JP2015175620A - 磁気センサ - Google Patents

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文人 小池
Fumito Koike
文人 小池
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Abstract

【課題】検出精度が向上した磁気センサを提供することを目的とする。【解決手段】磁気センサは、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子が備えられた第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2と、を有し、第1ブリッジ回路BC1が、第1方向D1にピン止めされた第1磁気抵抗効果素子M1と第1方向D1にピン止めされた第2磁気抵抗効果素子M2と第2方向D2にピン止めされた第3磁気抵抗効果素子M3と第2方向D2にピン止めされた第4磁気抵抗効果素子M4とからなり、第2ブリッジ回路BC2が、第2方向D2にピン止めされた第5磁気抵抗効果素子M5と第1方向D1にピン止めされた第6磁気抵抗効果素子M6と第1方向D1にピン止めされた第7磁気抵抗効果素子M7と第2方向D2にピン止めされた第8磁気抵抗効果素子M8とからなり、第2ブリッジ回路BC2の出力により第1ブリッジ回路BC1の出力を補正することを特徴としている。【選択図】図4

Description

本発明は、複数の磁気抵抗効果素子で構成されたブリッジ回路を有する磁気センサに関する。
近年、外部磁界を検出する磁気抵抗効果素子を用いた磁気センサは、電流情報、位置情報、角度情報等が得られ、各種電子機器に搭載されるようになってきた。特に、角度情報を得るための磁気センサは、非接触で測定を行える利点から、回転センサや角度センサに好適に用いられている。そして、この磁気センサには、磁化方向がある方向にピン止めされた固定磁性層と磁化方向が外部磁界の方向に回転するフリー磁性層を備えた、所謂スピンバルブ型の磁気抵抗効果素子を用いる場合が多い。
このような磁気センサの従来例1として、特許文献1では、図8に示すような複数の磁気抵抗効果素子(スピンバルブ素子)810を用いてブリッジ回路を構成した回転角度センサ800が提案されている。図8は、従来例1の回転角度センサ800を説明する図であって、図8(a)は、回転角度センサ800の斜視図であり、図8(b)は、スピンバルブ素子(磁気抵抗効果素子)810の膜構成を説明する斜視図である。
図8(a)に示す回転角度センサ800は、センサホルダー812上に、4つのスピンバルブ素子810と、これらのスピンバルブ素子810を電気的に接続してブリッジ回路とするための配線基板811と、から構成されている。また、スピンバルブ素子810は、図8(b)に示すように、ガラスあるいはシリコンの平板で構成した基板881上に、外部磁界に対して磁化が回転可能な強磁性膜である自由層(フリー磁性層)810aと、スペーサとなる非磁性層810bと、外部磁界によって磁化が動かない強磁性膜である固定層(固定磁性層)810cと、この固定層810cの磁化の向きを固定する反強磁性層810dと、反強磁性層810dを保護するCAP層810eを、を含んで構成されている。
このように構成された回転角度センサ800は、図8(a)に示すように、4つのスピンバルブ素子810をx−y平面に平行に配置させるとともに、隣り合うもの同士を90゜傾けるようにして、配線基板811上に配置している。更に、4つのスピンバルブ素子810は、固定層810cの磁化の向きが図8(a)に示す磁化の向きMDになるように、配設されている。そして、この回転角度センサ800は、4つのスピンバルブ素子810に回転外部磁界が加えられたとき、回転外部磁界の回転角θに応じた出力をブリッジ回路から得ることができ、回転外部磁界の発生源の回転角度を測定することができる。
しかしながら、磁化の向きMDに沿うように4つのスピンバルブ素子810をそれぞれ配線基板811上に実装するので、実装の際に複数の工程を要する上に、実装公差などにより所望する磁化の向きMDと実装されたスピンバルブ素子810の磁化の向きとにズレが生じてしまう。このため、ブリッジ回路からの出力の精度が低下するとともに、同一バッチで作製した磁気抵抗効果素子(スピンバルブ素子)810を利用しても、それぞれの磁気センサ(回転角度センサ)の特性にバラツキが生じるという課題があった。
そこで、上述した課題を解決するために、同一基板上でありながら、磁化の向きが異なった磁気抵抗効果素子を複数作製できる、セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子を用いる磁気センサの提案があった。このような磁気センサの従来例2として、特許文献2では、図9に示すような磁気センサが提案されている。図9は、従来例2の磁気センサを説明する図であって、図9(a)は、磁気センサを構成するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(SVGMR素子)をブリッジ接続した回路図であり、図9(b)は、磁気センサに用いられるSVGMR素子の膜の構成を示す断面図である。
従来例2の磁気センサは、図9(a)に示すように、2つのブリッジ回路A1及びブリッジ回路B1を有しており、それぞれのブリッジ回路(A1、B1)には、それぞれ4つのSVGMR素子(Aa、Ab、Ac、Ad)及びSVGMR素子(Ba、Bb、Bc、Bd)が用いられている。そして、1つの基板910上に、8つのSVGMR素子が作製されて、図9(a)に示す磁化の向きMDになるように形成されている。
また、用いられたSVGMR素子は、図9(b)に示すように、基板910上に、下地膜911、第1の強磁性層922/反平行結合層923/第2の強磁性層924を積層した固定層(固定磁性層)912、非磁性の中間層(非磁性中間層)913、強磁性層941/強磁性層942を積層した自由層(フリー磁性層)914、保護層915の順で薄膜を堆積して形成されている。そして、第1の強磁性層922及び第2の強磁性層924の成膜時に磁界を印加することで、印加磁界の方向に固定層912の磁化の向きMDを合わせることができる。つまり、固定層912の磁化の向きMDが異なるSVGMR素子を、4回にわたって同一基板910上に作り込むことで、図9(a)に示す4つの磁化の向きMDをもった2つのブリッジ回路A1及びブリッジ回路B1を有した磁気センサを得ることができる。これにより、所望する磁化の向きMDと実際の磁化の向きとを合わせることができ、ブリッジ回路(A1、B1)からの出力の精度が向上するとともに、磁化の向きMDが同じ同一バッチで作製した磁気抵抗効果素子(セルフピン止め型)を利用するので、それぞれの磁気センサの特性バラツキが低減できる。
