JP2015152691A - インサート成形用防眩性反射防止フィルム及びこれを用いた樹脂成形品 - Google Patents

インサート成形用防眩性反射防止フィルム及びこれを用いた樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】防汚性に優れるインサート成形用防眩性反射防止フィルム及びそれを融着した成形品を提供する。
【解決手段】熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層を有し、熱可塑性透明基材フィルム上の防眩性ハードコート層側の最表層として低屈折率層を備えるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、低屈折率層は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂、(d)中空シリカ微粒子、(e)光重合開始剤をそれぞれ特定の濃度含む低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、インサート成形に適した防眩性反射防止フィルムであって、防汚性に優れた防眩性反射防止フィルムに関する。
自動車部品や携帯電話等の意匠付けにおいて、ハードコート処理や印刷が施された加飾フィルムを熱融着法により成形品に付与するインサート成形が一部用いられている。カーナビや携帯電話の普及に伴い、それらのディスプレイのカバーにインサート成形が用いられる機会が増加しており、視認性を良好とするためにディスプレイ表面における外光の反射を防止できるインサート成形用フィルムが求められていた。
現在はそのような要求に応える防眩性反射防止フィルムが提供されており、例えば特許文献1においてはポリカーボネートフィルム等の基材フィルムの片面に、ハードコート層と反射防止層が順に積層された構成となっている。
特開2013−139105号公報
しかし、さらに近年になってマルチタッチ機能を有する静電容量式タッチパネルを搭載したカーナビや携帯電話が普及したため、インサート成形に用いられる加飾フィルムに対する要求性能のトレンドが変化し、反射防止機能の要求だけでなく、タッチパネル表面への指紋の付着を抑えるという従来は無かった新たなニーズが高まっている。しかし、従来の防眩性反射防止フィルムは、反射防止の機能に特化しており、指紋付着に関する対策がなんら施されていないため、指紋の付着を抑えるニーズに応えることができていない。
そこで、本発明の目的とするところは、インサート成形用の防眩性反射防止フィルムであって、防汚性に優れる防眩性反射防止フィルムを提供することにある。
本発明は、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備えるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、前記低屈折率層は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とする。
このとき、前記防眩性ハードコート層と前記低屈折率層との間に、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを含有し、前記低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層を備えることが好ましい。
また、前記防眩性ハードコート層は、バインダーに透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層用組成物を硬化させてなり、前記バインダーは、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含むことも好ましい。
さらに、前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層はポリメチルメタクリレート層上に形成されていることも好ましい。
当該インサート成形用防眩性反射防止フィルムは、インサート成形時に、前記熱可塑性透明フィルムが熱融着することで樹脂成形品表面へ一体化される。
なお、本発明において数値範囲を示す「○○〜××」とは、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層、更に、最表層として組成を適切に設定した低屈折率層用樹脂組成物を硬化させてなる低屈折率層を形成することで、指紋が付着しにくく、指紋が付着した場合でも指紋の拭取り性に優れるインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムを提供することができる。
更に、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間に、特定の屈折率の高屈折率層を備えれば、より視認性に優れ、且つ指紋が付着しにくく、指紋が付着した場合でも指紋の拭取り性に優れるインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムを提供することができる。
また、防眩性ハードコート層にアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含む場合には、より複雑な形状の金型に追従させることができ、より複雑な形状の樹脂成形品をインサート成形することができる。
加えて、熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層をポリメチルメタクリレート層上に形成されていると、インサート成形時に樹脂の融着するポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べてガラス転移点(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷した後、この防眩性反射防止フィルムを用いてインサート成形する際にインク流れが生じ難くなる。
《防眩性反射防止フィルム》
本実施形態のインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムは、熱可塑性透明基材フィルムの一方の面に防眩性ハードコート層が積層されており、防眩性ハードコート層側の最表層として低屈折率層が積層された構成である。また、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間には、高屈折率層を設けることもできる。
以下に、このインサート成形に適した防眩性反射防止フィルムの構成要素について順に説明する。
〔熱可塑性透明基材フィルム〕
熱可塑性透明基材フィルムは、ポリカーボネート樹脂、又はポリメチルメタクリレート樹脂からなるフィルムを使用でき、特に、ポリカーボネート層及びポリメチルメタクリレート層との二層構造からなるフィルムが好ましい。この場合、ポリメチルメタクリレート層上に防眩性ハードコート層を積層するのが望ましい。そうすると、防眩性ハードコート層形成用組成物を良好にウェットコーティングすることができる。また、防眩性ハードコート層のバインダー成分としてアクリル樹脂(アクリル基を有するモノマーの硬化物)を含む場合、防眩性ハードコート層とポリメチルメタクリレート層の屈折率が近いため、反射光の干渉ムラが生じにくい。加えて、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層の材質が類似しているため、メチルメタクリレート層と防眩性ハードコート層との密着性に優れる。一方、ポリカーボネート層はポリメチルメタクリレート層に比べガラス転移点(Tg)が高いため、ポリカーボネート層に加飾印刷することで、インサート成形時にインク流れが生じにくくなる。熱可塑性透明基材フィルムの膜厚は通常30〜300μm、好ましくは125〜200μmである。また、熱可塑性透明基材フィルムの屈折率は、1.49〜1.59であることが好ましい。
〔防眩性ハードコート層〕
防眩性ハードコート層はその表面に凹凸を有し、係る凹凸に光が反射して拡散され(表面拡散性)、防眩性を発現することができる機能を備えている。この防眩性ハードコート層は、バインダーに透光性有機微粒子(D)を含有する防眩性ハードコート層形成用組成物を硬化させることにより形成され、ハードコート層として所要の強度及び硬度を有している。防眩性ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1〜20μmが好ましい。膜厚が1μmより薄い場合は、十分な表面硬度が得られないため好ましくない。膜厚が20μmより厚い場合は、屈曲性の低下等の問題が生じるため好ましくない。
<バインダー>
