JP2015137337A - 導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性(特に、厚み方向への導電性)、透明性、及び高屈折率を有する硬化物を安価に形成できる硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明の硬化性組成物は、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子(A)と、硬化することにより得られる硬化物の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)が1.6以上である樹脂(B)とを含むことを特徴とする。樹脂(B)としては、ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)、フルオレン骨格を含む化合物(b-2)、及びビフェニル骨格を含む化合物(b-3)から選択される少なくとも1種の硬化性化合物を含むことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、粒子状物質と繊維状の導電性物質からなる導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物に関する。前記硬化性組成物は有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材として有用である。
有機エレクトロルミネッセンス(以後、「有機EL」と称する場合がある)素子は、発光層を一対の対向電極で挟んだ構造体で構成されており、一方の電極からは電子が注入され、他方の電極からは正孔が注入される。この注入された電子と正孔とが発光層内で再結合するときに発光が生ずる。前記有機EL素子を含む有機ELデバイスは、耐衝撃性や視認性の高さと、発光色の多様性からフルカラーのフラットパネルディスプレーとして、又はLEDに代わるものとして期待されている。有機ELデバイスの光取り出し方式には、トップ・エミッション型とボトム・エミッション型の2種類があり、トップ・エミッション型は開口率が大きいため、光取り出し効率が優れている点で好ましい。
しかし、有機EL素子は他の電子部品に比べて水分の影響を受けやすく、有機EL素子内に浸入した水分によって電極の酸化や有機物の変性等が引き起こされ、発光特性が著しく低下することが問題であった。この問題を解決する方法としては、有機EL素子の周りを防湿性を有する封止材で封止する方法が知られている。特に、トップ・エミッション型の場合、封止材は光の取り出し方向に配置されるため、防湿性と高屈折率とを有する封止材で封止することが求められる。
さらに、有機EL素子の封止材は、有機EL素子を保護すると共に、電極間を導電接続させる導電性を有するものであることが好ましい。そして、封止材に導電性を付与する方法としては、樹脂製の微粒子の表面に金属をコーティングして得られる導電性微粒子等を、絶縁性の硬化性化合物(例えば、熱硬化性化合物)に配合して硬化する方法が知られている(特許文献1〜4参照)。
特許第3241276号 特開2000−251536号公報 特開昭62−188184号公報 特開平10−226773号公報
しかしながら、上記導電性微粒子は樹脂製の微粒子の全面が金属でコーティングされているため、高価な金属材料が多く使用されており原材料コストが高いという問題を有していた。また、電解めっき法や交互吸着法等の特殊な方法により製造する必要があるため、特殊な装置を使用したり多くの工程を経る必要があり、製造コストが高いという問題も有していた。
更に、上記金属コーティング樹脂粒子は全面が金属でコーティングされているため着色しており、その上、樹脂硬化物に導電性を付与するためには樹脂硬化物中で導電性微粒子同士を接触させる必要があるため多量に配合する必要があるため、得られる硬化物の屈折率が低下し、光取り出し効率が低下することが問題であった。さらにまた、上記金属コーティング樹脂粒子は比重の重い金属を多く含むため沈殿しやすく、上記金属コーティング樹脂粒子を均一に含有する樹脂硬化物を得ることは困難であった。
樹脂硬化物の屈折率を高く維持しつつ導電性を付与する方法としては、樹脂硬化物の表面に導電性インクをコーティングする方法や金属配線等を形成する方法が考えられる。この方法によると、樹脂硬化物の屈折率を高く確保しつつ導電性を付与することは可能であるが、樹脂硬化物の表面に面方向の導電性を付与できるのみであって、当該樹脂硬化物の厚み方向に導電性を発現させることは不可能であった。
従って、本発明の目的は、導電性(特に、厚み方向への導電性)、透明性、及び高屈折率を有する硬化物を安価に形成できる硬化性組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、導電性(特に、厚み方向への導電性)、透明性、及び高屈折率を有する硬化物を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、導電性(特に、厚み方向への導電性)、透明性、及び高屈折率を有する硬化物で封止されてなる有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、下記事項を見いだした。
1.粒子状物質と繊維状の導電性物質を混合することにより導電性繊維被覆粒子が簡便且つ安価に得られること
2.特定の硬化性化合物を使用すると、高屈折率を有する硬化物が得られること
3.上記導電性繊維被覆粒子は、硬化物に少量を含有させることで導電性を付与することができるため、硬化物の屈折率を低下させることなく優れた導電性(特に、厚み方向の導電性)を付与することができること
4.導電性繊維被覆粒子は金属コーティング樹脂粒子と比べて金属の含有量が少ないため比重が軽く、高分散性を有すること
本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子(A)と、硬化することにより得られる硬化物の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)が1.6以上である樹脂(B)とを含む硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、樹脂(B)が、ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)、フルオレン骨格を含む化合物(b-2)、及びビフェニル骨格を含む化合物(b-3)から選択される少なくとも1種の硬化性化合物を含む前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)が下記式(1)で表される化合物である前記の硬化性組成物を提供する。
(式中、R1は反応性官能基を示す。R2はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。R3は単結合又は連結基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。尚、2つのR1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、R2及びmが複数ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)
本発明は、また、フルオレン骨格を含む化合物(b-2)が、下記式(2-1)及び/又は式(2-2)で表される化合物である前記の硬化性組成物を提供する。
(式中、環Z1〜Z4は同一又は異なって、芳香族炭素環を示す。R4〜R7は同一又は異なって、ヒドロキシル基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、芳香族性環式基、及びこれらの2以上が単結合若しくは連結基を介して結合した基から選択される基を示し、R8、R9は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示す。n1〜n4は同一又は異なって0以上の整数を示す)
本発明は、また、ビフェニル骨格を含む化合物(b-3)が、下記式(3-1)及び/又は式(3-2)で表される化合物である前記の硬化性組成物を提供する。
(式中、R10、R11は同一又は異なって、2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、又は芳香族性環式基を示し、R12は水素原子又はメチル基を示す。n5、n6は同一又は異なって、0以上の整数を示す)
本発明は、また、導電性繊維被覆粒子(A)を構成する繊維状の導電性物質が導電性ナノワイヤである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、導電性ナノワイヤが、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種である前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、導電性ナノワイヤが銀ナノワイヤである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、導電性繊維被覆粒子(A)を構成する繊維状の導電性物質の平均直径が1〜400nmであり、平均長さが1〜100μmである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、導電性繊維被覆粒子(A)を構成する粒子状物質の平均粒子径が0.1〜100μmである前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、繊維状の導電性物質の含有量が、樹脂(B)100重量部に対して0.01〜1.0重量部である前記の硬化性組成物を提供する。
本発明は、また、前記の硬化性組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子封止用導電性封止剤を提供する。
本発明は、また、前記の硬化性組成物を含むトップ・エミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子封止用導電性封止剤を提供する。
本発明は、また、前記の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物を提供する。
本発明は、また、電気抵抗率(25℃、1気圧における)が0.1Ω・cm〜10MΩ・cmである前記の硬化物を提供する。
本発明は、また、有機エレクトロルミネッセンス素子が、前記の硬化物で封止されてなる有機エレクトロルミネッセンスデバイスを提供する。
本発明の硬化性組成物は、少量の添加であっても硬化物に優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができる導電性繊維被覆粒子を含有し、更に特定の硬化性化合物を含有するため、導電性(特に、厚み方向への導電性)、透明性、及び高屈折率を併せて有する硬化物を形成することができる。また、前記導電性繊維被覆粒子は、特殊な装置を用いることなく、簡易な工程によって製造することができ、その上、原材料として高価な導電性材料(導電性を有する材料)を多量に使用する必要がないため、本発明の硬化性組成物は、原材料コストを削減することができ安価に提供することができる。
そして、前記導電性繊維被覆粒子として、特に柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子を含有する場合は、柔軟性を有する導電性繊維被覆粒子が凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡ることができるため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性に優れた硬化物を得ることができる。
そのため、本発明の硬化性組成物は有機EL素子(特に、トップ・エミッション型有機EL素子)の封止材として好適に使用することができる。その他、本発明の硬化性組成物から成るシート又はフィルムは、有機EL素子(特に、トップ・エミッション型有機EL素子)の封止用シート又はフィルムとして好適に使用することができる。
また、上記硬化性組成物や、上記硬化性組成物から成る封止用シート又はフィルムで素子が封止された本発明の有機ELデバイスは、光取り出し効率に優れ(すなわち、発光効率に優れ)、優れた輝度を有する。
実施例1で得られた導電性繊維被覆粒子(本発明の導電性繊維被覆粒子)の走査型電子顕微鏡像(SEM像)の一例である。 本発明の硬化性組成物を使用した有機ELデバイスの製造方法の一例を示す概略図である。
[導電性繊維被覆粒子(A)]