特開2001−159542号公報 特開2010−32484号公報
しかしながら、複数回(従来例2では4回)にわたって磁気抵抗効果素子(SVGMR素子)作製するので、それぞれの磁気抵抗効果素子(SVGMR素子)における温度特性が同じ傾向にならないことがある。このため、ブリッジ回路(A1、B1)からの出力における常温時の中点電位が、低温或いは高温時において、大きくドリフトしてしまうことがあった。この中点電位の温度変化によるドリフトはブリッジ回路(A1、B1)を形成するSVGMR素子の組み合わせにより一定でないため、所定の補正方法で補正することが難しく、磁気センサの検出精度を低下させるという課題があった。
本発明は、上述した課題を解決するもので、検出精度が向上した磁気センサを提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の磁気センサは、固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された磁気抵抗効果素子が複数個、備えられてブリッジ回路を構成している磁気センサにおいて、前記固定磁性層が、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、前記ブリッジ回路が、第1ブリッジ回路と、前記第1ブリッジ回路に対する温度補償を行うための第2ブリッジ回路と、を有し、前記第1ブリッジ回路が、第1方向にピン止めされた第1磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第2磁気抵抗効果素子と、第2方向にピン止めされた第3磁気抵抗効果素子と、前記第2方向にピン止めされた第4磁気抵抗効果素子と、からなり、前記第1磁気抵抗効果素子の一端と前記第4磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第1接続部が形成され、前記第2磁気抵抗効果素子の一端と前記第3磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第2接続部が形成され、前記第1磁気抵抗効果素子の他端と前記第3磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第3接続部が形成され、前記第4磁気抵抗効果素子の他端と前記第2磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第4接続部が形成されており、前記第1接続部と前記第2接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第3接続部と前記第4接続部から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われ、前記第2ブリッジ回路が、前記第2方向にピン止めされた第5磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第6磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第7磁気抵抗効果素子と、前記第2方向にピン止めされた第8磁気抵抗効果素子と、からなり、前記第5磁気抵抗効果素子の一端と前記第8磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第5接続部が形成され、前記第6磁気抵抗効果素子の一端と前記第7磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第6接続部が形成され、前記第5磁気抵抗効果素子の他端と前記第7磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第7接続部が形成され、前記第8磁気抵抗効果素子の他端と前記第6磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第8接続部が形成されており、前記第5接続部と前記第6接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第7接続部及び前記第8接続部から温度変化にのみ対応する出力が行われ、前記第2ブリッジ回路の出力により前記第1ブリッジ回路の出力を補正することを特徴としている。
これによれば、本発明の磁気センサは、この第2ブリッジ回路の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第1ブリッジ回路の出力を補正することで、温度変化による第1ブリッジ回路の出力の中点電位ドリフトを補正することができる。このことにより、磁気センサの検出精度を向上させることができる。
また、本発明の磁気センサは、前記ブリッジ回路が、第3ブリッジ回路と、前記第3ブリッジ回路に対する温度補償を行うための第4ブリッジ回路と、を有し、前記第3ブリッジ回路が、第3方向にピン止めされた第9磁気抵抗効果素子と、前記第3方向にピン止めされた第10磁気抵抗効果素子と、第4方向にピン止めされた第11磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第12磁気抵抗効果素子と、からなり、前記第9磁気抵抗効果素子の一端と前記第12磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第9接続部が形成され、前記第10磁気抵抗効果素子の一端と前記第11磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第10接続部が形成され、前記第9磁気抵抗効果素子の他端と前記第11磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第11接続部が形成され、前記第12磁気抵抗効果素子の他端と前記第10磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