JP2015129543A - トルク変動吸収ダンパ - Google Patents

トルク変動吸収ダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP2015129543A
JP2015129543A JP2014001016A JP2014001016A JP2015129543A JP 2015129543 A JP2015129543 A JP 2015129543A JP 2014001016 A JP2014001016 A JP 2014001016A JP 2014001016 A JP2014001016 A JP 2014001016A JP 2015129543 A JP2015129543 A JP 2015129543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
annular mass
torque fluctuation
mass body
fluctuation absorbing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014001016A
Other languages
English (en)
Inventor
政勝 関根
Masakatsu Sekine
政勝 関根
成田 信彦
Nobuhiko Narita
信彦 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP2014001016A priority Critical patent/JP2015129543A/ja
Publication of JP2015129543A publication Critical patent/JP2015129543A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pulleys (AREA)

Abstract

【課題】軽量で耐摩耗性及び耐食性を向上させたトルク変動吸収ダンパを提供する。
【解決手段】ハブ1の外周に第一の弾性体6を介して環状質量体3が連結され、前記環状質量体3にベアリング8を介して回転可能に支持されたプーリ7が第二の弾性体9を介して前記環状質量体3に連結されたトルク変動吸収ダンパにおいて、前記環状質量体3及び前記プーリ7のうち少なくとも一方が、硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっき処理により表面硬化処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用エンジンのクランクシャフト等回転機器の駆動軸から、他の回転機器へ回転トルクを伝達すると共にその回転速度の変動を吸収し、かつ前記駆動軸の振動を吸収するトルク変動吸収ダンパに関する。
自動車の内燃機関のクランクシャフトの先端に設けられたプーリには、トルク変動を吸収して伝達トルクの平滑化を図るためのトルク変動吸収機構が設けられる。このトルク変動吸収ダンパは、自動車用内燃機関のクランクシャフトの軸端に取り付けられて一体に回転する鋳鉄又は板金プレス成形体等からなるハブと、ダイナミックダンパ部及びカップリング部を備え、このうちダイナミックダンパ部は、鋳鉄又は板金プレス成形体等からなるハブと、その外周に配置した鋳鉄等からなる環状質量体とを、第一の弾性体を介して弾性的に連結した構造を有する。また、カップリング部は、ハブ又は環状質量体の外周に合成樹脂製ベアリングを介して支持された鋳鉄又は板金プレス成形体等からなるプーリと、前記環状質量体又はハブとを、第二の弾性体を介して弾性的に連結した構造を有する。
そしてこのトルク変動吸収ダンパは、第一の弾性体と環状質量体で構成されるダイナミックダンパ部が、所定の振動数域において円周方向へ共振することによる動的吸振効果によって、クランクシャフトの捩り振動のピークを低減すると共に、クランクシャフトからハブへ入力された駆動トルクを、カップリング部における第二の弾性体の円周方向剪断変形作用によってトルク変動を吸収しながら、プーリへ伝達するものである。
なお、トルク変動吸収ダンパの典型的な従来技術としては、例えば下記の先行技術文献に開示されたようなものがある。
特開2008−2613号公報
従来、この種のトルク変動吸収ダンパの部品には、鋳物や鋼板が多用されており、部品数が多いため、製品の重量が大きく、燃費を悪化させる要因になっている。ここで、これらの部品の素材としてアルミニウムを採用すれば、軽量化を図ることは可能であるが、アルミニウムは鋳物や鋼板と比較して耐摩耗性が低く、プーリのポリV溝に巻き掛けられたVベルトとの摩擦によるポリV溝の摩耗や、ベアリングや鉄製部品との摺動による摩耗が発生し、早期に製品機能が損なわれる虞がある。また、アルミニウムからなる部品と鉄系の部品が混在する部分では、水などが浸入するとイオン化傾向の差による電食が発生するといた問題がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、軽量で耐摩耗性及び耐食性を向上させたトルク変動吸収ダンパを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、ハブの外周に第一の弾性体を介して環状質量体が連結され、前記環状質量体にベアリングを介して回転可能に支持されたプーリが第二の弾性体を介して前記環状質量体に連結されたトルク変動吸収ダンパにおいて、前記環状質量体及び前記プーリのうち少なくとも一方が表面硬化処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものである。
請求項2の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1に記載された構成において、表面硬化処理が硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっき処理によるものである。
