JP2015125046A - 光干渉計測装置と光干渉計測を用いたドリル制御方法 - Google Patents

光干渉計測装置と光干渉計測を用いたドリル制御方法 Download PDF

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Takashi Nomura
俊 野村
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Kazuhide Kamiya
和秀 神谷
公久 松本
Kimihisa Matsumoto
公久 松本
昌孝 内田
Masataka Uchida
昌孝 内田
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Takeshi Uchida
壮 内田
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Tsutomu Oguchi
勉 小口
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Masami Masuda
正美 桝田
進 寺川
Susumu Terakawa
進 寺川
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Abstract

【課題】対象物の内部情報を高精度に取得することができ、特定物と対象物との相対位置を高精度に計測する用途等に好適な光干渉計測装置及び光干渉計測を利用したドリル制御方法を提供する。
【解決手段】照射光εを出力する低コヒーレンスの光源18を備える。照射光εを分割して参照光α及び測定光β1を出力する光ファイバカプラ26と、参照光αを受けて反射させる参照ミラー部20を備える。光ファイバカプラ26は、測定光β1を受けた特定部分からの反射光である物体光β2と、参照ミラー部20が反射した参照光αとを合波する。光ファイバカプラ26で合波された参照光αと物体光β2との干渉光γを検出し解析する干渉光解析部を備える。参照ミラー部20は、互いに平行で段差を有する複数の反射面32(1)〜32(4)が形成された複数段ミラー34と、反射面32(1)〜32(4)の中の何れか1つを選択して参照光αの反射を可能にするシャッタ36とを有する。
【選択図】図1

Description

この発明は、対象物の位置情報を得るための光干渉計測装置と光干渉計測を用いたドリル制御方法に関する。
光干渉計測の技術は、従来から精密機械や半導体関連の工業分野、医療分野等で広く使用されている。例えばOCT(Optical Coherence Tomography)は、例えば、眼の検査や診断用に眼底の断層画像を取得する装置に適用されている。またOCTは、歯科のインプラント治療において、医師が操作する治療具(メスやドリル装置等)が危険部位(下歯槽管など)を損傷させる事故を防止するため、治療具と危険部位との位置関係を計測する装置に適用することも検討されている。
その他OCTを利用した医療用の計測装置として、特許文献1に開示されているように、低コヒーレンス光を出力する光源と、低コヒーレンス光を参照光と測定光(照射光)とに分波すると共に、所定の反射部材が反射した参照光と試料(対象物)から出射される物体光(信号光)とを合波する分波合波手段と、合波された合波光をヘテロダイン検出する光検出手段と備えた無侵襲生体光計測装置があった。反射部材は、平行でありかつ同一平面上にない複数の鏡面を有し、回転部材に駆動されて回転し、参照光を反射させる鏡面が順番に切り替わる。すなわち、この鏡面を切り替える動作によって参照光の光路長を変化させ、対象物に対する深さ方向の走査を小型の装置で高速に行うことができるようにしている。
特開平10−274623号公報
特許文献1の無侵襲生体光計測装置の場合、参照光の光路長を変化させる際、反射部材を機械的に回転させる構造なので、回転機構のがたつきや摩耗によって回転のぶれが発生する。したがって、参照光の光路長の変化が不正確になりやすく、ミクロンオーダー又はサブミクロンオーダーの精密な計測には適さない。また、特定物と対象物との相対位置(例えば、歯科用のインプラント治療における治療具と危険部位との離間距離)の計測を行うことについて、特に考慮されていない。