第12接続部が形成されており、前記第9接続部と前記第10接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第11接続部と前記第12接続部から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われ、前記第4ブリッジ回路が、前記第3方向にピン止めされた第13磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第14磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第15磁気抵抗効果素子と、前記第3方向にピン止めされた第16磁気抵抗効果素子と、からなり、前記第13磁気抵抗効果素子の一端と前記第16磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第13接続部が形成され、前記第14磁気抵抗効果素子の一端と前記第15磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第14接続部が形成され、前記第13磁気抵抗効果素子の他端と前記第15磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第15接続部が形成され、前記第16磁気抵抗効果素子の他端と前記第14磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第16接続部が形成されており、前記第13接続部と前記第14接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第15接続部及び前記第16接続部から温度変化にのみ対応する出力が行われ、前記第4ブリッジ回路の出力により前記第3ブリッジ回路の出力を補正することを特徴としている。
これによれば、本発明の磁気センサは、この第4ブリッジ回路の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第3ブリッジ回路の出力を補正することで、温度変化による第3ブリッジ回路の中点電位ドリフトを補正することができる。しかも、第1方向及び第2方向にピン止めされた第1ブリッジ回路とは違い、第3方向及び第4方向にピン止めされた第3ブリッジ回路を有しているので、第1ブリッジ回路がセンシングする軸方向とは違う軸方向のセンシングが行えるようになる。
また、本発明の磁気センサは、前記磁気抵抗効果素子の全てが同一ウェハ上に形成されていることを特徴としている。
これによれば、本発明の磁気センサは、同じピン止め方向の磁気抵抗効果素子を同一タイミングで形成することができる。このため、ピン止め方向が同じ磁気抵抗効果素子のそれぞれの温度特性が全く同じものとなる。これにより、測定用の磁気抵抗効果素子と温度補償用の磁気抵抗効果素子が全く同じ温度特性とり、温度変化によるブリッジ回路の出力の中点電位ドリフトをより正確に補正することができる。このことにより、磁気センサの補正がより正確に行われ、磁気センサの測定精度をより向上させることができる。
本発明の磁気センサは、この第2ブリッジ回路の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第1ブリッジ回路の出力を補正することで、温度変化による第1ブリッジ回路の出力の中点電位ドリフトを補正することができる。このことにより、磁気センサの検出精度を向上させることができる。
本発明の第1実施形態の磁気センサを説明する図であって、磁気センサに用いられるチップ素子の上面構成図である。 本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子を説明する断面構成図である。 本発明の第1実施形態に係わる磁気センサのチップ素子を説明する図であって、図3(a)及び図3(b)は、図1に示す磁気抵抗効果素子のパターン例を示した図である。 本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子をブリッジ接続した回路図であって、図4(a)は、測定用のブリッジ回路であり、図4(b)は、温度補償用のブリッジ回路である。 本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子の製造工程を説明する平面工程図である。 本発明の第1実施形態の磁気センサにおける効果を説明するグラフである。 本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの変形例1を説明する図であって、図7(a)は、測定用のブリッジ回路であり、図7(b)は、温度補償用のブリッジ回路である。 従来例1の回転角度センサ800を説明する図であって、図8(a)は、回転角度センサ800の斜視図であり、図8(b)は、スピンバルブ素子(磁気抵抗効果素子)810の膜構成を説明する斜視図である。 従来例2の磁気センサを説明する図であって、図9(a)は、磁気センサを構成するスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(SVGMR素子)をブリッジ接続した回路図であり、図9(b)は、磁気センサに用いられるSVGMR素子の膜の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の磁気センサを説明する図であって、磁気センサに用いられるチップ素子111の上面構成図である。図1には、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの感度軸方向を示している。また、磁気抵抗効果素子Mの詳細なパターンは省略している。
本発明の第1実施形態の磁気センサは、図1に示すチップ素子111と、チップ素子111から信号を取り出すためのリード端子とが、電気的に接続されて、熱硬化性の合成樹脂でパッケージングされている。より具体的には、図1に示すソース用パッドVdd、グランド用パッドGND、信号用パッドSc及び信号用パッドSsのそれぞれと、パッケージの外に引き出されたリード端子とが、パーケージ内でワイヤボンディングされて電気的に接続されている。