バインダーは、好ましくは、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)と、紫外線硬化型樹脂(B)と、光重合開始剤(C)とを、それぞれ少なくとも一種以上含有してなるものである。光重合開始剤(C)とともにアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を含有することにより、熱可塑性透明基材フィルムに対して優れた密着性を発揮することができ、紫外線硬化型樹脂(B)を少なくとも1種含有することにより、適度な流動性を付与することができる。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)は、ポリオレフィン由来の構造単位と不飽和ジカルボン酸(無水物)由来の構造単位とアクリル由来の構造単位とからなるものであり、ポリオレフィン成分と不飽和ジカルボン酸(無水物)成分とアクリル成分とから得ることができる。なお、以下に説明するこれら各成分(ポリオレフィン成分、不飽和ジカルボン酸(無水物)成分、アクリル成分)は、それぞれ1種のみであってもよいし2種以上であってよい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するポリオレフィン成分としては、例えば、炭素数4〜12のα−オレフィンの1種以上とプロピレンとを必須構成単位とする共重合体が好ましく挙げられる。ここで、炭素数4〜12のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、中でも、1−ブテン、1−ペンテン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。これら炭素数4〜12のα−オレフィンが前記ポリオレフィン成分中に占める割合は、15〜70モル%であることが好ましい。ただし、前記炭素数4〜12のα−オレフィンおよびプロピレン以外のオレフィンをも構成単位とする共重合体においては、例えばエチレンをも構成単位とする場合(例えば、プロピレン/1−ブテン/エチレン共重合体のような場合)には、前記ポリオレフィン成分中に占めるエチレンの割合は1モル%以下であるのが好ましく、0.5モル%以下であるのがより好ましく、0.1モル%以下であるのがさらに好ましい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するポリオレフィン成分は、高分子ポリオレフィンからの熱減成ポリオレフィン、すなわち高分子ポリオレフィンを高温で熱分解して得られる低分子ポリオレフィンであることが好ましい。高分子ポリオレフィンからの熱減成ポリオレフィンは、末端や分子内に比較的多くの二重結合が均一に存在するものであり、不飽和ジカルボン酸(無水物)のグラフト化が容易であるので、一般には上げることが難しいと考えられている後述の不飽和ジカルボン酸(無水物)付加率を後述する比較的高い範囲にまで向上させることができる。熱減成ポリオレフィンを得る方法としては、例えば、数平均分子量15000〜150000の高分子ポリオレフィンを、有機過酸化物の存在下では180〜300℃、有機過酸化物の非存在下では300〜450℃で、0.5〜1時間加熱するようにすればよい。好ましくは有機過酸化物の非存在下で加熱する方法が好ましい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するポリオレフィン成分の数平均分子量は、500〜40000であるのが好ましく、1500〜30000であるのがより好ましい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成する不飽和ジカルボン酸(無水物)成分としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シクロヘプテンジカルボン酸、アコニット酸等の不飽和ジカルボン酸;無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸無水物や、前記不飽和ジカルボン酸無水物と炭素数1〜5のアルキルアルコールとのエステル化物等が挙げられる。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)を構成するアクリル成分としては、例えば4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリレート等のような活性水素を有するアクリル成分や、例えば2−アクリロイルエチルイソシアネート等のようなイソシアナート基を含有するアクリル成分が挙げられ、さらには、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル等もアクリル成分として用いることができる。なお、本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。
前記ポリオレフィン成分と前記不飽和ジカルボン酸(無水物)成分と前記アクリル成分とから前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)得る方法は、特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン成分に不飽和ジカルボン酸(無水物)成分をグラフト付加したのち、アクリル成分を反応させる方法等により得ることができる。なお、上記各方法における具体的な反応条件等については、通常の有機合成の手法に従い、適宜設定すればよい。例えば、アクリル成分を反応させる際に、(メタ)アクリル酸エステルをアクリル成分とする場合には、例えばジクミルパーオキサイド等の水素引き抜き能を有する有機過酸化物を用いればよい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)は、融点が92〜112℃であることが重要である。これにより、高温においても優れた密着性を発現し、塗膜に剥離を生じさせることなく金型温度が高い状態で冷却することなく直ちに型開きすることができるようになる。好ましくは、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)の融点は95〜110℃であるのがよい。アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)の融点が92℃未満であると、高温での密着性が不充分となり、金型温度が高い状態で冷却することなく直ちに型開きすると、塗膜に剥離を生じることとなる。一方、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)の融点が112℃を超えると、得られる塗膜に濁りが生じやすくなる。また、得られる防眩性ハードコート層の耐水性が低下し、防眩性ハードコート層に水分が浸透しやすくなるため、熱可塑性透明基材フィルムとの密着性を低下させ、層間剥離を引き起こすおそれがある。なお、融点は、示差走査熱分析(DSC)により測定される。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)は、その構造中に占める不飽和ジカルボン酸(無水物)由来の構造単位の割合(すなわち、不飽和ジカルボン酸(無水物)の付加率)が5〜15質量%であることが重要である。これにより、一般に極性が高い紫外線硬化型樹脂(後述する成分B)との相溶性が向上することとなり、その結果、濁りのない塗膜を得ることができるのである。好ましくは、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)における不飽和ジカルボン酸(無水物)の付加率は、6〜13質量%であるのがよい。アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)における不飽和ジカルボン酸(無水物)の付加率が5質量%未満であると、得られる塗膜に濁りが生じるとともに、耐水性も低下することとなる。一方、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)における不飽和ジカルボン酸(無水物)の付加率が15質量%を超えると、耐水性が低下することになる。なお、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)における不飽和ジカルボン酸(無水物)の付加率は、例えば、赤外線分析(IR)におけるカルボニル基のピーク比から算出すればよい。
前記アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)の数平均分子量は、特に制限されないが、例えば、600〜50100であるのが好ましく、1600〜30100であるのがより好ましい。数平均分子量が小さすぎると、塗膜物性が低下する傾向があり、一方、大きすぎると、得られる塗膜に濁りが生じることがあると同時に、流動性が低下してコーティング時の作業性を損なう恐れがある。
前記紫外線硬化型樹脂(B)の具体例としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等が挙げられる。
前記紫外線硬化型樹脂(B)は、従来公知の方法によって得ることができる。
前記紫外線硬化型樹脂(B)の重量平均分子量は、100〜50000であるのが好ましい。重量平均分子量が100未満であると、塗膜物性が低下する傾向があり、一方、50000を超えると、流動性が低下する傾向がありコーティング時の作業性を損なう恐れがある。
