JP2015124608A - ラジアルピストン式油圧機械および風力発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、動力伝達装置に用いられるラジアルピストン式の油圧ポンプが開示されている。この油圧ポンプでは、内周面にカム面を有するアウターレースと、このアウターレースに対向して放射状に配置された複数のシリンダを有するインナーレースとを備えている。インナーレースの複数のシリンダは、それぞれ、複数のピストンを案内するように構成されている。なお、各々のピストンには、カム面と当接するボールが取り付けられている。
ラジアルピストン式の油圧機械であって、
前記油圧機械の周方向に沿って位置するように、前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、
前記油圧機械の半径方向に沿って往復運動可能に前記複数のピストンをそれぞれ案内するための複数のシリンダと、
前記複数のピストンと前記複数のシリンダによってそれぞれ形成される複数の油圧室に連通可能な低圧ラインと、
前記複数の油圧室に連通可能な高圧ラインと、
前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の低圧バルブと、
前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の高圧バルブと、
前記低圧バルブの各々と前記高圧バルブの各々を含むカートリッジが挿入されるカートリッジ穴が複数形成されたシリンダブロック本体を含むシリンダブロックとを備え、
各々の前記カートリッジは、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に対して前記半径方向に沿って挿脱可能に構成され、
前記シリンダブロック本体の内部には、前記複数の油圧室を前記低圧ラインに連通させるための少なくとも一本の低圧油路と、前記複数の油圧室を前記高圧ラインに連通させるための少なくとも一本の高圧油路とが形成されており、
前記複数のカートリッジは、それぞれ、前記複数の低圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の低圧油路に連通させるための低圧連通路と、前記複数の高圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の高圧油路に連通させるための高圧連通路とを含み、
前記低圧連通路又は前記高圧連通路の一方は、各々の前記油圧室から各々の前記低圧バルブ又は前記高圧バルブの一方の弁体の一部に向かって前記半径方向に沿って延びる少なくとも一本の大幅に小さな断面を有する半径方向流路を含み、前記一部は前記油圧室に最も近い部分である。
なお、「大幅に小さな断面を有する半径方向流路」とは、半径方向流路の直径が、油圧室の直径の1/2よりも小さいことを意味する。
また、カートリッジの交換時、シリンダブロック本体のカートリッジ穴に対してカートリッジを半径方向に挿脱すればよく、カートリッジの交換作業が容易である。しかも、カートリッジは低圧バルブ及び高圧バルブとともにカートリッジ穴に対して挿脱可能な構成としたので、低圧バルブ及び高圧バルブのメンテナンス時にカートリッジとともに低圧バルブ及び高圧バルブをカートリッジ穴から抜き出すことができる。このため、低圧バルブ及び高圧バルブの交換等のメンテナンス作業も容易である。
よって、このラジアルピストン式油圧機械は、メンテナンスが容易である。
この場合、カートリッジの一部であるシリンダスリーブがピストンとの摺動部を形成する。したがって、シリンダスリーブとピストンとの摺動部の摩耗が進行した場合であっても、シリンダブロック本体の交換は必要なく、前述したような手順でシリンダスリーブ及び/又はピストンを交換すれば足りる。
また、カートリッジの交換時、シリンダブロック本体のカートリッジ穴に対してカートリッジを半径方向に挿脱すればよく、カートリッジの交換作業が容易である。しかも、カートリッジはピストンとともにカートリッジ穴に対して挿脱可能な構成としたので、ピストンの交換作業も容易である。
また、ピストンはエンドストップによりシリンダスリーブと係合可能であるため、シリンダスリーブからのピストンの抜け出しが規制される。このため、シリンダスリーブやピストンの交換作業時に、シリンダスリーブからピストンが脱落することがないため、作業が容易である。
