JP2015166113A - エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】特に多刃のエンドミルにおいて底刃の軸方向すくい角を異なるものとした場合でも切屑詰まりの発生を防ぐとともに、底刃を周方向に等間隔に配置しても切刃強度を確保して、タービンブレードの薄肉部などに対してもビビリ振動の発生を抑制しつつ安定した切削加工を行う。【解決手段】エンドミル本体1の先端部に、エンドミル回転方向Tを向く壁面6aとエンドミル回転方向T後方側を向く壁面とを備えたギャッシュ6が複数形成されて、壁面6aと先端逃げ面7との交差稜線部にそれぞれ底刃8が形成されており、これらの底刃8のうち少なくとも1つの底刃8Aは他の底刃8Bよりも軸方向すくい角θが大きくされるとともに、少なくとも1つの底刃8Aに連なるギャッシュ6Aの壁面6a、6bがなすギャッシュ開き角δAは、他の底刃8Bに連なるギャッシュ6Bのギャッシュ開き角δBよりも小さくされている。【選択図】図4

Description

本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部に複数(多数)の底刃が形成された多刃のエンドミル、特に上記底刃の外周端に凸曲線状のコーナ刃が形成された多刃のラジアスエンドミルに関するものである。
例えば特許文献1には、タービンや過給機等の薄肉難削材製のブレードやインペラーの切削加工を行うものとして、切刃の刃数が6〜30枚とされた多刃のラジアスエンドミルが記載されている。ここで、このような多刃のラジアスエンドミルの底刃やコーナ刃を主に使用して高送りによる高能率加工を行う場合、切屑処理性を確保するために底刃は周方向に等間隔に配置されるのが望ましいが、その場合には底刃が周期的に被削材に食い付くことになるため、タービンブレード等の特に薄肉部の加工を行うときにビビリ振動が発生するおそれがある。
そこで、特許文献2には、偶数枚設けられた底刃の軸方向すくい角を大小2種類で交互に増減させ、工具全体として軸心回りの切削抵抗の分布を平滑化することにより、ビビリ振動の発生を抑制したエンドミル(スクエアエンドミル)が提案されている。なお、この特許文献2に記載されたエンドミルでは、軸方向すくい角が小さい底刃に連続する外周刃の外周すくい角(径方向すくい角)が、軸方向すくい角が大きい底刃に連続する外周刃の外周すくい角よりも大きくなるように、偶数の外周刃の外周すくい角も大小2種類で交互に増減しており、ビビリ振動の発生を一層効果的に抑制するようにしている。
特許第5016737号公報 特許第4313579号公報
ところで、通常このようなラジアスエンドミルやスクエアエンドミルでは、エンドミル本体の先端部外周に周方向に間隔をあけて複数条の切屑排出溝を形成して、そのエンドミル回転方向を向く壁面と外周逃げ面との交差稜線部に外周刃を形成するとともに、断面凸V字状の外周面を有する円板型研削砥石を中心軸回りに回転させつつ、この切屑排出溝のエンドミル回転方向を向く上記壁面に沿ってエンドミル本体の径方向に切り込ませることにより、切屑排出溝の先端部にエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方側を向く壁面とを備えたギャッシュを形成し、このギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル本体の先端逃げ面との交差稜線部に底刃を形成する。
従って、このギャッシュのエンドミル回転方向を向く上記壁面が底刃のすくい面とされるため、特許文献2に記載されたエンドミルのように底刃の軸方向すくい角を大小2種類に増減させて異なる大きさとするには、上記円板型研削砥石の中心軸とエンドミル本体の軸線とがエンドミル本体の径方向から見たときになす交差角を、軸方向すくい角の異なる底刃のギャッシュごとに増減させればよい。
しかしながら、そのようにして底刃が形成されたエンドミルでは、上記円板型研削砥石の外周面がなす断面凸V字の挟角に基づく、ギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方側を向く壁面とがなすギャッシュ開き角は、各底刃に連なるギャッシュ同士で互いに等しいため、軸方向すくい角が異なる底刃に連なるギャッシュ同士では、該底刃からギャッシュのエンドミル回転方向後方側を向く壁面とそのエンドミル回転方向に隣接する先端逃げ面との交差稜線部までのギャッシュの開口幅が異なる大きさとなる。従って、開口幅の小さいギャッシュでは、底刃によって生成された切屑が詰まりを生じるおそれがある。