本発明の導電性繊維被覆粒子は、粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質(本明細書では「導電性繊維」と称する場合がある)とを含む導電性繊維被覆粒子である。尚、本発明の導電性繊維被覆粒子において「被覆する」とは、導電性繊維が粒子状物質の表面の一部又は全部を覆った状態を意味する。本発明の導電性繊維被覆粒子においては、導電性繊維が粒子状物質の表面の少なくとも一部を被覆していればよく、例えば、被覆された部分よりも被覆されていない部分の方が多く存在していてもよい。尚、本発明の導電性繊維被覆粒子においては、必ずしも粒子状物質と導電性繊維とが接触している必要はないが、通常、導電性繊維の一部は粒子状物質の表面に接触している。
図1は、本発明の導電性繊維被覆粒子の走査型電子顕微鏡像の一例である。図1に示すように、本発明の導電性繊維被覆粒子は、粒子状物質(図1における真球状の物質)の少なくとも一部が導電性繊維(図1における繊維状の物質)により被覆された構成を有する。
(粒子状物質)
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質は、粒子状の構造体である。
上記粒子状物質を構成する材料(素材)は、特に限定されず、例えば、金属、プラスチック、ゴム、セラミック、ガラス、シリカなどの公知乃至慣用の材料が挙げられる。本発明においては、なかでも、透明プラスチック、ガラス、シリカなどの透明な材料を使用することが好ましく、特に、透明プラスチックを使用することが好ましい。
上記透明プラスチックには熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂等が含まれる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリレート樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;エポキシ樹脂;ポリスルホン樹脂;非晶性ポリオレフィン樹脂;ジビニルベンゼン、ヘキサトリエン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルカルビノール、アルキレンジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジアクリレート、オリゴ又はポリアルキレングリコールジメタクリレート、アルキレントリアクリレート、アルキレンテトラアクリレート、アルキレントリメタクリレート、アルキレンテトラメタクリレート、アルキレンビスアクリルアミド、アルキレンビスメタクリルアミド、両末端アクリル変性ポリブタジエンオリゴマーなどの多官能性モノマーを単独で又はその他のモノマーと重合させて得られる網目状ポリマー;フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル/不飽和カルボン酸共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/メチルメタクリレート共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エチレン/無水マレイン酸共重合体、エチレン/アミノアルキルメタクリレート共重合体、エチレン/ビニルシラン共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸メチル/スチレン共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体等を挙げることができる。
上記粒子状物質の形状は、特に限定されないが、例えば、球状(真球状、略真球状、楕円球状など)、多面体状、棒状(円柱状、角柱状など)、平板状、りん片状、不定形状等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、導電性繊維被覆粒子を高い生産性で製造でき、硬化性化合物と均一に分散しやすく、硬化物全体へ容易に導電性を付与することができる点で、球状、棒状が好ましく、特に好ましくは球状(特に、真球状)である。
上記粒子状物質の平均アスペクト比は、特に限定されないが、20未満(例えば、1以上、20未満)が好ましく、特に好ましくは1〜10である。平均アスペクト比が上記範囲を上回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって硬化性化合物に優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。尚、上記粒子状物質の平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の粒子状物質について電子顕微鏡像を撮影し、これらの粒子状物質のアスペクト比を計測し、算術平均することにより求められる。
また、上記粒子状物質の構成は特に限定されず、単層構成であってもよいし、多層(複層)構成であってもよい。また、上記粒子状物質は、中実粒子、中空粒子、多孔粒子などのいずれであってもよい。
上記粒子状物質の平均粒子径は、特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましく、特に好ましくは1〜50μm、最も好ましくは5〜30μmである。平均粒子径が上記範囲を下回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。一方、平均粒子径が上記範囲を上回ると、有機EL素子の封止層の厚みよりも平均粒子径が大きくなり、均一な厚みの塗膜を形成することが困難となる傾向がある。上記粒子状物質が異方形状の場合には、長軸(最も長軸の)方向の平均粒子径が上記範囲内に制御されることが好ましい。尚、上記粒子状物質の平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によるメディアン径(D50)である。
上記粒子状物質は透明であることが好ましい。具体的には、上記粒子状物質の可視光波長領域における全光線透過率は、特に限定されないが、70%以上が好ましく、特に好ましくは75%以上である。全光線透過率が上記範囲を下回ると、硬化物(導電性繊維被覆粒子を含む)の透明性が低下する場合がある。尚、上記粒子状物質の可視光波長領域における全光線透過率は、該粒子状物質がプラスチック粒子の場合には、粒子状物質の原料である単量体をガラス間で80〜150℃の温度領域で重合させて厚さ1mmの平板を得、当該平板の可視光波長領域における全光線透過率をJIS K7361−1に準拠して測定することにより求められる。
また、上記粒子状物質は柔軟性を有することが好ましく、10%圧縮強度は例えば10kgf/mm2以下、好ましくは5kgf/mm2以下、特に好ましくは3kgf/mm2以下である。10%圧縮強度が上記範囲である粒子状物質を含む導電性繊維被覆粒子は加圧することにより微細な凹凸構造に追従して変形することができる。そのため、該導電性繊維被覆粒子を含有する硬化性組成物を微細な凹凸構造を有する有機EL素子の封止に使用した場合、該導電性繊維被覆粒子を細部にまで行き渡らせることができ、導電性が不良となる部分の発生を防止して、導電性に優れた硬化物を得ることができる。
上記粒子状物質の屈折率は、特に限定されないが、1.4〜2.7が好ましく、特に好ましくは1.5〜1.8である。尚、上記粒子状物質の屈折率は、該粒子状物質がプラスチック粒子の場合には、粒子状物質の原料である単量体をガラス間で80〜150℃の温度領域で重合させて厚さ1mmの平板を得、得られた平板から、縦20mm×横6mmの試験片を切り出し、中間液としてモノブロモナフタレンを使用してプリズムと該試験片とを密着させた状態で、多波長アッベ屈折計(商品名「DR−M2」、(株)アタゴ製)を使用し、25℃、ナトリウムD線での屈折率を測定することにより求めることができる。
また、上記粒子状物質は、後述する樹脂(B)の硬化物との屈折率差が小さいことを特徴とし、導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質と樹脂(B)の硬化物の屈折率差(25℃、波長589.3nmにおける)の絶対値は、0.1以下(好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.02以下)である。すなわち、本発明の硬化性組成物に含まれる導電性繊維被覆粒子と硬化性化合物は、下記式を満たす。
|粒子状物質の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)−樹脂(B)の硬化物の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)|≦0.1
さらに、上記粒子状物質は、シャープな粒度分布を有すること(=粒子径のバラツキが少ないこと)が、より少ない使用量で優れた導電性を付与することができる点で好ましく、変動係数(CV値)が40以下(更に好ましくは30以下、特に好ましくは20以下、最も好ましくは10以下)であることが好ましい。
尚、粒子状物質の体積基準の粒度分布における変動係数は、以下の式より算出される。また、粒度分布は粒度分布測定装置(商品名「Coulter Multisizer」、ベックマン・コールター社製)等を使用して測定することができる。
変動係数(CV値)(%)=(S2/Dn)×100
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)を示す)
上記粒子状物質は、公知乃至慣用の方法により製造でき、その製造方法は特に限定されない。例えば、金属粒子の場合には、CVD法や噴霧熱分解法等の気相法や、化学的還元反応による湿式法などにより製造できる。また、プラスチック粒子の場合には、例えば、上記で例示した樹脂(ポリマー)を構成するモノマーを懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の公知の重合方法により重合する方法などにより製造できる。
本発明においては市販品を使用することもできる。熱硬化性樹脂から成る粒子状物質としては、例えば、商品名「テクポリマー MBXシリーズ」、「テクポリマー BMXシリーズ」、「テクポリマー ABXシリーズ」、「テクポリマー ARXシリーズ」、「テクポリマー AFXシリーズ」(以上、積水化成品工業(株)製)、商品名「ミクロパールSP」、「ミクロパールSI」(以上、積水化学工業(株)製);熱可塑性樹脂から成る粒子状物質としては、例えば、商品名「ソフトビーズ」(住友精化(株)製)、商品名「デュオマスター」(積水化成品工業(株)製)等を使用することができる。
(繊維状の導電性物質(導電性繊維))
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する導電性繊維は、導電性を有する繊維状の構造体(線状構造体)である。上記導電性繊維の形状は繊維状(ファイバー状)であればよく、特に限定されないが、その平均アスペクト比は、10以上(例えば、20〜5000)が好ましく、特に好ましくは50〜3000、最も好ましくは100〜1000である。平均アスペクト比が上記範囲を下回ると、少量の導電性繊維被覆粒子の配合によって優れた導電性を発現させることが困難となる場合がある。上記導電性繊維の平均アスペクト比は、粒子状物質の平均アスペクト比と同様の手順で求められる。尚、上記導電性繊維における「繊維状」の概念には、「ワイヤー状」、「ロッド状」等の各種の線状構造体の形状も含まれる。また、本明細書においては、平均太さが1000nm以下の繊維を「ナノワイヤ」と称する場合がある。
上記導電性繊維の平均太さ(平均直径)は、特に限定されないが、1〜400nmが好ましく、特に好ましくは10〜200nm、最も好ましくは50〜150nmである。平均太さが上記範囲を下回ると、導電性繊維同士が凝集しやすく、導電性繊維被覆粒子の製造が困難となる場合がある。一方、平均太さが上記範囲を上回ると、粒子状物質を被覆することが困難となり、効率的に導電性繊維被覆粒子を得ることが困難となる場合がある。上記導電性繊維の平均太さは、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、これらの導電性繊維の太さ(直径)を計測し、算術平均することにより求められる。
上記導電性繊維の平均長さは、特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、特に好ましくは5〜80μm、最も好ましくは10〜50μmである。平均長さが上記範囲を下回ると、粒子状物質を被覆することが困難となり、効率的に導電性繊維被覆粒子を得ることができなくなる場合がある。一方、平均長さが上記範囲を上回ると、導電性繊維が複数の粒子に付着乃至吸着し、導電性繊維被覆粒子の凝集(分散性の悪化)を引き起こす場合がある。上記導電性繊維の平均長さは、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、これらの導電性繊維の長さを計測し、算術平均することにより求められる。尚、導電性繊維の長さについては、直線状に伸ばした状態で計測すべきであるが、現実には屈曲しているものが多いため、電子顕微鏡像から画像解析装置を用いて導電性繊維の投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して下記式から算出するものとする。
