JP2015131508A - 車両用バンパ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩行者の脚部保護性能を確保しつつ、歩行者との衝突をより確実に検出することができる車両用バンパ構造を得る。
【解決手段】車両用バンパ構造S1を備えたフロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両下部側及び車両前方側に車両幅方向に沿って配置されると共に、押圧することで出力が変化する圧力チューブ18を有している。フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両前方側にアブソーバ20を有しており、バンパリインフォースメント14とアブソーバ20との間に圧力チューブ18が配置されている。アブソーバ20の下部側には、前面が一般面20Bから車両前方側に突出する突部24が形成されている。アブソーバ20の圧力チューブ18よりも上部側には、車両側断面視にて上面20Cから車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた傾斜部26が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用バンパ構造に関する。
下記特許文献1には、車両幅方向に沿ってバンパリインフォースメントの前面と発泡樹脂製のアブソーバとの間に圧力チューブを配置し、圧力チューブの車両幅方向両端に圧力センサを接続した構造が開示されている。この構造では、歩行者と車両との衝突時に圧力チューブの変形に伴う圧力変化を圧力センサによって検出することで、歩行者との衝突を判別している。なお、歩行者衝突検知センサを備えた構造として、特許文献2、3に記載されたものがある。
国際公開第2012/113362号 特開2007−216804号公報 特開2007−118830号公報
上記特許文献1に記載の構造では、車両の衝突時における歩行者の脚部保護を考慮した場合、アブソーバは極力車両上下方向の下方へ配置する必要がある。それ故、圧力チューブに対して歩行者の重心が車両上下方向の上方に位置しているため、衝突時に歩行者がフード上へ倒れ込むような回転モードとなり、圧力チューブには荷重が伝達し難い。反面、アブソーバを弱体化すると、圧力センサの感度が上がり、検出したくないロードサイドマーカーなどの路上障害物でも出力が発生して圧力センサが衝突を検出してしまうことが考えられる。
本発明は,上記事実を考慮し、歩行者の脚部保護性能を確保しつつ、歩行者との衝突をより確実に検出することができる車両用バンパ構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る車両用バンパ構造は、車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両上下方向の下部側に設けられ、前記バンパリインフォースメントの車両前方側に車両幅方向に沿って配置されると共に、押圧することで出力が変化する歩行者衝突検出センサと、前記バンパリインフォースメントの車両前方側に設けられ、前記バンパリインフォースメントとの間に前記歩行者衝突検出センサを介在した状態で配置されるアブソーバと、前記アブソーバにおける車両上下方向の下部側に形成され、車両前後方向の前面が一般面から車両前方側に突出する突部と、前記アブソーバにおける前記歩行者衝突検出センサよりも車両上下方向の上部側に形成され、車両側断面視にて車両上下方向の上面から車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた切り欠き部と、を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバにおける前記突部と前記一般面との境界領域に、車両幅方向に沿って配置され、かつ車両後方側に凹状に窪んだ凹状部が形成されている。
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバの車両前方側に配置されるバンパカバーは、車両幅方向外側のバンパコーナー部で、車両側断面視にて車両後方側及び車両上方側に向かって湾曲した形状とされており、前記バンパコーナー部で、前記アブソーバに前記凹状部が設けられると共に、前記アブソーバにおける車両上方の前記一般面は、前記バンパカバーの形状に沿って車両後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した形状とされている。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバの一部に硬さの異なる領域が設定されている。
請求項5の発明は、請求項4に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバの一部に異なる発泡倍率の部位が設けられている。
請求項6の発明は、請求項4又は請求項5に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバには、前記歩行者衝突検出センサの車両下方側に車両前後方向に沿って硬い部位が設けられている。
請求項7の発明は、請求項4又は請求項5に記載の車両用バンパ構造において、前記アブソーバには、前記歩行者衝突検出センサの車両前方側に硬い部位が設けられている。
請求項1記載の本発明によれば、車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両上下方向の下部側には、バンパリインフォースメントの車両前方側に車両幅方向に沿って歩行者衝突検出センサが配置されている。バンパリインフォースメントの車両前方側にはアブソーバが設けられており、アブソーバとバンパリインフォースメントとの間に歩行者衝突検出センサが介在されている。アブソーバには、車両上下方向の下部側に、車両前後方向の前面が一般面から車両前方側に突出する突部が形成されている。この構造では、アブソーバの下部側に突部が形成されていることで、歩行者の脚部保護性能を確保することができる。