請求項3の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1又は2に記載された構成において、環状質量体及びプーリの双方がアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、このうち、ベアリングと摺動する一方の部材が表面硬化処理され、ベアリングと摺動しない他方の部材が表面硬化処理以外の表面処理手段により防錆処理されたものである。
請求項4の発明に係るトルク変動吸収ダンパは、請求項1〜3のいずれかに記載された構成において、ベアリングがプーリ及び環状質量体のうちアルミニウム又はアルミニウム合金からなる一方の部材に保持されると共に、前記一方の部材に塑性加工により形成した突起部で抜け止めされたものである。
本発明に係るトルク変動吸収ダンパによれば、環状質量体及びプーリの少なくとも一方に、表面硬化処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金を用いることによって軽量化が図られると共に、耐摩耗性が確保され、鉄系部品との間に水などが介入することによる電食や、錆などの発生を有効に抑制することができる。しかもアルミニウム又はアルミニウム合金は熱伝導性に優れているため、放熱性が向上し、第一の弾性体又は第二の弾性体の耐久性を向上させることができる。
また、環状質量体及びプーリの双方をアルミニウム又はアルミニウム合金製とした場合、この環状質量体及びプーリのうち、ベアリングと摺動する一方の部材のみを表面硬化処理し、ベアリングと摺動しない他方の部材を表面硬化処理以外の安価な表面処理手段により防錆処理すれば、コストの上昇を抑えることができる。
しかも、プーリをアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものとすることによって、その内周面に配置されるラジアルベアリングを抜け止めするための突起を、塑性加工によって容易に設けることができる。
本発明に係るトルク変動吸収ダンパの第一の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。 第一の実施の形態におけるカップリング部を、軸心を通る平面で切断して示す部分断面斜視図である。 本発明に係るトルク変動吸収ダンパの第二の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面斜視図である。
以下、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において「正面側」とは、各図における左側であって車両のフロント側のことであり、「背面側」とは各図おける右側であって不図示の内燃機関が存在する側のことである。
まず図1は第一の実施の形態を示すものであって、参照符号1は、自動車用内燃機関のクランクシャフト(不図示)に取り付けられるハブである。このハブ1は、鋳鉄材料又はアルミニウム又はアルミニウム合金により製作されたものであって、クランクシャフトの軸端が挿入されるボス部1aと、このボス部1aの正面側の端部から外径側へ延びる環状段差部1bと、その外周から正面側へ向けてボス部1aと同心の円筒状に延びる外周筒部1cからなる。また、ボス部1aの内周面にはキー溝1dが形成されている。
ハブ1の外周筒部13の外周側にはスリーブ2と、その外周面に嵌着された環状質量体3及びプーリアングル4と、環状質量体3の外周面に嵌着されたカップリングアングル5が配置されている。スリーブ2は鉄製であって、単純な円筒状をなしており、このスリーブ2と、ハブ1の外周筒部13の間には第一の弾性体6が一体に加硫接着されている。
環状質量体3はアルミニウム又はアルミニウム合金製であって、スリーブ2の正面寄りの外周面に圧入嵌着された内周筒部3aと、その正面寄りの位置から外径側へ展開した円盤部3bと、更にこの円盤部3bの外径部近傍から背面側へ延びる支持筒部3cからなる二重筒状をなす。また、支持筒部3cには、所要の慣性質量を確保するために径方向厚さを大きくした複数の厚肉部3dが円周方向等配状に形成されている。
プーリアングル4は鉄製のプレス成形体であって、スリーブ2の背面寄りの外周面に圧入嵌着された取付筒部4aと、その背面側の端部から円盤状に展開した支持フランジ部4bからなる断面略L字形をなす。
カップリングアングル5は鉄製のプレス成形体であって、環状質量体3の内周筒部3aの外周面に圧入嵌着された取付筒部5aと、その正面側の端部から正面側へ倒れた円錐面状をなして展開した外向きフランジ部5bからなる。なお、カップリングアングル5の外向きフランジ部5bの正面側に位置する環状質量体3の円盤部3bの内側面も、前記外向きフランジ部5bと対応する円錐面状に形成されている。
第一の弾性体6は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるものであって、不図示の金型に、ハブ1とスリーブ2を互いに同心的にセットし、型締めによってハブ1の外周筒部1cの外周面とスリーブ2の内周面との間に画成されるキャビティに、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、環状(円筒状)に加硫成形すると同時に前記外周筒部1cの外周面及びスリーブ2の内周面に加硫接着したものである。
スリーブ2、環状質量体3、プーリアングル4及びカップリングアングル5と第一の弾性体6は、ダイナミックダンパ部Dを構成するものであり、このダイナミックダンパ部Dは、互いに一体に嵌着されたスリーブ2、環状質量体3、プーリアングル4及びカップリングアングル5による慣性質量と、第一の弾性体6のばね定数によって、クランクシャフトの捩れ角が最大となる所定の振動数域、言い換えればクランクシャフトの捩り方向固有振動数と合致するように同調されている。