長さ=投影面積/投影径
上記導電性繊維を構成する材料(素材)は、導電性を有する素材であればよく、例えば、金属、半導体、炭素材料、導電性高分子等を挙げることができる。
上記金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、コバルト、錫、及びこれらの合金等の公知乃至慣用の金属を挙げることができる。本発明においては、なかでも、導電性に優れる点で銀が好ましい。
上記半導体としては、例えば、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等の公知乃至慣用の半導体を挙げることができる。
上記炭素材料としては、例えば、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の公知乃至慣用の炭素材料を挙げることができる。
上記導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、及びこれらの誘導体(例えば、共通するポリマー骨格にアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エチレンジオキシ基等の置換基を有するもの;具体的には、ポリエチレンジオキシチオフェン等)等を挙げることができる。本発明においては、なかでも、ポリアセチレン、ポリアニリン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体が好ましい。尚、上記導電性高分子には、公知乃至慣用のドーパント(例えば、ハロゲン、ハロゲン化物、ルイス酸等のアクセプター;アルカリ金属、アルカリ土類金属等のドナー等)が含まれていてもよい。
本発明の導電性繊維としては導電性ナノワイヤが好ましく、特に、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種の導電性ナノワイヤが好ましく、特に導電性に優れる点で銀ナノワイヤが最も好ましい。
上記導電性繊維は、公知乃至慣用の製造方法により製造することができる。例えば、上記金属ナノワイヤは、液相法や気相法等により製造することができる。より具体的には、銀ナノワイヤは、例えば、Mater.Chem.Phys.2009,114,333-338、Adv.Mater.2002,14,P833-837や、Chem.Mater.2002,14,P4736-4745、特表2009−505358号公報に記載の方法により製造することができる。また、金ナノワイヤは、例えば、特開2006−233252号公報に記載の方法により製造することができる。また、銅ナノワイヤは、例えば、特開2002−266007号公報に記載の方法により製造することができる。また、コバルトナノワイヤは、例えば、特開2004−149871号公報に記載の方法により製造することができる。更に、半導体ナノワイヤは、例えば、特開2010−208925号公報に記載の方法により製造することができる。上記炭素繊維は、例えば、特開平06−081223号公報に記載の方法により製造することができる。上記カーボンナノチューブは、例えば、特開平06−157016号公報に記載の方法により製造することができる。上記導電性高分子ナノワイヤは、例えば、特開2006−241334号公報、特開2010−76044号公報に記載の方法により製造することができる。上記導電性繊維としては、市販品を使用することも可能である。
(導電性繊維被覆粒子の製造方法)
導電性繊維被覆粒子(A)は、上述の粒子状物質と導電性繊維とを溶媒中で混合することにより製造することができ、例えば、下記の(1)〜(4)の何れかの方法により製造することができる。
(1)上記粒子状物質を溶媒に分散させた分散液(「粒子分散液」と称する)と、上記導電性繊維を溶媒に分散させた分散液(「繊維分散液」と称する)とを混合し、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(2)上記粒子分散液に上記導電性繊維を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(3)上記繊維分散液に上記粒子状物質を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
(4)溶媒に上記粒子状物質及び上記導電性繊維を配合し、混合した後、必要に応じて溶媒を除去して、本発明の導電性繊維被覆粒子(又は該導電性繊維被覆粒子の分散液)を得る。
本発明においては、なかでも、均質な導電性繊維被覆粒子が得られる点で、上記(1)の方法が好ましい。
本発明の導電性繊維被覆粒子を製造する際に使用される溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル等を挙げることができる。これらは一種を単独で、又は二種以上を組み合わせて(即ち、混合溶媒として)使用することができる。本発明においては、なかでも、アルコール、ケトンが好ましい。
また、後述する硬化性化合物が液状のものであれば(例えば、エポキシ化合物)、これを上記溶媒として使用することも可能である。液状の硬化性化合物を溶媒として使用することにより、溶媒を除去する工程を経ることなく、硬化性化合物と導電性繊維被覆粒子とを含む硬化性組成物を得ることができる。
上記溶媒の粘度は、特に限定されないが、導電性繊維被覆粒子を効率的に製造することができる点で、25℃における粘度が10cP以下(例えば、0.1〜10cP)であることが好ましく、特に好ましくは0.5〜5cPである。尚、溶媒の25℃における粘度は、例えば、E型粘度計を用いて測定することができる(ローター:1°34’×R24、回転数:0.5rpm、測定温度:25℃)。
上記溶媒の1気圧における沸点は、導電性繊維被覆粒子を効率的に製造することができる点で、200℃以下が好ましく、特に好ましくは150℃以下、最も好ましくは120℃以下である。
溶媒中で粒子状物質と導電性繊維とを混合する際の上記粒子状物質の含有量は、溶媒100重量部に対して、例えば0.1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部であり、上記導電性繊維の含有量は、溶媒100重量部に対して、例えば0.1〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部である。粒子状物質と導電性繊維の含有量を上記範囲に制御することにより、導電性繊維被覆粒子をより効率的に製造することができる。
溶媒中で粒子状物質と導電性繊維とを混合する際の上記粒子状物質と上記導電性繊維の割合は、粒子状物質の表面積と導電性繊維の投影面積との比[表面積/投影面積]が、例えば100/1〜100/100程度、好ましくは100/4〜100/50となるような割合であることが好ましい。上記比を上記範囲に制御することにより、導電性繊維被覆粒子をより効率的に生成することができる。尚、上記粒子状物質の表面積は、BET法(JIS Z8830に準拠)により求めた比表面積に粒子状物質の質量(使用量)を乗ずる方法により求められる。また、上記導電性繊維の投影面積は、上述のように、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個)の導電性繊維について電子顕微鏡像を撮影し、画像解析装置を用いてこれらの導電性繊維の投影面積を算出し、算術平均することにより求められる。
粒子状物質と導電性繊維とを混合後、溶媒を除去することによって、導電性繊維被覆粒子を固体として得ることができる。溶媒の除去は、特に限定されず、例えば、加熱、減圧留去等の公知乃至慣用の方法により実施できる。尚、溶媒は必ずしも除去する必要はなく、例えば、導電性繊維被覆粒子の分散液としてそのまま使用することもできる。
導電性繊維被覆粒子は、上述のように、原料(粒子状物質及び導電性繊維)を溶媒中で混合することによって製造することができ、複雑な工程を必要としないため、製造コストの面で有利である。
特に、粒子状物質と導電性繊維の組み合わせとして、平均粒子径A[μm]の粒子状物質と平均長さA[μm]以上(好ましくはA×0.5[μm]以上、特に好ましくはA×1.0[μm]以上、最も好ましくはA×1.5[μm]以上)の導電性繊維を使用することによって、より効率的に導電性繊維被覆粒子を製造することができる。特に、真球状又は略真球状の粒子状物質の場合には、平均周長B[μm]の粒子状物質と平均長さ(B×1/6)[μm]以上(好ましくは、B[μm]以上)の導電性繊維を使用することが好ましい。尚、上記粒子状物質の平均周長は、電子顕微鏡(SEM、TEM)を用いて十分な数(例えば、100個以上、好ましくは300個以上;特に、100個、300個等)の粒子状物質について電子顕微鏡像を撮影し、これらの粒子状物質の周長を計測し、算術平均することにより求められる。
本発明の導電性繊維被覆粒子を構成する粒子状物質と導電性繊維の割合は、粒子状物質の表面積と導電性繊維の投影面積との比[表面積/投影面積]が、例えば100/1〜100/100程度(特に100/4〜100/50)となるような割合であることが、硬化物の透明性を確保しつつ、より効率的に導電性を付与することができる点で好ましい。尚、上記粒子状物質の表面積及び導電性繊維の投影面積は、それぞれ上述の方法により求められる。
本発明の導電性繊維被覆粒子は上記構成を有するため、硬化物に少量を添加することで優れた導電性(特に、厚み方向への導電性)を付与することができ、透明性と導電性に優れた硬化物を形成することができる。
そして、本発明の導電性繊維被覆粒子が柔軟性を有する場合(例えば、10%圧縮強度が3kgf/mm2以下の場合)は、当該導電性繊維被覆粒子を含む硬化性組成物を微細な凹凸を有する有機EL素子の封止材として使用した際に、導電性繊維被覆粒子が前記凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡ることができるため、導電性が不良となる部分の発生を防止することができ、導電性能に優れた有機ELデバイスを形成することができる。
導電性繊維被覆粒子(A)は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。硬化性組成物における導電性繊維被覆粒子(A)の含有量(配合量)は、樹脂(B)(硬化性化合物)100重量部に対して、例えば0.01〜30重量部程度、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.3〜15重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、導電性繊維被覆粒子の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における上記導電性繊維被覆粒子(A)の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、0.1〜60体積%が好ましく、より好ましくは0.2〜60体積%、特に好ましくは0.3〜50体積%、最も好ましくは0.3〜40体積%である。
特に、異方導電性(特定の方向に導電性を有するがそれ以外の方向には絶縁性であるような、電気的異方性)を発現させる場合、硬化性組成物における上記導電性繊維被覆粒子の含有量は、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、30体積%以下(例えば、0.1〜10体積%)が好ましく、特に好ましくは0.3〜5体積%である。導電性繊維被覆粒子の含有量を上記範囲に調整することにより、特定の方向に優れた導電性を発現させることができる。尚、導電性繊維被覆粒子の含有量は、例えば、導電性繊維被覆粒子の総重量を粒子(導電性繊維被覆粒子)の密度で割ることで概算できる。
硬化性組成物における粒子状物質(導電性繊維被覆微粒子に含まれる粒子状物質)の含有量(配合量)は、樹脂(B)(硬化性化合物)100重量部に対して、例えば0.09〜6.0重量部程度、好ましくは0.1〜4.0重量部、より好ましくは0.3〜3.5重量部、さらに好ましくは0.3〜3.0重量部、特に好ましくは0.3〜2.5重量部、最も好ましくは0.5〜2.0重量部であり、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、例えば0.02〜7体積%程度、好ましくは0.1〜5体積%、特に好ましくは0.3〜3体積%、最も好ましくは0.4〜2体積%である。前記粒子状物質の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。一方、前記粒子状物質の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の透明性が不十分となる場合がある。
