(実施の形態1)
図1は、本発明に係る実施の形態1の表示システム1の構成を示す模式図である。表示システム1は、ユーザが夫々用いるタブレット装置2,2,…と、タブレット装置2,2,…と通信可能な電子黒板3とを含んで構成される。実施の形態1では、タブレット装置2,2,…と電子黒板3とは無線通信できるが、USB接続によって有線通信できる構成であってもよい。
図2は、本発明に係る実施の形態1の表示システム1を構成するタブレット装置2の内部構成を示すブロック図である。
タブレット装置2は、制御部20と、一時記憶部21と、記憶部22と、受付部23と、画面表示部24と、通信部25とを備える。
制御部20は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用い、記憶部22に記憶されているタブレット装置用のプログラムを一時記憶部21に読み出して実行することにより、タブレット装置2を本発明に係る受付装置として動作させる。
一時記憶部21にはSRAM又はDRAM等のRAMを用いる。一時記憶部21には、上述のように読み出されるプログラムが記憶されると共に、制御部20の処理によって発生する情報及び後述するユーザに特定されたデータ等が記憶される。
記憶部22には、EEPROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部22には、タブレット装置用のプログラム及び制御部20が制御時に参照する条件等、タブレット装置2の機能を実現するためのプログラム及びデータが予め記憶されている。
受付部23は、後述するディスプレイ240に内蔵され、指又は操作用ペン等の指示具による操作を受け付けるタブレット230を有する。受付部23は、文字情報及び/又は図形情報等を含むデータと、これらのデータに対するタップ、ドラッグ、ドロップ、フリック等の操作とを受け付ける。なお、受付部23には図示しないマウス、又はキーボード等のポインティングデバイスが接続されており、それらのポインティングデバイスにて受け付けた操作に応じた信号を入力してもよい。受付部23は、本発明の受付装置の受付手段を構成する。
画面表示部24は、液晶パネル、又は有機EL等を用いるタッチパネル型のディスプレイ240を有する。画面表示部24は、制御部20の指示に応じて、ディスプレイ240に例えばデータを受け付けるための受付画面、受付部23が受け付けたデータ、及び操作に必要な画像等を表示する。
通信部25は、電子黒板3と無線通信を行うことができる。通信部25は、制御部20の指示に応じて、受付部23が受け付けて一時記憶部21に記憶されているデータを電子黒板3に送信する。通信部25は、本発明の送信手段を構成する。
図3は、本発明に係る実施の形態1の表示システム1を構成する電子黒板3の内部構成を示すブロック図である。電子黒板3は、制御部30と、一時記憶部31と、記憶部32と、受付部33と、表示部34と、通信部35と、位置検出部36とを備える。
制御部30は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用い、記憶部32に記憶されている電子黒板用のプログラムを一時記憶部31に読み出して実行することにより、電子黒板3を本発明に係る表示装置として動作させる。制御部30は、本発明の制御手段を構成する。
一時記憶部31にはSRAM又はDRAM等のRAMを用いる。一時記憶部31には、上述のように読み出されるプログラムが記憶されると共に、制御部30の処理によって発生する情報及びタブレット装置2が送信したデータ等が記憶される。
記憶部32には、EEPROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部32には、電子黒板用のプログラム及び制御部30が制御時に参照する条件等、電子黒板3の機能を実現するためのプログラム及びデータが予め記憶されている。
受付部33は、後述するディスプレイ340に内蔵され、指又は操作用ペン等の指示具による操作を受け付けるタブレット330を有する。受付部33は、後述するディスプレイ340の表示画面上に行われたタップ、ドラッグ、ドロップ、フリック等の操作を受け付ける。
表示部34は、液晶パネル、又は有機EL等を用いるタッチパネル型のディスプレイ340を有する。表示部34は、制御部30の指示に応じて、ディスプレイ340にタブレット装置2が送信したデータ及び操作に必要な画像等を表示する。
通信部35は、タブレット装置2と無線通信を行うことができる。通信部35は、制御部30の指示に応じて、タブレット装置2が送信したデータを受信する。通信部35は、本発明の受信手段を構成する。
