JP2015124883A - ボールねじ装置及び電動射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成によって、ボールナット内における各ボールの荷重分布を軸方向で均一化してボールねじ装置の寿命向上を図ることができるボールねじ装置を提供することを課題とする。【解決手段】ねじ軸1は、入力された軸方向荷重を主として軸方向一端部側のサポートユニット3の位置で受ける。ボールナット2は、上記サポートユニット3から遠位にある軸方向端部側に設けた取付け部7に取付け部材8を固定して当該取付け部7で軸方向荷重を受ける。【選択図】図1

Description

本発明は、回転運動を直線運動に変換、又は直線運動を回転運動に変換するボールねじ装置、及びそのボールねじ装置を組み込んだ電動射出成形機に関するものである。特に、高負荷用途に使用されるボールねじの耐久性向上に関する。
ボールねじ装置におけるねじ軸とボールナットは、ねじ軸とボールナットによって形成されるボールねじ溝内を循環する複数のボールを介して連結している。ねじ軸とボールナットは、小さい駆動力で相対的に螺旋運動することにより、回転運動を直線運動に変換する。
一般のボールねじ装置は、ボールナットを取り付ける取付け部材からボールナットに軸方向荷重が加わったとき、ボールねじ溝内の全てのボールに均等に荷重が掛かると仮定されている。そのため、ボールねじ軸のボールねじ溝及びボールナットのボールねじ溝は、それぞれ同一リード且つ同一有効径となるように加工されている。
しかし、過大な軸方向荷重が加わった場合、ボールナット自体が軸方向に弾性変形する。即ち、ボールねじ溝内にある各ボールへの荷重分布は均等ではなく、軸方向に沿ってばらつきがでる。つまり、大きな荷重が一部のボールに負荷される。これは、ボールねじ装置の寿命を短くすることに繋がる。従って、この大きな荷重が掛かる部分を考慮した安全設計を行う必要がある。
このボールナットの弾性変形を小さく抑えるための従来の対応策としては、ボールナットの外径寸法を大きくしてその断面積を大きくする方法や、弾性係数の大きい材料を使用する方法などがあった。また、ボールの径を大きくしたり、ボールの数を増やしたりすることも考えられる。しかし、これらの対策は、ボールねじ装置全体の大型化や、製造コストの増加、重量の増大等を招いてしまうことがある。
ボールねじ装置全体が大型化することを回避しながら、ボールねじ装置の寿命を向上させる技術としては、特許文献1や特許文献2に開示されているものがある。これらは、ボールナットの弾性変形を考慮し、ボールねじ溝の有効径やリードを軸方向に沿って異なる加工をすることで、ボールねじ溝内の全てのボールに均一に荷重が負荷されるようにするものである。
特開平6−300107号公報 特開平6−300108号公報
しかしながら、上記特許文献2等に記載の技術を採用すると、軸方向のボールねじ溝の径等にそれぞれ異なる加工をする必要がある。複雑な加工はコストアップを伴いやすい。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものである。即ち、簡易な構成によって、ボールナット内における各ボールの軸方向の荷重分布(負荷分布)のばらつきを抑制し、ボールねじ装置の寿命向上を図ることができるボールねじ装置及びそのボールねじ装置を組み込んだ電動射出成形機を提供することを課題としている。
上述のように、従来の対応策にあっては、ボールナットの弾性変形に伴ってボールねじ溝内のボールへの荷重分布が軸方向に均一でないことは考慮されているものの、ねじ軸の弾性変形の影響に対する考慮が不足している。
本発明は、このことに鑑み、大きな軸方向荷重が負荷された際のボールナットの弾性変形と共に、ねじ軸の弾性変形による影響も考慮したものである。すなわち、ボールねじとボールナットとの縦断面積比の特定と、ボールナットの軸方向荷重作用部の位置を特定することで、ボールねじ溝内のボールへの荷重分布を軸方向に均一化しようとする発明である。これによれば、上述のような、複雑な加工技術を採用しなくても良く、ボールねじ装置の大型化やコストアップを伴うことなくボールねじ装置の寿命向上が期待できる
ここで、本発明のうち請求項1に記載した発明は、外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、そのボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、その螺旋状通路内を循環する複数のボールと、その複数のボールの戻り路とを備えると共に、上記ねじ軸は、負荷された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受けるボールねじ装置において、上記ボールナットは、上記ねじ軸の軸方向一端部から遠位にある軸方向端部側に、上記ボールナットを取り付ける取付け部材からの軸方向荷重を受ける軸方向荷重作用部を設け、ねじ軸の縦断面積に対するボールナットの縦断面積の比を、0.5以上2以下としたことを特徴とするボールねじ装置。
ここで、上記ねじ軸における、上記負荷された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受ける部分とは、例えば、ねじ軸を片持ち支持した場合における当該支持部位置である。また、上記ボールナットにおける軸方向荷重作用部とは、当該ボールナットに連結する取付け部材を取り付ける取付け部位置である。
本発明は、ねじ軸が片持ち支持となっているなど、ねじ軸がボールナットから伝達された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受ける構成となっている場合を想定している。この場合には、ボールナットの取付け部材から当該ボールナットに大きな軸方向荷重が負荷されると、上記ねじ軸の弾性変形による荷重分布のばらつきもボールナットと同じように発生する。それだけでなく、むしろボールナットよりもねじ軸の方が弾性変形による軸方向の荷重分布への影響、つまり、ばらつきが大きいという知見によってなされたものである。これは、ねじ軸方向に垂直な縦断面積(以下、単に縦断面積と記す)が、ボールナットよりもねじ軸の方が小さいからである。
ボールナットにおいて、最も負荷が大きい部位は、軸方向荷重作用部付近に位置するボールとの接触部である。螺旋状通路内の各ボールへの負荷は、当該作用部から離れるにつれて小さくなる。また、ねじ軸にあっては、軸方向荷重を受ける側、つまり、軸方向一端部に近い部分に位置するボールへの負荷が最も大きく、その位置から離れるにつれてボールへの負荷は小さくなる。これらのことに鑑み、ボールナットの軸方向荷重作用部とねじ軸の軸方向一端部を、軸方向に最も遠位となるよう配置する。言い換えれば、それぞれの軸方向荷重作用位置を、軸方向反対側に配置する。これにより、ボールナットの弾性変形による影響とねじ軸の弾性変形による影響とが相殺し合う傾向となる。この結果、軸方向に沿ったボールの荷重分布のばらつきが抑制される。
このとき、ボールナットの縦断面積を、相対的にねじ軸の縦断面積に近づける。つまり、ボールナットの縦断面積とねじ軸の縦断面積とを等しく若しくは略等しくする。これにより、ボールナットの弾性変形とねじ軸の弾性変形とが対称的に影響を及ぼし合い、荷重分布の均一化を促進できる。この結果、ボールナットの大型化や難しい加工を伴う技術を採用しなくても、高負荷に耐えるボールねじ装置を構成でき、寿命の向上が期待できる。
