JP2015160646A - 包装体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏平で厚みが薄く腰のない内容物や、滑り性の悪い内容物、あるいは繊細で傷付きやすい内容物であっても、開封性や取り出し性の良い包装体及びこの製造方法を提案するものである。【解決手段】最内層にヒートシール層を有する包装材(2)を表面材(3)及び裏面材(4)として、ヒートシール層面同士を対向させ、四辺をヒートシールしてなる包装体(1)であって、サイドシール部(5a)に開封用ノッチ(9)を有し、表面材の表面には、脆弱加工によって形成され、表面材を貫通しない切目線である表面開封誘導線(7)が設けられており、表面開封誘導線は、開封用ノッチと天部シール部(6)の間の高さに設定された始点(s)から出発し、斜降して開封用ノッチの近傍を通過した後、水平方向に向きを変えて、反対側のサイドシール部付近に設定された終点(e)に到達する連続した線であることを特徴とする包装体である。【選択図】図1

Description

本発明は、易開封性の包装袋に内容物を収納した包装体及びその製造方法に関し、特に表裏面材のシーラント面同士を対向させ、四辺を熱シールしてなる包装体に関する。
従来、2枚の包装材を、シーラント面同士を対向させ、四辺を熱シールして密封するいわゆる平袋と呼ばれる四方シール包装体がさまざまな用途に使用されている。このような構造の包装体を開封する最も一般的な方法としては、シール部の端に開封用ノッチを設け、ここからシール部と直角方向に開封する方法である。
しかしこの方法によると、しばしば包装材の裂け目が横に逸れて対面するシール辺に到達せず、包装体を横断する連続した開口が得られないことがあった。また包装体を横断する開封ができたとしても、表裏面の開封端面が重なることにより、口開き性が悪く、またリジッドで滑りの良い内容物であれば問題ないが、厚みが薄くてしかも滑りの悪い内容物であると開口部から内容物をつまみ出すことが困難な場合があった。
この開口部からのつまみ出し性を改善するために、開封位置を内容物に深く入り込むように設定すると、開封の際に内容物を破損する可能性がある。また、開封線が横に逸れて、包装材の裂け目が大きく内側にずれ込んだような場合も、同様に内容物を破損する可能性があった。
また、平袋は、表裏面に構造的な違いが無いため、表裏面を区別しなければならない内容物を収納する場合には、包装袋の表面に何らかの表示を行って、表裏面を認識させる必要があった。
このように、同じ平袋であっても、内容物の形状や性状、使用方法によって、さまざまな開封構造が必要とされる。
特許文献1に記載された包装袋は、シール部に設けたノッチを開封開始点として、開封誘導線の山と谷のパターンが表裏面材で重ならないように設けることにより、表裏面材の開封端面が重ならず、開封を容易にした包装袋である。
特許文献1に記載された包装袋は、開封誘導線を設けることにより、包装体を横断する大きな開口径の取出口が比較的安定して得られるという特徴を有しているが、内容物の露出面積が小さいため、平板状の内容物や、滑りの悪い内容物、表裏認識の必要な内容物、あるいは繊細で傷付きやすい内容物等には適用することができなかった。
特開2005−289396号公報
本発明の解決しようとする課題は、特に偏平で厚みが薄く腰のない内容物や、滑り性の悪い内容物、あるいは繊細で傷付きやすい内容物であっても、開封性や取り出し性の良い包装体、さらには、表裏認識の必要な内容物の表裏認識を可能とした包装体、及びこの包装体の製造方法を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、最内層にヒートシール性樹脂層を有する積層体からなる包装材を表面材及び裏面材として、そのヒートシール性樹脂層面同士を対向させ、四辺をヒートシールしてなる包装体であって、一つのサイドシール部に開封のきっかけとなる開封用ノッチを有し、表面材の表面には、脆弱加工によって形成され、表面材を貫通しない切目線である表面開封誘導線が設けられており、該表面開封誘導線は、前記開封用ノッチと天部シール部の間の高さに設定された始点から出発し、斜降して前記開封用ノッチの近傍を通過した後、水平方向に向きを変えて、開封用ノッチの反対側のサイドシール部付近に設定された終点に到達する連続した線であることを特徴とする包装体である。
本発明に係る包装体は、表面材に開封誘導線を設け、開封用ノッチから出発した表面材の裂け目が一旦斜降した後、水平方向に向きを変えて、開封用ノッチの反対側のサイドシール部付近まで到達するので、開口部が大きく開き、内容物の取出し性が良好である。