前記光重合開始剤(C)は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により防眩性ハードコート層用樹脂組成物を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤(C)としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
前記光重合開始剤(C)の配合比は、(C)/〔(A)+(B)〕=0.1/100〜10/100(質量比)である。光重合開始剤(C)が前記範囲より少ないと、重合が不充分となり、密着性を発揮できなくなる。一方、前記範囲より多いと、不必要に多くなるだけであり、好ましくない。
<透光性有機微粒子(D)>
前記透光性有機微粒子(D)は、防眩性ハードコート層における光拡散機能、表面の凹凸形成による防眩機能等を発現するためのものである。この透光性有機微粒子(D)は、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合した樹脂から形成される。そのような透光性樹脂微粒子としては、屈折率の調整が容易な点から(メタ)アクリル樹脂、スチレン−アクリル単量体共重合樹脂(スチレン−アクリル共重合樹脂という)又はそれらの架橋物により形成されることが好ましい。スチレン−アクリル共重合樹脂の場合には、両単量体の共重合組成を変化させることにより、屈折率を任意に調整することができる点で、より好ましい。ここで、スチレン−アクリル共重合樹脂又は(メタ)アクリル樹脂(屈折率1.49)のほか、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂(屈折率1.54)、ポリエチレン樹脂、メラミン樹脂(屈折率1.57)、ポリカーボネート樹脂等を含む樹脂より透光性有機微粒子(D)を形成することも可能である。
透光性有機微粒子(D)は、防眩性ハードコート層中及びその表面における光の拡散又は散乱を均一に行うために、粒子径の揃った単分散なものであることが好ましい。透光性有機微粒子(D)の平均粒子径は、その機能を十分に発揮させるために好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.5〜10μm、特に好ましくは1〜10μmである。この平均粒子径が0.1μm未満の場合、防眩性ハードコート層表面における防眩性が不十分となる傾向がある。その一方、20μmを超える場合、防眩性ハードコート層のヘイズ値が高くなり過ぎ、透明性が損なわれる傾向にある。ここで、前記平均粒子径はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算し、得られた粒子数分布から算出される値である。なお、コールターカウンター法は、電気抵抗を利用した粒子径測定法であり、粒子が細孔を通過する際に生じる2電極間の電気抵抗の変化を測定して平均粒子径を測定する方法である。
防眩性ハードコート層の膜厚(X)に対する透光性有機微粒子(D)の平均粒子径(Y)の比Y/Xは0.3〜1.5であることが好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。この比Y/Xが0.3未満であるときには、防眩性ハードコート層表面に所望の凹凸を形成するために添加する透光性有機微粒子(D)の量が増加し、ヘイズ値が上昇するために像鮮明度が低下する傾向にある。その一方、1.5を超えるときには、防眩性ハードコート層表面の凹凸が大きくなり過ぎるために、ヘイズ値が大きくなって像鮮明度が悪化し、ぎらつきも強くなって好ましくない。
透光性有機微粒子(D)の含有量は、バインダー100質量部に対して通常1〜70質量部、好ましくは2〜60質量部、より好ましくは3〜50質量部、最も好ましくは10〜40質量部である。透光性有機微粒子(D)の含有量が1質量部より少ない場合には、透光性有機微粒子(D)の機能を十分に発揮することができず、満足できる防眩性が得られなくなる。その一方、70質量部より多い場合には、防眩性ハードコート層のヘイズ値が高くなり過ぎ、防眩性反射防止フィルムをディスプレイ表面等に設置した際、白化等が生じて画像認識性が低下する。
防眩性ハードコート層用樹脂組成物には、必要に応じて、表面調製剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
前記バインダー又は防眩性ハードコート層用樹脂組成物の調製に用いられる希釈溶剤は、バインダー又は防眩性ハードコート層用樹脂組成物の粘度を調整するために用いられ、非重合性のものであれば特に制限されない。係る希釈溶剤により、主に防眩性ハードコート層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に容易に塗布することができる。
希釈溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、エチルセルソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール等が挙げられる。
さらに、防眩性ハードコート層の表面を欠陥がなく均一な塗布面とするために、透光性有機微粒子(D)の非膨潤性溶剤を使用することが好ましい。非膨潤性溶剤とは、透光性有機微粒子(D)を膨潤させない溶剤のことを意味する。この非膨潤性溶剤としてはアルコール系溶剤が好ましく、その添加量は全溶剤量中10〜60質量%であることが好ましい。この添加量が10質量%未満である場合、均一な防眩性ハードコート層を形成することが困難な状況となる。一方、60質量%を超える場合、透光性有機微粒子(D)の分散性が悪化し、均一な防眩性ハードコート層を形成することが困難となる。
以上の防眩性ハードコート層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布した後、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、熱可塑性透明基材フィルム上に防眩性ハードコート層を積層することができる。防眩性ハードコート層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上に塗布する方法としては、ロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、グラビアコート法、カーテンフローコート法、リバースコート法、キスコート法、コンマコート法等公知のいかなる方法も採用される。塗布に際しては、密着性を向上させるために、予め熱可塑性透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことが好ましい。
活性エネルギー線の照射に用いられる活性エネルギー線源としては、例えば高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、窒素レーザ、電子線加速装置、放射性元素等の線源が使用される。活性エネルギー線の照射量は、紫外線の波長365nmでの積算光量として、50〜5000mJ/cmであることが好ましい。照射量が50mJ/cm未満のときには、防眩性ハードコート層用組成物の硬化が不十分となるため好ましくない。一方、5000mJ/cmを超えるときには、紫外線硬化型樹脂(B)が着色する傾向を示すため好ましくない。
〔低屈折率層〕
低屈折率層の屈折率は、防眩性ハードコート層の屈折率、更に、高屈折率層が存在する場合は高屈折率層の屈折率より低く設定されることを要件とし、その屈折率は1.33〜1.46が好ましい。該屈折率が1.33未満の場合には、塗膜中に含まれる屈折率を低下させるために配合する微粒子の量が多くなり、十分に硬い層を形成することが困難である。その一方、屈折率が1.46を超える場合には十分な反射防止性能を得ることが難しい。また、低屈折率層は0.05〜0.25μmであることが好ましい。低屈折率層は、低屈折率層用樹脂組成物を紫外線等により硬化させた硬化物からなり、その組成を以下において説明する。
<低屈折率層用樹脂組成物>
低屈折率層用樹脂組成物は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%からなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少なく、更に、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。
(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂は、防汚性機能を発現するためのものであり、低屈折率層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることができる。フッ素含有紫外線硬化型樹脂の例としては、C2〜C7のパーフルオロアルキル鎖を含有する(メタ)アクリレートが挙げられ、具体的には、下記化学式(1)で示されるものや下記化学式(2)に示されるものが挙げられる。
