JP2015177856A - 画像解析装置、画像撮影システム及び画像解析プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
(1.1)呼吸状態
呼吸が行われる場合は、横隔膜の収縮及び弛緩が交互に繰り返される。横隔膜が収縮する場合は、肺の内部の気圧が低下し、肺の外部から肺の内部へ空気が流入する。横隔膜が弛緩する場合は、肺の内部の気圧が上昇し、肺の内部から肺の外部へ空気が流出する。
心臓は、肺に接し、肺の影響を受けながら拍動する。このため、心臓の大きさ、心壁の位置等は、肺の大きさ、肺の内部の気圧、肺と心臓との位置関係等の影響を受ける。心臓の大きさ、心壁の位置等の心拍による変化も肺の大きさ、肺の内部の気圧、肺と心臓との位置関係等の影響を受ける。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、有毒な粒子、ガス等を吸入することにより生じる肺の炎症を伴う進行性の気流制限を呈する。気流制限のため、COPD患者における吸気期と呼気期との間の肺の内部の気圧の変化は、健常者における吸気期と呼気期との間の肺の内部の気圧の変化より大きい。このため、吸気期と呼気期との間の肺の内部の圧力の変化を知ることにより、COPDへの罹患の有無を推定できる。吸気期と呼気期との間の肺の内部の圧力の変化は、吸気期と呼気期との間の心臓の大きさ又は心壁の動きの変化から推定されるため、吸気期と呼気期との間の心臓の大きさ又は心壁の動きの変化は、COPDへの罹患の有無を推定するのに役立つ。例えば、吸気期と呼気期との間の心臓の大きさ又は心壁の動きの変化が大きい場合は、COPDへの罹患の疑いがある。
(2.1)画像撮影システム
第1実施形態は、画像撮影システムに関する。
撮影装置1010は、X線撮影により医用動画像を生成する。撮影装置1010は、X線管によりX線を発生し、発生したX線に人体を透過させ、人体を透過したX線を平面X線検出器(FPD)により検出する。これにより、撮影装置1010は、人の体内の構造物を撮影し、人の体内の構造物を描写したフレーム画像を生成する。撮影装置1010が人以外の動物の体内の構造物を撮影してもよい。撮影装置1010は、2回以上の撮影を行い、2個以上のフレーム画像を有する医用動画像を生成する。医用動画像は、2次元動画像であり、デジタルデーターで表現される。2個以上のフレーム画像の各々は、2次元画像であり、2次元画像データーで表現される。撮影装置1010がX線撮影以外により医用動画像を生成してもよい。例えば、撮影装置1010が超音波撮影、核磁気共鳴画像法(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)等により医用動画像を生成してもよい。医用動画像が3次元動画像であってもよい。医用動画像が3次元動画像である場合は、2個以上のフレーム画像の各々は、3次元画像であり、3次元ボリュームデーターで表現される。
医用動画像は、胸部X線動画像であり、自然呼吸をしている人の心臓を撮影することにより得られる。医用動画像が人以外の動物の心臓を撮影することにより得られてもよい。医用動画像が努力呼吸をしている人の心臓を撮影することにより得られてもよい。
胸部は、正面から撮影される。これにより、医用動画像において、心臓と肺とが接する部分が描写された領域が心臓が描写された領域(心臓領域)及び肺が描写された領域(肺領域)と重なりにくくなり、心臓と肺とが接する部分が描写された領域を解析しやすくなる。これに対して、胸部が側面から撮影された場合は、心臓と肺とが接する部分が描写された領域が心臓領域及び肺領域と重なりやすくなり、心臓と肺とが接する部分を解析しにくくなる。
心臓状態を示す指標を導出するために心臓の全体を描写する必要がある場合は、心臓の全体を含む範囲が撮影される。例えば、心臓状態を示す指標として心臓の全体の面積が導出される場合は、心臓の大きさが最大となった場合でも心臓の全体を含む範囲が撮影され、2次元動画像が生成される。心臓状態を示す指標として心臓の全体の体積が導出される場合は、心臓の大きさが最大となった場合でも心臓の全体を含む範囲が撮影され、3次元動画像が生成される。心臓状態を示す指標を導出するために心臓の全体を描写する必要がない場合においても、望ましくは心臓の全体を含む範囲が撮影される。これにより、心臓状態を示す指標がロバストに導出される。