また、アブソーバには、歩行者衝突検出センサよりも車両上下方向の上部側に、車両側断面視にて車両上下方向の上面から車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた切り欠き部が設けられている。これにより、歩行者が車両との衝突時にフード側に倒れ込んだ際に、アブソーバの切り欠き部に沿った方向に荷重が伝達されることで、歩行者衝突検出センサへより確実に荷重を伝達することができる。このため、押圧することで出力が変化する歩行者衝突検出センサによって、歩行者との衝突をより確実に検出することができる。また、ロードサイドマーカーなどの路上障害物と車両との衝突時には、アブソーバの下部側の突部で路上障害物を押し倒すことで、歩行者衝突検出センサへの荷重の伝達を減少させることができる。このため、路上障害物との衝突時に、歩行者衝突検出センサにより衝突が検出されることを抑制することができる。
請求項2記載の本発明によれば、アブソーバにおける突部と一般面との境界領域に、車両幅方向に沿って配置され、かつ車両後方側に凹状に窪んだ凹状部が形成されている。これにより、歩行者と車両との衝突時には、アブソーバの凹状部より上部側で荷重を受けて衝突検出センサに荷重を伝達する。また、路上障害物と車両との衝突時には、アブソーバの凹状部より下部側で荷重を受けるため、歩行者衝突検出センサに荷重が伝達されにくい。このため、歩行者衝突検出センサによる歩行者と路上障害物の判別がより確実となる。
請求項3記載の本発明によれば、アブソーバの車両前方側のバンパカバーは、バンパコーナー部で車両側断面視にて車両後方側及び車両上方側に向かって湾曲した形状とされている。また、バンパコーナー部では、アブソーバに凹状部が設けられると共に、アブソーバにおける車両上方の一般面は、バンパカバーの形状に沿って車両後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した形状とされている。これによって、歩行者との衝突時にアブソーバの一般面の側で荷重を受け、路上障害物との衝突時にアブソーバの凹状部より下部側で荷重を受けることができ、バンパコーナー部での歩行者と路上障害物の衝突判別性能を向上させることができる。
請求項4記載の本発明によれば、アブソーバの一部に硬さの異なる領域が設定されている。これにより、簡単な構成で、より効果的に衝突検出センサに荷重を伝達することが可能となる。
請求項5記載の本発明によれば、アブソーバの一部に異なる発泡倍率の部位が設けられている。これにより、簡単な構成で、より効果的に衝突検出センサに荷重を伝達することが可能となると共に、アブソーバを容易に製造することができる。
請求項6記載の本発明によれば、アブソーバには、歩行者衝突検出センサの車両下方側に車両前後方向に沿って硬い部位が設けられている。これにより、アブソーバの硬い部位より上部側の部位と、硬い部位より下部側の部位とで、荷重の伝達範囲を分けることができる。
請求項7記載の本発明によれば、アブソーバには、前記歩行者衝突検出センサの車両前方側に硬い部位が設けられている。これにより、歩行者と車両との衝突時に、アブソーバの硬い部位で歩行者衝突検出センサを押圧することができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、歩行者の脚部保護性能を確保しつつ、歩行者との衝突をより確実に検出することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、歩行者衝突検出センサによる衝突判別性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、バンパコーナー部で歩行者衝突検出センサによる衝突判別性能を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、簡単な構成で、より効果的に衝突検出センサに荷重を伝達することができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、簡単な構成で、より効果的に衝突検出センサに荷重を伝達することができると共に、製造が容易であるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、アブソーバの硬い部位の上部側と下部側で荷重の伝達範囲を分けることができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る車両用バンパ構造は、アブソーバの硬い部位で歩行者衝突検出センサを押圧することができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用バンパ構造が適用された車両の前部の車両幅方向中央部を示す側断面図である。 図1に示すフロントバンパが歩行者の脚部を模擬した衝突体に衝突した状態を模式的に示す側断面図である。 図1に示すフロントバンパが路上障害物に衝突した状態を模式的に示す側断面図である。 第2実施形態に係る車両用バンパ構造に用いられるアブソーバを示す斜視図である。 第3実施形態に係る車両用バンパ構造が適用された車両の前部のバンパコーナー部を示す側断面図である。 第4実施形態に係る車両用バンパ構造の一部を拡大した状態で示す側断面図である。 第5実施形態に係る車両用バンパ構造の一部を拡大した状態で示す側断面図である。 第6実施形態に係る車両用バンパ構造の一部を拡大した状態で示す側断面図である。 第7実施形態に係る車両用バンパ構造の一部を拡大した状態で示す側断面図である。 第8実施形態に係る車両用バンパ構造の一部を拡大した状態で示す側断面図である。 (A)は、比較例に係る車両用バンパ構造が適用されたフロントバンパが歩行者の脚部を模擬した衝突体に衝突した状態を模式的に示す側断面図であり、(B)は、比較例に係る車両用バンパ構造が適用されたフロントバンパが路上障害物に衝突した状態を模式的に示す側断面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図3を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第1実施形態について説明する。なお、図面において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。
図1には、本実施形態に係る車両用バンパ構造が適用された車両の前部の車両幅方向中央部が側断面図にて示されている。この図に示されるように、自動車の車両10の前部には、本実施形態の車両用バンパ構造S1が適用されたフロントバンパ12が設けられている。