更に、本発明の第二形態のボールねじ装置は以下の構成であってもよい。すなわち、外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、そのボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、その螺旋状通路内を循環する複数のボールと、その複数のボールの戻り路とを備えると共に、上記ねじ軸は、入力された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受けるボールねじ装置において、外部荷重に対し上記螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向を同一方向に設定すると共に、上記ボールナットを取り付ける取付け部材からの軸方向荷重を受ける当該ボールナットの軸方向荷重作用部の軸方向位置を、上記螺旋状通路内のボールが当該軸方向荷重作用部の軸方向両側にそれぞれ存在する位置としたことを特徴としても良い。なお、上記軸方向荷重作用部の軸方向位置は、ボールナットの軸方向中央部又はその付近が好ましい。
軸方向に荷重分布のばらつきが生じる主因は、ボールナット及びねじ軸の各部材そのものの軸方向の弾性変形である。部材の弾性変形、つまり部材変形の大きさは、軸方向荷重作用部から最も遠位にある螺旋状通路内のボール位置までの長さで決まり、その長さが長いほど部材変形は大きくなる。
従って、軸方向荷重作用部がボールナットの軸方向端部に位置すると、部材変形の大きさに影響する長さが、ほぼボールナット全長に相当する。これは、軸方向荷重作用部がボールナットの軸方向中央部又はその付近にある場合に比べ、部材変形による影響が大きくなる。もっともこの場合でも、上記請求項1の発明を採用することで、つまりねじ軸とボールナットの部材変形が軸方向に相反する方向とすることで、結果的に軸方向に沿ったボールの荷重分布は均一化されるようになる。
これに対して、この発明では、軸方向荷重作用部を例えばボールナットの中央部に設定することで、軸方向荷重作用部からもっとも遠位にある螺旋状通路内のボール位置までの長さが約半分となる。つまり、軸方向に沿ったボールへの荷重分布は、ボールナットの軸方向長さが半分になったのとほぼ同等となる。これにより、ねじ軸とボールナットの軸方向の弾性変形量も小さくなり、軸方向の荷重分布の均一化が期待出来る。
つまり、第二の実施形態に係る発明によれば、軸方向荷重作用部からみて、当該軸方向荷重作用部の位置よりも上記ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部に近い側(近位にある部分)にあっては、軸方向に沿ったボールのへ荷重分布が均一化するようになる。これは、請求項1と同様の作用によるものである。それと同時に、第二の実施形態では、軸方向荷重作用部から最も遠位にある螺旋状通路内のボール位置までの長さが請求項1の場合に比べて短くなる分、弾性変形量が小さくなって更に軸方向に沿ったボールの荷重分布が均一化するようになる。
なお、第二の実施形態においても、上記請求項1の作用で説明したように、軸方向一端部に近位にある側のボールナット部分の縦断面積は、ねじ軸の縦断面積と等しく若しくは略等しくすることが好ましい。
ここで、「外部荷重に対し上記螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向を同一方向に設定する」としているのは、次の理由による。
上記螺旋状通路内のボールにおける、軸方向荷重作用部を挟んで軸方向両側にそれぞれ存在する2組のボール群の外部荷重に対する主負荷方向が互いに反対方向に設定されているとする(図11及び図12参照)。この場合には、軸方向荷重が掛かる向きによって、主に軸方向荷重作用部を挟んだ軸方向両側のうちの一方のボール群で負担することとなる。これでは、軸方向荷重作用部を挟んだ軸方向両側の2組のボール群で負担する軸方向荷重に対する分担が大幅に不均衡となり、軸方向全域でのボールの荷重分布の均一化が困難となるためである。
これに対し、外部荷重に対し上記螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向を同一方向に設定することで、軸方向荷重に対して螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向が同一方向となる。つまり、軸方向荷重作用部を挟んだ軸方向両側の2組のボール群で負担する軸方向荷重に対する分担の割合が略等しくなる。これにより、前記分担の割合が大幅に不均衡となることが防止され、上記作用が有効に発揮される。
なお、外部荷重に対し上記螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向を同一方向に設定するためには、例えば、軸方向荷重作用部の軸方向両側にわたって予圧方向を同一方向となるように設定したり、予圧を付与しない状態に設定したりすればよい(図13及び図14参照)。 ここから
次に、参考3の発明は、参考2の発明に記載した構成に対し、上記ボールナットにおける軸方向荷重作用部を挟んだ軸方向両側の各縦断面積が、上記ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部から近位にある側の縦断面積に比べて、遠位にある側の縦断面積を大きくしたことを特徴とするものである。
本発明によれば、ボールナットにおける軸方向荷重作用部を挾んだ両側の縦断面積を異なるものとし、軸方向に沿ったボールへの荷重の全体のバランスを取ることで、さらに軸方向に沿ったボールの荷重分布の均一化を向上させることが可能となる。
即ち、上記参考2に係る構成を採用すると、例えば軸方向に沿ったボールナットの縦断面積が軸方向荷重作用部を除いて均一であれば、軸方向荷重作用部を境に、ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部に近い側(近位にある部分)よりも、遠位にある部分でのボールへの荷重が全体的に小さくなる(例えば図8参照)。これに対して、参考3の発明のように、遠位にある側のボールナット部分の縦断面積を同じく近位にある部分の縦断面積よりも大きく設定することで、当該遠位にある部分の弾性変形量を小さく抑えることができる。従って、当該遠位にある部分でのボールへの荷重が全体として増加すると共に近位にある部分でのボールへの荷重が全体として軽減して、さらに軸方向に沿ったボールの荷重分布の均一化を図ることができる。
次に請求項2に記載した発明は、請求項1に記載したボールねじ装置を使用したことを特徴とする電動射出成形機を提供するものである。
上述のようなボールねじ装置は、通常、油圧シリンダー駆動である射出成形機やパンチングプレス、各種ジャッキなどを電動モータ駆動とした際における、モータの回転力を軸方向推力に変換して極めて大きな荷重を受けるような箇所へ用いるのに好適なものである。 特に、電動モータ駆動とした射出成形機への使用に好適であり、本発明のように上記請求項1のボールねじ装置を使用することで、ボールねじ装置を大型化・大3重量化することなく寿命・耐久性が向上し、射出成形機の寿命向上に繋がる。
