JP2015182481A - 車両用ホイール及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン面の色と窓部から覗かれるリム部裏面の色とが同色となる車両用ホイールを粉体塗料の色替え作業の問題を伴うことなく製造可能とする車両用ホイール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】車両用ホイールの製造方法は、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールの製造方法であって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体を形成する基体形成工程と、前記基体に塗膜を形成する塗装工程とを有し、前記塗装工程は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて第1の色を呈するプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて第2の色を呈するカラーベース層を形成するカラーベース塗装工程とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】車両用ホイールの製造方法は、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールの製造方法であって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体を形成する基体形成工程と、前記基体に塗膜を形成する塗装工程とを有し、前記塗装工程は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて第1の色を呈するプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて第2の色を呈するカラーベース層を形成するカラーベース塗装工程とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、四輪自動車の車両用ホイール及びその製造方法に関する。
自動車(例えば乗用車)部品である鋳造により製造した軽合金ホイールでは、高質感をもった外観を呈するようにするために、ホイール基体の表面に多層からなる塗装が施される。例えば一般的には、鋳肌の凹凸を隠すために50〜100μmほどの厚さで塗られる粉体のポリエステル、アクリル、エポキシ、ウレタン、エポキシポリエステル系樹脂などからなるプライマー層、外観の色彩を出すためのポリエステル、アクリル系樹脂を主剤とするカラーベース層、カラーベース層の色彩を出すとともに耐候性、耐蝕性などを高めるためのクリア層からなる三層塗装がある。また、さらに高質感を高めるために、金属の研摩面を連想させる金属調シルバー層(メッキ調塗装)を追加して、プライマー層、カラーベース層、金属調シルバー層、クリア層からなる四層塗装などもある。
特許文献1には、金属製基体の表面に形成された粉体塗料からなるプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたメタリックベース層と、前記メタリックベース層の上に形成されたクリヤー層とを有する金属調塗膜を備えるアルミニウム合金製鋳造ホイールであって、前記メタリックベース層は、リーフィング化された金属フレークを含むメタリック顔料と濃彩色系顔料を含み、3〜50μmの範囲にある厚さを有すると共に、前記メタリック顔料の少なくとも一部は前記クリヤー層の表面に沿って配向され、かつ前記濃彩色系顔料は前記プライマー層に近い側に分散されているアルミニウム合金製鋳造ホイールが記載されている。
特許文献1記載の金属調塗膜を採用することにより、それを構成するメタリックベース層には着色顔料が含有されているので、プライマー層は無色、又は淡色の粉体プライマー層でよく、フリップフロップ性が向上できるとともに、金属調塗膜以外の一般的な塗膜に対しても単一の粉体塗装機のみで対応できる、としている。
近年、シルバー色以外の色、例えば黒色のカラーベース層を有するホイールが求められるようになっている。このようなホイールが比較的大きい面積の窓部を有する場合、ディスク部意匠面側から窓部を通してプライマ層のみが形成されたリム部内周面が視認されるため、黒色を呈するディスク部意匠面に対して、例えば、リム部内周面のプライマ層がシルバー色ではディスク部意匠面の意匠性を損ねることがある。
このような場合、カラーベース層の色に合わせてプライマ層の色も黒色系に換えればよいが、別の色の粉体塗料に換える色替え作業には多大な工数を必要とする。即ち、粉体塗料は、別の色の粉体塗料が混入すると、溶剤塗料のように全体に一様に溶け合うのではなく、混入した粉体をそのまま残留させるため、焼き付け後に部分的に異なる色を有する塗膜になってしまう。このため粉体塗料の色替えの際には、塗装ガン、粉体塗料ホース、塗装ブース内に残る粉体塗料を完全に除去しなければならないからである。粉体塗料の色替え作業に伴う問題は、粉体塗料の色別に塗装ラインを分けることによって解決できるが、設備の過剰を招くため好ましくない。