この構成では、リングカムを油圧機械から取り外すことなく、シリンダブロックを挟んでリングカムとは反対側の空間を利用して、ピストン及びローラとともにカートリッジをカートリッジ穴に対して挿脱することができる。よって、ピストンやローラの交換作業を効率的に行うことが可能になり、油圧機械のメンテナンスが容易になる。
この構成では、ローラの交換等を行う際、ピストンからローラが脱落することがなく、作業が容易である。
この構成では、ローラの交換等を行う際、シリンダブロック本体から、カートリッジ穴を通じてローラをスムーズに抜き出すことができる。例えば、ピストン及びローラとともにカートリッジをカートリッジ穴に対して挿脱する場合に、ローラとカートリッジ穴との干渉を防止でき、ピストン及びローラとカートリッジとの集合体のカートリッジ穴に対する挿脱をスムーズに行うことができる。
この構成では、カートリッジ穴の第2部分の断面積は、第1部分の断面積よりも小さく、第2部分を囲むシリンダブロック本体の部分の肉厚を厚くすることができる。これにより、シリンダブロック本体の強度を高くすることができる。
幾つかの実施形態では、前記複数のシリンダスリーブは、前記複数のカートリッジ穴の前記第1部分に対応する第1スリーブ部と、前記複数のカートリッジ穴の前記第2部分に対応する第2スリーブ部とを含み、前記第1スリーブ部と、前記第2スリーブ部との間には段差が設けられる。
この構成では、シリンダスリーブの段差を用いて、カートリッジ穴内におけるシリンダスリーブの位置決めを行うことができる。また、段差に対応して第1スリーブ部の肉厚を第2スリーブ部に比べて厚くすることができ、シリンダスリーブに高い強度をもたせることができる。
この場合、カートリッジに低圧バルブと高圧バルブとを含むバルブブロックが組み込まれている。このため、隣接するカートリッジ間に低圧バルブや高圧バルブが配置されておらず、シリンダブロック本体に低圧バルブや高圧バルブを設置するためのスペースを独立して設ける必要がない。したがって、シリンダブロックにおけるカートリッジの設置密度を向上させることができる。
したがって、シリンダブロック本体を小径化して、ラジアルピストン式油圧機械の小型化を図ることができる。あるいは、シリンダブロック本体のサイズを維持したまま周方向におけるカートリッジの設置数を増やし、脈動や振動を抑制し、ラジアルピストン式油圧機械の低騒音化を図ることもできる。
この場合、低圧バルブと高圧バルブとがカートリッジの軸方向に並んでいるので、油圧機械の半径方向に直交する面内におけるバルブ設置スペースを小さくすることができる。このため、油圧機械の半径方向に直交する面内におけるバルブブロック(カートリッジ)のサイズを低減でき、シリンダブロック本体の剛性維持等の目的で周方向において隣接するカートリッジ間の間隔を確保しながら、シリンダブロック本体を小径化できる。
この場合、低圧バルブと高圧バルブとが油圧機械の周方向及び軸方向を含む面内に並んでいるので、油圧機械の半径方向におけるバルブ設置スペースを小さくすることができる。このため、油圧機械の半径方向におけるバルブブロック(カートリッジ)のサイズを低減でき、油圧機械の半径方向におけるシリンダブロック本体の厚さを低減できる。
この構成では、蓋部材を用いたことにより、シリンダブロック本体からのカートリッジの抜け出しを効果的に規制することができる。
更に、低圧油路及び高圧油路が半径方向で異なる位置にあり、同一の半径方向位置で並列に配列されていない。このため、低圧油路及び高圧油路のために必要なスペースが小さくてよく、シリンダ同士の距離を広げる必要がない。この点からも、シリンダブロックの大型化を防止することができる。あるいは、低圧油路及び高圧油路のために必要なスペースが小さくてよいので、周方向に配列するシリンダの数を増やすことができる。シリンダの数を増やした場合、脈動や振動を抑制することができる。
この構成によれば、半径方向に沿って延びる低圧連通路を避けるように高圧連通路を設けたことで、カートリッジ内の限られたスペースにおいて、低圧バルブを介して油圧室と低圧油路を連通させながら、高圧バルブを介して油圧室と高圧油路を連通させることができる。
少なくとも一本のブレードと、
前記少なくとも一本のブレードが取付けられるハブと、
前記ハブの回転によって駆動されるように構成された油圧ポンプと、
前記油圧ポンプで生成された圧油によって駆動されるように構成された少なくとも一つの油圧モータと、
前記少なくとも一つの油圧モータによって駆動される発電機とを備える風力発電装置であって、
前記油圧ポンプ及び前記少なくとも一つの油圧モータの少なくとも一方は、ラジアルピストン式の油圧機械であり、
