JP2015171804A - ヘッドチップの製造方法、液体噴射ヘッド、液体噴射装置 - Google Patents

ヘッドチップの製造方法、液体噴射ヘッド、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程数を削減しつつ、ヘッドチップの製造時の劣化も防止できるヘッドチップの製造方法、およびこの製造方法を用いて製造した液体噴射ヘッド、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータプレート40に感光性ドライフィルムを貼付けるドライフィルム貼付け工程と、複数のチャネル45が形成され、かつ感光性ドライフィルムが貼付けられたアクチュエータプレート40に、所定の水溶液への浸漬により触媒を付与する触媒付与工程と、触媒が付与された部分に金属被膜を析出させることにより、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51、ダミー端子53を形成する無電解メッキ工程と、無電解メッキ工程の後アクチュエータプレート40から感光性ドライフィルムを剥離するドライフィルム剥離工程と、を備えている。
【選択図】図5

Description

この発明は、ヘッドチップの製造方法、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関するものである。
近年、記録紙等にインク滴を吐出して文字、図形を描画する、または素子基板の表面に液体材料を吐出して機能性薄膜を形成するインクジェット方式の液体噴射ヘッドが利用されている。
この方式は、インクや液体材料を液体タンクから供給管を介して液体噴射ヘッドに供給し、チャネルに充填したインクや液体材料をチャネルに連通するノズルから吐出させる。インクの吐出の際には、液体噴射ヘッドや噴射した液体を記録する被記録媒体を移動させて、文字や図形を記録する、または所定形状の機能性薄膜を形成している。
この種の液体噴射ヘッドのヘッドチップでは、インク滴を適切に吐出するために、駆動壁の壁面、すなわちチャネルの内壁面に精度良く駆動電極を形成することが必要とされている。このため、ヘッドチップの製造方法として、さまざまな技術が提案されている。
例えば、以下のようなヘッドチップの製造方法が提案されている。
すなわち、まず、予め溝を設けたヘッドチップに導電性薄膜を蒸着、スバッタリングまたはメッキ等により成膜する。次いで、導電性薄膜の上にフォトレジストを塗布する。次いで、所定のパターンのフォトマスクを介して露光、現像させて隔壁上面が露出するレジストマスクを形成する。次いで、ウエットエッチンクまたはドライエッチングにより導電性薄膜の露出部分を除去し、駆動電極を形成する。そして、レジストマスクを剥離液または酸素プラズマ処理等により剥離する(例えば、特許文献1参照)。
また、以下のようなヘッドチップの製造方法が提案されている。
すなわち、ヘッドチップの駆動電極形成面に感光性レジストを塗布した後、感光性レジストの露光、現像を行うことにより、駆動電極形成が必要な部分のヘッドチップを露出させる。次いで、ヘッドチップの駆動電極形成が不要な部分を、感光性レジストにより被覆した状態とし、ヘッドチップ表面を酸性エッチング液でエッチングを行う。そして、エッチング後のヘッドチップ表面に触媒を付与した後、駆動電極形成を行う(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−244668号公報 特開2005−146367号公報
しかしながら、上述の特許文献1にあっては、レジストマスクを形成する前に下地材として導電性薄膜を成膜し、その後、さらに駆動電極を形成する工程を経るので、ヘッドチップの製造工程数が増大してしまうという課題がある。
また、上述の特許文献2にあっては、感光性レジストを塗布してレジスト膜を形成する際、レジスト膜を乾燥(ベーク)させるので、その熱によってヘッドチップが劣化してしまうおそれがあるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、製造工程数を削減しつつ、ヘッドチップの製造時の劣化も防止できるヘッドチップの製造方法、およびこの製造方法を用いて製造した液体噴射ヘッド、液体噴射装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係るヘッドチップの製造方法は、圧電プレートと、前記圧電プレートに形成され、前記圧電プレートの一方の主面側に開口し、かつ前記圧電プレートの厚さ方向に直交する方向に間隔をあけて並んだ複数の溝部と、前記複数の溝部の内壁面にそれぞれ形成され、駆動電圧の印加時に、各溝部の間に画成される駆動壁を変形させることにより液滴を吐出させる駆動電極と、前記圧電プレートの一方の主面上にパターン形成され、前記駆動電極に導通する電極端子部と、を備えるヘッドチップを製造する方法であって、前記圧電プレートにドライフィルムを貼付けるドライフィルム貼付け工程と、前記複数の溝部が形成され、かつ前記ドライフィルムが貼付けられた前記圧電プレートに、所定の水溶液への浸漬により触媒を付与する触媒付与工程と、前記触媒が付与された部分に金属被膜を析出させることにより、前記駆動電極および前記電極端子部を形成する無電解メッキ工程と、前記無電解メッキ工程の後、前記圧電プレートから前記ドライフィルムを剥離するドライフィルム剥離工程と、を備えていることを特徴とする。
このような製造方法とすることで、無電解メッキ後にパターン(マスク)を形成する必要が無くなるので、製造工程数を削減できる。
