JP2015163439A - 流路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

流路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 Download PDF

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健 大和久
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Abstract

【課題】部品点数を減らして小型化を図ることができると共に、フィルターの壁面への張り付きを抑制した流路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】第1流路502から液体が供給される第1液体溜まり部503と、第1液体溜まり部に連通する第2液体溜まり部504と、第2液体溜まり部の底面504aに開口する開口部510を有する第2流路505と、第1液体溜まり部と第2液体溜まり部との間に設けられて、第2液体溜まり部の開口縁部に固定されたフィルター216と、第2液体溜まり部の底面からフィルターが固定された領域の当該フィルターの第2液体溜まり部側の面よりも第1液体溜まり部側に突出して設けられたリブ240と、を具備し、1つの第2液体溜まり部に対して、複数の第2流路が設けられており、リブは、フィルターの長手方向Lにおいて、少なくとも複数の開口部の間の領域R1内に設けられている。
【選択図】図9

Description

本発明は、液体に含まれる異物を除去するフィルターを有する流路部材、流路部材を具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関する。
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、インクが充填された液体貯留手段であるインクカートリッジから、流路部材を介してヘッド本体にインクが供給され、ヘッド本体に設けられた圧力発生手段を駆動させることによりヘッド本体に供給されたインクがノズルから噴射される。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、インクに含まれる気泡や異物を除去するために、流路部材にフィルターを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィルターが流れるインクの圧力によって下流側に変形し、下流の液体溜まり部の壁面と接触すると、フィルターの有効面積が減少して圧力損失が増大してしまう。そして、圧力損失が増大することで、下流側に接続されたヘッド本体の流路の背圧が減少し、ノズルに形成されたインクのメニスカスが破壊されてしまう虞がある。
このため、液体溜まり部の底面にフィルター側に突出する突起部材を設けることで、フィルターのよれや液体溜まり部の底面への張りつきを抑制するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−84011号公報 特開2009−101578号公報
しかしながら、上流側に設けられた1つの第1流路に対して、下流側に1つの第2流路を連通し、これら第1流路と第2流路との間にフィルターを設けた場合、フィルターを固定するスペースや、隣り合う第1流路同士を隔離するための壁部等をフィルター毎に設けなくてはならず、流路部材が大型化してしまうという問題がある。また、第1流路と第2流路とで構成される1組の流路毎にフィルターを設けると、部品点数が増大してしまうという問題がある。
また、特許文献2には、1つの第1流路に対して、2つの第2流路を設け、2つの第2流路に対して1つのフィルターを設ける構成が開示されているものの、フィルターの面積が増大することにより、フィルターのたわみ量が増大してしまう。このため、流れるインクの圧力によって下流側に変形したフィルターが底面等に張り付き易くなってしまうという問題がある。なお、特許文献1の突起部を特許文献2に適用するにも、第2流路の数が異なるため組み合わせるのが困難であった。
また、特許文献2では、フィルター下の液体溜まり部が2つに分割されているため、フィルターの有効面積が狭くなってしまうという問題がある。
なお、このような問題は、インクジェット式記録ヘッドに用いられる流路部材だけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドに用いられる流路部材においても同様に存在する。また、液体噴射ヘッドに用いられる流路部材に限定されず、他のデバイスに用いられる流路部材についても同様な問題がある。
本発明はこのような事情に鑑み、部品点数を減らして小型化を図ることができると共に、フィルターの壁面への張り付きを抑制した流路部材、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、第1流路から液体が供給される第1液体溜まり部と、前記第1液体溜まり部に連通する第2液体溜まり部と、前記第2液体溜まり部の底面に開口する開口部を有する第2流路と、前記第1液体溜まり部と前記第2液体溜まり部との間に設けられて、前記第2液体溜まり部の開口縁部に固定されたフィルターと、前記第2液体溜まり部の底面から前記フィルターが固定された領域の当該フィルターの前記第2液体溜まり部側の面よりも前記第1液体溜まり部側に突出して設けられたリブと、を具備し、1つの前記第2液体溜まり部に対して、複数の前記第2流路が設けられており、前記リブは、前記フィルターの長手方向において、少なくとも複数の前記開口部の間の領域内に設けられていることを特徴とする流路部材にある。
かかる態様では、複数の第2流路に対して1つの第1液体溜まり部、第2液体溜まり部及びフィルターを設けることで、部品点数を減らすことができる。また、フィルターを固定する領域や流路を区画する壁部等が不要となって、小型化することができる。さらに、リブを設けることで、フィルターが流れる液体の圧力によって押圧された際に、フィルターが第2液体溜まり部の底面に張り付くのを抑制することができる。また、リブによってフィルターの張り付きを抑制することで、フィルターの有効面積が著しく減少するのを抑制することができる。さらに、フィルターと底面との間隔を狭くすることができ、流路部材の低背化を実現できると共に気泡排出性を向上することができる。
ここで、前記開口部が3つ以上設けられており、前記リブは、複数の前記開口部に囲まれた領域内に設けられていることが好ましい。これによれば、さらに確実にフィルターの撓みによる張り付きを抑制することができる。
また、前記第2液体溜まり部には、隣り合う前記開口部の間に、前記底面から前記フィルター側に向かって***した尾根が設けられており、前記尾根によって前記開口部毎に凹部が形成されていると共に、該凹部は前記フィルター側で互いに連通して設けられていることが好ましい。これによれば、フィルターの有効面積が減少するのを抑制して、尾根により気泡排出性を向上することができる。
また、前記リブは、前記領域内に複数設けられていることが好ましい。これによれば、さらに確実にフィルターの撓みによる張り付きを抑制することができる。
また、前記領域の外側であって、前記長辺方向において、前記開口部と前記第2液体溜まり部の壁面との間の領域には、前記フィルターが固定された領域の当該フィルターの前記第2液体溜まり部側の面よりも前記第1液体溜まり部側に突出した補助リブが設けられていることが好ましい。これによれば、補助リブを設けることによって、さらに確実にフィルターの撓みによる張り付きを抑制することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の流路部材を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、フィルターの張り付きを抑制して、フィルターの圧力損失が増大することによりノズル開口の液体のメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。また、液体噴射ヘッドの小型化を実現できる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、フィルターの張り付きを抑制して、フィルターの圧力損失が増大することによりノズル開口の液体のメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。また、液体噴射装置の小型化を実現できる。
実施形態1に係る第1ヘッド本体の分解斜視図である。 実施形態1に係る第1ヘッド本体の平面図である。 実施形態1に係る第1ヘッド本体の断面図である。 実施形態1に係る第2ヘッド本体の平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部を拡大した断面図である。 実施形態1に係る上流流路部材のフィルター部分の平面図である。 実施形態1に係る上流流路部材のフィルター部分の断面図である。 実施形態1に係る上流流路部材のフィルター部分の断面図である。 実施形態1に係るフィルター部分の比較例を示す断面図である。 実施形態1に係るフィルター部分の変形例を示す平面図である。 実施形態2に係る上流流路部材のフィルター部分の平面図である。 実施形態2に係るフィルター部分の変形例を示す平面図である。 実施形態3に係る上流流路部材のフィルター部分の平面図である。 実施形態3に係るフィルター部分の変形例を示す平面図である。 実施形態4に係る上流流路部材のフィルター部分の平面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略斜視図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
最初に本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドとも言う)に設けられるヘッド本体の一例について説明する。なお、図1は、本発明の実施形態1に係る第1ヘッド本体の分解斜視図であり、図2は、第1ヘッド本体の平面図であり、図3は、図2のA−A′線断面図である。
図示するように、本実施形態のヘッド本体は、液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドに搭載される第1ヘッド本体2Aであり、第1ヘッド本体2Aは、流路形成基板10、連通板15、ノズルプレート20、保護基板30、ケース部材40、コンプライアンス基板45等の複数の部材を備える。
第1ヘッド本体2Aを構成する流路形成基板10は、ステンレス鋼やNiなどの金属、ZrOあるいはAlを代表とするセラミック材料、ガラスセラミック材料、MgO、LaAlOのような酸化物などを用いることができる。本実施形態では、流路形成基板10は、シリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向X及び第2の方向Yの双方に直交する方向を、インク滴(液滴)の吐出方向、又は第3の方向Zと称する。なお、本実施形態では、説明理解を容易にするために各方向(X、Y、Z)の関係を直交とするが、各構成の配置関係が必ずしも直交するものに限定されるべきものでないことを言及しておく。
