JP2015168937A - 枠体固定構造及び建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】煩雑な作業を要することなく連結材の注入量を均一化し、さらに熱膨張に起因した外観品質の低下を防止する。
【解決手段】建物躯体10の開口部11に設けた躯体アンカー部材30と、窓枠20に設けた枠体アンカー部材40の支持部42と、筒状を成し、躯体アンカー部材30及び枠体アンカー部材40の支持部42の周囲を覆う状態で配設される型部材50と、非硬化状態で型部材50の内部に注入された後に硬化することにより、躯体アンカー部材30及び枠体アンカー部材40の支持部42を連結する連結材60とを備え、型部材50に注入された連結材60が硬化した後、建物躯体10の開口部11と窓枠20との間に充填材70を充填して硬化させることにより、建物躯体10の開口部11に窓枠20を固定する固定構造であって、型部材50の基部51及び底壁部52を板厚方向に収縮可能となるようにゴムによって成形した。
【選択図】図7

Description

本発明は、枠体固定構造及び建具に関するものである。
RC(鉄筋コンクリート)造等の建物躯体に窓枠を固定する構造として、本件出願人は、先に特許文献1に記載のものを提案した。すなわち、建物躯体の開口部に躯体アンカー部材を設ける一方、窓枠に枠体アンカー部材を設け、これら躯体アンカー部材及び枠体アンカー部材の周囲を型部材によって覆った後、型部材の内部に硬化性樹脂材料から成る連結材を充填して硬化させることにより、躯体アンカー部材及び枠体アンカー部材を連結するようにした固定構造である。
この従来技術によれば、現場での溶接作業を行わないため、溶接電源設備等の機材が不要となるばかりでなく、溶接の際の熱や火花から建物の内外装を保護するための養生が不要になる等、施工作業性や作業コストの点で有利となる。しかも、型部材の内部に連結材を注入するようにしているため、煩雑な作業を要することなく連結材の注入量を枠体の全周で均一化することが可能となる。
特開2011−179235号公報
ところで、建物躯体に窓枠を正式に固定する場合には、上述した固定構造で仮に固定した後に、建物躯体の開口部と窓枠との間にモルタル等の充填材を充填して硬化させる必要がある。
ここで、型部材の内部に注入される連結材と、窓枠の周囲に充填される充填材とが同じ材質であれば、連結材と充填材とが熱膨張した場合にも問題が生じることはない。しかしながら、型部材の内部に注入される連結材と、窓枠の周囲に充填される充填材とでは、要求される条件が異なるため、互いに異なる材料が用いられる場合が多い。例えば、型部材の内部に注入される連結材には、大きな連結強度は必要ないが、できるだけ早期に硬化して躯体アンカー部材及び枠体アンカー部材を連結できることが好ましいため、硬化性樹脂材料が多く用いられる。これに対して窓枠の周囲に充填される充填材には、硬化スピードよりも、硬化した後の連結強度が大きいことが好ましいため、モルタルやコンクリートが多く用いられる。このように型部材の内部に注入される連結材と、窓枠の周囲に充填される充填材とで異なる材質のものが適用された固定構造にあっては、一般的に用いられる樹脂材料の線膨張係数がモルタルに比べてきわめて大きいため、熱膨張した場合に充填材にひびや割れを生じる等、外観品質が低下するおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、煩雑な作業を要することなく連結材の注入量を均一化し、さらに熱膨張に起因した外観品質の低下を防止することのできる枠体固定構造及び建具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る枠体固定構造は、建物躯体の開口部に設けた第1固定部材と、枠体に設けた第2固定部材と、筒状を成し、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周囲を覆う状態で配設される型部材とを有し、前記型部材の内部には、前記第1固定部材及び前記第2固定部材を連結する連結材が充填され、前記建物躯体の開口部と前記枠体との間には充填材を有し、前記型部材において前記連結材と前記充填材との間に位置する部分には、前記型部材の板厚方向に収縮可能な吸収部を設けたことを特徴とする。