以上説明してきたように、本発明のボールねじ装置を採用すると、ねじ軸及びボールナットそれぞれの弾性変形による軸方向の荷重分布の影響を相反させることで、ボールの荷重分布が均一化する。この結果、外部荷重によるボールへの最大負荷を低減できる。従って、高負荷使用環境下での耐久性向上を簡易に図ることができるという効果がある。
なお、ねじ軸及びボールナットの縦断面積をほぼ同一にして両者の弾性変形量をそろえることで、さらにボールへの荷重分布の均一化を図り、耐久性の向上を期待することができる。また、請求項2に記載の発明を採用すると、コストを上げることなく高負荷用途に好適な電動射出成形機を提供可能となるという効果がある。
本発明の第1実施の形態に係るボールねじ装置を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係るボールねじ装置本体の構造を示す図である。 本発明の第1実施の形態に係るボールねじ装置の作用・効果を説明する図であり、(a)は軸方向荷重の作用状態を、(b)は、ねじ軸を剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(c)は、ボールナットを剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(d)は、ねじ軸及びボールナットの弾性変形を考慮したボールの荷重分布をそれぞれ示している。 比較例に係るボールねじ装置の作用・効果を説明する図であり、(a)は軸方向荷重の作用状態を、(b)は、ねじ軸を剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(c)は、ボールナットを剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(d)は、ねじ軸及びボールナットの弾性変形を考慮したボールの荷重分布をそれぞれ示している。 本発明の第1実施の形態に係るねじ軸の縦断面積とボールナットの縦断面積との比によるボールの荷重分布への影響を説明する図であって、(a)及び(b)は両縦断面積を等しくした場合であり、(c)はボールナット側の縦断面積を相対的に大きくした場合を表している。 本発明に基づくボールねじ装置を使用した電動射出成形機を示す図である。 第2実施の形態に係るボールねじ装置を示す図である。 第2実施の形態に係るボールねじ装置の作用・効果を説明する図であり、(a)は軸方向荷重の作用状態を、(b)は、ねじ軸を剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(c)は、ボールナットを剛体と仮定した場合のボールの荷重分布を、(d)は、ねじ軸及びボールナットの弾性変形を考慮したボールの荷重分布をそれぞれ示している。 実施例における各ボールねじ装置の仕様を説明する図であって、(a)は請項1に基づく装置例を、(b)は比較のための従来の装置例を、(c)は参考2の発明に基づく装置例を、(d)は参考3の発明に基づく装置例を、それぞれ示している 図9における各ボールねじ装置における軸方向に沿ったボールの荷重分布を示す図である。 螺旋状通路内のボールの主負荷方向を説明する図であって、引張により予圧が付与されている従来のボールねじを示す図である。 螺旋状通路内のボールの主負荷方向を説明する図であって、圧縮により予圧が付与されている従来のボールねじを示す図である。 螺旋状通路内のボールの主負荷方向を説明する図であって、オーバーサイズボールにより軸方向全体にわたって同一方向に予圧が付与されている場合の図である。 螺旋状通路内のボールの主負荷方向を説明する図であって、予圧が付与されていない場合の図である。 本発明の第3の実施形態に係るボールねじを示す側面図である。 本発明の第3の実施形態に係るボールねじの構成を説明するための概略図である。 本発明の第3の実施形態に係るボールねじ溝の形状を示す断面図である。 接触角と接触楕円との関係を示す図である。 本発明の第3の実施形態における循環路のオフセット効果を、円周方向の負荷分布のばらつきを無視した軸方向の荷重の分布の比較で表した図である。 本発明の第3の実施形態における循環路の反転効果を、軸方向のばらつき及び円周方向の負荷分布のばらつきを考慮した軸方向の荷重の分布の比較で表した図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドキャップを示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドキャップ構成部材を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るサイドキャップの分割線の要部(図22でのF部)を拡大して示す説明図である。 本発明の第5の実施形態であるシール315の正面図である。 図24のシール315をA−A線で切断して矢印方向に見た図である。 本発明の第5の実施形態にかかるシール315の一部拡大軸線方向断面図である。 図26のシール315の環状円筒部315bを更に拡大した図である。
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本発明に基づくボールねじ装置の基本構成は、一般のボールねじ装置と同様である。即ち、図1及び図2に示すように、外面にボールねじ溝1dを有するねじ軸1と、該ねじ軸1のボールねじ溝1dに対向するボールねじ溝2dを内面に有する少なくとも1つのボールナット2とから構成され、上記ボールナット2のボールねじ溝2dと上記ねじ軸1のボールねじ溝1dとにより形成された螺旋状通路内を複数のボール9が転がりながら循環可能となっていると共に、螺旋状通路の軸方向一端部まで移動したボールを軸方向他端部まで戻す戻り路2eを備えている。
上記ねじ軸1は、片持ち支持構造を想定している。軸方向一端部1a側は、サポートユニット3に回転自在に支持されている。このサポートユニット3に使用されるボールねじの支持軸受は、例えばスラストアンギュラ玉軸受が用いられる。サポートユニット3は固定部材4に固定される。
また、上記ねじ軸1の軸方向一端にはプーリ5が取り付けられている。そのプーリ5の回転に伴ってねじ軸1が回転する。ねじ軸1の回転により、ボールナット2が直線移動するように構成されている。
なお、ねじ軸1の軸方向他端部1bには、ストッパ6が取り付けられている。このストッパ6は当該軸方向他端部1bからボールナット2が抜け落ちることを防止している。
また、ボールナット2には、上記サポートユニット3から遠位にある軸方向端部側にフランジ部7aが設けられている。そのフランジ部7aは取付け部7を構成している。この取付け部7には、スライドさせる取付け部材8がボルト止めで取付けられている。この取付け部7は軸方向荷重作用部を構成する。
上記構成のボールねじ装置にあっては、図3(a)に示すように、取付け部材8からボールナット2の取付け部7に軸方向荷重F1が作用すると、ボールナット2からねじ軸1に軸方向荷重が伝達され、固定側である軸方向一端部1aに反力として反対向きの軸方向荷重F2が発生する。
このとき、従来のようにねじ軸1を剛体と仮定し、ボールナット2の弾性変形を考慮する。そうすると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図3(b)に表されるように、取付け部7の位置で最も荷重が大きくなり、他端部(サポートユニット3側)に向けて徐々に小さくなる。