医用動画像は、1呼吸周期以上にわたって撮影され、望ましくは2呼吸周期以上にわたって撮影され、さらに望ましくは3呼吸周期以上にわたって撮影される。1呼吸周期以上にわたって医用動画像が撮影される場合は、吸気期に撮影されたフレーム画像及び呼気期に撮影されたフレーム画像の両方を医用動画像が有し、吸気期の心臓状態及び呼気期の心臓状態が特定される。心臓状態は吸気期と呼気期との間に顕著に変化するため、吸気期の心臓状態及び呼気期の心臓状態が特定されることは、心臓状態を示す指標の呼吸状態による変化を特定することを容易にする。2呼吸周期以上又は3呼吸周期以上にわたって医用動画像が撮影される場合は、撮影される人が緊張により自然呼吸をなかなかできない場合であっても、自然呼吸が行われた状態を撮影できる可能性が高まる。ただし、医用動画像を撮影する時間が1呼吸周期未満である場合でも心臓状態を示す指標の呼吸状態による変化が特定される場合もある。
フレームレートは、30fps以上である。これにより、心臓パラメーターの心拍による変化と心臓パラメーターの呼吸状態による変化とが識別され、心臓パラメーターから心拍の影響を除去できる。ただし、フレームレートが30fps未満である場合でも心臓パラメーターから心拍の影響を除去できる場合もある。
医用動画像の撮影は、心臓状態を示す指標の呼吸状態による変化を導出するのに必要な呼吸状態がとらえられたと画像撮影システム1000が判定した場合に終了する。判定は、例えば、医用動画像における横隔膜、肺等の動きに基づいて行われる。撮影装置1010以外の検出器の検出結果に基づいて判定が行われてもよい。例えば、換気量の検出器の検出結果に基づいて判定が行われてもよい。医用動画像における横隔膜、肺等の動き及び撮影装置1010以外の検出器の検出結果を総合して判定が行われてもよい。操作者の操作にしたがって医用動画像の撮影が終了してもよい。
画像解析装置1011は、取得部1020、画像解析部1021、指標解析部1022、表示部1023等を備える。取得部1020は、医用動画像を取得する。画像解析部1021は、医用動画像を解析し、心臓状態を示す指標を導出する。指標解析部1022は、心臓状態を示す指標を解析し、肺機能を示す指標を導出する。表示部1023は、肺機能を示す指標を表示する。
取得部1020は、通信を行い、撮影装置1010から直接的に又は撮影装置1010から画像サーバー等の撮影装置1010以外の装置を経由して医用動画像を取得する。医用動画像が記録された光ディスク等の記録媒体を読み取ることにより医用動画像が取得されてもよい。
画像解析部1021は、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)の各々のフレーム画像Img(i)について心臓状態を示す指標Idx1(i)を導出する。これにより、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)について2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(m)が導出される。
図6のブロック図は、第1実施形態の画像解析部を示す。図7の模式図は、第1実施形態の画像解析の内容を示す。
抽出部1030は、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)の各々のフレーム画像Img(i)から心臓領域Rgn(i)を抽出する。これにより、2個以上の心臓領域Rgn(1),・・・,Rgn(m)が抽出される。2個以上の心臓領域Rgn(1),・・・,Rgn(m)が抽出されなくても2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(m)が導出される場合は、抽出部1030が省略されてもよい。
