JP2015149331A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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俊輔 亀田
崇 荒井
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崇 荒井
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Takao Amioka
孝夫 網岡
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Abstract

【課題】
シリコーン封止材に対する接着力及び耐候性に優れた太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つ、並びに、紫外線吸収剤を含む塗料を、基材フィルムの少なくとも片面に塗工して形成したケイ素酸化物層を有し、
該紫外線吸収剤が無機粒子であり、
該ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とが直接積層された、太陽電池モジュール。
【選択図】図1

Description

本発明は、長期にわたる過酷な屋外環境下での使用に耐え得る、シリコーン封止材に対する接着力及び耐候性に優れた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、石油、石炭をはじめとする化石燃料の枯渇が危ぶまれ、これらの化石燃料により得られる代替エネルギーを確保するための開発が急務とされている。このため原子力発電、水力発電、風力発電、太陽光発電等の種々の方法が研究され、実際の利用に及んでいる。太陽光エネルギーを電気エネルギーに直接変換することが可能な太陽光発電は、半永久的で無公害の新たなエネルギー源として実用化されつつあり、実際に利用される上での価格性能比の向上が目覚しく、クリーンなエネルギー源として非常に期待が高い。
太陽光発電に使用される太陽電池は、太陽光のエネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽光発電システムの心臓部を構成するものであり、シリコンなどに代表される半導体からできている。その構造としては、太陽電池素子(以下、セル)を直列、並列に配線し、20年程度の長期間にわたってセルを保護するために種々のパッケージングが施され、ユニット化されている。このパッケージに組み込まれたユニットは太陽電池モジュールと呼ばれ、一般に太陽光が当たる面をガラスで覆い、熱可塑性樹脂からなる封止材で間隙を埋め、裏面を封止シートで保護した構成となっている。そのため、太陽電池モジュールは、一般的にガラス、セルを含む封止材層、裏面封止シートの順に積層されて構成される。
熱可塑性樹脂からなる封止材としては、透明性が高く、耐湿性にも優れているという理由でエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(以下、EVA樹脂)が用いられることが多い。しかしながらEVA樹脂はセルを封止する際の熱硬化に時間がかかること、また紫外線に長時間曝されると変色する恐れがあることから紫外線吸収剤を混ぜることが多く、これにより入射する光が制限されるため発電効率が抑えられてしまうという課題がある。このような課題を補う封止材としてシリコーンが挙げられる。シリコーンは優れた耐環境性、光透過性を有するため、EVA樹脂を用いた場合よりも発電効率を向上できる可能性がある。また熱硬化性を備えた液状シリコーンを使うことでEVA樹脂よりも短時間で熱硬化することができ、太陽電池モジュールの生産性向上に寄与する。
一方、裏面封止シートには、機械強度、耐熱性、耐水性、耐化学薬品性、光反射性、水蒸気遮断性、封止材との熱接着性、意匠性、最外層の端子ボックス取り付け用シリコーン系樹脂との接着力といった特性が要求されるだけではなく、紫外線光に暴露されることから耐候性に優れることが要求される。
封止材にEVA樹脂を用いた際の裏面封止シート用フィルムとしては、白色のポリフッ化ビニルフィルム(デュポン社、商品名:“テドラー”(登録商標))が例示でき、該フィルムでポリエステルフィルムをサンドイッチした積層構成の裏面封止シートは当該用途で幅広く用いられている。
そして封止材にEVA樹脂を用いた際の裏面封止シート用フィルムとしては、耐候性、ガスバリア性に優れたポリエステル系フィルムを積層した構成も例示できる(特許文献1)。
また、接着強度向上の対策としてスチレン・オレフィン共重合体樹脂の熱接着層(ホットメルト接着剤層)を設けたものが提案されている(特許文献2)。
特開2002−026354号公報(段落[0008]〜[0010]) 特開2003−060218号公報(段落[0008]〜[0010])
特許文献1に開示された、封止材にEVA樹脂を用いた際の裏面封止シート用フィルムとして、耐候性、ガスバリア性に優れたポリエステル系フィルムを積層した裏面封止シート用フィルムを用いる場合、一般的にポリエチレンテレフタレート樹脂に代表されるポリエステルフィルムとEVA樹脂との接着性はあまり高くないという問題点があった。
特許文献2に開示された、スチレン・オレフィン共重合体樹脂の熱接着層(ホットメルト接着剤層)を設けたものは、接着強度は向上するものの、その強度は十分とは言えず、また強度の耐久性にも懸念があった。
一方、封止材にシリコーンを用いた際は、前記裏面封止シート用フィルムではシリコーンとの接着性が乏しいため、シリコーン封止材に適した新たな裏面封止シートの開発が必要である。また前記のポリフッ化ビニルフィルムでポリエステルフィルムを挟んだ構成の裏面封止シートは耐候性に優れるものの、高価であるため太陽電池モジュールの低価格化の点でも障害となる。
本発明の目的は、前記課題を克服し、シリコーン封止材に対する接着力及び耐候性に優れた太陽電池モジュールを提供することである。
本発明の太陽電池モジュールは、かかる課題を解決するために、次の構成を有する。すなわち、本発明の太陽電池モジュールは、以下である。
(1) シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つ、並びに、紫外線吸収剤を含む塗料を、基材フィルムの少なくとも片面に塗工して形成したケイ素酸化物層を有し、
該紫外線吸収剤が無機粒子であり、
該ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とが直接積層された、太陽電池モジュール。
(2) 前記紫外線吸収剤が酸化チタンである、(1)に記載の太陽電池モジュール。
(3) 前記紫外線吸収剤が、前記ケイ素酸化物層中に0.1〜0.5g/m含まれる、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール。
(4) 前記基材フィルムが無機顔料を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
(5) 前記基材フィルムが、前記ケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、紫外線吸収剤を含む樹脂層を有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、長期にわたる過酷な屋外環境下での使用に耐え得る、シリコーン封止材に対する接着力及び耐候性に優れた太陽電池モジュールが得られる。
本発明の太陽電池モジュールの一例の断面図。 太陽電池裏面封止シートの一例の断面図。 太陽電池裏面封止シートの一例の断面図。 太陽電池裏面封止シートの一例の断面図。 太陽電池裏面封止シートの一例の断面図。
本発明の太陽電池モジュールは、シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つ、並びに、紫外線吸収剤を含む塗料を、基材フィルムの少なくとも片面に塗工して形成したケイ素酸化物層を有し、該紫外線吸収剤が無機粒子であり、該ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とが直接積層されたことを特徴とする。このケイ素酸化物層により、基材フィルムとシリコーン封止材層との間の優れた接着力が得られ、さらには耐候性に優れた太陽電池モジュールが得られるものである。

