JP2015143462A - 鋼管杭 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転貫入施工によって、鋼管杭そのもので杭周面の地盤を圧密し、周囲地盤との周面摩擦抵抗を増大させることにより、軟弱地盤の表層部で打ちとめても、所定の鉛直支持力、引き抜き力を発揮することができる鋼管杭を提供する。
【解決手段】鋼管杭1は、杭本体3の先端あるいは外周に、地中へのねじ込み作用を有する翼5を設けた鋼管杭1であって、杭本体3における翼5の上方であって、かつ鋼管杭を施工した状態で地表面よりも地中側になる位置に、土砂が通過する切欠き部のない板体7を、杭本体3にフランジ状にあらかじめ固定し、かつ杭頭部の回転貫入施工に資する係合コマを、鋼管杭1内面の溶接ビードに沿わせ、かつ、回転貫入施工時に当該溶接ビードを押す側に配置固定したことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造物を支持する杭に関し、特に、軟弱地盤でも水平抵抗と引き抜き抵抗を確保することができる鋼管杭に関する。
昨今、大規模太陽光発電所、いわゆるメガソーラーの建設が増加している。メガソーラーの建設には港湾地区の埋立地や処分場跡地など、地盤が軟弱な未利用地も活用されている。また、太陽電池パネルを支持する架台の基礎に、杭基礎工法も採用されている。
太陽光発電用架台に用いる杭は、上部構造が軽量なため、小径(およそ50mmから100mm内外)杭が主流である。杭基礎は、その先端を支持層に到達させることが原則だが、長さ1〜2m程度の杭も多く見られる。
一般に、小径杭は、杭の周面摩擦力は多くは期待できず、特に表層部分ではその傾向が大きい。そのため、軟弱地盤ではソイルセメントを用いた表層地盤改良の併用や、先端翼あるいは螺旋翼を配した回転貫入鋼管杭を活用し、その翼の抵抗によって、支持力を得る工夫もなされている。回転貫入鋼管杭の施工は、杭頭部に係合コマを溶接で取り付け、杭打ち機の回転キャップ(カップリング)を係合させ、回転キャップの回転により鋼管杭を回転して地盤に貫入するのが一般的である。
また、特許文献1には、鋼管杭の周面摩擦支持力を向上させる工法が示されている。
特許文献1の鋼管杭は、下杭に上杭を接続する中空筒状の鋼管杭であって、下杭を施工した後に、先端側周面にフランジ部が固着された上杭を、土中に打ち込まれた下杭の上端側の一定部位まで嵌め込むように土中に打ち込んで上下杭を接続するものである。
この打ち込み工法は、下杭を回転させながら土中に圧入し、所定の深度に下杭の先端部分が到達したら回転動作を停止し、その後圧入のみで下杭を土中にさらに圧入し、次いで上杭を下杭に嵌め込んで上杭のみを回転させながら土中に圧入し、所定の深度に上杭の先端部分が到達したら回転動作を停止し、その後圧入することで下杭の鍔部でもみほぐされた土壌を上杭のフランジ部で圧密するものである。
また、特許文献2には、「杭本体と、該杭本体の下端側に設けられ、杭本体の回転により地盤を掘り進む少なくとも一部に螺旋部を有する推進翼と、前記杭本体の上端部に設けられ、構造物を支持する支持部と、前記杭本体の長手方向中間部に設けられ、推進翼によって乱された地盤を杭本体の推進力により押し固める押圧翼とを備えた基礎杭」(特許文献2の請求項1参照)が示されている。
特開2005-171621号公報 特開2014-077299号公報
上述したもののうち、ソイルセメントによる地盤改良は、土壌の原状復帰ができないという問題がある。
また、回転貫入鋼管杭は、施工時に翼の範囲の土を乱すため、施工後一定の時間が経過するまで設計耐力が期待できず、特に、軟弱地盤では、回復に長い時間がかかるという問題がある。
さらに、特許文献1における鋼管杭は、先に下杭を施工し、次いで上杭に下杭の上部を挿入するように上杭を施工する。上杭の施工に関しては、一定範囲まで回転貫入により施工し、その後さらに圧入し、最後に下杭に接続するものであり、施工に非常に多くの手間と時間がかかるという問題がある。
また、下杭の上杭内に挿入される長さは、望ましくは上杭の2/3以上であるとされており、下杭と上杭の重複範囲が多いため、材料費が大幅に上昇するという問題がある。