導出部1031は、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)の各々のフレーム画像Img(i)について、心臓領域Rgn(i)から心臓パラメーターIdx3(i)を導出する。これにより、2個以上の心臓パラメーターIdx3(1),・・・,Idx3(m)が導出される。
心壁の位置は、心壁の座標により表現される。心壁の座標は、心臓領域と心臓領域外との境界の座標である。心壁の座標が心壁の特定の部分の座標であってもよい。心壁は、左心房壁、左心室壁、右心房壁及び右心室壁のいずれでもよい。望ましくは、肺機能の解析の対象となる肺に接触する心壁の座標が心臓パラメーターになる。
心臓の幅は、心壁の一の部分から心壁の他の部分までの長さである。医用動画像が2次元動画像である場合は、望ましくは脊椎、横隔膜等の心臓以外の構造物が描写された領域と重ならない領域から心臓の幅が導出される。これにより、心臓の幅が精度よく導出される。医用動画像が2次元動画像である場合は、望ましくはy方向の位置が同じ一の部分から他の部分までのx方向の長さが心臓の幅とされる。2個以上のy方向の位置の各々について一の部分から他の部分までのx方向の長さを求めることにより2個以上のx方向の長さが求められ、2個以上のx方向の長さの平均値が心臓の幅とされてもよい。y方向の位置が同じ一の部分から他の部分までのx方向の長さに代えて、x方向の位置が同じ一の部分から他の部分までのy方向の長さが心臓の幅とされてもよい。x方向及びy方向の両方に平行でない一の斜め方向及び他の斜め方向が設定され、一の斜め方向の位置が同じ一の部分から他の部分までの他の斜め方向の長さが心臓の幅とされてもよい。
フレーム画像Img(i)における心臓の面積は、心臓領域の面積である。心臓の面積は、心臓の全体の面積である。心臓の面積が心臓の一部の面積であってもよい。例えば、心臓の面積が左心室、左心房、右心室又は右心房の面積であってもよい。
心臓の体積は、3次元画像における心臓領域の体積である。心臓の体積が2次元画像から推定されてもよい。心臓の体積が2次元画像から推定される場合は、心臓領域の面積と心臓領域の画素値との積から心臓の体積が推定される。心臓領域の画素値は、X線が透過する方向の心臓の厚さを反映するからである。心臓の体積は、心臓の全体の体積である。心臓の体積が心臓の一部の体積であってもよい。例えば、心臓の体積が左心室、左心房、右心室又は右心房の体積であってもよい。
心臓領域の画素値は、胸部X線動画像等の透過画像における心臓領域に属する画素の画素値である。心臓領域の画素値は、X線が透過する方向の心臓の厚さにより変化するため、心臓パラメーターとなりうる。望ましくは、脊椎、横隔膜等の心臓以外の構造物が描写された領域と重ならない領域に属し心拍により心臓領域外に属することがない画素の画素値が心臓パラメーターとされる。望ましくは、2個以上の画素の各々についての画素値を特定することにより2個以上の画素値が特定され、特定された2個以上の画素値の平均値が心臓領域の画素値とされる。これにより、心臓領域の画素値がロバストに導出される。平均値が他の種類の代表値に置き換えられてもよい。例えば、平均値が中央値に置き換えられてもよい。
除去部1032は、2個以上の心臓パラメーターIdx3(1),・・・,Idx3(m)から心拍の影響を除去する。これにより、2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(m)が導出される。2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(m)は、心臓状態を示す指標Idx1(i)の時間変化を示す。
指標解析部1022は、2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(m)の呼吸状態による変化を肺機能を示す指標Idx2とする。
