JP2015170779A - 積層型フィルムコンデンサ、コンデンサモジュール、および電力変換システム - Google Patents

積層型フィルムコンデンサ、コンデンサモジュール、および電力変換システム Download PDF

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Abstract

【課題】内部電極間での短絡の防止と、静電容量の増加と、を両立できる積層型フィルムコンデンサを提供する。
【解決手段】積層型フィルムコンデンサ100は、フィルム10a、20aと、フィルム10a、20aよりも薄いフィルム10b、20bと、の厚さの異なる2種類のフィルムを備える。積層方向の中央部を含む第1のブロック30A(6〜11層目)は、フィルム10a、20aが交互に複数層積層された領域である。積層方向の端部を含む第2のブロック30B(1〜5層目、12〜16層目)は、フィルム10b、20bが交互に複数層積層された領域である。第1のブロック30Aの積層方向の上端と下端に、第2のブロック30Bが配置されて積層体30が構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型フィルムコンデンサ、コンデンサモジュール、および電力変換システムに関する。
コンデンサの一種として、積層型フィルムコンデンサがある。積層型フィルムコンデンサでは、高温での使用時に、誘電体フィルムで絶縁破壊が起こり、両内部電極間が短絡することがある。
このような短絡を避けるためには、高温時でも絶縁破壊が生じないような、十分な厚さの誘電体フィルムを使用しなければならない。
一方、所定のサイズの積層型フィルムコンデンサで、その静電容量を大きくするためには、積層数を大きくする必要があるため、誘電体フィルムの厚さはできるだけ薄い方が望ましい。
積層型フィルムコンデンサの誘電体フィルムの厚さは、両者のバランスを考慮して決定される。特許文献1に開示された積層型フィルムコンデンサは、このような例である。
一方、特許文献2に開示された積層型フィルムコンデンサは、内部電極が形成される2種類の厚さの誘電体フィルムを巻回して交互に積層して形成される。2種類の誘電体フィルムは、一方が他方の1.2倍以上の厚さを備える。
上記の2種類の誘電体フィルムを備える積層型フィルムコンデンサでは、少なくとも膜の一方を厚くすることにより、複数の層にわたって同一箇所が破壊する貫通型破壊を防止している。
国際公開第2011/055517号 特公平7−70418号公報
特許文献1に開示された積層型フィルムコンデンサの場合は、誘電体フィルムが厚くなるためコンパクトに積層数を増やすことが難しく静電容量の増加は容易ではない。
特許文献2に開示された積層型フィルムコンデンサの場合は、比較的コンパクトに積層数をある程度増やすことができ、その分静電容量は増加する。
しかし、特許文献2でも、薄い方の誘電体フィルムを介して両内部電極間で短絡が発生してしまう。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、内部電極間での短絡の防止と、静電容量の増加と、を両立できる積層型フィルムコンデンサを提供することを目的とする。
本発明の第1の観点に係る積層型フィルムコンデンサは、誘電体フィルム上に第1の内部電極が形成されたフィルムと、誘電体フィルム上に第2の内部電極が形成されたフィルムとが、交互に複数層積層された積層体と、前記第1の内部電極に接続された第1の電極と、前記第2の内部電極に接続された第2の電極とを備える積層型フィルムコンデンサであって、前記積層体の積層方向の両端部のそれぞれの層に配置される誘電体フィルムは、積層方向の一方の端部の層と他方の端部の層との間の中央部の層に配置される誘電体フィルムよりも薄い、ことを特徴とする。
隣り合う2つの層の誘電体フィルムにおいて、前記中央部の層に近い層の誘電体フィルムは、前記積層方向の端部に近い誘電体フィルムの厚さ以上の厚さを有し、前記中央部の層に配置される誘電体フィルムよりも薄い厚さの前記誘電体フィルムは、使用される層における使用時の最高温度での絶縁性が、前記中央部の層における使用時の最高温度での前記中央部の層の前記誘電体フィルムの絶縁性を下回らない厚さであってもよい。
前記積層体は、積層方向に連続する複数のフィルムを1ブロックとする複数のブロックで構成され、前記ブロック内の誘電体フィルムは同じ厚さであってもよい。
本発明の第2の観点に係るコンデンサモジュールは、本発明の第1の観点に係る1個以上の積層型フィルムコンデンサと、前記1個以上の積層型フィルムコンデンサを収納する容器と、前記第1の電極と接触され、その一部が前記容器外に引き出された第1の外部電極と、前記第2の電極と接触され、その一部が前記容器外に引き出された第2の外部電極と、前記容器内に充填され、前記積層型フィルムコンデンサを封止する封止材と、を備える、ことを特徴とする。
本発明の第3の観点に係る電力変換システムは、直流電力と交流電力の一方を他方に変換する電力変換システムであって、直流電圧に重畳するサージを低減するための平滑用コンデンサとして、第1の観点に係る積層型フィルムコンデンサ、または第2の観点に係るコンデンサモジュールの少なくとも一方が用いられる、ことを特徴する。
本発明によれば、内部電極間での短絡の防止と、静電容量の増加と、を両立できる積層型フィルムコンデンサを提供することができる。