[基材フィルム]
本発明の太陽電池モジュールの裏面封止シート(以下、太陽電池裏面封止シート)において、シリコーン封止材層と接する側の面に配するケイ素酸化物層を形成する際の基材フィルムとしては、種々の樹脂フィルムを用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂フィルムや、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンエーテルなどの樹脂フィルム、さらにはポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)などのフッ素樹脂からなるフィルム、およびこれらの樹脂を混合した樹脂フィルムが挙げられる。中でも強度、寸法安定性、熱安定性に優れていることからポリエステル樹脂フィルムが好ましく、さらに安価であることからPETやPEN等のポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。また、ポリエステル系樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
本発明の太陽電池裏面封止シートは、外気に直接曝される環境下に用いられる観点から、基材フィルムとしては耐加水分解性に優れる樹脂フィルム、すなわち耐加水分解性フィルムであることが好ましい。通常、ポリエステル樹脂フィルムはモノマーを縮合重合させたいわゆるポリマーを原料として製膜されるものであるが、モノマーとポリマーの中間に位置づけられるオリゴマーが1.5〜2質量%程度含まれている。オリゴマーの代表的なものは環状三量体であり、その含有量が多いフィルムは屋外などの長期暴露において機械的強度の低下や、雨水等による加水分解の進行に伴う亀裂、材破などを生じる。これに対して耐加水分解性フィルムにおいては、固相重合法で重合して得られる環状三量体の含有量が1.0質量%以下のポリエステル樹脂を原料としてポリエステル樹脂フィルムを製膜することで、高温高湿度下での加水分解を抑制することが可能であり、さらに耐熱性及び耐候性にも優れたフィルムが得られる。上記環状三量体含有量の測定は、例えばポリマー100mgをオルトクロロフェノール2mLに溶解させた溶液を用いて、液体クロマトグラフィーにて測定することで樹脂質量に対する含有量(質量%)を測定する方法で求められる。
また、太陽電池裏面封止シートを構成する基材フィルムには、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加した樹脂フィルム等も用いることができる。特に本発明の太陽電池モジュールに用いられる基材フィルムは、無機顔料を含むことが好ましい。そして無機顔料の中でも、後述する理由から白色顔料を含むことが特に好ましい。
添加剤を添加した基材フィルム(樹脂フィルム)の具体例としては、前述のポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂フィルム、これらの樹脂を混合した樹脂フィルムに白色顔料を練り込んだ樹脂原料を製膜した白色フィルムが挙げられる。白色顔料としては、酸化チタンや酸化亜鉛などの無機顔料を好ましく利用することができ、混錬することで白色度が80%以上、不透明度が80%以上の白色フィルムとすることができる。白色フィルムは、バックシートまで入射してきた光を反射させて半導体素子におけるエネルギー変換を補助する目的で用いられ、セルに近い層に配されるのが好ましい。基材フィルムとして好ましく用いられる白色フィルムは、太陽光を反射させ発電効率を向上させる為に使用する。白色フィルムは、好ましくは、波長λ=550nmの反射率が、30%以上のフィルムであり、より好ましくは、反射率が40%以上のフィルム、さらに好ましくは、反射率が50%以上のフィルムである。中でも、強度、寸法安定性、熱安定性に優れていることからPETやPEN等のポリエステル樹脂フィルムが好ましく、さらに安価であることからポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。