表示部1023は、解析結果をディスプレイに表示する。解析結果は、医用動画像の撮影が完了した後に医師が診断を行う場合に表示されてもよいし、医用動画像が撮影されている間に又は医用動画像の撮影が完了した直後に表示されてもよい。医用動画像が撮影されている間に又は医用動画像の撮影が完了した直後に解析結果が表示される場合は、医用動画像の撮影の成否を技師が確認でき、撮影のやり直しの要否を技師が判断できる。
図10は、コンピューターのブロック図である。
第2実施形態は、第1実施形態の画像解析部を置き換える画像解析部に関する。第2実施形態の画像解析部は、主に心拍の影響の除去の点で第1実施形態の画像解析部と異なる。
第3実施形態は、第1実施形態の画像解析部を置き換える画像解析部に関する。第3実施形態の画像解析部は、主に心拍の影響の除去の点で第1実施形態の画像解析部と異なる。
(5.1)指標解析部
第4実施形態は、第1実施形態の指標解析部を置き換える指標解析部に関する。第4実施形態の指標解析部は、主に肺機能を示す指標の導出の点で第1実施形態の指標解析部と異なる。第2実施形態又は第3実施形態において説明した置き換えともに第4実施形態において説明する置き換えが行われてもよい。
区間解析部4010は、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)のうちの吸気期に属する少なくとも1個のフレーム画像Img(a1),・・・,Img(ap)について導出される少なくとも1個の心臓状態を示す指標Idx1(a1),・・・,Idx1(ap)の平均値を吸気期の区間指標Idx4(a)とする。また、区間解析部4010は、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)のうちの呼気期に属する少なくとも1個のフレーム画像Img(b1),・・・,Img(bq)について導出される少なくとも1個の心臓状態を示す指標Idx1(b1),・・・,Idx1(bq)の平均値を呼気期の区間指標Idx4(b)とする。これにより、吸気期の区間指標Idx4(a)及び呼気期の区間指標Idx4(b)が導出される。吸気期の区間指標Idx4(a)は吸気期の典型的な心臓状態を示し、呼気期の区間指標Idx4(b)は呼気期の典型的な心臓状態を示す。吸気期の区間指標Idx4(a)及び呼気期の区間指標Idx4(b)により、吸気期と呼気期との間の心臓状態を示す指標の変化を導出可能になる。
呼吸速度の絶対値は典型的には単位時間当たりの換気量であり、呼吸速度の符号は典型的には吸気期においては正であり呼気期においては負である。呼吸速度の絶対値及び符号の定義が変更されてもよい。例えば、呼吸速度の絶対値が医用動画像における横隔膜の移動速度の絶対値であってもよい。呼吸速度の符号が吸気期において負であり呼気期においては正であることも許される。
互いに異なる呼吸速度を2個以上の区間に割り当てることに代えて、又は、互いに異なる呼吸速度を2個以上の区間に割り当てることに加えて、呼吸速度とは別の観点から互いに異なる呼吸状態が2個以上の区間に割り当てられてもよい。例えば、互いに異なる肺の大きさが2個以上の区間に割り当てられてもよい。
互いに異なる呼吸位相が2個以上の区間に割り当てられてもよい。互いに異なる呼吸位相が2個以上の区間に割り当てられる場合は、例えば、吸気期の初期、中期及び後期並びに呼気期の初期、中期及び後期という6個の区間の各々について区間指標が導出される。これにより、心臓状態の呼吸位相による変化を示す指標が導出される。吸気期に含まれる区間の数が増減されてもよい。呼気期に含まれる区間の数が増減されてもよい。呼吸位相は、撮影される人の換気量から特定されてもよいし、医用動画像における横隔膜、肺等の動きから特定されてもよい。
2個以上の区間が呼吸周期の全体からなる区間を含んでもよい。例えば、吸気期及び呼気期の一方が一の区間とされ吸気期及び呼気期を合わせた区間が他の区間とされてもよい。これにより、呼吸周期の全体と特定の呼吸状態との間の心臓状態の変化が導出される。
互いに異なる呼吸方法が2個以上の区間に割り当てられてもよい。例えば、自然呼吸が一の区間に割り当てられ、努力呼吸が他の区間に割り当てられてもよい。これにより、心臓状態の呼吸方法による変化を示す指標が導出される。
