JP2015130122A - 静電容量式操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤判定の抑制と操作性向上との両立を図る。
【解決手段】静電容量式操作装置は、指先Fにより接触操作される操作面を形成する操作プレートおよび電極を備えるとともに、以下に説明する検出手段、急変判定手段および接触判定手段を備える。検出手段は、指先と電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する。急変判定手段は、検出値の変化期間Tup、Tdw中に、変化速度の単位時間当たりの変化量V2−V1、V3−V4が所定量ΔVth以上になっている急変現象が現れたか否かを判定する。接触判定手段は、急変現象が現れたと判定されたことを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定する。
【選択図】図4
【解決手段】静電容量式操作装置は、指先Fにより接触操作される操作面を形成する操作プレートおよび電極を備えるとともに、以下に説明する検出手段、急変判定手段および接触判定手段を備える。検出手段は、指先と電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する。急変判定手段は、検出値の変化期間Tup、Tdw中に、変化速度の単位時間当たりの変化量V2−V1、V3−V4が所定量ΔVth以上になっている急変現象が現れたか否かを判定する。接触判定手段は、急変現象が現れたと判定されたことを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定する。
【選択図】図4
Description
本発明は、操作体(例えばユーザの指先)により接触操作される静電容量式操作装置に関する。
特許文献1には、ユーザの指先により接触操作される操作面を形成する操作プレートと、操作プレートの裏側に配置される電極とを備えた静電容量式の操作装置が開示されている。この操作装置は、電極と指先との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得し、取得した検出値が所定の閾値を超えている場合に、接触操作が為されているとオン判定する。
さて、指先を操作面に軽く触れた場合には、指先を操作面に強く押し付けた場合に比べて指先と操作面との接触面積が小さいので、検出値は小さくなる。したがって、上記閾値を低く設定すれば、操作面に軽く触れるだけでオン判定されるようになり操作性が向上する。
一方、操作者の指先が大きい場合や指先が汗で濡れている場合には検出値が大きく現れるので、上述の如く閾値を低くすると、操作面に触れていなくても指先を近づけただけでオン判定される、といった誤判定の不具合が生じる。したがって、操作者の個体差に起因した誤判定の抑制と操作性向上とのバランスを鑑みて、上記閾値を設定する必要がある。
しかしながら、実際には上記個体差に起因した検出値の違いが大きいので、上記バランスを良好にすることは困難であり、誤判定の抑制と操作性向上との両立は困難である。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたもので、その目的は、誤判定の抑制と操作性向上との両立を実現可能にした静電容量式操作装置を提供することにある。
ここに開示される発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される発明のひとつは、静電容量式操作装置であり、操作体(F)により接触操作される操作面(11、12、13、14、15、16)を形成する操作プレート(10)と、操作面に操作体が接触する接触操作、または操作面に接触していた操作体が該操作面から離れる離反操作が為されたと判定する接触判定手段(46)と、を備えることを前提とする。そして、操作面に対して操作体の反対側に位置する電極(21、22、23、24、25、26)と、操作体と電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する検出手段(41)と、検出値の変化速度(V1、V2、V3、V4)が所定速度(Vth)以上になっている変化期間(Tup、Tdw)中に、変化速度の単位時間当たりの変化量が所定量(ΔVth)以上になっている急変現象が現れたか否かを判定する急変判定手段(42)と、を備え、接触判定手段は、急変判定手段により急変現象が現れたと判定されたことを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定することを特徴とする。
さて、図4に例示するように、接触操作する過程において、操作体が操作面に接触する迄は、操作体と電極との離間距離に反比例して検出値は変化する(t1〜t2参照)。したがって、操作体の移動速度が一定であれば、検出値の変化速度は離間距離に反比例して変化する。しかし、接触操作が為された以降は、操作体の移動速度が一定であっても検出値の変化速度が急激に大きくなる(t2〜t4参照)。また、離反操作する過程において、操作体が操作面から離れた以降は、操作体と電極との離間距離に反比例して検出値は変化する(t7〜t8参照)。しかし、操作体が操作面から離れる迄は、検出値の変化速度が急激に大きくなる(t5〜t7参照)。
要するに、操作体が操作面に接触または離反する前後で検出値の変化速度は急激に変化する。そして、このように検出値が急変する度合いは、操作者の個体差の影響を受けにくい。それでいて、操作体を操作面に近づけるものの接触させなかった場合、例えば接触操作を途中で止めた場合には、上記急変現象は出現しない。また、操作体を操作面に押し付ける力を弱めることにより、操作面に接触させたまま操作体を操作面から僅かに遠ざけた場合、例えば離反操作を途中で止めた場合にも、上記急変現象は出現しない。