硬化性組成物における導電性繊維の含有量(配合量)は、樹脂(B)(硬化性化合物)100重量部に対して、例えば0.01〜1.0重量部程度、好ましくは0.02〜0.8重量部、より好ましくは0.03〜0.6重量部、特に好ましくは0.03〜0.4重量部、最も好ましくは0.03〜0.2重量部であり、硬化性組成物の全量(100体積%)に対して、0.01〜1.1体積%が好ましく、より好ましくは0.02〜0.9体積%、特に好ましくは0.03〜0.7体積%、最も好ましくは0.03〜0.4体積%である。
本発明の硬化性組成物は、導電性繊維を粒子状物質に被覆した状態で含有するため、導電性を有する素材の使用量を上記範囲にまで低減しても、十分な導電性を有する硬化物を形成することができる。そのため、導電性を有する素材を含有することによって引き起こされる硬化物の透明性の低下を極めて低く低減することができると共に、導電性を有する素材により占められていたコストを大幅に削減することができる。
[樹脂(B)]
本発明の樹脂(B)は、硬化することにより屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)が1.6以上の硬化物を形成することができる硬化性化合物である。
本発明の樹脂(B)としては、ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)、フルオレン骨格を含む化合物(b-2)、及びビフェニル骨格を含む化合物(b-3)から選択される少なくとも1種の硬化性化合物を含むことが好ましい。
(化合物(b-1))
本発明の化合物(b-1)はジフェニルスルフィド骨格を含む化合物であり、例えば、下記式(1)で表される化合物を挙げることができる。
上記式(1)中の2つのR1は反応性官能基(重合性官能基)を示し、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、グリシジル基、オキセタニル基等を挙げることができる。本発明においては、なかでもビニル基、アリル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基から選択される基が好ましい。2つのR1は同一であっても異なっていてもよい。
上記式(1)中のR2は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。また、mが2〜4の整数である場合、同一の芳香環に結合した2〜4個のR2が互いに結合して、芳香環を構成する炭素原子とともに環を形成していてもよい。更に、式(1)中の複数のR2はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記R2におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。上記R2におけるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のC1-10(好ましくはC1-5)アルキル基等を挙げることができる。上記R2におけるハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等のC1-10(好ましくはC1-5)ハロアルキル基等を挙げることができる。上記R2におけるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。尚、上記アリール基の芳香環は、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、メチル基等のC1-4アルキル基、トリフルオロメチル基等のC1-5ハロアルキル基、ヒドロキシル基、メトキシ基等のC1-4アルコキシ基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、アセチル基等のアシル基等の置換基を有していてもよい。
上記R2におけるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基等の、C1-10アルキル基が有する水素原子の少なくとも1つがヒドロキシル基で置換されたC1-10(好ましくはC1-5)ヒドロキシアルキル基等を挙げることができる。上記R2におけるヒドロキシル基の保護基、ヒドロキシアルキル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基[例えば、アルキル基(例えば、メチル基、t−ブチル基等のC1-4アルキル基等);アルケニル基(例えば、アリル基等);シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基等);アリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル基等);アラルキル基(例えば、ベンジル基等);置換メチル基(例えば、メトキシメチル基、メチルチオメチル基、ベンジルオキシメチル基、t−ブトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル基等)、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、1−ヒドロキシアルキル基(例えば、1−ヒドロキシエチル基等)等のヒドロキシル基とアセタール又はヘミアセタール基を形成可能な基;アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等のC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等);アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基等のC1-4アルコキシ−カルボニル基等);アラルキルオキシカルボニル基;置換又は無置換カルバモイル基;置換シリル基(例えば、トリメチルシリル基等);分子内にヒドロキシル基やヒドロキシメチル基が2以上存在するときには置換基を有していてもよい二価の炭化水素基(例えば、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、ベンジリデン基等)等]を挙げることができる。
上記R2におけるアミノ基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基(例えば、上記ヒドロキシル基の保護基として例示したアルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基等)を挙げることができる。
上記R2におけるカルボキシル基の保護基、スルホ基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基[例えば、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のC1-6アルコキシ基等)、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、トリアルキルシリルオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、ヒドラジノ基、アルコキシカルボニルヒドラジノ基、アラルキルカルボニルヒドラジノ基等]を挙げることができる。
上記R2におけるアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基等のC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基、ベンゾイル基等の芳香族アシル基等を挙げることができる。上記アシル基の保護基としては、上記有機合成の分野で慣用の保護基を使用できる。上記アシル基が保護された形態としては、例えば、アセタール(ヘミアセタールを含む)等を挙げることができる。
上記R2が芳香環1つあたりに2つ以上結合している場合(即ち、式(1)中のmが2〜4の場合)において、2つ以上のR2が互いに結合して式(1)中の芳香環を構成する炭素原子と共に形成する環としては、例えば、5員の脂環式炭素環、6員の脂環式炭素環、2以上の脂環式炭素環(単環)の縮合環等の脂環式炭素環;5員のラクトン環、6員のラクトン環等のラクトン環等を挙げることができる。
上記式(1)中のR3は、単結合又は連結基(1以上の原子を有する二価の基)を示す。前記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。上記連結基は、水酸基、カルボキシル基等の置換基を有していてもよく、このような連結基としては、例えば、1以上の水酸基を有する二価の炭化水素基等を挙げることができる。
上記二価の炭化水素基としては、炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基、二価の脂環式炭化水素基等を挙げることができる。炭素数が1〜18の直鎖又は分岐鎖状のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基等を挙げることができる。二価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、シクロペンチリデン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキシレン基、シクロヘキシリデン基等の二価のシクロアルキレン基(シクロアルキリデン基を含む)等を挙げることができる。
上記式(1)中のmは、同一又は異なって、0〜4の整数を示す。また、n(nが付された括弧内の構造単位の繰り返し数)は、0〜10の整数を示す。
化合物(b-1)の重量平均分子量は特に限定されないが、例えば300〜10000程度であり、好ましくは300〜1000、特に好ましくは300〜500である。
上記式(1)中のnは、なかでも、硬化性組成物の粘度を広い範囲で調整することができる点で、0〜3が好ましく、特に好ましくは0である。即ち、化合物(b-1)としては、特に、下記式(1’)で表される化合物が好ましい。
(式中、R1、R2、mは、前記に同じ)
本発明の化合物(b-1)としては、下記式で示される化合物等を挙げることができる。尚、下記式におけるRは、水素原子又はメチル基である。
化合物(b-1)は、公知乃至慣用の方法によって製造することができる。例えば、式(1)中のR1が水素原子である化合物(例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオール等)を原料とし、これに塩基の存在下でハロゲン化ビニル、ハロゲン化アリル、(メタ)アクリル酸のハロゲン化物、エピハロヒドリン等を反応させる方法等を挙げることができる。また、式(1)中のR1がビニル基である化合物は、式(1)中のR1が水素原子である化合物(例えば、4,4’−チオビスベンゼンチオール等)とジハロエタンとを反応させ、続いて、脱ハロゲン化水素する方法によっても製造することができる。
化合物(b-1)は、高屈折率を有する硬化物を形成することができると共に、カチオンをトラップしてカチオン重合の進行を抑制する作用を有する。そのため、本発明の硬化性組成物が光カチオン重合開始剤を含有する場合は、光照射によりカチオンを発生させるのみでは完全に硬化せず、その後加熱処理を施してトラップされたカチオンを放出することにより硬化を進行させ、完全に硬化させることができる。そのため、速やかに硬化させたい場合は光ラジカル重合開始剤を使用して光照射を施すことにより速やかに硬化させることができる。一方、硬化開始を任意に調整したい場合は、光カチオン重合開始剤を使用して、光照射を施した後、加熱処理を施すタイミングを調整することにより硬化開始を所望のタイミングに設定することができる。
(化合物(b-2))
本発明の化合物(b-2)は、フルオレン骨格を含む化合物であり、例えば、下記式(2-1)又は(2-2)で表される化合物を挙げることができる。
上記式中の環Z1〜環Z4は同一又は異なって芳香族炭素環を示す。前記芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の1〜4環程度の芳香族炭素環が挙げられる。好ましい芳香族炭素環には、ベンゼン環、ナフタレン環等が含まれる。