また、レジスト膜を乾燥させる工程も必要ないので、ヘッドチップの製造時の劣化も防止できる。
本発明に係るヘッドチップの製造方法は、前記ドライフィルム貼付け工程の後、前記圧電プレートに前記複数の溝部を形成することを特徴とする。
このような製造方法とすることで、ヘッドチップに対してドライフィルムを高精度に位置決めして貼付ける必要がなく、製造工程を簡素化できる。
本発明に係る液体噴射ヘッドは、上記に記載のヘッドチップの製造方法を用いて製造されたヘッドチップと、前記駆動電極に前記駆動電圧を印加する制御手段と、を備えることを特徴とする。
このように構成することで、製造工程数を削減しつつ、ヘッドチップの製造時の劣化も防止される液体噴射ヘッドを提供できる。
本発明に係る液体噴射装置は、上記に記載の液体噴射ヘッドと、被記録媒体を予め決められた搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、前記被記録媒体に対して前記液体噴射ヘッドを前記搬送方向に直交する方向に走査させる走査手段と、を備えることを特徴とする。
このように構成することで、製造工程数を削減しつつ、ヘッドチップの製造時の劣化も防止される信頼性の高い液体噴射装置を提供できる。
本発明によれば、無電解メッキ後にパターン(マスク)を形成する必要が無くなるので、製造工程数を削減できる。
また、レジスト膜を乾燥させる工程も必要ないので、ヘッドチップの製造時の劣化も防止できる。
本発明の実施形態における液体噴射記録装置の構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態における液体噴射ヘッドの斜視図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの斜視図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるアクチュエータプレートとカバープレートとを分解した状態における拡大斜視図である。 図3のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態におけるヘッドチップの製造工程を示すフローチャートである。 本発明の実施形態におけるチャネルを形成した状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。 本発明の実施形態における第1触媒付与工程によって金属パラジウムを堆積させた状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。 本発明の実施形態における第2触媒付与工程によって金属パラジウムを堆積させた状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。 本発明の実施形態における無電解メッキ工程によって金属被膜を析出させた状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。 本発明の実施形態における無電解メッキ工程によって金属被膜を析出させた状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。 本発明の実施形態におけるレジスト剥離工程によってレジストを剥離した状態を示すアクチュエータプレートの断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態では、液体としてインクを噴射することにより、被記録媒体に記録を行う液体噴射記録装置(液体噴射装置)を例に挙げて説明する。
(液体噴射記録装置の構成)
図1は、液体噴射記録装置の構成を示す斜視図である。
同図に示すように、液体噴射記録装置1は、記録紙等の被記録媒体Sを搬送する一対の搬送手段2、3と、被記録媒体Sに図示しないインク(液体)を噴射する液体噴射ヘッド4と、液体噴射ヘッド4にインクを供給するインク供給手段5と、液体噴射ヘッド4を被記録媒体Sの搬送方向Yと直交する走査方向Xに走査させる走査手段6と、を備える。
なお、本実施形態では、搬送方向Yおよび走査方向Xの2方向に直交する方向を上下方向Zとする。
一対の搬送手段2、3は、搬送方向Yに間隔をあけて配置されており、一方の搬送手段2が搬送方向Yの上流側に位置し、他方の搬送手段3が搬送方向Yの下流側に位置している。これら搬送手段2、3は、走査方向Xに延設されたグリッドローラ2a、3aと、このグリッドローラ2a、3aに対して平行に配置されると共に、グリッドローラ2a、3aとの間で被記録媒体Sを挟み込むピンチローラ2b、3bと、グリッドローラ2a、3aをその軸回りに回転させるモータ等の図示しない駆動機構と、をそれぞれ備えている。
そして、一対の搬送手段2、3のグリッドローラ2a、3aを回転させることで、被記録媒体Sを搬送方向Yに沿った矢印A方向に搬送することが可能とされている。
インク供給手段5は、インクが収容されたインクタンク10と、インクタンク10と液体噴射ヘッド4とを接続するインク配管11と、を備えている。
図示の例では、インクタンク10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の四色のインクがそれぞれ収容されたインクタンク10Y、10M、10C、10Bが搬送方向Yに並んで配置されている。インク配管11は、例えば可撓性を有するフレキシブルホースであり、液体噴射ヘッド4を支持するキャリッジ16の動作(移動)に追従可能とされている。
