JP2015129228A - 潤滑剤成形物、潤滑剤塗布装置、潤滑剤成形物の成形方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

潤滑剤成形物、潤滑剤塗布装置、潤滑剤成形物の成形方法、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒビ割れを生じない成形性と、潤滑剤供給部材のヘタリを抑制できる研削性との両立を実現でき、プロセスカートリッジの交換に係る長寿命化にも寄与できる潤滑剤成形物を提供する。【解決手段】潤滑性物質を主成分とした粒子を圧縮成形してなる潤滑剤成形物6aにおいて、潤滑性物質は、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなる。粒径の大きい潤滑性物質A1と、粒径の小さい潤滑性物質A2とを混合すると、潤滑性物質A2の粒子間結合力の大きさによって、潤滑性物質A1のヒビ割れを生じない成形性が得られる圧縮率が低い方にシフトし、結果として研削性が向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、像担持体の表面に塗布する潤滑剤をブロック状に固めた潤滑剤成形物、該潤滑剤成形物を有する潤滑剤塗布装置、潤滑剤成形物の成形方法、潤滑剤塗布装置を備えたプロセスカートリッジ、該プロセスカートリッジを有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいはこられのうち少なくとも1つを備えた複合機等の画像形成装置に関する。
電子写真プロセスを用いる画像形成装置では、像担持体として回転駆動される感光体を備え、帯電部材による感光体表面への放電によって電荷を与えて帯電し、帯電した感光体表面を露光して静電潜像を形成する。
現像装置により静電潜像にトナーを供給して可視像化し、形成されたトナー像を中間転写体に順次多重転写して中間転写体上に多色画像を形成した後、記録紙等の記録媒体に静電的に一括再転写し、画像ズレのない多色画像を形成している。
トナー像の転写後に感光体表面に付着する転写残トナーはクリーニング部材で除去される。
クリーニング部材としては、クリーニング性能の安定性やコスト面から、ゴム等の弾性体からなるクリーニングブレードが広く用いられている。
この種のクリーニング方式では、感光体とクリーニングブレードとの機械的接触により、感光層の磨耗による帯電性能の低下や、クリーニングブレードの磨耗によるトナーすり抜け等の問題が生じる。
この問題を解消すべく、像担持体の表面に潤滑剤を塗布して摩擦係数を低減することが行われている。
潤滑剤は、一般的に、潤滑性物質を主成分とした材料で細長い直方体状(ブロック状)に潤滑剤成形物として形成され、これをブラシローラ等の潤滑剤供給部材により削り取って感光体表面に供給している。
感光体への潤滑剤の供給量が一定になるように、潤滑剤成形物はバネ等の潤滑剤加圧部材により潤滑剤供給部材へ加圧されている。
感光体の表面に供給された潤滑剤は、ブレード状の部材で薄膜状に拡げられて塗布される。
像担持体の表面に潤滑剤を塗布することにより、像担持体やクリーニング部材の寿命を延ばすことができることが実証されている。
像担持体やクリーニング部材の長寿命化は、像担持体やクリーニング部材を一体に備えたプロセスカートリッジの交換頻度の低減化にも寄与している。
潤滑性物質としては、従来より、ステアリン酸亜鉛が広く用いられている。
ステアリン酸亜鉛は、帯電による影響で潤滑性が低下しやすいため、特許文献1に開示されているように、窒化ホウ素等の無機潤滑剤を添加して潤滑性の低下を抑制した技術も提案されている。
窒化ホウ素等の無機潤滑剤を添加した潤滑剤を用いることにより、像担持体やクリーニング部材の寿命を飛躍的に延ばすことができる。
ステアリン酸亜鉛を主とした潤滑剤成形物の成形方法としては、一般的には、潤滑性物質を溶かして型内に注入し、固化させる溶融固化法が知られている。
しかしながら、アスペクト比の大きい成形物では冷却固化工程でクラックが入り、ヒビ割れてしまうという問題がある。
また、ステアリン酸亜鉛以外の潤滑性物質を添加した場合、添加物質によるバインダー効果で成形後の硬さが非常に大きくなってしまうという問題がある。
潤滑剤成形物が硬いと、ブラシローラ等の潤滑剤供給部材による削り取られる機能が低下するため、潤滑剤加圧部材により加圧力を上げる必要があり、そうすると潤滑剤供給部材の早期ヘタリを来たす。
潤滑剤供給部材の早期ヘタリが生じると、潤滑剤の供給機能が低下するため、像担持体やクリーニング部材の寿命が到来していないにも拘わらず、プロセスカートリッジの交換をしなければならないという不具合が生じる。
特許文献2には、上記溶融固化法の問題を解消すべく、潤滑性物質を粉末や粒の状態で型に入れ、常温下で加熱することなく加圧して圧縮成形する冷間加工法的な製造方法が提案されている。
この方法によれば、加圧力の調整により削れやすさ(以下、「研削性」という)をある程度コントロールできる。
すなわち、圧縮成形時の圧縮率(=成形密度/潤滑性物質の真密度)を落とすことにより、研削性を向上させることができる。