これらの知見を鑑みた上記発明では、検出値の変化期間中に、検出値の変化速度が増大する急変現象が現れたことを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定する。そのため、接触操作または離反操作の有無を高精度で判定できる。よって、誤判定の抑制と操作性向上との両立を実現できる。
また、開示される発明のひとつは、先述した前提の静電容量式操作装置であり、操作面に対して操作体の反対側に位置する電極(21、22、23、24、25、26)と、操作体と電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する検出手段(41)と、を備え、接触判定手段は、検出値が所定の閾値(Cth)を跨ぐように変化する時の検出値の変化速度(V2、V3)が所定速度(Vtha)以上になっていることを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定することを特徴とする。
さて、操作体が操作面に接触または離反する前後で検出値の変化速度は急激に変化することは、先述した通りである。したがって、接触操作する過程において、検出値が閾値を越えて増大した時の増大速度(変化速度)は、所定速度以上に大きくなっている可能性が高い。また、離反操作する過程において、検出値が閾値を越えて減少した時の減少速度の絶対値(変化速度)は、所定速度以上に大きくなっている可能性が高い。
これらの知見を鑑みた上記発明では、検出値が閾値を跨ぐように変化する時の検出値の変化速度が所定速度以上になっていることを条件として、接触操作または離反操作が為されたと判定する。そのため、接触操作または離反操作の有無を高精度で判定できる。よって、誤判定の抑制と操作性向上との両立を実現できる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる静電容量式操作装置を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、車両Vに搭載されたインストルメントパネル(インパネVi)を室内側から見た斜視図である。インパネViのうち車両左右方向の中央部分には、静電容量式操作装置Voが組み付けられている。この静電容量式操作装置Voは、車両乗員により操作されることを前提としており、車室内のうち、運転席Drおよび助手席Paのいずれの乗員からも操作可能な位置に配置されている。そして、図2および図3に示すように、静電容量式操作装置Voは、以下に説明する操作プレート10、電極シート20およびプリント配線板30を備えて構成されている。
図1は、車両Vに搭載されたインストルメントパネル(インパネVi)を室内側から見た斜視図である。インパネViのうち車両左右方向の中央部分には、静電容量式操作装置Voが組み付けられている。この静電容量式操作装置Voは、車両乗員により操作されることを前提としており、車室内のうち、運転席Drおよび助手席Paのいずれの乗員からも操作可能な位置に配置されている。そして、図2および図3に示すように、静電容量式操作装置Voは、以下に説明する操作プレート10、電極シート20およびプリント配線板30を備えて構成されている。
操作プレート10は、樹脂製の板部材であり、ユーザに視認される装飾面10aを形成する。装飾面10aは、複数の操作面11、12、13、14、15、16を有している。これらの操作面11〜16には、操作対象の設定内容を表した文字や記号、図形等が印刷されている。図1に示す例では、操作対象は、車室内を空調する空調装置50であり、例えば、空調装置50の起動、風量設定、温度設定等が上記設定内容の具体例として挙げられる。操作面11〜16をユーザが指先Fで接触操作すると、対応する機器に対して作動を指令する指令信号が出力され、接触操作の内容にしたがって、空調装置50が作動する。
操作プレート10のうち装飾面10aの反対側の面には、電極シート20が貼り付けられている。電極シート20は、複数の電極21、22、23、24、25、26を有しており、これらの電極21〜26は樹脂製のシート20aに保持されている。電極21〜26の各々は、対応する操作面11〜16に対向するように配置されている。
電極シート20に対して操作プレート10の反対側には、プリント配線板30が配置されている。回路基板には、複数の光源31、32、33が実装されており、これらの光源31〜33は、対応する電極21〜26に対向するように配置されている。電極21〜26には、酸化インジウムスズ等の透明電極が採用されている。また、操作プレート10には、透光性を有する樹脂部材が採用されており、操作面11〜16のうち印刷されていない部分が、光源31〜33により透過照明される。なお、装飾面10aのうち操作面11〜16以外の部分には、遮光性を有する塗料が印刷されている。
電極21〜26は、静電容量の変化に応じて生じた電圧変化を電気信号として出力する。電極21〜26から出力された電気信号は、プリント配線板30に実装されたマイクロコンピュータ(マイコン40)に入力される。マイコン40は、プログラムを記憶する記憶装置、および記憶されたプログラムにしたがって演算処理を実行する中央演算処理装置を備える。マイコン40は、各種の演算処理を実行することにより、以下に説明する検出手段41、急変判定手段42、レベル判定手段43、継続判定手段44、変更手段45、および接触判定手段46として機能する(図2参照)。