本発明の目的は、プライマ層とカラーベース層の色が異なっても、デザイン面から見たときにデザイン面の色と窓部から覗かれるリム部裏面の色とが同色となる車両用ホイールを粉体塗料の色替え作業の問題を伴うことなく製造可能とする車両用ホイールの製造方法および車両用ホイールを提供することである。
上記課題を解決するための本願第1の発明に係る車両用ホイールの製造方法は、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールの製造方法であって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体を形成する基体形成工程と、前記基体に塗膜を形成する塗装工程とを有し、前記塗装工程は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて第1の色を呈するプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて第2の色を呈するカラーベース層を形成するカラーベース塗装工程とを有することを特徴とする。
上記課題を解決するための本願第2の発明に係る車両用ホイールは、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールであって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体と、前記基体に形成された塗膜を有し、前記塗膜は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて形成され第1の色を呈するプライマ層と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて形成され第2の色を呈するカラーベース層とを有することを特徴とする。
本願第1の発明に係る車両用ホイールの製造方法および本願第2の発明に係る車両用ホイールは、プライマ層の色とカラーベース層の色とが異なっても、デザイン面から見たときにデザイン面の色と窓部から覗かれるリム部裏面の色とが同色となる車両用ホイールを粉体塗料の色替え作業の問題を伴うことなく製造可能とする。
本発明について、その具体的な実施形態に基づき図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は、以下説明する実施例に限定されず、また、発明の作用効果を奏する限り、同一性の範囲内において適宜変形して実施することができる。
本願第1の発明に係る車両用ホイールの製造方法は、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールの製造方法であって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体を形成する基体形成工程と、前記基体に塗膜を形成する塗装工程とを有し、前記塗装工程は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて第1の色を呈するプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて第2の色を呈するカラーベース層を形成するカラーベース塗装工程とを有する、という構成を採用することにより以下の効果を奏する。
すなわち、基体に形成されるプライマ層のうち、基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に形成されるプライマ層は、その上にカラーベース層が形成されるから視認されない。基体のディスク部の裏面に形成されるプライマ層は、ホイールを車両の車軸に取り付けた状態では視認されない。よって、基体に形成される全てのプライマ層は視認されないから粉体塗料の色替えをする必要はなく、プライマ層とカラーベース層の色が異なっても、デザイン面から見たときにデザイン面の色と窓部から覗かれるリム部裏面の色とが同色となる車両用ホイールを粉体塗料の色替え作業の問題を伴うことなく製造可能である。
上記課題を解決するための本願第2の発明に係る車両用ホイールは、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールであって、窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体と、前記基体に形成された塗膜を有し、前記塗膜は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて形成され第1の色を呈するプライマ層と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて形成され第2の色を呈するカラーベース層とを有する、という構成を採用することにより以下の効果を奏する。
すなわち、プライマ層とカラーベース層の色が異なっても、デザイン面は第2の色を呈するカラーベース層が視認され、窓部から覗かれるリム部裏面も第2の色を呈するカラーベース層が視認されるから、リム部裏面の色がディスク部意匠面の意匠性を損ねることはない。
本発明に係る車両用ホイールの製造方法および車両用ホイールについて図1〜7を参照しつつ説明する。