また、請求項2に記載の発明は、裏面材の表面に、脆弱加工によって形成され、裏面材を貫通しない切目線である裏面開封誘導線が設けられており、該裏面開封誘導線は、前記開封用ノッチを通る水平線を中心線として、前記表面開封誘導線とほぼ線対称となるように上下逆向きに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体である。
また、請求項3に記載の発明は、前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線の垂直方向の線分の引裂荷重をF1v、水平方向の線分の引裂荷重をF1pとした時、F1v≦F1pであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線の垂直方向の線分の破断荷重をF2v、水平方向の線分の破断荷重をF2pとした時、F2v≦F2pであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項5に記載の発明は、偏平な内容物が収納されており、前記表面開封誘導線は内容物の外周に交叉するように設けられており、開封後の開口部から、少なくとも内容物の一辺または外周長の50%以上が露出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項6に記載の発明は、最内層のヒートシール性樹脂層と、内容物との、JIS K7125に規定する静摩擦係数が0.3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項7に記載の発明は、内容物が水、アルコール、油、薬液等の流体に浸り、少なくとも表面が湿潤な状態であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項8に記載の発明は、内容物の腰強度が包装袋の腰強度より低いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項9に記載の発明は、前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線が、レーザー加工法によって形成され、包装材の最内層のヒートシール性樹脂層を貫通しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装体である。
また、請求項10に記載の発明は、以下の工程をこの順序に含むことを特徴とする請求
項1〜9のいずれか1項に記載の包装体の製造方法である。すなわち、印刷を施した包装材原反に、レーザー加工法によつて開封誘導線を形成する工程。印刷を施した包装材原反を、所定の幅にスリットする工程。シール部を形成し、開封用ノッチを設ける工程である。
本発明に係る包装体は、四方にシール部を有するので、包装袋が外部応力に対して偏平な形状を保つ力である腰強度が強い。このため、内容物の腰強度が低い場合や、包装袋に比較して内容物の占有率が低い場合であっても、表裏面の包装材が開くことを抑制し、開封用ノッチから開封誘導線に沿って安定的に開封することが可能である。
また、開封が円滑であり、開封時に内容物を破損したり、落下させたりする事故が生じ難い。また包装袋内で内容物が反転したりすることもない。
本発明に係る包装体は、偏平で、表面が粘性を有し、滑り性が悪いといった性状から、包装袋の開口部から引出して取出すことが困難な内容物であっても、包装袋の片面を大きく開封することにより、内容物を取り落とすことなく清潔に取り出すことが可能である。
また、本発明に係る包装体は、構造上の違いのない表裏面に対して、表面の開封誘導線のみ包装体の内方向に向かう形状で設けられており、表面のみ大きく開いた開口状態となることから、表裏認識が必要な内容物を収納した場合であっても、表裏面を取違えて取り出すことがない。
また、開封後に、開封部分は対面するシール部に付着しており、千切れて離脱することがないので、ごみにならず、また簡易的に再封止することもできる。
請求項2に記載の発明のように、裏面材の表面に、開封用ノッチを通る水平線を中心線として、表面開封誘導線とほぼ線対称となるように上下逆向きに形成された裏面開封誘導線を設けた場合には、表裏面の開封誘導線が、開封が進むにつれて開口面積が拡大するように配置されているため、より一層広い開口面積をもった開口部を安定的に得ることができる。また、裏面開封誘導線が内容物を避ける方向に進むので、包装材の裂け目が、内容物に損傷を与えることもより少なくなる。
本発明に係る包装体においては、開封用ノッチから反対側のシール部に向ってほぼ直角方向に応力をかけながら開封するため、特に垂直方向に設けられた開封誘導線が切れ易いものであることが好ましい。請求項3または4に記載の発明のように、水平方向の開封誘導線の引裂荷重や破断荷重よりも、垂直方向の開封誘導線のそれらを等しいか弱くすることにより、垂直方向の開封誘導線が開封されやすくなり、特に請求項2に記載の包装体のように、表裏面が相反する方向に開封されるような場合においては、開封をより安定的にする効果がある。