フロントバンパ12は、バンパ骨格部材であるバンパリインフォースメント14を備えている。このバンパリインフォースメント14は、例えば鉄系やアルミニウム系等の金属材料により製作されて、車両幅方向に沿って延在される骨格部材として構成されている。バンパリインフォースメント14は、車体側の骨格部材を構成する左右一対のフロントサイドメンバ(図示省略)の前端部間に架け渡されている。また、図示を省略するが、バンパリインフォースメント14の車両幅方向両側部分は、平面視で車両幅方向両側へ向かうにしたがって車両後側へ傾斜されている。
フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両前方側に配置される歩行者衝突検出センサとしての圧力チューブ18を備えている。また、フロントバンパ12は、バンパリインフォースメント14の車両前方側に配置されるアブソーバ20を備えており、アブソーバ20とバンパリインフォースメント14との間に圧力チューブ18が介在されている。
圧力チューブ18は、バンパリインフォースメント14の前面14Aの車両上下方向の下部側(下半分の部位の一部と対応する位置)に設けられている。圧力チューブ18は、略長尺状とされ、車両幅方向を長手方向として配置されている。圧力チューブ18は、樹脂材により形成され、断面が略円筒状の中空構造体として構成されている。圧力チューブ18は、外側から押圧することで潰れ変形可能とされている。
アブソーバ20の車両前後方向後側の後面部20Aには、車両前方側に窪んだ溝部22が形成されている。アブソーバ20の溝部22は、略車両幅方向に沿って配置されている。アブソーバ20の溝部22に圧力チューブ18が挿入された状態で、アブソーバ20の後面部20Aがバンパリインフォースメント14の前面14Aに取り付けられている。図示を省略するが、本実施形態では、アブソーバ20の後面部20Aの車両幅方向両端部に設けられた突起部が、バンパリインフォースメント14の前面14Aの車両幅方向両端部に設けられた凹部に係合されることで、アブソーバ20の後面部20Aがバンパリインフォースメント14の前面14Aに接触した状態で固定されている。なお、アブソーバ20のバンパリインフォースメント14への取り付け構造は、これに限定されるものではなく、変更が可能である。
圧力チューブ18の車両幅方向両端部には、歩行者衝突検出センサの一部を構成する圧力センサ(図示省略)が接続されている。圧力チューブ18が押圧により変形することで、圧力チューブ18内の圧力変化に応じた信号が圧力センサから衝突判定部としてのECU(図示省略)へ出力されるようになっている。ECUは、圧力センサの出力信号に基づいて、衝突荷重を算出するようになっている。また、ECUには、衝突速度センサ(図示省略)が電気的に接続されている。この衝突速度センサは、衝突体との衝突速度に応じた信号をECUに出力して、ECUが、衝突速度センサの出力信号に基づいて、衝突速度を算出するようになっている。そして、ECUは、算出された衝突荷重及び衝突速度から衝突体の有効質量を求めると共に、有効質量が閾値を超えるか否かを判断して、フロントバンパ12への衝突体が歩行者であるのか路上障害物(例えば、ロードサイドマーカーやポストコーン等)であるのかを判定するようになっている。本実施形態では、有効質量が閾値を超え、衝突体が歩行者であると判定される場合を、便宜的に「圧力センサがON状態とされる」と表現する。また、有効質量が閾値を超えない場合を、便宜的に「圧力センサがOFF状態とされる」と表現する。
アブソーバ20には、車両上下方向の下部側に、車両前後方向の前面が一般面20Bから車両前方側に突出した突部24が形成されている。ここで、一般面20Bは、アブソーバ20の前面の車両上下方向中間部から上部側の主要部を構成している部分である。車両側断面視にてアブソーバ20は、一般面20Bと突部24の前面とに前後方向差を設ける構成とされている。突部24は、車両側断面視にて圧力チューブ18の位置(溝部22の位置)よりも車両上下方向の下方に設けられている。
さらに、アブソーバ20には、圧力チューブ18よりも車両上下方向の上部側に、車両側断面視にて車両上下方向の上面20Cから車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた切り欠き部としての傾斜部26が形成されている。言い替えると、傾斜部26は、アブソーバ20の前部の上面20Cから車両後方側に向かうにしたがって、アブソーバ20の下面20Dから上端までの長さが徐々に短くなるように形成されている。本実施形態では、アブソーバ20の下面20Dは、車両前後方向にほぼ水平(僅かに車両後方の斜め下方に傾斜している)に配置されており、アブソーバ20の上端部の位置(高さ)が変化している。より具体的には、傾斜部26は、アブソーバ20の前部の上面20Cから車両後方側へ向けて斜め下方に傾斜した傾斜面とされている。
アブソーバ20の傾斜部26の後端部は、溝部22の上方側の後面部20A付近に延びている。これにより、アブソーバ20の後面部20Aにおけるバンパリインフォースメント14の前面14Aとの接触面積は、圧力チューブ18の上方側よりも圧力チューブ18の下方側が大きくなる構成とされている。アブソーバ20は、発泡樹脂材により形成されており、例えば、ウレタンフォーム等が用いられている。
アブソーバ20の下部側に車両前方側に突出した突部24を設けることで、歩行者の脚部や路上障害物との衝突時には、アブソーバ20の下部で荷重を受けるようになっている。また、歩行者と車両10との衝突時に、歩行者が車両10のフード側に倒れ込んだ際に、アブソーバ20の上部側で傾斜部26に沿って車両斜め下方方向に荷重を受けることで、圧力チューブ18を潰すようになっている(図2参照)。
また、フロントバンパ12は、アブソーバ20の車両前方側にバンパカバー30を備えている。バンパカバー30は、車両幅方向中央部では略車両上下方向に沿って配置されている。車両側断面視にてバンパカバー30は、アブソーバ20との間に隙間をおいて対向するように配置されており、図示しない部分で車体に対し固定的に支持されている。バンパカバー30は、アブソーバ20の突部24が設けられた位置付近で車両前方側に突出する形状とされている。図示を省略するが、バンパカバー30の車両幅方向両側部分は、平面視で車両幅方向両側へ向かうにしたがって車両後方側へ湾曲するように形成されている。
バンパカバー30の車両前方側には、車両の意匠を構成するエクステンション32が組み付けられており、バンパカバー30がエクステンション32によって車両前方側から覆われている。なお、エクステンション32は省略してもよい。