前記ラジアルピストン式の油圧機械は、前記油圧機械の周方向に沿って位置するように、前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、前記油圧機械の半径方向に沿って往復運動可能に前記複数のピストンをそれぞれ案内するための複数のシリンダと、前記複数のピストンと前記複数のシリンダによってそれぞれ形成される複数の油圧室に連通可能な低圧ラインと、前記複数の油圧室に連通可能な高圧ラインと、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の低圧バルブと、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の高圧バルブと、前記低圧バルブの各々と前記高圧バルブの各々を含むカートリッジが挿入されるカートリッジ穴が複数形成されたシリンダブロック本体を含むシリンダブロックとを備え、
各々の前記カートリッジは、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に対して前記半径方向に沿って挿脱可能に構成され、
前記シリンダブロック本体の内部には、前記複数の油圧室を前記低圧ラインに連通させるための少なくとも一本の低圧油路と、前記複数の油圧室を前記高圧ラインに連通させるための少なくとも一本の高圧油路とが形成されており、
前記複数のカートリッジは、それぞれ、前記複数の低圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の低圧油路に連通させるための低圧連通路と、前記複数の高圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の高圧油路に連通させるための高圧連通路とを含み、
前記低圧連通路又は前記高圧連通路の一方は、各々の前記油圧室から各々の前記低圧バルブ又は前記高圧バルブの一方の弁体の一部に向かって前記半径方向に沿って延びる少なくとも一本の大幅に小さな断面を有する半径方向流路を含み、前記一部は前記油圧室に最も近い部分である。
なお、「大幅に小さな断面を有する半径方向流路」とは、半径方向流路の直径が、油圧室の直径の1/2よりも小さいことを意味する。
また、カートリッジの交換時、シリンダブロック本体のカートリッジ穴に対してカートリッジを半径方向に挿脱すればよく、カートリッジの交換作業が容易である。しかも、カートリッジは低圧バルブ及び高圧バルブとともにカートリッジ穴に対して挿脱可能な構成としたので、低圧バルブ及び高圧バルブのメンテナンス時にカートリッジとともに低圧バルブ及び高圧バルブをカートリッジ穴から抜き出すことができる。このため、低圧バルブ及び高圧バルブの交換等のメンテナンス作業も容易である。 よって、このラジアルピストン式油圧機械は、メンテナンスが容易であり、風力発電装置のメンテナンスも容易である。
同図に示すように、風力発電装置1は、少なくとも一本のブレード2及びハブ4で構成されるロータ3を備える。なお、ハブ4はハブカバー5によって覆われていてもよい。
幾つかの実施形態では、ロータ3には、回転シャフト6を介して油圧ポンプ8が連結される。油圧ポンプ8には、高圧ライン12及び低圧ライン14を介して油圧モータ10が接続される。具体的には、油圧ポンプ8の出口が高圧ライン12を介して油圧モータ10の入口に接続され、油圧ポンプ8の入口が低圧ライン14を介して油圧モータ10の出口に接続される。
なお、回転シャフト6の少なくとも一部は、タワー19上に設置されたナセル18によって覆われている。幾つかの実施形態では、油圧ポンプ8、油圧モータ10及び発電機16は、ナセル18の内部に設置される。
図2〜4及び図31に示す実施形態では、油圧機械20は、油圧機械20の周方向に沿って配置される複数のピストン22と、複数のピストン22をそれぞれ摺動自在に保持するための複数のシリンダ24が設けられたシリンダブロック26とを備える。各々のピストン22は、シリンダ24によって案内されて油圧機械20の半径方向に沿って往復運動可能になっている。各々のピストン22がシリンダ24内で往復運動すると、ピストン22とシリンダ24によって形成される油圧室25の体積が周期的に変化する。このような油圧室25の周期的な体積変化を伴うピストン22の往復運動は、機械要素29の回転運動との間で運動モードが変換されるようになっている。
こうして、機械要素29の働きにより、油圧機械20の回転シャフト28の回転エネルギー(機械的エネルギー)と作動油の流体エネルギーとの間でエネルギーが変換され、油圧機械20が油圧ポンプ又は油圧モータとしての所期の役割を果たすようになっている。