走査手段6は、走査方向Xに延び、搬送方向Yに間隔をあけて互いに平行に配置された一対のガイドレール15と、これら一対のガイドレール15に沿って移動可能に配置されたキャリッジ16と、このキャリッジ16を走査方向Xに移動させる駆動機構17と、を備えている。
駆動機構17は、一対のガイドレール15の間に配置され、走査方向Xに間隔をあけて配置された一対のプーリ18と、これら一対のプーリ18の間に巻回されて走査方向Xに移動する無端ベルト19と、一方のプーリ18を回転駆動させる駆動モータ20と、を備えている。
上記キャリッジ16は、無端ベルト19に連結されており、一方のプーリ18の回転駆動による無端ベルト19の移動に伴って走査方向Xに移動可能とされている。また、キャリッジ16には、複数の液体噴射ヘッド4が走査方向Xに並んだ状態で搭載されている。
図示の例では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各インクをそれぞれ噴射する4つの液体噴射ヘッド4、すなわち液体噴射ヘッド4Y、4M、4C、4Bが搭載されている。
(液体噴射ヘッドの構成)
次に、液体噴射ヘッド4について詳細に説明する。
図2は、液体噴射ヘッドの斜視図である。
同図に示すように、液体噴射ヘッド4は、キャリッジ16に固定される固定プレート25と、この固定プレート25上に固定されたヘッドチップ26と、インク供給手段5から供給されたインクを、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41aにさらに供給するインク供給部27と、ヘッドチップ26に駆動電圧を印加する制御手段28と、を備えている。
この液体噴射ヘッド4は、上記駆動電圧が印加されることで、各色のインクを所定の噴出量で吐出する。このとき、液体噴射ヘッド4が走査手段6により走査方向Xに移動することにより、被記録媒体Sにおける所定範囲に記録を行うことができる。この走査を、搬送手段2、3により被記録媒体Sを搬送方向Yに搬送しながら繰り返し行うことで、被記録媒体Sの全体に記録を行うことが可能となる。
上記固定プレート25には、アルミ等の金属製のベースプレート30が上下方向Zに沿って起立した状態で固定されていると共に、ヘッドチップ26の後述するインク導入孔41aにインクを供給する流路部材31が固定されている。流路部材31の上方には、インクを貯留する貯留室を内部に有する圧力緩衝器32がベースプレート30に支持された状態で配置されている。そして、流路部材31と圧力緩衝器32は、インク連結管33を介して連結され、圧力緩衝器32にはインク配管11が接続されている。
そして、圧力緩衝器32は、インク配管11を介してインクが供給されると、該インクを内部の貯留室内に一旦貯留した後、所定量のインクをインク連結管33および流路部材31を介してインク導入孔41aに供給する。
なお、これら流路部材31、圧力緩衝器32およびインク連結管33は、上記インク供給部27として機能する。
また、固定プレート25には、ヘッドチップ26を駆動するための集積回路等の制御回路(駆動回路)35が搭載されたIC基板36が取り付けられている。この制御回路35と、ヘッドチップ26の後述するコモン(吐出)電極50およびダミー電極52は、図示しない配線パターンがプリント配線されたフレキシブル基板37を介して電気接続されている。これにより、制御回路35は、フレキシブル基板37を介してコモン電極50とダミー電極52との間に、駆動電圧を印加することが可能とされる。
なお、これら制御回路35が搭載されたIC基板36、およびフレキシブル基板37は、上記制御手段28として機能する。
(ヘッドチップの構成)
続いて、上記ヘッドチップ26について詳細に説明する。
図3は、ヘッドチップの斜視図、図4は、ヘッドチップの分解斜視図である。
図3、図4に示すように、ヘッドチップ26は、アクチュエータプレート(圧電プレート)40、カバープレート41、支持プレート42およびノズルプレート43を備え、後述する液体噴射チャネル45Aの長手方向端部に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるエッジシュートタイプとされている。
図5は、アクチュエータプレートとカバープレートとを分解した状態における拡大斜視図、図6は、図3のB−B線に沿う断面図である。
図4〜図6に示すように、アクチュエータプレート40は、第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bの2枚のプレートを積層した積層プレート(積層基板)とされている。これら第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bは、共に厚さ方向に分極処理された圧電基板、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)セラミックス基板であり、互いの分極方向を反対に向けた状態で接合されている。
このアクチュエータプレート40は、厚さ方向L1に直交する第1方向(配列方向)L2に長く、厚さ方向L1および第1方向L2に対して直交する第2方向L3に短い、平面視略長方形状に形成されている。
なお、本実施形態のヘッドチップ26はエッジシュート対応であるので、厚さ方向L1が液体噴射記録装置1における走査方向Xに一致し、かつ第1方向L2が搬送方向Y、第2方向L3が上下方向Zに一致する。
また、本実施形態では、アクチュエータプレート40の側面のうち、ノズルプレート43に対向する側面を前端面40aと称し、この前端面40aとは第2方向L3の反対側に位置する側面を後端面40bと称する。