また、本発明に係る枠体固定構造は、建物躯体の開口部に設けた第1固定部材と、枠体に設けた第2固定部材と、筒状を成し、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周囲を覆う状態で配設される型部材と、非硬化状態においては粘性を有した不定形状を呈し、非硬化状態で前記型部材の内部に注入された後に硬化することにより、前記第1固定部材及び前記第2固定部材を連結する連結材とを備え、前記型部材に注入された連結材が硬化した後、前記建物躯体の開口部と前記枠体との間に充填材を充填して硬化させることにより、前記建物躯体の開口部に前記枠体を固定する枠体固定構造であって、前記型部材において前記連結材と前記充填材との間に位置する部分には、前記充填材の硬化後に前記型部材の板厚方向に収縮可能な吸収部を設けたことを特徴とする。
これらの発明によれば、充填材の硬化後に連結材が熱膨張した場合には吸収部が収縮することによって充填材への影響が緩和されるため、充填材にひびや割れを招来するおそれがなくなる。
また、本発明は、上述した枠体固定構造において、前記型部材を弾性部材によって成形することにより前記吸収部を構成したことを特徴とする。
この発明によれば、弾性部材によって型部材を成形することで容易に吸収部を構成することが可能となる。
また、本発明は、上述した枠体固定構造において、前記型部材の板厚内に中空部を設けることにより前記吸収部を構成したことを特徴とする。
この発明によれば、弾性部材によって型部材を成型する場合に比べて吸収部を大きく確保することが可能である。
また、本発明に係る建具は、上述したいずれかの枠体固定構造により前記建物躯体の開口部に固定された枠体を備えることを特徴とする。
この発明によれば、充填材の硬化後に連結材が熱膨張した場合に吸収部が収縮することによって充填材への影響が緩和されるため、充填材にひびや割れを招来するおそれがなくなり、外観品質の高い建具を提供することが可能となる。
本発明によれば、第1固定部材及び第2固定部材の周囲を筒状の型部材によって覆うようにしているため、この型部材の内部に連結材を注入しさえすれば、煩雑な作業を要することなく注入量を均一化することが可能となる。しかも、充填材の硬化後に連結材が熱膨張した場合には、吸収部が収縮することによって充填材への影響が緩和されるため、充填材にひびや割れ等、外観品質が低下するおそれがなくなる。
図1は、本発明の実施の形態である枠体固定構造を適用した建具の仮固定状態を示す要部断面平面図である。 図2は、図1におけるX−X線断面図である。 図3は、図1に示した枠体固定構造を適用する建具の仮固定状態を示す概念図である。 図4は、図1に示した枠体固定構造に適用する第2固定部材を示すもので、(a)は正面図、(b)は斜視図である。 図5は、図1に示した枠体固定構造に適用する型部材の外観斜視図である。 図6−1は、図1に示した枠体固定構造において建物躯体に第1固定部材を設けた状態の要部拡大図である。 図6−2は、図1に示した枠体固定構造において建物躯体の開口部に第2固定部材を設けた枠体を建て込んだ状態の要部拡大図である。 図6−3は、図1に示した枠体固定構造において第1固定部材及び第2固定部材の周囲を型部材によって覆った状態の要部拡大図である。 図6−4は、図1に示した枠体固定構造を適用して仮固定した建物躯体の開口部と枠体との間に充填材を充填した状態の要部拡大図である。 図7は、建物躯体の開口部と枠体との間に充填材を充填した状態を模式的に示したもので、(a)は通常の状態を示す要部拡大断面図、(b)は熱膨張した際の要部拡大断面図である。 図8は、図1に示した枠体固定構造に適用する型部材の第1変形例を示したもので、(a)は基部の断面図、(b)は通常状態における基部の要部拡大断面図、(c)は連結材が熱膨張した場合における基部の要部断面図である。 図9は、図1に示した枠体固定構造に適用する型部材の第2変形例を示したもので、(a)は基部の断面図、(b)は通常状態における基部の要部拡大断面図、(c)は連結材が熱膨張した場合における基部の要部断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る枠体固定構造及び建具の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である枠体固定構造を適用した建具の要部を示したものである。ここで例示する枠体固定構造は、RC(鉄筋コンクリート)造の建物躯体10に形成した開口部11に窓枠(枠体)20を固定する場合において、建物躯体10と窓枠20との間をモルタル等の充填材70によって正式に固定する前に、図3に示すように、建物躯体10に対して窓枠20を仮固定するようにしたものである。窓枠20は、上枠部材21、下枠部材22、左右一対の縦枠部材23,23を四周枠組みすることによって構成した矩形の枠状を成すものである。建物躯体10の開口部11は、窓枠20を収容するに十分な大きさの矩形状に形成してある。この建物躯体10の開口部11に対して窓枠20は、躯体アンカー部材(第1固定部材)30、枠体アンカー部材40、型部材50及び連結材60を備えた複数の固定構造ユニットによって固定してある。