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、対象物の内部情報を高精度に取得することができ、特定物と対象物との相対位置を高精度に計測する用途等に好適な光干渉計測装置と光干渉計測を用いたドリル制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、低コヒーレンスの照射光を出力する光源、前記照射光を参照光と測定光に分割して出力する光分割部、前記参照光を受けて反射させる参照ミラー部、前記測定光を受けた対象物からの反射光である物体光と前記参照ミラー部からの反射光である前記参照光とを合波する光合波部、及び前記光合波部で合波された前記参照光と前記物体光との干渉光を検出し解析する干渉光解析部を備え、前記参照ミラー部は、互いに平行で段差を有する複数の反射面が形成された複数段ミラーと、前記複数の反射面の中の何れか1つを選択して前記参照光の反射を可能にするシャッタとを有し、前記シャッタが前記反射面の選択を切り替えることによって、前記参照光の光路長が変化する光干渉計測装置である。
さらに、前記対象物に向けて前記測定光を照射すると共に、前記対象物の特定部分が反射する前記物体光を受光するプローブと、前記光分割部から前記プローブまで前記測定光を導波すると共に、前記プローブから前記光合波部まで前記物体光を導波する光路部とを備え、前記光路部内の前記測定光の光路長及び前記物体光の光路長は一定であり、前記干渉光解析部は、前記干渉光を解析し、前記プローブと前記対象物の前記特定部分との離間距離の変化を、前記複数の反射面の段差寸法の刻みで取得するものである。
前記プローブは、前記対象物を穿孔するためのドリル装置のドリルであり、前記干渉光解析部は、前記干渉光を解析し、前記ドリルの刃先と前記対象物の前記特定部分との離間距離の変化を、前記複数の反射面の段差寸法の刻みで取得するものである。
前記干渉光解析部は、前記ドリルと前記対象物の前記特定部分との離間距離が一定の距離に達した場合に信号を発するものであり、前記一定の距離は、前記ドリルの慣性モーメントと回転速度を基に設定されるものである。
また、前記ドリルは、前記ドリル装置に着脱自在に設けられ、前記ドリル内に前記光路部が形成されて、前記ドリル装置に回転可能に光学的に連結されるものである。
またこの発明は、低コヒーレンスの光源からの照射光を分割した参照光と測定光を基にして、前記測定光を受光した対象物からの反射光である物体光と前記参照光とを干渉させて、前記対象物までの距離を求める光干渉計測方法を用いて、加工用のドリルを制御するドリル制御方法において、前記対象物に向けて前記測定光を照射すると共に、前記対象物の特定部分からの前記物体光を、前記対象物を穿孔するためのドリルにより受光し、前記ドリルにより得られた物体光を前記参照光と干渉させて、前記ドリルと前記対象物の前記特定部分との離間距離を算出し、前記離間距離が一定の距離に達した場合に信号を発し、前記一定の距離は、前記ドリルの慣性モーメントと回転速度を基に設定するドリル制御方法である。
前記ドリルは、医療用のドリルであり、光ファイバ等による光路が貫通して設けられ、前記光ファイバ等による光路を介して前記測定光及び前記物体光を授受するものである。
本発明の光干渉計測装置によれば、固定式の複数段ミラーとシャッタとを組み合わせることにより、参照光の光路長を正確に変化させることができるので、ミクロンオーダー又はサブミクロンオーダーの精密な計測が可能になる。特に、所定のプローブと光路部を設けることによって、プローブと対象物の特定部分との離間距離の変化を、複数段ミラーの段差寸法の刻みで計測することができるので、例えば、歯科用のインプラント治療における事故防止に寄与することができる。
また、本発明の光干渉計測を用いたドリル制御方法によれば、ドリル加工を安全に行うことができ、特に医療用途に用いることにより、安全性の高い医療を行うことができる。
本発明の光干渉計測装置の一実施形態の概要を示す模式図(a)、参照ミラー部の構造を示す斜視図(b)である。 この実施形態の光干渉計測装置の測定原理を説明する図(a)、干渉光解析部の解析内容を説明する図(b)である。 参照ミラー部の変形例を示す斜視図である。
以下、本発明の光干渉計測装置と光干渉計測を用いたドリル制御方法の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態の光干渉計測装置10は、歯科インプラント治療を行う際に使用されるドリル装置12に取り付けられている。ドリル装置12は、医師が把持して操作するハンドピース14と、ハンドピース14から突出するドリル16を有し、義歯と一体のフィクスチャ部分を患者の歯槽骨に埋設するため歯槽骨に下穴を穿孔する装置である。光干渉計測装置10は、ここでは、ドリル16の刃先と、患者の下顎骨M(対象物)内部の下歯槽管M1(特定部分)との離間距離の変化を検出し、刃先が下歯槽管M1を傷つけないように監視するための装置である。以下、光干渉計測装置10の構成について、図1、図2に基づいて説明する。