静電容量式操作装置Voは、電極21〜26により形成される結合容量に対して充放電を繰り返す回路を備えており、検出手段41は、所定条件を満たすまでの充放電回数をカウントする。このカウント値は、電極21〜26と指先Fとの間で生じる静電容量が大きいほど大きい値になる。したがって、上記カウント値に基づき、電極21〜26と指先Fとの間で生じる静電容量の変化量に応じた「検出値」を検出手段41は算出する。具体的には、指先Fが電極21〜26から十分に離れている時のカウント値を基準値と呼ぶ場合において、電極21〜26の近傍位置または接触位置に指先Fがある時のカウント値と基準値との差分を、上記検出値として算出する。
図4は、検出値の時間変化を表した検出波形を示す。この検出波形からは、電気ノイズ等による高周波数成分が除去されている。急変判定手段42は、検出波形の上昇変化期間Tupまたは減少変化期間Tdwに、以下に説明する急変現象の波形(急変波形)が出現したか否かを判定する。
操作面11〜16に指先Fを近づけて接触する接触操作を実施するt1〜t4期間では、指先Fが操作面11〜16に近づくにつれて検出値は徐々に増大していく。このt1〜t4期間を上昇変化期間Tupと呼び、上昇変化期間Tupでは、検出値の増大速度V1、V2が所定速度Vth以上になっている。上昇変化期間Tupにおける検出値の増大速度V1、V2は、操作面11〜16に指先Fの接触を開始させたt2時点で急激に速くなる。この現象が急変現象であり、検出波形のうちt2時点を含む部分の波形が上記急変波形に相当する。
また、操作面11〜16に接触していた指先Fを操作面11〜16から離す離反操作を実施するt5〜t8期間では、指先Fが操作面11〜16から遠ざかるにつれて検出値は徐々に減少していく。このt5〜t8期間を減少変化期間Tdwと呼び、減少変化期間Tdwでは、検出値の減少速度V3、V4の絶対値が所定速度Vth以上になっている。減少変化期間Tdwのうち、指先Fが操作面11〜16に接触したまま離れていくt5〜t7期間では検出値の減少速度は大きく、指先Fが操作面11〜16から完全に離反したt7時点以降では、検出値の減少速度が緩やかになる。減少変化期間Tdwにおける検出値の減少速度V3、V4は、操作面11〜16からの指先Fの離反を開始させたt7時点で急激に遅くなる。この現象が急変現象であり、検出波形のうちt7時点を含む部分の波形が上記急変波形に相当する。
ここで、急変現象が生じる原理を以下に説明する。電極21と指先Fとの間で生じる静電容量Cは、C1とC2の直列接続の合成容量1/C=1/C1+1/C2で近似算出できる。C1はε0・εr1・S/d1であり、C2はε0・εr2・S/d2である。ε0は真空の誘電率、εr1は電極と指先Fとの間に介在する物質(極間媒質)である操作プレート10の比誘電率、Sは電極面積と指先Fの並行板コンデンサとしてのラップ面積、d1は操作プレート10の厚みを表す。また、εr2は極間媒質である空気の比誘電率、d2は指先Fと操作プレート10の距離を表す。
指先Fが操作面に接触している図4のt2〜t7期間では、操作プレート10が極間媒質に相当する。一方、指先Fが操作面から離れているt1〜t2期間またはt7〜t8期間では、操作プレート10に加え、操作プレート10と指先Fの間に介在する空気も極間媒質に相当する。したがって、非接触状態から接触状態に切り替わるt2時点で検出される静電容量は急激に増大し、接触状態から非接触状態に切り替わるt7時点で検出される静電容量は急激に減少する。
また、指先Fが接触を開始したt2時点では、指先Fが操作面11に軽く触れているだけであるため接触面積Sは小さい。しかし、t2〜t4期間において指先Fがさらに操作面11に押し付けられていくと、指先Fが潰れていくので接触面積Sが増大する。同様にして、t5〜t7期間において、操作面11に押し付けられていた指先Fが解放されていくと、潰れていた指先Fが解放されていくので接触面積Sが減少する。
このように、上昇変化期間Tupのうちt2時点迄では、C1とC2の直列接続の合成容量1/C=1/C1+1/C2に従い徐々に増大していく。一方、t2時点以降では、比誘電率εrの増大および接触面積Sの増大が生じるため、検出値はC1=ε0・εr1・S/d1に従い急激に増大していく。よって、t2時点において、検出値の変化速度の単位時間当たりの変化量、つまり検出値の上昇加速度が、所定量ΔVth以上になる急変現象が現れる。なお、εr=εr1・εr2である。
同様にして、減少変化期間Tdwのうちt7時点迄においては、比誘電率εrの減少および接触面積Sの減少が生じるため、検出値はC1=ε0・εr1・S/d1に従い急激に減少する。一方、t7時点以降では、C1とC2の直列接続の合成容量1/C=1/C1+1/C2に従い徐々に減少していく。よって、t7時点において、検出値の変化速度の単位時間当たりの変化量、つまり検出値の減少加速度が、所定量ΔVth以上になる急変現象が現れる。
レベル判定手段43は、検出値が所定の閾値Cth(図4参照)を超える高レベル状態が、上昇変化期間Tupまたは減少変化期間Tdwに現れているか否かを判定する。図4の例では、上昇変化期間Tupのうちt2時点以降のt3時点で、検出値が上昇して所定の閾値Cthに達している。また、減少変化期間Tdwのうちt7時点以前のt6時点で、検出値が下降して閾値Cthに達している。つまり、t3〜t6期間で高レベル状態になっている。
継続判定手段44は、上昇変化期間Tupにおいて、高レベル状態に変化したt3時点以降、その高レベル状態が所定の継続時間Tth(図4参照)以上維持されたか否かを判定する。さらに継続判定手段44は、減少変化期間Tdwにおいて、検出値が閾値Cth未満になっている通常レベル状態に変化したt6時点以降、その通常レベル状態が継続時間Tth以上維持されたか否かを判定する。この継続時間Tthは、ユーザの操作状況に応じて変更手段45により変更される。