また、磁気センサは、図1に示すように、1つのチップ素子111内に16個の磁気抵抗効果素子Mを備えており、それぞれの磁気抵抗効果素子Mが、配線パターンP1により、ソース用パッドVdd、グランド用パッドGND、信号用パッドSc及び信号用パッドSsと適宜接続されている。そして、1つのチップ素子111内に4つのブリッジ回路を構成している。なお、ブリッジ回路については、後で詳細に説明する。
先ず、磁気抵抗効果素子Mについて説明する。図2は、本発明の第1実施形態の磁気センサに係わる磁気抵抗効果素子Mの層構成を説明する断面構成図である。図3(a)及び図3(b)は、図1に示す磁気抵抗効果素子Mのパターン例を示した図である。
磁気抵抗効果素子Mは、図2に示すように、シリコン等の基板19上に、NiFeCr或いはCr等で形成されシード層S8を介して、磁化方向がある方向にピン止めされた固定磁性層2、非磁性材料層3、磁化方向が外部磁界の方向に回転するフリー磁性層4、保護層H7の順に積層されて成膜される。磁気抵抗効果素子Mを構成する各層は、例えばスパッタにて成膜される。
また、磁気抵抗効果素子Mは、例えば図3(a)に示すように、X方向に帯状に長く延びる複数の素子部MaがY方向に間隔を空けてパターニングされている。そして、各素子部MaのY1側端部間、及びY2側端部間が導電部Mcにより接続されてミアンダ形状のパターンになっている。また、磁気抵抗効果素子Mは、例えば図3(b)に示すように、Y方向に帯状に長く延びる複数の素子部MaがX方向に間隔を空けてパターニングされており、導電部Mcにより接続されてミアンダ形状のパターンになっている。なお、導電部Mcは非磁性、磁性の別を問わないが、電気抵抗の低いことが好適である。
磁気抵抗効果素子Mの固定磁性層2は、図2に示すように、第1磁性層12と第2磁性層22とが非磁性中間層42を介して積層されたSFP(Synthetic Ferri Pin)構造である。この第1磁性層12の固定磁化方向(図2に示す矢印)と第2磁性層22の固定磁化方向(図2に示す矢印)とは、反平行に磁化固定されている。このSFP構造により、所謂セルフピン止め型の磁気抵抗効果素子Mになっている。
磁気抵抗効果素子Mの非磁性材料層3は、Cu(銅)などの非磁性導電材料が用いられる。また、フリー磁性層4は、NiFe、CoFe、CoFeNiなどの軟磁性材料が用いられ、それら単層構造、或いは積層構造で構成される。また、保護層H7は、Ta(タンタル)などが用いられる。
以上のように構成された磁気抵抗効果素子Mでは、固定磁性層2を図2に示したセルフピン止め構造により形成することで、磁場中でのアニール処理が不必要になり、成膜時に磁界をかけることにより、感度軸方向を任意の方向に揃えることができる。このため、複数回の成膜を行うことで、同一の基板19上に感度軸方向が異なる複数の磁気抵抗効果素子Mを形成することが可能になる。このセルフピン止め構造は、一旦、磁化固定してしまえば、第1磁性層12と第2磁性層22間に生じる強いRKKY(Rudermann、Kittel、Kasuya、Yoshida)相互作用により、次の磁気抵抗効果素子Mの固定磁性層2に対する磁場中成膜によっても、既に成膜された固定磁性層2の磁化固定方向が揺らぐことは無い。
次に、ブリッジ回路について説明する。図4は、本発明の第1実施形態の磁気センサに係わる磁気抵抗効果素子Mをブリッジ接続した回路図であって、図4(a)は、測定用のブリッジ回路であり、図4(b)は、温度補償用のブリッジ回路である。図4には、それぞれの磁気抵抗効果素子Mの感度軸方向を示している。なお、感度軸方向は、固定磁性層2(第2磁性層22)の磁化方向と一致している。
本発明の第1実施形態の4つのブリッジ回路は、4つの磁気抵抗効果素子Mを用いた第1ブリッジ回路BC1と、4つの磁気抵抗効果素子Mを用いた第2ブリッジ回路BC2と、4つの磁気抵抗効果素子Mを用いた第3ブリッジ回路BC3と、4つの磁気抵抗効果素子Mを用いた第4ブリッジ回路BC4と、を有して構成されている。
先ず、第1ブリッジ回路BC1は、図4(a)に示すように、第1方向D1(図1に示すY1方向)にピン止めされた第1磁気抵抗効果素子M1と、第1方向D1にピン止めされた第2磁気抵抗効果素子M2と、第2方向D2(図1に示すY2方向)にピン止めされた第3磁気抵抗効果素子M3と、第2方向D2にピン止めされた第4磁気抵抗効果素子M4と、から構成されている。つまり、図1に示すように、第1磁気抵抗効果素子M1及び第2磁気抵抗効果素子M2の感度軸方向(第1方向D1)と、第3磁気抵抗効果素子M3及び第4磁気抵抗効果素子M4の感度軸方向(第2方向D2)とは、反平行に配設されている。この4つの磁気抵抗効果素子Mは、図3(a)に示すパターンを用いている。
また、図4(a)に示すように、第1磁気抵抗効果素子M1の一端と第4磁気抵抗効果素子M4の一端とを接続して第1接続部CN1が形成され、第2磁気抵抗効果素子M2の一端と第3磁気抵抗効果素子M3の一端とを接続して第2接続部CN2が形成され、第1磁気抵抗効果素子M1の他端と第3磁気抵抗効果素子M3の他端とを接続して第3接続部CN3が形成され、第4磁気抵抗効果素子M4の他端と第2磁気抵抗効果素子M2の他端とを接続して第4接続部CN4が形成されている。
そして、第1ブリッジ回路BC1では、第1接続部CN1と第2接続部CN2の間に所定の電位が印加されて、第3接続部CN3と第4接続部CN4から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われるように構成されている。
このような第1ブリッジ回路BC1を有した磁気センサに対して、例えば外部磁界が図1に示すX1方向に作用したとすると、外部磁界が各感度軸方向(第1方向D1及び第2方向D2)に対して直交する方向から作用するため、磁気抵抗効果素子M(M1、M2、M3、M4)の電気抵抗値は等しくなり、図4(a)に示す第3接続部CN3及び第4接続部CN4の中点電位は変動しない(センサ出力はゼロである)。
また、例えば外部磁界が回転して、図1に示すY1方向に作用したとすると、第1磁気抵抗効果素子M1及び第2磁気抵抗効果素子M2の感度軸方向(第1方向D1)と外部磁界の方向とが一致するため、電気抵抗値は小さくなり、一方、第3磁気抵抗効果素子M3及び第4磁気抵抗効果素子M4では、感度軸方向(第2方向D2)と外部磁界の方向とが反対方向であるため、電気抵抗値は大きくなる。このため、第3接続部CN3及び第4接続部CN4の中点電位がそれぞれ逆符号で変動することとなり、この変動の差分値が磁気センサの出力値として出力されるようになる。この差分値は、外部磁界の方向の向きに伴い変動し、外部磁界の方向に対応した値が得られるようになる。