また、特に上述のように底刃を周方向に等間隔に配置した場合には、このようにギャッシュの開口幅が異なる大きさとなると、底刃に連なる先端逃げ面の軸線方向先端側から見た幅も異なる大きさとなり、すなわち底刃のエンドミル回転方向後方側に連なる部分のエンドミル本体の肉厚、いわゆる底刃のバックメタルの厚さも異なる大きさとなる。このため、バックメタルの厚さが小さい底刃では切刃強度が低下して欠損等を生じ易くなってしまう。そして、これらの課題は、個々の底刃についてギャッシュの開口幅やバックメタルの厚さが制限されざるを得ない多刃のエンドミルにおいて、特に顕著となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、特に上述のような多刃のエンドミルにおいて底刃の軸方向すくい角を異なるものとした場合でも切屑詰まりの発生を防ぐとともに、底刃を周方向に等間隔に配置しても切刃強度を確保することができ、タービンブレードの薄肉部などに対してもビビリ振動の発生を抑制しつつ安定した切削加工を行うことが可能なエンドミルを提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に、上記エンドミル本体の先端から後端側に向かうに従い上記軸線回りに捩れる複数条の切屑排出溝が周方向に間隔をあけて形成されるとともに、これらの切屑排出溝の先端部には、エンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方側を向く壁面とを備えたギャッシュが上記軸線に対する径方向に延びるように形成されて、これらのギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面と上記エンドミル本体の先端逃げ面との交差稜線部にそれぞれ底刃が形成されており、これらの底刃のうち少なくとも1つの底刃は他の底刃よりも軸方向すくい角が大きくされるとともに、上記少なくとも1つの底刃に連なるギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面と上記エンドミル回転方向後方側を向く壁面とがなすギャッシュ開き角は、上記他の底刃に連なるギャッシュのギャッシュ開き角よりも小さくされていることを特徴とする。
このように構成されたエンドミルでは、エンドミル本体の先端に複数形成される底刃のうち少なくとも1つの底刃は他の底刃よりも軸方向すくい角が大きくされていて、これらの底刃が被削材に食い付く際の抵抗が異なるものとなる。このため、等しい大きさの抵抗が周期的に作用することによって振動が励起されるのを防ぐことができ、タービンブレードの薄肉部を切削加工するような場合でも、ビビリ振動が発生するのを抑制することができる。
その一方で、こうして軸方向すくい角が大きくされた少なくとも1つの底刃に連なるギャッシュは、そのエンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方側を向く壁面とがなすギャッシュ開き角が他の底刃よりも小さくされており、逆に軸方向すくい角が小さな他の底刃のギャッシュ開き角は上記少なくとも1つの底刃のギャッシュ開き角よりも大きくなる。従って、底刃のすくい面となるギャッシュのエンドミル回転方向を向く壁面の軸線に対する傾斜である軸方向すくい角が小さな底刃においても、そのギャッシュの開口幅が小さくなるのは避けることができ、当該底刃によって生成された切屑が詰まりを生じたりするのを防ぐことができる。
また、このように軸方向すくい角が大きくされた少なくとも1つの底刃に連なるギャッシュのギャッシュ開き角を他の底刃よりも小さくすることにより、上述のように各底刃のギャッシュの開口幅の均一化を図ることができるので、特に複数の上記底刃が周方向に等間隔に配置されている場合には、各底刃に連なる先端逃げ面の軸線方向先端側から見た幅も均一にすることができ、従って複数の底刃間でそのバックメタルの厚さも一定とすることができる。このため、バックメタルの厚さが小さい底刃が形成されるのを防いで、すべての底刃について切刃強度を確保することができ、欠損等の発生を防止して安定した切削加工を行うことが可能となる。これらは、ギャッシュ開口幅やバックメタル厚さが制限されざるを得ない多刃のエンドミルにおいて、特に効果的である。