また、流路形成基板10には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側に、当該圧力発生室12よりも開口面積が狭く、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を付与する供給路等が設けられていてもよい。
また、流路形成基板10の一方面側(積層方向であってZ方向)には、連通板15と、ノズルプレート20とが順次積層されている。すなわち、流路形成基板10の一方面に設けられた連通板15と、連通板15の流路形成基板10とは反対面側に設けられたノズル開口21を有するノズルプレート20と、を具備する。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このように連通板15を設けることによってノズルプレート20のノズル開口21と圧力発生室12とを離せるため、圧力発生室12の中にあるインクは、ノズル開口21付近のインクで生じるインク中の水分の蒸発による増粘の影響を受け難くなる。また、ノズルプレート20は圧力発生室12とノズル開口21とを連通するノズル連通路16の開口を覆うだけで良いので、ノズルプレート20の面積を比較的小さくすることができ、コストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口されて、インク滴が吐出される面を液体噴射面20aと称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18と、が設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。すなわち、本実施形態では、ノズル開口21と第2マニホールド部18と連通する個別流路として、供給連通路19と、圧力発生室12と、ノズル連通路16と、が設けられている。
このような連通板15としては、ステンレス鋼やニッケル(Ni)などの金属、またはジルコニウム(Zr)などのセラミックス等を用いることができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。すなわち、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10と連通板15との線膨張係数の違いにより反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。すなわち、ノズル開口21は、同じ種類の液体(インク)を噴射するものが第1の方向Xに並設され、この第1の方向Xに並設されたノズル開口21の列が第2の方向Yに2列形成されている。
このようなノズルプレート20としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属、ポリイミド樹脂のような有機物、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート20としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜51によって画成されている。
また、振動板50の絶縁体膜52上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とが、積層形成されて圧電アクチュエーター130を構成している。ここで、圧電アクチュエーター130は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を含む部分をいう。一般的には、圧電アクチュエーター130の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、第1電極60を圧電アクチュエーター130の共通電極とし、第2電極80を圧電アクチュエーター130の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。なお、上述した例では、第1電極60が、複数の圧力発生室12に亘って連続して設けられているため、第1電極60が振動板の一部として機能するが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、上述の弾性膜51及び絶縁体膜52を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電アクチュエーター130自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。ただし、流路形成基板10上に直接第1電極60を設ける場合には、第1電極60とインクとが導通しないように第1電極60を絶縁性の保護膜等で保護するのが好ましい。つまり、本実施形態では、基板(流路形成基板10)上に振動板50を介して第1電極60を設けた構成を例示したが、特にこれに限定されるものではなく、振動板50を設けずに第1電極60を直接基板上に設けるようにしてもよい。すなわち、第1電極60が振動板として作用するようにしてもよい。つまり、基板上とは、基板の直上も、間に他の部材が介在した状態(上方)も含むものである。
さらに、このような圧電アクチュエーター130の個別電極である各第2電極80には、供給連通路19とは反対側の端部近傍から引き出され、振動板50上にまで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90の一端部がそれぞれ接続されている。また、リード電極90の他端部には、後述する圧力発生手段である圧電アクチュエーター130を駆動するための駆動回路120が設けられた配線部材121が接続されている。配線部材121は、可撓性(フレキシブル)なシート状のもの、例えば、COF基板等を用いることができる。なお、配線部材121には、駆動回路120を設けなくてもよい。つまり、配線部材121は、COF基板に限定されず、FFC、FPC等であってもよい。
また、本実施形態では、第2の方向Yにおいて、圧電アクチュエーター130の列の間にリード電極90の他端部を設けて、圧電アクチュエーター130の列の間でリード電極90と配線部材121とを接続するようにしたため、1つの配線部材121が2列の圧電アクチュエーター130にリード電極90を介して接続されている。もちろん、配線部材121の数はこれに限定されず、圧電アクチュエーター130の列毎に配線部材121を設けるようにしてもよい。本実施形態のように、2つの圧電アクチュエーター130の列に1つの配線部材121を設けることで、配線部材121とリード電極90とを接続するスペースを小さくすることができ、記録ヘッド1の小型化を図ることができる。
また、流路形成基板10の圧力発生手段である圧電アクチュエーター130側の面には、流路形成基板10と略同じ大きさを有する保護基板30が接合されている。保護基板30は、圧電アクチュエーター130を保護するための空間である保持部31を有する。保持部31は、第1の方向Xに並設された圧電アクチュエーター130で構成される列毎に独立して設けられており、2つの保持部31の間(第2の方向Y)には、厚さ方向に貫通した貫通孔32が設けられている。リード電極90の他端部は、この貫通孔32内に露出するように延設され、リード電極90と配線部材121とが貫通孔32内で電気的に接続されている。
また、このような構成のヘッド本体11には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100を流路形成基板10及び保護基板30の外周に形成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接合されると共に、上述した連通板15にも接合されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体11とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40とヘッド本体11とによって画成された第3マニホールド部42と、によって本実施形態のマニホールド100が構成されている。すなわち、マニホールド100は、第1マニホールド部17、第2マニホールド部18及び第3マニホールド部42を具備する。また、本実施形態のマニホールド100は、第2の方向Yにおいて、2列の圧力発生室12の両外側に配置されており、2列の圧力発生室12の両外側に設けられた2つのマニホールド100は、ヘッド本体2内では連通しないようにそれぞれ独立して設けられている。すなわち、本実施形態の圧力発生室12の列(第1の方向Xに並設された列)毎に1つのマニホールド100が連通して設けられている。言い換えると、ノズル群毎にマニホールド100が設けられている。もちろん、2ついのマニホールド100は、連通していてもよい。
また、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入口44が設けられている。導入口44は、本実施形態では、マニホールド100毎に設けられている。すなわち、一方のノズル列に一方のマニホールド100を介して連通する第1導入口44Aと、他方のノズル列に他方のマニホールド100を介して連通する第2導入口44Bと、を具備する。なお、第1導入口44A、第2導入口44Bを導入口44と総称する。また、本実施形態では、駆動回路120が設けられた面側を第2導入口44Bとし、駆動回路120が設けられた面とは反対側を第1導入口44Aとした。
また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線部材121が挿通される接続口43が設けられている。すなわち、第2の方向Yにおいて、接続口43(貫通孔32)の両側に第1導入口44Aと第2導入口44Bとが設けられている。つまり、基準方向である第2の方向Yにおいて、第1導入口44Aと第2導入口44Bとの間で配線部材121の一端部が圧力発生手段である圧電アクチュエーター130にリード電極90を介して接続されている。そして、配線部材121の他端部は、貫通孔32及び接続口43の貫通方向、すなわち、第3の方向Zであって、インク滴の吐出方向とは反対側に延設されている。
なお、このようなケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。ちなみに、ケース部材40として、樹脂材料を成形することにより、低コストで量産することができる。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45は、平面視において上述した連通板15と略同じ大きさで形成されており、コンプライアンス基板45の内側にノズルプレート20が露出されている。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有するフィルム状の薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部49となっている。本実施形態では、1つのマニホールド100に対応して1つのコンプライアンス部49が設けられている。すなわち、本実施形態では、マニホールド100が2つ設けられているため、ノズルプレート20を挟んで第2の方向Yの両側に2つのコンプライアンス部49が設けられている。