請求項5に記載の発明のように、偏平な内容物が収納されており、表面開封誘導線が内容物の外周に交叉するように設けられており、開封後の開口部から、少なくとも内容物の一辺または外周長の50%以上が露出するようにした場合は、内容物の取出し性が良好であり、また開封誘導線と内容物の外周に交叉する部分があるため、内容物が落下し難い。
また、請求項6に記載の発明のように、最内層のヒートシール性樹脂層と、内容物との静摩擦係数が0.3以上で滑り性が悪い場合、例えば内容物がコンドーム、経皮吸収薬、人工皮膚、口内潮解薬などである場合においては、従来の袋の端部を開口するような開封方法では、内容物の取出しが困難であるが、本発明に係る包装体においては、十分に対応
できる。
また、請求項7に記載の発明のように、内容物が水、アルコール、油、薬液等の流体に浸り、少なくとも表面が湿潤な状態であるもの、例えば清浄綿、化粧水綿、芳香不織布などであっても、包装体片面が大きく開口することから、内容物を破損することなく、容易に取り出すことができる。これは、請求項8に記載の発明のように、内容物の腰強度が包装袋の腰強度より低い場合においても同様である。
また、請求項9に記載の発明のように、開封誘導線が、レーザー加工法によって形成される場合には、包装材の層構成とレーザーの波長を最適に組み合わせることにより、最内層のヒートシール性樹脂層を貫通しないようにすることが容易に可能となり、品質の安定した包装体が得られる。また、開封誘導線の形状の自由度が高まる。
図1は、本発明に係る包装体の一実施例を示した模式図である。 図2は、図1に示した包装体を開封した状態を示した模式図である。 図3は、図1に示した包装体に用いた包装材の平面模式図である。 図4は、本発明に係る包装体の他の実施例を示した模式図である。 図5は、図4に示した包装体を開封した状態を示した模式図である。 図6は、図4に示した包装体に用いた包装材の平面模式図である。 図7は、本発明に係る包装体の他の実施例を示した模式図である。 図8は、比較例1の包装体を示した模式図である。 図9は、比較例2の包装体を示した模式図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る包装体について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る包装体(1)の一実施例を示した模式図である。また、図2は、図1に示した包装体(1)を開封した状態を示した模式図である。また、図3は、図1に示した包装体(1)に用いた包装材(2)の平面模式図である。なお、図3において、斜線部分は、シール予定部(10)を示している。
本発明に係る包装体(1)は、図1に示したように、最内層にヒートシール性樹脂層を有する積層体からなる包装材(2)を表面材(3)及び裏面材(4)として、そのヒートシール性樹脂層面同士を対向させ、四辺をヒートシールしてなる包装体である。
一つのサイドシール部(5a)に開封のきっかけとなる開封用ノッチ(9)を有し、表面材の表面には、脆弱加工によって形成され、表面材を貫通しない切目線である表面開封誘導線(7)が設けられている。
表面開封誘導線(7)は、開封用ノッチ(9)と天部シール部(6)の間の高さに設定された始点(s)から出発し、斜降して開封用ノッチ(9)の近傍を通過した後、水平方
向に向きを変えて、開封用ノッチ(9)の反対側のサイドシール部(5b)付近に設定された終点(e)に到達する連続した線である。
図1に示した包装体(1)を開封用ノッチ(9)から開封すると、図2に示したように、表面材(3)の裂け目は、すぐに表面開封誘導線(7)に捕捉されて、表面開封誘導線に沿って進行する。裏面材(4)の裂け目は、ほぼ水平方向に進行する。
表裏面材の裂け目は、いずれも開封用ノッチと反対側のサイドシール部(5b)に達した時点で止る。従って、開封片が離散することはなく、余分なごみが発生しない。また、簡易的に再封止することもできる。
本発明に係る包装体(1)は、図2に示したように、裏面材(4)は、広く残りながら、開封口が大きく開くので、腰のない内容物や滑り難い内容物など、従来の、表裏面が揃った開封口を備えた四方袋では、取り出し難いようなものでも容易に取り出すことができる。
表面開封誘導線(7)は、図2に示したように、内容物(11)の外周に交叉するように設け、開封後の開口部から、少なくとも内容物(11)の一辺または外周長の50%以上が露出するように設計すると、取り出し易さを確保することが容易となる。
また、表面開封誘導線(7)が、内容物(11)の外周に交叉することで、開封後も内容物が、表面材(3)の切口に引っ掛かるため、開封時に内容物が不用意に落下することを防ぐ効果がある。