全体解析部4011は、吸気期の区間指標Idx4(a)及び呼気期の区間指標Idx4(b)の差Idx4(a)-Idx4(b)の絶対値を肺機能を示す指標Idx2とする。差Idx4(a)-Idx4(b)の絶対値以外が肺機能を示す指標Idx2とされてもよい。例えば、比率Idx4(a)/Idx4(b)又はIdx4(b)/Idx4(a)等の吸気期の区間指標Idx4(a)と呼気期の区間指標Idx4(b)との相違が肺機能を示す指標Idx2とされてもよい。3個以上の区間指標が導出される場合は、3個以上の区間指標の分散、標準偏差等の3個以上の区間指標のばらつきが肺機能を示す指標Idx2とされてもよい。
2呼吸周期以上にわたって心臓状態を示す指標が導出される場合は、2呼吸周期以上にわたって導出された心臓状態を示す指標が1呼吸周期にマッピングされ、2呼吸周期以上にわたって導出された心臓状態を示す指標が1呼吸周期について導出された心臓状態を示す指標と同様に処理される。これにより、心臓状態を示す指標の呼吸状態による変化がロバストに導出される。望ましくは、呼吸が同様に行われた呼吸周期について導出された心臓状態を示す指標のみがマッピングの対象になる。例えば、自然呼吸が行われた呼吸周期について導出された心臓状態を示す指標のみ又は努力呼吸が行われた呼吸周期について導出された心臓状態を示す指標のみがマッピングの対象とされる。呼吸が乱れた呼吸周期について導出された心臓状態を示す指標がマッピングの対象から除外されてもよい。
(6.1)画像解析部
第5実施形態は、第1実施形態の画像解析部を置き換える画像解析部に関する。第5実施形態の画像解析部は、主に心臓状態を示す指標の点で第1実施形態の画像解析部と異なる。第2実施形態から第4実施形態までにおいて説明した置き換えとともに第5実施形態において説明する置き換えが行われてもよい。
抽出部5010は、第1実施形態の場合と同様に、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)の各々のフレーム画像Img(i)から心臓領域Rgn(i)を抽出する。これにより、2個以上の心臓領域Rgn(1),・・・,Rgn(m)が抽出される。
導出部5011は、第1実施形態の場合と同様に、2個以上のフレーム画像Img(1),・・・,Img(m)の各々のフレーム画像Img(i)について、心臓領域Rgn(i)から心臓パラメーターIdx3(i)を導出する。これにより、2個以上の心臓パラメーターIdx3(1),・・・,Idx3(m)が導出される。2個以上の心臓パラメーターIdx3(1),・・・,Idx3(m)は、心臓パラメーターIdx3(i)の時間変化を示す。
図18の模式図は、心壁の座標の時間変化の例を示す。
特定部5012は、心臓パラメーターIdx3(i)の変化が基準以上となる2個以上の時間を2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)とする。2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)が他のアルゴリズムにより特定されてもよい。例えば、心拍周期に一致する周期で繰り返される心臓パラメーターIdx3(i)の変化が特定され、特定された変化が発生した2個以上の時間が2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)とされてもよい。一般成人の心拍周波数は概ね60〜100回/分であるから、60〜100Hzの周波数で繰り返される心臓パラメーターIdx3(i)の変化を特定することにより、体動に起因するノイズの影響が抑制され、2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)が特定される。撮影装置1010以外の検出器の検出結果に基づいて2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)が特定されてもよい。例えば、心電計の検出結果に基づいて2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)が特定されてもよい。