基材フィルム(樹脂フィルム)を構成するポリエステル系樹脂は、その構成単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレートや、その構成単位の80モル%以上がエチレンナフタレートであるポリエチレンナフタレートや、その構成単位の80モル%以上がポリ乳酸であるポリ乳酸フィルム等で代表されるが、特に限定されない。また、ポリエステル系樹脂は共重合体であっても良く、共重合成分としては、例えば、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール等のジオール成分、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導体のジカルボン酸成分などを使用することができる。
本発明の太陽電池裏面封止シートを構成する基材フィルムの厚さは、特に制限されるものではないが、封止シートの耐電圧特性、コスト等を勘案すると、1〜250μmの範囲が好ましい。
また、基材フィルムには、水蒸気バリア性を付与する目的で蒸着法等により少なくとも一層の無機酸化物層が形成されている水蒸気遮断性フィルムを用いても良い。本発明における「水蒸気遮断性フィルム」とは、JIS K 7129 (2000)に記載のB法にて測定される水蒸気透過率が5g/(m・day)以下の樹脂フィルムである。水蒸気遮断性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂フィルムやポリプロピレンなどのオレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に、蒸着法等により少なくとも一層の金属薄膜層や無機酸化物層を設けたフィルムが挙げられるが、太陽電池裏面封止シートとしては、電気絶縁性が高いことが要求されるため、導電性層である金属薄膜層ではなく、無機酸化物層の方が好ましい。蒸着等により無機酸化物層が設けられたフィルムのガスバリア性は、少なくとも基材であるポリエステル系樹脂フィルムの熱寸法安定性に起因するため、ポリエステル系樹脂フィルムは二軸方向に延伸されたフィルムであることが好ましい。
さらに、樹脂フィルムには必要に応じて、例えば、コロナ放電やプラズマ放電等の放電処理、あるいは酸処理等の表面処理を行ってもよい。
また、樹脂フィルムには必要に応じて、後述する耐候・紫外線遮断性樹脂層が積層されていてもよい。

[ケイ素酸化物層]
本発明の太陽電池モジュールは、シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つ、並びに、紫外線吸収剤を含む塗料を、前述した基材フィルムの少なくとも片面に塗工して形成したケイ素酸化物層を有する。
シリカ粒子としては特に限定されないが、塗料への分散性の観点からコロイダルシリカが好ましい。シリカ粒子の平均粒径は特に限定されないが、汎用性、塗料への分散性の観点から1〜100nmが好ましい。
シリケートとしては特に限定されないが、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチルシリケートが好ましく、ブチルシリケートがより好ましい。そしてこのシリケートの加水分解生成物は、シリケートを酸や塩基中で加水分解することで生成する物質を意味しており、シリケートが加水分解することにより、シリカ粒子が生成される。
ケイ素酸化物層を形成するために用いる塗料は、シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つを含むことが重要であり、これらの両方を含んでも構わないが、塗料への分散性の観点から、どちらか一方のみを含む態様の方が好ましい。
ケイ素酸化物層を形成するために使用する塗料は、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トルエン等の溶剤に溶解させ、該塗料を基材フィルムの片面に塗工乾燥することにより、ケイ素酸化物層を形成できる。
このようにして形成したケイ素酸化物層は、封止材層、特にシリコーン封止材層に対する易接着層として機能するので、ケイ素酸化物層と封止材層とは直接積層されることが重要である。ケイ素酸化物層は、太陽電池モジュールを形成する際にシリコーン封止材層と熱圧着工程で接着することが好ましく、またその接着強度は長期に亘り屋外で曝露される環境下でも維持することが要求される。従って、封止材層に対する易接着層は耐候性を有する材料であることが好ましく、かかる観点からケイ素酸化物層が好ましく適用される。なお、太陽電池モジュールを形成する際に、ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とを熱圧着工程で接着することによって、ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とを直接積層させることができる。
本発明におけるケイ素酸化物層の厚みは特に限定されないが、生産性やコストを勘案すると0.05〜1.5μmの範囲が好ましい。
ケイ素酸化物層を基材フィルム上に形成する方法、つまりケイ素酸化物層を形成するために用いる塗料を基材フィルムの少なくとも片面に塗工する方法は特に制限されるべきものではなく、既知のコーティング手法を種々用いることができる。例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。中でも、グラビアロールコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増すので好ましい方法である。