図1は車両用ホイール(以下、単にホイールという場合がある)をディスク部の表面側から見た平面図である。ホイール1はタイヤ(図示省略)を装着する円環状のリム部2、その中心にありホイールを車軸に固定するためのハブ部3、及びハブ部3からリム部2へ向かって放射状に延び両者をつなぐスポーク部4を主な構成要素とする。リム部2、ハブ部3、及びスポーク部4で囲まれる空間が窓部5である。ディスク部6はハブ部3、スポーク部4、リム部2の端部および窓部5から構成される。
(実施例)
図2により本発明の車両用ホイールの全体の製造工程を、基体形成工程が鋳造法による場合を例に説明する。基体形成工程では金属の溶湯を金型内に注湯し、冷却後に金型から取り出すことによりデザイン面に窓部を備えた車両用ホイールの基体(以下、単に基体という場合がある)を得る。次いで、必要に応じ基体の熱処理工程を設ける。次に、必要に応じ窓部以外の箇所の面取りやバリ取り等の加工を行う加工工程を設ける。次いで、必要に応じ基体の表面を脱脂・化成処理等する塗装前処理工程を設ける。最後に塗装工程で中間体に塗装を施して車両用ホイールが完成する。以下の説明において、ホイールを車両の車軸に取り付けた際に車両側に向く面をホイールの裏面といい、該裏面の反対側であって車両の外側に向く面をホイールの表面ということとする。前記の塗装工程は、ホイール裏面にプライマ層を形成するプライマ裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にプライマ層を形成するプライマ表面塗装工程と、次いで、ホイール裏面にカラーベース層を形成するカラーベース裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にカラーベース層を形成するカラーベース表面塗装工程とを有する。
図2により本発明の車両用ホイールの全体の製造工程を、基体形成工程が鋳造法による場合を例に説明する。基体形成工程では金属の溶湯を金型内に注湯し、冷却後に金型から取り出すことによりデザイン面に窓部を備えた車両用ホイールの基体(以下、単に基体という場合がある)を得る。次いで、必要に応じ基体の熱処理工程を設ける。次に、必要に応じ窓部以外の箇所の面取りやバリ取り等の加工を行う加工工程を設ける。次いで、必要に応じ基体の表面を脱脂・化成処理等する塗装前処理工程を設ける。最後に塗装工程で中間体に塗装を施して車両用ホイールが完成する。以下の説明において、ホイールを車両の車軸に取り付けた際に車両側に向く面をホイールの裏面といい、該裏面の反対側であって車両の外側に向く面をホイールの表面ということとする。前記の塗装工程は、ホイール裏面にプライマ層を形成するプライマ裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にプライマ層を形成するプライマ表面塗装工程と、次いで、ホイール裏面にカラーベース層を形成するカラーベース裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にカラーベース層を形成するカラーベース表面塗装工程とを有する。
プライマー塗料は、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の樹脂を使用できる。プライマー層の膜厚は、ホイールの鋳肌の凹凸を隠す必要がある場合、40〜200μm程度の厚さが好ましい。塗膜装置には静電塗装装置を用いることができる。カラーベース塗料として、例えばアクリル、ポリエステル、エポキシ樹脂等からなり溶剤を含むものを使用できる。ホイールへはエアスプレーや静電塗装などで吹付ける。膜厚は10〜40μmとすることが好ましい。
図3を用いて図2における塗装工程を詳細に説明する。図3に示す各図は、図1に示す車両用ホイールのA−A断面矢視による断面図である。プライマ裏面塗装工程(a)では、塗装前処理工程まで完了した基体の裏面に以下の手順で粉体付着層を形成する。塗装ブース(図示省略、以降同様)内に設けた回転軸に基体1の軸を一致させた状態で基体を固定する。駆動手段(図示省略)により回転軸および基体を回転させる。塗装ガン7の塗装開始位置は、ディスク部6と反対側のリム部2の先端に対応する位置である。塗装ガン7は、リム部2の内周面に第1の色を呈する粉体塗料を吹き付けながらディスク部6側まで移動し、そこで吹付け方向を変えてディスク部6の裏面に前記粉体塗料を吹き付けながら塗装終了位置である回転軸近くまで移動して吹付けを停止する。基体の裏面に粉体付着層11が形成される。
プライマ表面塗装工程(b)では、裏面に粉体付着層11が形成された基体1の表面に以下の手順で粉体付着層を形成する。前工程と同様にして塗装ブース内で基体を回転させる。塗装ガン8の塗装開始位置は、ディスク部6側のリム部2の端部近傍であってリム部2の外周面に対応する位置である。塗装ガン8は、リム部2の外周面に第1の色を呈する粉体塗料を吹き付けながらディスク部6側のリム部端部まで移動し、そこで吹付け方向を変えてディスク部6の表面に前記粉体塗料を吹き付けながら塗装終了位置である回転軸近くまで移動して吹付けを停止する。基体1の表面に粉体付着層11が形成される。この基体を焼き付け炉(図示省略)に入れて所定の温度と時間加熱することにより、裏面および表面の粉体付着層11が基体に焼き付けられて第1の色を呈するプライマー層12となる。