次に、第2ブリッジ回路BC2は、図1及び図4(b)に示すように、第2方向D2にピン止めされた第5磁気抵抗効果素子M5と、第1方向D1にピン止めされた第6磁気抵抗効果素子M6と、第1方向D1にピン止めされた第7磁気抵抗効果素子M7と、第2方向D2にピン止めされた第8磁気抵抗効果素子M8と、から構成されている。つまり、図1に示すように、第6磁気抵抗効果素子M6及び第7磁気抵抗効果素子M7の感度軸方向(第1方向D1)と、第5磁気抵抗効果素子M5及び第8磁気抵抗効果素子M8の感度軸方向(第2方向D2)とは、反平行に配設されている。この4つの磁気抵抗効果素子Mも、図3(a)に示すパターンを用いている。
また、図4(b)に示すように、第5磁気抵抗効果素子M5の一端と第8磁気抵抗効果素子M8の一端とを接続して第5接続部CN5が形成され、第6磁気抵抗効果素子M6の一端と第7磁気抵抗効果素子M7の一端とを接続して第6接続部CN6が形成され、第5磁気抵抗効果素子M5の他端と第7磁気抵抗効果素子M7の他端とを接続して第7接続部CN7が形成され、第8磁気抵抗効果素子M8の他端と第6磁気抵抗効果素子M6の他端とを接続して第8接続部CN8が形成されている。
そして、第2ブリッジ回路BC2では、第5接続部CN5と第6接続部CN6の間に所定の電位が印加されて、第7接続部CN7及び第8接続部CN8から温度変化にのみ対応する出力が行われるように構成されている。
このような第2ブリッジ回路BC2を有した磁気センサに対して、例えば外部磁界が図1に示すX1方向に作用したとすると、外部磁界が各感度軸方向(第1方向D1及び第2方向D2)に対して直交する方向から作用するため、磁気抵抗効果素子M(M5、M6、M7、M8)の電気抵抗値は等しくなり、図4(b)に示す第7接続部CN7及び第8接続部CN8の中点電位は変動しない(センサ出力はゼロである)。
また、例えば外部磁界が回転して、図1に示すY1方向に作用したとすると、第6磁気抵抗効果素子M6及び第7磁気抵抗効果素子M7の感度軸方向(第1方向D1)と外部磁界の方向とが一致するため、電気抵抗値は小さくなり、一方、第5磁気抵抗効果素子M5及び第8磁気抵抗効果素子M8では、感度軸方向(第2方向D2)と外部磁界の方向とが反対方向であるため、電気抵抗値は大きくなる。しかしながら、第2ブリッジ回路BC2では、第7接続部CN7及び第8接続部CN8で振り分けられた磁気抵抗効果素子Mにおける、電気抵抗値の変動が同じ変動量なので、第7接続部CN7及び第8接続部CN8の中点電位は変動するが、第7接続部CN7及び第8接続部CN8の差分値は出力されない(センサ出力はゼロである)。このように、第2ブリッジ回路BC2は、外部磁界の方向の向きに影響を受けない構成となっている。
一方、磁気抵抗効果素子Mは、温度によってもその抵抗値が変動するので、それぞれの磁気抵抗効果素子Mにおける僅かな温度特性の違いにより、低温時及び高温時においては、第7接続部CN7及び第8接続部CN8の中点電位が変動し、この変動の差分値が磁気センサの出力値として出力されるようになる。なお、第1ブリッジ回路BC1においても同様に、低温時及び高温時における出力値が変動している。
これにより、この第2ブリッジ回路BC2の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第1ブリッジ回路BC1の出力を補正することで、温度変化による第1ブリッジ回路BC1の出力の中点電位ドリフトを補正することができる。このことにより、磁気センサの検出精度を向上させることができる。
また、本発明の第1実施形態の磁気センサは、上述した第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2の組合せのように、更に第3ブリッジ回路BC3と第3ブリッジ回路BC3に対する温度補償を行うための第4ブリッジ回路BC4と、を有している。
先ず、第3ブリッジ回路BC3は、第3方向D3(図1に示すX1方向)にピン止めされた第9磁気抵抗効果素子M9と、第3方向D3にピン止めされた第10磁気抵抗効果素子M10と、第4方向D4(図1に示すX2方向)にピン止めされた第11磁気抵抗効果素子M11と、第4方向D4にピン止めされた第12磁気抵抗効果素子M12と、から構成されている。つまり、図1に示すように、第9磁気抵抗効果素子M9及び第10磁気抵抗効果素子M10の感度軸方向(第3方向D3)と、第11磁気抵抗効果素子M11及び第12磁気抵抗効果素子M12の感度軸方向(第4方向D4)とは、反平行に配設されている。この4つの磁気抵抗効果素子Mも、図3(a)に示すパターンを用いている。この4つの磁気抵抗効果素子Mは、図3(b)に示すパターンを用いている。
また、図4(a)に示すように、第9磁気抵抗効果素子M9の一端と第12磁気抵抗効果素子M12の一端とを接続して第9接続部CN9が形成され、第10磁気抵抗効果素子M10の一端と第11磁気抵抗効果素子M11の一端とを接続して第10接続部CN10が形成され、第9磁気抵抗効果素子M9の他端と第11磁気抵抗効果素子M11の他端とを接続して第11接続部CN11が形成され、第12磁気抵抗効果素子M12の他端と第10磁気抵抗効果素子M10の他端とを接続して第12接続部CN12が形成されている。
そして、第9接続部CN9と第10接続部CN10の間に所定の電位が印加されて、第11接続部CN11と第12接続部CN12から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われるように構成されている。そして、第3ブリッジ回路BC3の出力値は、第1ブリッジ回路BC1に対して、位相がずれた出力値となっている。
この第3ブリッジ回路BC3は、第1ブリッジ回路BC1と同様に、第11接続部CN11と第12接続部CN12からの出力値の差分が、外部磁界の方向の向きに伴い変動し、外部磁界の方向に対応した値が得られるようになっている。