[紫外線吸収剤]
本発明において、ケイ素酸化物層を形成するために用いる塗料は紫外線吸収剤を含有するが、この紫外線吸収剤は無機粒子である。この紫外線吸収剤は、紫外線をカットすることにより、紫外線から基材フィルムを保護する目的で用いられる。
一般に紫外線吸収剤は、有機系紫外線吸収剤及び無機系紫外線吸収剤に分けられる。しかし、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の有機系紫外線吸収剤はブリードアウトによる耐久性不足が懸念される。そのため本発明では、紫外線吸収剤として無機粒子を用いる。
紫外線吸収剤として機能する無機粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸バリウム等の各種無機粒子を使用できるが、汎用性、価格、紫外線カット性、塗料への分散性の観点から酸化チタンが好ましい。
紫外線吸収剤の含有量に関しては、基材フィルムの耐UV性に応じて適宜調整すればよい。ただし、無機粒子の含有量が少なすぎる場合には、紫外線カット性能が乏しく屋外に長期暴露された際に基材フィルムの劣化、黄変が発生する場合がある。逆に無機粒子の含有量が多すぎる場合にはコストが高くなったり、塗膜中のケイ素酸化物の成分が少なくなること、また塗膜の硬度が大幅に向上することによる基材フィルムおよびシリコーン封止材層との接着力不足を生じやすくなるなどの懸念がある。
上記の理由から、紫外線吸収剤は、ケイ素酸化物層中に0.1〜0.5g/m含まれることが好ましい。

[その他添加剤]
さらに、本発明にかかるケイ素酸化物層を形成するために用いる塗料には、その特性を損なわない限りにおいて、熱安定剤、酸化防止剤、強化剤、劣化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、滑剤、架橋助剤、顔料、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、光安定化剤、増粘剤、接着改良剤、つや消し剤などを添加してもよい。
使用できる熱安定剤、酸化防止剤及び劣化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
使用できる強化剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
使用できる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が挙げられる。具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ]−4−ピペリジニル]エステルなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。

[太陽電池裏面封止シート]
基材フィルムの少なくとも片面に前述の特定のケイ素酸化物層を形成して得られるシートは、太陽電池裏面封止シートとして用いられる。そして本発明における太陽電池裏面封止シートは、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に、樹脂層を有する形態としてもよい。このような基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に樹脂層を有する太陽電池裏面封止シートとしては、例えば、図3、図4、図5を挙げることができる。そして基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に有する樹脂層は、紫外線吸収剤を含む樹脂層であることが好ましい。このような樹脂層の態様としては、フィルムや塗布層が例示できる。つまりこの樹脂層は、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、他の層を介してフィルムを貼り付けることで形成したり、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、塗工及び乾燥することにより形成することができる。そして本樹脂層は、基材フィルムに直接積層された形態でもよく、基材フィルムと本樹脂層の間に他の層を介して積層した形態としてもよい。基材フィルムに他の層を介して樹脂層を積層した形態とする手法としては、既知のドライラミネート法を用いた貼り合わせが適用できる。
なお、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に有する、紫外線吸収剤を含む樹脂層のことは、以後、耐候・紫外線遮断性樹脂層ともいうことがある。
以上を踏まえ、図3、図4、図5の太陽電池裏面封止シートについて説明する。図3は、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に、耐候・紫外線遮断性樹脂層を有する構成である。図4は、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に、耐候・紫外線遮断性樹脂層を有する他のフィルム(ラミネート用フィルム)を、接着剤層を介して積層した構成である。図5は、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面と反対側に、紫外線吸収剤を含む他のフィルム(紫外線吸収剤入りラミネート用フィルム)を、接着剤層を介して積層した構成である。
ドライラミネート法を用いた貼り合わせには、主剤および架橋剤の2つの樹脂を希釈溶媒で希釈して調合した接着剤が用いられる。具体的には、ポリエーテルポリウレタン系、ポリエステルポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエポキシ系樹脂などを主剤とし、架橋剤としては活性水酸基との反応性に富み、その反応速度及び初期接着力の発現が早いイソシアネート基含有ポリマーを用いることが好ましい。ただし、これらの接着剤から形成される接着剤層には、接着強度が長期間の屋外使用で劣化することに起因するデラミネーションなどを生じないこと、光線反射率の低下につながる黄変を生じないことなどが要求される。そのような観点から、接着剤層の形成に用いる樹脂としては芳香環を含有しない、あるいは含有量の少ない脂肪族系樹脂あるいは脂環族系樹脂が好ましい。また、接着剤層の厚みとしては、好ましくは1〜10μmの範囲である。接着剤層の厚みがこの好ましい範囲であると十分な接着強度が得られる一方、生産コストが上がることもない。
太陽電池裏面封止シートには、水蒸気遮断性、光反射性、長期耐湿熱・耐候耐久性、封止材に対する接着力、電気絶縁性などに代表される種々の特性が要求される。現在、これらの要求特性を満たすべく、機能分割の考え方に則って、種々の機能性フィルム、蒸着、ウェットコーティングなどの加工技術を組み合わせた各社各様のシート設計(積層設計)がなされている。
本発明では、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、耐加水分解性を有するフィルム、白色フィルム、無機酸化物蒸着層を有するフィルム、及び耐候・紫外線遮断性樹脂層からなる群より選ばれる少なくとも1つを積層することにより、各種要求特性を満たす太陽電池裏面封止シートとしても良い。好ましくは、太陽電池裏面封止シートの基材フィルムがケイ素酸化物層を形成した面と反対側に、耐候・紫外線遮断性樹脂層を有することである。
また、基材フィルムが耐候・紫外線遮断性樹脂層を有し、該樹脂層側にケイ素酸化物層を形成した構成であっても良い。特に、耐加水分解性を有するフィルムを基材フィルムとし、この基材フィルムに、耐候・紫外線遮断性樹脂層を形成した耐加水分解性・耐候性フィルムを積層する設計あるいは基材フィルムが耐候・紫外線遮断性樹脂層(以降、単に樹脂層と記す場合もある)を有する設計が好ましい。