一方、ボールナット2を剛体と仮定し、ねじ軸1の弾性変形を考慮する。そうすると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図3(c)に表されるように、サポートユニット3側(ねじ軸1における軸方向一端部1a側)で最も荷重が大きくなり、他端部(ボールナット2の取付け部7)に向けて徐々に小さくなる。
実際には、ボールナット2もねじ軸1も軸方向に弾性変形するため、両者1、2の弾性変位を考慮すると、図3(d)に示すようなボールの荷重分布となる。即ち、本実施形態では、サポートユニット3から遠位にある位置にボールナット2の取付け部7を設け、ボールナット2の荷重作用位置とねじ軸1の荷重作用側とが反対側になるように配置したものである。軸方向に沿った荷重分布は両端が相対的に大きく、中央部が相対的に小さい分布となるものの、最大値と最小値との差が小さくなる。つまり、ボールへの負荷が均一化される。
ここで、比較の為に、本発明とは異なる形態について述べる。図4(a)に示すように、サポートユニット3から近位の位置にボールナット2の取付け部7を設けて、ボールナット2の荷重作用位置と軸の荷重作用側を同じ側にした場合である。rには、ねじ軸1を剛体と仮定し且つボールナット2の弾性変形を考慮すると、ボールの荷重分布は、図4(b)に表されるように、取付け部7で最も荷重が大きくなり、他端部(ねじ軸の軸方向他端部1b側)に向けて徐々に小さくなる。
また、ボールナット2を剛体と仮定し且つねじ軸1の弾性変形を考慮すると、ボールの荷重分布は、図4(c)に表されるように、サポートユニット3側(ねじ軸1における軸方向一端部1a側)で最も荷重が大きくなり、他端部(ねじ軸の軸方向他端部1b側)に向けて徐々に小さくなる。従って、両者1、2の弾性変形を考慮すると、図4(d)に示されるように、玉荷重の最大値と最小値との差が極めて大きくなる。
基本的には、ねじ軸1及びボールナット2とも剛体であればこのような問題は生じない。しかし、現実的に限られたスペースの中で大きな軸方向荷重を受ければ、必然的にねじ軸1及びボールナット2とも軸方向に弾性変形を生じる。その結果、上述のように、ボールに掛かる軸方向荷重の分布にばらつきが発生することになる。そして、耐久面において、荷重が最も大きく掛かるボールの位置が最も弱い部分となり、その部分から損傷が始まるものと推定される。
高負荷用途では、大きな荷重を受けられるように設計される。つまり、ボールねじは個々のボールの負荷を軽減するために螺旋状通路の巻数や列数を多くして、負荷ボールを増やす設計を行う傾向にある。この設計により、ボールナット2の長さが長くなることでボールナット2やねじ軸1の弾性変形の影響はさらに大きくなる場合がある。
これに対して、本発明に基づくボールねじ装置にあっては、サポートユニット3との関係でボールナット2の取付け部7の位置を特定する。つまり、ねじ軸1及びボールナット2の弾性変形による影響を大幅に低減し、ボールねじ装置の耐久性・寿命の向上に繋がる設計を行うのである。
本発明は、高負荷用途のボールナット装置になるほど効果が発揮される有効な技術である。
ここで、本実施形態の構成において、ねじ軸1の縦断面積とボールナット2の縦断面積を等しくした場合の作用について説明する。図5(a)及び(b)に示すように、ボールへの負荷は、軸方向両端部側が同程度大きくなることで、ねじ軸荷重作用側とボールナット荷重作用側とのバランスがとれて、ボールに対する最大荷重を抑えることができる。一方、例えば、従来と同様に、ねじ軸1の縦断面積よりもボールナット2の縦断面積を大きくした場合には、ねじ軸1の縦断面積とボールナット2の縦断面積を等しくした場合に比べて不利となる。これは、ねじ軸1の縦断面積よりもボールナット2の縦断面積を大きくしたことによって、ねじ軸荷重作用側とボールナット荷重作用側とに差が生じ、ねじ軸1の荷重作用側(取付け部7と反対側つまりサポートユニット側)のボールへの最大荷重が大きくなるからである。
なお、上記図5(a)及び(b)の荷重分布の違いは、ねじ軸1及びボールナット2の縦断面積を変えたものである。つまり、図5(a)は両者の縦断面積を大きくした場合であり、図5(b)は両者の縦断面積を小さくした場合である。即ち、縦断面積が大きいほど有効なことが分かる。
なお、ねじ軸1とボールナット2とを比べると、内側となるねじ軸1の縦断面積の方が、どうしてもボールナット2の縦断面積よりも小さくなる傾向にある。弾性変形の影響を有効に抑えるためには、それぞれの縦断面積ができるだけ大きい方が望ましい。従って、ねじ軸1の縦断面積を大きくしてボールナット2縦断面積と概ね等しくすることが好ましい。また、縦断面積比の最大値は、ねじ軸1及びボールナット2の弾性変形を考慮し、ボールへ掛かる荷重による影響のバランスがある程度とれる範囲が好ましい。従って、縦断面積比の最大値は、概ね2以下が好ましい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1の実施形態と同様な部品等については同一の符号を付して説明する。
本実施形態のボールねじ装置の基本構成は、図7に示すように、上記第1の実施形態と同様である。即ち、外面にボールねじ溝1dを有するねじ軸1と、該ねじ軸1のボールねじ溝1dに対向するボールねじ溝を内面に有するボールナット2とから構成され、上記ボールナット2のボールねじ溝と上記ねじ軸1のボールねじ溝1dとにより形成された螺旋状通路内を複数のボールが転がりながら循環可能となっていると共に、螺旋状通路の軸方向一端部まで移動したボールを軸方向他端部まで戻す図示しない戻り路を備える。
上記ねじ軸1は、片持ち支持構造を想定している。軸方向一端部1a側は、サポートユニット3に回転自在に支持されている。このサポートユニット3に使用されるボールねじの支持軸受は、例えばスラストアンギュラ玉軸受が用いられる。サポートユニット3は固定部材4に固定される。
また、上記ねじ軸1の軸方向一端にはプーリ5が取り付けられている。そのプーリ5の回転に伴ってねじ軸1が回転する。ねじ軸1の回転により、ボールナット2が直線移動するように構成されている。
なお、ねじ軸1の軸方向他端部1bには、ストッパ6が取り付けられている。このストッパ6は当該軸方向他端部1bからボールナット2が抜け落ちることを防止している。
上記ボールナット2は、フランジ部7aを中央に設けたフランジ合わせのタンデムナット構造により構成されている。上記ボールナット2の軸方向中央部に位置する上記フランジ部7aは、取付け部7を構成している。この取付け部7に、スライドさせる取付け部材8がボルト止めで取り付けられている。この取付け部7は軸方向荷重作用部を構成する。
ここで、ボールナット2の軸方向中央部に取付け部7を設けることで、軸方向荷重が負荷されるボールが、当該ボールナット2内の螺旋状通路内であって、当該取付け部7の軸方向両側にそれぞれ位置することになる。
なお、以下の説明では、上記取付け部7を挟んで、上記サポートユニット3に近い側のボールナット部分を近位ボールナット2Aと呼び、上記サポートユニット3から遠い側のボールナット部分を遠位ボールナット2Bと呼ぶ。