また、バンパカバー30の車両上下方向中央部の車両上方側には、ラジエータグリル34が設けられている。ラジエータグリル34は、略車両上下方向に沿って配置されている。ラジエータグリル34の車両上方側には、車両10のパワーユニット室(図示省略)を車両上方側から覆うフード36が設けられている。
さらに、車両10の前部の下部側には、アブソーバ20及びバンパリインフォースメント14の車両下方側に、略車両前後方向に沿って延在されるロアアブソーバ40が設けられている。本実施形態では、ロアアブソーバ40の前端部は、アブソーバ20の前端部(突部24)よりも車両前方側に配置されているが、この構成に限定されるものではない。また、バンパカバー30の下端部には、ロアアブソーバ40の前端部との間に隙間をおいて車両前方側に略C字状に突出する突出部42が設けられている。突出部42を設けることで、歩行者との衝突時に歩行者がフード36側により確実に倒れやすくなる。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図1に示されるように、車両用バンパ構造S1が適用されたフロントバンパ12では、バンパリインフォースメント14の前面14Aの下部側に、車両幅方向に沿って配置される圧力チューブ18が設けられている。バンパリインフォースメント14の前面14Aには、アブソーバ20が取り付けられており、アブソーバ20の溝部22に圧力チューブ18が挿入されることで、アブソーバ20とバンパリインフォースメント14との間に圧力チューブ18が介在されている。アブソーバ20の車両上下方向の下部側には、前面が一般面20Bから車両前方側に突出する突部24が形成されている。また、アブソーバ20には、圧力チューブ18よりも上部側に、車両側断面視にて上面20Cから車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた傾斜部26が形成されている。本実施形態では、傾斜部26は、アブソーバ20の前部の上面20Cから車両後方側へ向けて斜め下方に傾斜した傾斜面とされている。
このようなアブソーバ20では、圧力チューブ18を変形させたい場合(圧力センサをON状態としたい場合)と、圧力チューブ18を変形させたくない場合(圧力センサをOFF状態としたい場合)とで、荷重の伝達範囲を分けることができる。すなわち、歩行者の脚部保護性能や、ロードサイドマーカーなどの路上障害物との衝突の場合は、突起24を備えたアブソーバ20の下部で、車両前後方向(矢印A方向)に荷重を受ける。これにより、アブソーバ20の下部で歩行者の脚部保護性能を確保することができる。また、歩行者と車両10との衝突時に、歩行者がフード36側に倒れ込む場合は、アブソーバ20の上部で傾斜部26に沿った方向(矢印B方向)に荷重を受けることで、圧力チューブ18を潰すことができる。
図2には、車両10のフロントバンパ12が歩行者の脚部を模擬した衝突体50に衝突した場合が模式的に示されている。図2に示されるように、フロントバンパ12が衝突体50に衝突すると、衝突体50がアブソーバ20の突部24付近に当たることで、アブソーバ20の下部側を支点としてアブソーバ20の上部側が車両後方側に回転する(図2中の実線を参照)。すなわち、歩行者がフード36側に倒れ込むモードでは、アブソーバ20の傾斜部26に沿った方向に荷重が伝達され、アブソーバ20の溝部22付近が潰れる。このため、圧力チューブ18により効果的に荷重を伝達することができ、圧力チューブ18の変形が大きくなる。
本実施形態では、圧力チューブ18(溝部22)の上方のアブソーバ20の後面部20Aがバンパリインフォースメント14に当たる面積は、圧力チューブ18(溝部22)の下方のアブソーバ20の後面部20Aがバンパリインフォースメント14に当たる面積よりも小さい。このため、アブソーバ20の溝部22の上側が潰れやすい。これにより、圧力チューブ18の変形が大きくなり、圧力チューブ18に接続された圧力センサがON状態とされる。これにより、図示しないECUで車両10が歩行者と衝突したことを検出することができる(衝突体が歩行者であることを判別することができる)。
図3には、車両10のフロントバンパ12がロードサイドマーカーなどの路上障害物52に衝突した場合が模式的に示されている。図3に示されるように、フロントバンパ12が路上障害物52に衝突すると、路上障害物52がアブソーバ20の下部側の突部24付近に当たることで、路上障害物52をアブソーバ20の突部24で押し倒すことができる。その際、図2と比較して、アブソーバ20の上部側の車両後方側への回転は少ない。また、車両側断面視にてアブソーバ20の突部24の位置よりも車両上方側に圧力チューブ18(溝部22)が設けられているため、アブソーバ20の溝部22付近の変形が小さく、圧力チューブ18への荷重の伝達を減少させることができる。
このようなフロントバンパ12では、車両側断面視にてアブソーバ20の突部24をバンパリインフォースメント14の前面14Aの下部側に配置することで、歩行者の脚部保護性能を確保することができる。また、車両側断面視にてアブソーバ20の上部側に傾斜部26を設けることで、歩行者がフード36側に倒れ込む場合に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができ、歩行者の脚部保護性能との両立を実現することができる。
また、フロントバンパ12では、アブソーバ20の一般面20Bからの突部24の出代により、圧力チューブ18の変形状態(圧力センサの感度)を調整することができる。例えば、アブソーバ20の一般面20Bからの突部24の出代(前後方向差)を大きくすることで、荷重の伝達範囲をより効果的に分けることができる。
図11には、比較例の車両用バンパ構造S100が適用された車両200の前部のフロントバンパ202が示されている。図11(A)、図11(B)に示されるように、フロントバンパ202では、バンパリインフォースメント14の前面14Aの下部側に、断面が略矩形状に形成されたアブソーバ204が取り付けられている。車両側断面視にてアブソーバ204は、車両前後方向の寸法が車両上下方向の寸法よりも長く形成されている。アブソーバ204以外の他の構成は、図1に示すフロントバンパ12の構成と同じである。