本発明の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサを示す断面図である。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの各層の誘電体フィルムの厚さを2種類として、その厚さを切り替える積層方向の位置の設定を説明する図である。(a)は、積層型フィルムコンデンサ使用時における各層の最高温度についての積層方向の温度分布の一例を示すグラフであり、(b)は、積層体の積層方向の位置における誘電体フィルムの絶縁性を示すグラフである。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの各層の誘電体フィルムの厚さを3種類として、その厚さを切り替える積層方向の位置の設定を説明する図である。(a)は、積層型フィルムコンデンサ使用時における各層の最高温度についての積層方向の温度分布の一例を示すグラフであり、(b)は、積層体の積層方向の位置における誘電体フィルムの絶縁性を示すグラフである。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの内部電極形成工程と切断工程を説明する図である。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの切断されたフィルムを示す平面図である。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの積層工程、およびメタリコン処理工程を示す断面図である。 (a)は、外部電極を取り付けた実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの斜視図である。(b)は、(a)に示す積層型フィルムコンデンサを使用したコンデンサモジュールの断面図である。 (a)は、外部電極を取り付けた3個の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの斜視図である。(b)は、(a)に示す積層型フィルムコンデンサを使用したコンデンサモジュールの断面図である。 実施形態に係る積層型フィルムコンデンサを用いた電力変換システムを示す回路ブロック図である。
以下、本発明の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサ、コンデンサモジュール、及び電力変換システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、理解を容易にするため、各図において、積層型フィルムコンデンサ100の誘電体フィルム1の厚さ方向をZ軸、Z軸に直交する一方の軸をX軸、Z軸に直交する他方の軸をY軸とする直交座標を設定し、適宜参照する。
(実施形態)
図1に例示したように、本発明の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサ100は、フィルム10a、20aと、フィルム10a、20aよりも薄いフィルム10b、20bの厚さの異なる2種類のフィルムを備える。フィルム10aとフィルム20aは同じ厚さを有し、フィルム10bとフィルム20bは同じ厚さを有する。積層方向の中央部を含む第1のブロック30A(6〜11層目)は、フィルム10a、20aが交互に複数層積層された領域である。積層方向の端部を含む第2のブロック30B(1〜5層目、12〜16層目)は、フィルム10b、20bが交互に複数層積層された領域である。第1のブロック30Aの積層方向の上端と下端に、第2のブロック30Bが配置されて積層体30が構成される。第1のブロック30Aと第2のブロック30Bの境界位置では、第1のブロック30A側にフィルム10aが配置される場合には、第2のブロック30B側にフィルム20bが配置される。一方で、第1のブロック30A側にフィルム20aが配置される場合には、第2のブロック30側にフィルム10bが配置される。積層方向の中央部(8層目)に配置されるフィルムは、積層方向の端部に配置されるフィルム(1層目と16層目)よりも厚い。また、隣り合うフィルムは、第1のブロック30A内及び第2のブロック30B内では同じ厚さであり、第1のブロック30Aと第1のブロック30Bとの境界(例えば、5層目と6層目)では、中央部に近い6層目のフィルム10aは、端部に近い5番目のフィルム20bよりも厚い。
積層体30のX方向に直交する両端面には、メタリコン部4(第1の電極)及びメタリコン部5(第2の電極)が形成される。フィルム10aは、誘電体フィルム1aの表面に金属膜を第1の内部電極2として備え、フィルム20aは、誘電体フィルム1aの表面に金属膜を第2の内部電極3として備える。また、フィルム10bは、誘電体フィルム1bの表面に金属膜を第1の内部電極2として備え、フィルム20bは、誘電体フィルム1bの表面に金属膜を第2の内部電極3として備える。金属膜の厚さは、通常いずれも同じである。
誘電体フィルム1a、1bは、それぞれ厚さT、Tを有し、その大小関係は、T>Tである。ここで、誘電体フィルムの絶縁性は、温度の上昇に伴って低下する。そして、積層体30の温度分布は、積層方向の中央部が最高温度になり、該中央部に配置された誘電体フィルム1aの絶縁性が最も低い。そのため、フィルム厚Tは、積層方向の中央部において、絶縁性の程度を示す値がgまたはそれ以上になる厚さに設定される。gは、製品として必要な絶縁性の程度を示す値よりも高い値である。以下では、絶縁性とは、絶縁の程度を示す値であるとする。例えば、絶縁破壊の生じる電界強度である耐電圧である。図1において、誘電体フィルム1a、1bの厚さの差、及び第1及び第2の内部電極2、3の厚さは、本発明の内容を理解し易くするために、強調して図示されている。なお、積層体30の積層方向(Z方向)の上端と下端の誘電体フィルムは、内部電極の絶縁および保護のために配置されるものである。そのため、コンデンサを保護できる厚さを有していれば十分であり、誘電体フィルム1a、1bのいずれをも用いることができる。