フランジ部7aをボールナット2の軸方向中央部に配置した、フランジ合わせのタンデムナット構造のボールねじは、従来から存在する。このボールねじで、フランジ部7aをボールナット2の軸方向中央部に配置する目的は、図11及び図12に示すように、フランジ部7a間に間座20等を挟み込んで螺旋状通路内のボールに予圧を付与するためである。
即ち、図11に示す従来のボールねじでは、ねじピッチよりも厚い間座20を介挿することで引張予圧が付与され、フランジ部7aを挟んだ近位ボールナット2Aと遠位ボールナット2Bとで予圧方向が反対方向となる。この結果、外部荷重に対するボールの主負荷方向が近位ボールナット2Aと遠位ボールナット2Bとでは反対方向に設定される。
また、図12に示す従来のボールねじでは、ねじピッチよりも薄い間座20を介挿することで圧縮予圧が付与されて、フランジ部7aを挟んだ近位ボールナット2Aと遠位ボールナット2Bとで予圧方向が反対方向となる。この結果、外部荷重に対するボールの主負荷方向が近位ボールナット2Aと遠位ボールナット2Bとでは反対方向に設定される。
このように、従来のボールナットでは、フランジ部7aがボールナット2の軸方向中央部に配置されていても、外部荷重に対する螺旋状通路内のボールの主負荷方向がフランジ部7aを挟んで反対方向となり、本実施形態の対象外(範囲外)となっている。
これに対し、本実施形態の対象とするボールねじでは、外部荷重に対する螺旋状通路内のボールの主負荷方向が、フランジ部7aの軸方向両側にわたって全て同一方向となるように設定されている。即ち、軸方向荷重が入力された場合に、取付け部7を挟んだ、近位ボールナット2A及び遠位ボールナット2Bにおける軸方向荷重の分担の割合が略等しくなるように設定されている。
外部荷重に対する螺旋状通路内のボールの主負荷方向を全て同一方向に設定するには、例えば図13に示すように、ボールねじ溝の空間よりもわずかに大きなボール(オーバーサイズボール)を使用し、ボールを4点接触させて予圧を与える方法がある。また、図14に示すように、予圧を付与しない構成を採用することで達成できる。
ここで、図13及び図14ではシングルナット構造で図示しているが、タンデムナット構造であっても良い。また、対向するフランジ部7a間に間座を介挿しなくても良い。間座を介挿する場合には、ねじピッチと等しい厚さの間座を介挿すれば良い。
次に、作用などについて説明する。
上記構成のボールねじ装置にあっては、図8(a)に示すように、取付け部材8からボールナット2の取付け部7に軸方向荷重F1が作用すると、ボールナット2からねじ軸1に軸方向荷重が伝達され、固定側である軸方向一端部1aに反力として反対向きの軸方向荷重F2が発生する。
このとき、従来のようにねじ軸1を剛体と仮定し、ボールナット2の弾性変形を考慮すると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図8(b)に示すようになる。即ち、取付け部7の位置で最も荷重が大きくなり、その位置から軸方向両側に向けて荷重はそれぞれ徐々に小さくなる。
一方、ボールナット2を剛体と仮定し、ねじ軸1の弾性変形を考慮すると、軸方向に沿ったボールの荷重分布は、図8(c)に示すようになる。即ち、サポートユニット3側(ねじ軸1における軸方向一端部1a側)で最も荷重が大きくなり、サポートユニット3から離れていく方向に向けて荷重は徐々に小さくなる。
実際には、ボールナット2もねじ軸1も軸方向に弾性変形するため、両者1、2の弾性変位を考慮すると、ボールに掛かる荷重の分布は図8(d)に示すようなる。
即ち、近位ボールナット2A側では、ボールへの負荷が均一化される。これは、上記第1の実施形態と同様に、ボールナット2での軸方向荷重分布状態とねじ軸1での軸方向荷重分布状態とが反対側になっていることによる。つまり、軸方向に沿った荷重分布は両端が相対的に大きく、中央部が相対的に小さい分布となり、最大値と最小値との差が小さくなるからである。特に、上記第1の実施形態と同じ負荷容量を有するボールねじにした場合には、近位ボールナット部の軸方向長さが短くなる分だけ上記第1の実施形態よりもボールへの負荷が均一化している。
また、遠位ボールナット2B側では、ボールナット2全体としてボールへの負荷が均一化している。これは、ボールナット2での軸方向荷重分布状態とねじ軸1での軸方向荷重分布状態とが一致するものの、負荷される軸方向荷重が小さいことと、軸方向長さが短いことから、軸方向に沿った荷重分布における両端部での荷重差(最大値と最小値との差)が小さくなっていることによるものである。
これによって、上記第1の実施形態と同様に、本実施形態のボールねじ装置にあっては、サポートユニット3とボールナット2の取付け部7との位置関係を特定するだけで、ねじ軸1及びボールナット2の弾性変形によるボールに掛かる荷重分布のばらつきが均一化され、ボールねじ装置の耐久性・寿命の向上に繋がる。即ち、本実施形態は、ボールねじ装置が高負荷用途のものであるほど効果が発揮される有効な技術である。
特に、取付け部7をボールナット2の軸方向中央部に設けることでボールの荷重分布の均一化を図り、また、取付け部材8の取付け部位置が上記サポートユニット3(ねじ軸の固定側)に近づいたことで、ボールねじ装置全体を、上記第1の実施形態よりもコンパクト化することが可能となる。ここで、ボールナット2としてフランジ合わせのタンデムナット構造を例に説明しているが、ボールナット2の構成はこれに限定されない。シングルナットでも同様の機能が期待できる。
また、上記ボールナット2では、近位ボールナット2Aと遠位ボールナット2Bの外径を等しく、つまり両ナット2A、2Bの縦断面積を等しくしている。両ナット2A、2Bを等しくすると、製造上のブランクや治工具などが共通にできるため、製造が容易となる。
またこのとき、ねじ軸1の縦断面積とボールナット2の縦断面積とを等しくすると、近位ボールナット2A側では、ボールへの負荷が、軸方向両端部側が同程度の大きさとなることで左右のバランスがとれて、ボールに対する最大荷重を抑えることができる。
このとき、縦断面積比の最大値は、ねじ軸1及びボールナット2の弾性変形の影響によるボールの荷重のバランスがある程度とれる範囲として、概ね2以下が好ましい。
さらに、近位ボールナット2Aよりも遠位ボールナット2Bの縦断面積を大きく設定すると、より一層、軸方向におけるボールの荷重分布を均一化できる。即ち、遠位ボールナット側の縦断面積を大きくすることで、遠位ボールナット側で負担される軸方向荷重が増加して、近位ボールナット側でのボールの負荷が低くなる。また、遠位ボールナット側でのボールの負荷が増加することで、全体のボールの負荷バランスがより均一化する。
次に、上記構成のボールねじ装置を、図6に示すように、電動射出成形機に採用した実施例を示す。なお、アクチュエータを、油圧シリンダー装置から電動モータ19及びボールねじ装置Aとすることで、電動射出成形機の消費エネルギーを低減することができる。
図6中、符号10は成形用基台部、符号11は射出部、符号12は型保持部、符号15は樹脂ホッパをそれぞれ表している。
そして、射出機16の一端部に設けられたブラケット17(取付け部材8)が、本実施形態に基づく複数のボールねじ装置Aにおけるボールナット2の取付け部7に取り付けられて、当該複数のボールねじ装置Aで軸方向に送られるようになっている。
各ボールねじ装置Aのねじ軸1における軸方向一端部側は、サポートユニット3を介して射出部11のフレームに固定されている。また、当該軸方向一端部に設けられたプーリに電動モータ19の駆動軸がベルト18を介して連結している。この連結により、モータ19からの駆動力が伝達可能となっている。