[耐候・紫外線遮断性樹脂層]
前述の通り、本発明においては、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、紫外線吸収剤を含む樹脂層、つまり耐候・紫外線遮断性樹脂層を有することが好ましい。
紫外線吸収剤を含む樹脂層を形成する樹脂としては、フッ素含有樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂などを用いることができる。具体的には、フッ素含有樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合樹脂(ETFE)、エチレンークロロトリフルオロエチレン共重合樹脂(ECTFE)、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)など、アクリル樹脂としてはポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、アクリルポリオール樹脂を各種架橋剤を用いて架橋したアクリル樹脂など、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)など、ポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート(EVA)、環状オレフィン樹脂など、ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12などを例示することができる。
次にこれらの樹脂に配合する紫外線吸収剤としては、無機系紫外線吸収剤や有機系紫外線吸収剤を用いることができる。無機系紫外線吸収剤としては、白色顔料としても用いることができる酸化チタン、酸化亜鉛や、黒色顔料としても用いることができるカーボンブラックなどが例示でき、有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が例示できる。有機系紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、サリチル酸系のp−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン、ベンゾトリアゾール系の2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2Hベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、シアノアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート)、その他として、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノールなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。本発明の用途である太陽電池モジュールは、20年、場合によってはそれ以上の長期に亘って屋外で使用されることから、基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側の樹脂層が含有する紫外線吸収剤としては、無機系紫外線吸収剤を用いることが、耐久性の観点で好ましい。

[耐候・紫外線遮断性樹脂層に用いられる光安定化剤]
また、同様に前記耐候・紫外線遮断性樹脂層に好ましく用いられる光安定化剤としては、ヒンダードアミン系等の光安定化剤が挙げられる。具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)〔[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル〕ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、デカン二酸ビス[2,2,6,6−テトラメチル−1−オクチルオキシ]−4−ピペリジニル]エステルなどやこれらの変性物、重合物、誘導体などが例示できる。
本発明では、上記の記載のうち、樹脂層に紫外線吸収剤及び光安定化剤を共重合させたアクリルポリオール系樹脂を用いることが好ましい。また、紫外線吸収剤及び光安定化剤を共重合させたアクリルポリオール系樹脂と無機系紫外線吸収剤を混合して樹脂層を形成すると紫外線遮断性能がより向上することからさらに好ましい。