誘電体フィルム1a、1bは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリフェニレンサルファイド(polyphenylene sulfide、PPS)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、マイカ、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリカーボネート(polycarbonate、PC)などの誘電体材料のいずれかで形成される。誘電体フィルム1a、1bは、1枚又は複数枚のフィルムを重ねて構成されてもよい。
第1の内部電極2及び第2の内部電極3は、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)などの金属を材料として真空蒸着により誘電体フィルム1上に形成されるか、あるいは金属箔で形成される。
メタリコン部4は、第1の内部電極2のそれぞれと電気的に接続され、メタリコン部5は、第2の内部電極3とそれぞれ電気的に接続される。メタリコン部4、5は、溶射材である亜鉛(Zn)、銅(Cu)、又はアルミニウム(Al)などを積層体30のX方向に直交する端面にそれぞれ溶射して形成される。
次に、実施例により、実施形態に係る積層型フィルムコンデンサの性能を説明する。
以下の表1は、各種の厚さのポリプレン(PP)製の誘電体フィルムを用いて構成した積層型フィルムコンデンサについて、電界強度を200V/mとしたときの、静電容量の相対値(表では静電容量比で示す)と、耐熱性をシミュレートした結果を示したものである。
実施例は、第1のブロック30Aに配置する誘電体フィルムのフィルム厚Tを3.0μm、誘電体フィルムの積層枚数を4000枚にし、第2のブロック30Bに配置する誘電体フィルムのフィルム厚Tを2.5μm、第1のブロック30Aの積方方向の両端に配置された各ブロックの誘電体フィルムの積層枚数をそれぞれ1200枚ずつ、計2400枚にした。
比較例1では、フィルム厚T及びTをそれぞれ3.0μmにし、第1のブロック30Aの誘電体フィルムの積層枚数を4000枚、第2のブロックの誘電体フィルムの積層枚数を2000枚にした。
比較例2では、フィルム厚T及びTをそれぞれ2.8μmにし、第1のブロック30Aの誘電体フィルムの積層枚数を4285枚、第2のブロックの誘電体フィルムの積層枚数を2143枚にした。
各誘電体フィルムは同じ面積であり、同じ面積と厚さの内部電極が、各誘電体フィルムに形成される。比較例1の誘電体フィルムの厚さは、例えば、電気自動車等に積載される積層型フィルムコンデンサで、通常使用される誘電体フィルムの厚さである。また、実施例および比較例1の積層体30の積層高さ(フィルム厚と誘電体フィルムの積層枚数の積)は18000μmであり、比較例2の積層体30の積層高さは17998μmなので、実施例、比較例1および比較例2の積層体30の容積(誘電体フィルムの面積と積層高さとの積)は、ほぼ同じである。つまり、実施例、比較例1および比較例2は、容積が略同一の試験体を用いている。
Figure 2015170779
表1の静電容量比とは、比較例1に係る積層型フィルムコンデンサの静電容量を基準値として1としたときの各例の積層型コンデンサの静電容量の相対値を示したものである。静電容量比は、内部電極の面積を同じにしたとき、フィルム厚の違いによる内部電極間隔と積層数の違いに基づき算定される。また、ここで言う耐熱性とは、フィルム厚TのPP製の誘電体フィルムにおいて、絶縁破壊が生じない上限温度のことである。
比較例1に係る積層型フィルムコンデンサと比べると、実施例に係る積層型フィルムコンデンサは、耐熱性が同じで、静電容量を15%向上できる。耐熱性が同じになるのは、実施例と比較例1では、第1のブロック30Aの誘電体フィルムのフィルム厚Tが同じだからである。また、静電容量が向上するのは、第2のブロック30Bの誘電体フィルムのフィルム厚Tは、実施例の場合の方が比較例1の場合よりも薄いので、単一層当たりの静電容量がフィルム厚に反比例して大きくなる上、第2のブロック30Bの誘電体フィルムの積層枚数を多くできるからである。なお、後述する理由により、積層体30の耐熱性は、フィルム厚Tの誘電体フィルムについて議論すれば十分である。
また、実施例に係る積層型フィルムコンデンサは、比較例2に係る積層型フィルムコンデンサと比べると、静電容量は同一で、耐熱性が向上する。耐熱性が向上するのは、使用時に最高温度になる積層方向の中央部を含む第1のブロック30Aの誘電体フィルムのフィルム厚Tが、実施例の場合の方が比較例2の場合よりも厚いからである。また、静電容量が同一となるのは、耐熱性を向上させるために比較例2より厚くした第1のブロック30Aの誘電体フィルムのフィルム厚Tに起因して、第1のブロック30Aにおいて低下した静電容量を、比較例2より薄い誘電体フィルムから構成される第2のブロック30Bで補填できるからである。
この結果から、実施例に係る積層型フィルムコンデンサでは、比較例1と比べると、静電容量が大きくなる。また、耐熱性を維持して絶縁破壊が原因となる内部電極間の短絡を防止できるので、その信頼性を保つことができる。一方で、比較例2の様に、静電容量の増加のみを優先させると耐熱性が大幅に低下し、絶縁破壊が生じる虞があるので、信頼性が犠牲になる。