また本発明に係る包装体(1)は、特に内容物(11)が水、アルコール、油、薬液等の流体に浸り、少なくとも表面が湿潤な状態であるものや、表面が粘着性や付着性を有するもの、あるいは内容物と包装材の最内層であるヒートシール性樹脂層との摩擦係数(JIS K7125に規定する静摩擦係数)が0.3以上であるようなものである場合、特にその効果が発揮される。
また、本発明に係る包装体(1)は、内容物(11)の腰強度が低くて、包装袋の腰強度よりも弱いようなものの場合や、包装袋の内容積に対し、内容物の占有率が小さい場合にもその効果が発揮される。
図3は、図1に示した包装体に用いた包装材(2)の平面模式図である。この例では、表面材(3)と裏面材(4)が異なる層構成を持った積層体からなっている。なおこれらは、同じ層構成の積層体であっても良いことは勿論である。
表面開封誘導線(7)の始点(s)は、開封用ノッチ(9)と天部シール部(6)の間の高さに設定される。始点(s)の位置は、図1、図3に示したように表面材(3)のサイドシール部(5a)の内縁でもよいが、表面材(3)上でもよいし、サイドシール部(5a)内でもよく、開封用ノッチ(9)から出発した表面材(3)の裂け目が確実に捕捉されるような位置であればよい。
始点(s)から出発した表面開封誘導線(7)は、斜降して開封用ノッチ(9)の近傍を通過した後、水平方向に向きを変えて、開封用ノッチの反対側のサイドシール部(5b)付近に設定された終点(e)に到達する。
始点(s)からの下降線は、垂直よりも少し斜めになっている方が好ましい。垂直であると、開封用ノッチから出発した裂け目が上方向に走ってしまう可能性がある。
また、終点(e)に向う水平方向の線は、厳密に水平である必要はなく、多少下降気味の線でもよい。
図1〜3に示した実施態様においては、裏面材には開封誘導線が存在しないため、裏面材の裂け目は、ある程度成行きとなってしまう。そこで、裏面材の切口も綺麗になるようにするために、裏面材の表面に水平方向の開封誘導線を形成しておいても良い。
図4は、本発明に係る包装体(1)の他の実施例を示した模式図である。また図5は、図4に示した包装体(1)を開封した状態を示した模式図である。また図6は、図4に示した包装体(1)に用いた包装材(2)の平面模式図である。
図4〜6に示した例では、裏面材(4)の表面に、脆弱加工によって形成され、裏面材を貫通しない切目線である裏面開封誘導線(8)が設けられており、裏面開封誘導線(8)は、図4に示したように、開封用ノッチ(9)を通る水平線(12)を中心線として、表面開封誘導線(7)とほぼ線対称となるように上下逆向きに形成されている。
このように、裏面材にも開封誘導線が形成されていることにより、図5に示されたように、包装材の裂け目が内容物(11)に全く影響を与えることなく、開封することが可能となる。このため、上述したような、取扱の困難な内容物に対して、さらに優れた効果を発揮することができる。
なお裏面開封誘導線(8)は、開封用ノッチ(9)を通る水平線(12)を中心線として、厳密に上下対称に形成されている必要はなく、図7の例に示したように、多少ずれていても差支えない。
図4〜7に示した例では、開封用ノッチ(9)から出発した表裏面材の裂け目が表裏面の開封誘導線に到達した時点で、上下逆方向に進行することになる。このため、表裏面材を構成する積層体が水平方向に比較して上下方向に裂け易い性質を持っていることが好ましい。
開封誘導線の裂けやすさについては、代用特性として、引裂荷重と、破断荷重で評価することができる。すなわち、開封誘導線の垂直方向の線分の引裂荷重をF1v、水平方向の線分の引裂荷重をF1pとした時、F1v≦F1pであれば、より良い結果が得られる。
また、開封誘導線の垂直方向の線分の破断荷重をF2v、水平方向の線分の破断荷重をF2pとした時、F2v≦F2pであれば、より良い結果が得られる。
図4〜6に示した例では、表面材(3)と裏面材(4)は、1枚の積層体からなっており、図6に示したように、開封用ノッチ(9)の設けられるサイドシール部(5a)となる部分でつながっている。
表裏面に開封誘導線が形成される場合には、表裏面の開封誘導線の位置合せが容易となるので、このように、1枚の積層体を中央で折って表裏面材とすると良い。図6に示したように、1枚の積層体を展開した状態では、表裏面の開封誘導線は、開封用ノッチの位置を中心として、点対称に配置されている。
開封誘導線(7、8)を形成する方法としては、ダイカッターなどの刃物による方法と、レーザーによる方法がある。レーザー加工によって形成する場合には、レーザーの波長と積層体の層構成を組み合わせることにより、特定の層のみを選択的に切断することができる。これにより最内層のヒートシール性樹脂層を貫通しないようにすることが容易に可能となり、安定した品質の製品が得られる。