なお、図3及び4に示す実施形態では、当接部23は、ピストン22に回転可能に取り付けられたローラ23Aである。そして、カム29Aは、油圧機械20の周方向に沿って並べられて複数のローラ23Aと当接するように構成された複数のローブ(カム山)31を有するリングカムである。
また、他の実施形態では、シリンダブロックが回転シャフト28と一体に回転可能に設けられ、シリンダブロックを囲むように設けられた機械要素が静止状態で配置される。この場合、ピストン22に対し、当接部が径方向外側に設けられる。つまり、リングカムは、外向きであっても内向きであってもよい。
幾つかの実施形態では、複数の内部油路30(30A,30B)が油圧機械20の軸方向に沿って設けられており、複数の内部油路30(30A,30B)にそれぞれ連通する環状集合路35(35A,35B)が環状のエンドプレート34の内部に形成される。エンドプレート34は、シリンダブロック26の端部に取り付けられた環状板部材である。
シリンダブロック26に求められる役割として、ピストン22を摺動自在に案内するための摺動部としてのシリンダ24の形成と、シリンダ24を保持するための構造体の形成とが挙げられる。上述のように、カートリッジ38とシリンダブロック本体50とを別に設ければ、シリンダブロック26に求められる役割(シリンダ24の形成および構造体の形成)をそれぞれカートリッジ38とシリンダブロック本体50とに分担させることができる。そのため、カートリッジ38およびシリンダブロック本体50のそれぞれの役割に応じた好適な設計が可能になり、シリンダブロック26の全体としての軽量化を実現できる。
この場合、鍛造品部51は比較的高い剛性を有するので、ピストン22及びシリンダスリーブ80を介して鍛造品部51に作用する外力に耐えることができる。なお、鍛造品部51に作用する外力の一例として、ピストン22を往復運動せしめる機械要素(例えばカム)29からの押圧力を挙げることができる。
この点、図2〜5に示す実施形態のように、油圧機械20の周方向における全周に亘って連続したシリンダブロック本体50(鍛造品部51)を採用すれば、上記問題は生じない。
ここで、「半径方向に沿って挿脱」とは、油圧機械の軸から遠ざかる方向に沿って挿脱する場合と、油圧機械の軸に向かう方向に沿って挿脱する場合の両方を含む。例えば、図2に示す例示的な実施形態の場合は、回転する回転シャフト28及びカム29Aよりも外周側にシリンダブロック26及びカートリッジ38(シリンダアセンブリ43)が配置されており、カートリッジ38(シリンダアセンブリ43)は油圧機械20の軸から遠ざかる方向に沿って挿脱可能に構成される。一方、図31に示す例示的な実施形態の場合は、回転シャフト28とともに回転するハウジング21及びカム29Aよりも内周側にシリンダブロック26及びカートリッジ38(シリンダアセンブリ43)が配置されており、カートリッジ38(シリンダアセンブリ43)は油圧機械20の軸に向かう方向に沿って挿脱可能に構成される。
その上、シリンダブロックにシリンダが一体的に設けられている場合、シリンダブロックに対し多数必要であり、加工難易度が更に高くなる。また、加工のために素材に高い信頼性が要求される。
ピストン22やシリンダスリーブ80の損傷を防ぐため、係合螺子54と係合溝55は、ピストン22の往復運動の行程において係合螺子54とピストン22(係合溝55の壁面)とが衝突しないように構成される。つまり、係合溝55のピストン軸方向に沿った範囲は、ピストン22の上死点においては、係合溝55の当接部23(ローラ23A)側の壁面に係合螺子54が衝突しないように、かつ、ピストン22の下死点においては、係合溝55の油圧室25側の壁面に係合螺子54が衝突しないように、ピストン22のストロークに応じて設定される。
なお、係合板56は、ピストン22よりも前にシリンダスリーブ80内に挿入しておき、ピストン22の挿入後、シリンダスリーブ80に設けられた穴を通じて螺子止めすることができる。
あるいは、シリンダスリーブ80に、係合板56を挿入可能な穴を形成しておき、該穴を閉塞可能な螺子込み式の閉塞部材57を用いてもよい。
ピストン22、スナップリング58及びシリンダスリーブ80の損傷を防ぐため、スナップリング58は、ピストン22の往復運動の行程においてスナップリング58とシリンダスリーブ80とが衝突しないように構成される。つまり、スナップリング58の取付位置とシリンダスリーブ80の縮径部の位置とが、ピストン22の下死点において、スナップリング58とシリンダスリーブ80の縮径部の上面との間に隙間が存在するように、ピストン22のストロークに応じて設定される。