上記の比較により、実施形態に係る積層型コンデンサは、内部電極間での短絡の防止と、静電容量の増加とを両立できる優れた性能を有することが確認された。
次に、図2を参照しながら、フィルム厚Tの誘電体フィルム1aとフィルム厚Tの誘電体フィルム1bとの積層体30内での切り替え位置の設定について説明する。
以下では、フィルム厚TとTの値を予め定め、積層体30の積層方向の中央部(図2のLの位置)の層でのフィルム厚Tの誘電体フィルム1aの絶縁性を示す値gと、フィルム厚Tの誘電体フィルム1bの絶縁性とが等しくなる積層体30の積層方向の位置を求める方法について述べる。フィルム厚Tは、Lの位置の層に配置された誘電体フィルム1aの絶縁性が、gまたはそれ以上の値になる厚さに設定される。フィルム厚Tは、Tよりも小さい値に設定される。
誘電体フィルム1aと誘電体フィルム1bとを切り替える積層体30の積層方向の位置を設定するために、図2に示すグラフを用いる。図2(a)に示すグラフは、積層型フィルムコンデンサ使用時における各層の温度についての積層方向の温度分布を示す。図2(b)に示すグラフは、図2(a)に示す各積層体の積層方向の位置における各層の温度に対する、フィルム厚TとTの誘電体フィルムのそれぞれの絶縁性を示す。ここで、図2(a)では、X軸を積層体の積層方向の位置とし、Y軸を積層体の各層の最高温度としている。また、図2(b)では、X軸を積層体の積層方向の位置とし、Y軸を各誘電体フィルムの絶縁性としている。図2(b)において、実線で描かれた曲線は、フィルム厚Tの誘電体フィルム1aに対応するものであり、破線で描かれた曲線は、フィルム厚Tの誘電体フィルム1bに対応するものである。
図2(a)および図2(b)に示すように、積層体の各層の最高温度が高くなると絶縁性は低下する。また、積層体30の積層方向の温度分布は、積層厚さを共通にした場合、積層体30を構成する誘電体フィルムの積層枚数によらず略一定である。積層体30の積層方向の温度分布は、例えば、積層型フィルムコンデンサ100をフィルム厚Tの誘電体フィルム1aのみで構成したときの、各誘電体フィルム1aの最高温度の評価値をプロットして求める。積層体30は、積層方向に略対称に構成されるので、図2(a)に示す、積層体30の積層方向の温度分布を示す曲線は、X=Lに対して略対称な形状になる。
図2(a)に示す曲線は、積層体30内の内部電極や、メタリコン部に流れるリップル電流に起因して発生するジュール熱、および積層体30の構造を決定する因子(誘電体フィルムの大きさ、および厚さなど)に基づいて求められる。
図2(b)に示す、実線および破線で描かれた曲線は、図2(a)に示す、積層体30の積層方向の温度分布を元に、誘電体フィルム1aのフィルム厚Tおよび誘電体フィルム1bのフィルム厚Tにおける各層の温度でのそれぞれの誘電体フィルムの絶縁性に基づき求められる。図2(b)に示す、実線および破線で描かれた曲線は、図2(a)の曲線と同様に、X=Lに対して略対称な形状になる。図2(b)に破線で示す曲線は、フィルム厚Tを厚くすればY軸の上方にシフトし、薄くすればY軸の下方にシフトする。また、フィルム厚Tは、誘電体フィルム1bの絶縁性が、積層体30内において、Lの位置の層の誘電体フィルム1aの絶縁性を示す値gを下回らない値を有する厚さに設定される。換言すれば、フィルム厚Tは、図2(b)において、破線で示す曲線が、Y=gとなる点を通るような厚さ以上の厚さを有するように設定される。
以下、図2(a)および図2(b)を用いて、積層体30内での、誘電体フィルム1aと誘電体フィルム1bとの切り替え位置を設定する方法を具体的に説明する。
誘電体フィルム1aと誘電体フィルム1bとの切り替え位置は、図2(b)に破線で示す、誘電体フィルム1bの絶縁性を示す曲線において、絶縁性(Y軸の値)を示す値がgになる点を求めることにより設定できる。具体的には、まず、図2(b)に一点鎖線で示すように、(L,g)となる点(図中の黒丸の点)を通るX軸に平行な直線(または実線で示す曲線の接線)を引いて、該直線と破線で示す曲線との交点(図中の白丸の点)を求める。次に、このときの交点のXの値L、Lに最も近く、かつ絶縁性がgを下回らない層を求める。最後に、この層を、積層体30内において、誘電体フィルム1aから誘電体フィルム1bに切り替える層、すなわち、切り替え位置に設定する。前述のように、フィルム厚Tの値に応じて、破線で示す曲線は、Y軸方向にシフトするので、誘電体フィルム1aと誘電体フィルム1bとを切り替える位置は変わる。なお、破線の曲線は略対称なので、当然のことながら、LとLとの差、およびLとLとの差は略同じになる。
このようにして求めた切り替え位置のそれぞれの、積層体30の中央部(X=L)に対して外側の範囲(X≦L、X≧L)の層に、フィルム厚Tの誘電体フィルム1bを配置する。また、LとLの間(L<X<L)の層に、フィルム厚Lの誘電体フィルム1aを配置する。
このように、フィルム厚の異なる2種類の誘電体フィルム(フィルム厚T、T)を用いて積層体30を構成した場合、第2のブロック30B内に配置された誘電体フィルム1b(フィルム厚T)間で構成されたコンデンサの静電容量は、誘電体フィルム1a(フィルム厚T)を配置していたときと比べ、積層数が増える効果(T/T)と、電極間距離が小さくなる効果(T/T)により、(T/T倍になる。