位置検出部36は、制御部30の指示に応じて、ユーザが表示画面上の任意の位置をタッチしたときに、タッチ位置の座標を検出して、制御部30に通知する。位置検出部36は、本発明の表示装置の位置検出手段を構成する。
図4及び図5は本発明に係る実施の形態1の表示システム1で付箋を貼り付ける操作を説明するための概念図である。
図4において、電子黒板3がデータAだけを受信した場合が示されている。タブレット装置2では、ユーザは、画面表示部24に表示された受付画面にデータAを入力した後、指でデータAに対して例えばタップ操作を2回行うことにより、データAを特定する。この場合、特定されたデータAは一時記憶部21に記憶される。次に、ユーザは指でデータAをディスプレイ240の外側へドラッグする。データAがディスプレイ240の縁までドラッグされた場合、データAは電子黒板3へ送信される。
電子黒板3では、タブレット装置2から送信されたデータAが通信部35により受信され、一時記憶部31に記憶される。ユーザは、指で電子黒板3の表示画面上の所望の位置をタッチすることにより、データAが表示される位置を指定する。一時記憶部31に記憶されたデータAは、ユーザがタッチした瞬間に、付箋の形で電子黒板3の表示画面上のタッチ位置に表示される。このように、ユーザは、タップ、ドラッグ及びタッチという一連の簡単な操作により、タブレット装置2側のデータAを直感的且つ自然に電子黒板3側に貼り付けることができる。
図5において、電子黒板3が複数のデータを受信した場合が示されている。ユーザのタブレット装置2でデータCを入力して送信する操作は図4の場合と同様であり、ここでは省略する。電子黒板3には、タブレット装置2が送信したデータCが通信部35により受信され、一時記憶部31に記憶される。一時記憶部31には、データCだけでなく、先に受信したデータA及びデータBが記憶されている。ユーザは、指で電子黒板3の表示画面上の所望の位置をタッチすることにより、データAが表示される位置を指定する。一時記憶部31に記憶されているデータA、データB、及びデータCは、ユーザがタッチした瞬間に、付箋の形で電子黒板3の表示画面上のタッチ位置に放射状に表示される。この場合、ユーザは指をデータCの方向へスライドすることにより、データCを示す付箋を選択する。選択されたデータCを示す付箋はタッチ位置に表示されるが、データA及びデータBを示す付箋は消える。なお、複数の付箋がタッチ位置に放射状に表示された場合、ユーザが指を表示画面から離すと、表示されているデータA、データB、及びデータCが示す付箋は消える。その後、ユーザが指で再度タッチ又は長押すると、消えたデータA、データB、及びデータCが示す付箋は、再度タッチ又は長押した位置に表示される。
図6は本発明に係る実施の形態1のタブレット装置2での送信処理の処理手順を示すフローチャートである。ユーザがデータの受付を指示した場合、この処理が開始される。
制御部20は、ユーザの指示に応じて、受付画面の表示を画面表示部24に指示する(ステップS1)。画面表示部24は制御部20の指示に応じて受付画面を表示する。
制御部20は、受付部23がユーザに入力されたデータを受け付けた場合、受け付けたデータの表示を画面表示部24に指示する(ステップS2)。画面表示部24は制御部20の指示に応じて受付部23が受け付けたデータを表示する。
制御部20は、画面表示部24に表示されているデータに対するタップ操作があったか否かを判定する(ステップS3)。タップ操作がないと判定した場合(ステップS3:NO)、制御部20は、タップ操作があるまでステップS3を繰り返す。タップ操作があったと判定した場合(ステップS3:YES)、制御部20は、タップ操作の回数が2回であるか否かを判定する(ステップS4)。タップ操作の回数が2回ではないと判定した場合(ステップS4:NO)、制御部20は処理を終了させる。タップ操作の回数が2回であると判定した場合(ステップS4:YES)、制御部20は、2回タップされたデータを一時記憶部21に記憶する(ステップS5)。
制御部20は、データがディスプレイ240の縁までドラッグされたか否かを判定する(ステップS6)。データがディスプレイ240の縁までドラッグされたと判定した場合(ステップS6:YES)、制御部20は、送信先の電子黒板3があるか否かを判定する(ステップS7)。
送信先の電子黒板3があると判定した場合(ステップS7:YES)、制御部20は、データの送信を通信部25に指示し(ステップS8)、処理を終了させる。通信部25は、制御部20の指示に応じて、ステップS5にて記憶したデータを電子黒板3に送信する。