カラーベース裏面塗装工程(c)では、裏面および表面にプライマー層12が形成された基体1のリム裏面に以下の手順で溶剤塗料層を形成する。前工程と同様にして塗装ブース内で基体を回転させる。塗装ガン9の塗装開始位置は、ディスク部6と反対側のリム部2の先端に対応する位置である。塗装ガン9は、リム部2の内周面に第2の色を呈する溶剤塗料を吹き付けながら塗装終了位置であるディスク部6側まで移動して吹付けを停止する。基体のリム2の裏面であってプライマー層12の上に溶剤塗料層13が形成される。
カラーベース表面塗装工程(d)では、裏面および表面にプライマー層12が形成され、リム裏面に溶剤塗料層13が形成されたた基体1の表面に以下の手順で溶剤塗料層を形成する。前工程と同様にして塗装ブース内で基体を回転させる。塗装ガン10の塗装開始位置と塗装終了位置は、プライマ表面塗装工程(b)と同じである。基体の表面であってプライマー層12の上に第2の色を呈する溶剤塗料層13が形成される。この基体を焼き付け炉(図示省略)に入れて所定の温度と時間加熱することにより、表面の溶剤塗料層13がプライマー層に焼き付けられて第2の色を呈するカラーベース層14となる。
基体に形成されるプライマ層のうち、基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に形成されるプライマ層は、その上にカラーベース層が形成されるから視認されない。基体のディスク部の裏面に形成されるプライマ層は、ホイールを車両の車軸に取り付けた状態では視認されない。よって、基体に形成される全てのプライマ層は視認されないから色替えをする必要はなく、プライマ層とカラーベース層の色が異なっても、デザイン面から見たときにデザイン面の色と窓部から覗かれるリム部裏面の色とが同色となる車両用ホイールを粉体塗料の色替え作業の問題を伴うことなく製造可能である。
図4に示す図は、塗装工程完了後の本発明の車両用ホイールのA−A断面矢視による断面図である。図4に示すように窓部5の大きいホイール1では、ホイールを車両の車軸に取り付けた状態で矢視aによりディスク部6の表面が視認され、矢視bによりディスク部の表面側から窓部5を通してリム部2の内周面も同時に視認される。プライマ層とカラーベース層の色が異なっても、ディスク部6の表面(デザイン面)では第2の色を呈するカラーベース層14が視認され、窓部から覗かれるリム部2の裏面でも第2の色を呈するカラーベース層14が視認されるから、リム部2の裏面の色がデザイン面の意匠性を損ねることはない。
(比較例)
図5により比較例の車両用ホイールの全体の製造工程を、基体形成工程が鋳造法による場合を例に説明する。基体形成工程から塗装前処理工程までは図2の本発明の車両用ホイールの製造工程と同様である。最後に塗装工程で中間体に塗装を施して車両用ホイールが完成する。前記の塗装工程は、ホイール裏面にプライマ層を形成するプライマ裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にプライマ層を形成するプライマ表面塗装工程と、次いで、ホイール表面にカラーベース層を形成するカラーベース表面塗装工程とを有する。
図5により比較例の車両用ホイールの全体の製造工程を、基体形成工程が鋳造法による場合を例に説明する。基体形成工程から塗装前処理工程までは図2の本発明の車両用ホイールの製造工程と同様である。最後に塗装工程で中間体に塗装を施して車両用ホイールが完成する。前記の塗装工程は、ホイール裏面にプライマ層を形成するプライマ裏面塗装工程と、次いで、ホイール表面にプライマ層を形成するプライマ表面塗装工程と、次いで、ホイール表面にカラーベース層を形成するカラーベース表面塗装工程とを有する。
図6を用いて比較例の塗装工程を詳細に説明する。プライマ裏面塗装工程(a)では、塗装前処理工程まで完了した基体の裏面に以下の手順で粉体付着層を形成する。塗装ブース内に設けた回転軸に基体1の軸を一致させた状態で基体を固定する。駆動手段(図示省略)により回転軸および基体を回転させる。塗装ガン7の塗装開始位置は、ディスク部と6反対側のリム部2の先端に対応する位置である。塗装ガン7は、リム部2の内周面に粉体塗料を吹き付けながらディスク部6側まで移動し、そこで吹付け方向を変えてディスク部6の裏面に粉体塗料を吹き付けながら塗装終了位置である回転軸近くまで移動して吹付けを停止する。基体1の裏面に粉体付着層11が形成される。
プライマ表面塗装工程(b)では、裏面に粉体付着層が形成された基体の表面に以下の手順で粉体付着層を形成する。前工程と同様にして塗装ブース内で基体1を回転させる。塗装ガン8の塗装開始位置は、ディスク部6側のリム2の端部近傍であってリム部2の外周面に対応する位置である。塗装ガン8は、リム部2の外周面に粉体塗料を吹き付けながらディスク部6側のリム部2の端部まで移動し、そこで吹付け方向を変えてディスク部6の表面に粉体塗料を吹き付けながら塗装終了位置である回転軸近くまで移動して吹付けを停止する。基体1の表面に粉体付着層11が形成される。この基体を焼き付け炉(図示省略)に入れて所定の温度と時間加熱することにより、裏面および表面の粉体付着層11が基体1に焼き付けられてプライマー層12となる。