光干渉計測装置10は、低コヒーレンスの照射光εを出力する光源18、照射光εを2分割して測定光β1及び参照光αを出力する光分割部、参照光αを受けて反射させる参照ミラー部20、測定光β1を下顎骨Mに向けて照射すると共にその反射光である物体光β2を受光する光学部品を備えた検知部材であるプローブ22を備えている。この実施形態では、ドリル16の先端部が位置検知部としてのプローブ22として機能している。さらに、参照ミラー部20からの反射光である参照光αとプローブ22で受けた物体光β2とを合波して干渉光γを出力する光合波部と、干渉光γを受けて解析を行う干渉光解析部24を備えている。
光源18は、例えば、スーパールミネッセントダイオードのように、レーザダイオードの高輝度とLΕDの低コヒーレンス性を併せ持つ発光素子が好適である。照射光εは、例えば、中心波長1.3μm程度、半値幅が約30nm、可干渉距離(コヒーレント長)20nm程度である。
光分割部と光合波部は、光ファイバカプラ26で構成されている。ここでは、照射光ε、測定光β1、物体光β2、参照光αが光ファイバ30を通じて導波されるので、光ファイバカプラ26を使用すると都合がよい。光ファイバカプラ26は、物体光β2と参照ミラー20が反射した参照光αとを合波し、干渉光解析部24に向けて干渉光γを出力する。光分割部と光合波部は、その他ビームスプリッタ等を使用しても構わない。
参照ミラー部20は、互いに平行で段差を有する4つの反射面32(1)〜32(4)が階段状に形成された複数段ミラー34と、円盤状の光遮蔽部36a内側の特定位置に光透過部36bを形成するシャッタ36とで構成されている。複数段ミラー34は、反射面32(1)〜32(4)の段差寸法がそれぞれΔaであり、入射した参照光αを同軸逆向きに反射する角度に固定されている。シャッタ36は、反射面32(1)〜32(4)の前方に設置され、後述する干渉光解析部24の指令により光透過部36bの位置を順番に切り替え、4つの反射面32(1)〜32(4)の中の何れか1つの面について参照光αの反射を可能にする。シャッタ36の光透過部36bの位置は、機械的に開口位置を変化させる構成や、例えば液晶シャッタのように、電気的に透光部分を制御する構成でも良く、電気的制御が容易な液晶シャッタが好適に用いられる。
光分割部及び光合波部である光ファイバカプラ26と参照ミラー部20との間は、第一の光路部38で接続されている。第一の光路部38は、参照光αが往復する光路であり、図1、図2に示すように、光路中に光ファイバ30と第一及び第二レンズ40,42とを備えている。なお、図2では、簡略化のため、光ファイバカプラ26をビームスプリッタ形式で表している。光ファイバカプラ26から第一レンズ40までの距離、すなわち第一の光路部38の光路長L1は、一定である。
ドリル16は、ハンドピース14に対して回転自在であって、着脱自在に設けられ、ドリル16内にはその回転軸と同軸に光ファイバ31が挿通されている。ドリル16内の光ファイバ31は、ハンドピース14内に導入された光ファイバ30と機械的には分離した構成であって、光学的に結合可能に設けられている。ドリル16の先端部であるプローブ22には、第三及び第四レンズ46,48が設けられ、測定光β1を下顎骨Mに向けて略垂直に照射すると共に、その反射光である物体光β2を同軸逆向きに受光する。
光分割部及び光合波部である光ファイバカプラ26とプローブ22との間は、第二の光路部44で接続されている。第二の光路部44は、測定光β1と物体光β2が往復する光路であり、図1、図2に示すように、光路中に光ファイバ30,31と第三及び第四レンズ46,48とを備えている。光ファイバカプラ26からプローブ22の先端までの距離、すなわち第二の光路部44の光路長L2は一定であり、例えば、第一の光路長L1と等しい値に設定する。