上記式中のフルオレン環、環Z1〜環Z4は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等のアルキル基(例えば、C1-6アルキル基、好ましくはメチル基);シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基(例えば、C5-8シクロアルキル基);フェニル、ナフチル基等のアリール基(例えば、C6-15アリール基);ベンジル基等のアラルキル基(例えば、C7-16アラルキル基);アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基等のアシル基(例えば、C1-10アシル基);メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ基等のアルコキシ基(例えば、C1-6アルコキシ基);メトキシカルボニル、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基(例えば、C1-4アルコキシ−カルボニル基);シアノ基;カルボキシル基;ニトロ基;アミノ基;置換アミノ基(例えば、ジC1-4アルキルアミノ基等);フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子等から選択される置換基を有していてもよい。
上記式中のR4〜R7は同一又は異なって、ヒドロキシル基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、芳香族性環式基、及びこれらの2以上が単結合若しくは連結基(例えば、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、硫黄原子等)を介して結合した基から選択される基を示す。
前記2価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜10(好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜3)の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;メチレン基、ビニレン基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニレン基等を挙げることができる。
前記2価の非芳香族性環式基に対応する非芳香族性環には、単環又は多環の脂環式炭素環が含まれ、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは3〜12員)程度のシクロアルカン環;シクロプロペン環、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環などの3〜20員(好ましくは3〜15員、さらに好ましくは3〜10員)程度のシクロアルケン環などの単環の脂環式炭素環;アダマンタン環、パーヒドロインデン環、デカリン環、パーヒドロフルオレン環、パーヒドロアントラセン環、パーヒドロフェナントレン環、トリシクロデカン環、トリシクロウンデカン環、テトラシクロドデカン環、パーヒドロアセナフテン環、パーヒドロフェナレン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環など2〜6環程度の橋かけ環式炭素環などが挙げられる。これらの環は、本発明の効果を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
前記2価の芳香族性環式基に対応する芳香族性環には、単環または多環の芳香族炭素環が含まれる。前記単環の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環が挙げられる。前記多環の芳香族炭化水素環としては、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、トリフェニレン環、ピレン環などの2つ以上の芳香環がそれぞれ2個以上の原子を共有した縮合環構造をもつものなどが挙げられる。これらの環は、本発明の効果を損なわない範囲で置換基を有していてもよい。
上記式中のn1〜n4は同一又は異なって、0以上の整数であり、好ましくは0〜4の整数、特に好ましくは0〜1の整数である。
化合物(b-2)の代表的な例として、下記化合物を挙げることができる。
(化合物(b-3))
本発明の化合物(b-3)はビフェニル骨格を含む化合物であり、例えば、下記式(3-1)及び/又は式(3-2)で表される化合物を挙げることができる。
上記式中のR10、R11は同一又は異なって、2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、又は芳香族性環式基を示し、上記式(2-1)又は(2-2)中のR4〜R7と同様の例を挙げることができる。R12は水素原子又はメチル基を示す。n5、n6は同一又は異なって、0以上の整数を示し、好ましくは0〜4、特に好ましくは0〜1である。
化合物(b-3)の代表的な例として、下記化合物を挙げることができる。
(他の硬化性化合物)
本発明の樹脂(B)には上記化合物(b-1)、化合物(b-2)、及び化合物(b-3)以外の硬化性化合物(以後、「他の硬化性化合物」と称する場合がある)を含有していても良い。
前記他の硬化性化合物としては、例えば、上記以外のエポキシ化合物(例えば、芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物;脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物;グリシジルエステル系エポキシ化合物;グリシジルアミン系エポキシ化合物;脂環式エポキシ化合物等)を挙げることができる。
上記芳香族グリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAのクレゾールノボラック型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、トリスフェノールメタン型エポキシ化合物等を挙げることができる。
上記脂肪族グリシジルエーテル系エポキシ化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、テトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等の脂肪族多価アルコールのモノ又はポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
上記脂環式エポキシ化合物[分子内(一分子中)に脂環(脂肪族環)構造とエポキシ基とを少なくとも有する化合物]としては、例えば、(i)脂環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基(脂環エポキシ基)を有する化合物、(ii)脂環にエポキシ基が直接単結合で結合している化合物、(iii)水素化グリシジルエーテル系エポキシ化合物等を挙げることができる。
本発明の硬化性組成物に含まれる硬化性化合物としては、上記化合物(b-1)、化合物(b-2)、及び化合物(b-3)から選択される化合物を1種又は2種以上含有する。本発明の硬化性組成物全量(100重量%)における硬化性化合物の含有量(2種以上含有する場合はその総量)は、例えば1〜99重量%程度であり、好ましくは2〜99重量%、特に好ましくは3〜99重量%である。硬化性化合物の含有量が上記範囲を下回ると、用途によっては、得られる硬化物の機械強度等が不十分となる場合がある。一方、硬化性化合物の含有量が上記範囲を上回ると、用途によっては、得られる硬化物の導電性が不十分となる場合がある。
[その他の化合物]
本発明の硬化性組成物には、上記以外にも、必要に応じて他の化合物を含有していてもよい。他の化合物としては、例えば、重合開始剤、硬化遅延剤、増粘剤、導電性繊維被覆粒子(A)以外の導電性材料、充填材(有機フィラー、無機フィラー)、重合禁止剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、光安定剤、可塑剤、レベリング剤、消泡剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料、蛍光体、離型剤、界面活性剤、難燃剤等を挙げることができる。本発明の硬化性組成物全量における他の化合物の含有量は、例えば30重量%以下、好ましくは20重量%以下、特に好ましくは10重量%以下である。
(重合開始剤)
本発明の硬化性組成物には重合開始剤を含有することが好ましく、特に、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤には光カチオン重合開始剤と光ラジカル重合開始剤が含まれる。硬化性化合物としてカチオン硬化性化合物を使用する場合は光カチオン重合開始剤を使用することが好ましく、硬化性化合物としてラジカル重合性化合物を使用する場合は光ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。尚、重合開始剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(光カチオン重合開始剤)
光カチオン重合開始剤は、光の照射によってカチオン種を発生してカチオン重合性化合物の硬化反応を開始させる化合物であり、光を吸収するカチオン部と酸の発生源となるアニオン部からなる。
本発明の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩系化合物、ヨードニウム塩系化合物、スルホニウム塩系化合物、ホスホニウム塩系化合物、セレニウム塩系化合物、オキソニウム塩系化合物、アンモニウム塩系化合物、臭素塩系化合物等を挙げることができる。
なかでも、スルホニウム塩系化合物を使用することが、硬化性に優れた硬化物を形成することができる点で好ましい。スルホニウム塩系化合物のカチオン部としては、例えば、トリフェニルスルホニウムイオン、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムイオン、トリ−p−トリルスルホニウムイオン等のアリールスルホニウムイオン(特に、トリアリールスルホニウムイオン)を挙げることができる。
光カチオン重合開始剤のアニオン部としては、例えば、BF4 -、B(C654 -、PF6 -、[(Rf)nPF6-n-(Rf:水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基、n:1〜5の整数)、AsF6 -、SbF6 -、ペンタフルオロヒドロキシアンチモネート等を挙げることができる。
本発明の光カチオン重合開始剤としては、例えば、(4−ヒドロキシフェニル)メチルベンジルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロホスファート、4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、商品名「サイラキュアUVI−6970」、「サイラキュアUVI−6974」、「サイラキュアUVI−6990」、「サイラキュアUVI−950」(以上、米国ユニオンカーバイド社製)、「イルガキュア250」、「イルガキュア261」、「イルガキュア264」(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「SP−150」、「SP−151」、「SP−170」、「オプトマーSP−171」(以上、(株)ADEKA製)、「CG−24−61」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、「DAICAT II」((株)ダイセル製)、「UVAC1590」、「UVAC1591」(以上、ダイセル・サイテック(株)製)、「CI−2064」、「CI−2639」、「CI−2624」、「CI−2481」、「CI−2734」、「CI−2855」、「CI−2823」、「CI−2758」、「CIT−1682」(以上、日本曹達(株)製)、「PI−2074」(ローディア社製、ペンタフルオロフェニルボレートトルイルクミルヨードニウム塩)、「FFC509」(3M社製)、「BBI−102」、「BBI−101」、「BBI−103」、「MPI−103」、「TPS−103」、「MDS−103」、「DTS−103」、「NAT−103」、「NDS−103」(以上、ミドリ化学(株)製)、「CD−1010」、「CD−1011」、「CD−1012」(米国、Sartomer社製)、「CPI−100P」、「CPI−101A」(以上、サンアプロ(株)製)等の市販品を使用できる。
光カチオン重合開始剤の使用量(配合量)は、本発明の硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物100重量部に対して、0.01〜15重量部が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量部、特に好ましくは0.05〜5重量部、最も好ましくは0.1〜3重量部である。
(硬化促進剤)