なお、データがディスプレイ240の縁までドラッグされなかったと判定した場合(ステップS6:NO)、又は、送信先の電子黒板3がないと判定した場合(ステップS7:NO)、制御部20は、画面表示部24にエラーの表示を指示し(ステップS9)、処理を終了させる。画面表示部24は制御部20の指示に応じてエラーに係る情報を表示する。
図7は本発明に係る実施の形態1の電子黒板3での表示処理の処理手順を示すフローチャートである。通信部35がタブレット装置2からデータを受信した場合、この処理が開始される。
制御部30は、通信部35により受信されたデータを一時記憶部31に記憶する(ステップS20)。制御部30は、電子黒板3の表示画面上の任意位置に対する指によるタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS21)。タッチ操作がないと判定した場合(ステップS21:NO)、制御部30は、タッチ操作があるまでステップS21を繰り返す。
タッチ操作があったと判定した場合(ステップS21:YES)、制御部30は、表示画面上のタッチ位置の検出を位置検出部36に指示する(ステップS22)。位置検出部36は、制御部30の指示に応じて、タッチ位置の座標を検出する。
制御部30は、一時記憶部31に記憶されているデータの数が単数であるか否かを判定する(ステップS23)。データの数が単数であると判定した場合(ステップS23:YES)、制御部30は、タッチ位置にデータを表示する旨を表示部34に指示する(ステップS24)。表示部34は、制御部30の指示に応じて、ステップS22にて検出した座標に基づいて、一時記憶部31に記憶されているデータをタッチ位置に表示する。
データの数が単数ではない、つまり、データの数が複数であると判定した場合(ステップS23:NO)、制御部30は、タッチ位置に全てのデータを放射状に表示する旨を表示部34に指示する(ステップS25)。表示部34は制御部30の指示に応じて、ステップS22にて検出した座標に基づいて、一時記憶部31に記憶されている全てのデータを放射状にタッチ位置に表示する。
制御部30は、指が表示画面から離れたか否かを判定する(ステップS26)。指が表示画面から離れたと判定した場合(ステップS26:YES)、制御部30は処理をステップS21に戻す。
指が表示画面から離れていないと判定した場合(ステップS26:NO)、制御部30は、指が表示画面上をスライドしたか否かを判定する(ステップS27)。指が表示画面上をスライドしていないと判定した場合(ステップS27:NO)、制御部30は処理をステップS26に戻す。
指が表示画面上をスライドしたと判定した場合(ステップS27:YES)、制御部30は、スライド方向に表示されているデータを選択データとして表示する旨を表示部34に指示し(ステップS28)、処理を終了させる。表示部34は、制御部30の指示に応じて、ステップS22にて検出した座標に基づいて、選択データのみをタッチ位置に表示する。
実施の形態1では、1台のタブレット装置2で作成したデータを電子黒板3に表示する場合について説明したが、本発明は、複数台のタブレット装置2、2、…で夫々に作成したデータを電子黒板3に表示する場合にも適用される。
また、複数台のタブレット装置2、2、…で夫々に作成したデータを電子黒板3に送信する場合、電子黒板3は、送信したタブレット装置2によってデータの表示形態を異ならせるように構成されてもよい。例えば、タブレット装置2の通信部25は、ユーザに特定されたデータ及び当該タブレット装置2のID情報を電子黒板3に送信する。電子黒板3では、通信部35は、タブレット装置2から送信されたデータ及びタブレット装置2のID情報を受信する。制御部30は、受信されたデータ及びタブレット装置2のID情報を対応付けて一時記憶部31に記憶する。一時記憶部31に複数のタブレット装置2が送信したデータが記憶されている場合、ユーザが電子黒板3の表示画面をタッチしたときに、制御部30は、複数のデータに対応するID情報に基づいて、異なるタブレット装置2からのデータを異なる色で表示させる。
実施の形態1のタブレット装置2では、データがディスプレイ240の縁までドラッグされた場合に、データを電子黒板3へ送信するように構成されたが、ユーザの送信操作として、前述したドラッグ操作に限らず、データをディスプレイ240の外側へフリックする操作であってもよいし、データをディスプレイ240の特定領域に移動する操作であってもよいし、予め設定された他の操作であってもよい。