研削性が上がれば、潤滑剤加圧部材による潤滑剤への加圧力を低減させることができ、潤滑剤供給部材のヘタリを抑制することが可能となる。
しかしながら、特許文献2等に記載の圧縮成形法では、粒子間に空隙が存在するため、研削性を向上させるべく圧縮率を下げると、圧縮力が開放された後の内部応力の変化等により空隙を起点としてヒビ割れが生じやすく、成形性が低下する。
逆にヒビ割れを生じない成形性を得るべく圧縮率を上げると、研削性が低下する。
このように、圧縮成形法において、成形性と研削性とは二律背反の関係にある。
潤滑剤成形物が製品として存在するためにはヒビ割れを生じない成形性が前提となるため、従来においては、研削性を犠牲にして成形性を確保するしか選択の余地がなく、研削性の低下による供給量の不安定性を潤滑剤加圧部材による加圧力を上げることによって補っていた。
このため、溶融固化法に比べてヒビ割れの問題は解消できるものの、プロセスカートリッジの交換寿命が潤滑剤塗布装置の機能低下に左右され、潤滑剤の供給による像担持体やクリーニング部材の長寿命化の利点を十分に活かすことができなかった。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、ヒビ割れを生じない成形性と、潤滑剤供給部材のヘタリを抑制できる研削性との両立を実現でき、プロセスカートリッジの交換に係る長寿命化にも寄与できる潤滑剤成形物の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、潤滑性物質を主成分とした粒子を圧縮成形してなる潤滑剤成形物において、前記潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなることを特徴とする。
また、本発明は、潤滑性物質を主成分とした粒子を型に入れ、常温下で圧縮してブロック状に成形する潤滑剤成形物の成形方法において、前記潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなることを特徴とする。
本発明によれば、ヒビ割れを生じない成形性と、潤滑剤供給部材のヘタリを抑制できる研削性との両立を図れる潤滑剤成形物を実現でき、プロセスカートリッジの交換に係る長寿命化にも寄与できる。
本発明の一実施形態に係る潤滑剤成形物の斜視図及び断面摸式図である。 潤滑性物質のピーク粒径の波形を示す特性図である。 成分が異なる潤滑性物質を含む潤滑剤成形物の斜視図及び断面摸式図である。 図3の潤滑剤成形物における潤滑性物質のピーク粒径の波形を示す特性図である。 潤滑性物質の粒径と、ヒビ割れを来たさない成形性との関係を示す図である。 圧縮成形における金型の構成を示す斜視図である。 圧縮成形工程を示す概要断面図である。 成形後の潤滑剤成形物の斜視図である。 画像形成装置の概要構成図である。 プロセスカートリッジの構成図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
まず、図9に基づいて、本実施形態に係る画像形成装置の構成の概要を説明する。
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色トナーによりカラー画像を形成するいわゆるタンデム型の構成を有している。
この画像形成装置は、それぞれ前記4色のトナー像を形成する作像ユニット10Y、10C、10M、10Kを有している。
以下、作像ユニットを「プロセスカートリッジ」という。プロセスカートリッジ10Y、10C、10M、10Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kを備えている。
プロセスカートリッジ10Y、10C、10M、10Kの上部には、4つのローラ52、53、54、55に掛け回されて支持された無端状の中間転写ベルト31配置されている。
中間転写ベルト31は、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kに接触しながら図中矢印A方向に回転移動する。
プロセスカートリッジ10Y、10C、10M、10Kの下方には、露光装置25が備えられている。
露光装置25は、帯電した各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kの表面に各色の画像データに基づいて照射されるレーザー光Lによって静電潜像を形成する。
中間転写ベルト31を挟んで、各感光体ドラム1Y、1C、1M、1Kと対向する位置には、感光体ドラム1Y、1C、1M、1K上に形成されたトナー像を中間転写ベルト31上に一次転写する一次転写ローラ32が配置されている。
一次転写ローラ32は、図示しない電源部に接続されており、所定の一次転写電圧が印加される。
中間転写ベルト31のローラ52で支持された部分の外側には、二次転写ローラ34が圧接されている。
二次転写ローラ34は、図示しない電源に接続されており、所定の二次転写電圧が印加される。
二次転写ローラ34と中間転写ベルト31との接触部が二次転写部であり、中間転写ベルト31上のトナー像が一括して記録媒体としての転写紙に転写される。
中間転写ベルト31のローラ55で支持された部分の外側には、二次転写後の中間転写ベルト31の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーニング装置33が設けられている。