このような構成の第1ヘッド本体2Aでは、インクを噴射する際に、導入口44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路120からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター130に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター130と共に振動板50をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
なお、本実施形態では、ヘッド本体の一例として第1ヘッド本体2Aを例示したが、特にこれに限定されるものではない。本実施形態の記録ヘッド1では、第1ヘッド本体2Aと、上述した第1ヘッド本体2Aと略同じ構造を有するが、マニホールド100が第1の方向Xに3つに分割された第2ヘッド本体2Bと、を有する。ちなみに、以降、第1ヘッド本体2A、第2ヘッド本体2Bをヘッド本体2と総称する。ここで、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1に搭載される第2ヘッド本体2Bについて、図4を参照して説明する。なお、図4は、第2ヘッド本体を示す平面図である。
第2ヘッド本体2Bは、第2の方向Yにおいてノズル開口21の両側にマニホールド100が設けられている。また、第2の方向Yの両側に設けられたマニホールド100は、それぞれ第1の方向Xに複数に分割、本実施形態では、3つに分割されている。これにより、第2ヘッド本体2Bには、合計6個のマニホールド100が設けられている。また、コンプライアンス部49(開口部48)は区画されたマニホールド100毎に設けられている。さらに導入口44は、各マニホールド100毎に設けられている。すなわち、本実施形態の第2ヘッド本体2Bは、第1の方向Xに3個並設されたマニホールド100の列が、第2の方向Yに2列設けられている。そして、導入口44は、各マニホールド100の第1の方向Xにおける中央部に設けられている。したがって、導入口44は、第1の方向Xに3個並設された列が、第2の方向Yに2列設けられている。なお、本実施形態では、上述した第1ヘッド本体2Aと同様に、第2の方向Yの一方の導入口44を第1導入口44Aと称し、他方の導入口44を第2導入口44Bと称する。すなわち、上述した第1ヘッド本体2Aと同様に、第2ヘッド本体2Bにおいても、基準方向である第2の方向Yにおいて、第1導入口44Aと第2導入口44Bとの間で配線部材121(図示なし)の一端部が圧力発生手段である圧電アクチュエーター130(図示なし)にリード電極90を介して接続されている。そして、配線部材121の他端部は、貫通孔32及び接続口43の貫通方向、すなわち、第3の方向Zであって、インク滴の吐出方向とは反対側に延設されている。なお、第2ヘッド本体2Bの基本的な構成は、第1ヘッド本体2Aと同様のため重複する説明は省略する。
このような第1ヘッド本体2A及び第2ヘッド本体2Bを有する本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドについて詳細に説明する。なお、図5は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図6は、インクジェット式記録ヘッドの断面図であり、図7は、要部を拡大した断面図である。
図示するように、記録ヘッド1は、ノズル開口21からインク(液体)をインク滴(液滴)として吐出する2つのヘッド本体2(第1ヘッド本体2A、第2ヘッド本体2B)と、2つのヘッド本体2を保持すると共にヘッド本体2にインク(液体)を供給する流路ユニット200と、流路ユニット200に保持された配線基板300と、ヘッド本体2の液体噴射面20a側に設けられたカバーヘッド400と、を具備する。
流路ユニット200は、上流流路500が設けられた本実施形態の流路部材である上流流路部材210と、下流流路600が設けられた下流流路部材220と、上流流路500と下流流路600とを密封した状態で接続するシール部材230と、を具備する。
上流流路部材210は、本実施形態では、第1上流流路部材211と、第2上流流路部材212と、第3上流流路部材213とが、インク滴を吐出する方向である第3の方向Z(第1の方向X及び第2の方向Yに直交する方向)に積層されて構成されている。なお、上流流路部材210は特にこれに限定されるものではなく、単一の部材であっても、2以上の複数の部材で構成されていてもよい。また、上流流路部材210を構成する複数の部材の積層方向も特に限定されず、第1の方向X、第2の方向Yであってもよい。
第1上流流路部材211は、下流流路部材220とは反対面側に、インク(液体)が保持されたインクタンクやインクカートリッジなどの液体貯留手段に接続される接続部214を有する。本実施形態では、接続部214として針状に突出したものとした。なお、接続部214には、インクカートリッジなどの液体貯留手段が直接接続されてもよく、また、インクタンクなどの液体貯留手段がチューブ等の供給管などを介して接続されてもよい。このような接続部214の内部には、液体貯留手段からのインクが供給される第1上流流路501が設けられている。また、第1上流流路部材211の接続部214の周囲には、液体貯留手段を位置決めするためのガイド壁215が設けられている。なお、第1上流流路501は、後述する第2上流流路502の位置に応じて、第3の方向Zに延びる流路や、第3の方向Zに直交する方向、すなわち第1の方向X及び第2の方向Yを含む面内に延びる流路等で構成されている。
第2上流流路部材212は、第1上流流路部材211の接続部214とは反対面側に固定されて、第1上流流路501に連通する第2上流流路502を有する。また、第2上流流路502の下流側(第3上流流路部材213側)には、第1上流流路501よりも内径が広く拡幅された第1液体溜まり部503が連通して設けられている。すなわち、本実施形態では、第2上流流路502が、特許請求の範囲に記載の第1流路に相当する。
第3上流流路部材213は、第2上流流路部材212の第1上流流路部材211とは反対側に設けられている。また、第3上流流路部材213には、第1液体溜まり部503に対応して第2液体溜まり部504が設けられている。そして、第2液体溜まり部504の開口部分には、インクに含まれる気泡や異物を除去するためのフィルター216が設けられている。これにより、第1液体溜まり部503から供給されたインクは、フィルター216を介して第2液体溜まり部504に供給される。
また、第3上流流路部材213には、第2液体溜まり部504に開口する第3上流流路505が設けられている。この第3上流流路505は、1つの第2液体溜まり部504に対して複数個、本実施形態では、2個設けられている。すなわち、第2液体溜まり部504には、2つの第3上流流路505が開口して設けられている。この第3上流流路505が、特許請求の範囲に記載の第2流路に相当する。そして、第3上流流路505は、第3上流流路部材213の下流流路部材220側の面に第1排出口506A、第2排出口506Bとして開口して設けられている。すなわち、1つの接続部214に対応する上流流路500は、第1上流流路501、第2上流流路502、第1液体溜まり部503、第2液体溜まり部504及び2つの第3上流流路505を有し、上流流路500は、下流流路部材220側に2つの排出口506(第1排出口506A及び第2排出口506B)として開口する。言い換えると、2つの排出口506(第1排出口506A及び第2排出口506B)は、共通する流路(共通流路)に連通して設けられている。
このような、第2液体溜まり部504には、基端部が底面に固定されて、先端がフィルター216側に向かって突出して設けられたリブ240(図8参照)が設けられている。なお、第1液体溜まり部503、第2液体溜まり部504、フィルター216、第3上流流路505及びリブ240等については、詳しくは後述する。
また、第3上流流路部材213の下流流路部材220側には、下流流路部材220側に向かって突出する第1突起部217が設けられている。第1突起部217は、第3上流流路505の各々に対応して設けられており、第1突起部217のそれぞれの先端面に排出口506が開口して設けられている。
このような上流流路500が設けられた第1上流流路部材211、第2上流流路部材212及び第3上流流路部材213は、例えば、接着剤や、溶着等によって一体的に積層されている。なお、第1上流流路部材211、第2上流流路部材212及び第3上流流路部材213をネジやクランプ等で固定することもできるが、第1上流流路501から第3上流流路505に至るまでの接続部分からインク(液体)が漏出するのを抑制するためにも、接着剤や溶着等で接合するのが好ましい。
なお、本実施形態では、1つの上流流路部材210に4つの接続部214を設け、1つの上流流路部材210には4つの独立した上流流路500が設けられている。そして、各上流流路500が下流流路部材220側で2つに分岐されているため、合計8個の排出口506が設けられている。
下流流路部材220は、上流流路500に接続される下流流路600を有する。下流流路部材220には、上流流路部材210側に突出する第2突起部が221設けられている。第2突起部221は、第1突起部217に対応して、各上流流路500毎、すなわち、第1突起部217毎にそれぞれ設けられている。また、下流流路600の一端は第2突起部221の先端面に開口し、他端は上流流路部材210とは第3の方向Zにおいて反対側の面に開口して設けられている。なお、下流流路600は、各上流流路500の排出口506毎に独立して設けられている。すなわち、1つの上流流路500は、2つの第1排出口506A及び第2排出口506Bを有するため、第1排出口506Aに接続された下流流路600が第1接続流路600A、第2排出口506Bに接続された下流流路600が第2接続流路600Bとなる。以降、第1接続流路600A及び第2接続流路600Bを接続流路600と総称する。
また、下流流路部材220の上流流路部材210とは反対面側には、複数のヘッド本体2、本実施形態では、2個のヘッド本体2が固定されている。ここで、1つのヘッド本体2には、上述のようにノズル群(ノズル列)が第2の方向Yに並んで形成されており、記録ヘッド1には2つのヘッド本体2が第2の方向Yに並設されて設けられている。なお、以降、ヘッド本体2の第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは、記録ヘッド1の第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zとそれぞれ同じ方向を示す。ちなみに、本実施形態の記録ヘッド1に設けられた2つのヘッド本体2は、上述のように第1ヘッド本体2Aと第2ヘッド本体2Bとからなる。第1ヘッド本体2Aには、導入口44が2個(第1導入口44A及び第2導入口44B)設けられ、第2ヘッド本体2Bには、導入口44が6個(第1導入口44Aが3個と第2導入口44Bが3個)設けられている。そして、下流流路部材220に設けられた下流流路600(第1接続流路600A及び第2接続流路600B)は、各導入口44の開口する位置に合わせて開口して設けられている。
ここで、本実施形態では、第1ヘッド本体2Aは、第1導入口44Aが第2の方向Yにおいて第2ヘッド本体2B側となるように配置されている。同様に、第2ヘッド本体2Bは、第1導入口44Aが第2の方向Yにおいて第1ヘッド本体2A側となるように配置されている。そして、下流流路600である第1接続流路600Aは第1排出口506Aと第1導入口44Aとを接続し、第2接続流路600Bは第2排出口506Bと第2導入口44Bとを接続する。したがって、第1ヘッド本体2Aの流路を接続する第1接続流路600Aは、第2接続流路600Bよりも第2ヘッド本体2B側に配置されている。同様に、第2ヘッド本体2Bの流路を接続する第1接続流路600Aは、第2接続流路600Bよりも第1ヘッド本体2A側に配置されている。