処理部5013は、2個以上の心拍が起こった時間Tm(1),・・・,Tm(n)の各々の時間Tm(i)を含む心拍周期における心臓パラメーターIdx3(i)の変化を心臓状態を示す指標Idx1(i)とする。これにより、2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(n)が導出される。2個以上の心臓状態を示す指標Idx1(1),・・・,Idx1(n)が他のアルゴリズムにより導出されてもよい。
図19の模式図は、心壁の座標の時間変化の例を示す。図19は、心臓パラメーターとして心壁の座標が導出された場合における4個の心拍が起こった時間の特定及び4個の心臓状態を示す指標の導出の例を示す。
図20の模式図は、心壁の座標の心拍による変化の例を示す。
図24の模式図は、心臓状態を示す指標及び肺機能を示す指標の例を示す。図24は、COPD患者及び健常者の各々について、心臓状態を示す指標として心拍による心臓パラメーターの心拍による変化を「心拍1」から「心拍6」までの欄に示し、6個の心臓パラメーターの心拍による変化の最大値、最小値、平均値及び中間値をそれぞれ「Max」「Min」「Average」及び「Median」の欄に示し、肺機能を示す指標として最大値と最小値との差、最大値と最小値との比率及び標準偏差をそれぞれ「Max-Min(差)」「Max/Min(比率)」及び「標準偏差σ」の欄に示す。
2呼吸周期以上にわたって心臓状態を示す指標が導出される場合は、2呼吸周期以上にわたって導出された心臓状態を示す指標が1呼吸周期にマッピングされる。第5実施形態においては、心拍が起こった時間の心臓状態を示す指標を導出可能であるが任意の時間の心臓状態を導出することはできないため、心拍周期より短い時間間隔で心臓状態を示す指標を導出することはできない。しかし、2呼吸周期以上にわたって導出された心臓状態を示す指標が1呼吸周期にマッピングされる場合は、2呼吸周期以上の各々において心臓状態を示す指標が導出される呼吸状態が異なることが期待されるため、多くの呼吸状態の各々における心臓状態を示す指標が導出される。
第5実施形態の画像解析部が第1実施形態の画像解析部を置き換える場合は、望ましくは心臓の全体を含む範囲が撮影される。これにより、互いに異なる動きをする左心室、左心房、右心室及び右心房の各々について心臓状態を示す指標が導出され、目的に応じた心臓状態を示す指標が導出される。例えば、心臓状態を示す指標を精度よく導出するためには、心拍による動きが大きい部位について心臓状態を示す指標が導出される。多数の呼吸状態における心臓状態を示す指標を導出するためには、互いに異なるタイミングで動く2個以上の部位の各々について心臓状態を示す指標が導出される。
2000 画像解析部
3000 画像解析部
4000 指標解析部
5000 画像解析部
Claims (19)
- 心臓を撮像することにより得られ2個以上のフレーム画像を有する動画像を取得する取得部と、
前記2個以上のフレーム画像について各々が心臓状態を示す2個以上の第1の指標を導出する画像解析部と、
前記2個以上の第1の指標の呼吸状態による変化から肺機能を示す第2の指標を導出する指標解析部と、
を備える画像解析装置。 - 前記2個以上の第1の指標の各々が心壁の位置、心臓の大きさ又は心臓が描写された領域の画素値である
請求項1の画像解析装置。 - 前記画像解析部は、
前記2個以上のフレーム画像の各々について心臓状態を示すが心拍の影響を含む第3の指標を導出することにより2個以上の第3の指標を導出する導出部と、
前記2個以上の第3の指標から心拍の影響を除去することにより前記2個以上の第1の指標を導出する除去部と、
を備える請求項1又は2の画像解析装置。 - 前記除去部は、
前記2個以上のフレーム画像の各々が撮影された時点を含む1心拍周期以上の間に撮影された複数のフレーム画像について求められた複数の第3の指標の代表値を求め、前記代表値を前記2個以上のフレーム画像の各々についての第1の指標とすることにより心拍の影響を除去する