Figure 2015152691

( 式中、n は0 〜 1 0 0 の整数である。また、X はH 又はF である。)
Figure 2015152691

( 式中、X はパーフルオロアルキル基又はパーフルオロポリエーテルを表す。)
フッ素含有紫外線硬化型樹脂は、ハードコート用樹脂組成物中に5.0〜15.0質量%含まれる。含有量が5.0質量%未満では、低屈折率層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることが出来ない。一方、15.0質量%を越えると、反って指紋の拭取り性が悪化する。
(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、低屈折率層表面に付着した指紋の拭取り性を向上するためのものである。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの基本骨格(ポリジオルガノシロキサン)は、下記に示す一般式(3)で表され、重合性反応基を1分子中に少なくとも2つ、好ましくは2〜8つ有する化合物である。
Figure 2015152691
一般式(3)中のA及びBは、直鎖状又は分岐状の有機基であり、アルキル鎖(炭素数1〜30)、パーフルオロアルキル鎖(炭素数1〜10)、アリールアルキル鎖、脂肪族乃至芳香族(ポリ)エステル鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)、脂肪族乃至芳香族(ポリ)エーテル鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)及び脂肪族乃至芳香族(ポリ)ウレタン鎖(該有機鎖の部分的な分子量100〜3000)からなる群より選ばれる少なくとも1種の骨格を有しており、該有機基中には重合性反応基が導入されており、分子内においてAとBは同一でも異なっていてもよく、A同士又はB同士においても同一でも異なっていてもよい。但し、A及びBに導入されている重合性反応基の数は、1分子当り2つ、好ましくは2〜8つ有する化合物である。さらに、重合性反応基は、合成の簡便さからBに導入されている方がより好ましい。一般式(3)中のcは、ポリシロキサン骨格の長さをc+1の形で表すものであり、好ましくは3〜250、より好ましくは6〜100の整数である。
重合性反応基としては、少なくともアクリル基が導入される。導入されるアクリル基としては、反応性に優れる点でアクリロイルオキシ基が好ましい。また、アクリロイルオキシ基と共に、(メタ)アクリロイルオキシ基やα−フルオロアクリロイルオキシ基等を導入することもできる。重合性反応基とポリシロキサン骨格との間の結合方式としては、従来公知の結合方式、例えば(ポリ)エーテル型、(ポリ)エステル型、(ポリ)エステル型と(ポリ)ウレタン型とを組み合わせた結合方式、(ポリ)エーテル型と(ポリ)ウレタン型とを組み合わせた結合方式、(ポリ)エステル型と(ポリ)エーテル型とを組み合わせた結合方式等の全てを採用することができる。
例えば、ポリエステル型とポリウレタン型とを組み合わせた結合方式の場合、ポリジオルガノシロキサン分子の構造は、下記の一般式(4)に示されているような基本骨格を有し、ポリシロキサン部位から延びる側鎖のうち、3つ以上の側鎖の末端には、重合性反応基が結合している。
Figure 2015152691
一般式(4)中のXは3〜250の整数、好ましくは6〜100の整数であり、Y及びZはY+Zが3以上、好ましくは4〜20であることを満たすような整数であり、m及びnはいずれも1〜10の整数である。mとnは同じでも異なっていてもよいが、同じである方がアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを簡便に調製できる点で好ましい。
一般式(4)中のR1は、直鎖状アルキル基(炭素数1〜30)、パーフルオロアルキル基(炭素数1〜10)、アリールアルキル基、ポリエステル基(該側鎖の部分的な分子量200〜2000であり、Si原子にはアルキル鎖を介して結合している)、ポリエーテル基(該側鎖の部分的な分子量200〜2000であり、Si原子にアルキル鎖を介して結合している)のいずれかである。分子内においてR1は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。また、使用時における樹脂との相溶性等の観点から、R1はメチル基である場合が最も汎用的で好ましい。
一般式(4)中のR2は炭素数3〜30、好ましくは3〜15の直鎖又は分岐鎖であり、該鎖上にはウレタン結合を少なくとも2つ有し、該ウレタン結合を介してポリシロキサン骨格及びR3と結合されている(但し、R3はポリジオルガノシロキサン1分子中に3つ以上含まれるように結合している)。分子内においてR2は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。
一般式(4)中のR3は、ポリエステル骨格、好ましくは3つ以上のエステル結合を含むポリエステル骨格を有する部位であり、末端には前述のような重合性反応基、好ましくは(メタ)アクリロイル基が結合されている。分子内においてR3は同一でも異なっていてもよいがアクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。また、使用時における樹脂との相溶性等の観点から、R3は3以上のカプロラクトンからなるポリカプロラクトン骨格を有する場合が最も汎用的で好ましい。
一般式(4)中のR4は、水素、フッ素及びメチル基のいずれかであり、分子内においてR4は同一でも異なっていてもよいが、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンの調製が簡便であることから同一である方がより好ましい。
次に、上記のようなポリエステル型とポリウレタン型とを組み合わせた結合方式を用いた場合のより具体的な例を、その製造方法の一例と共にいくつか記載する。但し、下記の製造方法についての例は、アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンが下記の例に限定されることを意味するものではない。
例えば、従来公知の方法により得られる平均式(5)で表されるポリジメチルシロキサン、一般式(6)で表されるトリイソシアネート、及びエチレングリコールモノメタクリレートを用いたε−カプロラクトンの開環重合により調製される、一般式(7)で表される重合性反応基含有ポリエステルを1:2:4のモル比で用い、従来公知のウレタン結合形成反応により、平均式(8)で表されるポリジメチルシロキサン化合物が得られる。このとき、トリイソシアネート(6)中へポリジメチルシロキサン(5)を加えていきポリジメチルシロキサン(5)の両末端にウレタン結合を形成させた後に、重合性反応基含有ポリエステル(7)とのウレタン結合形成を行なうことで、副生成物〔例えばポリジメチルシロキサン(5)とトリイソシアネート(6)のみからなる副生成物や、重合性反応基含有ポリエステル(7)とトリイソシアネート(6)のみからなる副生成物等〕の生成を抑え、高収率で目的とするポリジメチルシロキサン(8)を得ることができる。
ここで、平均式(5)・(8)中のdは15〜20の整数、eは1〜5の整数、一般式(6)中のfは4〜8の整数、一般式(7)及び平均式(8)中のgは3〜5の整数である。また、平均式(5)・(8)において、Meはメチル基を表す。
Figure 2015152691
Figure 2015152691
Figure 2015152691

Figure 2015152691
この他にも、例えば従来公知の方法により得られた平均式(9)で表されるポリジメチルシロキサン、一般式(10)で表されるジイソシアネート、及びペンタエリスリトールトリアクリレートを用いたε−カプロラクトンの開環重合により調製される、一般式(11)で表される重合性反応基含有ポリエステルを1:2:2のモル比で用いて、従来公知のウレタン結合形成反応により、平均式(12)で表されるポリジメチルシロキサン化合物が得られる。このとき、ジイソシアネート(10)中へポリジメチルシロキサン(9)を加えていきポリジメチルシロキサン(9)の両末端にウレタン結合を形成させた後に、重合性反応基含有ポリエステル(11)とのウレタン結合形成を行なうことで、副生成物〔例えばポリジメチルシロキサン(9)とジイソシアネート(10)のみからなる副生成物や、重合性反応基含有ポリエステル(11)とジイソシアネート(10)のみからなる副生成物等〕の生成を抑え、高収率で目的とするポリジメチルシロキサン(12)を得ることができる。
ここで、平均式(9)中のhは25〜35の整数、iは1〜5の整数、一般式(10)中のjは5〜10の整数、及び一般式(11)中のkは3〜5の整数である。なお、平均式(12)において、hは29、iは5、jは6、及びkは5である。
Figure 2015152691
Figure 2015152691
Figure 2015152691
Figure 2015152691