そして、第1接続流路600Aは、本実施形態では、第3の方向Zに沿って直線状に形成されている。また、第2接続流路600Bは、第2導入口44Bから第1導入口44Aとは離れる第2の方向Yに向かって延設された延設流路を有する。具体的には、第2接続流路600Bは、上流流路500(第2排出口506B)に接続される第1流路601と、第1流路601に接続された延設流路である第2流路602と、第2流路602と第2導入口44Bとを接続する第3流路603と、を具備する。
第1流路601と第3流路603とは、第3の方向Zに沿って直線状に設けられている。もちろん、第1流路601と第3流路603とは、第3の方向Zに交差する方向に設けられていてもよい。
また、延設流路である第2流路602は、第2の方向Yに向かって延設されている。本実施形態では、第1流路601及び第3流路603を第3の方向Zに沿って設け、第2流路602を水平方向(第2の方向Y)に沿って設けるようにした。
もちろん、第2接続流路600Bは、これに限定されず、第1接続流路600Aと同様に第3の方向Zに沿って直線上に形成されていてもよい。また、第1接続流路600A、第2接続流路600Bの何れか一方又は両方が、第3の方向Zに対して斜めに傾斜して設けられていてもよい。ただし、第3の方向Zに沿った垂直な第1流路601及び第3流路603と第2の方向Yに沿った水平な第2流路602とを設けた方が、第2接続流路600Bが専有するスペースを小さくして省スペース化できるので、記録ヘッド1の小型化を図ることができる。
なお、このような接続流路600は、例えば、第1下流流路部材222と、第2下流流路部材223とに形成されている。第1下流流路部材222には、第1流路601が形成され、第1下流流路部材222と第2下流流路部材223との間に第2流路602が形成されている。また、第2下流流路部材223には第3流路603が形成されている。これにより、延設流路である第2流路602を下流流路部材220内に容易に形成することができる。
また、第1接続流路600Aと第2接続流路600Bとの間には、配線部材121を挿通するために配線部材挿通孔224が設けられている。配線部材挿通孔224は、ヘッド本体2の接続口43に連通して、配線部材121をヘッド本体2側から上流流路部材210側に挿通するためのものである。
このような上流流路部材210と下流流路部材220との間には、上流流路500と下流流路600とを接続する(継ぐ)、継手であるシール部材230が設けられている。
シール部材230は、記録ヘッド1に用いられるインク等の液体に対して耐液体性を有し、且つ弾性変形可能な材料(弾性材料)、例えば、ゴムやエラストマー等を用いることができる。シール部材230は、下流流路600毎に管状部分231を有する。管状部分231は、内部に連通流路232が設けられている。そして、管状部分231の連通流路232を介して上流流路部材210の上流流路と下流流路部材220の下流流路とが連通される。なお、管状部分231の上流流路部材210側の端面には、第1突起部217が挿入される環状の第1凹部233が設けられている。また、管状部分231の下流流路部材220側の端面には、第2突起部221が挿入される第2凹部234が設けられている。そして、第1凹部233に挿入された第1突起部217の先端面と、第2凹部234に挿入された第2突起部221の先端面との間で管状部分231は第3の方向Zに所定の圧力が印加された状態で保持されている。このように上流流路500と連通流路232とはシール部材230に第3の方向Zに圧力が印加された状態で接続され、連通流路232と下流流路600とはシール部材230に第3の方向Zに圧力が印加された状態で接続される。したがって、上流流路500と下流流路600とは連通流路232を介して密封された状態で連通されている。
なお、本実施形態の管状部分231は、1つの上流流路部材210に対して複数個が一体的になるように、上流流路部材210側で板状部分によって連結されている。また、本実施形態では、1つの上流流路部材210に上流流路500の排出口506が8個設けられているため、8個の管状部分231が一体的に設けられたシール部材230となっている。
また、本実施形態では、シール部材230に第3の方向Zに圧力を印加して、上流流路500と下流流路600とを接続するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、管状部分231の内壁面と第1突起部217及び第2突起部221の少なくとも一方の外周面とを密着させて、つまり、径方向である第1の方向X及び第2の方向Yの面方向に圧力を印加して流路を接続するようにしてもよい。
また、シール部材230と下流流路部材220との間には、配線部材121が接続される配線基板300が設けられている。配線基板300には、配線部材121とシール部材230の管状部分231が挿入される挿通孔が設けられている。本実施形態では、第1接続流路600Aに対応して設けられた管状部分231と配線部材121とが挿通される開口部である第1挿通孔301と、第2接続流路600Bに対応して設けられた管状部分231が挿通される開口部である第2挿通孔302とが設けられている。
本実施形態の第1挿通孔301は、2つの配線部材121を挿通する大きさで形成されている。なお、2つの配線部材121の間には、2つのヘッド本体2の第1接続流路600Aが4個設けられているため、この第1接続流路600Aに対応するシール部材230の管状部分231は、配線部材121と共に第1挿通孔301に挿通される。
また、第2挿通孔302は、第2接続流路600Bに対応して設けられた管状部分231毎に設けられている。つまり、配線基板300は、第3の方向Zにおいて第2接続流路600Bの延設流路である第2流路602から第1導入口44Aとは反対側で、第1接続流路600Aと第2接続流路600Bとの間から第2接続流路600Bを超えて第2の方向Yに延びるように配置されている。なお、本実施形態では、2つのヘッド本体2に共通する1つの配線基板300を設けるようにした。もちろん、配線基板300は、これに限定されず、1つのヘッド本体2毎に分割して設けるようにしてもよい。この場合にも、各ヘッド本体2毎に設けられた配線基板は、第1接続流路600Aと第2接続流路600Bとの間から第2接続流路600Bを超えて第2の方向Yに延びるように配置されることで、配線部材121と配線基板とを容易に接続することが可能となる。なお、本実施形態のように、2つのヘッド本体2に共通する1枚の配線基板300を用いることで、部品点数を減少させて組立作業を簡略化することができる。
また、配線基板300には、上流流路部材210側の面であって、第1挿通孔301の第2の方向Yの両側の開口縁部に、配線部材121が接続される端子部310が設けられている。そして、配線部材121の他端部は、配線基板300の第1挿通孔301に下流流路部材220側から挿通される。このように第1挿通孔301に挿通された配線部材121の他端部は、配線基板300の表面(上流流路部材210側の表面)である第2の方向Yに沿って屈曲され、配線基板300の上流流路部材210側の表面上で端子部310と接続されている。
なお、配線基板300には、図示しない配線や電子部品等が搭載されており、端子部310に接続された配線は、第2の方向Yの両端部側に設けられたコネクター320に接続されている。そして、コネクター320には、図示しない外部配線が接続される。なお、下流流路部材220には、コネクター320を露出するためのコネクター接続口225が設けられており、外部配線は、コネクター接続口225によって露出されたコネクター320に接続される。
このような流路ユニット200とヘッド本体2との固定方法は特に限定されず、例えば、接着剤による接着や、ネジ等による固定であってもよい。ただし、ヘッド本体2は小型であり、1つの流路ユニット200に対してヘッド本体2を複数取り付ける必要があるため、弾性材料からなるシール部材を介して固定するのは困難である。したがって、ヘッド本体2と流路ユニット200とは接着剤により接着するのが好ましい。
また、流路ユニット200のヘッド本体2が設けられた面側には、カバーヘッド400が設けられている。カバーヘッド400は、本実施形態では、複数のヘッド本体2を覆う大きさを有する。また、カバーヘッド400には、ノズル開口21を露出する第2露出開口部401が設けられている。本実施形態では、第2露出開口部401は、ノズルプレート20を露出する大きさ、つまり、コンプライアンス基板45の第1露出開口部45aと略同じ開口を有する。
このようなカバーヘッド400は、コンプライアンス基板45の連通板15とは反対面側に接合されており、コンプライアンス部49の流路(マニホールド100)とは反対側の空間を封止する。このようにコンプライアンス部49をカバーヘッド400で覆うことにより、コンプライアンス部49が紙等の被記録媒体が接触しても破壊されるのを抑制することができる。また、コンプライアンス部49にインク(液体)が付着するのを抑制して、カバーヘッド400の表面に付着したインク(液体)を例えばワイパーブレード等で払拭することができ、被記録媒体をカバーヘッド400に付着したインク等で汚すのを抑制することができる。なお、特に図示していないが、カバーヘッド400とコンプライアンス部との間の空間は、大気開放されている。もちろん、カバーヘッド400は、各ヘッド本体2毎に独立して設けられていてもよい。
ここで、本実施形態の流路部材である上流流路部材210の第1上流流路、第1液体溜まり部、第2液体溜まり部、第3上流流路、フィルター216及びリブ240について、さらに図8〜図11を参照して詳細に説明する。なお、図8は、上流流路部材のフィルター部分を示す平面図であり、図9は、図8のB−B′線断面図である。また、図10は、本実施形態のフィルターの状態を示す断面図であり、図11は、比較例のフィルターの状態を示す断面図である。
図示するように、本実施形態の流路部材である上流流路部材210を構成する第2上流流路部材212には、第1上流流路部材211の第1上流流路501(図7参照)に連通する第2上流流路502と、第2上流流路502よりも大きな内径を有する第1液体溜まり部503と、が設けられている。第1液体溜まり部503は、第3上流流路部材213側に開口して設けられている。
また、第3上流流路部材213には、第1液体溜まり部503と略同じ内径を有する第2液体溜まり部504と、第2液体溜まり部504に連通する複数、本実施形態では、2つの第3上流流路505と、が設けられている。第2液体溜まり部504は、第2上流流路部材212側に開口して設けられている。また、第2液体溜まり部504が開口する部分には、第2液体溜まり部504よりも大きい内径を有する大径部507が設けられており、第2液体溜まり部504と大径部507との間には、これらの内径差によって第1液体溜まり部503側に相対向する段差面であるフィルター取付面507aが設けられている。
そして、このフィルター取付面507aにフィルター216が固定されている。すなわち、第2液体溜まり部504の開口縁部にフィルター216が固定されていることになる。このフィルター216のフィルター取付面507aへの固定方法は特に限定されず、例えば、熱溶着、超音波溶着などの溶着や、接着剤を用いた接着などが挙げられる。