なお、スナップリング58を嵌合するために、シリンダスリーブ80は分割可能であってもよい。
この構成では、リングカムを油圧機械20から取り外すことなく、シリンダブロック26を挟んでリングカムとは反対側の空間を利用して、ピストン22及びローラ23Aとともにカートリッジ38をカートリッジ穴52に対して挿脱することができる。よって、ピストン22やローラ23Aの交換作業を効率的に行うことが可能になり、油圧機械20のメンテナンスが容易になる。
幾つかの実施形態では、図6に示したように、ピストン22とローラ23Aを係合させる係合手段として、ピストン22に2つの腕部59が設けられている。2つの腕部59は円弧面を有する。円弧面は、ピストン22の軸方向と直交する略円筒形状の空間を規定し、ローラ23Aが該空間に同軸に挿入される。2つの腕部59の先端は、ローラ23Aとカム29Aの接触を阻害しないように相互に離れており、2つの腕部59は、ローラ23Aを回転可能に支持しながら、ピストン22の軸方向におけるピストン22からのローラ23Aの抜け出しを規制する。
なお、ピストン22及び腕部59の摩耗や損傷を防ぐため、腕部59は、ピストン22の往復行程において腕部59とシリンダスリーブ80とが衝突しないように構成される。つまり、腕部59の長さは、ピストン22の上死点において、腕部59の上面とシリンダスリーブ80との間に隙間が存在するように、ピストン22のストロークに応じて設定される。
図10及び図11に示したように、幾つかの実施形態では、複数のカートリッジ穴52は、それぞれ、断面円形であり、複数のローラ23Aの対角長Lよりも大きな直径D1を有する。この構成によれば、シリンダブロック本体50から、カートリッジ穴52を通じてローラ23Aを抜き出すことができる。
なお、ローラ23A側に位置するシリンダスリーブ80の一端部には、ローラ23Aの両端部に対応して切欠き部63が形成されている。切欠き部63は、ローラ23Aの両端部を受け容れ可能であり、ピストン22の往復運動を許容する。
第2部分52Bは、第1領域よりもローラ23A寄りのシリンダブロック本体50の第2領域に設けられている。そして、第2部分52Bは、各々のローラ23Aの対角長Lよりも小の直径D2の断面円形に対して、各々のローラ23Aの両端部に対応する切欠き部61を少なくとも付加した断面形状を有する。
なお、幾つかの実施形態では、ピストン22に、ローラ23Aの軸方向での移動を規制する2つの側板69が取り付けられる。2つの側板69は、ローラ23Aを軸方向両側から相対回転可能に挟む。図13に示したように、切欠き部61は、側板69にも対応しており、複数の円弧面によって形成されている。
この構成の場合、シリンダスリーブ80の段差65を用いて、カートリッジ穴52内におけるシリンダスリーブ80の位置決めを行うことができる。すなわち、シリンダスリーブ80の段差をカートリッジ穴52の段差67に当接させることにより、カートリッジ穴52内におけるシリンダスリーブ80の位置決めを行うことができる。また、段差65に対応して第1スリーブ部80Aの肉厚を第2スリーブ部80Bに比べて厚くすることができ、シリンダスリーブ80に高い強度をもたせることができる。
そして、バルブ60(60A,60B)を含むカートリッジ38は、シリンダブロック本体50の複数のカートリッジ穴52に対して半径方向に沿って挿脱可能に構成されている。
この構成では、シリンダスリーブ80の内周面と外周面を、共通のセンタ穴で旋盤加工により成形可能であり、シリンダスリーブ80の製造が容易である。このため、油圧機械20の生産性を更に高くすることができる。
この構成では、カートリッジ38の外周面に、内部油路30に開口する油溝41を設けたことで、簡単な構成にて、内部油路30と油圧室25とを確実に連通させることができる。よって、油圧室25と内部油路30との接続に高い加工精度は必要ないため、油圧機械20は高い生産性を有する。
幾つかの実施形態では、油溝41はシリンダスリーブ80の外周面に形成される。
この構成では、カートリッジ38の外周面に油溝41が設けられているので、作動油の流路の構成の自由度が高く、1つの油溝41を介して、2本以上の内部油路30を油圧室25に連通させることができる。よって、各々の内部油路30を小径化することができ、作動油の流路抵抗を抑えながら、シリンダブロック26の強度を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、環状溝42(42A,42B)は、シリンダスリーブ80の外周面の全周に亘って形成される。