参照符号7はプーリである。このプーリ7はアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものであって、プーリ本体7aと、その背面側の端部からプーリアングル4の支持フランジ部4bの正面側を内径側へ延びる内向きフランジ部7bと、前記プーリ本体7aの正面側の端部の外周部から延びて環状質量体3の支持筒部3cの外周にラジアルベアリング8を介して支持される被支持筒部7cからなる。
ラジアルベアリング8はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料からなるものであって、円周方向1カ所が切断された円筒状をなし、プーリ7の被支持筒部7cの内周面に配置されると共に、環状質量体3の支持筒部3cの外周面と摺動可能に接触している。
プーリ本体7aの外周面にはポリV溝7dが形成されており、不図示のVベルトが巻き掛けられるようになっている。また、被支持筒部7cの正面側の端部と、環状質量体3における円盤部3bの外径端部の間は、ラジアルベアリング8の外側に位置するラビリンス隙間Lとなっている。
環状質量体3に嵌着されたカップリングアングル5の外向きフランジ部5bと、その背面側から軸方向に対向するプーリ7の内向きフランジ部7bは、環状質量体3の中空部内を略円筒状に延びる第二の弾性体9を介して、円周方向相対変位可能に弾性的に連結されており、これによってカップリング部Cが構成されている。
第二の弾性体9は、耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなるものであって、不図示の金型にカップリングアングル5とプーリ7を同心的にセットし、型締めによってこのカップリングアングル5の外向きフランジ部5bとプーリ7の内向きフランジ部7bとの間に画成される円筒状のキャビティに、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、加硫成形と同時に前記外向きフランジ部5bと内向きフランジ部7bに加硫接着したものである。
この第二の弾性体9は、クランクシャフトからハブ1へ入力された駆動トルクを、円周方向剪断変形によって平滑化しながらプーリ7へ伝達するものであって、クランクシャフトのトルク変動は、アイドリング以下の低回転領域で顕著になることから、この第二の弾性体9は、ばね定数を低くすると共に捩り方向への許容変形量を大きくし、かつトルク伝達力を確保するため、軸方向及び径方向の肉厚が大きなものとなっている。
カップリングアングル5の外向きフランジ部5bの正面側には第二の弾性体9から廻り込んだゴム層9aが形成され、環状質量体3の円盤部3bの内側面に密接されている。
プーリアングル4の支持フランジ部4bと、プーリ7の内向きフランジ部7bとの間には、スラストベアリング10が介在している。このスラストベアリング10は、ラジアルベアリング8と同じくPTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料からなるものであって、平ワッシャ状に成形されている。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる環状質量体3及びプーリ7は、硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきによる表面硬化処理がなされている。
以上の構成を備えるトルク変動吸収ダンパは、自動車用内燃機関のクランクシャフトと共に回転され、その駆動トルクを、プーリ7のプーリ本体7a(ポリV溝7d)に巻き掛けられたVベルトを介して補機の回転軸に伝達するものである。そして、環状質量体3及びプーリ7が軽金属であるアルミニウム又はアルミニウム合金からなるため、製品の重量を軽減し、燃費の向上に寄与することができる。
そして、環状質量体3は、支持筒部3cに複数の厚肉部3dが円周方向等配状に形成されていることによって、重心が比較的外周側に偏在しているので、軽量であるにもかかわらず十分な慣性質量が確保され、したがって、入力されるクランクシャフトの捩り振動のトルクと対抗する十分な大きさの制振トルクを得ることができる。
ここで、ダイナミックダンパ部Dは、クランクシャフトの共振によって捩れ角が最大となる振動数域で円周方向に共振し、その共振によるトルクは、入力振動のトルクと方向が逆になる。そしてこのような動的吸振作用によって、クランクシャフトの共振による捩れ角のピークを有効に低減することができる。
また、低回転域でクランクシャフトに顕著に発生するトルク変動は、ハブ1から第一の弾性体6を介してスリーブ2及びこれと一体の環状質量体3、プーリアングル4及びカップリングアングル5へ伝達され、さらにこのカップリングアングル5から、第二の弾性体9を介してプーリ7へ伝達される。ここで第二の弾性体9は円周方向剪断ばね定数が著しく低いため、入力されたトルク変動に応じて円周方向へ繰り返し剪断変形され、このトルク変動を熱エネルギに変換する。このため、プーリ7のプーリ本体7a(ポリV溝7d)に巻き掛けられたVベルトへの伝達トルクが平滑化される。
ここで、ダイナミックダンパ部Dの動的吸振作用に伴い、第一の弾性体6がハブ1の外周筒部13とスリーブ2の間で円周方向へ繰り返し剪断変形を受けることによって発熱し、その熱の一部はスリーブ2から環状質量体3へ伝導され、この環状質量体3から外気中へ放出される。このとき、環状質量体3は熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金からなることに加え、円盤部3bにおいて外気との広い接触面を有するため、外気への放熱が良好に行われる。したがって、熱の蓄積による第一の弾性体6の劣化を有効に防止することができる。
一方、カップリング部Cでも、第二の弾性体9がカップリングアングル5とプーリ7の内向きフランジ部7bの間で円周方向へ繰り返し剪断変形を受けることによって発熱し、その熱の一部は、プーリ7の内向きフランジ部7bへ伝導され、あるいは前記熱の他の一部は、カップリングアングル5を介して環状質量体3へも伝導され、これらプーリ7の内向きフランジ部7b及び環状質量体3から外気中へ放出される。このとき、プーリ7及び環状質量体3が熱伝導性に優れたアルミニウム又はアルミニウム合金からなることに加え、環状質量体3の円盤部3b及びプーリ7の内向きフランジ部7bにおいて外気との広い接触面を有するため、外気への放熱が良好に行われる。したがって、熱の蓄積による第二の弾性体9の劣化を有効に防止することができる。