また、実施の形態1では、表示されているデータは2回タップされた場合に特定されるが、特定操作として、前述した2回のタップ操作に限らず、任意回数のタップ操作であってもよいし、予め設定された他の操作であってもよい。また、実施の形態1では、ユーザが指で操作する場合について説明するが、操作用ペン等の指示具で操作する場合も同様である。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1において識別情報を内蔵した操作用ペンで操作する形態である。なお、以降の説明において、実施の形態1と同様の構成については、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
図8は本発明に係る実施の形態2の表示システム1を構成する操作用ペン4の構成を示すブロック図である。操作用ペン4は、無線タグと呼ばれるRFID装置40を内蔵する。このRFID装置40は、内部に操作用ペン4の識別情報を記憶し、受信した電波によって電圧を発生し、これによって記憶した識別情報を送信する。
ユーザが操作用ペン4でタブレット装置2を操作してデータの送信を指示した場合、タブレット装置2では、受付部23で操作用ペン4の送信操作を受け付け、通信部25を介して、RFID装置40に電波を送信して識別情報を読み取るためのRFID無線データ通信を行って、操作用ペン4の識別情報を取得する。通信部25は、取得した識別情報とユーザに特定されたデータとを電子黒板3に送信する。
電子黒板3では、通信部35は、タブレット装置2が送信した識別情報とデータとを受信する。制御部30は、受信した識別情報とデータとを対応付けて一時記憶部31に記憶される。ユーザが操作用ペン4で電子黒板3の表示画面上の任意の位置をタッチしたときに、通信部35は、RFID装置40に電波を送信して識別情報を読み取るためのRFID無線データ通信を行って、操作用ペン4の識別情報を取得する。制御部30は、一時記憶部31に記憶されているデータのうち、取得された識別情報に対応するデータをタッチ位置に表示させる。
図9は本発明に係る実施の形態2のタブレット装置2での送信処理の処理手順を示すフローチャートである。ユーザがデータの受付を指示した場合、この処理が開始される。
制御部20は、ユーザの指示に応じて、受付画面の表示を画面表示部24に指示する(ステップS41)。画面表示部24は制御部20の指示に応じて受付画面を表示する。
制御部20は、受付部23がユーザに入力されたデータを受け付けた場合、受け付けたデータの表示を画面表示部24に指示する(ステップS42)。画面表示部24は制御部20の指示に応じて受付部23が受け付けたデータを表示する。
制御部20は、画面表示部24に表示されているデータに対するタップ操作があったか否かを判定する(ステップS43)。タップ操作がないと判定した場合(ステップS43:NO)、制御部20は、タップ操作があるまでステップS43を繰り返す。
タップ操作があったと判定した場合(ステップS43:YES)、制御部20は、タップ操作の回数が2回であるか否かを判定する(ステップS44)。タップ操作の回数が2回ではないと判定した場合(ステップS44:NO)、制御部20は処理を終了させる。タップ操作の回数が2回であると判定した場合(ステップS44:YES)、制御部20は、2回タップされたデータを一時記憶部21に記憶する(ステップS45)。
制御部20は、データがディスプレイ240の縁までドラッグされたか否かを判定する(ステップS46)。データがディスプレイ240の縁までドラッグされたと判定した場合(ステップS46:YES)、制御部20は、操作用ペン4の識別情報を取得する(ステップS47)。
制御部20は、送信先の電子黒板3があるか否かを判定する(ステップS48)。送信先の電子黒板3があると判定した場合(ステップS48:YES)、制御部20は、データと識別情報との送信を通信部25に指示し(ステップS49)、処理を終了させる。通信部25は、制御部20の指示に応じて、ステップS45にて記憶したデータ及びステップS47にて取得した識別情報を電子黒板3に送信する。
なお、データがディスプレイ240の縁までドラッグされなかったと判定した場合(ステップS46:NO)、又は、送信先の電子黒板3がないと判定した場合(ステップS48:NO)、制御部20は、画面表示部24にエラーの表示を指示し(ステップS50)、処理を終了させる。画面表示部24は制御部20の指示に応じてエラーに係る情報を表示する。
図10は本発明に係る実施の形態2の電子黒板3での表示処理の処理手順を示すフローチャートである。通信部35がタブレット装置2からデータ及び識別情報を受信した場合、この処理が開始される。