アクチュエータプレート40の一方の主面(カバープレート41が重なる面)40c(図5、図6参照)には、第1方向L2に所定の間隔をあけて並んだ複数のチャネル45が形成されている。これら複数のチャネル45は、一方の主面40c側に開口した状態で第2方向L3に沿って直線状に延びる溝部であり、長手方向の一方側がアクチュエータプレート40の前端面40a側に開口している。これら複数のチャネル45の間には、断面略矩形状で第2方向L3に延びる駆動壁(圧電隔壁)46が形成されている。この駆動壁46によって、各チャネル45はそれぞれ区分けされている。
また、複数のチャネル45は、インクが充填される液体噴射チャネル(液体吐出溝)45Aと、インクが充填されないダミーチャネル(液体非吐出溝)45Bと、に大別される。そして、これら液体噴射チャネル45Aとダミーチャネル45Bは、第1方向L2に交互に並んで配置されている。
このうち、液体噴射チャネル45Aは、アクチュエータプレート40の後端面40b側に開口することなく、前端面40a側にだけ開口した状態で形成されている。一方、ダミーチャネル45Bについては、アクチュエータプレート40の前端面40a側だけでなく、後端面40b側にも開口するように形成されている。
液体噴射チャネル45Aの内壁面、すなわち第1方向L2に向かい合う一対の側壁面および底壁面には、コモン電極(駆動電極)50が形成されている。このコモン電極50は、液体噴射チャネル45Aに沿って第2方向L3に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたコモン端子(電極端子部)51に導通している。
なお、各コモン端子51はそれぞれ電気的に独立するようにパターン形成されている。また、本実施形態のコモン電極50は、上記したように液体噴射チャネル45Aにおける内壁面の全体に形成されているので、一対の側壁面上に形成された側面電極50aと、底壁面上に形成されている。そして、側面電極50a同士を接続する底面電極50bとにより、断面U字状に形成された電極とされている。
一方、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、第1方向L2に向かい合う一対の側壁面には、ダミー電極(駆動電極)52がそれぞれ形成されている。これらダミー電極52は、ダミーチャネル45Bに沿って第2方向L3に延び、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に形成されたダミー端子(電極端子部)53に導通している。
なお、ダミー端子53は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上における後端面40b側に形成されている。そして、液体噴射チャネル45Aを挟んだ両側に位置するダミー電極52同士(異なるダミーチャネル45B内に形成されたダミー電極52同士)を、接続するように形成されている。
この際、ダミー端子53は、一方の主面40c上において、コモン端子51よりも後端面40b側に離間した位置で第1方向L2に延びることにより、ダミー電極52同士をブリッジ状に繋ぐように形成されている。
なお、本実施形態のダミー電極52は、上記したコモン電極50と同様に、ダミーチャネル45Bの内壁面全体に一旦形成された後、内壁面における底壁面上に形成された電極部分がレーザ加工やダイシング加工等によって分断されることにより、ダミーチャネル45Bの一対の側壁面にそれぞれ電気的に切り離された状態で形成される。
この他に、ダミーチャネル45Bの内壁面全体に形成されたダミー電極52を電気的に切り離す方法としては、液体噴射チャネル45Aと比較してダミーチャネル45Bの溝深さを深く形成し、一方の主面40cとは反対側の他方の主面40d(図5における下側の主面)をグラインダー等により切削し、ダミーチャネル45Bを厚さ方向両端で開口させる方法がある。但し、この場合、アクチュエータプレート40の他方の主面40dにガラス板等の支持板を貼付け、分断されたダミーチャネル45Bの側壁を支持する必要がある。
このような構成のもと、フレキシブル基板37を介して制御回路35がコモン端子51およびダミー端子53を通じて、コモン電極50とダミー電極52との間に駆動電圧を印加すると、駆動壁46が変形する。そして、液体噴射チャネル45A内に充填されたインクに圧力変動が生じる。これにより、液体噴射チャネル45A内のインクをノズル孔43aより吐出することができ、被記録媒体Sに文字や図形等の各種情報を記録することが可能となる。
図3および図4に示すように、上記カバープレート41は、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に重ね合されている。このカバープレート41には、インク導入孔41aが第1方向L2に長い平面視矩形状に形成されている。
このインク導入孔41aには、図6に示すように、流路部材31を介して供給されてきたインクを液体噴射チャネル45A内に導入させ、かつダミーチャネル45B内への導入を規制する複数のスリット55aが形成されたインク導入板55が形成されている。つまり、複数のスリット55aは、液体噴射チャネル45Aに対応する位置に形成されており、各液体噴射チャネル45A内にのみインクを充填することが可能とされる。
なお、カバープレート41は、例えばアクチュエータプレート40と同じPZTセラミックス基板で形成され、アクチュエータプレート40と同じ熱膨張をさせることで、温度変化に対する反りや変形を抑制している。但し、この場合に限られず、アクチュエータプレート40とは異なる材料でカバープレート41を形成しても構わないが、熱膨張係数が近い材料を用いることが好ましい。