また、環状質量体3、プーリ7、及び第二の弾性体9で囲まれた環状空間Sに存在する空気の一部は、温度上昇時に熱膨張によってラジアルベアリング8と環状質量体3の支持筒部3cとの摺動部の隙間を介して外部へ出て行き、その後の温度低下時には、冷却収縮によって前記摺動部の隙間を介して外部の空気が取り込まれる。そしてこの外気取り込みの際に、ラジアルベアリング8の外側のラビリンス隙間Lに付着していたダスト等の異物が吸い込まれて前記摺動部を損傷してしまうおそれがある。これに対し、図示の実施の形態では、上述のように環状質量体3及びプーリ7の放熱性が高いため、冷間と熱間との温度差が小さくなり、その結果、環状空間Sの温度低下時の負圧を小さくしてダスト等の浸入を抑制することができる。
また、プーリ7は硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきによって表面硬化処理されているので、Vベルトの微細スリップによるプーリ本体7aのポリV溝7dの摩耗、及びスラストベアリング10との摺動による内向きフランジ部7bの摩耗が有効に抑制される。同様に、環状質量体3も硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきによって表面硬化処理されているので、ラジアルベアリング8との摺動による支持筒部3cの外周面の摩耗が有効に抑制される。
さらに、スリーブ2と、環状質量体3の内周筒部3aとの嵌着面は異種金属同士の接触となるが、硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっき処理された環状質量体3の内周筒部3aの表面は、硬質で絶縁性の高い皮膜からなるため、鉄製のスリーブ2との間に水分が介在した時の電食を有効に防止することができる。
しかも、アルミニウム又はアルミニウム合金は塑性加工が容易であるため、プーリ7における被支持筒部7cの内周にラジアルベアリング8を配置してから、図2に示すように、前記被支持筒部7cの端部を円周方向複数個所でポンチにより軸方向へつぶして座屈変形させることで、ラジアルベアリング8を抜け止めするための突起7eを容易に形成することができる。
次に図3は、本発明に係るトルク変動吸収ダンパの第二の実施の形態を示すものである。この第二の実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なる点について説明すると、プーリ7の被支持筒部7cがプーリ本体7aにおける正面側の端部の内周部から延びており、環状質量体3の支持筒部3cがプーリ7の被支持筒部7cの外周側を包囲するように延びて、その背面側の端部がプーリ本体7aとラビリンス隙間Lを介して軸方向に対向しており、環状質量体3の支持筒部3cの内周面に配置されたラジアルベアリング8がプーリ7の被支持筒部7cの外周面と摺動可能に接触している。そして、環状質量体3の支持筒部3cに円周方向等配状に形成された複数の厚肉部3dは、外径方向へ厚肉(大径)となっているものである。
また、環状質量体3及びプーリ7は、共にアルミニウム又はアルミニウム合金からなるものであり、このうちプーリ7は、硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきによる表面硬化処理がなされているのに対し、環状質量体3は耐食性を向上させ電食を防止するためのクロム酸処理等による表面処理がなされている。
その他は、基本的に第一の実施の形態と同様に構成することができる。
第二の実施の形態のトルク変動吸収ダンパによれば、第一の実施の形態と同様の効果が実現されるのに加え、ラジアルベアリング8及びスラストベアリング10との摺動面を、ベルト摺動面(ポリV溝7d)を有するプーリ7に集約したことによって、耐食性の向上と電食の防止のほかに耐摩耗性の向上を考慮した高価な硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきはプーリ7のみに行い、摺動部の存在しない環状質量体3は安価なクロム酸処理等による表面処理で良いため、コストを抑えた仕様を実現することができる。
すなわち、プーリ7は硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっきによって表面硬化処理されているので、Vベルトの微細スリップによるプーリ本体7aのポリV溝7dの摩耗や、スラストベアリング10との摺動による内向きフランジ部7bの摩耗、及びラジアルベアリング8との摺動による外周筒部7cの外周面の摩耗が有効に抑制される。
そして、スリーブ2と、環状質量体3の内周筒部3aとの嵌着面は異種金属の接触となるが、クロム酸処理等により表面処理された環状質量体3の内周筒部3aの表面は、防錆力の高い皮膜からなるため、鉄製のスリーブ2との間での電食を有効に防止することができる。
また、第二の実施の形態では、環状質量体3の厚肉部3dがプーリ7の被支持筒部7c及びラジアルベアリング8よりも外周側に存在することによって、環状質量体3の重心が第一の実施の形態よりもさらに外周側に偏在するので、一層大きな慣性質量を確保することができる。
また、この実施の形態でも、内周にラジアルベアリング8を保持している環状質量体3の支持筒部3cにおける背面側の端部を、円周方向複数個所でポンチにより軸方向につぶして座屈変形させることで、ラジアルベアリング8を抜け止めするための図2と同様の突起(不図示)を容易に形成することができる。
1 ハブ
2 スリーブ
3 環状質量体
4 プーリアングル
5 カップリングアングル
6 第一の弾性体
7 プーリ
8 ラジアルベアリング
9 第二の弾性体9
10 スラストベアリング