干渉光解析部24は、受光素子を備えた光検出器とパーソナルコンピュータ等で構成され、干渉光γに基づいて所定の解析を行い、その結果やその他制御信号を出力する。また、シャッタ36の動作制御も行う。干渉解析部24に設けられる受光素子は、適宜の受光素子を用いることができるが、特にCCDやC−MOS等の2次元センサを受光素子として利用することにより、以下のような利点がある。例えば、所定の向き対するドリル16や歯槽管M1の傾きによって、干渉解析部24の受光面で干渉縞が生じる場合がある。そのような状態で複数の干渉縞を含む一定範囲を受光領域として利用すると、受光強度が平均化されて、測定感度が低下してしまう問題がある。そのような場合でも、干渉解析部24の受光素子として2次元センサを用いることにより、その受光領域を干渉縞の間隔よりも狭い領域に選択的に特定して、2次元センサから受光信号を取り出して測定することができ、干渉縞の上記平均化による感度低下を効果的に防止することができる。
次に、歯科のインプラント治療において、医師がドリル装置12を使用して歯槽骨に下穴を穿孔するときの光干渉計測装置10の動作について、図2に基づいて説明する。光源18から放射された照射光εは、光ファイバカプラ26によって参照光αと測定光β1に分割される。参照光αは、第一の光路部38により導波され、第一及び第二レンズ40,42により平行光となってシャッタ36の光透過部36bを通過し、複数段ミラー34に照射される。そして、複数段ミラー34の一つの反射面で反射された参照光αは、往路と逆向きに、光透過部36bと第一の光路部38とを通じて光ファイバカプラ26に戻る。
このとき、シャッタ36は、干渉光解析部24の指令により光透過部36bの位置を連続的に変化させ、参照光αを反射する位置を、反射面32(1)から反射面32(4)まで順番に切り替える。このシャッタ36の動作により、第一レンズ40から反射面32までの距離がa1からa4まで変化する。したがって、反射面32(1)が反射する参照光α(1)の光路長はL1+a1となり、反射面32(2)が反射する参照光α(2)の光路長はL1+a1+Δaとなり、反射面32(3)が反射する参照光α(3)の光路長はL1+a1+Δa×2となり、反射面32(4)が反射する参照光α(4)の光路長はL1+a1+Δa×3となる。
測定光β1は、第二の光路部44により導波され、第三及び第四レンズ46,48により平行光となってドリル16先端部のプローブ22に達し、プローブ22から患者の下顎骨Mに照射される。そして、下顎骨M内の下歯槽管M1からの物体光β2は、往路と逆向きに、プローブ22と第二の光路部44とを通じて光ファイバカプラ26に戻る。
この実施形態では、ドリル16の先端部が位置検知部分であるプローブ22を兼ねているので、医師がドリル16で穿孔する動作を行うと、ドリル16が進行することによってプローブ22の位置が変化し、図2に示すように、下歯槽管M1からプローブ22の先端までの距離Bが変化し、測定光β1と物体光β2の光路長であるL2+Bが変化する。なお、シャッタ36が反射面32(1)〜32(4)を順番に切り替える速度は、プローブ22の進行速度に比べて十分高速に設定されている。
戻ってきた参照光α(α(1)〜α(4))と物体光β2は、光ファイバカプラ26で合波され、干渉光γとして干渉光解析部24に向けて出力される。干渉光解析部24は、干渉光γを検出し、プローブ22の位置であるドリル16の刃先と下歯槽管M1との位置関係を解析する。干渉光γは、参照光αの光路長と測定光β1及び物体光β2の光路長とが等しくなったときに発生する。また、干渉光解析部24は、シャッタ36の動作も制御しているので、検出した干渉光γが参照光α(1)〜α(4)のどれに基づくものか判別することができる。したがって、干渉光解析部24は、干渉光γを検出したとき、その干渉光γが参照光α(1)〜α(4)のどれに基づくものかを特定することによって、プローブ22の位置であるドリル16の刃先位置を認識することができる。
例えば、図2(b)に示すように、参照光α(4)に基づく干渉光γが検出されると、プローブ22が下歯槽管M1から距離B=a4(=a1+Δa×3)だけ離れた位置にあると認識する。同様に、参照光α(3)に基づく干渉光γが検出されると、プローブ22が下歯槽管M1から距離B=a3(=a1+Δa×2)だけ離れた位置にあると認識し、参照光α(2)に基づく干渉光γが検出されると、プローブ22が下歯槽管M1から距離B=a2(=a1+Δa)だけ離れた位置にあると認識し、参照光α(1)に基づく干渉光γが検出されると、プローブ22が下歯槽管M1から距離B=a1だけ離れた位置にあると認識する。なお、干渉光解析部24は、プローブ22の計算上の位置とドリル16の刃先との間に間隔がある場合、その距離を考慮して、ドリル16の刃先と下歯槽管M1との離間距離を算出するようにしてもよい。