なお、本発明は、特許文献2に記載されたようなスクエアエンドミルに適用することも可能であるが、タービンブレードのような湾曲した表面形状を切削加工する場合には、上記底刃の外周端に、エンドミル回転方向から見て上記エンドミル本体の先端外周側に凸となる凸曲線状のコーナ刃が形成されたラジアスエンドミルが用いられることが多いので、このようなラジアスエンドミルに適用するのが効果的である。そして、この場合には、上記コーナ刃を、上記底刃に連なる上記ギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面上に形成することにより、このコーナ刃の軸方向すくい角も、上記少なくとも1つの底刃に連なるコーナ刃と上記他の底刃に連なるコーナ刃とで異なる大きさとなるので、専らコーナ刃を使用して切削を行うときでもビビリ振動を抑制することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、タービンブレードの薄肉部の切削を行うときでもビビリ振動の発生を抑制することができるのは勿論、ギャッシュの開口幅に広狭が生じるのを防いで良好な切屑排出性を確保することができ、さらに底刃が等間隔に配置されていればバックメタルの厚さも均一にすることができるので、切刃強度を維持して安定した切削加工を行うことができる。
本発明の一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の拡大正面図である。 図1に示す実施形態の(A)第1の底刃周辺を示す拡大側面図、(B)第2の底刃周辺を示す拡大側面図である。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態において、エンドミル本体1は、超硬合金等の硬質材料によって軸線Oを中心とした概略円柱状に形成され、その後端部(図1において右上側部分、図2においては右側部分)は円柱状のままのシャンク部2とされるとともに、先端部(図1において左下側部分、図2においては左側部分)は切刃部3とされている。このようなエンドミルは、シャンク部2が多軸のNC工作機械等の主軸に把持されて軸線O回りにエンドミル回転方向Tに回転させられ、切刃部3によってタービンブレードのような薄肉難削材の切削加工に使用される。
エンドミル本体1先端部の切刃部3の外周には、切刃部3の先端から後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向T後方側に捩れるように延びる切屑排出溝4が周方向に間隔をあけて複数条(本実施形態では、12条)形成されている。これらの切屑排出溝4のエンドミル回転方向Tを向く壁面4aの外周側辺稜部には、該壁面4aをすくい面とする外周刃5が形成されており、従ってエンドミル本体1の切刃部3の外周には、切屑排出溝4と同数の外周刃5が後端側に向かうに従い軸線O回りにエンドミル回転方向Tの後方側に捩れるように形成されることになる。これらの外周刃5の捩れ角は、例えば周方向に1つおきの外周刃5で互いに等しくて周方向に隣接する外周刃5では異なる角度とされるなど、少なくとも1つの外周刃5が他の外周刃5と異なる角度とされている。また、これらの外周刃5の径方向すくい角(外周すくい角)は互いに等しい角度とされている。
一方、切刃部3の先端においては、これらの切屑排出溝4の先端部からエンドミル本体1の先端面を内周側に向けて切り欠くように凹溝状のギャッシュ6が形成されている。このギャッシュ6は、エンドミル回転方向Tを向く壁面6aとエンドミル回転方向Tの後方側を向く壁面6bとを備え、図4に示すように側面視においてエンドミル本体1の先端側に開口するV字状をなしており、ただし両壁面6a、6bともに軸線O方向後端側に向かうに従いエンドミル回転方向T後方側に向かうように傾斜していて、軸線Oに対する傾斜角は壁面6aよりも壁面6bの方が大きくされている。
また、エンドミル本体1の先端面において、周方向に隣接するギャッシュ6の間には、エンドミル回転方向T後方側に向かうに従い軸線O方向後端側に向かうように傾斜した先端逃げ面7が形成されている。そして、これらの先端逃げ面7と、各先端逃げ面7のエンドミル回転方向T側に隣接するギャッシュ6の上記エンドミル回転方向Tを向く壁面6aとの交差稜線部には底刃8が形成されている。従って、ギャッシュ6の上記エンドミル回転方向Tを向く上記壁面6aは底刃8のすくい面とされるとともに、この壁面6aが軸線Oに対してなす上記傾斜角は底刃8の軸方向すくい角θとされ、切刃部3には外周刃5と同数の底刃8が形成される。
ここで、本実施形態において底刃8は、軸線O方向先端側から見た正面視において図3に示すように略軸線Oの位置から直線状に外周側に延びるように形成されていて、径方向のすくい角は0.4°とされており、複数の底刃8が周方向に等間隔に配置されている。なお、各底刃8は、軸線Oに垂直な1つの平面上、または内周側に向かうに従い軸線O方向後端側に僅かに凹む1つの凹円錐面上に位置するようにされている。また、エンドミル本体1の先端面において、凹溝状のギャッシュ6は内周側に向かうに従いその溝深さが漸次小さくなるように形成され、先端逃げ面7は内周側に向かうに従いその周方向の幅が漸次小さくなるように形成されている。