上述の説明では、第2のブロック30Bの積層数を変えても、温度分布は変化しないと近似して、位置L、Lを求めた。なお、このようにして求めたL、Lと、第1のブロック30Aの誘電体フィルム1aのフィルム厚Tおよび第2のブロック30Bの誘電体フィルム1bのフィルム厚Tに基づき、L、Lの位置における温度を詳細に評価し、L、Lの位置に問題がないことを確認してもよい。その場合は、求めた温度分布に基づき、L、Lの位置を修正してもよい。
ここで、Tを種々の値に変えて、上記処理を実行することにより、各種フィルム厚Tの誘電体フィルム1bに対して、切り替え位置を設定できる。なお、L、Lは、積層体30の積層方向の範囲に含まれなければならないので、あまり薄いフィルム厚をTとすることはできない。
これまでは、厚さの異なる2種類の誘電体フィルムを使用するときの、2種類の誘電体フィルムの切り替え位置を設定する方法と各誘電体フィルムを配置する範囲とを説明したが、3種類以上の厚さの異なる誘電体フィルムを用いるときも同様にして、各誘電体フィルムの切り替え位置と配置する範囲とを設定できる。以下、図3を参照して、3種類の誘電体フィルムを用いる場合について説明する。
2種類の誘電体フィルム1a、1bで説明した場合と同様に、3種類の誘電体フィルムのフィルム厚をT、T、およびTとする。フィルム厚TとTは、先に説明したのと同じ値に設定される。フィルム厚Tは、フィルム厚Tよりもさらに小さい値に設定される。つまり、T、T、およびTの大小関係は、T>T>Tになる。
ここで、図3(a)は、図2(a)に示すグラフと同じである。また、図3(b)において、実線および破線で示す曲線は、図2(b)の実線および破線で示す曲線と同じであり、二点鎖線で示す曲線は、フィルム厚Tの誘電体フィルムに対応するものである。図3(b)の一点鎖線で示す直線、黒丸の点、および白丸の点は、図2(b)に示すのと同じである。ここで、二点鎖線で示す曲線も、実線および破線で示す曲線と同様に、X=Lに対して略対称な形状である。T<Tなので、この二点鎖線のグラフは、破線のグラフよりも下方に位置することになる。二点鎖線で示す曲線も、フィルム厚Tの誘電体フィルムと同様に、フィルム厚Tの厚さに応じて、Y軸の上方または下方にシフトする。なお、フィルム厚Tも、フィルム厚Tの絶縁性が、積層体30内において、Lの位置の層の誘電体フィルムの絶縁性を示す値gを下回らない値を有する厚さに設定される。
フィルム厚Tの誘電体フィルムとフィルム厚Tの誘電体フィルムとの切り替え位置(以下、第1の切り替え位置という)は、図2(b)で説明したのと同じになる。また、フィルム厚Tの誘電体フィルムとフィルム厚Tの誘電体フィルムとの切り替え位置(以下、第2の切り替え位置という)は、第1の切り替え位置と同様にして求める。具体的には、まず、一点鎖線で示す直線と、二点鎖線で示す曲線との交点(図中の二重丸の点)を求める。次に、このときの交点のXの値L、Lに最も近く、かつ絶縁性を示す値がgを下回らない層を求める。最後に、この層を、積層体30内において、フィルム厚Tの誘電体フィルムからフィルム厚Tの誘電体フィルムに切り替える層、つまり、第2の切り替え位置に設定する。前述のように、フィルム厚Tの値に応じて、二点鎖線で示す曲線は、Y軸方向にシフトするので、フィルム厚Tの誘電体フィルムとフィルム厚Tの誘電体フィルムとを切り替える位置は変わる。なお、二点鎖線の曲線は略対称なので、当然のことながら、LとLとの差、およびLとLとの差は略同じになる。
このようにして求めた第2の切り替え位置のそれぞれの、積層体30の中央部(X=L)に対して外側の範囲(X≦L、X≧L)の層に、フィルム厚Tの誘電体フィルムを配置する。また、LとLの間、およびLとLの間(L<X≦L、L≦X<L)の層に、フィルム厚Tの誘電体フィルムを配置する。さらに、LとLの間(L<X<L)の層に、フィルム厚Tの誘電体フィルムを配置する。
このように、フィルム厚の異なる3種類の誘電体フィルム(フィルム厚T、T、T)を用いて積層体30を構成した場合、フィルム厚Tの誘電体フィルムを適用した領域において、フィルム厚Tの誘電体フィルム間で構成されたコンデンサの静電容量は、フィルム厚Tの誘電体フィルムを配置していたときと比べ、積層数が増える効果(T/T)と、電極間距離が小さくなる効果(T/T)により、(T/T倍になる。また、フィルム厚Tの誘電体フィルムを適用した領域において、フィルム厚Tの誘電体フィルムで構成されたコンデンサの静電容量は、フィルム厚Tの誘電体フィルムを配置していたときと比べ、積層数が増える効果(T/T)と、電極間距離が小さくなる効果(T/T)により、(T/T倍になる。
上述の説明では、フィルム厚Tの誘電体フィルムを含む領域と、フィルム厚Tを含む領域での積層数を変えても、温度分布は変化しないと近似して、位置L、L、L、Lを求めた。なお、このようにして求めたL、L、L、Lと、フィルム厚T、フィルム厚Tおよびフィルム厚Tに基づき、L、L、L、Lの位置における温度を詳細に評価し、L、L、L、Lの位置に問題がないことを確認してもよい。この場合は、求めた温度分布に基づき、L、L、L、Lの位置を修正してもよい。
ここで、Tの場合と同様に、Tを種々の値に変えて、上記処理を実行することにより、各種フィルム厚Tの誘電体フィルムに対して、切り替え位置を設定できる。なお、L、Lは、積層体30の積層方向の範囲に含まれなければならないので、あまり薄いフィルム厚をTとすることはできない。
上述の例では、フィルム厚の異なる2または3種類の誘電体フィルムの積層体30内での切り替え位置の設定について説明したが、上記と同様の処理により、フィルム厚の異なる4種類以上の誘電体フィルムの積層体30内での切り替え位置も設定できる。