[耐候・紫外線遮断性樹脂層に用い得るその他の添加剤]
また、前記の耐候・紫外線遮断性樹脂層には、必要に応じて、例えば、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、劣化防止剤、強化剤、可塑剤、滑剤、充填剤、着色顔料等の添加剤を、本発明の効果を損なわない範囲内で添加することができる。例えば、熱安定剤、酸化防止剤及び劣化防止剤としては、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン類、硫黄化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物が挙げられる。
強化剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、ゼオライト、ハイドロタルサイト、金属繊維、金属ウィスカー、セラミックウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、窒化ホウ素、グラファイト、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。
耐候・紫外線遮断性樹脂層の態様として、次のようなフィルム、コーティング層が例示できる。例えば、酸化チタン、あるいはカーボンブラックを含有するポリフッ化ビニルフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、エチレン−ビニルアセテートフィルムをフィルムとして例示できる。また、酸化チタン、あるいはカーボンブラックを含有するテトラフルオロエチレン系共重合樹脂含有塗料、アクリルポリオール樹脂とポリイソシアネート系樹脂を含有する塗料を用いて形成するコーティング層が例示できる。
中でも太陽電池裏面封止シートの製造コスト、耐紫外線性を両立する手段としては、酸化チタン、あるいはカーボンブラックを含有するテトラフルオロエチレン系共重合樹脂含有塗料、アクリルポリオール樹脂とポリイソシアネート系樹脂を含有する塗料を用いて形成するコーティング層が好ましい。

[耐候・紫外線遮断性樹脂層の製造方法]
前記の耐候・紫外線遮断性樹脂層を積層する方法は特に問わないが、溶融押出し積層する方法やその他の樹脂や添加剤を含有する液状塗料を塗布し、熱、光、電子線などにより硬化させるコーティング法や、その他の樹脂や添加剤を含むフィルムと接着剤を用いて貼り合せる前述したドライラミネート法などが例示できる。
例えば、コーティング法により形成する場合には、コーティング液の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エタノールおよび水等を例示することができ、該コーティング液の性状としてはエマルジョン型および溶解型のいずれでも良い。
耐候・紫外線遮断性樹脂層を形成する方法は特に制限されるべきものではなく、公知のコーティング手法を用いることができる。コーティング手法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、ロールコーティング法、ディップコーティング法、バーコーティング法、ダイコーティング法およびグラビアロールコーティング法等や、これらを組み合わせた方法を利用することができる。中でも、グラビアロールコーティング法は、コーティング層形成組成物の安定性を増す理由で好ましい方法である。

[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、シリコーン封止材層を有し、該シリコーン封止材層とケイ素酸化物層とが直接積層されたことが重要である。
本発明の太陽電池モジュールのシリコーン封止材層の原料となるシリコーン樹脂は、特に限定されないが、好ましくは液状シリコーン樹脂であり、さらに好ましくは2液硬化型の液状シリコーン樹脂である。シリコーン封止材層の形成方法は、特に限定されないが、シリコーン樹脂を塗工して加熱乾燥して硬化させる方法が好ましい。
太陽電池裏面封止シートを太陽電池モジュールに使用するに際し、太陽電池裏面封止シートのケイ素酸化物層を、太陽電池モジュールのシリコーン封止材層に接着させて、太陽電池モジュールに組み込む。これにより、本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽電池裏面封止シートのケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とが直接積層されることとなる。
次に、実施例を挙げて、具体的に本発明の太陽電池モジュールについて説明する。実施例中で「部」とは、特に注釈のない限り「質量部」であることを意味する。
<特性の評価方法>
本発明で用いた特性の評価方法は、下記の通りである。
(1)塗布量測定
ケイ素酸化物層及び耐候・紫外線遮断性樹脂層(樹脂層)の塗布量は、以下の手順で測定した。樹脂層形成後に500cmの面積に切り出し、その試験片の質量を質量Aとした。次に、その試験片から樹脂層をメチルエチルケトンに溶解させ、剥がし取り、再び試験片の質量を測定し、質量Bとした。続いて、下式に基づき、単位面積当たりの塗布量を算出した。この塗布量測定を3つの試験片について行い、その平均値を塗布量とした。
塗布量[g/m]=(質量A−質量B)×20

(2)基材フィルム/ケイ素酸化物層間の密着強度評価
各例で作製した裏面封止シートの基材フィルムとケイ素酸化物層との間の密着力(塗膜密着力)について、JIS K 5400 (1990)に基づいてクロスカット試験を実施し、下記の特性分類をした。
++:100マス塗膜残存/100マス中
+:81〜99マス塗膜残存/100マス中
−:80マス以下の塗膜残存/100マス中。