制御部30は、受信されたデータ及び識別情報を対応付けて一時記憶部31に記憶する(ステップS60)。制御部30は、電子黒板3の表示画面上の任意位置に対する指示具によるタッチ操作があったか否かを判定する(ステップS61)。制御部30は、タッチ操作がないと判定した場合(ステップS61:NO)、タッチ操作があるまでステップS61を繰り返す。
制御部30は、タッチ操作があったと判定した場合(ステップS61:YES)、表示画面上のタッチ位置の検出を位置検出部36に指示する(ステップS62)。位置検出部36は、制御部30の指示に応じて、タッチ位置の座標を検出する。
制御部30は、操作用ペン4の識別情報を取得し(ステップS63)、一時記憶部31に記憶されているデータのうち、ステップS63にて取得した識別情報に対応するデータの数が単数であるか否かを判定する(ステップS64)。制御部30は、データの数が単数であると判定した場合(ステップS64:YES)、タッチ位置にデータを表示する旨を表示部34に指示する(ステップS65)。表示部34は、制御部30の指示に応じて、ステップS62にて検出した座標に基づいて、一時記憶部31に記憶されているデータのうち、ステップS63にて取得した識別情報に対応するデータをタッチ位置に表示する。
制御部30は、データの数が単数ではない、つまり、データの数が複数であると判定した場合(ステップS64:NO)、取得した識別情報に対応する全てのデータを放射状にタッチ位置に表示する旨を表示部34に指示する(ステップS66)。表示部34は制御部30の指示に応じて、ステップS62にて検出した座標に基づいて、一時記憶部31に記憶されているデータのうち、ステップS63にて取得した識別情報に対応する全てのデータを放射状にタッチ位置に表示する。
制御部30は、操作用ペン4が表示画面から離れたか否かを判定する(ステップS67)。制御部30は、操作用ペン4が表示画面から離れたと判定した場合(ステップS67:YES)、処理をステップS61に戻す。
制御部30は、操作用ペン4が表示画面から離れていないと判定した場合(ステップS67:NO)、操作用ペン4が表示画面上をスライドしたか否かを判定する(ステップS68)。制御部30は、操作用ペン4が表示画面上をスライドしていないと判定した場合(ステップS68:NO)、処理をステップS67に戻す。
制御部30は、操作用ペン4が表示画面上をスライドしたと判定した場合(ステップS68:YES)、スライド方向に沿って表示されているデータを選択データとして表示する旨を表示部34に指示し(ステップS69)、処理を終了させる。表示部34は、制御部30の指示に応じて、ステップS62にて検出した座標に基づいて、選択データのみをタッチ位置に表示する。
このように、電子黒板3では、操作用ペン4の識別情報に基づいてデータを表示するため、ユーザが複数人いる場合、各ユーザの操作用ペン4,4,…の識別情報を異ならせることにより、ユーザが操作用ペン4でタッチすると、当該ユーザのデータのみを表示することができる。
実施の形態2では、タブレット装置2での送信処理において、操作用ペン4の識別情報を取得する処理は、データがディスプレイ240の縁までドラッグされた場合に実行されたが、これに限らず、データ及び識別情報を送信する前に実行されればよい。また、電子黒板3での表示処理において、操作用ペン4の識別情報を取得する処理は、タッチ位置を検出した後に実行されたが、タッチ位置を検出する前に実行されてもよい。さらに、実施の形態2では、RFID装置を利用して操作用ペン4とタブレット装置2及び電子黒板3との通信を行ったが、RFID装置に限らず、例えば赤外線などの他の手段を利用して操作用ペン4とタブレット装置2及び電子黒板3との通信を行ってもよい。
(実施の形態3)
図11は、本発明に係る実施の形態3の表示システム1を構成するタブレット装置5の内部構成を示すブロック図である。
タブレット装置5は、制御部50と、一時記憶部51と、記憶部52と、受付部53と、画面表示部54と、通信部55と、位置検出部56とを備える。
制御部50は、CPU又はMPU等の演算処理装置を用い、記憶部52に記憶されているタブレット装置用のプログラムを一時記憶部51に読み出して実行することにより、表示システムのタブレット装置5を本発明に係る受付装置として動作させる。
一時記憶部51にはSRAM又はDRAM等のRAMを用いる。一時記憶部51には、上述のように読み出されるプログラムが記憶されると共に、制御部50の処理によって発生する情報が記憶される。