図11(A)に示されるように、車両200のフロントバンパ202が歩行者の脚部を模擬した衝突体50に衝突すると、衝突体50の重心が上部側(フード36より車両上下方向上側)にあるため、衝突体50が重心を中心に矢印C方向に回転する。すなわち、歩行者がフード36側に倒れ込むモードとなり、アブソーバに荷重が伝達しにくい。このため、比較例のフロントバンパ202では、アブソーバ204を図1に示すアブソーバ20よりも弱体化している(柔らかくしている)。これにより、衝突体50との衝突時にアブソーバ204が変形することで、圧力チューブ18が変形する。これにより、圧力チューブ18に接続された圧力センサがON状態となり、歩行者との衝突が検出される。
一方、図11(B)に示されるように、車両200のフロントバンパ202が路上障害物52に衝突した場合、アブソーバ204を弱体化しているため、アブソーバ204が変形しやすい。このため、アブソーバ204の変形により圧力チューブ18が変形する。したがって、圧力チューブ18を潰したくない路上障害物52の場合でも、圧力センサがON状態となる可能性がある。すなわち、衝突体50(歩行者)や路上障害物52に対して、荷重伝達されるアブソーバ204の範囲がほぼ同じであるため、圧力センサの出力差を発生させることが難しい。実際には、歩行者は図11(A)中の矢印Cに示すようにフード36側に倒れ込むモード、路上障害物52は図11(B)中の矢印Dに示されるようにアブソーバ204等に押し倒されるモードの違いがあるにもかかわらず、その違いをうまく利用することができない。
これに対して、本実施形態の車両用バンパ構造S1が適用されたフロントバンパ12では、圧力チューブ18を変形させたい場合と圧力チューブ18を変形させたくない場合とで、アブソーバ20の荷重の伝達範囲を分けることができる。すなわち、路上障害物52と車両10との衝突の場合は、アブソーバ20の突部24により路上障害物52を押し倒すことができ、圧力チューブ18への荷重伝達が減少される。また、歩行者と車両10との衝突時に歩行者がフード36側に倒れ込む場合は、アブソーバ20の上部側で傾斜部26に沿った方向(矢印B方向)に荷重を受けることで、圧力チューブ18を潰すことができる。このため、歩行者と路上障害物の判別がより確実となる。
〔第2実施形態〕
次に、図4を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図4には、車両用バンパ構造S2が適用されたフロントバンパに用いられるアブソーバ60が斜視図にて示されている。図4に示されるように、アブソーバ60の車両前後方向の前側には、下部側の突部24と上部側の一般面20Bとの境界領域に、車両後方側に凹状に窪んだ凹状部62が形成されている。アブソーバ60の凹状部62は、略車両幅方向に沿って配置されている。
アブソーバ60に凹状部62を設けることで、圧力チューブ18(図1参照)を変形させたい場合と変形させたくない場合とで、アブソーバ60の荷重の伝達範囲をより効果的に分けることができる。すなわち、歩行者と車両との衝突時には、アブソーバ60の凹状部62より上部側で荷重を受けることで、溝部22に配置された圧力チューブ18に荷重が伝達される。また、路上障害物と車両との衝突時には、アブソーバ60の凹状部62より下部側で荷重を受けるため、車両側断面視にて突部24よりも車両上下方向上方側に配置された圧力チューブ18に荷重が伝達されにくい。このため、歩行者と車両との衝突時に圧力チューブ18をより適切に変形させることができ、歩行者と路上障害物の判別がより確実となる。
なお、凹状部62の車両上下方向の大きさや、凹状部62の車両前後方向の深さは、本実施形態に限定されるものではなく、変更が可能である。
〔第3実施形態〕
次に、図5を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第3実施形態について説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図5には、車両用バンパ構造S3が適用された車両70のフロントバンパ72の車両幅方向外側のバンパコーナー部が側断面図にて示されている。図5に示されるように、フロントバンパ72の車両幅方向端部では、アブソーバ74の車両前方側に配置されるバンパカバー80は、車両側断面視にて車両後方側及び車両上方側に向かって湾曲した形状とされている。すなわち、バンパカバー80は、車両後方側に向かうにしたがって斜め上方に湾曲するように形成されている。また、図示を省略するが、バンパカバー80は、車両平面視にて車両幅方向外側に向かうにしたがって車両後方側に湾曲するように形成されている。
アブソーバ74の車両前後方向の前側には、下部側の突部24と上部側の一般面78との境界領域に、車両後方側に凹状に窪んだ凹状部76が形成されている。凹状部76は、車両幅方向に沿って配置されている。本実施形態では、凹状部76は、アブソーバ74のバンパコーナー部にのみ設定されている。
アブソーバ74の上部側(凹状部76より上方)の一般面78は、アブソーバ74の車両前方側に配置されるバンパカバー80の形状に沿って、車両後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した形状とされている。アブソーバ74の一般面78及び突部24とバンパカバー80との間には隙間が形成されている。
このようなフロントバンパ72では、フロントバンパ72のバンパコーナー部が歩行者に衝突した場合、アブソーバ74の一般面78を備えた上部側の部位で荷重を受けることで、圧力チューブ18に荷重が伝達される。また、フロントバンパ72のバンパコーナー部が路上障害物に衝突した場合、アブソーバ74の凹状部76より下部側で荷重を受けるため、圧力チューブ18に荷重が伝達されにくい。このため、バンパコーナー部での歩行者と路上障害物の衝突判別性能を向上させることができる。
なお、本実施形態では、凹状部76は、アブソーバ74のバンパコーナー部にのみ設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、アブソーバの車両幅方向全幅に凹状部76を備える構成でもよい。
また、本実施形態では、アブソーバ74の一般面78は、車両後方側に向かって傾斜した平面形状とされているが、平面形状に限定されるものではなく、バンパカバー80の形状に沿って湾曲する形状としてもよい。
〔第4実施形態〕