本実施形態では、フィルター取付面507aに第2上流流路部材212側に突出したダイレクター218を設け、ダイレクター218にフィルター216を押しつけた状態でダイレクター218を熱又は超音波等で溶融させた後、ダイレクター218を固化させることでフィルター216をフィルター取付面507aに固定するようにした。なお、ダイレクター218は、溶融後にはフィルター216の微細孔内及び第3上流流路部材213側の面に広がるため、図9では、溶融前のダイレクター218を点線で示している。
このようなフィルター216は、液体であるインク中に含まれるゴミや気泡などの異物を除去するためのものであり、例えば、金属や樹脂等の繊維を細かく編むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものや、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細孔を貫通させたものなどを用いることができる。さらに、フィルター216は、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。
ここで、フィルター216は、図8に示すように、長手方向L及び短手方向Sを有する。本実施形態では、フィルター216の長手方向L及び短手方向Sは、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域の形状で規定される。つまり、フィルターの長手方向L及び短手方向Sは、第2液体溜まり部504の開口形状における長手方向L及び短手方向Sのことである。そして、本実施形態では、第2液体溜まり部504の開口形状は長方形状となっているため、長手方向Lとは第2液体溜まり部504の長辺に沿った方向であり、短手方向Sとは第2液体溜まり部504の短辺に沿った方向のことである。ちなみに、フィルター216は、第2液体溜まり部504に相対向する領域が実際にインクの通過する領域であり、この領域の外周に沿ってフィルター216を第3上流流路部材213に固定する固定部分が形成されている。このフィルター216の固定部分は、例えば、第2液体溜まり部504とは異なる形状であってもよいが、フィルター216の固定部分が広すぎると、隣り合うフィルター216の間隔が広くなり、上流流路部材210が長手方向L及び短手方向Sの面内方向に大型化してしまう。したがって、フィルター216の固定部分は、できるだけ小さい面積で形成するのが好ましい。つまり、フィルター216の固定部分は、フィルター216のインクが通過する領域の外周に亘って略同じ幅で形成されているのが好ましく、これによりフィルター216の外形形状は、フィルター216のインクが通過する領域の形状と略一致する。このため、本実施形態のフィルター216は、第3の方向Zから平面視した際に長方形状を基本とした外形形状を有する。したがって、長手方向Lとは、フィルター216の長辺に沿った方向と一致し、短手方向Sとはフィルター216の短辺に沿った方向と一致する。ちなみに、フィルター216の外形形状と、第2液体溜まり部504のフィルター216側の開口形状が異なる形状の場合には、フィルター216の長手方向L及び短手方向Sは、フィルター216の有効面積を規定する第2液体溜まり部504のフィルター216側の開口形状に基づいて規定すればよい。つまり、何れの場合においてもフィルター216の長手方向L及び短手方向Sとは、フィルター216の有効面積を規定する領域において規定すればよい。
また、フィルター216の長手方向Lは、記録ヘッド1における第1の方向X及び第2の方向Yの何れか一方と一致する方向となるように上流流路部材210に設けられていてもよい。もちろん、フィルター216の長手方向Lが第1の方向X及び第2の方向Yを含む面内で、第1の方向X及び第2の方向Yの双方と交差する方向となるように配置されてもよい。なお、本実施形態では、長手方向L及び短手方向Sの双方に直交する方向は、記録ヘッド1の第3の方向Zと一致するため、第3の方向Zとして説明する。
このような第2液体溜まり部504は、フィルター216に相対向する底面504aに、複数の第3上流流路505の開口部510が開口して設けられている。本実施形態では、1つの第2液体溜まり部504に2つの第3上流流路505を連通させるようにした。なお、本実施形態では、1つの第2液体溜まり部504に2つの第3上流流路505(開口部510)を連通させるようにしたため、一方の開口部510を第1開口部510Aと称し、他方の開口部510を第2開口部510Bと称する。また、以降、開口部510とは、第1開口部510A及び第2開口部510Bの両方を指す。ここで、第1開口部510A及び第2開口部510Bは、第2液体溜まり部504の底面504aに長手方向Lに所定の間隔をおいて離れて配置されている。本実施形態では、第1開口部510Aと第2開口部510Bとは、短手方向Sで同じ位置で、長手方向Lに所定の間隔で配置されている。そして、第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間には、底面504aからフィルター216側に向かって***した尾根219が形成されている。尾根219は、底面504aから第2液体溜まり部504の長手方向Lの中央に短手方向Sに亘って突出して設けられている。このような尾根219の先端は、フィルター216に達することなく、すなわち、尾根219とフィルター216とが接触することなく形成されている。そして、この尾根219によって第2液体溜まり部504には、第1開口部510Aが開口する第1凹部511Aと、第2開口部510Bが開口する第2凹部511Bとの2つの凹部511が形成される。なお、尾根219は、フィルター216に達することなく形成されているため、第1凹部511Aと第2凹部511Bとはフィルター216側で互いに連通する。このように互いに隣り合う2つの凹部511の間に尾根219を形成して、それぞれの開口部510毎に凹部511を形成して凹部511の底面、すなわち、第2液体溜まり部504の底面504aを凹部511毎に開口部510に向かって傾斜して設ける。すなわち、フィルター216と底面504aとの第3の方向Zの間隔は、開口部510から第2液体溜まり部504のフィルター216が固定された外周側及び尾根219の先端に向かって徐々に小さくなるように形成されている。これにより開口部510から離れた位置でフィルター216を通過したインクの流速を速めて、気泡排出性を向上することができる。
なお、第1凹部511A及び第2凹部511Bは、相対向するフィルター216の有効面積が同じ面積となるように、尾根219は長手方向Lの中央に短手方向Sに亘って設けられている。これにより、第1開口部510Aに供給するインクのフィルター216による圧力損失と、第2開口部510Bに供給するインクのフィルター216による圧力損失を略同じ値とすることができる。これにより、記録ヘッド1に供給するインクの圧力損失のばらつきを抑制することができる。そして、このように第1凹部511Aと第2凹部511Bとがフィルター216の有効面積が同じ面積となるようにするには、第1凹部511A及び第2凹部511Bの間には、長手方向Lの中心が必ず配置される。ここで、長手方向L及び短手方向Sを含む面内方向において、凹部511のフィルター216側の開口の周縁部から開口部510までの距離は、できるだけ同じ距離となるように開口部510を配置するのが好ましい。これは、開口部510が何れか上記面内方向において、何れか一方に著しく偏心して設けられていると、フィルター216と底面504aとの間を通過するインクの流速にばらつきが生じ、流速が低い領域に気泡が溜まりやすく、溜まった気泡が予期せぬタイミングで記録ヘッド1に流れてインクの噴射不良等が発生する虞があるからである。したがって、第2液体溜まり部504が長手方向L及び短手方向Sを有する、すなわち、長辺及び短辺を有する形状の場合、長手方向Lの中央に尾根219を形成して、長手方向Lに2つに分割した凹部511を形成することで、2つの凹部511の長手方向L及び短手方向Sのアスペクト比を比較的小さくすることができる。したがって、各凹部511に開口部510を設けることで、開口部510から凹部511の開口周縁までの距離をできるだけ均等にすることができる。
これに対して、例えば、第2液体溜まり部504を短手方向Sに分割する尾根219を設けて2つの凹部511を形成すると、2つの凹部511の長手方向L及び短手方向Sのアスペクト比が、第2液体溜まり部504よりも大きくなってしまう。このため、このようなアスペクト比が比較的高い凹部511の各々に開口部510を形成すると、開口部510から凹部511の開口周縁までの距離に大きく差が生じることになる。つまり、2つの開口部510は、長手方向Lを同じ位置として短手方向Sに離して配置することはなく、2つの開口部510は、必ず長手方向Lを分断する尾根219によって形成された凹部511の底面に、長手方向Lに離した位置に配置される。なお、本実施形態では、第3上流流路505を配置する関係で、第1開口部510A及び第2開口部510Bは、凹部511の中心よりも若干ずれた位置に配置されている。
このように、2つの第3上流流路505に対して1つの第2液体溜まり部504及びフィルター216を設けることで、第3上流流路505の各々に対して1つずつフィルター216を設ける場合に比べて、部品点数を減らしてコストを低減することができる。また、2つの第3上流流路505に対して1つの第2液体溜まり部504及びフィルター216を設けることで、フィルター216の溶着領域や流路を区画する壁部を減少させて、上流流路部材210の長手方向L及び短手方向Sを含む面内方向、特に面内方向における第3上流流路505の並設方向の小型化を図ることができる。すなわち、例えば、第3上流流路505の各々に個別にフィルター216を設ける場合、隣り合うフィルター216の間には、2つのフィルター216毎に溶着するフィルター取付面507aが必要になるため大型化してしまう。また、フィルター216毎に第2液体溜まり部504が必要になり、2つの第2液体溜まり部504を区画する壁部の分だけ大型化してしまうからである。
このような第2液体溜まり部504には、リブ240が設けられている。本実施形態のリブ240は、第2液体溜まり部504の底面504aに基端部が固定されて、先端部がフィルター216に向かって、すなわち第3の方向Zに直線状に突出して設けられた円柱形状を有する。また、リブ240は、先端がフィルター216のフィルター取付面507aに固定された領域の第2液体溜まり部504側の面よりも第1液体溜まり部503側に突出して設けられている。これにより、フィルター216の第2液体溜まり部504側の面はリブ240によって支持されている。
具体的には、本実施形態では、短手方向Sに並設された2つのリブ240で構成された組を、長手方向Lに等間隔となるように3カ所に設けるようにした。すなわち、合計6個のリブ240を設けるようにした。ここで、長手方向Lに並設された3組のリブ240は、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域を長手方向Lに4等分する位置に配置されている。本実施形態では、長手方向Lの一方から他方に向かって第1リブ241、第2リブ242、第3リブ243と称する。ちなみに、リブ240とは、全ての第1リブ241、第2リブ242、第3リブ243を指す。