最後に、第4ブリッジ回路BC4は、図1及び図4(b)に示すように、第3方向D3にピン止めされた第13磁気抵抗効果素子M13と、第4方向D4にピン止めされた第14磁気抵抗効果素子M14と、第4方向D4にピン止めされた第15磁気抵抗効果素子M15と、第3方向D3にピン止めされた第16磁気抵抗効果素子M16と、から構成されている。つまり、図1に示すように、第13磁気抵抗効果素子M13及び第16磁気抵抗効果素子M16の感度軸方向(第3方向D3)と、第14磁気抵抗効果素子M14及び第15磁気抵抗効果素子M15の感度軸方向(第4方向D4)とは、反平行に配設されている。この4つの磁気抵抗効果素子Mは、図3(b)に示すパターンを用いている。
また、図4(b)に示すように、第13磁気抵抗効果素子M13の一端と第16磁気抵抗効果素子M16の一端とを接続して第13接続部CN13が形成され、第14磁気抵抗効果素子M14の一端と第15磁気抵抗効果素子M15の一端とを接続して第14接続部CN14が形成され、第13磁気抵抗効果素子M13の他端と第15磁気抵抗効果素子M15の他端とを接続して第15接続部CN15が形成され、第16磁気抵抗効果素子M16の他端と第14磁気抵抗効果素子M14の他端とを接続して第16接続部CN16が形成されている。
そして、第13接続部CN13と第14接続部CN14の間に所定の電位が印加されて、第15接続部CN15及び第16接続部CN16から温度変化にのみ対応する出力が行われるように構成されている。
第4ブリッジ回路BC4は、第2ブリッジ回路BC2と同様に、第15接続部CN15及び第16接続部CN16からの出力値の差分が、外部磁界の方向の向きに影響を受けない構成となっている。一方、第4ブリッジ回路BC4は、それぞれの磁気抵抗効果素子Mにおける僅かな温度特性の違いにより、低温時及び高温時においては第15接続部CN15及び第16接続部CN16の中点電位が変動し、この変動の差分値が磁気センサの出力値として出力されるようになっている。なお、第3ブリッジ回路BC3においても同様に、低温時及び高温時における出力値が変動している。
これにより、この第4ブリッジ回路BC4の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第3ブリッジ回路BC3の出力を補正することで、温度変化による第3ブリッジ回路BC3の中点電位ドリフトを補正することができる。しかも、第1方向D1及び第2方向D2にピン止めされた第1ブリッジ回路BC1とは違い、第3方向D3及び第4方向D4にピン止めされた第3ブリッジ回路BC3を有しているので、第1ブリッジ回路BC1がセンシングする軸方向とは違う軸方向のセンシングが行えるようになる。
次に、本発明の第1実施形態の磁気センサに係わるチップ素子111において、どのようにして同一の基板19に複数の磁気抵抗効果素子Mを形成するのか、図2及び図5を用いて簡単に説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの磁気抵抗効果素子Mの製造工程を説明する平面工程図である。図5では、複数のチップ素子111を示しているが、実際の製造では、ウェハ19(基板19)に多数のチップ素子111を形成して、最終工程で、チップ素子111毎に切断して、一度に多数のチップ素子111を得ている。また、分かり易くするため、後の工程で作成する、ソース用パッドVdd、グランド用パッドGND、信号用パッドSc及び信号用パッドSsを2点鎖線で示している。また、感度軸方向(第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第4方向D4)を矢印で示している。
先ず、シリコン製のウェハ19を準備し、図5(a)に示すように、このウェハ19上に、第1磁気抵抗効果素子M1、第2磁気抵抗効果素子M2、第6磁気抵抗効果素子M6及び第7磁気抵抗効果素子M7を成膜する。その際に、磁場中成膜によりセルフピン止め構造の固定磁性層2を成膜し、それぞれの固定磁性層2の固定磁化方向が第1方向D1に向くようにする。
次に、図5(b)に示すように、ウェハ19上のスペースの空いた部分に、第3磁気抵抗効果素子M3、第4磁気抵抗効果素子M4、第5磁気抵抗効果素子M5及び第8磁気抵抗効果素子M8を成膜する。その際に、それぞれの固定磁性層2の固定磁化方向が第2方向D2に向くようにする。
次に、図5(c)に示すように、ウェハ19上のスペースの空いた部分に、第9磁気抵抗効果素子M9、第10磁気抵抗効果素子M10、第13磁気抵抗効果素子M13及び第16磁気抵抗効果素子M16を成膜する。その際に、それぞれの固定磁性層2の固定磁化方向が第3方向D3に向くようにする。
次に、図5(d)に示すように、ウェハ19上のスペースの空いた部分に、第11磁気抵抗効果素子M11、第12磁気抵抗効果素子M12、第14磁気抵抗効果素子M14及び第15磁気抵抗効果素子M15を成膜する。その際に、それぞれの固定磁性層2の固定磁化方向が第4方向D4に向くようにする。
その後、成膜されたそれぞれの磁気抵抗効果素子Mを、フォトグラフィー法を用いてエッチング加工し、図3に示すようなミアンダ形状のパターンを形成する。そして、配線パターンP1、ソース用パッドVdd、グランド用パッドGND、信号用パッドSc及び信号用パッドSsを形成した後、最後に、ダイシングで切断して、チップ素子111を得ている。このようにして、磁気抵抗効果素子Mの全てが同一ウェハ19(基板19)上に形成されている1つのチップ素子111を得ることができる。
上述したように、同じピン止め方向の磁気抵抗効果素子Mを同一タイミングで形成している。このため、ピン止め方向が同じ磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの温度特性が全く同じものとなる。このため、測定用の磁気抵抗効果素子Mと温度補償用の磁気抵抗効果素子Mが全く同じ温度特性となり、温度変化によるブリッジ回路の出力の中点電位ドリフトをより正確に補正することができる。このことにより、磁気センサの補正がより正確に行われ、磁気センサの測定精度をより向上させることができる。
また、同一ウェハ19から得られる多数のチップ素子111は、ピン止め方向が同じ磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの温度特性が全く同じものとなるので、同一バッチのチップ素子111を用いたそれぞれの磁気センサの特性バラツキを低減することができる。