次に、図6を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第4実施形態について説明する。なお、前述した第1〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図6には、車両用バンパ構造S4が適用されたフロントバンパ92の一部が側断面図にて示されている。図6に示されるように、フロントバンパ92は、一部に硬さの異なる領域が設定されたアブソーバ94を備えている。より具体的には、アブソーバ94は、車両側断面視にて圧力チューブ18が挿入される溝部22の位置を含んだ上部側部位94Aが柔らかくなるように形成され、上部側部位94Aより下方の下部側部位94Bが上部側部位94Aよりも硬くなるように形成されている。また、アブソーバ94の下部側部位94Bの前側には、上部側部位94Aの前側の一般面20Bから車両前方側に突出した突部96が設けられている。また、アブソーバ92の下面20Dは、図1に示すアブソーバ20の下面20Dに比べて前端部から後端部に向かって車両下方により大きく傾斜している。
圧力チューブ18の変形に対しては、アブソーバは極力柔らかくしたい。また、路上障害物に対しては、アブソーバは極力硬くしたい。このため、本実施形態では、アブソーバ94の上部側部位94Aと下部側部位94Bの発泡倍率を変えることで、一体的に形成されたアブソーバ94の上部側部位94Aを柔らかくし、下部側部位94Bを上部側部位94Aよりも硬くしている。例えば、上部側部位94Aの発泡倍率は30倍に設定され、下部側部位94Bの発泡倍率は20倍に設定されている。ここで、発泡倍率とは、未発泡状態の素材の密度を発泡させた素材の密度で割った値を意味しており、単位として「倍」を使用する。
このようなフロントバンパ92では、アブソーバ94の上部側部位94Aを柔らかくすることで、車両と歩行者との衝突時にアブソーバ94の上部側部位94Aを変形させ、圧力チューブ18に荷重伝達させることができる。また、アブソーバ94の下部側部位94Bを上部側部位94Aよりも硬くすることで、車両と路上障害物との衝突時にアブソーバ94の突部96により路上障害物を押し倒すことができる。したがって、このようなアブソーバ94では、簡単な構成で、より効果的に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができると共に、アブソーバ94を容易に製造することができる。
〔第5実施形態〕
次に、図7を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第5実施形態について説明する。なお、前述した第1〜第4実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図7には、車両用バンパ構造S5が適用されたフロントバンパ102の一部が側断面図にて示されている。図7に示されるように、フロントバンパ102は、一部に硬さの異なる領域が設定されたアブソーバ104を備えている。より具体的には、アブソーバ104は、車両側断面視にて溝部22が形成された位置を含む上部側部位104Aと、車両前方側に突出する突部96を備えた下部側部位104Bと、上部側部位104Aと下部側部位104Bとの間に略車両前後方向に沿って配置された硬い部位としての中間部位104Cと、を備えている。すなわち、中間部位104Cは、上部側部位104A及び下部側部位104Bよりも硬く形成されている。中間部位104Cの前端部は、突部96の上部の根元側まで延びており、中間部位104Cの後端部は、溝部22より下方側に位置している。すなわち、中間部位104Cの後端部が圧力チューブ18より車両下方側に配置されている。本実施形態では、車両側断面視で中間部位104Cの車両前後方向中間部から後方側は、ほぼ水平に配置されている。
本実施形態では、アブソーバ104の上部側部位104A及び下部側部位104Bと、中間部位104Cの発泡倍率を変えることで、一体的に形成されたアブソーバ104の中間部位104Cを上部側部位104A及び下部側部位104Bよりも硬くしている。例えば、上部側部位104A及び下部側部位104Bは、ほぼ同じ発泡倍率(例えば、20〜30倍)に設定されており、中間部位104Cは、発泡倍率が15倍程度に設定されている。なお、発泡倍率の数値は、これらに限定されず、変更が可能である。
このようなアブソーバ104では、上部側部位104Aと下部側部位104Bとの間にこれらの部位よりも硬い中間部位104Cを設けることで、上部側部位104Aと下部側部位104Bの荷重伝達を独立させることができる。例えば、車両と歩行者との衝突時にアブソーバ104の中間部位104Cより車両上方の上部側部位104Aのみを主として変形させ、圧力チューブ18に荷重伝達させることができる。また、車両と路上障害物との衝突時に、アブソーバ104の中間部位104Cよりも車両下方の下部側部位104Bの突部96により、路上障害物を押し倒すことができる。さらに、車両と路上障害物との衝突時に、アブソーバ104の中間部位104Cにより、上部側部位104Aの溝部22付近への荷重伝達を抑制することができる。
したがって、このようなアブソーバ104では、簡単な構成で、車両と歩行者との衝突時により効果的に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができると共に、アブソーバ104を容易に製造することができる。
〔第6実施形態〕
次に、図8を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第6実施形態について説明する。なお、前述した第1〜第5実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図8には、車両用バンパ構造S6が適用されたフロントバンパ112の一部が側断面図にて示されている。図8に示されるように、フロントバンパ112は、一部に硬さの異なる領域が設定されたアブソーバ114を備えている。より具体的には、アブソーバ114は、車両側断面視にて溝部22が形成された位置を含む上部側部位114Aと、車両前方側に突出する突部96を備えた下部側部位114Bと、上部側部位114Aと下部側部位114Bとの間に略車両前後方向に沿って配置された硬い部位としての中間部位114Cと、を備えている。すなわち、中間部位114Cは、上部側部位114A及び下部側部位114Bよりも硬く形成されている。車両側断面視にて中間部位114Cは、車両前後方向の前端部から後端部に向かって車両斜め下方に傾斜するように配置されている。本実施形態では、中間部位114Cの前端部は、突部96と一般面20Bの境界領域に位置しており、中間部位114Cの後端部は、溝部22より下方側に位置している。中間部位114Cの後端部が圧力チューブ18より車両下方側に配置されている。