躯体アンカー部材30は、図1に示すように、先端が尖った軸部31の基端部に太径の頭部32を有した釘状の部材であり、先端部を建物躯体10に埋設した状態で開口部11の内周面から突設してある。躯体アンカー部材30の軸部31において建物躯体10から突出した部分には、樹脂材料によって成形したカラー部材33が装着してある。カラー部材33は、軸方向の中央部外周面が窪んだ異形の円柱状部材である。
枠体アンカー部材40は、図1及び図4に示すように、略矩形の平板状を成す基板部41と、基板部41において一方の長辺側縁部から基板部41の面外方向に屈曲して延在した支持部(第2固定部材)42とを一体に成形したものである。支持部42は、その基端部が基板部41の長辺に沿って延在する部分のみを有する一方、先端部が基板部41の短辺に沿って延在する部分と長辺に沿って延在する部分とを有したL字状の横断面形状に構成してある。
基板部41には、その中心部にネジ孔41aが形成してあるとともに、短辺側縁部の各中央部に係合片43が形成してある。ネジ孔41aは、内周面にネジ溝を有した貫通孔であり、例えば支持部42よりも長尺のボルト部材140を着脱可能に装着することが可能である。係合片43は、基板部41から一旦支持部42とは反対側に向けて屈曲した後、互いに離隔する方向に向けて延在した部分であり、基板部41との間に窓枠20の突片20aを挟持することのできる間隙を構成している。窓枠20の突片20aは、図1に示すように、それぞれの枠部材21,22,23の各見付け面から外周方向に向けて延在した後、互いに近接する方向に屈曲した部分であり、枠部材21,22,23の全周に渡って形成してある。突片20aの先端相互間隔は、基板部41の長辺よりも短い距離に構成してある。図4からも明らかなように、基板部41及び係合片43には、個々の延在端部に互いに平行、かつ基板部41の長辺に対して傾斜する切欠傾斜面41b,43aが形成してある。これらの切欠傾斜面41b,43aは、相互間の距離が窓枠20に形成した突片20aの相互間隔よりもわずかに短い寸法に構成したものである。
上述の構成を有する枠体アンカー部材40は、切欠傾斜面41b,43aをそれぞれ突片20aの先端縁に平行となる姿勢で基板部41を突片20aの先端間に挿通させた後、図4において枠体アンカー部材40を時計回りに回転させることにより、基板部41と係合片43との間にそれぞれ突片20aを挟持した状態で窓枠20の外周面に取り付けられている。図1及び図2からも明らかなように、枠体アンカー部材40の支持部42は、窓枠20に取り付けられた状態において躯体アンカー部材30の先端部とオーバーラップするようにその長さが設定してある。
型部材50は、図1及び図5に示すように、横断面が円形の筒状を成す基部51の一端に底壁部52を有する一方、基部51の他端が開口したものである。本実施の形態では、型部材50の基部(吸収部)51及び底壁部(吸収部)52を、弾性部材であるゴムによって一体に成形してある。型部材50の基部51及び底壁部52は、板厚方向に沿って外力を加えた場合、弾性的に変形することにより、板厚方向に収縮することが可能である。尚、型部材50を構成するゴムとしては、型部材50の周囲に充填材70を充填した場合にも、その形状を維持することができるとともに、充填材70が硬化した後においても、板厚方向への収縮性を維持することができるものを適用する必要がある。
図からも明らかなように、型部材50の基部51は、底壁部52を有した一方の端部から他方の端部に向けて漸次径が大きくなり、外形が円錐台状を成している。この型部材50には、底壁部52に装着孔52aが形成してあり、かつ基部51に注入孔51aが形成してある。装着孔52aは、枠体アンカー部材40の支持部42に嵌合することのできるL字状の貫通孔であり、注入孔51aは、型部材50の基部51を貫通する円形の開口である。
この型部材50は、図1に示すように、装着孔52aに枠体アンカー部材40の支持部42を挿通させることによって支持部42に装着された状態にあり、その基部51が支持部42及び躯体アンカー部材30の周囲を覆う状態で配置されている。型部材50は、支持部42に対してその延在方向にスライド可能であり、基部51の開口した端面を建物躯体10における開口部11の内周面に当接させた位置に配設されている。型部材50が支持部42の延在方向に沿ってスライドする場合には、支持部42の横断面がL字状に構成されているため、型部材50の円周方向の向きが変更されることがない。