二次転写部の上方には、転写紙上のトナー像を転写紙に半永久的に定着させる定着装置40が備えられている。
定着装置40は、内部にハロゲンヒータを有する加熱ローラ42と、定着ローラ44と、これらのローラ間に巻き掛けられた無端状の定着ベルト43と、定着ベルト43を介して定着ローラ44に対向して配置された加圧ローラ45とから構成されている。
定着装置40で定着を終えた転写紙は排紙ローラ対41により、画像形成装置上面に排出される。
画像形成装置の下部には、二次転写部に向けて転写紙を送り出す給紙装置20が備えられている。
給紙装置20に載置されて収容された転写紙は、最上のものから順に給紙ローラ21により給紙される。
給紙された転写紙は、レジストローラ対22で一旦停止され、斜めずれを修正された後レジストローラ対22の回転により所定のタイミングで二次転写部に搬送される。
露光装置25は、公知のレーザー方式によって、カラー画像形成に対応した光情報を一様に帯電された感光体ドラム1の表面に照射して静電潜像を形成する。
LEDアレイと結像手段とから成る露光装置も採用可能である。本発明では、露光装置25は通常の画像形成終了後、制御部から信号を受け取った際に感光体ドラムの全面にレーザーを照射することで、感光体ドラム1上の残留電荷を取り除く働きも受け持つ。
図10に基づいて、プロセスカートリッジ10の構成を詳細に説明する。
4つのプロセスカートリッジ10Y、10C、10M、10Kは同一構成のため1つの作像ユニット10について図示している。
感光体ドラム1の周りには、時計回り方向に順に、感光体ドラム1の表面に電荷を与えて帯電する帯電装置2と、感光体ドラム1の表面に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置4と、感光体ドラム1の表面に潤滑剤を供給・塗布する潤滑剤塗布装置6と、トナー像転写後の感体光ドラム1の表面をクリーニングするクリーニング装置7とが配置されている。
これらの装置は、プロセスカートリッジ10の筐体内に一体に収容されており、プロセスカートリッジ10は画像形成装置本体に着脱自在となっている。
感光体ドラム1は、その一部が中間転写ベルト31に接している。
感光体ドラム1は、直径が30〜100mm程度の導電性支持体表面に光導電性物質である感光層を設けたものである。
導電性支持体としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の導電性金属を採用可能である。
本実施形態では、ドラム状の像担持体を用いているが、ベルト状の像担持体も採用可能である。
感光層は電荷発生材と電荷輸送材との機能が一体的に構成された単層型のものと、電荷発生層と電荷輸送層との2層構成となった機能分離型のものが採用可能である。
一般的な機能分離型の像担持体には、導電性支持体上に直接、又は、下引き層(中間層)を介して電荷発生層が設けられ、電荷発生層上に電荷輸送物質を含有する樹脂層(電荷輸送層)が設けられている。
特に、機能分離型の積層像担持体を用いると感度設計の自由度が広がるので、像担持体には機能分離型の積層像担持体が好ましく、本実施形態でも積層像担持体を採用した。
帯電装置2は、導電性芯金の周りに中抵抗の弾性層や樹脂層を被覆して構成される帯電ローラ2aと、帯電ローラ2aを感光体ドラム1に当接させるための図示しないスプリング等を備えている。
帯電ローラ2aは図示しない電源部に接続されており、所定の直流電圧および交流電圧が印加される。
帯電ローラ2aは、両端部にスペーサー部材を設けると、このスペーサーが感光体ドラム1と当接し、感光体ドラム1との間に一定のギャップを持った非接触方式で配置することができる。
本実施形態では、帯電部材の長寿命化のため、前述の非接触での帯電方式を採用した。
帯電ローラ2aの周囲には、帯電ローラ2aの表面に付着した異物を清掃する帯電清掃ローラ2bが設けられている。これにより、帯電ローラ2aの長寿命化が可能となる。
現像装置4には、感光体ドラム1と対向する位置に、内部に磁界発生手段を備える現像スリーブ4aが配置されている。
現像スリーブ4aの下方には、図示しないトナーボトルから投入されるトナーを現像剤と混合し、攪拌しながら現像スリーブ4aへ汲み上げるための2つのスクリュー4bが備えられている。
スクリュー4bによって汲み上げられるトナーと磁性キャリアとからなる現像剤は、ドクターブレード4cによって所定の現像剤層の厚みに規制され、現像スリーブ4aに担持される。
現像スリーブ4aは、感光体ドラム1との対向位置において矢印の方向に移動しながら、現像剤を担持搬送し、トナーを感光体ドラム1の潜像面に供給する。
クリーニング装置7は、クリーニング部材としてクリーニングブレード7aと、クリーニングブレード7aを保持するためのブレード保持部材7bと、クリーニングにより除去されたトナーや紙粉等を回収するトナー回収コイル7cとを備えている。
クリーニングブレード7aは、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー等の弾性部材で構成される。それらの中でも、ウレタンエラストマーは、耐磨耗性、高機械強度等の点から優れている。