また、レーザーによる開封誘導線の描画は、形状の自由度が高く、目的に合せて最適な開封誘導線を設計することができる。
次に本発明に係る包装体(1)に用いる材料について説明する。
包装材(2)を構成する積層体の層構成としては、最内層にヒートシール性樹脂層を有する以外は、特に限定されない。最も基本的な層構成としては、基材フィルム/ヒートシール性樹脂層からなる構成である。但し、これらを貼り合せるための接着剤層や、印刷層などは当然含まれても良い。
上記の2層に追加される層としては、ガスバリア層、中間層などが挙げられる。特殊な用途としては、遮光層、紫外線吸収層などが追加される場合もある。また基材層がガスバリア層を兼ねる場合もある。
基材層としては、通常、印刷加工適性を考慮して、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(PET)や、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)、延伸ナイロンフィルム(ONy)等の2軸延伸フィルムが一般的に用いられる。
ガスバリア層としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、金属酸化物蒸着フィルム、各種ガスバリア性樹脂フィルム等が使用される。
ヒートシール性樹脂層としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂が最も一般的に用いられる。本発明に係る包装袋の場合には特に易剥離性を必要としないので、上記の中でも、シール適性の良い低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、無延伸ポリプロピレン樹脂(CPP)等の単体樹脂で十分である。ヒートシール性樹脂層は、樹脂を溶融して基材層に押出して積層してもよいし、フィルムに成形されたものを貼り合せても良い。
これらの各層の貼り合せには、接着剤を用いたドライラミネート法や、接着性樹脂をTダイから押し出して貼り合せる押出しラミネート法、およびこれらの組み合わせが用いられる。
包装材(2)の製造には、まず基材層に必要な印刷加工を施し、中間層やヒートシール性樹脂層と貼り合せて積層体とする。次にこの包装材(2)に開封誘導線(7、8)を形成し、所定の幅にスリット加工する。なおスリット加工後に開封誘導線を形成してもよいが、広幅の状態で開封誘導線をまとめて形成する方が効率的である。以上の工程はすべて巻取の状態で連続的に行われる。
充填工場においては、巻取られた包装材(2)を巻き出し、内容物を載置し、サイドシール部(5a、5b)、天部シール部(6)、底部シール部を形成する。なお天部シール部と底部シール部は、同時に形成して、中央部で切り分けてもよい。最後に開封用ノッチ(9)を形成して、包装体が完成する。
以下実施例に基いて、本発明に係る包装体についてさらに具体的に説明する。
包装材の構成として、次のA、B、Cの3種類の積層体を準備した。略号の意味は次の通りである。
PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
PE:ポリエチレン樹脂
LDPE:低密度ポリエチレン樹脂
AL:アルミニウム箔
EX:押出しラミネート(アンカー処理含む)
DL:ドライラミネート
<積層体の層構成> 数字は厚さ(μm)を示す。
A:PET12/インキ/EX(LDPE15)/AL7/EX(LDPE30)
B:PET12/インキ/EX(PE15)/AL7/EX(PE15)/LDPE30C:PET16/インキ/EX(PE15)/AL7/EX(PE15)/LDPE30
上記3種類の包装材に、図1、図4、図8、図9に示したような開封誘導線をレーザー加工によって形成し、所定の幅にスリットした後、製袋し、以下に示す内容物を収納した。内容物は、いずれも表裏の区別のあるものである。
<内容物>
経皮吸収薬:基材(不織布)/粘着層(薬効成分)
コンドーム:表面に潤滑油(シリコーンオイル)を塗布したウレタンゴム製
包装材、開封誘導線、内容物の組合わせにより、実施例1〜3の包装体を作成した。この包装体について、手による開封を行い、開封適性および取り出し適性について評価した。開封性については、開封誘導線に沿って予定通りの開封口が得られた場合には○、得られなかった場合には×とした。包装袋からの内容物の取り出し性については、内容物を表裏認識して取り出せた場合は○、表裏認識できない場合、あるいは取り出せない場合は×とした。
なお、物性強度については、下記の文献に規定する試験方法に準拠して評価した。
引裂荷重:JIS K7128−1
破断荷重:JIS K7127/2/100
<比較例>