図3および図4に示すように、支持プレート42は、重ね合されたアクチュエータプレート40およびカバープレート41を支持していると共に、ノズルプレート43を同時に支持している。支持プレート42には、第1方向L2に沿って嵌合孔42aが形成されており、重ね合されたアクチュエータプレート40およびカバープレート41をこの嵌合孔42a内に嵌め込んだ状態で支持している。この際、支持プレート42は、アクチュエータプレート40の前端面40aと面一となるように組み合わされている。
上記ノズルプレート43は、支持プレート42およびアクチュエータプレート40の前端面40aに、例えば接着等により固定されている。
ノズルプレート43は、例えばポリイミド等のフィルム材からなるシートである。なお、ノズルプレート43における被記録媒体Sに対向する対向面には、例えばインクの付着等を防止するための撥水膜がコーティングされている。
また、ノズルプレート43には、第1方向L2に所定の間隔をあけて複数のノズル孔43aが一列に並んだ状態で形成されている。これらノズル孔43aは、複数の液体噴射チャネル45Aに対してそれぞれ対向する位置に形成されており、各液体噴射チャネル45A内に連通する。なお、通常時にノズル孔43aからインクが吐出されないように、各ノズル孔43aにおいて適切なメニスカスが保たれている。
(液体噴射記録装置の作用)
上記のように構成された液体噴射記録装置1により、被記録媒体Sに情報を記録する場合の作用について説明する。
この場合には、図1に示すように、例えば、一対の搬送手段2、3により被記録媒体Sを搬送方向Yに搬送させながら、走査手段6によりキャリッジ16を介して各液体噴射ヘッド4を走査方向Xに往復移動させる。この間に、各液体噴射ヘッド4において、制御回路35がコモン端子51とダミー端子53との間に駆動電圧を印加する。これにより、駆動壁46に厚みすべり変形を生じさせ、液体噴射チャネル45A内に充填されたインクに圧力波を発生させる。この圧力波により、液体噴射チャネル45Aの内圧が高まるので、インクをノズル孔43aから吐出させることができる。この際、インクはノズル孔43aを通過する際に、液滴状のインク滴となって吐出される。
その結果、被記録媒体Sに4色のインクを利用して、文字や図形等の各種情報を記録することができる。
(ヘッドチップの製造方法)
次に、上述したヘッドチップ26の製造方法について説明する。
ヘッドチップ26の製造方法としては、アクチュエータプレート40に複数のチャネル45を形成する工程と、複数のチャネル45が形成されたアクチュエータプレート40に各電極を形成する工程と、カバープレート41を加工する工程と、支持プレート42を加工する工程と、ノズルプレート43を加工する工程と、これらを一体に組み合わせる工程と、を備える。
ここでは、主にアクチュエータプレート40に関連する工程について、図7〜図13に基づいて詳細に説明する。
図7は、ヘッドチップの製造工程を示すフローチャート、図8〜図13は、各製造工程におけるアクチュエータプレートの断面図である。
まず、図7に示すように、厚み方向に分極処理された第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bを互いの分極方向を反対に向けた状態で重ね合せ、例えば接着等により接合する。そして、接合した第1アクチュエータプレート40Aおよび第2アクチュエータプレート40Bを、例えば図示しないダイシングブレード等により所定のサイズに加工する。
次いで、アクチュエータプレート40の他方の主面40dにマウンティングテープ60を貼付けた後、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上に感光性ドライフィルム61を貼付ける(ドライフィルム貼付け工程S1)。そして、フォトリソ技術を用い、アクチュエータプレート40上のコモン端子51とダミー端子53に対応する位置において感光性ドライフィルム61に対して露光、現像を行い、感光性ドライフィルム61を所定のパターンに形成する(露光・現像工程S2)。
具体的には、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51およびダミー端子53の形成領域以外の部分に、感光性ドライフィルム61をパターニングする。なお、アクチュエータプレート40上の複数のチャネル45に対応する領域においては感光性ドライフィルム61に対して露光、現像を行わず、感光性ドライフィルム61を残す。
次いで、図7、図8に示すように、図示しないダイシングブレード等により、アクチュエータプレート40の一方の主面40c側に、一定の間隔をあけて複数のチャネル45が平行に並ぶように切削加工する。すなわち、アクチュエータプレート40の一方の主面40c側において、感光性ドライフィルム61ごとアクチュエータプレート40を切削加工し、複数のチャネル45を形成する(チャネル形成工程S3)。
なお、露光・現像工程S2とチャネル形成工程S3は、感光性ドライフィルム61に所望のパターンが形成できれば工程の順番が逆になっても構わない。また、露光・現像工程S2により感光性ドライフィルム61にパターニングする際に、アクチュエータプレート40上の複数のチャネル45に対応する位置も露光、現像し、チャネル形成工程S3によって、感光性ドライフィルム61ごとアクチュエータプレート40を切削加工しないようにする方法も可能である。このようにすることで、複数のチャネル45に対応する位置における感光性ドライフィルム61のパターニングにより、アクチュエータプレート40上で複数のチャネル45を加工する位置を明確に判別することができる。