また、測定用の磁気抵抗効果素子Mを作製する同じ工程で、温度補償用の磁気抵抗効果素子Mを作製することができるので、工程を新たに増やすこと無しに、チップ素子111を作製することができる。このことにより、工程が複雑にならなく、製造コスト高を抑えることができる。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の磁気センサにおける、効果について、検証結果を交えながら、以下に纏めて説明する。図6は、本発明の第1実施形態の磁気センサにおける効果を説明するグラフである。図6の横軸は、磁気センサの環境温度を示し、縦軸は中点電位のドリフト量(V)を示している。また、図中の結果RA1は、本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの結果であり、図中の結果RC1は、第2ブリッジ回路BC2及び第4ブリッジ回路BC4を有しない、比較例の磁気センサの結果である。
本発明の第1実施形態の磁気センサは、温度変化にのみ対応して出力する第2ブリッジ回路BC2を設けたので、この第2ブリッジ回路BC2の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第1ブリッジ回路BC1の出力を補正することで、温度変化による第1ブリッジ回路BC1の出力の中点電位ドリフトを補正することができる。このことにより、磁気センサの検出精度を向上させることができる。
また、温度変化にのみ対応して出力する第4ブリッジ回路BC4を設けたので、この第4ブリッジ回路BC4の出力を用いて、温度変化とともに出力が変化する第3ブリッジ回路BC3の出力を補正することで、温度変化による第3ブリッジ回路BC3の中点電位ドリフトを補正することができる。このことは、図6に示す結果を見ても明らかなように、温度変化における中点電位のドリフトが大幅に改善され、ほぼドリフトしない状態まで改善がされている。
しかも、第1方向D1及び第2方向D2にピン止めされた第1ブリッジ回路BC1とは違い、第3方向D3及び第4方向D4にピン止めされた第3ブリッジ回路BC3を有しているので、第1ブリッジ回路BC1がセンシングする軸方向とは違う軸方向のセンシングが行えるようになる。
また、磁気抵抗効果素子Mの全てが同一ウェハ19上に形成されているので、同じピン止め方向の磁気抵抗効果素子Mを同一タイミングで形成している。このため、ピン止め方向が同じ磁気抵抗効果素子Mのそれぞれの温度特性が全く同じものとなる。これにより、測定用の磁気抵抗効果素子Mと温度補償用の磁気抵抗効果素子Mが全く同じ温度特性となり、温度変化によるブリッジ回路の出力の中点電位ドリフトをより正確に補正することができる。このことにより、磁気センサの補正がより正確に行われ、磁気センサの測定精度をより向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
図7は、本発明の第1実施形態に係わる磁気センサの変形例1を説明する図であって、図7(a)は、測定用のブリッジ回路であり、図7(b)は、温度補償用のブリッジ回路である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、第1方向D1及び第2方向D2と、第3方向D3及び第4方向D4を有する2軸のブリッジ回路を用いて構成したが、これに限るものではない。例えば、図7に示すように、第3方向D3及び第4方向D4を有した第3ブリッジ回路BC3及び第4ブリッジ回路BC4に加え、第5方向D5及び第6方向D6を有した第5ブリッジ回路BC5及び第6ブリッジ回路BC6と、第7方向D7及び第8方向D8を有した第7ブリッジ回路BC7及び第8ブリッジ回路BC8とを用いて、チップ素子を形成しても良い。その際の第5方向D5、第6方向D6、第7方向D7及び第8方向D8は、図1のX1−X2方向またはY1−Y2方向に対して45度傾いた方向となっている。これにより、磁気センサは、より感度の高い出力値を得ることができる。
<変形例2>
また、第1ブリッジ回路BC1及び第2ブリッジ回路BC2のみか、第3ブリッジ回路BC3及び第4ブリッジ回路BC4のみで、構成しても良い。
<変形例3>
また、例えば第1磁気抵抗効果素子M1及び第3磁気抵抗効果素子M3を用いた測定用のハーフブリッジ回路と、第5磁気抵抗効果素子M5及び第7磁気抵抗効果素子M7を用いた温度補償用のハーフブリッジ回路と、を用いて構成しても良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
M 磁気抵抗効果素子
M1 第1磁気抵抗効果素子
M2 第2磁気抵抗効果素子
M3 第3磁気抵抗効果素子
M4 第4磁気抵抗効果素子
M5 第5磁気抵抗効果素子
M6 第6磁気抵抗効果素子
M7 第7磁気抵抗効果素子
M8 第8磁気抵抗効果素子
M9 第9磁気抵抗効果素子
M10 第10磁気抵抗効果素子
M11 第11磁気抵抗効果素子
M12 第12磁気抵抗効果素子
M13 第13磁気抵抗効果素子
M14 第14磁気抵抗効果素子
M15 第15磁気抵抗効果素子
M16 第16磁気抵抗効果素子
2 固定磁性層
12 第1磁性層
22 第2磁性層
42 非磁性中間層
3 非磁性材料層
4 フリー磁性層
19 ウェハ(基板)
BC1 第1ブリッジ回路
BC2 第2ブリッジ回路
BC3 第3ブリッジ回路
BC4 第4ブリッジ回路
CN1 第1接続部
CN2 第2接続部
CN3 第3接続部
CN4 第4接続部
CN5 第5接続部
CN6 第6接続部
CN7 第7接続部
CN8 第8接続部
CN9 第9接続部
CN10 第10接続部
CN11 第11接続部
CN12 第12接続部
CN13 第13接続部
CN14 第14接続部
CN15 第15接続部
CN16 第16接続部
D1 第1方向
D2 第2方向
D3 第3方向
D4 第4方向

Claims (3)

  1. 固定磁性層とフリー磁性層とが非磁性材料層を介して積層された磁気抵抗効果素子が複数個、備えられてブリッジ回路を構成している磁気センサにおいて、
    前記固定磁性層は、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性中間層を介して積層され、前記第1磁性層と前記第2磁性層とが反平行に磁化固定されたセルフピン止め型であり、
    前記ブリッジ回路は、第1ブリッジ回路と、前記第1ブリッジ回路に対する温度補償を行うための第2ブリッジ回路と、を有し、