さらに、特許文献1における鋼管杭は、硬質地盤に到達した下杭に取り付けられた鍔部と上杭のフランジで地盤を圧密し、圧密層と杭周辺地盤との周面摩擦を期待することから、本発明の鋼管杭が施工地盤の一つとして想定している軟弱地盤のように杭先端が硬質の支持層に達しない用途においては、下杭に取り付けられた鍔部で十分に圧密のための反力をとることができないため、活用することができないという問題もある。
そして、特許文献2における鋼管杭は、本発明と趣旨を同じくする押圧翼を有するものであるが、回転貫入施工にともない、回転貫入トルクが増大するため、施工時に杭頭部が損傷する可能性がある。この点、発明者は、杭頭部を一般に用いられる係合コマを配して押圧翼を有する鋼管杭の施工実験を行なったところ、回転トルクが上昇し、杭頭部が溶接ビード部で破壊して杭の施工が不能となった。図6は、このときの杭頭部の写真であり、杭頭部がビード部でコ字状に避けて鋼管内部に設けた係合コマが外方に張り出している状態が示されている。
特許文献2における鋼管杭は、杭頭部に予め支持部が取り付けられていることによって杭頭が補強された構造となっているため、杭頭破壊のリスクは小さい。
しかし、一般の杭打ち機の回転冶具が使用できず、専用冶具が必要である。また、貫入不良(高止まり)が生じた場合には、杭頭を切断し、改めて支持部を取り付ける必要が生じる。この貫入不良は、回転貫入施工と圧密を同時に行なう場合、より生じやすくなるため、支持部の再取り付けの必要性が高く、施工性が悪いという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、回転貫入施工によって、鋼管杭そのもので杭周面の地盤を圧密し、周囲地盤との周面摩擦抵抗を増大させることにより、軟弱地盤の表層部で打ちとめても、所定の鉛直支持力、引き抜き力、水平抵抗力を発揮することができる鋼管杭を、より健全に得ることを目的とする。
(1)本発明に係る鋼管杭は、杭本体の先端あるいは外周に、地中へのねじ込み作用を有する翼を設けた鋼管杭であって、前記杭本体における前記翼の上方であって、かつ鋼管杭を施工した状態で地表面よりも地中側になる位置に、土砂が通過する切欠き部のない板体を、杭軸方向と直交してフランジ状にあらかじめ固定するとともに、
杭頭部において、回転貫入施工に資する係合コマを、鋼管杭本体の内面の溶接ビードに沿わせ、かつ、回転貫入施工に際して、当該溶接ビードを押す側に配置し、溶接により固定したことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記杭本体のヤング係数E、前記杭本体の断面二次モーメントI、水平地盤反力係数kh、杭径Dとしたときに、前記板体の取り付け高さを、地表面から1/(kh・D/(4EI))0.25以内の範囲としたことを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載ものにおいて、前記杭の回転貫入施工により、前記翼から該翼の上部に設けた前記板体までの範囲の土を圧密してシリンダー状の根固め部を形成することを特徴とするものである。
本発明においては、杭本体の先端あるいは外周に、地中へのねじ込み作用を有する翼を設けた鋼管杭であって、前記杭本体における前記翼の上方であって、かつ鋼管杭を施工した状態で地表面よりも地中側になる位置に、土砂が通過する切欠き部のない板体を、杭軸方向と直交してフランジ状にあらかじめ固定したことにより、回転貫入施工をするだけで、前記翼と前記板体の間にある土を圧密して圧密部を形成し、この圧密部の周面と周囲地盤との摩擦抵抗により、軟弱地盤の表層部で打ちとめても、所定の鉛直支持力、引き抜き力を発揮し、特に、切欠き部のない板体の直下での圧密が大きくなって杭本体の固定度が向上するため、水平抵抗の増大もはかることができる。
本発明の一実施の形態に係る鋼管杭の説明図である。 本発明の一実施の形態に係る鋼管杭の施工方法を説明する説明図である(その1)。 本発明の一実施の形態に係る鋼管杭の施工方法を説明する説明図である(その2)。 本発明の一実施の形態に係る鋼管杭の施工方法を説明する説明図である(その3)。 本発明の一実施の形態に係る鋼管杭の杭頭部の構造を説明する説明図である。 本発明が解決しようとする課題を説明する写真であって、従来例で施工した場合の杭頭部の状態を示すものである。