連結材60は、型部材50の内部に充填された固体状の部材であり、型部材50の内部において躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40の支持部42とを連結した状態に維持している。この連結材60は、経時硬化性もしくは熱硬化性、あるいは熱可塑性を有した合成樹脂を材料とするもので、非硬化状態においては流動性を有するとともに型部材50の内部に注入した際に型部材50の内部に留まるだけの粘度を有した不定形状を呈する。一方、硬化状態の連結材60は、躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40の支持部42とを連結した状態に維持するための強度を発現するものである。
以下、上述の枠体固定構造を適用して建物躯体10の開口部11に窓枠20を固定する際の手順について図6−1、図6−2、図6−3、図6−4を適宜参照しながら説明を行う。
この枠体固定構造では、図6−1に示すように、まず開口部11の内周面において所望となる複数の位置にそれぞれ躯体アンカー部材30を突設する。
次いで、躯体アンカー部材30を突設させた建物躯体10の開口部11に窓枠20を建て込む。開口部11に建て込む窓枠20は、上枠部材21、下枠部材22、左右一対の縦枠部材23,23を四周枠組みした状態のものである。
次いで、図6−2に示すように、建物躯体10の開口部11に建て込んだ窓枠20において各躯体アンカー部材30に対応する部位にそれぞれ枠体アンカー部材40を取り付けることにより、躯体アンカー部材30及び枠体アンカー部材40の支持部42を互いに並設する状態でオーバーラップさせる。窓枠20に枠体アンカー部材40を取り付ける場合には、底壁部52が基板部41に対向する状態で予め支持部42に型部材50を装着しておく。このとき、図6−2に示すように、型部材50を基板部41に近接した状態に配置しておき、窓枠20を建て込む際に型部材50と躯体アンカー部材30とが干渉しないようにすることが好ましい。また、型部材50の注入孔51aが手前側に配置されるように、支持部42に対する型部材50の向きを調整しておくことが好ましい。
次いで、図6−3に示すように、型部材50をそれぞれ支持部42に対して建物躯体10に近接するようにスライドさせ、型部材50における基部51の開口端面を建物躯体10に当接させることにより、基部51が支持部42及び躯体アンカー部材30の周囲を覆う状態で躯体アンカー部材30の突出端部をそれぞれ型部材50の内部に収容させる。
その後、各型部材50に対して注入孔51aから非硬化状態の連結材60を注入して型部材50の内部に充填させる。このとき、支持部42に対して型部材50をスライドさせた場合にも、注入孔51aの位置が手前側に配置された状態を維持するため、目視しながら連結材60の注入作業を行うことができる。従って、すべての型部材50に対して連結材60を過不足なく注入することが可能となり、型部材50に充填される連結材60の注入量を複数の箇所で容易に均一化することができる。
上述した状態で連結材60を硬化させれば、連結材60に所定の強度が発現することになり、躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40の支持部42とを連結した状態に維持することができる。つまり、硬化した連結材60によって互いに連結された躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40の支持部42とを介して窓枠20を建物躯体10の開口部11に固定することができるようになる。この場合、上述の実施の形態では、型部材50の内部において枠体アンカー部材40の支持部42と、躯体アンカー部材30の先端部とが互いに並設された状態でオーバーラップしているため、これらがオーバーラップしない場合に比べて連結強度を向上させることが可能である。
最後に、図1に示すように、建物躯体10の開口部11と窓枠20との間に適宜バックアップ材Bを設置し、この状態からモルタル等の充填材70を充填すれば、図6−4に示すように、建物躯体10の開口部11に窓枠20を正式に固定することができる。
上述した枠体固定構造によれば、建物躯体10の開口部11に窓枠20を固定する際に溶接作業が不要となるため、電源設備等の機材を準備する作業や、熱や火花から建物の内外装を保護するための養生を設置する作業が不要となり、施工作業性の向上や作業コストの低減を図ることができる。躯体アンカー部材30及び枠体アンカー部材40としても、金属で成形する必要がなく、材質選定の自由度が向上するという効果も奏する。