本発明の硬化性組成物が光カチオン重合開始剤を含有する場合は、光カチオン重合開始剤と共に硬化促進剤を含んでいてもよい。硬化促進剤は、本発明の硬化性組成物中の重合性化合物が光カチオン重合開始剤により硬化する際に、硬化速度を促進する機能を有する化合物であり、例えば、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、及びその塩(例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、テトラフェニルボレート塩);1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、及びその塩(例えば、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ヨードニウム塩);ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール;リン酸エステル、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラ(p−トリル)ボレート等のホスホニウム化合物;オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等の有機金属塩;金属キレート等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記硬化促進剤としては、例えば、商品名「U−CAT SA 506」、「U−CAT SA 102」、「U−CAT 5003」、「U−CAT 18X」、「12XD」(開発品)(以上、サンアプロ(株)製)、「TPP−K」、「TPP−MK」(以上、北興化学工業(株)製)、「PX−4ET」(日本化学工業(株)製)等の市販品を使用することができる。
上記硬化促進剤の含有量としては、本発明の硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部程度が好ましく、より好ましくは0.02〜3重量部、特に好ましくは0.05〜3重量部、最も好ましくは0.1〜2.5重量部である。硬化促進剤を上記範囲で含有すると、硬化物に着色を生じることなく硬化促進効果を発揮することができる。
(光ラジカル重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノンベンジル、ベンジルジメチルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジメトキシアセトフェノン、ジメトキシフェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ジフェニルジサルファイト、オルトベンゾイル安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬(株)製、商品名「カヤキュアEPA」等)、2,4−ジエチルチオキサンソン(日本化薬(株)製、商品名「カヤキュアDETX」等)、2−メチル−1−[4−(メチル)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1(チバガイギ−(株)製、商品名「イルガキュア907」等)、2−ジメチルアミノ−2−(4−モルホリノ)ベンゾイル−1−フェニルプロパン等の2−アミノ−2−ベンゾイル−1−フェニルアルカン化合物、テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ベンジル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゼン誘導体、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾ−ル(保土谷化学(株)製、商品名「B−CIM」等)等のイミダゾール化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−4−(4−メトキシナフタレン−1−イル)−1,3,5−トリアジン等のハロメチル化トリアジン化合物、2−トリクロロメチル−5−(2−ベンゾフラン2−イル−エテニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光ラジカル重合開始剤としては、感度及び耐薬品性等の観点から、イミダゾール化合物とアミノベンゼン誘導体の組合せ、2−アミノ−2−ベンゾイル−1−フェニルアルカン化合物、ハロメチル化トリアジン化合物、ハロメチルオキサジアゾール化合物等が好ましい。また、本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、光増感剤を加えることができる。
上記光ラジカル重合開始剤の使用量(配合量)は、本発明の硬化性組成物に含まれる全硬化性化合物100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、特に好ましくは0.1〜3重量部である。
(硬化遅延剤)
重合開始剤として光カチオン重合開始剤を含有する場合は、硬化遅延剤として、例えば、ピロール、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール等のアゾール系化合物を1種又は2種以上使用することができる。前記アゾール系化合物は、UV照射することにより光カチオン重合開始剤から発生するカチオンをトラップして硬化性化合物のカチオン重合を抑制することができ、加熱処理を施すとカチオンを放出して硬化性化合物のカチオン重合を進行させる作用を有する。また、前記アゾール系化合物はアウトガス発生の原因とはならない。そのため、硬化性組成物に添加することにより硬化性組成物の可使時間を自由にコントロールすることができ、硬化性組成物の塗膜にUVを照射し、その後有機EL素子に貼り合わせて加熱処理を施すことにより、有機EL素子をUVに直に曝すことなく封止することができ、低アウトガス性及び防湿性を有する硬化物で有機EL素子を封止することができる。
硬化遅延剤の使用量(配合量)は、光カチオン重合開始剤の使用量(2種以上含有する場合はその総量)の、例えば5〜25重量%程度、好ましくは10〜25重量%である。
(粘度および屈折率調整剤)
本発明の硬化性組成物は粘度および屈折率を調整するために、例えば、カルバゾール骨格を含有するモノマー単位(繰り返し単位)を含む線状重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
前記カルバゾール骨格を有するモノマー単位としては、例えば、下記式(4)で表されるモノマー単位を挙げることができる。式(4)中、R12〜R20は同一又は異なって、水素原子又は有機基を示す。Yは単結合又は連結基を示す。
12〜R20における有機基としては、例えば、ハロゲン原子、炭化水素基、複素環式基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基等)、カルボキシル基、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、硫黄酸基、硫黄酸エステル基、アシル基(アセチル基等の脂肪族アシル基;ベンゾイル基等の芳香族アシル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等のC1-6アルコキシ基等)、N,N−ジ置換アミノ基(N,N−ジメチルアミノ基、ピペリジノ基等)等、及びこれらが2以上結合した基等を挙げることができる。前記カルボキシル基等は有機合成の分野で公知乃至慣用の保護基で保護されていてもよい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素原子を挙げることができる。
前記炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらの結合した基が含まれる。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20(好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜3)程度のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)程度のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜20(好ましくは2〜10、特に好ましくは2〜3)程度のアルキニル基等を挙げることができる。
脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)程度のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等の3〜20員(好ましくは3〜15員、特に好ましくは5〜8員)程度のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の橋かけ環式炭化水素基等を挙げることができる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜14(好ましくは6〜10)程度の芳香族炭化水素基を挙げることができる。
脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とが結合した炭化水素基には、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3-20シクロアルキル−C1-4アルキル基等)等が含まれる。また、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが結合した炭化水素基には、アラルキル基(例えば、C7-18アラルキル基等)、アルキル置換アリール基(例えば、1〜4個程度のC1-4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)等が含まれる。
上記炭化水素基は、種々の置換基[例えば、ハロゲン原子、オキソ基、ヒドロキシル基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等]を有していてもよい。前記ヒドロキシル基やカルボキシル基は有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、脂環式炭化水素基や芳香族炭化水素基の環には芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
前記複素環式基を構成する複素環には、芳香族性複素環及び非芳香族性複素環が含まれる。このような複素環としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環(例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、γ−ブチロラクトン環等の5員環;4−オキソ−4H−ピラン環、テトラヒドロピラン環、モルホリン環等の6員環;ベンゾフラン環、イソベンゾフラン環、4−オキソ−4H−クロメン環、クロマン環、イソクロマン環等の縮合環;3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン環、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン環等の橋かけ環)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環(例えば、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環等の5員環;4−オキソ−4H−チオピラン環等の6員環;ベンゾチオフェン環等の縮合環等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環(例えば、ピロール環、ピロリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環等の5員環;ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピペリジン環、ピペラジン環等の6員環;インドール環、インドリン環、キノリン環、アクリジン環、ナフチリジン環、キナゾリン環、プリン環等の縮合環等)等を挙げることができる。上記複素環式基には、前記炭化水素基が有していてもよい置換基のほか、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1-4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)等の置換基を有していてもよい。
Yは単結合又は連結基を示す。前記連結基としては、例えば、二価の炭化水素基、カルボニル基(−CO−)、エーテル結合(−O−)、エステル結合(−COO−)、アミド結合(−CONH−)、カーボネート結合(−OCOO−)、及びこれらが複数個連結した基等を挙げることができる。前記二価の炭化水素基としては、前記式(a)中のRcにおける例と同様の例を挙げることができる。