本発明の一実施の形態に係る鋼管杭は、図1に示すように、杭本体3の先端に地中へのねじ込み作用を有する先端翼5を設けた鋼管杭1であって、杭本体3における先端翼5の上方であって、かつ鋼管杭を施工した状態で地表面よりも地中側になる位置に、土砂が通過する切欠き部のない板体7を杭本体3にフランジ状にあらかじめ固定したものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
<杭本体>
杭本体3は、図1に示すものはその断面形状が円形であるが、本発明の鋼管杭の杭本体の断面形状は円形に限定されず、例えば多角形断面のものも含む。
<先端翼>
先端翼5は、杭本体3の先端に設けられており、地中へのねじ込み作用を有するものである。先端翼5の形状は、例えば図1に示されるように、2枚の半円状の平板を互いに反対方向に傾斜させて固定したものである。
もっとも、先端翼5の形状は図1に示したものに限定されず、回転貫入施工に資する機能を有し、かつ回転貫入により、その上方に土を排出する機能を有していれば任意の形状でよく、例えば、螺旋形状のものや、一枚の平板に径方向の切欠きを設け、切欠き部を傾斜させたものであってもよい。
また、先端翼5の形状についても、矩形、多角形、あるいは矩形の一部を円弧状に加工した形状など、任意の形状でよい。
またさらに、図1に示した例では、先端翼5として、翼は杭本体3の先端に設けられているが、本発明の翼はこれに限られず、杭本体3の外周部に設けられていてもよい。
先端翼5の外径寸法は、杭径の2倍以上が望ましく、軟弱地盤で使用する場合には、杭径の3倍以上がより望ましい。これによって、先端支持力を十分に確保できるからである。
<板体>
板体7は、土砂が通過する切欠き部のない板状体であり、杭軸方向と直交してフランジ状にあらかじめ固定されている。
固定方法は溶接や機械的手段のいずれでもよい。板体7の形状は、図1の例では平板からなる円盤状のものを示しているが、回転貫入施工に際して、その上部に土砂を排出しない閉塞形状であれば形状は限定されず、多角形でもよく、さらには、平板ではなく、湾曲したものや、あるいはキャップ形状であってもよい。またさらには、平板にエンボス状の加工やリブを設けたものでもよい。板体7の板厚は杭本体3の板厚と同等以上が望ましい。
板体7の外径は、原則として先端翼5の外径と同じにするが、鋼管杭1を施工する地盤9が著しく軟弱な場合には、適宜寸法を拡大してもよい。
なお、本発明において想定する地盤9は軟弱地盤であるが、表層のみ強固な盛土層や、地盤9が強固であって、あるいは圧密反力が大きくなる場合には、外径を先端翼5の外径よりも小さくして、回転貫入の推進力、が勝るようにしてもよい。以上の理由から、板体7の外径は、先端翼5の外径に対して0.8倍〜1.2倍の範囲とすればよい。
板体7の取り付け位置は、杭を施工した状態で、地表面よりも地中側になるように配置している。より具体的には、地表面からの深さが、先端翼5の外径の3倍程度の深さ以下となる範囲を目安とする。この理由は、板体7の固定位置が先端翼5に近づきすぎると、鋼管杭1の貫入が難しくなるからである。
また、杭本体3のヤング係数E、杭本体3の断面二次モーメントI、水平地盤反力係数kh、杭径Dとしたときに、鋼管杭1に対して水平抵抗となる有効深さは、1/(kh・D/(4EI))0.25として与えられるが、空隙部15がこの深さ程度になるように板体7の固定位置を設定し、このときに形成される空隙部15にコンクリートブロック17等の剛体を組み入れることで、水平抵抗を増加させるようにしてもよい。
<杭頭部>
鋼管杭1の杭頭部には、杭打ち機の回転キャップ(カップリング)を係合させ、回転キャップの回転により鋼管杭1を回転して地盤に貫入するために、係合コマ20を溶接で取り付けている(図5参照)。その取付け位置は、例えば、太陽光発電用架台の支柱として用いた場合に、上部架台部材取り付けのためのガセットを、施工後に取り付けるのに支障のないように、杭本体3の内面としている。その際、係合コマ20は、内面に盛り上がっている杭本体3を構成する鋼管の溶接ビード21に沿わせて配置されている。これにより、係合コマ20の位置決めと、鉛直性確保を容易にしている。さらに、係合コマ20は、回転貫入施工時に、溶接ビード21を押す側になるように配置されているため、回転貫入施工時に、強度上の弱点となる溶接ビード21を引張らず、健全性を保つことができる。