クリーニングブレード7aは、一般的には、遠心成形により弾性部材をシート状に成形した後、これをブレード形状にカットすることにより形成される。
クリーニングブレード7aを支持するブレード支持部材7bは、好ましくは、金属、プラスチック及びセラミックから選ばれる材料で構成されるが、それらに限定されるものではない。
機械強度の高いSUS等の鋼板、アルミニウム板、又は、リン青銅等の銅板を用いることもできる。
このような材料で構成されるクリーニングブレード7aは、ブレード支持部材7bをスプリングにより加圧したり、クリーニング装置7のケースに固定したりすることで弾性が付与され、所定の当接圧、当接角で感光体ドラム1の表面に当接する。
同様の構成のクリーニング装置を中間転写ベルト31に対しても配備することで、転写後の中間転写ベルト31上に残存するトナーによる不具合を解消することができる。
潤滑剤塗布装置6は、感光体ドラム1の軸方向に延びる細長いブロック状に形成された潤滑剤としての潤滑剤成形物6aを有している。
また、潤滑剤塗布装置6は、ガイド板内に感光体ドラム1に対して接離する方向にスライド自在に収容され、潤滑剤成形物6aを保持する潤滑剤保持部材6bと、潤滑剤保持部材6bを感光体ドラム1側に向けて付勢する潤滑剤加圧部材としての加圧バネ6cとを有している。
さらに、潤滑剤塗布装置6は、潤滑剤成形物6aに当接して回転し、潤滑剤成形物6aを削り取って感光体ドラム1の表面に供給する潤滑剤供給部材としてのブラシローラ6dと、感光体ドラム1の回転方向においてブラシローラ6dの下流側に配置され、供給された潤滑剤を膜状に拡げる塗布ブレード6eと、塗布ブレード6eを支持する塗布ブレード支持部材6fとを有している。
本実施形態では、ブラシローラ6dの下方から潤滑剤成形物6aを加圧しているが、ブラシローラ6dの上方から加圧するレイアウトとしてもよい。
また、潤滑剤加圧部材としての加圧バネ6cを直接潤滑剤保持部材6bに対して圧縮方向で用いているが、引っ張り方向の力を圧縮力に変換する部材を用いて加圧したり、錘による加圧をしたりすることも可能である。
ブラシローラ6dは、回転自在に設けられており、感光体ドラム1と同一又は単独で駆動部から駆動力を受けて回転する。
ブラシローラ6dの回転方向は特に規定しないが、例えば潤滑性物質を多く感光体ドラム1上に供給したい場合は、感光体ドラム1の回転方向に対して、ブラシローラ6dの回転方向は逆回転にするなど適宜選択することが可能である。
潤滑剤塗布部材としては、芯材と化学繊維からなるブラシローラ6dに限定されず、例えば芯材と該芯材の外周に形成され複数の気泡を有する発泡体層とを有する発泡体ローラでもよい。
これらの潤滑剤塗布部材を目的に応じて適宜選択することが可能であるが、潤滑剤成形物を感光体ドラム1へ供給する供給効率の観点からは発泡体ローラであることが好ましい。
発泡体ローラにおける芯材の材質としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂や鉄、アルミ、ステンレス等の金属などが挙げられる。
芯材の形状としては、例えば、円柱状、円筒状などが挙げられる。発泡体層は、芯材の外周に形成される層であり、複数の気泡(「セル」、「孔」、「空隙」などとも称することがある)を有する。
発泡体層の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円筒状などが挙げられる。
発泡体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、発泡ポリウレタンなどが挙げられる。
発泡体層の内部形状は、独立気泡型や連続気泡型等を目的に応じて適宜選択することができ、これらの中でも連続気泡型が、圧縮残留ひずみが小さく、圧縮させても元の形状に戻りやすいため、長期の使用においてもほとんど変形しない点で好ましい。
連続気泡型は、独立気泡型と比べて摺擦による保護剤の粉の飛翔が生じにくくコスト面で有利である。
ブラシローラ6dの製造方法としては、化学繊維を生布(基布)に植え込んで作ったパイルを導電性の芯金に螺旋状に巻きつけて作る方法や、化学繊維を接着剤で表面を覆われた芯金に直接植え込む方法などがある。
前記化学繊維には、ポリプロピレン、ポリエステル、PET、ナイロン、およびアクリルなどの熱可塑性の樹脂繊維が好ましい。
特に、感光体ドラム1を傷付けることなく感光体ドラムの表面に潤滑性物質を供給することが可能なポリエステル、ナイロン製の繊維が好ましい。
前記ブラシ繊維にカーボン等の導電性フィラーを添加することで、ブラシ繊維を導電化した導電性繊維を使用してもよい。
塗布ブレード6eの材質は、ウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー等の弾性部材で構成されるが、それらの中でも、ウレタンエラストマーは、耐磨耗性、高機械強度等の点から優れている。
塗布ブレード6eは、一般的には、遠心成形により弾性部材をシート状に成形した後、これをブレード形状にカットする。
塗布ブレード支持部材6fは、好ましくは、金属、プラスチック及びセラミックから選ばれる材料で構成されるが、それらに限定されるものではない。