さらに、例えば上記の2例を組み合わせて平均式(9)で表されるポリジメチルシロキサン、トリイソシアネート(6)、及び重合性反応基含有ポリエステル(11)を1:2:4のモル比で反応させ、12のアクリロイロキシ基を有するポリジメチルシロキサンを得ることもできる。
なお、この他にも、重合性反応基を有するポリエステル部分とポリウレタン部分を結合させた後にシロキサン骨格へ導入する方法や、重合性反応基の導入を最後に行なう方法等によりポリジメチルシロキサンを合成することも可能である。通常、一般式(3)で表される化合物は、単独乃至2種以上組み合わせで使用することができる。
また、重合性反応基を1分子中に1つ有するオルガノポリシロキサン、例えば、片末端(メタ)アクリロイロキシ変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロアルキル基及び片末端に(メタ)アクリロイロキシ基を有するポリシロキサンと、前記の特定構造を有するポリジオルガノシロキサン(アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン)とを組み合わせて使用することもできる。
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサンは、ハードコート用樹脂組成物中に、2.0〜8.0質量%含まれる。含有量が2.0質量%未満では、防眩性ハードコート層表面に付着した指紋の拭取り性が向上しない。一方、8.0質量%を越えると、防眩性ハードコート層表面を触った際に付着する指紋の付着性を弱めることが出来ない。
(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂は、低屈折率層へ硬度を付与する事が出来る。(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等が挙げられる。(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂は、低屈折率層用樹脂組成物中に9.0〜70.0質量%含まれる。含有量が9.0質量%未満では、低屈折率層の硬度不足や、透過率の低下が生じる。一方、70.0質量%を越えると、指紋の拭取り性が向上しない。
(d)中空シリカ微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.40であることが好ましい。中空シリカ微粒子としては、屈折率を低くするものであれば特に限定されず、公知の中空シリカ微粒子を使用できる。具体的には、日揮触媒化成(株)製アクリル修飾中空シリカ微粒子スルーリアNAU等が挙げられる。中空シリカ微粒子は、低屈折率層用樹脂組成物中に22.0〜83.0質量%含まれる。シリカ微粒子の含有量が22.0質量%未満では、低屈折率層の屈折率を上述の範囲とすることが出来ない。一方、シリカ微粒子の含有量が83.0質量%より多いと、塗膜強度が弱くなるため好ましくない。また、中空シリカ微粒子の大きさは、0.1μm以下であることが好ましい。中空シリカ微粒子の粒子径が0.1μmよりも大きい場合、光の散乱が生じヘイズ値が高くなり白化する傾向にあり好ましくない。なお、本明細書において粒子径とは、粒子径分布測定装置〔大塚電子(株)製、PAR−III〕を使用し、動的光散乱法により平均粒子径を測定することで求めた値である。
(e)光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により低屈折率層用樹脂組成物を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、低屈折率層用樹脂組成物中に1.0〜10.0質量%含まれる。光重合開始剤の含有量が1.0質量%未満では、防眩性ハードコート層の硬化が不十分となる。一方、含有量が10.0質量%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
〔高屈折率層〕
続いて、高屈折率層について説明する。該高屈折率層は、上述の低屈折率層との有意な屈折率差により、反射防止効果を向上させるための層である。高屈折率層の屈折率は、防眩性ハードコート層及び低屈折率層より高く設定されており、高屈折率層の屈折率は1.6〜2.1である。この屈折率が1.6より小さい場合、反射防止性能を向上することができない。一方、屈折率が2.1を超える高屈折率層を形成することは現状では困難である。また、高屈折率層の乾燥硬化後の膜厚は、0.05〜0.25μmが好ましい。上記範囲外では、光の干渉による反射防止の効果が不十分となる。更に、高屈折率層は、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを混合してなる高屈折率層用樹脂組成物を紫外線等により硬化させた硬化物からなる。
<高屈折率層用樹脂組成物>
高屈折率層用樹脂組成物を構成する材料としては、前記高屈折率層の屈折率の範囲において、金属酸化物微粒子及び紫外線硬化型樹脂を任意に用いることができる。金属酸化物微粒子は、屈折率を積極的に高めるために配合されるものである。金属酸化物微粒子としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化シラン、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化錫、ITO等の微粒子が挙げられる。特に、導電性や帯電防止能の観点より、酸化錫、酸化アンチモン及びITOが好ましく、高屈折率の観点より、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径は高屈折率層の厚みを大きく超えないことが好ましく、特に0.15μm以下であることが好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒子径が高屈折率層の厚みより大きくなると、光の散乱が生じる等、高屈折率層の光学性能が低下する傾向にある。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば重合硬化したものの屈折率が1.6〜1.8の紫外線硬化型樹脂を用いることができる。そのような紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(オリゴマー)、エポキシ(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエステル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、ポリエーテル(メタ)アクリレート(オリゴマー)、(メタ)アクリレート(オリゴマー)等が挙げられる。
高屈折率層中に、金属酸化物微粒子は30〜90質量部含まれ、は10〜70質量部含まれるように調整される。金属酸化物微粒子の含有量が30質量部未満では、高屈折率層の屈折率が上述の範囲外となるため好ましくない。金属酸化物微粒子の含有量が90質量部を超えると、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が多くなり、塗膜がもろくなるため好ましくない。一方、紫外線硬化型樹脂の含有量が10質量部未満では、塗膜に対する紫外線硬化型樹脂の相対量が少なく塗膜がもろくなるため好ましくない。また、紫外線硬化型樹脂の含有量が70質量部を超えると、高屈折率層の屈折率が上述の範囲外となるため好ましくない。
更に、高屈折率層用樹脂組成物中には、紫外線(UV)等の活性エネルギー線により高屈折率層用樹脂組成物を硬化させて塗膜を形成するために、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。光重合開始剤は、高屈折率層用樹脂組成物中に1.0〜10.0質量%含まれる。光重合開始剤の含有量が1.0質量%未満では、高屈折率層の硬化が不十分となる。一方、含有量が10.0質量%を超えると、光重合開始剤が不必要に多くなり好ましくない。
高屈折率層用樹脂組成物中には、必要に応じて、表面調整剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤等の従来公知の添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で含有していても良い。
〔防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層の形成〕