このような射出成形機では、電動モータ19を駆動することで各ねじ軸1が回転する。この各ねじ軸1の回転により、各ボールナット2が軸方向に直線移動する。各ボールナット2の直線移動により、射出機16が軸方向に移動して、型保持部12に接近・離隔する。
そして、射出動作によって、射出機16から各ボールナット2に対し、サポートユニット3側に向けて軸方向荷重が掛かる。該軸方向荷重はねじ軸1に伝達される。該ねじ軸1はこの軸方向荷重を主にサポートユニット3の位置で受けることとなる。
このとき、射出力が大きいなど上記軸方向荷重が大きい場合には、ボールナット2及びねじ軸1に弾性変形が生じる。しかし、上述したように、取付け部7をサポートユニット3に対して遠位に設定した本実施形態では、ボールの荷重分布が均一化して、上記弾性変形の影響が低減する。従って、電動射出成形機への適用に好適なボールねじ装置であることが分かる。
即ち、本実施形態に基づくボールねじ装置は、大型化や特殊な加工などを必要としないにも拘わらず、高負荷用途に好適である。また、コストを上げることなく電動射出成形機に使用することができる。
なお、上記説明では、ボールねじ装置として第1の実施形態の装置を採用した場合を例に説明しているが、上記第2の実施形態のボールねじ装置を適用しても同様な作用・効果を発揮する。
ここで、上記全実施形態では、ねじ軸1が回転することでボールナット2を直線移動させる場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。ボールナット2の軸方向一端部を固定し、そのボールナット2の一端部から反対方向のねじ軸1の位置から荷重が入力される場合も、上述と同様の作用・効果を有する。
また、ねじ軸1が回転することでボールナット2が移動するボールねじ装置以外にも同様の作用・効果を有する場合がある。例えば、ボールナット2が回転することでねじ軸1が移動する場合である。また、ねじ軸1が固定されてボールナット2が回転することで直線移動する場合や、ボールナット2が固定されてねじ軸1が回転することで直線移動する場合などにも有効である。
上記各ボールねじ装置の作用効果の実施例について、説明する。
4種類のボールねじ装置を図9に示す。(a)は第1の実施形態に基づく仕様の装置である。(b)は従来の仕様に基づく装置である。(c)及び(d)は、第2の実施形態に基づくものである。なお、(c)は参考2の発明に基づき取付け部7を軸方向中央部又はその付近に設置した装置である。(d)は参考3の発明に基づき、近位ボールねじ2Aよりも遠位ボールねじ2Bの縦断面積を大きくしたものである。
ここで、各ボールねじ装置の内部仕様は、図9の各図に示されているように、すべてのねじ軸1の軸径φ100、リード20、ボールの玉径15.875、ボールナット2での回路数2.5巻4列を同一に設計したものである。そして、取付け方法とフランジ位置、ナット外径のみを変更した。
図10は各ボールねじ装置内部でボールに掛かる荷重の分布を表したものである。この図10の結果から、ボールねじ装置の内部仕様によって決定される負荷容量(定格荷重)と、それに加わる軸方向荷重が同一であっても、その取付け条件、軸方向荷重作用部の設置位置、ナット外径(縦断面積)の関係によって、実際の内部の荷重分布は大きく異なることがわかる。
即ち、従来に基づく(b)の装置条件では荷重分布の均一化が図れないが、請求項1に基づく(a)の装置条件とすることで荷重分布の均一化が図れることが分かる。ナットの縦断面積が2A側と2B側で同じとした(c)も、最大玉荷重では(a)にはやや及ばないものの、従来に基づく(b)と比較して明らかに軸方向に沿ったボールの荷重分布が均一化していることが分かる。また、(d)は(a)と比較したとき、ボールに掛かる最大荷重は同等かそれ以下となっており、何ら遜色はない。
(第3の実施形態)
図面を参照し本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態のボールねじは、3回路のボール循環路を有するチューブ方式のボールねじである。上記ボールナット103のボールねじ溝109は、図16のように、軸方向に沿って3つの区画に分けられている。各区画におけるボールねじ溝109の両端部は、それぞれ戻り路を形成する循環チューブ105、106、107によって連結されている。これにより3回路のボール循環路が形成される。なお、説明の便宜上、図1及び図2における左側から第1回路X、第2回路Y、第3回路Zとする。本実施形態では、第1及び第3回路X、Zの循環チューブ105、107取付け位置に対し、図15に示すように、2回路目Yの循環チューブ106取付け位置を、円周方向180°反転した位置に設けている。
第2回路Y目の循環路は、図16に示すように、第3回路Z側に数十μmだけ近づけるように軸方向にオフセットしている。即ち、ボールナット103における第1回路Xのボールねじ溝109aと第2回路Yのボールねじ溝109bとの間のリードLaを、各ボールねじ溝109a、109b、109cのリードLより数十μm(α)だけ多くする(La=L+α)。それと同時に、第2回路Yのボールねじ溝109bと第3回路Zのボールねじ溝109cとの間のリードLbを前記リードLより数十μm(α)だけ小さく設定(Lb=L−α)している。なお、当然にねじ軸102側のボールねじ溝102aのリードは等間隔である。
ボールねじの負荷容量を大きくするには、ボール101の接触角の大きさ、ボールねじ溝102a、109の曲率半径をできる限り大きくしたいところである。しかし、図18に示すように接触角を過大に大きくした状態で軸方向の負荷を掛けると、接触楕円Fの端部がボールねじ溝102a、109の溝端からはみ出して切れてしまう。接触楕円Fの一部が切れると負荷される応力が大きくなり、ボールねじの寿命が極端に悪くなる。このため、本実施形態では、図17に示すように、初期接触角Dを50°以上55°以下、最大接触角Eを75°以下としている。好ましくは、初期接触角51°以上54°以下、且つ最大接触角は72°以下である。
また、各ボール101については、ボールねじ溝109のリードLに対して、下式のような関係となるボール径Daのものを使用している。
0.7≦(Da/L)
従来においては、Da/Lを0.7以上に設定すると、循環チューブの外径が隣のボールねじ溝に干渉する可能性があるために、Da/Lを0.7未満に設定していた。これに対して、本実施形態では、ボールねじ溝からチューブへのボール101の、掬い上げ部分の軸方向の角度を従来より大きい方向に変更することで、Da/Lを0.7以上に設定できるようにしている。
次に、本実施形態に係るのボールねじの作用効果等について説明する。第2回路Y目の循環路位置を第3回路Z側にオフセットすることで、第2回路Y部分のボールねじ溝109b内のボールに予圧が付与されている。そのためボールナット103にアキシアル荷重Faが負荷されたときの当該ボールねじ溝109bの弾性変位量は、オフセットさせない場合に比べて大きくなり、ボールとの接触面積が増大する。これにより当該オフセットさせた回路Y内のボールによる負荷分担量が増大し、且つオフセットしない状態で応力集中が生じるナット端部側の回路である第1回路X及び第3回路Zの負荷分担量が減少する。そのため、ボールナット103における軸方向の負荷分布が平均化されてばらつきが低減する。