前記線状重合体は上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位に対応する重合性単量体(例えば、N−ビニルカルバゾール、N−アクリロイルカルバゾール、N−(ビニルベンジル)カルバゾール等)を重合に付すことにより得ることができる。尚、重合の方式は、特に限定されず、溶液重合、溶融重合等の公知の方法を採用できる。
また、前記線状重合体は、上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位以外にも他のモノマー単位を有する共重合体(例えば、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体等)であってもよい。前記共重合体は、前記上記カルバゾール骨格を含有するモノマー単位に対応する重合性単量体と、他のモノマー単位に対応する重合性単量体を重合に付すことにより製造することができる。
前記他のモノマー単位に対応する重合性単量体としては、例えば、オレフィン[例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン等の鎖状オレフィン(特に、C2-12アルケン);シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン等の環状オレフィン]、芳香族ビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、1−プロペニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、3−ビニルピリジン、3−ビニルフラン、3−ビニルチオフェン、3−ビニルキノリン等のC6-14芳香族ビニル化合物)、(メタ)アクリル酸エステル(例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルへキシル等のアクリル酸C1-10アルキルエステル、及びこれらに対応するメタクリル酸エステル等)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプロン酸ビニル等のC1-16脂肪酸ビニルエステル等)、マレイン酸エステル又はフマル酸エステル(例えば、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸2−エチルへキシル等のマレイン酸ジC1-10アルキルエステル、及びこれらに対応するフマル酸エステル等)、カルボキシル基含有単量体(例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等のモノカルボン酸;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の多価カルボン酸又はその酸無水物;前記多価カルボン酸のモノアルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、オクチルエステル、ラウリルエステル等のC1-16アルキルエステル)、インデン類(例えば、インデン、メチルインデン、エチルインデン、ジメチルインデン等のアルキルインデン;クロロインデン、ブロモインデン等のハロゲン化インデン等)等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は二種以上組み合わせて使用することができる。
前記線状重合体の重量平均分子量は、上記硬化性化合物との相溶性に優れる点で、例えば500〜1000000程度、好ましくは3000〜500000である。尚、上記重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の分子量である。
前記線状重合体としては、商品名「PVCZ 8K」、「PVCZ」、(以上、ポリ−N−ビニルカルバゾール、丸善石油化学(株)製)、「P0656」(ポリ−N−ビニルカルバゾール、東京化成(株)製)等の市販品を使用してもよい。
(導電性繊維被覆粒子(A)以外の導電性材料)
導電性繊維被覆粒子(A)以外の導電性材料(以後、「その他の導電性材料」と称する場合がある)としては、公知乃至慣用の導電性物質を使用することができ、特に限定されない。例えば、上述の導電性繊維を使用してもよい。
本発明の硬化性組成物におけるその他の導電性材料(例えば、導電性繊維)の含有量(配合量)は、導電性繊維被覆粒子100重量部に対して、例えば0〜10重量部程度、好ましくは0〜5重量部、特に好ましくは0〜1重量部である。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、上記導電性繊維被覆粒子(A)(又は導電性繊維被覆粒子(A)の分散液)と樹脂(B)と、必要に応じてその他の化合物とを、例えば、自公転式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、3本ロールミル、ビーズミル、超音波等の一般的に知られる混合用機器を使用して均一に混合することにより製造することができ、例えば、
(1)粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合して得られる導電性繊維被覆粒子(A)の分散液と、樹脂(B)と、必要に応じてその他の化合物とを、所定の割合で撹拌及び混合し、次いで、溶媒を留去することにより製造する方法や、
(2)下記工程A及び工程Bを経て得られた導電性繊維被覆粒子(A)と樹脂(B)と、必要に応じてその他の化合物とを、所定の割合で撹拌及び混合することにより製造する方法等を挙げることができる。
工程A:粒子状物質と繊維状の導電性物質とを溶媒中で混合することにより導電性繊維被覆粒子分散液を得る工程
工程B:工程Aを経て得られた導電性繊維被覆粒子分散液から溶媒を除去(例えば、加熱により留去及び/又は減圧濾過等)することにより導電性繊維被覆粒子を固体として得る工程
本発明の硬化性組成物は、上記導電性繊維被覆粒子(A)(又は導電性繊維被覆粒子の分散液)と樹脂(B)と、必要に応じてその他の化合物の全てを予め混合してもよく(1液型)、上記導電性繊維被覆粒子(A)と樹脂(B)と、必要に応じてその他の化合物の一部を別に保管し[多液型(例えば、2液型)]、使用直前に所定の割合で混合してもよい。
本発明の硬化性組成物は上記構成を有するため、透明性と導電性(特に、厚み方向への導電性)に優れ、高屈折率を有する硬化物を安価に形成することができる。そして、本発明の硬化性組成物が柔軟性を有する粒子状物質が繊維状の導電性物質で被覆された導電性繊維被覆粒子を含有する場合は、微細な凹凸を有する有機EL素子の封止材として使用した場合であっても、導電性繊維被覆粒子が凹凸構造に追従して変形し細部にまで行き渡るため、導電性が不良となる部分の発生を防止しつつ封止することができ、導電性能に優れた有機ELデバイスを形成することができる。
本発明の硬化性組成物が、硬化性化合物としてカチオン重合性化合物を含み、光カチオン重合開始剤を含む場合は、光照射を施すことにより速やかに硬化して、硬化物を形成することができる。特に、本発明の硬化性組成物がカチオン硬化性化合物と光カチオン重合開始剤に加えて上記硬化遅延剤を含有する場合は、光照射後、加熱処理を施すことにより硬化物を形成することができる。
光照射は、厚み100μmの塗膜の場合、水銀ランプ等で500mJ/cm2以上の光を照射することが好ましい。また、加熱処理は、オーブン等により、例えば40〜150℃(特に好ましくは60〜120℃、最も好ましくは80〜110℃)で、10〜200分間(特に好ましくは30〜120分間)加熱することが好ましい。
本発明の硬化性組成物に含まれる樹脂(B)の硬化物は高屈折率を有し、屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)は、例えば1.6以上、好ましくは1.62以上、特に好ましくは1.7以上である。尚、樹脂(B)の硬化物の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)の上限は、例えば2.0、好ましくは1.9である。すなわち、本発明の硬化性組成物の硬化物は、前記高屈折率を有する樹脂(B)の硬化物中に、導電性繊維被覆粒子(A)を含む構成を有する。そのため、本発明の硬化性組成物を用いて封止した有機ELデバイスは光取り出し効率に優れ、優れた発光効率を有する。
また、本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は透明性に優れ、硬化物(厚み:10μm)の可視光波長領域における全光線透過率は90%以上であり、好ましくは92%以上である。尚、硬化物の可視光波長領域における全光線透過率は、JIS K7361−1に準拠して測定することができる。
本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は導電性に優れ、電気抵抗率(25℃、1気圧における)は0.1Ω・cm〜10MΩ・cm、好ましくは0.1Ω・cm〜1MΩ・cm程度である。
特に、本発明の硬化性組成物が、硬化性化合物としてカチオン硬化性化合物を含み、光カチオン重合開始剤と上記硬化遅延剤を含有する場合は、光照射を施すことによりカチオン重合開始剤から発生したカチオンはカチオントラップ作用を有する硬化遅延剤にトラップされるため、光照射を施しても、その後、加熱処理を施すまではカチオン重合の進行が抑制される。そして、光照射後に加熱処理を施すことで、硬化遅延剤にトラップされたカチオンが放出され、カチオン硬化性化合物のカチオン重合が進行して、硬化を完了させることができる。すなわち、光照射後に加熱処理を施すタイミングを調整することにより、硬化の開始時間を調整することができ、所望のタイミングで硬化を進行させることができる。そのため、有機EL素子(特に、トップ・エミッション型有機EL素子)封止用の導電性封止剤として好適に使用することができる。
そして、本発明の硬化性組成物に光照射し、その後有機EL素子に貼り合わせることにより、有機EL素子をUVに曝すことなく、且つ硬化の進行により有機EL素子との貼り合わせが困難となる場合を生じることなく有機EL素子を封止することができる。
より詳細には、下記方法1又は2を経て有機EL素子(特に、トップ・エミッション型有機EL素子)を封止することにより、光照射による素子の劣化を防止しつつ、透明性及び導電性に優れた硬化物で有機EL素子を封止することができ、長寿命で信頼性の高い有機ELデバイスを提供することができる。尚、光照射、及び加熱処理方法は上記に記載の方法により行うことができる。
<方法1:図2参照>
工程1−1:リッド上に本発明の硬化性組成物を塗布して塗膜/リッド積層体を形成する
工程1−2:塗膜に光照射を施す
工程2−1:基板上に有機EL素子を設置し、有機EL素子設置面に光照射後の塗膜/リッド積層体を塗膜面が素子設置面に相対するように貼り合わせる
工程2−2:加熱処理を施すことにより塗膜を硬化させる
<方法2>
工程1−1’:剥離紙等の表面に本発明の硬化性組成物を塗布して封止用シート又はフィルムを形成する
工程1−2’:封止用シート又はフィルムに光照射を施す
工程2−1:基板上に有機EL素子を設置し、有機EL素子設置面側に光照射後の封止用シート又はフィルムを介してリッドを貼り合わせる
工程2−2:加熱処理を施すことにより封止用シート又はフィルムを硬化させる
前記リッド(蓋)や基板としては、防湿性基材を使用することが好ましく、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラス等のガラス基板;ステンレス・アルミニウム等の金属基板;三フッ化ポリエチレン、ポリ三フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、PCTFEとPVDFとの共重合体、PVDFとポリフッ化塩化エチレンとの共重合体等のポリフッ化エチレン系ポリマー、ポリイミド、ポリカーボネート、ジシクロペンタジエン等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂基板等を挙げることができる。
前記有機EL素子には、陽極/発光層/負極の積層体が含まれる。必要に応じてSiN膜等のパッシベーション膜を設けてもよい。
本発明の硬化性組成物からなる塗膜は、例えば、リッド上にダム材を塗布してダムを形成し、そのダム内にディスペンサー等の吐出機を使用して本発明の硬化性組成物の吐出することにより形成することができる。塗膜の厚みは、有機EL素子を保護する目的を達成することができる範囲であれば特に制限されることはない。
また、ディスペンサー等の吐出機で硬化性組成物を吐出する際には、硬化性組成物中の導電性繊維被覆粒子(A)を高分散した状態で吐出することが好ましく、例えば、スクリュー等の回転駆動構造を有する吐出機を使用して、スクリューの回転により硬化性組成物を吐出するスクリュー式吐出方法等により、撹拌しつつ吐出することが好ましい。スクリューの回転速度やスクリューの羽のサイズ等は、硬化性組成物の粘度や、それに含まれる導電性繊維被覆粒子(A)のサイズ等に応じて適宜調整することが好ましい。