以上のように構成された本実施の形態の鋼管杭1の機能を、施工方法と共に図2〜図5に基づいて説明する。
鋼管杭1を回転させることにより、先端翼5は、その下面の土を上方に排出しながら地盤9に貫入し、図1に示すように、先端翼5の上方に地盤9が先端翼5によってかく乱され周囲地盤よりも密度が低下した土壌かく乱部11が形成される。
鋼管杭1の回転施工をさらに継続すると、板体7が地表面に到達し、図3に示すように、さらに土中に貫入する。鋼管杭1の貫入量が増加するのに伴い、先端翼5がその上方に排出する土が増加し、土壌かく乱部11の深さは増加していくが、板体7が地盤9の表面に到達した後は、先端翼5と板体7との距離が不変のため、先端翼5と板体7で挟まれた領域で土が圧密され、シリンダー状の根固め部13が形成される。
この工程で、回転貫入トルクが増大するため、杭頭部の係合コマ20の部分の応力が増大し、ともすると鋼管杭の溶接ビードが破断して施工不能になる場合がある。この点、本発明では、係合コマ20は、回転貫入施工時に強度上の弱点となる溶接ビード21を押す位置に配置されているため、施工時トルクが増大しても溶接ビード部を破断させることはない。
上記工程によって、根固め部13が形成されることにより、回転貫入施工によって乱された杭周囲と地盤9との周面摩擦力は早期に回復する。
この際、図3に示すように、板体7の上方には、圧密した分だけ空隙部15が形成される。
この空隙部15には、前述したように、コンクリートブロック17等の剛体を組み入れることで、水平抵抗を増加させるようにしてもよい(図4参照)。
上記のように施工された鋼管杭1は、先端翼5と板体7によってその間に存在する土を拘束している。そのため、鋼管杭1に引抜、あるいは押し込み力が作用しても、根固め部13(圧密層)と鋼管杭1の間にずれが生じず、摩擦力は作用しない。
また、根固め部13は、圧密によって周囲地盤よりも締め固められるとともに、外周方向にはらみ出すため、根固め部13の周面と地盤9との摩擦が増加し、先端翼5の外径を周面長として周面摩擦力を期待することができる。
したがって、本発明の鋼管杭1は、軟弱地盤の表層部で打ちとめても、所定の鉛直支持力、引き抜き力を発揮することができる。
さらに、板体7の直下での圧密が大きくなるため、鋼管杭1の固定度が向上し、水平抵抗の増大、すなわち、杭頭変位を抑制することもできる。
上記の実施の形態で示した鋼管杭の具体例を以下に示す。
全長は3m、外径101.6mm、板厚は4.2mmの鋼管を杭本体とし、杭先端には、杭本体の外径の2倍の寸法の半円形の先端翼5が、図1に示すように、立面視で交互になるように取り付けられている。先端翼5の板厚は12mmとした。
また、地中への埋め込み深さを2mとして、杭頭部を1m、地盤9から突出させて、上部構造の支柱として活用できるようにしている。
杭頭部から先端に向って1.5m位置には、先端翼5と外形を同じにしたドーナツ状の平板(本発明の板体に相当)をはめ込み、溶接によって固定した。平板の板厚は、4.2mmとしたが、杭本体の板厚と同等以上が望ましい。
上記寸法は、鋼管杭が施工される地盤の地耐力、作用外力によって適宜変更される。
杭頭部には、図5に示すように、回転貫入施工用の直方体の係合コマ20が、その杭本体3の内面で、かつ溶接ビード21に沿って配置、固定されている。この例では、平面視で右回りで回転貫入施工する設計としているため、係合コマ20を、図5に示すように、溶接ビード21を平面視で図中上側にしたとき、その左側の位置とした。
実施例2では、杭本体に固定する平板(本発明の板体に相当)の取り付け位置について、より望ましい事例を示す。
鋼管の径Dは、48.6mm、板厚tは2.3mm、全長Lは1.5mで、杭頭部を500mm地表から突出させており、埋め込み深さlは1mである。先端翼の径は、150mmである。鋼材のヤング係数Eは205000N/mm2、鋼管の断面二次モーメントIは、89867mm4である。