第2回路Yの循環チューブ106の取付け位置は、第1回路X及び第3回路Zの循環チューブ105及び107の取付け位置に対し、円周方向180°反転させている。これにより、円周方向における第1回路X及び第3回路Zでの有効ボール数が少ない部分と、第2回路Yでの有効ボール数が少ない部分とが円周方向で重なることが回避される。つまり、円周方向における無負荷圏(ボール101が存在しない部分)が分散することで、円周方向での各有効ボール101に対する負荷分布のばらつきが抑えられる。
以上のように、有効ボール(ねじ軸102とボールナット103間を転動しているボール101)に対する軸方向及び円周方向の負荷分布が従来よりも均一化する。したがって、各有効ボールに対する負荷分布、さらにはそのボールに接触するねじ軸102とボールナット103の各ボールねじ溝102a、109に対する負荷分布が平均化し負荷容量が増大する。
また、本実施形態では、ボール101の初期接触角E及び最大接触角Fを従来よりも大きくすると共にDa/Lを0.7以上に設定することで、さらに負荷容量の増大が図られている。
玉径が10mm以上の場合にも効果があると想定される。電動射出成形機用ボールねじであれば、下式のような関係となるボール径Daのものが好ましい。
0.7≦(Da/L)≦0.9(即ち、DaはLの70〜90%)
上記構成の本発明に基づくボールねじと、3つの循環チューブ105、106、107取付け位置を円周方向同位相に設定し且つ第2回路Yの循環路をオフセットさせない従来と同じ仕様のボールねじ(比較例)とに対して、負荷分布の状態について解析してみたところ、図19及び図20ような結果が得られた。
図19は、円周方向での負荷分布のばらつきを無視し軸方向のばらつきのみを考慮したときの有効ボール101に負荷される軸方向の荷重の分布を示したものである。Aが本発明のボールねじのものであり、Bが比較例のボールねじのものである。この図5から分かるように、本発明に基づくボールねじでは、第2回路Yでの負荷が増大すると共に第1回路X及び第3回路Zでの負荷が減少して、軸方向の負荷分布が平均化している。
図20は、軸方向のばらつき及び円周方向での負荷分布を考慮したときのボールねじ溝109に沿った各有効ボール101に負荷される軸方向の荷重を示したものである。A(実線)が本発明のボールねじのものであり、B(破線)が比較例のボールねじのものである。この図6から分かるように、本発明に基づくボールねじの方がボールねじ溝109に沿った負荷の振幅が小さくなり、円周方向での負荷分布状態が平均化している。
なお、本実施形態では、第1回路Xの循環チューブ105の取付け位置に対して、第2回路Yの循環チューブ106の取付け位置だけを180°反転しているが、第3回路Zの循環チューブ107の取付け位置も第1回路Xの循環チューブ105の取付け位置に対して180°反転させてもよい。また、第1回路Xと第2回路Yを円周方向に同一位相とし、第3回路Zのみを180°反転させてもよい。
本実施形態においては、循環路を180°反転することと、オフセットすることの両方を採用しているが、循環路を180°反転することだけでも負荷分布のばらつきが低減し、従来よりも負荷容量が増大する。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図21及び図22は、本発明に係るサイドキャップを示す説明図である。図21はサイドキャップの説明的斜視図、図22は、そのサイドキャップを分割した、一方のサイドキャップ構成部材を示す説明的斜視図である。
図21に示すように、このサイドキャップ217は、樹脂成形により製作されており、例えば樹脂材をモールド成形してなる一対のボール循環部材構成部材であるサイドキャップ構成部材223、223を組み合わせて構成されている。ここで、同図に符号PLで示す線は、ボール循環部材217を各サイドキャップ構成部材223に分割する分割線を示している。
図22に示すように、このサイドキャップ217は、ボール掬い上げ(戻し)通路221およびボール送り通路222からなるボール循環通路227が、その内側に形成されている。そして、ボール215の進行方向に沿って点対称に二つに分割されたサイドキャップ構成部材223から構成される。
ここで、本発明に係るサイドキャップ217では、図23に示すように、分割線PLが、一対の脚部219の、それぞれの切欠き部225の最も深い部分を通る位置で形成されている。
すなわち、サイドキャップ217を二つのサイドキャップ構成部材223、223に分ける分割線PLの位置は、掬い上げ基端部224aで生じる各切欠き部225を予め分断し、それぞれの分割面223dを形成している。つまり、分割線PLの位置は、一方の側での切欠き部225と他方の側での切欠き部225とを、そのV字状の頂点でそれぞれ予め分断して各々の分割面223dを形成する位置としている。
また、各切欠き部225を通る分割線PLは、掬い上げ基端部224aの近傍であり、同図に符号223fで示すように、円弧をもつ。また、その円弧と直線部とが連続する部分からなる周壁延出部で、なだらかに繋がるように設定されている。換言すれば、図22に示すように、ボール循環部材構成部材223の分割面223dは、掬い上げ基端部224aの近傍(図22に示すF部)において、その掬い上げ基端部224aでの分割線PLを、ボール軌道路8でのボール215の中心の軌跡BCDに対し、ボール掬い上げ部224の反対の側(同図での脚部219側)をボール掬い上げ部224の側にずらしてなる周壁延出部223fを有する。そのため、掬い上げ基端部224aでの分割面223dは、この周壁延出部223fによる、なだらかな稜線によって分割されている。そのため、掬い上げ基端部224aでの応力集中を、より好適に緩和可能になっている。これにより、掬い上げ基端部224a、あるいは掬い上げ基端部224aの近傍が起点となる疲労破壊が生じるおそれがほとんどない。したがって、ボールねじ210の高速運転性能や耐久性能を向上させることができる。
(第5の実施形態)
次に本発明に係る第5の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図24は、本実施形態に係るシール315の正面図である。図25は、図24のシール315をA−A線で切断して矢印方向に見た図である。シール315は、円板状のシール本体315cと、シール本体315cから内方に延在する類似円錐形状(左方に傾斜した形状)のシール片315dとからなる。シール片315dは、その内方縁に環状円筒部315bを形成している。
環状円筒部315bの内側は、ねじ軸1の断面形状に対応した開口315aとなっている。外周を不図示のナットに取り付ける取付け部であるシール本体315cと、シール片315dと、環状円筒部315bは、耐摩耗性及び可撓性を有する樹脂又はゴムから一体形成されている。
図26は、本実施形態にかかるシール315の一部拡大軸線方向断面図であり、図27は、図26のシール315の環状円筒部315bを更に拡大し、ねじ溝(点線)との当接状態を示し図である。なお、環状円筒部315bは、図に示すように断面が円形であるO−リングのような形状を有する。