記憶部52には、EEPROM又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部52には、タブレット装置用のプログラム及び制御部50が制御時に参照する条件等、タブレット装置5の機能を実現するためのプログラム及びデータが予め記憶されている。
受付部53には、後述するディスプレイ540上に内蔵され、操作用ペン又は指等の指示具による操作を受け付けるタブレット530を有する。受付部53は、文字情報及び/又は図形情報等を含むデータと、これらのデータに対するタップ、ドラッグ、ドロップ、フリック等の操作とを受け付ける。なお、受付部53には図示しないマウス、又はキーボード等のポインティングデバイスが接続されており、それらのポインティングデバイスにて受け付けた操作に応じた信号を入力してもよい。受付部53は、本発明の受付装置の受付手段を構成する。
画面表示部54には、液晶パネル、又は有機EL等を用いるタッチパネル型のディスプレイ540を有する。画面表示部54は、制御部50の指示に応じて、ディスプレイ540に、例えば、データを受け付けるための受付画面、受付部53が受け付けたデータ、電子黒板3の表示画面、及び操作に必要な画像等を表示する。
図12は、本発明に係る実施の形態3の表示システム1を構成するタブレット装置5の表示画面を示す概念図である。ディスプレイ540上に、ユーザが入力したデータを受け付けるためのデータ受付領域541と、電子黒板3の表示画面を縮小して表示する画面表示領域542とが隣接して表示される。画面表示領域542において、電子黒板3の表示画面と同様にXY座標が設けられ、画面表示領域542の各位置のXY座標は、対応する電子黒板3の表示画面の各位置のXY座標に一致している。ユーザは、ドラッグ及びドロップ操作によって、データ受付領域541に表示されているデータを画面表示領域542に移動することができる。
位置検出部56は、制御部50の指示に応じて、データが画面表示領域542に移動された場合に、移動されたデータの画面表示領域542における位置の座標を検出して、制御部50に通知する。位置検出部56は、本発明の受付装置の位置検出手段を構成する。
通信部55は、電子黒板3と無線通信を行うことができる。通信部55は、制御部50に指示に応じて、画面表示領域542に移動されたデータと、位置検出部56が検出した位置の座標とを電子黒板3に送信する。通信部55は、本発明の送信手段を構成する。
図12を参照して、本発明に係る実施の形態3の表示システム1で付箋を貼り付ける操作について説明する。タブレット装置5では、ユーザは、データ受付領域541にデータDを入力した後、データ受付領域541に表示されているデータDを画面表示領域542へドラッグし、画面表示領域542の所望の位置にドロップする。この場合、画面表示領域542におけるデータDの位置の座標が検出され、データDとともに電子黒板3へ送信される。
図13は本発明に係る実施の形態3のタブレット装置5での送信処理の処理手順を示すフローチャートである。ユーザがデータの受付を指示した場合、この処理が開始される。
制御部50は、ユーザの指示に応じて、データ受付領域541及び画面表示領域542を含む画面の表示を画面表示部54に指示する(ステップS81)。画面表示部54は制御部50の指示に応じてデータ受付領域541及び画面表示領域542を表示する。
制御部50は、受付部53がユーザに入力されたデータを受け付けた場合、受け付けたデータの表示を画面表示部54に指示する(ステップS82)。画面表示部54は制御部50の指示に応じて受け付けたデータを表示する。
制御部50は、データ受付領域541に表示されているデータが画面表示領域542に移動されたか否かを判定する(ステップS83)。データ受付領域541に表示されているデータが画面表示領域542に移動されていないと判定した場合(ステップS83:NO)、制御部50は、データ受付領域541に表示されているデータが画面表示領域542に移動されるまで、ステップS83の処理を繰り返す。データ受付領域541に表示されているデータが画面表示領域542に移動されたと判定した場合(ステップS83:YES)、制御部50は、移動されたデータの画面表示領域542における位置の座標を検出する旨を位置検出部56に指示する(ステップS84)。位置検出部56は、制御部50の指示に応じて、移動されたデータの画面表示領域542における位置の座標を検出する。
制御部50は、送信先の電子黒板3があるか否かを判定する(ステップS85)。送信先の電子黒板3がないと判定した場合(ステップS85:NO)、制御部50は、画面表示部54にエラーの表示を指示し(ステップS86)、処理を終了させる。画面表示部54は制御部50の指示に応じてエラーに係る情報を表示する。