なお、リブ240は、フィルター216の長手方向Lにおいて、少なくとも第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間の領域R1に設けられていればよい。ここで言う領域R1とは、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域の内、第1開口部510Aの中心を通る短手方向Sに沿った線700と、第2開口部510Bの中心を通る短手方向Sに沿った線701との間の領域のことである。この第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間には、上述のように必ずフィルター216の長手方向Lの中心が配置されるため、長手方向Lの少なくとも第1開口部510Aと第2開口部510Bとの領域R1にリブ240を設けることで、フィルター216の長手方向Lの中央部がリブ240によって支持される。
そして、フィルター216の第2液体溜まり部に相対向する領域を長手方向Lに4等分した領域を長手方向Lの一方側から他方側に順番にL1/4、L2/4、L3/4、L4/4とすると、本実施形態の第1開口部510AはL2/4に設けられ、第2開口部510BはL4/4に設けられている。したがって、本実施形態では、長手方向Lにおいて、L2/4とL3/4との境界に設けられた2つの第2リブ242と、L3/4とL4/4との境界に設けられた2つの第3リブ243と、の合計4つのリブ240が領域R1内に設けられていることになる。したがって、領域R1内に設けられたこれら4つのリブ240が特許請求の範囲に記載のリブに相当する。
また、長手方向Lにおいて、L1/4とL2/4との境界に設けられた2つの第1リブ241は、領域R1の外側となるため、この2つの第1リブ241が、特許請求の範囲に記載の補助リブに相当する。
このように、長手方向Lにおいて第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間の領域R1にリブ240(第2リブ242、第3リブ243)を設けることで、このリブ240(第2リブ242、第3リブ243)によってフィルター216の長手方向Lの中央部を支持することができる。これにより、図10に示すように、第1液体溜まり部503から第2液体溜まり部504に向かって流れるインクの圧力によってフィルター216が第2液体溜まり部504側に押圧された際に、フィルター216の最も撓み量が大きくなる長手方向Lの中央部がリブ240(第2リブ242、第3リブ243)によって支持される。したがって、フィルター216の第2液体溜まり部504側への撓みによる突出量がリブ240(第2リブ242、第3リブ243)の間で分割されて小さくなり、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付くのを抑制することができる。したがって、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付くことにより、フィルター216の圧力損失が増大し、圧力発生室12の背圧に影響を受けてノズル開口21のインクのメニスカスが破壊されるのを抑制することができる。
これに対して、リブ240を設けていない場合には、図11に示すように、第1液体溜まり部503から第2液体溜まり部504に向かって流れるインクの圧力によってフィルター216が第2液体溜まり部504側に押圧された際に、フィルター216が撓み変形して、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付いてしまう。
特に、本実施形態では、フィルター216は、2つの第3上流流路505に共通して1つだけ設けられているため、1つの第3上流流路505毎にフィルター216を個別に設ける場合に比べて面積が広い。このようにフィルター216の面積の増大に比例して、フィルター216をフィルター取付面507aに固定した際の熱等によるよれ量(撓み変形が可能な量)が大きくなるため、フィルター216がインクの圧力によって押圧された際に第2液体溜まり部504側への突出量が大きくなり、フィルター216は第2液体溜まり部504の底面504aに張り付き易い。つまり、本実施形態では、複数の第3上流流路505が連通する第2液体溜まり部504にフィルター216を設けた構成において、第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間の領域R1にリブ240(第2リブ242、第3リブ243)を設けることで、大きな面積のフィルター216の撓み変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを効果的に抑制することができるものである。
なお、本実施形態では、領域R1の外側に補助リブである2つの第1リブ241を設けるようにした。これにより、フィルター216が第2液体溜まり部504側に向かって撓み変形した際に、第1リブ241、第2リブ242及び第3リブ243によって分割された4つの領域L1/4、L2/4、L3/4、L4/4で、フィルター216の第3の方向Zへの撓み変形による突出量を分割して小さくすることができる。したがって、フィルター216の第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きをさらに確実に抑制することができる。もちろん、補助リブである第1リブ241を設けなくても、すなわち、領域R1内の4つのリブ240(第2リブ242、第3リブ243)だけでもフィルター216の第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1リブ241、第2リブ242及び第3リブ243等の各リブ240は、短手方向Sにも2つ並設されている。この短手方向Sに並設された2つのリブ240は、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域を、短手方向Sに3等分する位置に配置されている。ここで、フィルター216は、短手方向Sにおいても、中心が最も第2液体溜まり部504側に突出して撓むため、リブ240は、短手方向Sの中央部に設けるのが好ましい。具体的には、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域を短手方向Sに4等分した領域を短手方向Sの一方側から他方側に向かってS1/4、S2/4、S3/4、S4/4とした場合、リブ240は短手方向SにおいてS2/4及びS3/4の領域に設けるのが好ましい。また、短手方向Sを3等分にした領域を短手方向Sの一方側から他方側に向かってS1/3、S2/3、S3/3とした場合に、リブ240はS2/3の領域に設けるのがさらに好適である。ちなみに、領域S2/4、S3/4や、領域S2/3とは、隣り合う領域の境界部分を含む。本実施形態では、リブ240を短手方向Sにおいて、領域S2/3に設けることで、短手方向Sのフィルター216の撓みによるフィルター216の第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを効果的に抑制することができる。もちろん、リブ240を設ける短手方向Sの位置は、上記領域のみに限定されるものではなく、上記領域以外の領域にリブ240を設けることによっても、フィルター216の撓みによる第2液体溜まり部504側への突出量は、リブ240によって分割されて減少させることができる。
なお、リブ240は、上述したように、フィルター216のフィルター取付面507aに固定された領域のフィルター216の第2液体溜まり部504側の面よりも第1液体溜まり部503側に突出して設けられている。ここで、リブ240のフィルター216のフィルター取付面507aに固定された面からの突出量hは、大きすぎるとフィルター216と第1液体溜まり部503との間隔が狭くなり、フィルター216上で保持できる気泡の量が減少してしまい、記録ヘッド1の寿命が短くなると共に、気泡を排出させるクリーニング動作を行う場合には頻繁なクリーニング動作が必要になって、インクの無駄な消費が増大してしまう。また、リブ240の突出量hが大きすぎると、フィルター216をフィルター取付面507aに押圧する際に、リブ240がフィルター216を突き破る虞がある。このため、リブ240の突出量hは、ダイレクター218のフィルター取付面507aからの突出量よりも低くするのが好ましい。また、リブ240がフィルター216のフィルター取付面507aに固定された面よりも第1液体溜まり部503側に突出せずに設けられていると、リブ240を設けていたとしても、フィルター216がインクの圧力によって撓んだ際に、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付く虞がある。このため、リブ240は、フィルター216のフィルター取付面507aに固定された面よりも第1液体溜まり部503側に突出し、且つその突出量hは、ダイレクター218の高さ以下であるのが好適である。
また、本実施形態では、リブ240を設けることによって、フィルター216の第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制することができるため、第2液体溜まり部504を第3の方向Zに浅く形成することができる。すなわち、リブ240を設けずにフィルター216の液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制するためには、フィルター216と底面504aとの間隔を広げることで実現できる。しかしながら、第2液体溜まり部504が第3の方向Zに深くなると、上流流路部材210が第3の方向Zに大型化してしまう。また、フィルター216と底面504aとの間の間隔が広くなると、この間を流れるインクの流速が減少し、気泡排出性が低下してしまう。本実施形態では、リブ240を設けることで、フィルター216の第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制することができるため、第2液体溜まり部504を第3の方向Zに浅くして、上流流路部材210の第3の方向Zの小型化及び気泡排出性を向上することができる。
さらに、本実施形態では、円柱形状のリブ240を設けたため、リブ240が第2液体溜まり部504を完全に分割することがない。そして、円柱形状のリブ240の先端面がフィルター216に当接するため、リブ240によってフィルター216の有効面積が著しく減少するのを抑制して、リブ240によるフィルター216の圧力損失の増大を比較的小さくすることができる。これに対して、例えば、尾根219をフィルター216に当接させた場合には、尾根219の先端に平坦面を形成して、フィルター216に面接触させて、フィルター216の破損を抑制する必要がある。このため、尾根219がフィルター216に当接する面積が増大し、フィルター216の有効面積が減少して、フィルター216の圧力損失が増大する。つまり、本実施形態では、リブ240及び尾根219は、第2液体溜まり部504を分割することなく設けることで、フィルター216の有効面積が著しく減少するのを抑制して、小型化することができる。
