替わった後の車室90内の空調をより適切に行うことができるようになる。
とくに、車室90内の温度が安定しているときには、車室90内に供給される空調空気の風量が少ないために、全席モードに復帰後に、必要空間熱量Qrを補正せずに空調を行う場合には、車室内90全体の温度を設定温度まで変化させるのに時間がかかってしまう。
上記のように構成して必要空間熱量Qrを補正することで、全席モードに復帰後の車室90内全体の温度を、設定温度まで速やかに変化させることができるようになる。
前記した実施の形態では、必要空間熱量Qrに加算する補正量Dを、全席モード復帰後の外気温Tambと空調の設定温度Tsetとの差と、日射量Qsunを考慮して決定する場合を例示したが、補正量Dの大きさを、運転席モードから全席モードへの復帰直後が最も大きくなるようにすると共に、以降、全席モードに復帰してからの経過時間に応じて小さくなるようにしても良い。
このように構成すると、全席モードに復帰後の車室90内全体の温度を、設定温度まで速やかに変化させることができる。
ここで、空調条件決定部36が、補正後の必要空間熱量Qr’に基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量の目標値(目標温度、目標風量)を決定している間は、目標温度よりも目標風量の方の重み付けが大きくなるようにしても良い。
このように構成すると、車室内に供給される空調空気の風量が多くなるので、車室内の空気をかき混ぜて、全席モードに復帰後の車室内の全体の温度を、より短時間で、設定温度に近づけることが可能となる。
また、空調条件決定部36が、補正後の必要空間熱量Qr’に基づいて、車室内に供給する空調空気の温度と風量の目標値(目標温度、目標風量)を決定している間は、目標風量よりも目標温度の方の重み付けが大きくなるようにしても良い。
このように構成すると、全席モードに復帰後に、空調空気の風量が突然多くなることがないので、風量が突然変化して、乗員が唐突感を覚えることを好適に防止できる。
1 車両用空調装置
2 制御装置
11 ブロワ
12 エバポレータ
13 ヒータコア
14 ミックスドア
15 混合部
16 デフ側供給口
17 フロント側供給口
18 ベント側供給口
19a、19b 運転席側ダクト
19c、19d 助手席側ダクト
20(20a〜20d) ドア
21 入出力ポート
22 バス
30 CPU
31 空調モード決定手段
32 空調制御手段
33 必要熱量算出部
34 負荷熱量算出部
35 補正量決定部
36 空調条件決定部
37 空調制御部
40 記憶部
51 着座センサ
52 温度センサ
53 外気温センサ
54 日射量センサ
55 ミックスドア駆動モータ
56 ダクトドア駆動モータ
57 空調設定手段
90 車室
91 ステアリンコラムカバー
DS 運転席
PS 助手席
RS 後席
T 閾値温度
Tc 温度
Ta 目標温度
Tset 設定温度
Tamb 外気温
V 車両

Claims (7)

  1. 車室内の全空間を空調対象とする第1の空調モードと、前記車室内の特定の空間を空調対象とする第2の空調モードとが、車室内の空調モードとして用意されており、
    乗員が前記特定の空間にのみ着座している場合の所定条件の成立時に、前記車室内の空調モードが、前記第1の空調モードから前記第2の空調モードに切り替えられるように構成された車両用空調装置の制御装置であって、
    前記空調モードを決定する空調モード決定手段と、
    前記車室内に供給される空調空気を制御する空調制御手段と、を備え、
    前記空調制御手段は、
    少なくとも、温度センサで検出した前記特定の空間の温度と、空調の設定温度とに基づいて、前記車室内の空調に必要な熱量を算出する必要熱量算出部と、
    前記熱量に基づいて、前記車室内に供給される空調空気の温度と風量を制御する空調制御部と、
    前記空調モードが、前記第1の空調モードから前記第2の空調モードに切り替わると、前記車室内の前記特定の空間に含まれない空間での負荷熱量を算出する負荷熱量算出部と、
    前記空調モードが、前記第2の空調モードから前記第1の空調モードに切り替わると、前記第2の空調モードである間に算出された前記負荷熱量に基づいて、前記必要熱量算出部が算出した熱量の補正量を決定する補正量決定部と、を備え、
    前記空調制御部は、前記補正量が決定されると、当該補正量で補正された前記熱量に基づいて、前記空調空気の温度と風量を制御することを特徴とする車両用空調装置の制御装置。
  2. 前記負荷熱量算出部が算出する前記負荷熱量は、前記第2の空調モードの間に前記車室内の前記特定の空間に含まれない空間に作用して、当該空間の温度変化に寄与する熱量であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の制御装置。
  3. 前記負荷熱量は、下記式(1)から算出されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置の制御装置。
    負荷熱量=(A×(Tamb−Tset)/t)+B×Qsun+C・・(1)
    ここで、A、B、Cは、予め設定された係数であり、Tambは、外気温であり、Tsetは、空調の設定温度であり、Qsunは、日射量である。
  4. 前記補正量は、前記特定の空間に含まれない空間の温度変化に寄与した熱量を相殺するために、前記必要熱量算出部が算出した熱量に加算される熱量であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用空調装置の制御装置。
  5. 前記補正量決定部は、
    前記特定の空間に含まれない空間の温度変化に寄与した熱量が、決定された補正量の累積値で相殺されるまで、前記必要熱量算出部が前記車室内の空調に必要な熱量を算出するたびに前記補正量を決定することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の車両用空調装置の制御装置。
  6. 前記補正量決定部は、前記第2の空調モードから前記第1の空調モードへの切り替わり後の経過時間が長くなるにつれて、前記補正量を小さい値にすることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車両用空調装置の制御装置。
  7. 前記空調モード決定手段は、
    乗員が前記特定の空間にのみ着座している場合の前記第1の空調モードでの空調時に、前記設定温度と前記特定の空間の温度との差が閾値未満になると、前記第1の空調モードから前記第2の空調モードへの切り替えを決定することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の車両用空調装置の制御装置。
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