機械強度の高いSUS等の鋼板、アルミニウム板、又は、リン青銅等の銅板を用いることもできる。
このような材料で構成される塗布ブレード6eは、塗布ブレード支持部材6fをスプリングにより加圧したり、潤滑剤塗布装置のケースに固定したりすることで、弾性が付与され、任意の当接圧、当接角で感光体ドラム1の表面に当接する。
潤滑剤成形物6aは、両面テープ等により接着することで潤滑剤保持部材6bに保持されている。潤滑剤保持部材6bの材質としては、SECC等の一般的な亜鉛めっき鋼板を用いて、強度を上げるために曲げ加工を施したものを使用している。
潤滑剤成形物6aは、潤滑性物質を主成分とした粒子を圧縮成形してなる潤滑剤成形物であって、潤滑性物質は、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなっている。
まず、図6乃至図8に基づいて潤滑剤成形物6aの圧縮成形方法を説明する。
図6は、本実施形態に係る潤滑剤成形物6aを成形するための型の全体図である。下型60を横型61、62と端型63、64で挟みこんだ領域65に、圧縮する前の原材料としての潤滑性物質66を入れ、上型67でプレスする。加熱はせずに冷間(常温)で圧縮成形する。
図7は、型の長手方向から見た概要断面図である。圧縮した後(図7(b))、下型60を押し出して、図8に示す潤滑剤成形物6aを取り出す(図7(c))。
図8に示すように、潤滑剤成形物6aは、長手方向が感光体ドラム1の軸方向と平行となる細長い直方体の棒状ないしブロック状(バー状)に形成される。
本実施形態では、加圧による圧縮成形を例示しているが、負圧による圧縮成形でもよい。
図1は、潤滑剤成形物6aの一部の断面を顕微鏡で見た場合の画像を模式化した図である。
潤滑剤成形物6aを成形するための原材料である潤滑性物質66は、径の大きい粒子からなる潤滑性物質A1と、径の小さい粒子からなる潤滑性物質A2とからなる。
潤滑性物質A1とA2は、同一成分(ステアリン酸亜鉛)で、図2に示すようにピーク粒径が異なる。
図1に示すように、圧縮成形された潤滑剤成形物6aには、空隙agが多数存在する。
図3は、同一成分の粒子からなる潤滑性物質A1、A2の他に、これらとは成分が異なる粒子からなる潤滑性物質Bを含む潤滑剤成形物6a’例の断面摸式図である。
潤滑性物質Bの粒径は潤滑性物質A2よりも小さく、図4に示すように、全体としては3つのピーク粒径が現れる。
本実施形態における潤滑性物質Bは、窒化ホウ素である。
本発明で規定するピーク粒径とは、潤滑剤成形物の原材料である潤滑性物質の粉末や粒を一般的な粒度分布測定装置(例えばレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置・マイクロトラック、日機装(株)製)で得られた体積基準の粒度分布結果において、粒径に対する体積頻度曲線の極大値に相当する粒径のことを示す。
本発明で規定する潤滑剤成形物の圧縮率とは、
成形密度/潤滑性物質の真密度
の式で定義された数値であり、成形密度および潤滑性物質の真密度の定義は以下の通りである。
成形密度とは、成形後の潤滑剤成形物における電子天秤を用いてアルキメデスの原理から算出される密度のことを示す。
真密度とは、潤滑剤成形物を構成している全ての原材料の真密度を配合比率で掛け合わせて算出した密度のことを示す。
つまり、圧縮度とは、潤滑剤成形物内部で存在する空隙の量が多ければ小さくなる指標である。
潤滑剤成形物の形状は任意であるが、製造が容易である直方体の棒状にするのが好ましい。
ブラシローラ6d等の潤滑剤供給部材が初期に当接する面を潤滑剤供給部材の形状に合わせて凹凸形状やR形状にし、初期の潤滑剤形成物の削れ量を安定させた形状とすることも可能である。
図1、図3ではブラシローラ6dの周面形状に合わせて、潤滑剤成形物6aの当接面を凹形状としている。
粉状ないし粒状の潤滑性物質を圧縮成形する場合、潤滑性物質の粒径が小さければ小さい程粒子間結合力が大きいため、図5に示すように、粒径の大きさによってヒビ割れを生じない成形性が得られる最小の圧縮率は異なる。
この粒径の違いによる圧縮率の特性の観点から考察してみる。
粒径の大きい潤滑性物質A1と、これよりも粒径の小さい同一成分の潤滑性物質A2とを混合して潤滑剤成形物の原材料とした場合、潤滑性物質A1を基準に考えると、潤滑性物質A2の粒子間結合力の高さが加えられることにより、潤滑性物質A1単独の場合比べて成形可能な圧縮率が低い方にシフトする。
これにより、全体としては、ヒビ割れを生じない成形性が得られるとともに、研削性が向上すると考えられる。
一方、潤滑性物質A2を基準に考えると、潤滑性物質A2単独の場合に比べて圧縮率は大きい方にシフトするものの、これを潤滑性物質A1の粒子間結合力の低さが上回り、結果的にヒビ割れを生じない成形性が得られるとともに、研削性が向上すると考えられる。
この関係は、潤滑性物質A2と、これよりも粒径の小さい潤滑性物質A3との間でも同様に生じると考えられる。
以下に示す潤滑剤成形物の製造方法に従い作製した潤滑剤成形物に対して、上記考察に基づく効果の検証を行った。
[潤滑剤成形物の製造方法]