上記方法によれば、本発明の硬化性組成物からなる塗膜に光照射を施した後で、有機EL素子に前記塗膜を貼り合わせるため、有機EL素子が直にUVに曝されることがなく、UVによる有機EL素子の劣化を防止することができる。また、本発明の硬化性組成物は、透明性、導電性(特に、厚み方向への導電性)、及び高屈折率を併せて有する硬化物を形成することができる。そのため、本発明の硬化性組成物を有機EL素子の封止材として使用すれば、光取り出し効率を低下させることなく保護することができ、且つ電極間を確実に導電接続させることができる。
そして、上記方法により得られる有機ELデバイス(例えば、ディスプレイ、照明等)は、封止時にUVに曝されることにより引き起こされる劣化を有さず、透明性、導電性(特に、厚み方向への導電性)、及び高屈折率を併せて有する硬化物で保護されているため、光取り出し効率に優れ、高輝度を有する。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、屈折率の測定は、商品名「MODEL2010/Mプリズムカプラー」(Metricon社製)を使用し、25℃、波長589.3nm(ナトリウムのD線)で測定した。
調製例1
プラスチック微粒子(a-1)(商品名「エポスターL15」、(株)日本触媒製、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、屈折率:1.66、平均粒子径:11.3μm)0.85重量部をエタノール29.15重量部に混合し、分散させて、プラスチック微粒子(a-1)の分散液を調製した。そして、得られたプラスチック微粒子(a-1)の分散液と、銀ナノワイヤ(平均太さ:115nm、長さ:20〜50μm、アルドリッチ社製)の分散液5.22重量部(銀ナノワイヤ含有量:0.15重量部)とを混合して混合液(1)を調製した。
混合液(1)を70℃で30分間加熱しながら撹拌することによって溶媒を除去して、導電性繊維被覆粒子(1)を得た。
尚、上記プラスチック微粒子(a-1)1個あたりの表面積は400.9μm2であり、銀ナノワイヤの1本当たりの投影面積は2.4μm2である。上記で仕込んだプラスチック微粒子(a-1)と銀ナノワイヤから、プラスチック微粒子(a-1)1個に対して35本の銀ナノワイヤが吸着していると考えられ、これよりプラスチック微粒子の表面積(総表面積)/銀ナノワイヤの投影面積(総投影面積)を算出すると、約100/4となる。
得られた導電性繊維被覆粒子(1)を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した(倍率:100,000)。その結果、図1に示すように、プラスチック微粒子の表面に銀ナノワイヤが吸着している(プラスチック微粒子の表面が銀ナノワイヤにより被覆されている)ことが確認された。
調製例2
プラスチック微粒子(a-1)をプラスチック微粒子(a-2)(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体から成る微粒子、商品名「SM10X−8JH」、積水化成品工業社(株)製、屈折率:1.565、平均粒子径:8.3μm、CV値:39、10%圧縮強度:2.4〜2.5kgf/mm2)に変更した以外は調製例1と同様にして混合液(2)を得た。
実施例1
硬化性化合物1を100重量部、光カチオン重合開始剤を2重量部、及び硬化遅延剤を0.4重量部混合してバインダー樹脂(1)を得た。
尚、得られたバインダー樹脂(1)に水銀ランプで紫外線を照射(照射量:1600mJ/cm2)し、その後、100℃で1時間加熱して得られた硬化物の屈折率は、1.7400であった。
調製例1で得られた導電性繊維被覆粒子(1)とバインダー樹脂(1)を混合して、硬化性組成物(1)を得た。
得られた硬化性組成物(1)の分散性(導電性繊維被覆粒子の沈降抑制性)を、下記方法により評価した。
得られた硬化性組成物(1)について、2mLを試験管(試験管サイズ:管径1cm×高さ2.5cm)に採取して、25℃、1気圧環境下において静置し、含有する導電性繊維被覆粒子(1)が完全に沈降するまでの時間を測定して分散性を評価した。尚、導電性繊維被覆粒子(1)が完全に沈降した時点(終点)とは、バインダー樹脂が透明になったことを目視で確認することができた時点である。
得られた硬化性組成物(1)を、2枚の導電性ガラス基板(Luminescence Technology 社製、サイズ:25mm×25mm、ITO厚み:0.14μm)の間に挟み、水銀ランプで紫外線を照射(照射量:1600mJ/cm2)した。その後、100℃で1時間加熱して、導電性ガラス基板/硬化物(1)/導電性ガラス基板積層体を得た[硬化物(1)の膜厚:10μm]。
得られた導電性ガラス基板/硬化物(1)/導電性ガラス基板積層体について、25℃、1気圧環境下において、エレクトロンメーター(品番「ALS/「H」CH Instruments Electrochemical Analyzer Model 600A」、ピー・エス・エス社製)を用いて、電圧(V)と電気抵抗率(Ω・m)を求めて導電性を評価した。
また、硬化物(1)(膜厚:10μm)の450nmにおける全光線透過率を、分光光度計(商品名「U−3900H」、(株)日立製作所製)を用いて測定した。
更に、硬化物(1)のヘイズ(濁度:%)を濁度計(商品名「ヘーズメーター NDH 300A」、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
実施例2〜4、比較例1〜4
表1に記載の組成に変更した以外は実施例1と同様に行った。
実施例及び比較例で用いた化合物は、以下の通りである。
硬化性化合物1:ビス(4−ビニルチオフェニル)スルフィド、商品名「MPV」、住友精化(株)製
硬化性化合物2:9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、商品名「PG−100」、大阪ガスケミカル(株)製
硬化性化合物3:o−フェニルフェノールグリシジルエーテル、商品名「SY−OPG」、阪本薬品工業(株)製
硬化性化合物4:ビスフェノールFジグリシジルエーテル、商品名「YL−983U」、三菱化学(株)製
硬化性化合物5:(3,4,3’,4’−ジエポキシ)ビシクロヘキシル
粘度及び屈折率調整剤:ポリ(N−ビニルカルバゾール)、重量平均分子量:2000〜500000、商品名「PVK」、丸善石油化学(株)製
光カチオン重合開始剤:4−(4−ビフェニルチオ)フェニル−4−ビフェニルフェニルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
硬化遅延剤:ジメチルピラゾール、商品名「ケムキャッチP−9600」、大塚化学(株)製
ミクロパールAU:ジビニルベンゼンを主成分とする架橋重合体から成る粒子状物質の表面が金メッキされたもの、商品名「ミクロパールAU−2085」、積水化学工業(株)製、平均粒子径:8.5μm
1 リッド
2 ダム
3 ディスペンサー
4 硬化性組成物
5 基板
6 陰極
7 発光層
8 陽極

Claims (16)

  1. 粒子状物質と、該粒子状物質を被覆する繊維状の導電性物質とを含む導電性繊維被覆粒子(A)と、硬化することにより得られる硬化物の屈折率(25℃、波長589.3nmにおける)が1.6以上である樹脂(B)とを含む硬化性組成物。
  2. 樹脂(B)が、ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)、フルオレン骨格を含む化合物(b-2)、及びビフェニル骨格を含む化合物(b-3)から選択される少なくとも1種の硬化性化合物を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. ジフェニルスルフィド骨格を含む化合物(b-1)が下記式(1)で表される化合物である請求項2に記載の硬化性組成物。
    (式中、R1は反応性官能基を示す。R2はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシル基、保護基で保護されていてもよいヒドロキシアルキル基、保護基で保護されていてもよいアミノ基、保護基で保護されていてもよいカルボキシル基、保護基で保護されていてもよいスルホ基、ニトロ基、シアノ基、又は保護基で保護されていてもよいアシル基を示す。R3は単結合又は連結基を示す。mは0〜4の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。尚、2つのR1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。また、R2及びmが複数ある場合は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい)
  4. フルオレン骨格を含む化合物(b-2)が、下記式(2-1)及び/又は式(2-2)で表される化合物である請求項2又は3に記載の硬化性組成物。
    (式中、環Z1〜Z4は同一又は異なって、芳香族炭素環を示す。R4〜R7は同一又は異なって、ヒドロキシル基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、芳香族性環式基、及びこれらの2以上が単結合若しくは連結基を介して結合した基から選択される基を示し、R8、R9は同一又は異なって水素原子又はメチル基を示す。n1〜n4は同一又は異なって0以上の整数を示す)
  5. ビフェニル骨格を含む化合物(b-3)が、下記式(3-1)及び/又は式(3-2)で表される化合物である請求項2〜4の何れか1項に記載の硬化性組成物。
    (式中、R10、R11は同一又は異なって、2価の脂肪族炭化水素基、非芳香族性環式基、又は芳香族性環式基を示し、R12は水素原子又はメチル基を示す。n5、n6は同一又は異なって、0以上の整数を示す)
  6. 導電性繊維被覆粒子(A)を構成する繊維状の導電性物質が導電性ナノワイヤである請求項1〜5の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 導電性ナノワイヤが、金属ナノワイヤ、半導体ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ、及び導電性高分子ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも一種である請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. 導電性ナノワイヤが銀ナノワイヤである請求項6に記載の硬化性組成物。
  9. 導電性繊維被覆粒子(A)を構成する繊維状の導電性物質の平均直径が1〜400nmであり、平均長さが1〜100μmである請求項1〜8の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  10. 導電性繊維被覆粒子(A)を構成する粒子状物質の平均粒子径が0.1〜100μmである請求項1〜9の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 繊維状の導電性物質の含有量が、樹脂(B)100重量部に対して0.01〜1.0重量部である請求項1〜10の何れか1項に記載の硬化性組成物。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の硬化性組成物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子封止用導電性封止剤。
  13. 請求項1〜11の何れか1項に記載の硬化性組成物を含むトップ・エミッション型有機エレクトロルミネッセンス素子封止用導電性封止剤。
  14. 請求項1〜11の何れか1項に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
  15. 電気抵抗率(25℃、1気圧における)が0.1Ω・cm〜10MΩ・cmである請求項14に記載の硬化物。
  16. 有機エレクトロルミネッセンス素子が、請求項14又は15に記載の硬化物で封止されてなる有機エレクトロルミネッセンスデバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015194546A (ja) * 2014-03-31 2015-11-05 日東電工株式会社 光学部品用樹脂組成物およびそれを用いた光学部品
CN112250996A (zh) * 2020-10-19 2021-01-22 湖北大学 一种微纳米环氧树脂电子封装材料及其制备方法和应用

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