また、チャネル45を形成する際、ダイシングブレードによる切削加工に限定されるものではなく、プレス加工やエッチング加工等により形成しても構わない。但し、エッチング加工によりチャネル45を形成する場合、上記の感光性ドライフィルム61とは別に、コモン端子51やダミー端子53を形成するための(コモン端子51やダミー端子53の形成領域をエッチングさせないための)マスクが必要になる。
次いで、複数のチャネル45が形成されたアクチュエータプレート40に対して、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51およびダミー端子53の各電極を形成する工程を行う。本実施形態では、この工程を無電解メッキによって行う。
具体的には、複数のチャネル45が形成されたアクチュエータプレート40に、所定の水溶液への浸漬により触媒を付与する触媒付与工程S10と、触媒が付与された部分に金属被膜(メッキ金属)を析出させることで、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51およびダミー端子53の各電極を形成する無電解メッキ工程S11を行う。
上記触媒付与工程S10は、所定周波数の超音波振動を水溶液に加えながら触媒を付与する第1触媒付与工程S10Aと、超音波振動を水溶液に加えずに触媒を付与する第2触媒付与工程S10Bと、を少なくともそれぞれ1回ずつ順序不同で行う。
これら各工程について詳しく説明する。なお、本実施形態では第1触媒付与工程S10Aを先に行った後、第2触媒付与工程S10Bを行う場合を例に挙げて説明する。
はじめに、触媒付与工程S10を行うための準備工程として、複数のチャネル45が形成されたアクチュエータプレート40を超音波洗浄する(超音波洗浄工程S4)。これにより、チャネル45の形成時に生じた塵埃や屑等を除去できる。
次いで、アクチュエータプレート40の脱脂を行い、さらに有機物等の除去を行う(脱脂工程S5)。具体的には、脱脂液、例えば株式会社ワールドメタル製「PT−0」(有機酸類15w%+ポリオキシエチルノニルフェニルエーテル5w%+水80w%、pH=1)に、1〜3分程度、浸漬して洗浄することで脱脂を行う。
次いで、アクチュエータプレート40の表面を粗面化(クレバス状の凹みを形成)してアンカー効果を持たせる第1エッチング処理を行う(第1エッチング処理工程S6)。具体的には、アクチュエータプレート40を水洗いした後、エッチング液、例えば株式会社ワールドメタル製「PT−1」(酸化フッ化アンモニウム1.5w%+硝酸8.5w%+水90w%、pH=2)に、10〜20秒程度、浸漬することで行う。
次いで、粗面化によって形成されたクレバス状の凹み部分をなだらかにして過度の凹みをなくす第2エッチング処理を行う(第2エッチング処理工程S7)。具体的には、アクチュエータプレート40を水洗いした後、酸化液、例えば株式会社ワールドメタル製「PT−2」(硝酸46w%+水54w%、pH=2)に、30〜60秒程度、浸漬することで行う。
次いで、アクチュエータプレート40を、再度超音波洗浄(超音波洗浄工程S8)することで、上記準備工程が終了する。なお、この再度の超音波洗浄を行うことで、各チャネル45内からエッチング液を追い出して、所定時間以上、チャネル45内がエッチングされてしまうことを防止する効果を得ることができる。
次いで、第1触媒付与工程S10Aを行う。
この工程としては、まず、アクチュエータプレート40を塩化第1錫水溶液に浸漬して、塩化第1錫をアクチュエータプレート40の表面に吸着させるセンシタイジング処理(センシタイジング工程S20)を行う。
具体的には、塩化第1錫水溶液、例えば株式会社ワールドメタル製「PT−3」(塩化スズ(II)二水和物4w%+無機酸類14w%+塩化水素8w%+水74w%、pH<1)に、15〜120秒程度、浸漬することで行う。
次いで、アクチュエータプレート40を軽く水洗い等して洗浄(洗浄工程S21)した後、塩化パラジウム水溶液に浸漬して、塩化パラジウムを吸着させ、先に吸着した、塩化第1錫と塩化パラジウムとの間で酸化還元反応(Sn2++Pd2+→Sn4++Pd)を生じさせて、触媒として金属パラジウムPd(図9参照)を析出させるアクチベーティング処理(アクチベーティング処理工程S22)を行う。
具体的には、塩化パラジウム溶液、例えば株式会社ワールドメタル製「PT−4」(塩化水素1w%+パラジウム塩類0.15w%+無機塩類0.5w%+水98.35w%、pH=1)に、15〜120秒程度、浸漬することで行う。
しかも、この第1触媒付与工程S10Aでは、上記したセンシタイジング工程S20およびアクチベーティング工程S22のいずれにおいても、例えば20kHz〜100kHzの周波数で振動する超音波振動を各水溶液に加えながら行う。
これにより、塩化第1錫および塩化パラジウムを積極的に拡散させて、チャネル45の内部まで入り込ませることができ、図9に示すように、チャネル45の内壁面のうち底壁面と、側壁面における底壁面側(チャネル45の側壁面のうちの略下半分)と、に主に金属パラジウムPdを堆積させることができる。
次いで、アクチュエータプレート40を軽く水洗いした後、第2触媒付与工程S10Bを連続して行う。この工程では、超音波振動を加えずに、第1触媒付与工程S10Aと同じ工程を繰り返し行う。すなわち、センシタイジング工程S20、洗浄工程S21およびアクチベーティング工程S22を順に行う。