次に、この積層型フィルムコンデンサ100を製造する方法について、図4〜6を参照しながら説明する。ここでは、積層体30内に2個のブロックを配置する例について説明する。
積層型フィルムコンデンサの製造工程は、大きく分けると、内部電極層形成工程と、切断工程と、積層工程と、メタリコン処理工程と、を有する。
(内部電極形成工程)
内部電極形成工程では、図4に示すように、厚さの異なる2種類の誘電体フィルム1a、1bの表面に複数の内部電極層Aを行方向及び列方向に形成する。誘電体フィルム1aは、図1の第1のブロック30Aに配置されるものであり、誘電体フィルム1bは、図1の第2のブロック30Bに配置されるものである。したがって、誘電体フィルム1aの方が誘電体フィルム1bよりも厚い。誘電体フィルム1a、1bの厚さは、図2(a)、(b)に基づき設定される。内部電極層Aは、例えば、誘電体フィルム1a、1bに金属膜を蒸着することにより形成される。例えば、誘電体フィルム1a、1bの長手方向(行方向)に一定の間隔毎に形成され、誘電体フィルム1a、1bの短手方向に2個配置される。内部電極層Aは、第1の内部電極2及び第2の内部電極3として機能する層である。
(切断工程)
次に、誘電体フィルム1を切断する切断工程を行う。切断工程では、一枚の誘電体フィルム1を図4に破線で示す切断線Pに沿ってカッタ等で切断して複数のシート1A、1Bに分ける。各シート1A、1Bは、内部電極層Aを1個ずつ備える。シート1Aは、誘電体フィルム1aに内部電極層Aを形成したものであり、シート1Bは、誘電体フィルム1bに内部電極層Aを形成したものである。以下では、図5に示すように、誘電体フィルム1aのY方向に沿った一側面に内部電極層Aを形成したものをフィルム10aと呼び、誘電体フィルム1aのY方向に沿った他の側面に内部電極層Aを形成したものをフィルム20aと呼ぶ。フィルム20aは、フィルム10aをZ軸回りに180°回転させたものである。また、誘電体フィルム1bについても、内部電極層Aが上記に対応するように形成されたものを、それぞれフィルム10bおよびフィルム20bと呼ぶ。フィルム10bフィルム20bの関係も、フィルム10aフィルム20aの関係と同じである。フィルム10a、10b、20a、20bは同じ大きさである。図5では、フィルム10aとフィルム20a、およびフィルム10bとフィルム20bをそれぞれbだけずらして示している。このbは、積層の際の相互のずらしの量であるオフセットを示している。なお、図4に示した切断線は、切断する位置を見易くするために描いた仮想的な線である。
(積層工程)
次に、フィルム10bとフィルム20bとを交互にZ方向に積層して、第2のブロック30Bを形成する。これと同様にして、フィルム10aとフィルム20aとを用いて、第2のブロック30Bの+Z方向に第1のブロック30Aを形成し、さらに第1のブロック30Aの+Z方向に第2のブロック20Bを形成する。このようにして、積層方向(Z方向)の中央部に第1のブロック30A、積層方向(Z方向)の両端部にそれぞれ第2のブロック30Bが配置された積層体30を形成する(図6(a)参照)。その後、これらを圧着処理して積層体30を形成する。
このとき、フィルム10aとフィルム20a、及びフィルム10bとフィルム20bとは、図6(a)に示すように、Y方向のそれぞれの両端を揃え、図6(b)に示すように、X方向については互いにオフセットb分だけずらして積層する。また、最上層には、金属膜が形成されていない誘電体フィルムが積層される。この誘電体フィルムは、内部電極の絶縁および保護のためのものであるので、誘電体フィルム1a及び誘電体フィルム1bのいずれを用いてもよい。なお、オフセットbは、図5に示すオフセットbと同じものである。
(メタリコン処理工程)
次に、積層体30のX方向の一側面に、メタリコン処理によって溶射材を吹きつけ、メタリコン部4を形成する(図6(c)参照)。メタリコン部4は、積層方向(Z方向)に延在して形成され、第1の内部電極2と接続される。
続いて、積層体のX方向の他の側面に、メタリコン処理によって溶射材を吹きつけ、メタリコン部5を形成する(図6(d)参照)。メタリコン部5は、積層方向(Z方向)に延在して形成され、第2の内部電極3と接続される。
このようにして、第1の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサ100が形成される。
このように形成された積層型フィルムコンデンサ100では、積層体30内に配置された全ての誘電体フィルムの絶縁性が、積層体30の積層方向の中央部に配置された誘電体フィルムの絶縁性を示す値を下回ることはない。そのため、内部電極間での短絡の防止については、均一な層厚で構成される従来の積層型フィルムコンデンサと同等の性能を有する。また、誘電体フィルム1bは、誘電体フィルム1aよりもフィルム厚が薄いので、誘電体フィルム1aのみを配置した積層型コンデンサに比べて静電容量を増加できる。したがって、内部電極間での短絡の防止と、静電容量の増加とを両立できる。
上記の内部電極形成工程では、誘電体フィルム1a、1bにそれぞれ1種類の内部電極層のパターンを形成する例について説明したが、内部電極層のパターンは1種類に限られない。図5の上部に示す内部電極層のパターンに加えて、誘電体フィルム1a、1bのそれぞれの表面に、図5の上部に示す内部電極層のパターンを、図中のZ軸に対して180°回転させたパターンの内部電極層(図5の下部)を形成してもよい。このような2種類のパターンの内部電極層を形成すれば、2個のグループに分けるときに、誘電体フィルム1a、1bをZ軸回りに180°回転させる作業が不要になる。