具体的には、車両Vが走行中であるか否かを、操作状況の情報としてマイコン40は取得する。例えば、車両Vが走行中であるか否かの情報を操作状況の情報として取得する。走行中であれば、車両Vの走行振動により、指先Fが意図した位置に定まりにくくなる操作状況(不安定操作状況)であると言える。一方、走行停止中であれば、走行振動が無いため、指先Fが意図した位置に定まりやすい操作状況(安定操作状況)であると言える。変更手段45は、不安定操作状況(走行中)での継続時間Tthを、安定操作状況(走行停止中)での継続時間Tthよりも長い時間に変更する。
接触判定手段46は、急変判定手段42、レベル判定手段43および継続判定手段44の判定結果に基づき、接触操作または離反操作が為されたか否かを判定する。マイコン40は、接触操作が為されると、該当する操作面に関連付けられた空調装置50の設定内容を変更する。上記設定の具体例としては、先述した空調装置の起動、風量設定、温度設定等が挙げられる。マイコン40は、上記設定に応じた指令信号を空調装置50に出力し、空調装置50の作動を制御する。なお、静電容量式操作装置Voは、空調装置50の他にも、オーディオ装置51やナビゲート装置52を操作対象として機能させることもできる。この場合、マイコン40は、静電容量式操作装置による設定内容に応じた指令信号をオーディオ装置51やナビゲート装置52に出力し、これらの装置51、52の作動を制御する。
t3時点から継続時間Tthが経過した後、高レベル状態が維持された時間(長押し時間)に応じてマイコン40はインクリメント処理する。例えば、長押し時間が長いほどインクリメント値が上昇し、インクリメント値に対応して風量設定や温度設定の値を変化させる。このインクリメント処理は、離反操作が為されたと判定された時点で終了する。
図5は、上述した各手段41、42、43、44、45、46により接触操作が為されたか否かを判定する処理の手順を示すフローチャートであり、この処理は、マイコン40により所定周期で繰り返し実行される。なお、図4中の白丸は、検出値のサンプリング値を示しており、図中の符号taはサンプリング周期(例えば20ミリ秒)を示す。このサンプリング周期を、図5に係る上記所定周期と一致させている。
先ず、図5のステップS10において、今回サンプリングされた検出値が、上昇変化期間Tupにサンプリングされたものであるか否かを判定する。具体的には、今回の検出値と前回の検出値との差分が所定値以上である場合に、増大速度V1、V2が所定速度Vth以上になっていると見なし、上昇変化期間Tupであると判定する。
上昇変化期間Tupであると判定された場合、続くステップS11において、急変判定手段42による判定を実施する。すなわち、上昇変化期間Tup中に、検出値の変化速度の単位時間当たりの変化量が所定量ΔVth以上になる急変波形が現れたか否かを判定する。具体的には、今回の増大速度V2と前回の増大速度V1との差分が所定量ΔVth以上である場合に、急変波形が現れたと判定する。
急変波形が現れたと判定された場合、続くステップS12において、レベル判定手段43による判定を実施する。すなわち、上昇変化期間Tup中に高レベル状態が現れたか否かを判定する。具体的には、今回の検出値が閾値Cth以上である場合に、高レベル状態であると判定する。
高レベル状態であると判定された場合、続くステップS13において、変更手段45により車速に応じて継続時間Tthを変更する。具体的には、車速がゼロで停車している場合、所定速度未満で低速走行している場合、所定速度以上で高速走行している場合のいずれに該当するかに応じて、継続時間Tthを3段階で変更している。走行時には停車時よりも継続時間Tthを長く設定している。また、高速走行時には低速走行時よりも継続時間Tthを長く設定している。
続くステップS14では、継続判定手段44による判定を実施する。すなわち、検出値が閾値Cth以上になっている高レベル状態を維持したまま、継続時間Tthが経過したか否かを判定する。高レベル状態が継続時間Tth維持されたと判定された場合、次のステップS15において、接触操作が為されたと確定する。そして、接触操作がなされた操作面に関連付けられたスイッチ信号をオンにする。ステップS10、S11、S12、S14の少なくとも1つにおいて否定判定された場合には、接触操作が為されたとは確定されない。
図6は、上述した各手段41、42、43、44、45、46により離反操作が為されたか否かを判定する処理の手順を示すフローチャートであり、この処理は、マイコン40により所定周期で繰り返し実行される。先ず、図6のステップS20において、今回サンプリングされた検出値が、減少変化期間Tdwにサンプリングされたものであるか否かを判定する。具体的には、今回の検出値と前回の検出値との差分が所定値以上である場合に、現時点での検出値の減少速度V3、V4の絶対値が所定速度Vth以上になっていると見なし、減少変化期間Tdwであると判定する。
減少変化期間Tdwであると判定された場合、続くステップS21において、急変判定手段42による判定を実施する。すなわち、減少変化期間Tdw中に、検出値の変化速度の単位時間当たりの変化量が所定量ΔVth以上になる急変波形が現れたか否かを判定する。具体的には、前回の減少速度V3の絶対値と前回の減少速度V4の絶対値との差分が所定量ΔVth以上である場合に、急変波形が現れたと判定する。
急変波形が現れたと判定された場合、続くステップS22において、レベル判定手段43による判定を実施する。すなわち、減少変化期間Tdw中に高レベル状態が現れたか否かを判定する。さらに、高レベル状態から通常レベル状態に変化したか否かを判定する。具体的には、検出値が閾値Cth以上であれば高レベル状態が現れたと判定する。そして、前回の検出値が閾値Cth以上であり、かつ、今回の検出値が閾値Cth未満である場合に、高レベル状態から通常レベル状態に変化したと判定する。