この第2触媒付与工程S10Bでは、超音波振動を加えないので、塩化第1錫および塩化パラジウムをチャネル45の内部まで積極的に入り込ませずに、図10に示すように、金属パラジウムPdをアクチュエータプレート40の一方の主面40c上と、チャネル45の側壁面における開口側と、に主に堆積させることができる。
このように、第1触媒付与工程S10Aおよび第2触媒付与工程S10Bを適宜使い分けながらそれぞれ1回ずつ行うので、各チャネル45の内壁面全体(底壁面および側壁面)およびアクチュエータプレート40の一方の主面40c上に、十分な量の金属パラジウムPdをムラなく付与することができる。
そして、第2触媒付与工程S10Bが終了した後、金属パラジウムPdが付与されたアクチュエータプレート40をメッキ液に浸漬することで、金属パラジウムPdが付与された部分に金属被膜Mを析出させる無電解メッキ工程S11を行う。
なお、無電解メッキ工程S11で使用する電極金属としては、特に限定されるものではない。例えば、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等が挙げられ、特にNiを用いることが好ましい。
ここで、金属被膜Mは、2層の金属被膜M1、M2により構成されている。具体的には、金属被膜Mは、Ni−Bからなる下地金属被膜M1と、金からなる仕上げ金属被膜M2とにより構成されている。このため、無電解メッキ工程S11では、まず、下地金属被膜M1を析出させた後(図11参照)、この上から仕上げ金属被膜M2を析出させる(図12参照)。
その後、マウンティングテープ60および感光性ドライフィルム61を剥離する(レジスト剥離工程S12)。これにより、図13に示すように、金属被膜Mを利用して、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51およびダミー端子53の各電極をパターン形成することができる。
なお、この段階では、ダミーチャネル45Bの内壁面全体にダミー電極52が形成されている。その後、レーザ加工又はダイシング加工等を行うことで、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち底壁面上に形成されている部分を第2方向L3に沿ってライン状に除去することで、分断する。これにより、図5に示すように、ダミーチャネル45Bの内壁面のうち、第1方向L2に対向する一対の側壁面上にダミー電極52を電気的に切り離した状態でそれぞれ形成することができる。
そして、最後に、各電極が形成されたアクチュエータプレート40、カバープレート41、支持プレート42およびノズルプレート43を一体に組み合わせることで、ヘッドチップ26の製造が終了する。
このように上述の実施形態では、アクチュエータプレート40に金属被膜Mを形成するにあたり、従来のように、無電解メッキ工程S11を行った後に各電極のパターン形成を行うためのレジストを形成するのではなく、無電解メッキ工程S11の前に予め電極形成用の感光性ドライフィルム61をアクチュエータプレート40に貼付けている。このため、各電極(コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51およびダミー端子53)を同時に形成することができ、ヘッドチップ26の製造工程数を削減できる。
また、アクチュエータプレート40に金属被膜Mを形成するにあたり、従来のように、レジスト膜を塗布して乾燥させる工程が必要ないので、乾燥熱によるアクチュエータプレート40の劣化も防止できる。
さらに、アクチュエータプレート40に複数のチャネル45を形成するにあたり、予めアクチュエータプレート40に感光性ドライフィルム61を貼付け、この感光性ドライフィルム61をフォトリソ技術により所定のパターンに形成した後、感光性ドライフィルム61が貼付けられていない箇所を切削加工するようにしている。このため、アクチュエータプレート40に対して感光性ドライフィルム61を高精度に位置決めして貼付ける必要がなく、ヘッドチップ26の製造工程を簡素化できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、アクチュエータプレート40に形成される金属被膜Mは、金属被膜Mは、Ni−Bからなる下地金属被膜M1と、金からなる仕上げ金属被膜M2との2層構造になっている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、金属被膜Mを1層で構成しても良いし、2層以上の多層で構成しても良い。また、金属被膜Mを1層とする場合は、無電解メッキとして、例えばNi−PメッキやNi−Bメッキ等が挙げられ、特にNi−Bメッキが好ましい。Ni−Bメッキの場合、B含有量は通常1%以下であるので、Ni−PよりNi含有量が多く、電気抵抗が低く、且つ電気接続性が良いためである。
また、上述の実施形態において、無電解メッキ工程S11を行う際、メッキ液に対して界面活性剤(ピット防止剤)を添加することに加え、所定の速度で揺動させることが好ましい。
このようにすることで、無電解メッキの際に発生する気泡を除去し易くなり、この気泡に起因する密着不良や表面のざらつき等のメッキ不良を抑制することができる。
また、上述の実施形態では、第1触媒付与工程S10Aを先に行い、その後に第2触媒付与工程S10Bを行ったが、先に説明したようにこれらの順序は不同であるので、第2触媒付与工程S10Bを先に行った後に、第1触媒付与工程S10Aを行っても構わない。