防眩性ハードコート層、高屈折率層及び低屈折率層は、各層用樹脂組成物を熱可塑性透明基材フィルム上へ塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで熱可塑性透明基材フィルム側の層から順に各層ごとに形成される。防眩性ハードコート層用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物及び低屈折率層用樹脂組成物の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、防眩性ハードコート層の熱可塑性透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め熱可塑性透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。また、塗工性の観点から、各層用樹脂組成物は溶媒に希釈し塗工することが好ましい。溶媒としては、各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限は無く、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系の溶媒が適時選択できる。
《防眩性反射防止フィルムを用いた樹脂成形品》
本実施形態の成形物は、インサート成形融着法にて、樹脂を成形すると同時に、その成形物の表面に防眩性反射フィルムを一体化して得られる。例えば、防眩性反射防止フィルムを射出成形金型内のキャビティに保持し、溶融した樹脂を金型内に注入することで、表面に防眩性反射防止フィルムが一体化された成形物を得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。
〔熱可塑性透明基材フィルム〕
各実施例及び比較例において、熱可塑性透明基材フィルムとしては、以下のものを使用した。
ポリカーボネートフィルム(PC)
住友化学(株)製「C000」188μm
ポリメチルメタクリレートフィルム(PMMA)
住友化学株式会社製「S014G」188μm
ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなるフィルム(PC/PMMA)
住友化学株式会社製「C001」200μm
〔防眩性ハードコート層用樹脂組成物〕
防眩性ハードコート層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表1に記載した組成にて混合し、防眩性ハードコート層用樹脂組成物HC1−1及びHC1−2を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。防眩性ハードコート層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
<アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)>
下記製造例1で合成した水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(A1)
<紫外線硬化型樹脂(B)>
ダイセル・サイテック(株)製「EBECRYL8402」
日本化薬(株)製「KAYARAD DPCA−20」
共栄社化学(株)製「ライトアクリレート1.9ND−A」
<光重合開始剤(C)>
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「IRGACURE184(I−184)」
<透光性有機微粒子(D)>
架橋アクリル−スチレン共重合樹脂の微粒子〔積水化成品(株)製、SSX1055QXE、粒子径の揃った単分散な微粒子、平均粒子径(a)は5.0μm〕30質量部
<レベリング剤(E)>
ビックケミー・ジャパン株式会社「BYK−333」
〈製造例1:アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンの合成〉
高分子ポリオレフィン(プロピレンと1−ブテンとの共重合体:三井化学社製「タフマーXR110T」)を攪拌機および温度計を備えた反応容器に入れ、360℃まで昇温して溶融させ、窒素気流下で80分間加熱することにより、熱減成による低分子ポリオレフィン(a1)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記低分子ポリオレフィン(a1)160部を入れ、窒素気流下で180℃まで昇温して溶融させたのち、無水マレイン酸25部と1−ドデセン20部を加え、均一に混合した。次いで、あらかじめ調製したキシレン20部にジクミルパーオキサイド1部を溶解させた溶液を180℃を維持しながら2時間かけて滴下し、滴下後さらに180℃で2時間攪拌し、無水マレイン酸のグラフト化反応を行なった。その後、減圧下でキシレンおよび1−ドデセンを留去して、無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(aa1)を得た。
次に、攪拌機、温度計および冷却管を備えた反応容器に、前記無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(aa1)450部を入れ、窒素気流下で105℃まで昇温し、該温度を維持するようにしながらトルエン300部を攪拌下で徐々に滴下した。次いで、水酸基含有メタクリレート(ダイセル化学工業社製「プラクセルFM4:CH2=C(CH3)COO(CH2)2O[CO(CH2)5O]nH」)135部を添加し、攪拌しながら同温度で3時間反応させたのち、冷却し、水酸基含有メタクリレート変性無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン(A1)の溶液を得た。得られた溶液の固形分濃度は66.1%であった。
Figure 2015152691
得られた各防眩性ハードコート層用樹脂組成物について、硬化後の組成物屈折率を確認した。硬化後の組成物屈折率は、以下の方法にて測定し、その結果を上記表1に併記する。
〈硬化後の組成物屈折率〉
(1)PETフィルム〔商品名「A4100」、東洋紡績(株)製〕上に、バーコーターにより、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜500nmになるように層の厚さを調整して塗布した。乾燥後、紫外線照射装置〔岩崎電気(株)製〕により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化し、屈折率測定用フィルムを作製した。
(2)作製したフィルムの裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計〔「FE-3000」、大塚電子(株)製〕により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
a、b、c:波長分散定数
〔高屈折率層用樹脂組成物〕
高屈折率層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表2に記載した組成にて混合し、高屈折率層用樹脂組成物H1−1〜H1−4を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。高屈折率層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
<金属酸化物微粒子>
シーアイ化成(株)製「ZRMEK25%−F47」(酸化ジルコニウム微粒子分散液)
シーアイ化成(株)製「RTTMIBK15WT%−N24」(酸化チタン微粒子分散液)
<紫外線硬化型樹脂>
日本合成化学工業(株)製「紫光UV−7600B」
<光重合開始剤>
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「IRGACURE907(I−907)、IRGACURE184(I−184)」
Figure 2015152691
〔低屈折率層用樹脂組成物〕
低屈折率層用樹脂組成物として、次の原料を使用し、各原料を下記表3、4に記載した組成にて、(a)フッ素含有樹脂と、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンと、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂と、(d)中空シリカ微粒子と、(e)光重合開始剤とを混合し、低屈折率層用樹脂組成物L1−1〜L1−15、L2−1〜L2−12を調製した。尚、各材料の配合量は、固形分の質量%を記載している。低屈折率層用樹脂組成物の各原料としては、以下の通りである。
<(a)フッ素含有樹脂>
フッ素含有紫外線硬化型樹脂 ダイキン工業(株)製「オプツールDAC−HP」
フッ素含有紫外線硬化型樹脂 DIC(株)製「メガファックRS−75」
フッ素を含有する紫外線硬化型でない樹脂DIC(株)製「メガファックF−558」
<(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン>
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3500」
アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3530」
アクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK−UV 3570」
アクリル基を有さないポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン ビックケミー・ジャパン(株)製「BYK331」