カラーベース表面塗装工程(c)では、裏面および表面にプライマー層が形成された基体の表面に以下の手順で溶剤塗料層を形成する。前工程と同様にして塗装ブース内で基体1を回転させる。塗装ガン10の塗装開始位置と塗装終了位置は、前工程と同じである。基体の表面であってプライマー層12の上に溶剤塗料層13が形成される。この基体を焼き付け炉(図示省略)に入れて所定の温度と時間加熱することにより、表面の溶剤塗料層13が基体に焼き付けられてカラーベース層14となる。
図7に示す図は、塗装工程完了後の比較例の車両用ホイールのA−A断面矢視による断面図である。図7に示すように窓部5の大きいホイール1では、ホイールを車両の車軸に取り付けた状態で矢視aによりカラーベース層14の色を呈するディスク部6の表面(デザイン面)が視認され、矢視bによりディスク部6の表面側から窓部5を通してプライマ層12の色を呈するリム部2の内周面も同時に視認される。カラーベース層の色とプライマ層の色とが異なる場合、プライマ層12の色を呈するリム部2の内周面が、カラーベース層14の色を呈するデザイン面の意匠性を損ねる虞がある。
1 ホイール(基体)
2 リム部
3 ハブ部
4 スポーク部
5 窓部
6 ディスク部
7,8,9,10 塗装ガン
11 粉体付着層(破線)
12 プライマー層(破線)
13 溶剤塗料層(点線)
14 カラーベース層(点線)
2 リム部
3 ハブ部
4 スポーク部
5 窓部
6 ディスク部
7,8,9,10 塗装ガン
11 粉体付着層(破線)
12 プライマー層(破線)
13 溶剤塗料層(点線)
14 カラーベース層(点線)
Claims (2)
- 窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールの製造方法であって、
窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体を形成する基体形成工程と、
前記基体に塗膜を形成する塗装工程とを有し、
前記塗装工程は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて第1の色を呈するプライマ層を形成するプライマ塗装工程と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて第2の色を呈するカラーベース層を形成する カラーベース塗装工程とを有することを特徴とする車両用ホイールの製造方法。 - 窓部が形成されたディスク部とリム部を有する車両用ホイールであって、
窓部が形成されたディスク部とリム部を有する基体と、
前記基体に形成された塗膜を有し、
前記塗膜は、基体のディスク部の裏面と表面およびリム部の裏面に粉体塗料を用いて形成され第1の色を呈するプライマ層と、前記プライマ層を形成した基体のディスク部の表面およびリム部の裏面に溶剤塗料を用いて形成され第2の色を呈するカラーベース層とを有することを特徴とする車両用ホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014058003A JP2015182481A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | 車両用ホイール及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014058003A JP2015182481A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | 車両用ホイール及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015182481A true JP2015182481A (ja) | 2015-10-22 |
Family
ID=54349547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014058003A Pending JP2015182481A (ja) | 2014-03-20 | 2014-03-20 | 車両用ホイール及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015182481A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020213383A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | Bbsジャパン株式会社 | 車両用ホイールの加飾方法及びその加飾装置 |
-
2014
- 2014-03-20 JP JP2014058003A patent/JP2015182481A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020213383A1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-22 | Bbsジャパン株式会社 | 車両用ホイールの加飾方法及びその加飾装置 |
JP6775101B1 (ja) * | 2019-04-19 | 2020-10-28 | Bbsジャパン株式会社 | 車両用ホイールの加飾方法及びその加飾装置 |
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