後述の各実施例・比較例水準に従い、潤滑性物質である各原材料を混合機(スーパーミキサー:SMV−20、(株)カワタ製)で混合(単独成分の水準は未混合)し、混合粉を作製した。
混合粉を乾式造粒機(ローラーコンパクター:FT−160、フロイント・ターボ工業(株)製)にて造粒し造粒粉を作製し、狙いの圧縮率・寸法になるように計量した。
前述の計量した造粒粉を金型(ダイ)に等分充填した後、パンチを装備したプレス成形装置(リコー(製))にて冷間圧縮成形し潤滑剤成形物を作製した。金型等の構成は図6乃至図8で示した通りである。
[ピーク粒径測定]
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック:MT3300EXII、日機装製(株))を用いて、溶媒を純水(溶媒屈折率:1.333)として上記混合前の原材料ならびに混合粉を超音波分散させた。
粒子屈折率:1.81の測定条件で粒度分布を測定し、原材料と混合粉の粒度分布を相対比較しピーク粒径を読み取り実施例・比較例のピーク粒径数の水準とした。
[圧縮率測定]
圧縮率(=成形密度/潤滑性物質の真密度)は以下の通りに測定・算出した成形密度、真密度の比を求め百分率で示した。
成形密度は電子天秤(溶媒は純水(比重は測定時の温度に対して4℃に補正))を用いて、アルキメデス法にて算出した値を用いた。
真密度は各実施例の潤滑剤成形物を構成している全ての原材料の真密度を配合比率で掛け合わせて算出した値を用いた。
なお、実施例・比較例水準毎に圧縮成形時の圧縮力を制御することで潤滑剤成形物の圧縮率(成形密度)を振り、圧縮成形時に生じるヒビ割れを目視確認することで各実施例・比較例に対してヒビ割れ無く成形可能な最小の圧縮率を見極め、実施例・比較例の圧縮率水準とした。
[使用した原材料]
(1)ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレートシリーズ、日油(株)製)
真密度:1.10g/cm
(2)窒化ホウ素(NX5、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
真密度:2.27g/cm
[潤滑剤成形物の形状]
長さ:348mm×幅9mm×高さ13mmの直方体状であり、かつ潤滑剤供給部材との当接面はR6の凹形状とした。
以下に実施例・比較例の水準(構成)を示す。
(実施例1)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートFP、ピーク粒径6.5μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:89.1%の潤滑剤成形物とした。
(実施例2)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレート、ピーク粒径:20.2μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:89.5%の潤滑剤成形物とした。
(実施例3)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGP、ピーク粒径52.3μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:91.0%の潤滑剤成形物とした。
(実施例4)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートG、ピーク粒径542.9μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:91.6%の潤滑剤成形物とした。
(実施例5)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートFP、ピーク粒径:6.5μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛3(ジンクステアレートG、ピーク粒径542.9μm)を1:1:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が3つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:89.8%の潤滑剤成形物とした。
(実施例6)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートFP、ピーク粒径6.5μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合したステアリン酸亜鉛の混合粉に窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:88.0%の潤滑剤成形物とした。
(実施例7)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレート、ピーク粒径:20.2μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合したステアリン酸亜鉛の混合粉に窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:88.8%の潤滑剤成形物とした。