さらに、これらの底刃8と外周刃5とが交差するコーナ部は、エンドミル回転方向Tから見て底刃8と外周刃5に接する凸曲線状に丸められており、該コーナ部にはエンドミル本体1の先端外周側に凸となる凸円弧等の凸曲線状のコーナ刃9が形成されている。すなわち、本実施形態のエンドミルはラジアスエンドミルとされている。ここで、このコーナ刃9は、底刃8に連なるギャッシュ6の上記エンドミル回転方向Tを向く壁面6a上に形成されている。従って、このコーナ刃9の軸方向すくい角は、該コーナ刃9が連なる底刃8の軸方向すくい角θと等しくされている。
そして、切刃部3に複数形成される底刃8のうち、少なくとも1つの底刃8は他の底刃8よりも軸方向すくい角θが大きくされるとともに、この少なくとも1つの底刃8に連なるギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面6aとエンドミル回転方向T後方側を向く壁面6bとがなすギャッシュ開き角δは、他の底刃8に連なるギャッシュ6のギャッシュ開き角δよりも小さくされている。従って、この少なくとも1つの底刃8に連なるコーナ刃9の軸方向すくい角も、他の底刃8に連なるコーナ刃9の軸方向すくい角より大きくされている。
具体的に、本実施形態では、図4(A)に示すように大きな軸方向すくい角θAの第1の底刃8Aと、図4(B)に示すように上記軸方向すくい角θAよりも小さな軸方向すくい角θBの第2の底刃8Bとが周方向に交互に配置されている。従って、第1の底刃8Aに連なる第1のギャッシュ6Aは小さなギャッシュ開き角δAとされ、第2の底刃8Bに連なる第2のギャッシュ6Bは、上記ギャッシュ開き角δAよりも大きなギャッシュ開き角δBとされる。なお、軸方向すくい角θA、θBは、いずれも外周刃5の捩れ角(軸方向すくい角)よりも小さい。また、先端逃げ面7による底刃8の逃げ角は、第1、第2の底刃8A、8B同士で互いに等しくされている。
このように構成されたエンドミルでは、まずエンドミル本体1先端に形成された複数の底刃8の軸方向すくい角θが、第1、第2の底刃8A、8Bで互いに異なる軸方向すくい角θA、θBとされており、底刃8が被削材に食い付く際の抵抗が、小さな軸方向すくい角θBの第2の底刃8Bよりも大きな軸方向すくい角θAの第1の底刃8Aの方が小さくなって、互いに異なる大きさとなる。このため、底刃8が周方向に等間隔に配置されていても、等しい大きさの抵抗が周期的に作用することはなく、このような等しい大きさの抵抗によって振動が励起されてビビリ振動が発生するのを抑制することができる。
また、ラジアスエンドミルである本実施形態のエンドミルにおいては、底刃8の外周端に連なるコーナ刃9の軸方向すくい角も、第1、第2の底刃8A、8Bに連なるもの同士で異なる大きさとなるので、このようなコーナ刃9を用いて曲面部分の切削加工を行う場合でもビビリ振動の発生を抑えることができる。従って、タービンブレードのような曲面部分が多い被削材の特に薄肉部の切削加工において、エンドミル本体1自体のビビリ振動や、これに伴う被削材の振動により加工精度が低下したりするのを防ぐことができる。
そして、さらに上記構成のエンドミルでは、こうして異なる軸方向すくい角θA、θBとされた第1、第2の底刃8A、8B同士で、大きな軸方向すくい角θAの第1の底刃8Aに連なる第1のギャッシュ6Aのギャッシュ開き角δAが、小さな軸方向すくい角θBの第2の底刃8Bに連なる第2のギャッシュ6Bのギャッシュ開き角δBよりも小さくされている。
このため、これらのギャッシュ開き角δA、δBを例えばその平均として等しくした場合に比べ、底刃8からギャッシュ6のエンドミル回転方向T後方側を向く壁面6bとそのエンドミル回転方向Tに隣接する先端逃げ面7との交差稜線部までのギャッシュ6の開口幅(例えば、図3に示すように軸線O方向先端視において、底刃8と、該底刃8が形成されたギャッシュ6のエンドミル回転方向T後方側を向く壁面6bとそのエンドミル回転方向Tに隣接する先端逃げ面7との交差稜線部の最外周の点Pと軸線Oとを結ぶ直線Lとがなす挟角α)は、第1のギャッシュ6Aでは小さくなる一方、第2のギャッシュ6Bでは大きくなる。
すなわち、異なる軸方向すくい角θA、θBの第1、第2の底刃8A、8Bでも、ギャッシュ6の開口幅の均一化を図って、例えばこの開口幅を一定とすることができ、ギャッシュ6同士に極端な広狭が生じるのを避けて、開口幅の小さいギャッシュ6において底刃8により生成された切屑が詰まりを生じたりするのを防ぐことができる。なお、このようにギャッシュ開き角δを異なる角度とするには、第1、第2のギャッシュ6A、6Bを形成する円板状研削砥石を、その外周面の断面がなす凸V字の挟角が異なるものとしたり、あるいは同じ研削砥石でも、その中心軸をエンドミル本体1の軸線Oに対して異なる傾け方としたりすればよい。