しかも、躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40との間を連結する連結材60が非硬化状態において不定形状を呈するため、これら躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40との位置ずれを吸収して両者を固定することができる。特に、上述の枠体固定構造では、躯体アンカー部材30及び枠体アンカー部材40の周囲を型部材50によって覆い、かつ基部51の開口端面を建物躯体10に当接させるようにしているため、型部材50の内部に連結材60を注入しさえすれば、煩雑な作業を要することなく注入量を複数の箇所で均一化することが可能となる。この結果、窓枠20の全周に渡って建物躯体10との連結強度が等しい状態で建物躯体10の開口部11に窓枠20を固定することができ、窓枠20の内部にガラス窓等の障子(図示せず)を配設すれば、建物躯体10に所望の建具を設置することができる。また、型部材50の内部に連結材60を注入する構成であるため、型部材50の向きに関わらず注入中に連結材60が流出する事態を防止することが可能となるばかりでなく、硬化するまでの間、躯体アンカー部材30と枠体アンカー部材40との間に連結材60を確実に留めることができるようになる。
さらに、枠体アンカー部材40として基板部41と支持部42とを一体に成形したものを適用しているため、部品点数の削減を図り、作業性の向上や製造コストの低減を図ることも可能となる。加えて、基板部41にボルト部材140を螺合することのできるネジ孔41aを形成しているため、建物躯体10に形成した開口部11の内周面と窓枠20と間の隙間が大きい箇所に対しても同じ枠体アンカー部材40を適用することが可能である。
またさらに、型部材50としてゴムによって成形したものを適用しているため、熱膨張した場合の連結材60と充填材70との線膨張係数の違いによる影響が型部材50が板厚方向に収縮することで緩和されることになる。すなわち、連結材60の線膨張係数が充填材70に比べてきわめて大きいため、温度が上昇した場合、充填材70に比べて連結材60の体積増加率も大きなものとなる。この結果、連結材60と充填材70との間に単に型部材が介在されている場合には、連結材60の体積増加によって充填材70にひびや割れ等、外観品質を低下させる事態が発生し得る。
しかしながら、上述の枠体固定構造によれば、型部材50として板厚方向に収縮するものを適用しているため、図7の(a)に示す状態から熱膨張した場合にも、図7の(b)に示すように、この型部材50が吸収部となって連結材60の体積増加が吸収緩和され、その影響が充填材70に及ぶおそれがなくなる。これにより、充填材70にひびや割れ等、外観品質を低下させる事態の発生を防止することができるようになる。因に、連結材60の温度が低下して収縮した場合には、型部材50が弾性復元力によって元の状態に復帰する。従って、再度連結材60が熱膨張した場合にも、型部材50によって再び体積増加が吸収緩和されることになる。
尚、上述した実施の形態では、建物躯体としてRC造のものを例示しているが、必ずしもRC造のものに限らず、木造のもの、あるいはセメント成形版、ALC(Autoclaved Lightweight Aerated Concrete)版等、その他のものにも適用することが可能である。
また、上述した実施の形態では、型部材50を第2固定部材である枠体アンカー部材40に保持させるようにしているが、第1固定部材に保持させても構わない。
さらに、上述した実施の形態では、躯体アンカー部材30を建物躯体10に打ち込むことによって設けるようにしているが、必ずしもこれに限定されず、建物躯体から外部に突出した突起物であれば、躯体アンカー部材として適用することが可能である。例えば建物躯体に埋設された鉄筋もしくは鋼棒の一部を外部に露出させれば、これを躯体アンカー部材として適用することができる。この場合、躯体アンカー部材30の建物躯体10への打ち込み作業を省略することができ、作業を一層容易化することが可能となる。
またさらに、上述した実施の形態では、型部材50として横断面が円形で、かつ円錐台状のものを例示しているが、筒状であれば、その他の横断面形状のものであっても良いし、一様な横断面形状のものを適用してももちろん良い。
また、上述した実施の形態では、型部材としてゴムによって成形したものを例示しているが、本発明はこれに限定されず、充填材の硬化後に板厚方向に収縮可能な吸収部を設けることができるものであれば、その他ものであっても良い。