(実施例8)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGP、ピーク粒径52.3μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合したステアリン酸亜鉛の混合粉に窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:90.3%の潤滑剤成形物とした。
(実施例9)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートG、ピーク粒径542.9μm)と、
を1:1の重量比(配合比)で混合したステアリン酸亜鉛の混合粉に、窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が2つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:90.7%の潤滑剤成形物とした。
(実施例10)
ステアリン酸亜鉛1(ジンクステアレートFP、ピーク粒径:6.5μm)と、
ステアリン酸亜鉛2(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
ステアリン酸亜鉛3(ジンクステアレートG、ピーク粒径542.9μm)と、
を1:1:1の重量比(配合比)で混合したステアリン酸亜鉛の混合粉に、窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が3つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:89.1%の潤滑剤成形物とした。
(比較例1)
ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)単独成分で、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:90.6%の潤滑剤成形物とした。
(比較例2)
ステアリン酸亜鉛(ジンクステアレートGF−200、ピーク粒径24.0μm)と、
窒化ホウ素(NX−5、ピーク粒径7.8μm)と、
を9:1の重量比(配合比)で混合し、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径数が1つ、窒化ホウ素のピーク粒径数が1つの潤滑性物質を圧縮成形し、成形可能な最小の圧縮率:89.8%の潤滑剤成形物とした。
上記実施例、比較例の水準(構成)の一覧を表1に示す。
Figure 2015129228
[評価方法]
(研削性)
上記実施例、比較例に記載の潤滑剤成形物を図9で示した構成の画像形成装置であるデジタルカラー複合機(MP C5503、(株)リコー製)のマゼンタステーション(マゼンタのプロセスカートリッジ)に組み込んで以下の条件、手順に従い評価を実施した。
(条件)
評価時の温湿度環境:24℃、60%
像担持体・潤滑剤保持部材・加圧部材・潤滑剤供給部材等のプロセスカートリッジ内の部品は全て新品
(手順)
(1)画像面積率が50%になるような画像濃度パターンをA4サイズ紙で横目方向に連続通紙する(3000枚)。
(2)評価前後の潤滑剤成形物の重量変化から潤滑剤成形物の削れ量(g)を算出し、評価前後の感光体走行距離(km)を割って潤滑剤消費率(g/km)を求めた。
判定としては、潤滑剤成形物の削れ易さの指標となる潤滑剤消費率が0.3g/km以上の場合を○、0.3g/km以下の場合を×とした。
実施結果を表2に示す。
Figure 2015129228
表2から明らかなように、実施例1〜10ともに圧縮率が88%以上の範囲で、比較例に比べ潤滑剤消費率が上がり、潤滑剤成形物の研削性の向上が確認でき、許容できるレベルとなった。
比較例について考えてみると、圧縮率において実施例との差はない。
比較例1の結果が良くないのは、ステアリン酸亜鉛のピーク粒径が1つであるため、ヒビ割れしない成形性が得られる圧縮率では、図5で示したように、良好な研削性は得られないからであると考えられる。
比較例2では、ステアリン酸亜鉛と、これとは成分が異なる窒化ホウ素とが混合され、ピーク粒径は異なっている。
ピーク粒径が2つ存在するため、研削性の向上が予想されるが、上記のように重量比が9:1で窒化ホウ素の割合が圧倒的に少ない。
窒化ホウ素は感光体ドラムの表面に留まってフィルミングを起こす性質があるため、一般的に帯電劣化によるステアリン酸亜鉛の潤滑性の低下を補う最小限の量で添加されている。
比較例2の結果が良くないのは、ピーク粒径としては2つ存在するものの、窒化ホウ素の量が少なすぎるため、ステアリン酸亜鉛の圧縮率を低下させて研削性を向上させるまでの作用は発現しないものと考えられる。
実施例2と7では、ステアリン酸亜鉛1と2とのピーク粒径差がほとんど無く、ピーク粒径の差による上記研削性の向上機能は得られないように思われるが、ステアリン酸亜鉛1の材料であるジンクステアレートは複分解法で製造されており一次粒子としてはステアリン酸亜鉛2の材料である直接法で製造されたジンクステアレートGF−200よりも微粒子であり、ステアリン酸亜鉛1の材料であるジンクステアレートは前記微粒子の集合体(二次粒子)として存在する。