通常レベル状態に変化したと判定された場合、続くステップS23において、変更手段45により車速に応じて継続時間Tthを変更する。具体的には、車速がゼロで停車している場合、所定速度未満で低速走行している場合、所定速度以上で高速走行している場合のいずれに該当するかに応じて、継続時間Tthを3段階で変更している。走行時には停車時よりも継続時間Tthを長く設定している。また、高速走行時には低速走行時よりも継続時間Tthを長く設定している。
続くステップS24では、継続判定手段44による判定を実施する。すなわち、検出値が閾値Cth未満になっている通常レベル状態を維持したまま、継続時間Tthが経過したか否かを判定する。通常レベル状態が継続時間Tth維持されたと判定された場合、次のステップS25において、離反操作が為されたと確定する。そして、離反操作がなされた操作面に関連付けられたスイッチ信号をオフにする。ステップS20、S21、S22、S24の少なくとも1つにおいて否定判定された場合には、離反操作が為されたとは確定されない。
先述したように、接触操作および離反操作の時には、比誘電率εrおよび接触面積Sが急激に変化することに伴い検出値が急激に変化する。つまり、検出波形中に急変波形が現れる。そして、急変波形の出現有無は、指先Fの個体差の影響を受けにくく、しかも、指先Fを操作面11に近づけるものの接触させなかった場合や離反操作を途中で止めた場合には、急変波形は出現しない。これらの点を鑑みた本実施形態では、急変波形の出現を条件として接触操作または離反操作の有無を判定する。そのため、当該判定を高精度にできる。よって、誤判定の抑制と操作性向上との両立を実現できる。
さて、電気ノイズや雰囲気温度の急変に起因して、接触操作していないにも拘わらず急変波形が出現する場合がある。しかしこの場合には、検出値が閾値Cth以上になっている高レベル状態になっていない可能性が高い。なお、雰囲気温度の急変は、車室内の冷房時にドア開により高温外気が室内に流入した場合や、暖房時に低温外気が流入した場合に生じることを想定している。
この点を鑑みた本実施形態では、急変波形出現の条件に加え、高レベル状態が上昇変化期間Tupに現れたことを条件として接触操作が為されたと判定する。また、急変波形出現の条件に加え、高レベル状態が減少変化期間Tdwに現れたことを条件として離反操作が為されたと判定する。そのため、電気ノイズや雰囲気温度の急変に起因した誤判定のおそれを低減できる。なお、高レベル状態と判定されても急変波形出現が検知されなければ接触操作または離反操作が為されたと判定されない。よって、高レベル状態の判定に用いる閾値Cthは、特許文献1の接触判定に用いられる閾値よりも十分に低い値に設定できる。よって、本実施形態では、高レベル状態の判定が、指先Fの個体差に起因して異なる結果になることを抑制できる。
さらに本実施形態では、高レベル状態または通常レベル状態が、所定の継続時間Tth以上維持されたか否かを判定する継続判定手段44を備える。そして、急変波形出現の条件に加え、高レベル状態が継続時間Tth以上維持されたことを条件として接触操作が為されたと判定する。また、通常レベル状態が継続時間Tth以上維持されたことを条件として離反操作が為されたと判定する。
これによれば、意図に反した操作面に指先Fが触れてしまう誤操作が生じた場合でも、接触操作が為されたと判定されにくくなる。また、意図に反して操作面から指先Fが離れてしまう誤操作が生じた場合でも、離反操作が為されたと判定されにくくなる。したがって、誤操作によるスイッチのオン判定がされにくくなる。
ここで、安定操作状況で用いられる閾値Cthは、操作者の個体差に起因した誤判定の抑制と操作性向上とのバランスを鑑みて設定されている。すなわち、閾値Cthを低く設定すれば、操作面に軽く触れるだけでオン判定されることが促進され、操作性が向上する。その一方で、操作者の指先Fが大きい場合や指先Fが汗で濡れている場合には検出値が大きく現れるので、閾値Cthを過剰に低くすると、操作面に指先Fを近づけただけでオン判定されるといった誤判定の機会が増える。
これに対し、不安定操作状況では、意図に反した操作面に指先Fが触れてしまう誤操作が生じやすい。この種の誤操作時には、上記誤判定時とは異なり、実際に操作面に指先Fが触れるので、検出値が閾値Cthを超え、かつ、急変波形が出現する可能性が高い。したがって、この誤操作時のオン判定を抑制するには、閾値Cthを高くするだけでは不十分である。しかし、誤操作時には、意図した操作時に比べて接触時間が短くなる可能性が高い。
この点に着目した本実施形態では、指先Fの操作状況に応じて継続時間Tthを変更する変更手段45を備えるので、不安定操作状況では継続時間Tthを長く変更できる。そのため、閾値Cthを極端に高く変更することなく、誤操作時のオン判定を抑制できるようになる。よって、操作者の個体差に起因した誤判定の低減と、操作面に軽く触れるだけでオン判定されるといった操作性向上とのバランスを大きく崩すことなく、不安定操作状況時における誤操作時のオン判定を抑制できるようになる。
さらに本実施形態では、車両の走行振動に関する情報を操作状況として取得して、変更手段44による継続時間Tthの変更を実施する。走行振動が大きい状況であるほど、指先Fが意図した位置に定まりにくくなる操作状況(不安定操作状況)であると言える。よって、不安定操作状況になった時にタイミング良く継続時間Tthを変更することができる。