なお、本実施形態では、2つの開口部510が短手方向Sに同じ位置となるように配置するようにしたが、特にこれに限定されない。例えば、図12に示すように、第1開口部510Aと第2開口部510Bとが短手方向Sに所定の間隔をおいて離れて配置されている場合であっても、上述した実施形態1と同様に、領域R1にリブ240(第2リブ242及び第3リブ243)を設けることで、フィルター216の撓み変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制することができる。また、第1開口部510A及び第2開口部510Bが短手方向Sに離れて配置されている場合であっても、短手方向Sにおいてリブ240を4分割したS2/4及びS3/4の領域に設けることで、効果的にフィルター216の短手方向Sにおける張り付きを抑制することができる。また、リブ240は、短手方向Sを3分割したS2/3の領域に設けるのが好適である。さらに、補助リブである第1リブ241を設けることで、フィルター216の撓み変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きをさらに確実に抑制することができる。なお、第1開口部510Aと第2開口部510Bとが短手方向Sに離れた位置に配置されていたとしても、尾根219のフィルター216側の先端位置は、上述した実施形態1と同じ位置となる。
(実施形態2)
図13は、本発明の実施形態2に係る上流流路部材のフィルター部分を示す平面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、本実施形態の第2液体貯まり部504のフィルター216側の開口形状及びフィルター216の外径形状は、楕円形状となっている。
このような構成の場合、フィルター216の長手方向Lとは、楕円形状における長軸の軸方向に沿った方向であり、短手方向Sとは、楕円形状における短軸の軸方向に沿った方向である。
そして、第1開口部510Aと第2開口部510Bは、長手方向Lの中心を挟んだ両側に設けられているため、上述した実施形態1と同様に、長手方向Lにおいて第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間の領域R1にリブ240を設ければよい。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様に、短手方向Sに並設された2つのリブ240を、長手方向Lを4等分する位置に配置するようにした。つまり、長手方向Lの一方から他方に向かって設けたリブ240を、第1リブ241、第2リブ242、第3リブ243と称する。ここで、長手方向Lを4等分するとは、フィルター216の第2液体貯まり部504に相対向する領域の内、長手方向Lで最も長い部分を4つに分割することを言う。
そして、第2リブ242、第3リブ243の4つのリブ240が、領域R1に配置され、特許請求の範囲に記載のリブに相当し、第1リブ241の2つのリブ240が領域R1の外側に配置された補助リブに相当する。
また、リブ240の短手方向Sの位置は、上述した実施形態1と同様である。ちなみに、短手方向Sを等分する際にも、長手方向Lと同様にフィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域の内、短手方向Sで最も長い部分を分割すればよい。
このような構成であっても、上述した実施形態1と同様に、リブ240を設けることによって、フィルター216がインクの圧力で第2液体溜まり部504側に押圧されても、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付くのを抑制することができる。
また、リブ240を設けることによって、第2液体溜まり部504を第3の方向Zに浅く形成することができ、上流流路部材210の小型化を図ることができると共に気泡排出性を向上することができる。
また、リブ240及び尾根219によって第2液体溜まり部504が分割されず、リブ240が当接する面積の分だけ、フィルター216の有効面積が減少するだけなので、フィルター216の圧力損失が著しく増大するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第1開口部510A及び第2開口部510Bが、短手方向Sで同じ位置となるように配置したが、特にこれに限定されない。ここで、第1開口部510Aと第2開口部510Bとの変形例を図14に示す。なお、図14は、本発明の実施形態2の変形例を示す上流流路部材のフィルター部分の平面図である。
図示するように、第1開口部510Aと第2開口部510Bとは、短手方向Sに所定の間隔をおいて離れて配置されている。このような構成であっても、上述した実施形態2と同様に、領域R1にリブ240(第2リブ242及び第3リブ243)を設けることで、フィルター216の撓み変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きを抑制することができる。また、第1開口部510A及び第2開口部510Bが短手方向Sに離れて配置されている場合であっても、短手方向Sにおいてリブ240を4分割したS2/4及びS3/4の領域に設けることで、効果的にフィルター216の短手方向Sにおける張り付きを抑制することができる。また、リブ240は、短手方向Sを3分割したS2/3の領域に設けるのが好適である。さらに、補助リブである第1リブ241を設けることで、フィルター216の撓み変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きをさらに確実に抑制することができる。なお、第1開口部510Aと第2開口部510Bとが短手方向Sに離れた位置に配置されていたとしても、尾根219のフィルター216側の先端位置は、上述した実施形態1と同じ位置となる。
(実施形態3)
図15は、本発明の実施形態2に係る上流流路部材のフィルター部分を示す平面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態のフィルター216及び第2液体溜まり部504の形状は、上述した実施形態1と同様に長方形状となっている。また、第1開口部510A及び第2開口部510Bは、上述した実施形態1と同様の配置となっており、第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間には尾根219が形成されている構成も実施形態1と同様である。
そして、第2液体溜まり部504には、基端部が第2液体溜まり部504の底面504aに固定され、先端部がフィルター216に向かって突出するリブ250が設けられている。本実施形態のリブ250は、板形状を有し、面方向が第3の方向Zと一致するように起立して設けられている。
このようなリブ250は、本実施形態では、第2液体溜まり部504の対角線710上、711上に配置されている。
本実施形態では、一方の対角線710上に、対角線710の線方向がリブ250の面方向と一致するように等間隔で5つ設け、他方の対角線711上に対角線711の線方向がリブ250の面方向と一致するように2つ設け、合計7つ設けるようにした。
ここで、本実施形態では、一方の対角線710上に配置された5つのリブ250を、長手方向Lの一方側(第1開口部510A側)から他方側(第2開口部510B側)に向かって、第1リブ251、第2リブ252、第3リブ253、第4リブ254、第5リブ255と称する。
そして、第1リブ251と第5リブ255とは、第3の方向Zから平面視した際に、第2液体溜まり部504の内面、すなわち、フィルター216が固定されたフィルター取付面507aから連続して設けられている。
このようなリブ250は、本実施形態では、領域R1内には、第3リブ253、第4リブ254が配置されており、この第3リブ253及び第4リブ254が、特許請求の範囲に記載のリブに相当する。
また、第1リブ251、第2リブ252、第5リブ255は、領域R1の外側に設けられているため、特許請求の範囲に記載の補助リブに相当する。
一方、他方の対角線711上に配置された2つのリブ250を、長手方向Lの一方側(第1開口部510A側)から他方側(第2開口部510B側)に向かって、第6リブ256、第7リブ257と称する。
そして、第6リブ256と第7リブ257とは、第3の方向Zから平面視した際に、第2液体溜まり部504の内面、すなわち、フィルター216が固定されたフィルター取付面507aから連続して設けられている。このような第6リブ256及び第7リブ257は、領域R1の外側に配置されている。したがって、第6リブ256及び第7リブ257は、特許請求の範囲に記載の補助リブに相当する。
このような構成であっても、上述した実施形態1と同様に、リブ250を設けることによって、フィルター216がインクの圧力で第2液体溜まり部504側に押圧されても、フィルター216が第2液体溜まり部504の底面504aに張り付くのを抑制することができる。
また、リブ250を設けることによって、第2液体溜まり部504を第3の方向Zに浅く形成することができ、上流流路部材210の小型化を実現できると共に気泡排出性を向上することができる。
また、リブ250及び尾根219によって第2液体溜まり部504が分割されておらず、リブ250が当接する面積の分だけ、フィルター216の有効面積が減少するだけなので、フィルター216の圧力損失が著しく増大するのを抑制することができる。
なお、本実施形態では、第3の方向Zから平面視した際に同じ厚さ、すなわち、対角線710、711のそれぞれにおいて対角線710、711に直交する方向の厚さが同じ厚さの複数のリブ250を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、厚さの異なるリブを設けるようにしてもよい。ここでこのような例を図16に示す。なお、図16は、実施形態3に係る上流流路部材のフィルター部分の変形例を示す平面図である。
図示するように、複数のリブ250は、フィルター216の中心、すなわち、長手方向Lの中心に向かって、徐々に厚さが厚くなるように形成されている。すなわち、第3リブ253が最も厚く、第2リブ252及び第4リブ254が2番目に厚く、第1リブ251、第5リブ255、第6リブ256及び第7リブ257が最も薄い。これにより、最も撓みが大きくなるフィルター216の長手方向Lの中心部において、リブ250(第3リブ253)がフィルター216を確実に支持することができる。また、フィルター216の長手方向Lの両端部側においては、リブ250(第1リブ251、第5リブ255、第6リブ256及び第7リブ257)の厚さを薄くすることで、リブ250の先端面がフィルター216に当接することによる有効面積の減少をできるだけ小さくすることができる。
なお、本実施形態では、フィルター216及び第2液体溜まり部504の外形形状を長方形状としたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態2と同様に楕円形状等であってもよい。
また、第1開口部510A及び第2開口部510Bは、短手方向Sにずれた位置に配置されていてもよい。
また、本実施形態では、板形状を有するリブ250を設けるようにしたが、本実施形態のリブ250と、上述した実施形態1の円柱形状を有するリブ240とを混在させて設けるようにしてもよい。
(実施形態4)
図17は、本発明の実施形態4に係る上流流路部材のフィルター部分の平面図である。なお、上述した実施形態と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図17に示すように、本実施形態のフィルター216及び第2液体溜まり部504の形状は、上述した実施形態1と同様に長方形状となっている。