このように、干渉光解析部24は、ドリル16の刃先が危険部位(下歯槽管M1)にどれくらい近づいたかをΔaの刻みでリアルタイムに認識することができる。したがって、例えば、ドリル16の刃先が危険部位に対して距離a1+Δa×3まで近づいた時に「注意」、距離a1+Δa×2に達すると「危険」というように、段階的なアラームを出すことができる。これにより、治療中の医師に対して適切な注意を促すことができる。
さらに、距離a1まで近づいた時にドリル装置12を強制的に停止させた後、ドリル16を逆回転させて抜くことにより、事故が確実に防止されるように構成することも可能である。この場合、光干渉計測装置10とドリル装置12により、ドリル16を以下のように制御するとよい。例えば、強制停止距離a1は、以下のように設定する。ドリル16は、停止信号が発せられても、その慣性質量により一定時間回転する。そこで、ドリル16の回転数と質量を基に、ドリル16への停止信号から実際にドリル16が停止するまでの時間を考慮して、停止信号を発する必要のある距離a1を設定する。距離a1の設定には、ドリル16の慣性モーメントと回転数である角速度により、ドリル16の回転エネルギーを求め、その回転エネルギーとドリル16の制動力により、予めドリル16の停止信号発信から実際の停止までの時間を算出する。そして、ドリル16の切削の進行速度を基に、ドリル16に対する停止信号の発信からドリル16の停止までの期間におけるドリル16の進行距離を求める。この時、ドリル16の回転数の低下とともに進行速度も低下するので、この低下を考慮することが好ましい。このようにして求めた距離が、上記強制停止させる距離a1の最小値であり、実際には安全を見た上で強制停止信号を出す停止距離a1を設定する。
具体的には、この実施形態のように、歯科医療においてインプラント治療を行うために歯槽骨に下穴を穿孔する場合、安全にドリル16が停止可能な距離は、通常の歯科用インプラント用のドリル16を用いた治療で一般的な成人の場合少なくとも500μm、好ましくは1mm、より好ましくは3mmあると良い。この距離内でドリル16が停止できないと、ドリル16が歯槽骨を貫通してしまう恐れがあるからである。また、安全性に鑑みて警報信号を出す距離を3mm以上に設定して、この実施形態のように段階的に警報を発し、3mm未満の所定の距離であって上述の計算により求められた距離a1で、ドリル16の強制停止信号を出すようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の光干渉計測装置10と光干渉計測を用いたドリル制御方法は、固定式の複数段ミラー34とシャッタ36とを組み合わせることにより、参照光αの光路長を正確に段階的に変化させることができるので、ミクロンオーダー又はサブミクロンオーダーの精密な位置計測が可能になる。さらに、歯科インプラント治療用のドリル装置12に取り付けられ、光路長が固定された第一及び第二光路部38,44を設け、ドリル16の先端部をプローブ22として機能させることにより、治療中にドリル16の刃先が下歯槽管M1にどれくらい近づいたかを段階的に計測することができる。また、参照光α(1)〜α(4)に基づく干渉光γのうち、どれか1つについて検出エラー(未検出)が発生したとしても、他の3つ干渉光γが検出されることで、ドリル16を用いた治療に、高い安全性を確保することができる。
なお、本発明の光干渉計測装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、光干渉計測装置10では、光分割部と光合波部とを1つの光ファイバカプラ26で兼用しているが、光分割部と光合波部を別々に設けてもよい。
参照ミラー部の構造は、互いに平行で段差を有する複数の反射面が設けられた複数段ミラーと、複数の反射面の中の何れか1つを選択して参照光の反射を可能にするシャッタとを有するものであればよく、上記参照ミラー部20の構造に限定されない。例えば、図3に示す参照ミラー部50のように、4つの反射面32(1)〜32(4)を螺旋階段状に設けた複数段ミラー52と、円盤状の光遮蔽部54aの中心から偏った位置に小円形の光透過部54bを開口したシャッタ54とを設け、シャッタ54を光遮蔽部54aの中心を軸にして回転させることにより光透過部54bの位置を変化させる構造にしてもよい。この場合、シャッタ54が機械的に回転するが、上記の特許文献1の無侵襲生体光計測装置のように反射面が回転する構造ではないので、回転のがたつきによって参照光の光路長が不安定になる心配はない。また、反射面の数、段差寸法は、自由に設定することができる。