本実施形態では、アブソーバ114の上部側部位114A及び下部側部位114Bと、中間部位114Cの発泡倍率を変えることで、一体的に形成されたアブソーバ114の中間部位114Cを上部側部位114A及び下部側部位114Bよりも硬くしている。本実施形態では、上部側部位114Aと下部側部位114Bの発泡倍率はほぼ同じに設定されているが、これに限定されず、上部側部位114Aと下部側部位114Bの発泡倍率を変えてもよい。
このようなアブソーバ114では、上部側部位114Aと下部側部位114Bとの間にこれらの部位よりも硬い中間部位114Cを設けることで、上部側部位114Aと下部側部位114Bの荷重伝達を独立させることができる。その際、車両側断面視にて中間部位114Cが、車両後方側に向かって車両斜め下方に傾斜するように配置されていることで、溝部22の位置(高さ)が突部96と一般面20Bの境界領域とほぼ同じ位置(高さ)に配置されている場合でも、上部側部位114Aと下部側部位114Bの荷重伝達を独立させることができる。
したがって、このようなアブソーバ114では、簡単な構成で、より効果的に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができると共に、アブソーバ114を容易に製造することができる。
なお、本実施形態のアブソーバ114に代えて、車両側断面視にて溝部22の位置を、突部96と一般面20Bの境界領域よりも車両下方側に配置したアブソーバとしてもよい。この場合でも、アブソーバの中間部位の後端部を溝部22より下方側に配置することで、アブソーバの上部側部位と下部側部位の荷重伝達を独立させることができる。
なお、第5及び第6実施形態では、アブソーバ104、114の中間部位は、上部側部位及び下部側部位の発泡倍率よりも硬くなるような発泡倍率に設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、アブソーバ104、114の中間部位は、上部側部位及び下部側部位よりも硬い樹脂をインサート成形することにより一体的に構成してもよい。
〔第7実施形態〕
次に、図9を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第7実施形態について説明する。なお、前述した第1〜第6実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図9には、車両用バンパ構造S7が適用されたフロントバンパ122の一部が側断面図にて示されている。図9に示されるように、フロントバンパ122は、一部に硬さの異なる領域が設定されたアブソーバ124を備えている。より具体的には、アブソーバ124は、車両側断面視にて溝部22が形成された位置を含む上部側部位124Aが柔らかくなるように形成され、上部側部位124Aより下方の下部側部位124Bが上部側部位124Aよりも硬くなるように形成されている。さらに、アブソーバ124の上部側部位124Aの内部には、車両側断面視にて一般面20Bの上部側から車両後方側の溝部22付近に向かって車両斜め下方に傾斜するように配置された硬い部位としての硬質部位124Cが設けられている。硬質部位124Cは、アブソーバ124の上部側部位124Aの他の部分よりも硬く形成されており、車両側断面視にて傾斜部26に沿って配置されている。硬質部位124Cの後端部は、圧力チューブ18の車両前方側に配置されている。硬質部位124Cは、アブソーバ124の溝部22付近の変形を阻害しないようにするため、溝部22の周囲には形成されていない。
本実施形態では、アブソーバ124の硬質部位124Cの発泡倍率と、アブソーバ124の下部側部位124Bの発泡倍率を、アブソーバ124の上部側部位124Aの他の部分の発泡倍率と変えている。これにより、一体的に形成されたアブソーバ124の硬質部位124Cと下部側部位124Bを、上部側部位124Aの他の部分よりも硬くしている。
また、アブソーバ124の下部には、車両前側の一般面20Bから車両前方側に突出した突部126が設けられている。本実施形態では、アブソーバ124の突部126は、第1実施形態のアブソーバ20の突部24等よりも車両前方への突出量が大きくなるように構成されている。
このようなフロントバンパ122では、アブソーバ124の上部側部位124Aに一般面20Bの上部側から車両後方側の溝部22付近に向かって車両斜め下方に傾斜するように配置された硬質部位124Cが設けられている。これにより、車両と歩行者との衝突時にアブソーバ124の硬質部位124Cが変形しにくいため、硬質部位124Cによりアブソーバ124の溝部22付近を潰し、圧力チューブ18を直接押圧することができる。
また、アブソーバ124の下部側部位124Bを上部側部位124Aよりも硬くすることで、車両と路上障害物との衝突時にアブソーバ124の突部126により路上障害物を押し倒すことができる。
さらに、アブソーバ124の下部側部位124Bを上部側部位124Aよりも硬くした場合でも、アブソーバ124の突部126の車両前方側の突出量を大きくすることで衝撃を吸収し、歩行者の脚部保護性能を確保することができる。このようなアブソーバ124では、簡単な構成で、より効果的に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができると共に、アブソーバ124を容易に製造することができる。
〔第8実施形態〕
次に、図10を用いて、本発明に係る車両用バンパ構造の第8実施形態について説明する。なお、前述した第1〜第7実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図10には、車両用バンパ構造S8が適用されたフロントバンパ132の一部が側断面図にて示されている。図10に示されるように、フロントバンパ132は、一部に硬さの異なる領域が設定されたアブソーバ134を備えている。より具体的には、アブソーバ134の上部側部位134Aには、車両側断面視にて傾斜部26の車両前後方向中間部から溝部22の前方側の位置に向かって略車両上下方向に沿って配置された硬い部位としての硬質部位134Bが設けられている。硬質部位134Bは、アブソーバ134の他の部分よりも硬く形成されており、車両側断面視にて傾斜部26と交差するように配置されている。硬質部位134Bは、アブソーバ134の溝部22付近の変形を阻害しないようにするため、溝部22の周囲には形成されていない。硬質部位134Bの後端部は、圧力チューブ18の車両前方側に配置されている。
