JP2015152371A - 静バランサーおよび静バランスの計測方法 - Google Patents

Abstract

【課題】タイヤの装着時に、軸受けに加わる負荷を軽減して軸受けの破損を防止することにより、設備を長時間安定して稼働させることができる静バランサーおよび前記静バランサーを用いた静バランスの計測方法を提供する。
【解決手段】タイヤの静バランスを計測する静バランサーであって、鉛直に設置された計測軸と、計測軸の上端に軸受けを介して取り付けられて、検査対象のタイヤを載置するタイヤ載置台と、タイヤ載置台の傾きの方向と傾き量を計測して、検査対象のタイヤの静バランスを計測する計測装置と、計測軸に取り付けられて、計測軸の姿勢を鉛直に保つバランスウエイトとを備え、バランスウエイトの下方の計測軸を把持するチャック装置が設けられている静バランサー。チャック装置が、ポリアミド樹脂製である静バランサー。
【選択図】図１

Description

本発明は、静止したタイヤのバランスを計測する静バランサーおよび前記静バランサーを用いた静バランスの計測方法に関する。

空気入りタイヤの製造工程において、製造されたタイヤの品質を管理するため、静バランサーを用いて、静止したタイヤの周上における重さのばらつき（静バランス）を計測することが行われている（例えば特許文献１、２）。

図３は、従来の静バランサーを模式的に示す正面図である。図３に示すように、静バランサー１はフラットな床面ＦＬ上に鉛直に設置された計測軸１ａと、軸受け２を介して計測軸１ａと連結されて水平に取り付けられたタイヤ載置台１ｂとを備えている。そして、計測軸１ａには、計測軸１ａの鉛直度を保って正確な計測ができるように、バランスウエイト４が取り付けられている。

この静バランサー１では、タイヤ受け金具５ｃに横向きに載せられたタイヤＴを、タイヤ載置台１ｂ上で縦ローラー５ａのアダプタ５ｂにより位置調整して、計測軸１ａで支持させる。そして、タイヤ載置台１ｂに生じた傾きをロードセル６を用いて検出し、タイヤＴの静バランスを計測する。

特開２００６−３０８３２０号公報 特開２００９−８５０６号公報

しかしながら、傾いた状態でタイヤＴが装着された場合には偏心力を受けて、計測軸１ａに振れを発生させる。しかし、計測軸１ａには、前記したように、バランスウエイト４が取り付けられているため、この振れの発生に対して計測軸１ａが元の鉛直状態に戻ろうとする力が働く。

この結果、タイヤ載置台１ｂと計測軸１ａとの間で支点となっている軸受け２に、大きな負荷が掛かり、軸受け２の破損を招いて、長時間安定して稼働できないという問題があった。

そこで、本発明は、タイヤの装着時に、軸受けに加わる負荷を軽減して軸受けの破損を防止することにより、設備を長時間安定して稼働させることができる静バランサーおよび前記静バランサーを用いた静バランスの計測方法を提供することを課題とする。

請求項１に記載の発明は、
タイヤの静バランスを計測する静バランサーであって、
鉛直に設置された計測軸と、
前記計測軸の上端に軸受けを介して取り付けられて、検査対象のタイヤを載置するタイヤ載置台と、
前記タイヤ載置台の傾きの方向と傾き量を計測して、前記検査対象のタイヤの静バランスを計測する計測装置と、
前記計測軸に取り付けられて、前記計測軸の姿勢を鉛直に保つバランスウエイトと
を備え、
前記バランスウエイトの下方の前記計測軸を把持するチャック装置が設けられている
ことを特徴とする静バランサーである。

また、請求項２に記載の発明は、
前記チャック装置が、ポリアミド樹脂製であることを特徴とする請求項１に記載の静バランサーである。

また、請求項３に記載の発明は、
請求項１または請求項２に記載の静バランサーを用いて、タイヤの静バランスを計測する静バランスの計測方法であって、
前記チャック装置が、前記静バランスの計測時以外には前記計測軸を把持し、計測時には前記計測軸を開放することを特徴とする静バランスの計測方法である。

本発明によれば、タイヤの装着時に、軸受けに加わる負荷を軽減して軸受けの破損を防止することにより、設備を長時間安定して稼働させることができる静バランサーおよび前記静バランサーを用いた静バランスの計測方法を提供することができる。

本発明の一実施の形態に係る静バランサーを模式的に示す正面図である。 図１中のバランスウエイトとチャック装置を拡大して示す斜視図である。 従来の静バランサーを模式的に示す正面図である。

以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を参照して説明する。

図１は本実施の形態に係る静バランサーを模式的に示す正面図である。

図１に示すように、本実施の形態に係る静バランサー１は、従来の静バランサーと同様に、フラットな床面ＦＬ上に鉛直に設置された計測軸１ａと、軸受け２を介して計測軸１ａと連結されて水平に取り付けられたタイヤ載置台１ｂとを備えている。