比較例として、実施例1〜3に用いた包装材と同じものを用いて、同サイズの包装袋を作製し、同じ内容物を収納した。表裏面の開封誘導線が直線のもの(比較例1)、表裏面の開封誘導線の向きが同じもの(比較例2)、実施例3の積層体の縦横を逆にしたもの(比較例3)の3つの比較例の包装体を作成した。
実施例1〜3、比較例1〜3に用いた包装材、開封誘導線形状、内容物等の組合わせ、並びに評価結果について、下記表1、及び表2に示す。
表1、表2から分るように、本発明に係る実施例1〜3の包装体は、開封適性、取り出し適性いずれも良好な結果であるのに対して、比較例1の包装体は、取り出し適性が悪かった。また比較例2、3の包装体は、開封適性が悪く、取り出し適性の評価に至らなかった。
このように、本発明に係る包装体は、薄くて腰が弱く、しかも表面の滑り性が悪いような内容物を収納しても、良好な開封適性や取り出し適性を発揮するものである。
1・・・包装体
2・・・包装材
3・・・表面材
4・・・裏面材
5a、5b・・・サイドシール部
6・・・天部シール部
7・・・表面開封誘導線
8・・・裏面開封誘導線
9・・・開封用ノッチ
10・・・シール予定部
11・・・内容物
12・・・開封用ノッチを通る水平線
s・・・始点
e・・・終点




Claims (10)

  1. 最内層にヒートシール性樹脂層を有する積層体からなる包装材を表面材及び裏面材として、そのヒートシール性樹脂層面同士を対向させ、四辺をヒートシールしてなる包装体であって、
    一つのサイドシール部に開封のきっかけとなる開封用ノッチを有し、
    表面材の表面には、脆弱加工によって形成され、表面材を貫通しない切目線である表面開封誘導線が設けられており、
    該表面開封誘導線は、前記開封用ノッチと天部シール部の間の高さに設定された始点から出発し、斜降して前記開封用ノッチの近傍を通過した後、水平方向に向きを変えて、開封用ノッチの反対側のサイドシール部付近に設定された終点に到達する連続した線であることを特徴とする包装体。
  2. 裏面材の表面に、脆弱加工によって形成され、裏面材を貫通しない切目線である裏面開封誘導線が設けられており、
    該裏面開封誘導線は、前記開封用ノッチを通る水平線を中心線として、前記表面開封誘導線とほぼ線対称となるように上下逆向きに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
  3. 前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線の垂直方向の線分の引裂荷重をF1v、水平方向の線分の引裂荷重をF1pとした時、F1v≦F1pであることを特徴とする請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線の垂直方向の線分の破断荷重をF2v、水平方向の線分の破断荷重をF2pとした時、F2v≦F2pであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体。
  5. 偏平な内容物が収納されており、前記表面開封誘導線は内容物の外周に交叉するように設けられており、開封後の開口部から、少なくとも内容物の一辺または外周長の50%以上が露出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体。
  6. 最内層のヒートシール性樹脂層と、内容物との、JIS K7125に規定する静摩擦係数が0.3以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装体。
  7. 内容物が水、アルコール、油、薬液等の流体に浸り、少なくとも表面が湿潤な状態であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装体。
  8. 内容物の腰強度が包装袋の腰強度より低いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装体。
  9. 前記表面開封誘導線または裏面開封誘導線は、レーザー加工法によって形成され、包装材の最内層のヒートシール性樹脂層を貫通しないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装体。
  10. 以下の工程をこの順序に含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の包装体の製造方法。
    印刷を施した包装材原反に、レーザー加工法によつて開封誘導線を形成する工程。
    印刷を施した包装材原反を、所定の幅にスリットする工程。
    シール部を形成し、開封用ノッチを設ける工程。
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