本実施形態では、アブソーバ134の硬質部位134Bの発泡倍率をアブソーバ134の他の部分の発泡倍率と変えることで、一体的に形成されたアブソーバ134の硬質部位134Bを他の部分よりも硬くしている。
このようなフロントバンパ132では、アブソーバ134の溝部22の周囲とアブソーバ134の前部側の部位との間に硬質部位134Bを挟み込むことで、車両と歩行者との衝突時に圧力チューブ18への出力を出やすくしている。例えば、車両と歩行者との衝突時に荷重が傾斜部26に沿って伝達される際に、荷重が圧力チューブ18付近で溝部22の周囲に逃げる場合がある。これに対し、本実施形態のアブソーバ134では、溝部22の周辺に硬質部位134Bを設けることで、圧力チューブ18を硬質部位134Bでしっかりと押圧することができる。このため、簡単な構成で、より効果的に圧力チューブ18へ荷重を伝達することができると共に、アブソーバ134を容易に製造することができる。
なお、第7及び第8実施形態では、アブソーバ124、134の硬質部位は、アブソーバ124、134の他の部分の発泡倍率よりも硬くなるような発泡倍率に設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、アブソーバ124、134の硬質部位は、アブソーバ124、134の他の部分よりも硬い樹脂をインサート成形することにより一体的に構成してもよい。
なお、第1〜第8実施形態では、歩行者衝突検出センサとして、圧力チューブ18が設けられているが、圧力チューブに限定されるものではない。例えば、歩行者衝突検出センサとして、チャンバー式や光ファイバー式など、押圧することで出力が変化する(押圧によりセンシングすることができる)センサを用いてもよい。
また、第1〜第8実施形態では、アブソーバの上部側の切り欠き部として、傾斜部26が設けられているが、傾斜部26に限定されるものではない。すなわち、切り欠き部は、車両側断面視にて車両上下方向の上面から車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた形状であればよい。例えば、切り欠き部は、アブソーバの上面から車両後方側へ向けて凹面状に湾曲するように切り欠かれた湾曲面としてもよいし、又は、アブソーバの上面から車両後方側へ向けて、アブソーバの後端角部を切り欠くように形成された窪み形状、段差形状又は略矩形状の切り欠き部としてもよい。その際、切り欠き部の窪み部分は滑らかな面とすることが好ましい。すなわち、アブソーバの上部側は、切り欠き部に沿って車両斜め下方に荷重を受けて圧力チューブ付近を潰すことができる形状であればよい。
10 車両
14 バンパリインフォースメント
18 圧力チューブ(歩行者衝突検出センサ)
20 アブソーバ
20B 一般面
20C 上面
22 溝部
24 突部
26 傾斜部(切り欠き部)
60 アブソーバ
62 凹状部
70 車両
74 アブソーバ
76 凹状部
78 一般面
80 バンパカバー
94 アブソーバ
94A 上部側部位(異なる発泡倍率の部位)
94B 下部側部位(異なる発泡倍率の部位)
96 突部
104 アブソーバ
104C 中間部位(硬い部位)
114 アブソーバ
114C 中間部位(硬い部位)
124 アブソーバ
124A 上部側部位(異なる発泡倍率の部位)
124B 下部側部位(異なる発泡倍率の部位)
124C 硬質部位(硬い部位)
126 突部
134 アブソーバ
134B 硬質部位(硬い部位)
S1 車両用バンパ構造
S2 車両用バンパ構造
S3 車両用バンパ構造
S4 車両用バンパ構造
S5 車両用バンパ構造
S6 車両用バンパ構造
S7 車両用バンパ構造
S8 車両用バンパ構造

Claims (7)

  1. 車両幅方向に沿って延在されるバンパリインフォースメントの車両上下方向の下部側に設けられ、前記バンパリインフォースメントの車両前方側に車両幅方向に沿って配置されると共に、押圧することで出力が変化する歩行者衝突検出センサと、
    前記バンパリインフォースメントの車両前方側に設けられ、前記バンパリインフォースメントとの間に前記歩行者衝突検出センサを介在した状態で配置されるアブソーバと、
    前記アブソーバにおける車両上下方向の下部側に形成され、車両前後方向の前面が一般面から車両前方側に突出する突部と、
    前記アブソーバにおける前記歩行者衝突検出センサよりも車両上下方向の上部側に形成され、車両側断面視にて車両上下方向の上面から車両後方側に向かって車両上下方向の長さが短くなるように車両下方側に切り欠かれた切り欠き部と、
    を有する車両用バンパ構造。
  2. 前記アブソーバにおける前記突部と前記一般面との境界領域に、車両幅方向に沿って配置され、かつ車両後方側に凹状に窪んだ凹状部が形成されている請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  3. 前記アブソーバの車両前方側に配置されるバンパカバーは、車両幅方向外側のバンパコーナー部で、車両側断面視にて車両後方側及び車両上方側に向かって湾曲した形状とされており、
    前記バンパコーナー部で、前記アブソーバに前記凹状部が設けられると共に、前記アブソーバにおける車両上方の前記一般面は、前記バンパカバーの形状に沿って車両後方側に向かって上り勾配となるように傾斜した形状とされている請求項2に記載の車両用バンパ構造。
  4. 前記アブソーバの一部に硬さの異なる領域が設定されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用バンパ構造。
  5. 前記アブソーバの一部に異なる発泡倍率の部位が設けられている請求項4に記載の車両用バンパ構造。
  6. 前記アブソーバには、前記歩行者衝突検出センサの車両下方側に車両前後方向に沿って硬い部位が設けられている請求項4又は請求項5に記載の車両用バンパ構造。
  7. 前記アブソーバには、前記歩行者衝突検出センサの車両前方側に硬い部位が設けられている請求項4又は請求項5に記載の車両用バンパ構造。
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