    前記第1ブリッジ回路は、第1方向にピン止めされた第1磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第2磁気抵抗効果素子と、第2方向にピン止めされた第3磁気抵抗効果素子と、前記第2方向にピン止めされた第4磁気抵抗効果素子と、からなり、
    前記第1磁気抵抗効果素子の一端と前記第4磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第1接続部が形成され、
    前記第2磁気抵抗効果素子の一端と前記第3磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第2接続部が形成され、
    前記第1磁気抵抗効果素子の他端と前記第3磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第3接続部が形成され、
    前記第4磁気抵抗効果素子の他端と前記第2磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第4接続部が形成されており、
    前記第1接続部と前記第2接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第3接続部と前記第4接続部から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われ、
    前記第2ブリッジ回路は、前記第2方向にピン止めされた第5磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第6磁気抵抗効果素子と、前記第1方向にピン止めされた第7磁気抵抗効果素子と、前記第2方向にピン止めされた第8磁気抵抗効果素子と、からなり、
    前記第5磁気抵抗効果素子の一端と前記第8磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第5接続部が形成され、
    前記第6磁気抵抗効果素子の一端と前記第7磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第6接続部が形成され、
    前記第5磁気抵抗効果素子の他端と前記第7磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第7接続部が形成され、
    前記第8磁気抵抗効果素子の他端と前記第6磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第8接続部が形成されており、
    前記第5接続部と前記第6接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第7接続部及び前記第8接続部から温度変化にのみ対応する出力が行われ、
    前記第2ブリッジ回路の出力により前記第1ブリッジ回路の出力を補正することを特徴とする磁気センサ。
  2. 前記ブリッジ回路は、第3ブリッジ回路と、前記第3ブリッジ回路に対する温度補償を行うための第4ブリッジ回路と、を有し、
    前記第3ブリッジ回路は、第3方向にピン止めされた第9磁気抵抗効果素子と、前記第3方向にピン止めされた第10磁気抵抗効果素子と、第4方向にピン止めされた第11磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第12磁気抵抗効果素子と、からなり、
    前記第9磁気抵抗効果素子の一端と前記第12磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第9接続部が形成され、
    前記第10磁気抵抗効果素子の一端と前記第11磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第10接続部が形成され、
    前記第9磁気抵抗効果素子の他端と前記第11磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第11接続部が形成され、
    前記第12磁気抵抗効果素子の他端と前記第10磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第12接続部が形成されており、
    前記第9接続部と前記第10接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第11接続部と前記第12接続部から温度及び外部磁界の変化に対応した出力が行われ、
    前記第4ブリッジ回路は、前記第3方向にピン止めされた第13磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第14磁気抵抗効果素子と、前記第4方向にピン止めされた第15磁気抵抗効果素子と、前記第3方向にピン止めされた第16磁気抵抗効果素子と、からなり、
    前記第13磁気抵抗効果素子の一端と前記第16磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第13接続部が形成され、
    前記第14磁気抵抗効果素子の一端と前記第15磁気抵抗効果素子の一端とを接続して第14接続部が形成され、
    前記第13磁気抵抗効果素子の他端と前記第15磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第15接続部が形成され、
    前記第16磁気抵抗効果素子の他端と前記第14磁気抵抗効果素子の他端とを接続して第16接続部が形成されており、
    前記第13接続部と前記第14接続部の間に所定の電位が印加されて、前記第15接続部及び前記第16接続部から温度変化にのみ対応する出力が行われ、
    前記第4ブリッジ回路の出力により前記第3ブリッジ回路の出力を補正することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記磁気抵抗効果素子の全ては、同一ウェハ上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気センサ。
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