また、誘電体フィルム1aの内部電極層Aはヒューズ部を備えたものにすることもできる。その場合は、該ヒューズ部は短絡が生じたときに短絡電流が流れて溶断するので、短絡が生じた誘電体フィルム1aの第1の内部電極2のみをメタリコン部4から切り離すことができる。これにより、短絡電流が遮断されるので、その積層型フィルムコンデンサを短絡後も使用できる。
また、内部電極の形状を工夫することにより、メタリコン部4とメタリコン部5の両方を、積層体30のX方向に直交する一方の端面のそれぞれ異なる位置に形成することもできる。このように構成しても、上述した効果と同じ効果を得ることができる。
図7に、積層型フィルムコンデンサ100を使って形成されたコンデンサモジュール200を示す。図7(a)は、第1の外部電極8と第2の外部電極9とが、積層型フィルムコンデンサ100のそれぞれメタリコン部4と5(メタリコン部5については図の下面に隠れていて描かれていない)とに接触するように取り付けられた積層型フィルムコンデンサ100の斜視図である。第1の外部電極8は一方の先端部に第1の外部電極端子8aを備え、第2の外部電極9は一方の先端部に第2の外部電極端子9aを備える。第1の外部電極端子8a及び第2の外部電極端子9aは、それぞれ、バスバーなどへの取り付け穴を有する。第1の外部電極8と第2の外部電極9とは積層型フィルムコンデンサ100に、例えば圧着、又は図示を省略したメッキ部を介して圧着されている。なお、図7(a)で、積層型フィルムコンデンサ100のフィルムの積層方向は矢印で示す方向である。E−E断面上にフィルム10aの第1の内部電極2が位置するとして、図7(a)では、E−E断面上に位置する第1の内部電極2のみを破線で示した。第1の内部電極2はメタリコン部4と接続され、メタリコン部5とは離れている。第2の内部電極3は図示した第1の内部電極2と並行に誘電体フィルム1aまたは1bを介して積層方向に配置され、メタリコン部5と接続され、メタリコン部4とは離れている。図7(a)では、このように第1の内部電極2と第2の内部電極3とが誘電体フィルム1aまたは1bを介して積層方向に交互に配置されている。
図7(b)は、コンデンサモジュール200の断面図を示す。断面位置は、図7(a)のE−Eに対応する。コンデンサモジュール200は、第1の外部電極8と第2の外部電極9とが取り付けられた積層型フィルムコンデンサ100と、これを収納する容器110と、容器110内を封止する封止材120とを備える。図7(a)で説明したように、E−E断面には第1の内部電極2が位置しており、メタリコン部4と接続している。なお、図7(b)では、積層型フィルムコンデンサ100、第1の外部電極8、第2の外部電極9及び容器110については見やすくするためにハッチングを付していない。また、メタリコン部4およびメタリコン部5についてはハッチングに代え黒く塗りつぶした。
容器110は、各種樹脂などの電気絶縁材で構成され、第1の外部電極8と第2の外部電極9とが取り付けられた積層型フィルムコンデンサ100を収納するための、取り外し可能な蓋部(図示略)と、第1の外部電極端子8aと第2の外部電極端子9aのそれぞれの先端部を外部に露出させるためのスリット状の穴(図示略)とを備える。
封止材120は、容器110内に充填し、第1の外部電極8と第2の外部電極9とが取り付けられた積層型フィルムコンデンサ100を容器110内で固定する。封止材120は、外部から容器110へ衝撃が加わったときの積層型フィルムコンデンサ100に対する緩衝材としても機能する。
図8(a)には、3個の積層型フィルムコンデンサ100a〜100cと、これらに、第1の外部電極8及び第2の外部電極9を設けた場合の例を示す。これを図8(b)に示すように容器110に入れて、第1の外部電極端子8a〜8c及び第2の外部電極端子9a〜9cの先端部を容器110の外に露出させて、封止材120を容器110に充填して封止することにより、コンデンサモジュール200を形成してもよい。なお、図8(b)では、積層型フィルムコンデンサ100b、第1の外部電極8、第2の外部電極9及び容器110については見やすくするためにハッチングを付していない。また、メタリコン部4およびメタリコン部5についてはハッチングに代え黒く塗りつぶした。
積層型フィルムコンデンサ100をこのようなコンデンサモジュール200にして使用することにより、積層型フィルムコンデンサ100に関する上記効果に加え、積層型フィルムコンデンサ100を外部に対して保護することができる。更に、取り付け穴を有する外部端子を備えることにより、積層型フィルムコンデンサ100を回路に容易に取り付けることができるようになる。
図9に、実施形態に係る積層型フィルムコンデンサ100を利用した電力変換システム300の例を示す。図9に示す電力変換システム300は、直流電源310からの直流電力を三相交流電力に変換し、三相電力供給線350を介してモータ360に供給する。また、電力変換システム300は、三相交流電力を三相インバータ340で直流電力に変換し、DC/DCコンバータ320を介して、直流電力を直流電源310に供給して、直流電源310を充電する。
電力変換システム300は、直流電源310と、DC/DCコンバータ320と、DCリンクコンデンサ330と、三相インバータ340と、を備える。また、DC/DCコンバータ320は、入力コンデンサ321と、電圧変換回路322と、を備える。
直流電源310は、例えばバッテリ(二次電池)である。