<(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 日本化薬(株)製「KAYARAD DPHA」
1分子中に6つのアクリル基を有するウレタンアクリレート 日本合成化学工業(株)製「紫光UV−7600B」
<(d)中空シリカ微粒子>
日揮触媒化成(株)製「アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAU」
<(e)光重合開始剤>
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製「IRGACURE907(I−907)、IRGACURE184(I−184)」
Figure 2015152691
Figure 2015152691
(実施例1−1)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム「S014G、188μm」の一面に、ハードコート用樹脂組成物(HC1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合した防眩性ハードコート層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が10μmとなるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F1−1)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、透過像鮮明度、反射像線明度、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表5に示す。
(実施例1−2〜1−15)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表5に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F1−2〜F1−15)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、像鮮明度、防眩性を下記方法で測定した。その結果を下記表5に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
〈指紋拭取り性〉
人工指脂液(尿素1g、乳酸4.6g、ピロリン酸ナトリウム8g、食塩7g、エタノール20mLを蒸留水で1Lに希釈したもの)1滴を防眩性反射防止フィルム表面(低屈折率層表面)に滴下する。その後、日本製紙クレシア(株)製キムワイプを用い、人工指脂液を馴染ませる。続いて、東レ(株)製トレシーを用いて5往復拭取りを実施した後、表面の跡を目視で観察し下記の3段階で評価した。
○:人工指脂液の跡が無い場合
△:人工指脂液の跡が一部残る場合
×:人工指脂液の跡が残る場合
〈耐擦傷性〉
防眩性反射防止フィルム表面を#0000のスチールウールに250gfの荷重をかけて、ストローク幅25mm、速度30mm/secで10往復摩擦したあとの表面を目視で観察し、以下の○、×で評価した。なお、スチールウールは約10mmφにまとめ、表面が均一になるようにカット、摩擦して均したものを使用した。
○:傷が0〜10本
×:傷が11本以上
〈最小反射率〉
防眩性反射防止フィルムの裏面反射を防ぐため、裏面をサンドペーパーで粗し、黒色塗料で塗り潰したものを分光光度計[日本分光(株)製、商品名:U−best560]により、光の波長380nm〜780nmの5°、−5°正反射スペクトルを測定した。得られた反射スペクトルより、最小反射率(%)を読み取った。
〈ヘイズ値〉
ヘイズメーター〔日本電色工業(株)製、NDH2000〕を使用し、光学特性としてのヘイズ値(%)を測定した。
〈透過像鮮明度、反射像鮮明度〉
JIS K 7105−1981に基づく像鮮明度測定装置〔スガ試験機(株)製の写像性測定器、ICM−1T〕を用いて1mmの幅を有する光学くしを通して像鮮明度の値(透過像鮮明度)(%)及び45°反射で測定される像鮮明度の値(反射像鮮明度)(%)を測定した。測定結果の判断基準は、次のとおりである。
透過像鮮明度・・・「100%〜90%・・・防眩性なし」、「90%未満15%以上・・・防眩効果が良好」、「15%未満0%未満・・・防眩効果が強すぎる」
反射像鮮明度・・・「100%〜80%・・・防眩性なし」、「80%未満5%以上・・・防眩効果が良好」、「5%未満0%未満・・・防眩効果が強すぎる」
〈防眩性〉
AGAR処理面に蛍光灯距離3m、入射角10°となるように蛍光灯の灯りを映り込ませた場合、10°で正反射した蛍光灯の輪郭がどれほどぼけるかを下記に示す評価基準に従って評価した。蛍光灯はパナソニック(株)製FHF32EXNHを使用した。
○:輪郭が確認できないほどぼけている、×:輪郭はぼけていない。
Figure 2015152691
(実施例2−1)
住友化学(株)製ポリメチルメタクリレートフィルム「S014G、188μm」の一面に、ハードコート用樹脂組成物(HC1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:1の割合で混合した防眩性ハードコート層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が10μmとなるように塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性ハードコート層を形成した。
次に、この防眩性ハードコート層上に、高屈折率層用樹脂組成物(H−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した高屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより高屈折率層を形成した。
最後に、この高屈折率層上に、低屈折率層用樹脂組成物(L1−1)及び溶媒(メチルイソブチルケトン)を1:5の割合で混合した低屈折率層用塗液をバーコーターにて硬化後の膜厚が0.1μmとなるように塗布し、窒素雰囲気下、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより防眩性反射防止フィルム(F2−1)を作製した。
得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、透過像鮮明度、反射像鮮明度、防眩性を上記方法で測定した。結果を下記表6に示す。
(実施例2−2〜2−16)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表6に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例2−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F2−2〜F2−16)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、透過像鮮明度、反射像鮮明度、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表6に示す。なお、熱可塑性透明基材フィルムとして「PC/PMMA」を用いた際は、ポリメチルメタクリレート層(PMMA層)上に各種層を形成した。
Figure 2015152691

(実施例3−1〜3−15)、(実施例4−1〜4−16)
防眩性反射防止フィルムの成形品への融着:実施例1−1〜1−15、実施例2−1〜2−16で得られた防眩性反射防止フィルムを熱可塑性透明基材フィルムが溶融したポリカーボネート樹脂に接するように、射出成形金型内のキャビティに保持し、360℃程度の温度で溶融させたポリカーボネート樹脂を、29400kPaの圧力にて金型内に注入し、放冷して、平板部分と、その両端に半径R=0.5mmとなる曲面形状部分とを有する樹脂成形品を得た。すなわち、成形と同時に融着するインサート成形融着法にて防眩性反射防止フィルムの融着を行うことで、表面に防眩性反射防止フィルムを備える樹脂成形品を得た。
得られた樹脂成形品について、平板部分にて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、透過像鮮明度、反射像線明度、防眩性を上記方法で測定した。また、曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状におけるクラックの有無を下記方法で評価した。その結果を下記表7、表8に示す。
〈成形物の曲面形状におけるクラックの有無〉
成形物の曲面部分を目視にて確認し、クラック等の亀裂の有無を確認した。
○:クラック等の亀裂なし、×:クラック等の亀裂なし。
Figure 2015152691
Figure 2015152691