(3)封止材層との接着強度の測定
JIS K 6854-2 (1999)に基づいて、各例で作製した疑似太陽電池モジュールサンプルのシリコーン封止材層と基材フィルムとの接着力を測定した。接着強度試験の試験片の幅は10mmとし、2つの試験片について各々測定を1回行い、2つの測定値の平均値を接着強度の値とした。
(4)耐湿熱性評価
エスペック(株)製恒温恒湿オーブンを用いて、85℃、85%RHの環境下で1,000時間の湿熱処理を裏面封止シート及び擬似太陽電池モジュールに施した。その後、裏面封止シートの基材フィルム/ケイ素酸化物層間の密着強度測定、及び擬似太陽電池モジュールの封止材層と裏面封止シート間の接着強度測定を実施した。
(5)耐紫外線性評価
岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、60℃×50%RH雰囲気にて紫外線強度160mW/cmで50時間、裏面封止シートの内層面(封止材層と接着させる面)側からあるいは外層面側から紫外線照射を行った。その前後の表色系b値の測定を行い、紫外線照射後のb値から紫外線照射前のb値を差し引き、その差分Δbを求めた。

[ケイ素酸化物層形成用塗料(塗料1〜3)の調製]
表1に示す配合にて、サカタインクス(株)製のポリシリケート系コート剤DM−30(固形分濃度:4質量%)、酸化チタン、及びイソプロピルアルコールを混合後ビーズミル機を用いて分散し、塗料1〜3を得た。
Figure 2015149331
[ケイ素酸化物層形成用塗料(塗料4)の調製]
表2の調合液1の欄に示す配合にて、n−ブチルシリケートとエタノールを混合し20分間撹拌後、25℃以下を保つように0.1N塩酸を少しずつ滴下後2時間撹拌し、その後12〜24時間容器に蓋をして保管・熟成させ調合液1を得た。次に、別の容器で表2の調合液2の欄に示す配合にて、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、トルエンを混合し15分間撹拌後、東レ・ダウコーニング(株)製“トーレシリコーン”(登録商標)SH190及び酸化チタンを混合し30分間撹拌し調合液2を得た。調合液1と2を混合し、30分間撹拌して固形分濃度2.27質量%の塗料4を得た。
Figure 2015149331
[耐候性コート層形成用塗料(塗料5)の調製]
(i)主剤の調製
表3の主剤の欄に示す配合にて、(株)日本触媒製の、紫外線吸収剤及び光安定化剤(HALS)がアクリルポリオール樹脂に架橋されたコーティング剤である“ハルスハイブリットポリマー”(登録商標)UV−G301(固形分濃度:40質量%)に着色顔料および溶剤を一括混合し、ビーズミル機を用いて分散した。その後、可塑剤を添加して、固形分濃度が51質量%である耐候・紫外線遮断性樹脂層形成用の塗料の主剤を得た。
(ii)塗料5の調製
上記主剤にヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエルウレタン(株)製“デスモジュール”(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を樹脂層形成用主剤塗料との質量比が100/4の比になるように予め計算した量配合し、さらに固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の塗料となるように予め算出した希釈剤:酢酸n−プロピルを量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度20質量%(樹脂固形分濃度)の塗料5を得た。
なお、上記の調製に用いた着色顔料および可塑剤としては下記の製品を使用した。
白色顔料:テイカ(株)製酸化チタン粒子JR−709
可塑剤:DIC(株)製ポリエステル系可塑剤“ポリサイザー”(登録商標)W−220EL
Figure 2015149331
[ドライラミネート用接着剤の調製]
硬化剤との反応部位として水酸基を構造中に含む樹脂を主成分とするDIC(株)製の耐湿熱性を有するドライラミネート剤“ディックドライ”(登録商標)TAF−300を36部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート系樹脂を主成分とするDIC(株)製TAFハードナーAH−3を3部、および酢酸エチルを30質量部量りとり、15分間攪拌することにより固形分濃度30質量%のドライラミネート用接着剤を得た。本接着剤を用いてフィルムをドライラミネート法で貼り合わせた後、実施例に記載の通り、エージングを施すことで、水酸基とイソシアネート基が架橋反応し、ウレタン結合を形成した。
(実施例1)
基材フィルムとして東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルムである“ルミラー”(登録商標)E20F(50μm)を準備した。この基材フィルムの一方の面に、コロナ処理を施し、さらにワイヤーバーを用いて塗料1を塗布し、80℃で60秒間乾燥し、乾燥後塗布量が0.09g/m(厚み0.09μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した。このようにして太陽電池裏面封止シート1(表4,5中では封止シート1と略記する)を作製した。
次に、厚さ3mmの半強化ガラスの上にシリコーン樹脂(引張り弾性率0.09MPa(JIS K 7161(1994)に基づく)、引張り強度0.4MPa(JIS K 7161(1994)に基づく)、屈折率1.402(JIS K 0062(1992)に基づく)、比重(25℃)0.97(JIS Z 8807(1976)に基づく)の2液硬化型樹脂)を積層し、作製した太陽電池裏面封止シート1の内層側面(基材フィルムのケイ素酸化物層を形成した面)が接するように重ね、真空ラミネーターを用いて120℃加熱条件下、30秒真空引き後5分プレス処理し、疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例2)
乾燥後塗布量が0.27g/m(厚み0.27μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート2(表4,5中では封止シート2と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート2を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例3)