鋼管杭を施工する地盤は砂質地盤で、N値1.5、単位体積重量は1.62kg/m3、含水率は14%である。地盤反力係数khは、20,000kN/m3で、これは、水平載荷試験の変位10mm時の荷重と変位から、弾性支承梁理論に基づいて求めた変位をあわせる形で逆算的に求めた値を使用したが、この方法に限定はしない。ここで、鋼管杭の水平抵抗としての有効深さ、すなわち1/(kh・D/(4EI))0.25が525mmであったので、平板の地表面からの取り付け深さはここでは500mmに設定した。特に計算を行わない場合には、略算的に先端翼5の外径の3倍程度以下を目安とすればよい。
上記のように構成された本実施例2の鋼管杭を回転貫入施工すると、先端翼上部に排出する土は増加し、土壌かく乱部の深さは増加していくが、平板が地盤の表面に到達した後は、先端翼と平板との距離は不変のため、先端翼と平板で挟まれた領域で土が圧密され、シリンダー状の根固め部が形成され、平板の上部は、圧密した分だけ空隙部が形成される。ここでは、根固め部は周囲地盤に対して2倍に圧密されている。これにより、回転貫入施工によって乱された杭周囲の地盤は早期に回復する。
先端翼と平板の範囲で土を拘束しているため、引抜、あるいは押し込み力が作用しても、根固め部(圧密層)と杭本体の間に、ずれが生じないため、摩擦力は作用しない。根固め部は、圧密によって周囲地盤よりも締め固められるとともに、外周方向にはらみ出すため、根固め部の周面と地盤との摩擦が増加し、先端翼の外径を周面長として周面摩擦力を期待することができる。杭径Dと先端翼の外径との比は約3倍であり、周面摩擦力は、その周長に比例するので、周面摩擦力は3倍となる。
実施例1で示した鋼管杭における平板の取付位置は、杭頭から1500mmである。施工した状態では、平板の上方には深さ500mmの円筒形の空隙部が形成される。この空隙部が形成される範囲は、水平抵抗に寄与する部分のため、図4に示したように、当該空隙部には、モルタル、コンクリート等の充填材を用い、少なくとも周囲の地盤よりも硬くすることで、水平抵抗を向上させるとともに、その重量によって引抜力をより増加させる。充填材として、バラストを先行して充填してセメントミルクを充填する方法や、鉄鋼スラグ水和物固化体を用いてもよく、略同径のコンクリートブロックを用いてもよい。
1 鋼管杭
3 杭本体
5 先端翼
7 板体
9 地盤
11 土壌かく乱部
13 根固め部
15 空隙部
17 コンクリートブロック
20 係合コマ
21 溶接ビード

Claims (3)

  1. 杭本体の先端あるいは外周に、地中へのねじ込み作用を有する翼を設けた鋼管杭であって、
    前記杭本体における前記翼の上方であって、かつ鋼管杭を施工した状態で地表面よりも地中側になる位置に、土砂が通過する切欠き部のない板体を、前記杭本体にフランジ状にあらかじめ固定するとともに、
    杭頭部において、回転貫入施工に資する係合コマを、鋼管杭本体の内面の溶接ビードに沿わせ、かつ、回転貫入施工に際して、当該溶接ビードを押す側に配置し、溶接により固定したことを特徴とする鋼管杭。
  2. 前記杭本体のヤング係数E、前記杭本体の断面二次モーメントI、水平地盤反力係数kh、杭径Dとしたときに、前記板体の取り付け高さを、地表面から1/(kh・D/(4EI))0.25以内の範囲としたことを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭。
  3. 前記杭の回転貫入施工により、前記翼から該翼の上部に設けた前記板体までの範囲の土を圧密してシリンダー状の根固め部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼管杭。
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WO2023013563A1 (ja) * 2021-08-05 2023-02-09 Jfeスチール株式会社 回転貫入鋼管杭、該回転貫入鋼管杭の施工方法
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