また、第2液体溜まり部504の底面504aには、3つの第3上流流路505が開口部510によって連通して設けられている。
本実施形態では、3つの開口部510を、第1開口部510A、第2開口部510B、第3開口部510Cと称する。そして、これら3つの開口部510は、長手方向Lに所定の間隔で離れた配置されており、第1開口部510Aと第3開口部510Cとは、短手方向Sの位置が同じ位置で設けられている。また、第1開口部510A及び第3開口部510Cと第2開口部510Bとは、短手方向Sに所定の間隔をおいて離した位置に配置されている。
また、尾根219は、第1開口部510Aと第2開口部510Bとの間と、第2開口部510Bと第3開口部510Cとの間と、第1開口部510Aと第3開口部510Cとの間と、に連続して設けられている。これにより、第1開口部510Aが開口する第1凹部511Aと、第2開口部510Bが開口する第2凹部511Bと、第3開口部510Cが開口する第3凹部511Cとの3つの凹部511が形成されている。
このような尾根219は、上述した実施形態1と同様に、フィルター216に接触することなく形成されており、各凹部511は、互いに連通して設けられている。
このような構成では、本実施形態の長手方向Lにおける開口部510の間の領域R1とは、長手方向Lにおいて両端部に設けられた開口部510、すなわち、第1開口部510Aと第3開口部510Cとの間の領域のことである。つまり、領域R1とは、フィルター216の第2液体溜まり部504に相対向する領域の内、第1開口部510Aの中心を通る短手方向Sに沿った線700と、第3開口部510Cの中心を通る短手方向Sに沿った線701との間の領域のことである。
このような領域R1に、上述した実施形態1と同様の円柱形状を有するリブ240が設けられている。このように領域R1にリブ240を設けることにより、上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。
また、1つの第2液体溜まり部504に3つ以上の開口部510が設けられている場合には、3つの開口部510によって囲まれた領域R2内にリブ240を設けるのが好ましい。これにより、フィルター216の変形による第2液体溜まり部504の底面504aへの張り付きをさらに確実に抑制することができる。
なお、本実施形態では、フィルター216及び第2液体溜まり部504の外形形状を長方形状としたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態2と同様に楕円形状等であってもよい。
また、第1開口部510A及び第2開口部510Bは、短手方向Sにずれた位置に配置されていてもよい。
さらに、リブ240の形状は特に限定されず、上述した実施形態3と同様に、板形状を有するリブ250を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、リブ240を1つだけ設けるようにしたが、複数のリブ240、250を設けるようにしてもよく、また、領域R1の外側に補助リブを設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1〜3では、1つの液体溜まり部504に2つの第3上流流路505(2つの開口部510)を連通させ、実施形態4では、1つの液体溜まり部504に3つの第3上流流路505(3つの開口部510)を連通させるようにしたが、1つの液体溜まり部504に連通する第3上流流路505の数は特にこれに限定されず、1つの液体溜まり部504に4つ以上の第3上流流路505を連通させるようにしてもよい。
また、第3上流流路505の下流側において、さらに第3上流流路505を2つ以上に分岐させてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、尾根219を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、尾根219は設けられていなくてもよい。さらに、第2液体溜まり部504の底面504aは、各凹部511において開口部510に向かって傾斜するように設けたが、底面504aの形状は特にこれに限定されず、長手方向L及び短手方向Sを含む面内方向に平行な方向に配置されていてもよい。
さらに、例えば、上述した各実施形態では、ヘッド本体2が2つ設けられた記録ヘッド1について説明したが、ヘッド本体2の数は、特にこれに限定されず、1個のヘッド本体を有する記録ヘッド1であっても、3個以上のヘッド本体2を有する記録ヘッド1であってもよい。また、上述した実施形態1では、記録ヘッド1に第1ヘッド本体2Aと第2ヘッド本体2Bとを設けた構成を例示したが、特にこれに限定されず、記録ヘッド1に第1ヘッド本体2A及び第2ヘッド本体2Bの何れか一方のみを設けるようにしてもよい。もちろん、ヘッド本体2の構成は、上述した第1ヘッド本体2A、第2ヘッド本体2Bに限定されるものではない。
また、上述した実施形態1では、上流流路500が設けられた流路部材である上流流路部材210と下流流路600が設けられた下流流路部材220とを有する流路ユニット200を例示したが、例えば、インク(液体)を循環させる場合には、上流と下流とを逆転させればよい。すなわち、ヘッド本体2に供給されたインクを下流流路600から上流流路500に流して液体貯留手段や排出されたインクが貯留される貯留部等に排出(循環)すればよい。
また、上述した各実施形態では、圧力発生室12に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター130を用いて説明したが、特にこれに限定されず、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。また、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、上述した記録ヘッド1は、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図18は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図18に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッド1を有するインクジェット式記録ヘッドユニットII(以下、ヘッドユニットIIとも言う)は、液体貯留手段であるインクカートリッジ1Aが着脱可能に設けられ、このヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニットIIは、例えば、ブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド1(ヘッドユニットII)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド1が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるインクカートリッジ1Aがキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、液体貯留手段とインクジェット式記録ヘッド1とをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置に搭載されていなくてもよい。
さらに、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種のインクジェット式記録ヘッド等の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等にも適用することができる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 II インクジェット式記録ヘッドユニット(液体噴射ヘッドユニット)、 1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 2 ヘッド本体、 2A 第1ヘッド本体、 2B 第2ヘッド本体、 20 ノズルプレート、 20a 液体噴射面、 21 ノズル開口、 100 マニホールド、 120 駆動回路、 121 配線部材、 130 圧電アクチュエーター、 200 流路ユニット、 210 上流流路部材(流路部材)、 219 尾根、 220 下流流路部材、 230 シール部材、 240、250 リブ、 300 配線基板、 400 カバーヘッド、 500 上流流路、 501 第1上流流路、 502 第2上流流路(第1流路)、 503 第1液体溜まり部、 504 第2液体溜まり部、 504a 底面、 505 第3上流流路(第2流路)、 506 排出口、 510 開口部、 511 凹部、 600 下流流路、 L 長手方向、 R1、R2 領域、 S短手方向、 X 第1の方向、 Y 第2の方向、 Z 第3の方向

Claims (7)

  1. 第1流路から液体が供給される第1液体溜まり部と、
    前記第1液体溜まり部に連通する第2液体溜まり部と、
    前記第2液体溜まり部の底面に開口する開口部を有する第2流路と、
    前記第1液体溜まり部と前記第2液体溜まり部との間に設けられて、前記第2液体溜まり部の開口縁部に固定されたフィルターと、
    前記第2液体溜まり部の底面から前記フィルターが固定された領域の当該フィルターの前記第2液体溜まり部側の面よりも前記第1液体溜まり部側に突出して設けられたリブと、
    を具備し、
    1つの前記第2液体溜まり部に対して、複数の前記第2流路が設けられており、
    前記リブは、前記フィルターの長手方向において、少なくとも複数の前記開口部の間の領域内に設けられていることを特徴とする流路部材。
  2. 前記開口部が3つ以上設けられており、
    前記リブは、複数の前記開口部に囲まれた領域内に設けられていることを特徴とする請求項1記載の流路部材。
  3. 前記第2液体溜まり部には、隣り合う前記開口部の間に、前記底面から前記フィルター側に向かって***した尾根が設けられており、
    前記尾根によって前記開口部毎に凹部が形成されていると共に、該凹部は前記フィルター側で互いに連通して設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の流路部材。
  4. 前記リブは、前記領域内に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の流路部材。
  5. 前記領域の外側であって、前記長辺方向において、前記開口部と前記第2液体溜まり部の壁面との間の領域には、前記フィルターが固定された領域の当該フィルターの前記第2液体溜まり部側の面よりも前記第1液体溜まり部側に突出した補助リブが設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の流路部材。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の流路部材を具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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