DC/DCコンバータ320は、直流電源310から直流電力が供給されている場合、入力コンデンサ321を介して直流電圧を入力し、電圧変換回路322で昇圧して出力する。入力コンデンサ321は、直流電源310から供給された直流電圧に重畳するサージを低減するための平滑化コンデンサであり、コンデンサモジュール200から構成されている。
DC/DCコンバータ320の出力である昇圧された直流電圧は、DCリンクコンデンサ330を介して三相インバータ340に印加される。DCリンクコンデンサ330は、DC/DCコンバータ320から出力された直流電圧に重畳するサージを低減するための平滑化コンデンサであり、コンデンサモジュール200から構成されている。三相インバータ340は入力された直流電力を三相交流電力に変換して出力する。出力された三相交流電力は、三相電力供給線350を介してモータ360に供給される。
一方、三相インバータ340は、モータ360の回転に伴って発電された三相交流電力を入力した場合、入力された三相交流電力を直流電力に変換してDCリンクコンデンサ330に出力する。DCリンクコンデンサ330は、三相インバータ340から出力された直流電圧のリップル成分を除去する。
そして、DC/DCコンバータ320は、DCリンクコンデンサ330から出力された直流電圧を電圧変換回路322で降圧して、その降圧した直流電圧を入力コンデンサ321で平滑化する。そして、DC/DCコンバータ320は、直流電力を、直流電源310に供給して、バッテリである直流電源310を充電する。
第1の実施形態に係る積層型フィルムコンデンサ100は既に説明したとおり、従来品に比べて高い信頼性を有する。そのため、入力コンデンサ321及びDCリンクコンデンサ330に、実施形態1に係る積層型フィルムコンデンサ100を含むコンデンサモジュール200を使用することにより、電力変換システム300の信頼性を向上させることが出来る。
本明細書の実施形態は、本発明の具体的実施態様の例示であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲において、自在に変形、応用あるいは改良して実施できる。
1a、1b 誘電体フィルム
1A、1B シート
2 第1の内部電極
3 第2の内部電極
4、5 メタリコン部
8 第1の外部電極
9 第2の外部電極
8a、8b、8c 第1の外部電極端子
9a、9b、9c 第2の外部電極端子
10a、10b、20a、20b フィルム
30 積層体
30A 第1のブロック
30B 第2のブロック
100、100a〜100c 積層型フィルムコンデンサ
110 容器
120 封止材
200 コンデンサモジュール
300 電力変換システム
310 直流電源
320 DC/DCコンバータ
321 入力コンデンサ
322 電圧変換回路
330 DCリンクコンデンサ
340 三相インバータ
350 三相電力供給線
360 モータ
A 内部電極層
P 切断線

Claims (5)

  1. 誘電体フィルム上に第1の内部電極が形成されたフィルムと、誘電体フィルム上に第2の内部電極が形成されたフィルムとが、交互に複数層積層された積層体と、前記第1の内部電極に接続された第1の電極と、前記第2の内部電極に接続された第2の電極とを備える積層型フィルムコンデンサであって、
    前記積層体の積層方向の両端部のそれぞれの層に配置される誘電体フィルムは、積層方向の一方の端部の層と他方の端部の層との間の中央部の層に配置される誘電体フィルムよりも薄い、
    ことを特徴とする積層型フィルムコンデンサ。
  2. 隣り合う2つの層の誘電体フィルムにおいて、前記中央部の層に近い層の誘電体フィルムは、前記積層方向の端部に近い誘電体フィルムの厚さ以上の厚さを有し、
    前記中央部の層に配置される誘電体フィルムよりも薄い厚さの前記誘電体フィルムは、使用される層における使用時の最高温度での絶縁性が、前記中央部の層における使用時の最高温度での前記中央部の層の前記誘電体フィルムの絶縁性を下回らない厚さである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層型フィルムコンデンサ。
  3. 前記積層体は、積層方向に連続する複数のフィルムを1ブロックとする複数のブロックで構成され、
    前記ブロック内の誘電体フィルムは同じ厚さである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の積層型フィルムコンデンサ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の1個以上の積層型フィルムコンデンサと、
    前記1個以上の積層型フィルムコンデンサを収納する容器と、
    前記第1の電極と接触され、その一部が前記容器外に引き出された第1の外部電極と、
    前記第2の電極と接触され、その一部が前記容器外に引き出された第2の外部電極と、
    前記容器内に充填され、前記積層型フィルムコンデンサを封止する封止材と、
    を備えることを特徴とするコンデンサモジュール。
  5. 直流電力と交流電力の一方を他方に変換する電力変換システムであって、
    直流電圧に重畳するサージを低減するための平滑用コンデンサとして、請求項1乃至3の何れか1項に記載の積層型フィルムコンデンサ、または請求項4に記載のコンデンサモジュールの少なくとも一方が用いられる、
    ことを特徴する電力変換システム。
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