但し、上述の実施形態のように、第1触媒付与工程S10Aを先に行い、その後、第2触媒付与工程S10Bを行う方が好ましい。このようにすることで、先に、各チャネル45の底壁面と側壁面における底壁面側とに、主に金属パラジウムPdを堆積させることができ(図9参照)、その後、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上と各チャネル45の側壁面における開口側とに、主に金属パラジウムPdを堆積させることができる(図10参照)。
このように、各チャネル45の底壁面側から開口側に向かって順に金属パラジウムPdを堆積させることができるので、チャネル45の内壁面全体およびアクチュエータプレート40の一方の主面40c上に対して金属パラジウムPdをより均一に堆積させ易い。そのため、コモン電極50、ダミー電極52、コモン端子51及びダミー端子53の各電極を、均一且つ十分な厚みで形成し易い。
また、上述の実施形態では、第1触媒付与工程S10A及び第2触媒付与工程S10Bを1回ずつ行った場合を説明したが、この場合に限定されるものではなく、どちらかの工程を2回以上行っても構わないし、両方の工程を2回以上行っても構わない。そして、これらの場合において、第1触媒付与工程S10A及び第2触媒付与工程S10Bをそれぞれ行う毎に無電解メッキ工程S11を行っても良いし、第1触媒付与工程S10A及び第2触媒付与工程S10Bを連続して行った後に、無電解メッキ工程S11を行っても良い。
いずれにしても、触媒付与工程S10については、第1触媒付与工程S10Aと第2触媒付与工程S10Bとを少なくともそれぞれ1回ずつ順序不同で行えば良い。
特に、第2触媒付与工程S10Bについては、連続して繰り返し行うことが好ましい。
このようにすることで、アクチュエータプレート40の一方の主面40c上と、チャネル45の側壁面における開口側と、に主に堆積される金属パラジウムPdの堆積量を調整できるので、コモン端子51及びダミー端子53の厚みを任意に調整することができる。
なお、第2触媒付与工程S10Bを繰り返し行う場合において、水溶液の希釈濃度、具体的には上述した「PT−3」、「PT−4」の希釈濃度を徐々に変化させても良い。このようにすることで、例えば金属パラジウムPdの堆積量を容易に調整し易い。
また、上述の実施形態では、エッジシュートタイプのヘッドチップ26を例に挙げて説明したが、この場合に限定されず、液体噴射チャネル45Aの長手方向中央に臨むノズル孔43aからインクを吐出する、いわゆるサイドシュートタイプとしても構わない。
この場合には、例えばアクチュエータプレート40の他方の主面側にノズルプレート43を重ね合せ、液体噴射チャネル45Aの長手方向中央部分にノズル孔43aに連通する連通口を形成する等すれば良い。
1…液体噴射記録装置(液体噴射装置) 2、3…搬送手段 4…液体噴射ヘッド 6…走査手段 26…ヘッドチップ 28…制御手段 40…アクチュエータプレート(圧電プレート) 40c…アクチュエータプレートの一方の主面 45…チャネル(溝部) 45A…液体噴射チャネル(溝部) 45B…ダミーチャネル(溝部) 46…駆動壁 50…コモン電極(駆動電極) 50a…側面電極 51…コモン端子(電極端子部) 52…ダミー電極(駆動電極) 53…ダミー端子(電極端子部) 61…感光性ドライフィルム(ドライフィルム) M…金属被膜 S…被記録媒体 Y…搬送方向 L1…厚さ方向

Claims (4)

  1. 圧電プレートと、
    前記圧電プレートに形成され、前記圧電プレートの一方の主面側に開口し、かつ前記圧電プレートの厚さ方向に直交する方向に間隔をあけて並んだ複数の溝部と、
    前記複数の溝部の内壁面にそれぞれ形成され、駆動電圧の印加時に、各溝部の間に画成される駆動壁を変形させることにより液滴を吐出させる駆動電極と、
    前記圧電プレートの一方の主面上にパターン形成され、前記駆動電極に導通する電極端子部と、
    を備えるヘッドチップを製造する方法であって、
    前記圧電プレートにドライフィルムを貼付けるドライフィルム貼付け工程と、
    前記複数の溝部が形成され、かつ前記ドライフィルムが貼付けられた前記圧電プレートに、所定の水溶液への浸漬により触媒を付与する触媒付与工程と、
    前記触媒が付与された部分に金属被膜を析出させることにより、前記駆動電極および前記電極端子部を形成する無電解メッキ工程と、
    前記無電解メッキ工程の後、前記圧電プレートから前記ドライフィルムを剥離するドライフィルム剥離工程と、
    を備えていることを特徴とするヘッドチップの製造方法。
  2. 前記ドライフィルム貼付け工程の後、前記圧電プレートに前記複数の溝部を形成することを特徴とする請求項1に記載のヘッドチップの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のヘッドチップの製造方法を用いて製造されたヘッドチップと、
    前記駆動電極に前記駆動電圧を印加する制御手段と、
    を備えることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドと、
    被記録媒体を予め決められた搬送方向に沿って搬送する搬送手段と、
    前記被記録媒体に対して前記液体噴射ヘッドを前記搬送方向に直交する方向に走査させる走査手段と、を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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