乾燥後塗布量が0.45g/m(厚み0.45μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート3(表4,5中では封止シート3と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート3を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例4)
乾燥後塗布量が0.81g/m(厚み0.81μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート4(表4,5中では封止シート4と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート4を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例5)
ケイ素酸化物層形成用塗料1の代わりにケイ素酸化物層形成用塗料2を塗布し、乾燥後塗布量が1.26g/m(厚み1.26μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート5(表4,5中では封止シート5と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート5を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例6)
ケイ素酸化物層形成用塗料1の代わりにケイ素酸化物層形成用塗料4を塗布し、乾燥後塗布量が0.27g/m(厚み0.27μm)となるようにケイ素酸化物層を形成した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート6(表4,5中では封止シート6と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート6を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(実施例7)
基材フィルムとして東レ(株)製白色ポリエチレンテレフタレートフィルムである“ルミラー”(登録商標)E20F(50μm)を用いて、実施例2と同様にしてケイ素酸化物層を形成した。次に、別途、ラミネート用フィルムとして東レ(株)製の環状三量体の含有量が1質量%以下である耐加水分解性ポリエチレンテレフタレートフィルム“ルミラー”(登録商標)X10S(50μm)を準備した。このラミネート用フィルムの一方の面に、コロナ処理を施し、さらにワイヤーバーを用いて塗料5を塗布し、150℃で30秒間乾燥し、乾燥後塗布量が4.0g/mとなるように耐候・紫外線遮断性樹脂層を設けた。次にケイ素酸化物層を形成した白色フィルムのケイ素酸化物層を形成した面とは反対側の面に、ワイヤーバーを用いてドライラミネート用接着剤を塗布し、80℃で45秒間乾燥し、乾燥後塗布量が5.0g/m(厚み5μm)となるようにドライラミネート接着剤層を形成した。次にラミネート用フィルムの耐候・紫外線遮断性樹脂層を形成した面と反対側の面を貼り合わせ、ドライラミネートを行い、40℃で3日間エージングすることで太陽電池裏面封止シート7(表4,5中では封止シート7と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート7を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(比較例1)
ケイ素酸化物層形成用塗料1の代わりにケイ素酸化物層形成用塗料3を塗布した他は、実施例1と同様にして太陽電池裏面封止シート8(表4,5中では封止シート8と略記する)を作製した。太陽電池裏面封止シート8を用いた他は、実施例1と同様にして疑似太陽電池モジュールを作製した。
(比較例2)
ケイ素酸化物層を形成しないで、“ルミラー”(登録商標)E20F(東レ(株)製、50μm)を太陽電池裏面封止シート9(表4,5中では封止シート9と略記する)とした他は、実施例1と同様にして、疑似太陽電池モジュールを作製した。
以上で得られた実施例1〜7、比較例1、2の太陽電池裏面封止シート及び疑似太陽電池モジュールについて上記の評価方法により特性を評価した。結果を表4,5に示す。
Figure 2015149331
Figure 2015149331
本発明の太陽電池モジュールは、シリコーン封止材に対する接着力及び耐候性に優れることから、有用である。
10 太陽電池モジュール
11 ガラス
12 封止材
13 配線材
14 太陽電池裏面封止シート
15 太陽電池素子
20,30,40,50 太陽電池裏面封止シート
21 ケイ素酸化物層
22 基材フィルム
31 耐候・紫外線遮断性樹脂層
41 接着剤層
42 ラミネート用フィルム
51 紫外線吸収剤入りラミネート用フィルム

Claims (5)

  1. シリカ粒子及びシリケートの加水分解生成物の少なくとも一つ、並びに、紫外線吸収剤を含む塗料を、基材フィルムの少なくとも片面に塗工して形成したケイ素酸化物層を有し、
    該紫外線吸収剤が無機粒子であり、
    該ケイ素酸化物層とシリコーン封止材層とが直接積層された、太陽電池モジュール。
  2. 前記紫外線吸収剤が酸化チタンである、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記紫外線吸収剤が、前記ケイ素酸化物層中に0.1〜0.5g/m含まれる、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記基材フィルムが無機顔料を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記基材フィルムが、前記ケイ素酸化物層を形成した面とは反対側に、紫外線吸収剤を含む樹脂層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
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