例えば、図8に示す第1変形例では、図8の(a)及び(b)に示すように、型部材150の基部151が外周壁部151a及び内周壁部151bを有した中空状を成している。外周壁部151a及び内周壁部151bは、外周壁部151aの周囲に充填材70を充填した場合にも、それぞれの形状を維持することができるとともに、充填材70が硬化した後においても、板厚方向への収縮性を維持することができるように、それぞれが樹脂材によって成形してある。
また、図9に示す第2変形例では、図9の(a)及び(b)に示すように、型部材250の基部251が外周壁部251a及び内周壁部251bを有した中空状を成し、さらにこれら外周壁部251aと内周壁部251bとの間が波形状を成す中芯部251cによって互いに接着してある。外周壁部251a、内周壁部251b及び中芯部251cは、外周壁部251aの周囲に充填材70を充填した場合にも、それぞれの形状を維持することができるとともに、充填材70が硬化した後においても、板厚方向への収縮性を維持することができるように、それぞれが樹脂材によって成形してある。
これら第1変形例や第2変形例の型部材150,250を適用した場合には、内周壁部151b,251bに接する連結材60と外周壁部151a,251aに接する充填材70とが熱膨張した場合、図8の(c)あるいは図9の(c)に示すように、内周壁部151b,251bが膨張することになるものの、外周壁部151a,251aとの間の中空の層状を成す吸収層(吸収部)152,252が減少することによってこれが吸収されることになる。しかも、ゴムによって成形した実施の形態1の型部材50に比べて吸収層152,252をより一層容易に、かつ大きく確保することが可能となるため、連結材60の膨張による充填材70への影響をより確実に防止することができる。さらに、第2変形例においては、中芯部251cによって内周壁部251bの膨張が抑えられることになり、第1変形例よりも充填材70への影響を確実に抑えることができる。また、型部材の吸収部は、基準となる部材の表面にウレタンスポンジ等の弾性部材を貼り付けたり巻き付けたりすることによって構成することも可能である。弾性部材は、基準となる部材の片側表面だけでも良いし、両側表面に設けても構わない。
尚、上述した実施の形態では、連結材60の線膨張係数が充填材70に比べて大きいことを前提としているが、仮に連結材の線膨張係数が充填材に比べて小さい場合であっても対応することは可能である。
10 建物躯体、11 開口部、20 窓枠、30 躯体アンカー部材、40 枠体アンカー部材、42 支持部、50 型部材、51 基部、52 底壁部、60 連結材、70 充填材、150,250 型部材、152,252 吸収層

Claims (5)

  1. 建物躯体の開口部に設けた第1固定部材と、
    枠体に設けた第2固定部材と、
    筒状を成し、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周囲を覆う状態で配設される型部材とを有し、
    前記型部材の内部には、前記第1固定部材及び前記第2固定部材を連結する連結材が充填され、前記建物躯体の開口部と前記枠体との間には充填材を有し、
    前記型部材において前記連結材と前記充填材との間に位置する部分には、前記型部材の板厚方向に収縮可能な吸収部を設けたことを特徴とする枠体固定構造。
  2. 建物躯体の開口部に設けた第1固定部材と、
    枠体に設けた第2固定部材と、
    筒状を成し、前記第1固定部材及び前記第2固定部材の周囲を覆う状態で配設される型部材と、
    非硬化状態においては粘性を有した不定形状を呈し、非硬化状態で前記型部材の内部に注入された後に硬化することにより、前記第1固定部材及び前記第2固定部材を連結する連結材と
    を備え、前記型部材に注入された連結材が硬化した後、前記建物躯体の開口部と前記枠体との間に充填材を充填して硬化させることにより、前記建物躯体の開口部に前記枠体を固定する枠体固定構造であって、
    前記型部材において前記連結材と前記充填材との間に位置する部分には、前記充填材の硬化後に前記型部材の板厚方向に収縮可能な吸収部を設けたことを特徴とする枠体固定構造。
  3. 前記型部材を弾性部材によって成形することにより前記吸収部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の枠体固定構造。
  4. 前記型部材の板厚内に中空部を設けることにより前記吸収部を構成したことを特徴とする請求項1に記載の枠体固定構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の枠体固定構造により前記建物躯体の開口部に固定された枠体を備えることを特徴とする建具。
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