さらに本実施形態では、走行振動が大きい状況であるほど、継続時間Tthを長い時間に変更する。よって、指先Fが意図した位置に定まりにくくなる度合いが大きいほど、接触操作または離反操作の判定がされにくい側の値に、継続時間Tthの値が変更されることとなる。そのため、不安定操作状況時における誤操作時のオン判定抑制が過剰になることを回避でき、操作者の個体差に起因した誤判定の抑制と操作性向上とのバランスを必要以上に崩してしまうことを回避できる。
さらに本実施形態では、上昇変化期間Tupでなければ、急変波形が出現しても接触操作と判定しない。そのため、図4のt1時点より前の検出値が殆ど変化していない期間において、ノイズ等が原因で急変波形が出現した場合であっても、接触操作したと誤判定することが抑制される。同様にして、減少変化期間Tdwでなければ急変波形が出現しても離反操作と判定しないので、ノイズ等が原因で離反操作したと誤判定することが抑制される。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、急変波形の出現を条件として接触操作または離反操作の有無を判定する。これに対し本実施形態では、検出値が閾値Cthを跨ぐように変化する時の検出値の増大速度V2および減少速度V3が、所定速度Vtha以上になっていることを条件として、接触操作または離反操作の有無を判定する。なお、本実施形態に係る静電容量式操作装置のハード構成は上記第1実施形態と同じである。
上記第1実施形態では、急変波形の出現を条件として接触操作または離反操作の有無を判定する。これに対し本実施形態では、検出値が閾値Cthを跨ぐように変化する時の検出値の増大速度V2および減少速度V3が、所定速度Vtha以上になっていることを条件として、接触操作または離反操作の有無を判定する。なお、本実施形態に係る静電容量式操作装置のハード構成は上記第1実施形態と同じである。
以下、本実施形態による接触操作および離反操作の判定手順を、図7および図8を用いて説明する。図示されるフローチャートの処理は、マイコン40により所定周期で繰り返し実行される。
先ず、図7のステップS30において、検出値が閾値Cthを跨いで増大するように変化したか否かを判定する。具体的には、前回のサンプリング値が閾値Cth未満であり、かつ、今回のサンプリング値が閾値Cth以上である場合に、検出値が閾値Cthを跨いで増大変化したと判定する。
閾値Cthを跨いで増大変化したと判定された場合、続くステップS31において、その増大変化時における検出値の増大速度(変化速度)が、予め設定しておいた所定速度Vtha以上であるか否かを判定する。具体的には、今回のサンプリング値と前回のサンプリング値との差分を、サンプリング周期taにおける変化速度と見なし、上記差分により算出される増大速度V2の絶対値が所定速度Vtha以上であるか否かを判定する。
所定速度Vtha以上であると判定された場合、続くステップS32において、図5のステップS13と同様にして継続時間Tthを変更する。続くステップS33では、図5のステップS14と同様にして、検出値が閾値Cth以上になっている高レベル状態を維持したまま、継続時間Tthが経過したか否かを判定する。高レベル状態が継続時間Tth維持されたと判定された場合、次のステップS34において、接触操作が為されたと確定する。そして、接触操作がなされた操作面に関連付けられたスイッチ信号をオンにする。ステップS30、S31、S33の少なくとも1つにおいて否定判定された場合には、接触操作が為されたとは確定されない。
次に、図8のステップS40において、検出値が閾値Cthを跨いで減少するように変化したか否かを判定する。具体的には、前回のサンプリング値が閾値Cth以上であり、かつ、今回のサンプリング値が閾値Cth未満である場合に、検出値が閾値Cthを跨いで減少変化したと判定する。
閾値Cthを跨いで減少変化したと判定された場合、続くステップS41において、その減少変化時における検出値の減少速度(変化速度)が、予め設定しておいた所定速度Vtha以上であるか否かを判定する。具体的には、今回のサンプリング値と前回のサンプリング値との差分を、サンプリング周期taにおける変化速度と見なし、上記差分により算出される減少速度V3の絶対値が所定速度Vtha以上であるか否かを判定する。
所定速度Vtha以上であると判定された場合、続くステップS42において、図6のステップS23と同様にして継続時間Tthを変更する。続くステップS43では、図6のステップS24と同様にして、検出値が閾値Cth未満になっている通常レベル状態を維持したまま、継続時間Tthが経過したか否かを判定する。通常レベル状態が継続時間Tth維持されたと判定された場合、次のステップS44において、離反操作が為されたと確定する。そして、離反操作がなされた操作面に関連付けられたスイッチ信号をオフにする。ステップS40、S41、S43の少なくとも1つにおいて否定判定された場合には、離反操作が為されたとは確定されない。
先述したように、接触操作および離反操作の時には、比誘電率εrおよび接触面積Sが急激に変化することに伴い検出値が急激に変化する。そのため、接触操作または離反操作する過程において、検出値が閾値Cthを跨いで変化した時の検出値の変化速度は所定速度Vtha以上になっている可能性が高い。しかも、指先Fを操作面11に近づけるものの接触させなかった場合や離反操作を途中で止めた場合には、検出値が閾値Cthを跨いで変化したとしても検出値が急変することはないため、その時の変化速度は所定速度Vtha未満になっている可能性が高い。