(比較例1−1〜比較例1−13)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表9に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例1−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F3−1〜F3−13)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、像鮮明度、防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表9に示す。
Figure 2015152691
(比較例2−1〜2−12)
熱可塑性透明基材フィルム、ハードコート用樹脂組成物、高屈折率層用樹脂組成物、低屈折率層用樹脂組成物を下記表8に記載した材料及び各層の組合せとした以外は、実施例2−1と同様にして、防眩性反射防止フィルム(F2−1〜F2−12)を作製した。得られた防眩性反射防止フィルムについて、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、透過像鮮明度、反射像鮮明度防眩性を上記方法で測定した。その結果を下記表10に示す。
Figure 2015152691
(比較例3−1〜3−13)、(比較例4−1〜4−12)
防眩性反射防止フィルムの成形物への融着:防眩性反射防止フィルムを熱可塑性透明基材フィルムが溶融したポリカーボネート樹脂に接するように(曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状を有する)射出成形金型内のキャビティに保持し、360℃程度の温度で溶融させたポリカーボネート樹脂を、29400kPaの圧力にて(曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状を有する)金型内に注入し、放冷した。すなわち、成形と同時に融着するインサート成形融着法にて防眩性反射防止フィルムの融着を行うことで、成形物上に防眩性反射防止フィルムが一体化された。
得られた防眩性反射防止フィルムの融着成形物について、指紋拭取り性、耐擦傷性、最小反射率、ヘイズ、像鮮明度、防眩性、曲率半径R=0.5mmとなる曲面形状におけるクラックの有無を実施例3−1等と同様の方法で測定した。結果を下記表11、表12に示す。
Figure 2015152691
Figure 2015152691
表5に示される実施例1−1〜1−15の結果から、(a)フッ素含有樹脂、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂、(d)中空シリカ微粒子及び(e)光重合開始剤からなる低屈折率層用樹脂組成物を硬化させた低屈折率層を最表層に備えることにより、防眩性反射防止フィルムに指紋拭取り性を付与することができることが明らかとなった。ここで、表9に示される比較例1−11の結果と対比すると、(a)フッ素含有樹脂が紫外線硬化型でない場合は耐擦傷性が得られず、(a)フッ素含有樹脂は、フッ素含有紫外線硬化型樹脂とすることが明らかとなった。また、比較例1−3の結果から、指紋拭取り性を発現させるためには、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂だけでなく、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンも欠くことができず、更に比較例1−12の結果も参照すると、(b)ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はポリエステル変性ポリジメチルシロキサンがアクリル基を有する場合に指紋拭取り性を得られることが明らかとなった。そして、比較例1−1〜1−6、1−10との対比から、低屈折率層用樹脂組成物中の各成分の濃度は、(a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、(b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、(c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、(d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、(e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は100質量%)とすることが明らかとなった。その上で、比較例1−7〜1−9の結果を参照すると、この濃度範囲において、(a)の濃度が(b)の濃度よりも大きい場合に指紋拭取り性が得られることが明らかとなった。低屈折率層と防眩性ハードコート層との間に高屈折率層を形成した実施例2−1〜2−16(表6)と比較例2−1〜2−12(表10)との対比からも、同様のことが明らかである。
表5に示される実施例1−1〜1−15と表7に示される3−1〜3−15と、及び表6に示される実施例2−1〜2−16と表8に示される実施例4−1〜16とを対比すると、最表層に上記組成の低屈折率層用組成物を硬化させて低屈折率層を形成した防眩性反射防止フィルムを用いてインサート成形し、成形物の表面に防眩性反射防止フィルムを一体化させた場合、防眩性反射防止フィルムが単体で有する各特性がそのまま成形物の表面でも発揮されることが確認された。ここで、比較例3−13の結果を対比すると、防眩性ハードコート層用樹脂組成物にアクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィン(A)が含まれることにより、耐擦傷性を確保しつつも、インサート成形にてより複雑な金型形状に沿って成形可能となることがわかる。
また、表6に示される実施例2−1〜2−16の結果において、最小反射率に着目すると、高屈折率層を形成する高屈折率層用樹脂組成物の硬化後の組成物屈折率が1.52であるH1−4(表2)を用いた実施例2−16では、高屈折率層を形成しない実施例1−2と比較して最小反射率が低減していない。これに対して、高屈折率層用樹脂組成物の硬化後の組成物屈折率が1.6〜2.1であるH1−1,2,3を用いた実施例2−1〜15では高屈折率層を形成したことにより、最小反射率の大幅な低減が認められた。これにより、防眩性ハードコート層と低屈折率層との間に、低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層を備えることでより反射率がより小さい防眩性反射防止フィルムとすることができることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 熱可塑性透明基材フィルムの一方の面上に防眩性ハードコート層を有し、前記熱可塑性透明基材フィルムの前記防眩性ハードコート層が設けられた一方の面側の最表層として低屈折率層を備えるインサート成形用防眩性反射防止フィルムであって、
    前記低屈折率層は、
    (a)フッ素含有紫外線硬化型樹脂5.0〜15.0質量%、
    (b)アクリル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン又はアクリル基を有するポリエステル変性ポリジメチルシロキサン2.0〜8.0質量%、
    (c)(a)及び(b)と共重合可能な紫外線硬化型樹脂9.0〜70.0質量%、
    (d)中空シリカ微粒子22.0〜83.0質量%、
    (e)光重合開始剤1.0〜10.0質量%
    からなる低屈折率層用樹脂組成物(但し、(a)(b)(c)(d)(e)の合計は、100質量%である。)を硬化させてなり、(b)の質量%が、(a)の質量%より少ないことを特徴とするインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  2. 前記防眩性ハードコート層と前記低屈折率層との間に、金属酸化物微粒子と紫外線硬化型樹脂とを含有し、前記低屈折率層の屈折率より高い1.6〜2.1の屈折率を有する高屈折率層が備えられていることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  3. 前記防眩性ハードコート層は、バインダーに透光性有機微粒子を含有する防眩性ハードコート層用組成物を硬化させてなり、
    前記バインダーは、アクリル変性不飽和ジカルボン酸(無水物)グラフト化ポリオレフィンを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  4. 前記熱可塑性透明基材フィルムが、ポリカーボネート層とポリメチルメタクリレート層との二層構造からなり、前記防眩性ハードコート層はポリメチルメタクリレート層上に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルム。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のインサート成形用防眩性反射防止フィルムを表面に備える、樹脂成形品。
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