請求項3の画像解析装置。 - 前記代表値が平均値、最小値、最大値又は中央値である
請求項4の画像解析装置。 - 前記除去部は、
前記2個以上の第3の指標に時間領域のローパスフィルターを適用することにより心拍の影響を除去する
請求項3の画像解析装置。 - 前記画像解析部は、
前記2個以上のフレーム画像に時間領域のローパスフィルターを適用しローパスフィルターが適用された2個以上のフレーム画像を得るローパスフィルター部と、
前記ローパスフィルターが適用された2個以上のフレーム画像の各々について第1の指標を導出することにより前記2個以上の第1の指標を導出する導出部と、
を備える請求項1又は2の画像解析装置。 - 前記画像解析部は、
前記2個以上のフレーム画像の各々から心臓領域を抽出することにより2個以上の心臓領域を抽出する抽出部と、
前記2個以上の心臓領域に時間領域のローパスフィルターを適用することによりローパスフィルターが適用された2個以上の心臓領域を得るローパスフィルター部と、
前記ローパスフィルターが適用された2個以上の心臓領域の各々から第1の指標を求めることにより前記2個以上の第1の指標を導出する導出部と、
を備える請求項1又は2の画像解析装置。 - 前記2個以上の第1の指標の各々が心壁の位置の心拍による変化、心臓の大きさの心拍による変化又は心臓が描写された領域の画素値の心拍による変化である
請求項1の画像解析装置。 - 前記画像解析部は、
前記2個以上のフレーム画像の各々について心臓状態を示すが心拍の影響を含む第3の指標を導出することにより2個以上の第3の指標を導出する導出部と、
2個以上の心拍が起こった時間を特定する特定部と、
前記2個以上の心拍が起こった時間の各々を含む心拍周期における第3の指標の変化を第1の指標とすることにより前記2個以上の第1の指標を求める処理部と、
を備える請求項9の画像解析装置。 - 前記特定部は、
第3の指標の変化が基準以上となる2個以上の時間を前記2個以上の心拍が起こった時間とする
請求項10の画像解析装置。 - 前記第2の指標が前記2個以上の第1の指標の最大値と最小値との相違又は前記2個以上の第1の指標のばらつきである
請求項1から11までのいずれかの画像解析装置。 - 前記指標解析部は、
前記2個以上の第1の指標の最大値と最小値との相違又は前記2個以上の第1の指標のばらつきを反映する第1次指標を導出し、前記第1次指標から肺機能を示す第2次指標をさらに導出する
請求項1から12までのいずれかの画像解析装置。 - 前記指標解析部は、
2個以上の区間の各々に属する少なくとも1個のフレーム画像について導出される少なくとも1個の第1の指標から前記2個以上の区間の各々の区間指標を導出することにより2個以上の区間指標を導出する区間解析部と、
前記2個以上の区間指標から前記第2の指標を導出する全体解析部と、
を備える請求項1から13までのいずれかの画像解析装置。 - 前記2個以上の区間に互いに異なる呼吸状態を割り当てる
請求項14の画像解析装置。 - 前記互いに異なる呼吸状態が互いに異なる呼吸速度、互いに異なる肺の大きさ又は互いに異なる呼吸位相である
請求項15の画像解析装置。 - 前記動画像は、1呼吸周期以上にわたって心臓を撮影することにより得られる
請求項1から16までのいずれかの画像解析装置。 - 心臓を撮影することにより得られ2個以上のフレーム画像を有する医用動画像を生成する撮影装置と、
請求項1から17までのいずれかの画像解析装置と、
を備える画像撮影システム。 - 心臓を撮像することにより得られ2個以上のフレーム画像を有する動画像を取得する第1の工程と、
前記2個以上のフレーム画像について各々が心臓状態を示す2個以上の第1の指標を導出する第2の工程と、
前記2個以上の第1の指標の呼吸状態による変化から肺機能を示す第2の指標を導出する第3の工程と、
をコンピューターに実行させる画像解析プログラム。
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