研削性の向上が得られるのは、圧縮時に前記一次粒子の集合体が崩壊してピーク粒径の差がある場合と同様の状態になるからであると考えられる。
本発明では、「潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなる」という条件を規定したが、窒化ホウ素のように量を増やすことで研削性以外の機能が大きくなって不具合を生じないのであれば、「潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ異なる成分の粒子からなる」という条件でも研削性の向上は得られると考えられる。
また、上記各実施例では、潤滑性物質としてのステアリン酸亜鉛1、2の重量比を1:1としたが、成形性と研削性との両立を図れる重量比にはある程度の範囲があることは明らかである。
換言すれば、比較例2におけるステアリン酸亜鉛と窒化ホウ素の重量比(9:1)のように極端な範囲を除いて成形性と研削性との両立を図れると考えられる。
上記実施形態では、潤滑剤塗布装置により感光体ドラムの表面に潤滑剤を塗布する構成を例示したが、中間転写ベルト等の他の像担持体に塗布する構成においても同様の機能を得ることができる。
潤滑性物質としては、潤滑性に優れる固体潤滑剤の窒化ホウ素、ポリテトラフッ化エチレン、及び、メラミンシアヌレートを採用できる。
また、膜形成に優れる脂肪酸金属塩のステアリン酸亜鉛等が好ましい。
潤滑剤成形物中に像担持体への潤滑性物質の滞留を防ぐために、研磨剤としてアルミナ等を添加することも可能である。
6 潤滑剤塗布装置
6a 潤滑剤成形物
6d 潤滑剤供給部材としてのブラシローラ
10 プロセスカートリッジ
66 潤滑性物質
A1、A2 同一成分の粒子
B 成分が異なる粒子
特開2009−186610号公報 特開2010−060839号公報

Claims (13)

  1. 潤滑性物質を主成分とした粒子を圧縮成形してなる潤滑剤成形物において、
    前記潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなることを特徴とする潤滑剤成形物。
  2. 請求項1に記載の潤滑剤成形物において、
    前記同一成分の粒子からなる潤滑性物質とは成分が異なる粒子からなる潤滑性物質を含むことを特徴とする潤滑剤成形物。
  3. 請求項2に記載の潤滑剤成形物において、
    前記成分が異なる粒子からなる潤滑性物質は、前記同一成分の粒子からなる潤滑性物質に対して重量比が小さいことを特徴とする潤滑剤成形物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の潤滑剤成形物において、
    前記ピーク粒径が異なる各潤滑性物質がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする潤滑剤成形物。
  5. 請求項2〜4のいずれか1つに記載の潤滑剤成形物において、
    前記成分が異なる粒子からなる潤滑性物質が窒化ホウ素であることを特徴とする潤滑剤成形物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の潤滑剤成形物において、
    成形密度/潤滑性物質の真密度
    の式で定義される圧縮率が、成形可能な最小の圧縮率であることを特徴とする潤滑剤成形物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の潤滑剤成形物において、
    前記粒子の一つ一つが粒径の小さい微粒子の集合体としてなることを特徴とする潤滑剤成形物。
  8. 潤滑剤と、該潤滑剤に接触し、該潤滑剤を削り取って像担持体の表面に供給する潤滑剤供給部材とを備えた潤滑剤塗布装置において、
    前記潤滑剤が請求項1〜7のいずれか1つに記載の潤滑剤成形物であることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  9. 請求項8に記載の潤滑剤塗布装置において、
    前記潤滑剤供給部材がブラシローラであることを特徴とする潤滑剤塗布装置。
  10. 像担持体と、潤滑剤塗布装置とを有するプロセスカートリッジにおいて、
    前記潤滑剤塗布装置が請求項8又は9に記載のものであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  11. 請求項10に記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置。
  12. 潤滑性物質を主成分とした粒子を型に入れ、常温下で圧縮してブロック状に成形する潤滑剤成形物の成形方法において、
    前記潤滑性物質が、2つ以上のピーク粒径を持つ同一成分の粒子からなることを特徴とする潤滑剤成形物の成形方法。
  13. 請求項12に記載の潤滑剤成形物の成形方法において、
    前記同一成分の粒子からなる潤滑性物質とは成分が異なる粒子からなる潤滑性物質を含むことを特徴とする潤滑剤成形物の成形方法。
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