その他、プローブ22を構成するドリル16は、光ファイバ31が中心又は好ましい位置に貫通して設けられていればよい。さらに、ドリル16内にレンズ系等の光学素子が内蔵されて、測定光及び物体光の授受を行う光路が形成されているものであってもよい。
また、本発明の光干渉計測装置は、OCTに利用して、生体構造の断層画像を形成する装置に用いても良い。その他、上記のような医療分野で使用される装置だけでなく、精密機械や半導体関連等の工業分野で使用される様々な装置にも適用することができる。
10 光干渉計測装置
12 ドリル装置
16 ドリル
18 光源
20,50 参照ミラー部
22 プローブ
24 干渉光解析部
26,28 光ファイバカプラ(光分割部、光合波部)
32(1)〜32(4) 反射面
34,52 複数段ミラー
36,54 シャッタ
36a,54a 光遮蔽部
36b,54b 光透過部
38 第一の光路部
44 第二の光路部
M 下顎骨(対象物)
M1 下歯槽管(特定部分)
α,α(1)〜α(4) 参照光
β1 測定光
β2 物体光
γ 干渉光
ε 照射光
Δa 段差寸法

Claims (7)

  1. 低コヒーレンスの照射光を出力する光源、
    前記照射光を参照光と測定光に分割して出力する光分割部、
    前記参照光を受けて反射させる参照ミラー部、
    前記測定光を受けた対象物からの反射光である物体光と前記参照ミラー部からの反射光である前記参照光とを合波する光合波部、
    及び前記光合波部で合波された前記参照光と前記物体光との干渉光を検出し解析する干渉光解析部を備え、
    前記参照ミラー部は、互いに平行で段差を有する複数の反射面が形成された複数段ミラーと、前記複数の反射面の中の何れか1つを選択して前記参照光の反射を可能にするシャッタとを有し、
    前記シャッタが前記反射面の選択を切り替えることによって、前記参照光の光路長が変化すること特徴とする光干渉計測装置。
  2. 前記対象物に向けて前記測定光を照射すると共に、前記対象物の特定部分が反射する前記物体光を受光するプローブと、
    前記光分割部から前記プローブまで前記測定光を導波すると共に、前記プローブから前記光合波部まで前記物体光を導波する光路部とを備え、
    前記光路部内の前記測定光の光路長及び前記物体光の光路長は一定であり、
    前記干渉光解析部は、前記干渉光を解析し、前記プローブと前記対象物の前記特定部分との離間距離の変化を、前記複数の反射面の段差寸法の刻みで取得する請求項1記載の光干渉計測装置。
  3. 前記プローブは、前記対象物を穿孔するためのドリル装置のドリルであり、
    前記干渉光解析部は、前記干渉光を解析し、前記ドリルの刃先と前記対象物の前記特定部分との離間距離の変化を、前記複数の反射面の段差寸法の刻みで取得する請求項2記載の光干渉計測装置。
  4. 前記干渉光解析部は、前記ドリルと前記対象物の前記特定部分との離間距離が一定の距離に達した場合に信号を発するものであり、前記一定の距離は、前記ドリルの慣性モーメントと回転速度を基に設定される請求項3記載の光干渉計測装置。
  5. 前記ドリルは、前記ドリル装置に着脱自在に設けられ、前記ドリル内に前記光路部が形成されて、前記ドリル装置に回転可能に光学的に連結される請求項3記載の光干渉計測装置。
  6. 低コヒーレンスの光源からの照射光を分割した参照光と測定光を基にして、前記測定光を受光した対象物からの反射光である物体光と前記参照光とを干渉させて、前記対象物までの距離を求める光干渉計測方法を用いて、加工用のドリルを制御するドリル制御方法において、
    前記対象物に向けて前記測定光を照射すると共に、前記対象物の特定部分からの前記物体光を、前記対象物を穿孔するためのドリルにより受光し、前記ドリルにより得られた物体光を前記参照光と干渉させて、前記ドリルと前記対象物の前記特定部分との離間距離を算出し、前記離間距離が一定の距離に達した場合に信号を発し、前記一定の距離は、前記ドリルの慣性モーメントと回転速度を基に設定することを特徴とするドリル制御方法。
  7. 前記ドリルは、医療用のドリルであり、光ファイバが貫通して設けられ、前記光ファイバにより前記測定光及び前記物体光を授受する請求項6記載のドリル制御方法。
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