Claims (4)

  1. ハブの外周に第一の弾性体を介して環状質量体が連結され、前記環状質量体にベアリングを介して回転可能に支持されたプーリが第二の弾性体を介して前記環状質量体に連結されたトルク変動吸収ダンパにおいて、前記環状質量体及び前記プーリのうち少なくとも一方が表面硬化処理されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなることを特徴とするトルク変動吸収ダンパ。
  2. 表面硬化処理が硬質アルマイト処理又は硬質クロムめっき処理によるものであることを特徴とする請求項1に記載のトルク変動吸収ダンパ。
  3. 環状質量体及びプーリの双方がアルミニウム又はアルミニウム合金からなり、このうち、ベアリングと摺動する一方の部材が表面硬化処理され、ベアリングと摺動しない他方の部材が表面硬化処理以外の表面処理手段により防錆処理されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のトルク変動吸収ダンパ。
  4. ベアリングがプーリ及び環状質量体のうちアルミニウム又はアルミニウム合金からなる一方の部材に保持されると共に、前記一方の部材に塑性加工により形成した突起部で抜け止めされたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトルク変動吸収ダンパ。
JP2014001016A 2014-01-07 2014-01-07 トルク変動吸収ダンパ Pending JP2015129543A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001016A JP2015129543A (ja) 2014-01-07 2014-01-07 トルク変動吸収ダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014001016A JP2015129543A (ja) 2014-01-07 2014-01-07 トルク変動吸収ダンパ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015129543A true JP2015129543A (ja) 2015-07-16