これらの点を鑑みた本実施形態では、検出値が閾値Cthを跨ぐように変化する時の検出値の増大速度V2または減少速度V3が所定速度Vtha以上になっていることを条件として、接触操作または離反操作の有無を判定する。そのため、当該判定を高精度にできる。よって、誤判定の抑制と操作性向上との両立を実現できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、静電容量式操作装置Voの操作者が、車両Vの運転席Drおよび助手席Paのいずれに着座している乗員であるかの情報(Dr/Pa情報)を取得する。例えば、乗員の上半身の動きを検知する赤外線センサまたはカメラ、運転席Drおよび助手席Paに設けられた着座センサ等の検出結果に基づき、操作者がいずれの側の乗員であるかを判別すればよい。
本実施形態では、静電容量式操作装置Voの操作者が、車両Vの運転席Drおよび助手席Paのいずれに着座している乗員であるかの情報(Dr/Pa情報)を取得する。例えば、乗員の上半身の動きを検知する赤外線センサまたはカメラ、運転席Drおよび助手席Paに設けられた着座センサ等の検出結果に基づき、操作者がいずれの側の乗員であるかを判別すればよい。
さて、指先Fが意図した位置に定まりにくくなる操作状況の具体例として、走行振動により定まりにくくなっている場合の他にも、操作姿勢が悪いことにより定まりにくくなっている場合がある。例えば、運転席Drの乗員は、助手席Paの乗員に比べて操作姿勢の自由度が制限されるため、助手席Paの乗員に比べると指先Fが意図した位置に定まりにくい。そこで本実施形態では、運転席Dr側の乗員が操作している場合には、助手席Pa側の乗員が操作している場合に比べて継続時間Tthを長く設定する。
ここで、操作姿勢が悪いことに起因して意図に反した操作面に指先Fが触れてしまうといった誤操作では、急変波形が出現する可能性が高く、また、検出値が閾値Cthを超える可能性が高い。しかし、この種の誤操作時には、意図した操作時に比べて接触時間が短くなる可能性が高い。
この点に着目した本実施形態では、運転席Dr側乗員による操作の場合には、助手席Pa側乗員による操作の場合に比べて継続時間Tthを長くするので、誤操作時のオン判定が抑制されるようになる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
図5に示す実施形態では、急変波形の出現(S11:YES)、高レベル状態(S12:YES)、および高レベル状態の継続(S14:YES)の3つの条件を全て満たした場合に接触操作であると判定している。これに対し、高レベル状態および高レベル状態の継続といった2つの条件のうち少なくとも1つを廃止してもよい。図6に示す実施形態でも同様にして、通常レベル状態(S22:YES)および通常レベル状態の継続(S24:YES)といった2つの条件のうち少なくとも1つを廃止してもよい。
図7および図8に示す実施形態では、以下の2つの条件を全て満たした場合に接触操作または離反操作であると判定している。すなわち、閾値Cthを超えた時にV2、V3≧Vtha(S31:YES)(S41:YES)といった条件、および状態の継続(S33:YES)(S43:YES)といった条件である。これに対し、高レベル状態または通常レベル状態の継続といった条件を廃止してもよい。
操作面11〜16の雰囲気湿度が高いほど検出値は高い値になるため、湿度に応じて各種判定に用いる所定速度Vth、閾値Cthおよび継続時間Tthを変更すれば、誤判定の抑制と操作性向上との両立性を向上できる。例えば、湿度が高いほど所定速度Vthを大きくし、閾値Cthを高くし、継続時間Tthを長くする。
上記各実施形態では、車両Vの走行振動に関する情報として車速を取得し、車速に応じて継続時間Tthを変更している。これに対し、車両Vの走行加速度を検出する加速度センサの検出値を、走行振動に関する情報として取得してもよい。また、車両Vのピッチング角度やヨーイング角度等、車両Vの姿勢を検出するセンサの検出値が車両Vの振動度合いと相関が高いことに着目し、これらの検出値を走行振動に関する情報として取得してもよい。
図5、図6、図7および図8に示す実施形態では、継続時間Tthを操作状況に応じて変更している。これに対し、各種判定に用いる所定速度Vthや閾値Cthも、操作状況に応じて変更してもよい。
図5、図6、図7および図8に示す実施形態では、継続時間Tthを車速に応じて設定するにあたり、停止時、低速走行時および高速走行時の3段階で継続時間Tthを切り替えている。これに対し、停止時と走行時の2段階で切り替えてもよいし、4段階以上で切り替えてもよい。
操作プレート10の比誘電率は温度に依存して変化するので、検出値は温度に依存して変化する。このことを鑑みて、各種判定に用いる所定速度Vth、閾値Cthおよび継続時間Tthを、温度に応じて変更してもよい。
図3に示す実施形態では、電極21〜26がシート20aの内部に保持された構造である。この構造に替えて、電極21〜26がシート20aの表面に印刷された構造であってもよい。
図3に示す実施形態では、電極21〜26に指先Fを近づけると電極21〜26の静電容量が増加する自己容量方式の装置を採用している。これに対し、電極21〜26の各々に対して受信電極を備える相互容量方式を採用してもよい。相互容量方式では、電極21〜26に指先Fを近づけると電極21〜26と受信電極との間で生じる電界が減少して受信電極の電荷が減少する。この電荷の減少に応じた電気信号を電極21〜26または受信電極は出力する。
図1に示す実施形態では、車両Vに搭載された静電容量式操作装置Voに本発明を適用しているが、本発明は、車両Vに搭載されたものに限定されるものではない。
上記各実施形態では、ユーザの指先Fを操作面11〜16に接触させて操作することを想定しており、指先Fを操作体としている。これに対し、例えばペン形状の操作部材をユーザが持ち、その操作部材を操作面11〜16に接触させて操作してもよく、この場合には、人体以外の操作部材が操作体として機能する。また、ユーザが手袋をはめた状態で操作面11〜16を接触操作した場合には、手袋が操作体として機能する。