さらに、本実施形態では、第1、第2の底刃8A、8Bは周方向に等間隔に配置されているので、上述のようにギャッシュ6の開口幅の均一化を図ることにより、これらのギャッシュ6の開口部と底刃8との間の先端逃げ面7の幅(例えば、図3に示すように軸線O方向先端視において上記交差稜線部Lと、そのエンドミル回転方向Tに隣接する底刃8とがなす挟角β)も、各底刃8に連なる先端逃げ面7同士で例えば一定とするなど、均一化を図ることができる。従って、底刃8のエンドミル回転方向T後方側に連なって該底刃8を支持する上記バックメタル部分の肉厚も一定とするなどして均一にすることができ、底刃8の切刃強度を確保して欠損等の発生を防ぎ、難削材に対しても安定した切削加工を行うことが可能となる。
また、特に本実施形態のエンドミルは外周刃5、底刃8、およびコーナ刃9が12条形成された多刃のエンドミルとされており、このような多刃のエンドミルでは切刃部3先端における底刃8同士の周方向の間隔が小さくなるために、ギャッシュ6の開口幅や先端逃げ面7の幅も制限されざるを得ない。従って、そのような多刃のエンドミルにおいて、上述のようにギャッシュ6の開口幅や先端逃げ面7の幅の均一化を図って切屑排出性や切刃強度を確保することは、特に効果的である。さらに、本実施形態では、外周刃5の径方向すくい角も一定であるので、その切刃強度も均一とすることができる。
なお、本実施形態では、底刃8の外周端に凸曲線状のコーナ刃9が形成されたラジアスエンドミルに本発明を適用した場合について説明したが、特許文献2に記載されているような底刃と外周刃とが略直角の角度をもって交差するように形成されたスクエアエンドミルに本発明を適用することも可能である。ただし、タービンブレード等のように曲面部分が多い被削材を切削するには、曲線状のコーナ刃9を有するラジアスエンドミルが専ら使用される。
また、本実施形態では2種類の軸方向すくい角θA、θBを有する底刃8A、8Bおよび該底刃8A、8Bに連なる2種類のギャッシュ開き角δA、δBを有するギャッシュ6A、6Bが周方向に交互に配置されているが、軸方向すくい角θおよびギャッシュ開き角δは3種類以上でもよい。さらに、このような底刃8とギャッシュ6との組が、周方向に交互あるいは軸方向すくい角θおよびギャッシュ開き角δの大小の順に配置されていなくてもよい。さらにまた、外周刃5の捩れ角は互いに等しい角度とされていてもよい。
1 エンドミル本体
2 シャンク部
3 切刃部
4 切屑排出溝
5 外周刃
6(6A、6B) ギャッシュ
6a ギャッシュ6のエンドミル回転方向Tを向く壁面
6b ギャッシュ6のエンドミル回転方向T後方側を向く壁面
7 先端逃げ面
8(8a、8B) 底刃
9 コーナ刃
O エンドミル本体1の軸線
T エンドミル回転方向
θ(θA、θB) 底刃5の軸方向すくい角
δ(δA、δB) ギャッシュ開き角

Claims (3)

  1. 軸線回りに回転されるエンドミル本体の先端部外周に、上記エンドミル本体の先端から後端側に向かうに従い上記軸線回りに捩れる複数条の切屑排出溝が周方向に間隔をあけて形成されるとともに、これらの切屑排出溝の先端部には、エンドミル回転方向を向く壁面とエンドミル回転方向後方側を向く壁面とを備えたギャッシュが上記軸線に対する径方向に延びるように形成されて、これらのギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面と上記エンドミル本体の先端逃げ面との交差稜線部にそれぞれ底刃が形成されており、これらの底刃のうち少なくとも1つの底刃は他の底刃よりも軸方向すくい角が大きくされるとともに、上記少なくとも1つの底刃に連なるギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面と上記エンドミル回転方向後方側を向く壁面とがなすギャッシュ開き角は、上記他の底刃に連なるギャッシュのギャッシュ開き角よりも小さくされていることを特徴とするエンドミル。
  2. 複数の上記底刃は周方向に等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエンドミル。
  3. 上記底刃の外周端には、エンドミル回転方向から見て上記エンドミル本体の先端外周側に凸となる凸曲線状のコーナ刃が、該底刃に連なる上記ギャッシュの上記エンドミル回転方向を向く壁面上に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンドミル。
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