Family

ID=53760406

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014001016A Pending JP2015129543A (ja) 2014-01-07 2014-01-07 トルク変動吸収ダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015129543A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018105313A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 Nok株式会社 トルク変動吸収ダンパ
WO2021124819A1 (ja) * 2019-12-20 2021-06-24 Nok株式会社 トーショナルダンパ

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5734758A (en) * 1980-08-07 1982-02-25 Mitsuba Denki Seisakusho:Kk Rotor for magnet generator
JPS57117586U (ja) * 1981-01-14 1982-07-21
JPH01193461A (ja) * 1988-01-29 1989-08-03 Fuji Kiko Co Ltd ダンパープーリー
JPH0493540U (ja) * 1990-12-28 1992-08-13
JPH051347A (ja) * 1991-06-21 1993-01-08 Furukawa Alum Co Ltd 軽量のv溝プーリー
JPH11166594A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Nok Megurasutikku Kk ダンパ
JP2003184997A (ja) * 2001-12-17 2003-07-03 Yunimatekku Kk フランジ付きプーリ
JP2003311363A (ja) * 2002-04-25 2003-11-05 Makita Corp リベット締結具
JP2004340169A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Nok Corp トルク変動吸収ダンパ
JP2007107637A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Nok Corp トルク変動吸収ダンパ
JP2011501077A (ja) * 2007-10-25 2011-01-06 ザ ゲイツ コーポレイション アイソレータ分離器

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5734758A (en) * 1980-08-07 1982-02-25 Mitsuba Denki Seisakusho:Kk Rotor for magnet generator
JPS57117586U (ja) * 1981-01-14 1982-07-21
JPH01193461A (ja) * 1988-01-29 1989-08-03 Fuji Kiko Co Ltd ダンパープーリー
JPH0493540U (ja) * 1990-12-28 1992-08-13
JPH051347A (ja) * 1991-06-21 1993-01-08 Furukawa Alum Co Ltd 軽量のv溝プーリー
JPH11166594A (ja) * 1997-12-05 1999-06-22 Nok Megurasutikku Kk ダンパ
JP2003184997A (ja) * 2001-12-17 2003-07-03 Yunimatekku Kk フランジ付きプーリ
JP2003311363A (ja) * 2002-04-25 2003-11-05 Makita Corp リベット締結具
JP2004340169A (ja) * 2003-05-13 2004-12-02 Nok Corp トルク変動吸収ダンパ
JP2007107637A (ja) * 2005-10-14 2007-04-26 Nok Corp トルク変動吸収ダンパ
JP2011501077A (ja) * 2007-10-25 2011-01-06 ザ ゲイツ コーポレイション アイソレータ分離器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018105313A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 Nok株式会社 トルク変動吸収ダンパ
WO2021124819A1 (ja) * 2019-12-20 2021-06-24 Nok株式会社 トーショナルダンパ
CN114599895A (zh) * 2019-12-20 2022-06-07 Nok株式会社 扭转减振器
US11913515B2 (en) 2019-12-20 2024-02-27 Nok Corporation Torsional damper

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4716012B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
US8091450B2 (en) Decoupled vibration damper
JP2009270612A (ja) ターボチャージャーの軸受構造
US9556948B2 (en) Alternator damper pulley for vehicle
JP4662044B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2015129543A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2007071263A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2004278726A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP5800131B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP6817539B2 (ja) トーショナルダンパ
JP2007232164A (ja) トルク伝達装置
JP5472607B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2007100852A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP6100070B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2018105313A (ja) トルク変動吸収ダンパ
KR20160126687A (ko) 토크 변동 흡수 댐퍼
US9689461B2 (en) Damper assebmly sealing arrangement
JP4743391B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2007170476A (ja) 駆動軸用ダンパ
JP2003343652A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2013007437A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2011033151A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2004116640A (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP5910859B2 (ja) トルク変動吸収ダンパ
JP2006046447A (ja) フリクションダンパ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170914

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171117

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180314