計測軸１ａは、架台フレーム９内に収容されており、架台フレーム９の上面には計測装置としてのロードセル（Ｘ−Ｙ軸）６が設置されている。ロードセル６は、タイヤ載置台１ｂに生じた傾きを検出することにより、検査対象のタイヤＴの静バランスを計測する。

また、計測軸１ａを収容する架台フレーム９の上面には、４つの支持部材３が設けられており、それぞれの支持部材３から水平方向に延びた軸受け２が支点となって計測軸１ａとタイヤ載置台１ｂとが連結されている。

タイヤ載置台１ｂの上方には、縦ローラー５ａとタイヤ受け金具５ｃが配置されており、タイヤ受け金具５ｃに横向きに載せられたタイヤＴの内側に縦ローラー５ａを挿入させた後、縦ローラー５ａのアダプタ５ｂを拡径させることにより、タイヤＴの載置位置を調整する。

また、計測軸１ａには、バランスウエイト４が取り付けられている。バランスウエイト４は、計測軸１ａの姿勢を鉛直に保って正確な測定ができるように、計測対象であるタイヤＴの質量などに応じて、取り付け位置と重さが適宜調整されている。

本実施の形態に係る静バランサー１は、上述した構成に加えて、計測軸１ａを把持するチャック装置７を備えている点で従来の静バランサーと異なる。

図２は、図１中のバランスウエイト４とチャック装置７を拡大して示す斜視図である。図２に示すように、チャック装置７は、一対のチャック７ａ、７ｂを備えており、この一対のチャック７ａ、７ｂが、バランスウエイト４の下方の計測軸１ａを挟み込むことにより、計測軸１ａがチャック装置７に把持される。

本実施の形態に係る静バランサー１を用いて静バランスを計測する場合、予め、チャック装置７で計測軸１ａを把持する。そして、タイヤＴ（例えば、重量５０ｋｇ程度）の内側に縦ローラー５ａを入れて、アダプタ５ｂを拡径させることによりタイヤＴを内側から広げてタイヤＴの載置位置を調整する（図１参照）。即ち、本実施の形態では、チャック装置７により計測軸１ａが把持された状態でタイヤＴが静バランサー１に装着される。

次に、チャック装置７による計測軸１ａの把持を開放した後、タイヤ載置台１ｂの傾きをロードセル６にて測定することにより、タイヤＴの静バランスを計測する。そして、計測が終了した後、チャック装置７により再び計測軸１ａを把持してからタイヤＴの取り外しを行う。

このように、タイヤＴの着脱時に、チャック装置７により計測軸１ａを把持することにより、タイヤＴの着脱に伴う計測軸１ａの振れの発生を抑制することができる。その結果、軸受け２に掛かる負荷を軽減して、軸受け２の破損を防止することができる。このため、長時間安定して稼働させることができる。

なお、チャック装置７のチャック７ａ、７ｂとしては、ポリアミド樹脂製であることが好ましい。ポリアミド樹脂は、金属に比べて振動を吸収しやすく、チャックとして使用した場合、計測軸１ａに加わる振動を適切に吸収して、計測軸１ａの振れを抑制することができ好ましい。

以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。

１ 静バランサー
１ａ 計測軸
１ｂ タイヤ載置台
２ 軸受け
３ 支持部材
４ バランスウエイト
５ａ 縦ローラー
５ｂ アダプタ
５ｃ タイヤ受け金具
６ ロードセル
７ チャック装置
７ａ、７ｂ チャック
９ 架台フレーム
ＦＬ 床面
Ｔ タイヤ

Claims (3)

1. タイヤの静バランスを計測する静バランサーであって、
   鉛直に設置された計測軸と、
   前記計測軸の上端に軸受けを介して取り付けられて、検査対象のタイヤを載置するタイヤ載置台と、
   前記タイヤ載置台の傾きの方向と傾き量を計測して、前記検査対象のタイヤの静バランスを計測する計測装置と、
   前記計測軸に取り付けられて、前記計測軸の姿勢を鉛直に保つバランスウエイトと
   を備え、
   前記バランスウエイトの下方の前記計測軸を把持するチャック装置が設けられている
   ことを特徴とする静バランサー。
2. 前記チャック装置が、ポリアミド樹脂製であることを特徴とする請求項１に記載の静バランサー。
3. 請求項１または請求項２に記載の静バランサーを用いて、タイヤの静バランスを計測する静バランスの計測方法であって、
   前記チャック装置が、前記静バランスの計測時以外には前記計測軸を把持し、計測時には前記計測軸を開放することを特徴とする静バランスの計測方法。

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