図26において点線は、シール315とねじ軸1との相対角度に応じて変位する、ねじ軸31に当接するシール315の環状円筒部315bの位置(315Aないし315G)を示している。図27から明らかなように、環状円筒部315bの当接点315e(当接領域)は、ねじ軸31の周面に当接する位置に応じて、環状円筒部315b上を変移する。
即ち、ねじ軸1の何れの周面に環状円筒部315bが当接しても、図27に示すように当接面の法線は必ず環状円筒部315bの断面中心を通過する。従って、当接位置に関わらず、シール315とねじ軸31との当接関係は一定に維持されることになり、もって密封機能を確保できることとなる。その結果、ボールねじの内部に異物が侵入するのを防止し、ボールねじ装置の寿命を延長することができる。
1 ねじ軸
1a 軸方向一端部
1d ボールねじ溝
2 ボールナット
2d ボールねじ溝
2e 戻り路
2A 近位ボールナット
2B 遠位ボールナット
3 サポートユニット
4 固定部材
7 取付け部
8 取付け部材
9 ボール
F1 取付け部に作用する軸方向荷重
F2 ねじ軸側に生ずる反力

Claims (10)

  1. 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、そのボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、その螺旋状通路内を循環する複数のボールと、その複数のボールの戻り路とを備えると共に、上記ねじ軸は、入力された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受けるボールねじ装置において、
    上記ねじ軸は、入力された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受けるボールねじ装置において、上記ボールナットは、上記ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部から遠位にある軸方向端部側に、上記ボールナットを取り付ける取付け部材からの軸方向荷重を受ける軸方向荷重作用部を設け、
    ねじ軸の縦断面積に対するボールナットの縦断面積の比を、0.5以上2以下としたことを特徴とするボールねじ装置。
  2. 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、そのボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と、その螺旋状通路内を循環する複数のボールと、その複数のボールの戻り路とを備えると共に、上記ねじ軸は、入力された軸方向荷重を主として軸方向一端部側で受けるボールねじ装置において、
    上記ボールナットを取り付ける取付け部材からの軸方向荷重を受ける当該ボールナットの軸方向荷重作用部の軸方向位置を、上記螺旋状通路内のボールが当該軸方向荷重作用部の軸方向両側にそれぞれ存在する位置としたことを特徴とするボールねじ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の、外部荷重に対し上記螺旋状通路内の全ボールの主負荷方向が同一方向に設定されていることを特徴とするボールねじ装置。
  4. 請求項2に記載のボールナットにおける軸方向荷重作用部を挟んだ軸方向両側の各縦断面積について、上記ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部から近位にある側の縦断面積に比べて、遠位にある側の縦断面積を大きくしたことを特徴とするボールねじ装置。
  5. 請求項2に記載のボールナットにおいて、上記ねじ軸の軸方向荷重を主として受ける軸方向一端部から近位にある側の縦断面積とねじ軸の縦断面積とを等しく若しくは略等しくしたことを特徴とするボールねじ装置。
  6. 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と該螺旋状通路内を循環する多数のボールと、該多数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路とボールナットに設けたボールの戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、前記循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させたことを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載のボールねじ装置。
  7. 外面にボールねじ溝を有するねじ軸と、該ねじ軸のボールねじ溝に対向するボールねじ溝を内面に有する少なくとも1つのボールナットと、該ボールナットのボールねじ溝と上記ねじ軸のボールねじ溝とにより形成された螺旋状通路と該螺旋状通路内を循環する多数のボールと、該多数のボールの戻り路とを備え、上記螺旋状通路とボールナットに設けたボールの戻り路とにより形成される循環路が3回路以上であるボールねじにおいて、
    循環路のうち少なくとも2回路を円周方向に同一位相とし、残りの回路を他の回路に対して円周方向に180°反転させ、且つ全循環路のうち少なくとも1回路を他の回路に対して軸方向にオフセットさせたことを特徴とする、請求項1から5までのいずれかに記載のボールねじ装置。
  8. 前記ボール循環部材は、ボールを導くための通路が内部に形成された一対の脚部を有し、各脚部内に形成された通路での前記ボールの進行方向が、前記ねじ軸の接線方向且つ前記両ボール転動溝のリード角と一致する方向にボールを掬い上げることを可能に構成されており、かつ、前記ボール循環部材は、樹脂により形成されるとともに、その内部を通る前記ボールの進行方向に延びる分割線に沿って分割された二つのボール循環部材構成部材を備えて構成されてなり、前記二つのボール循環部材構成部材の一方は、他方のボール循環部材構成部材の前記掬い上げ基端部の外側をその両側から覆うように周壁を延出させた周壁延出部を有し、前記分割線は、前記一方の側での前記切欠き部の最も深い部分と前記他方の側での前記切欠き部の最も深い部分とを通るとともに、当該分割線が通る前記切欠き部の最も深い部分が、ボール中心の軌跡位置を基準に見たときに、掬い上げ部の側に向けてずらした位置に形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれかに記載のボールねじ装置。
  9. 前記ボールナットに取り付けられる取付部と、前記取付部から延在し、前記ボールねじのねじ軸の周面に当接することにより所定の弾性力を前記周面に付与するシール片とからなり、前記シール片は、前記ボールねじのねじ軸の周面に当接する当接領域を有し、前記当接領域は、前記ボールねじのねじ軸の周面との当接位置に応じて、前記シール片上を変移するようになっており、それにより前記当接位置に関わらず、前記周面と前記シール片との当接関係は一定に維持されるようになっているボールねじ用密封形シールを有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれかに記載のボールねじ装置。
  10. 請求項1〜9までのいずれかに記載したボールねじ装置を使用したことを特徴とする電動射出成形機。
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