送信先の電子黒板3があると判定した場合(ステップS85:YES)、制御部50は、データ及び位置の座標の送信を通信部55に指示し(ステップS87)、処理を終了させる。通信部55は、制御部50の指示に応じて、データ及び座標を電子黒板3に送信する。
電子黒板3では、通信部35はタブレット装置5が送信したデータD及びその位置の座標を受信し、制御部30は、受信された位置の座標に基づいて、データDを付箋の形で表示画面に表示させる。これにより、ユーザは、タブレット装置5でのドラッグ及びドロップという簡単な操作のみにより、タブレット装置5側のデータDをリアルタイムに電子黒板3側に貼り付けることができる。
以上の実施の形態では、表示装置としては、大型ディスプレイが搭載された電子黒板3について説明したが、電子黒板に限らず、小型ディスプレイが搭載された携帯装置であってもよいし、任意サイズのディスプレイが搭載されたパソコンであってもよい。
本発明に係る表示システム(1)は、データを受け付ける受付装置(2、5)と、表示画面を有し、前記受付装置(2、5)と通信可能な表示装置(3)とを備える表示システム(1)であって、前記受付装置(2、5)は、受け付けたデータを表示する画面表示部(24、54)と、該画面表示部(24、54)に表示されているデータを前記表示装置(3)へ送信する送信手段(25、55)とを有し、前記表示装置(3)は、前記送信手段(25、55)が送信したデータを受信する受信手段(35)と、該受信手段(35)が受信したデータを前記表示画面上の指定された位置に表示させる制御手段(30)とを有することを特徴とする。
本発明において、表示システムのユーザは、簡単な操作で、受付装置の画面表示部に表示されているデータを、表示装置の表示画面の任意の位置に直接に貼り付けることができる。
本発明に係る表示システム(1)は、前記受付装置(2)は、前記画面表示部(24)に表示されているデータを特定する操作を受け付ける受付手段(23)を有し、前記送信手段(25)は、前記受付手段(23)が受け付けた特定操作により特定されたデータを前記表示装置(3)に送信するようにしてあることを特徴とする。
本発明において、表示システムのユーザは、受付装置側で特定したデータを、表示装置側に貼り付けることができる。
本発明に係る表示システム(1)は、前記表示装置(3)は、前記表示画面上の位置を指定する操作を受け付ける受付手段(33)と、該受付手段(33)が受け付けた指定操作に応じて、指定された位置を検出する位置検出手段(36)とを有し、前記制御手段(30)は、前記位置検出手段(36)が検出した位置に、前記受信手段(35)が受信したデータを表示させるようにしてあることを特徴とする。
本発明において、表示システムのユーザは、表示装置側の簡単な操作により、受付装置側のデータを直感的且つ自然に表示装置側の所望の位置に貼り付けることができる。
本発明に係る表示システム(1)は、前記受付装置(2)での送信及び前記表示装置(3)での位置の指定を指示する指示具(4)を一又は複数備え、前記制御手段(30)は、指示具(4)により指定された前記表示画面上の位置に、該指示具(4)の指示に応じて送信されたデータを表示させるようにしてあることを特徴とする。
本発明において、表示システムのユーザが複数人いる場合、ユーザは、指示具を利用して、自身が送信を指示したデータのみを表示装置に貼り付けることを可能にする。
本発明に係る表示システム(1)は、前記画面表示部(54)は、前記表示装置(3)の前記表示画面を表示するようにしてあり、前記受付装置(5)は、受け付けたデータを前記画面表示部(54)に表示された表示画面上まで移動する操作を受け付ける受付手段(53)と、該受付手段(53)が受け付けた移動操作に応じて、移動されたデータの前記画面表示部(54)に表示された表示画面上の位置を検出する位置検出手段(56)とを有し、前記送信手段(55)は、前記移動されたデータ及び前記位置検出手段(56)が検出した位置に係る情報を前記表示装置(3)へ送信するようにしてあり、前記受信手段(35)は、前記送信手段(55)が送信したデータ及び位置に係る情報を受信するようにしてあり、前記制御手段(30)は、前記受信手段(35)が受信した位置に係る情報に基づいて、前記受信手段(35)が受信したデータを表示させるようにしてあることを特徴する。
本発明において、表示システムのユーザは、受付装置側の簡単な操作のみにより、受付装置側のデータをリアルタイムに表示装置側に貼り付けることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。