10…操作プレート、11、12、13、14、15、16…操作面、21、22、23、24、25、26…電極、41…検出手段、42…急変判定手段、46…接触判定手段、F…指先(操作体)、Tup…上昇変化期間(変化期間)、Tdw…減少変化期間(変化期間)、V1、V2、V3、V4…検出値の変化速度、Vth…所定速度、ΔVth…所定量。
Claims (6)
- 操作体(F)により接触操作される操作面(11、12、13、14、15、16)を形成する操作プレート(10)と、
前記操作面に前記操作体が接触する接触操作、または前記操作面に接触していた前記操作体が該操作面から離れる離反操作が為されたと判定する接触判定手段(46)と、を備える静電容量式操作装置において、
前記操作面に対して前記操作体の反対側に位置する電極(21、22、23、24、25、26)と、
前記操作体と前記電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する検出手段(41)と、
前記検出値の変化速度(V1、V2、V3、V4)が所定速度(Vth)以上になっている変化期間(Tup、Tdw)中に、前記変化速度の単位時間当たりの変化量が所定量(ΔVth)以上になっている急変現象が現れたか否かを判定する急変判定手段(42)と、
を備え、
前記接触判定手段は、前記急変判定手段により前記急変現象が現れたと判定されたことを条件として、前記接触操作または前記離反操作が為されたと判定することを特徴とする静電容量式操作装置。 - 前記検出値が所定の閾値(Cth)以上になっている高レベル状態が、前記変化期間に現れたか否かを判定するレベル判定手段(43)を備え、
前記急変判定手段により前記急変現象が現れたと判定され、かつ、前記レベル判定手段により前記高レベル状態が現れたと判定されたことを条件として、前記接触操作または前記離反操作が為されたと前記接触判定手段は判定することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式操作装置。 - 前記高レベル状態、または前記検出値が前記閾値未満になっている通常レベル状態が、所定の継続時間(Tth)以上維持されたか否かを判定する継続判定手段(44)を備え、
前記急変判定手段により前記急変現象が現れたと判定され、かつ、前記継続判定手段により継続時間以上維持されたと判定されたことを条件として、前記接触操作または前記離反操作が為されたと前記接触判定手段は判定することを特徴とする請求項2に記載の静電容量式操作装置。 - 前記操作体の操作状況に応じて前記継続時間を変更する変更手段(45)を備えることを特徴とする請求項3に記載の静電容量式操作装置。
- 前記操作プレートは車両(V)の室内に設置されており、
前記変更手段は、前記車両の走行振動に関する情報を前記操作状況の情報として取得するとともに、前記走行振動が大きい状況であるほど、前記継続時間を長い時間に変更することを特徴とする請求項4に記載の静電容量式操作装置。 - 操作体(F)により接触操作される操作面(11、12、13、14、15、16)を形成する操作プレート(10)と、
前記操作面に前記操作体が接触する接触操作、または前記操作面に接触していた前記操作体が該操作面から離れる離反操作が為されたと判定する接触判定手段(46)と、を備える静電容量式操作装置において、
前記操作面に対して前記操作体の反対側に位置する電極(21、22、23、24、25、26)と、
前記操作体と前記電極との間で生じる静電容量の変化量に応じた検出値を取得する検出手段(41)と、
を備え、
前記接触判定手段は、前記検出値が所定の閾値(Cth)を跨ぐように変化する時の前記検出値の変化速度(V2、V3)が所定速度(Vtha)以上になっていることを条件として、前記接触操作または前記離反操作が為されたと判定することを特徴とする静電容量式操作装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014002001A JP2015130122A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 静電容量式操作装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2014002001A JP2015130122A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 静電容量式操作装置 |
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Family Applications (1)
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JP2014002001A Pending JP2015130122A (ja) | 2014-01-08 | 2014-01-08 | 静電容量式操作装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017156823A (ja) * | 2016-02-29 | 2017-09-07 | アルプス電気株式会社 | 判定装置及び判定方法 |
JP2021025205A (ja) * | 2019-07-31 | 2021-02-22 | アイシン精機株式会社 | 車両用操作検出装置 |
-
2014
- 2014-01-08 JP JP2014002001A patent/JP2015130122A/ja active Pending
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