幾つかの実施形態では、シール部材44は、環状をなすカートリッジ38とカートリッジ穴52との間の隙間をシールする。シール部材44は、例えば、弾性材料からなるOリングである。
この構成によれば、内部油路30A及び内部油路30Bが何れも軸方向に延在しているので、シリンダブロック26の大径化を防止することができ、また、内部油路30A及び内部油路30Bに接続される配管構造も簡単にすることができる。
この構成によれば、内部油路30A及び内部油路30Bが半径方向で異なる位置にあり、同一の半径方向位置で並列に配列されていない。このため、内部油路30A及び内部油路30Bのために必要なスペースが小さくてよく、シリンダ24同士の距離を広げる必要がない。これによって、シリンダブロック26の大型化を防止することができる。あるいは、内部油路30A及び内部油路30Bのために必要なスペースが小さくてよいので、周方向に配列するシリンダ24の数を増やすことができる。シリンダ24の数を増やした場合、脈動や振動を抑制することができる。
図6に示す例示的な実施形態では、内部油路30(30A,30B)と連通路46(46A,46B)とは、環状溝42(42A,42B)を介して接続される。
なお、給油バルブ60Aと排油バルブ60Bのうちの一方は、油圧室25と低圧ライン(外部配管36)との間に設けられ、油圧室25と低圧ライン(外部配管36)との連通状態を切り換えるための低圧バルブであり、給油バルブ60Aと排油バルブ60Bのうちの他方は、油圧室25と高圧ライン(外部配管36)との間に設けられ、油圧室25と高圧ライン(外部配管36)との連通状態を切り換えるための高圧バルブである。
また、給油バルブ60A及び排油バルブ60Bをカートリッジ穴52内に配置したことで、給油バルブ60A及び排油バルブ60Bと油圧室25との間の距離を短くすることができ、油圧室25周辺のデッドスペースを小さくすることができる。この結果として、ラジアルピストン式の油圧機械20の高効率化を図ることができる。
この場合、カートリッジ38に給油バルブ60Aと排油バルブ60Bとを含むバルブブロック81が組み込まれている。このため、隣接するカートリッジ38間に給油バルブ60Aや排油バルブ60Bが配置されておらず、シリンダブロック本体50に給油バルブ60Aや排油バルブ60Bを設置するためのスペースを独立して設ける必要がない。したがって、シリンダブロック26におけるカートリッジ38の設置密度を向上させることができる。
したがって、シリンダブロック本体50を小径化して、油圧機械20の小型化を図ることができる。あるいは、シリンダブロック本体50のサイズを維持したまま周方向におけるカートリッジ38の設置数を増やし、脈動や振動を抑制し、油圧機械20の低騒音化を図ることもできる。
この構成では、カートリッジ38に給油連通路46A及び排油連通路46Bを設けたことにより、簡単な構成にて、給油路30A及び排油路30Bと給油バルブ60A及び排油バルブ60Bとをそれぞれ確実に連通させることができる。
なお、第1連通路と第2連通路のうち、一方は低圧油路(内部油路30)と油圧室25を連通させるための低圧連通路であり、他方は高圧油路(内部油路30)と油圧室25を連通させるための高圧連通路である。
上記構成では、カートリッジ38に給油バルブ60A及び排油バルブ60Bが組み込まれているので、油圧室25周辺のデッドスペースを減らすことができる。これより、油圧機械20の効率を高めることができる。
更に、カートリッジ38に、給油バルブ60Aと排油バルブ60Bが組み込まれていれば、シリンダブロック本体50に対する加工を減らすことができ、加工工数を減らすことができるとともに、加工によるシリンダブロック本体50の強度低下も防止することができる。
この構成では、給油バルブ60Aの弁体62Aと排油バルブ60Bの弁体62Bとが半径方向にオーバーラップしているので、カートリッジ穴52内における給油バルブ60Aと排油バルブ60Bの設置スペースを小さくすることができる。
こうして油圧機械20の半径方向の異なる位置に設けられた給油バルブ60Aと排油バルブ60Bに対応して、給油溝42A及び排油溝42Bもまた、各々のカートリッジ38の外周面上において油圧機械20の半径方向の異なる位置に設けられる。
この構成によれば、半径方向に沿って延びる第1流路48を避けるように第2流路72を設けたことで、カートリッジ内の限られたスペースにおいて、給油バルブ60Aを介して油圧室25と給油路30Aを連通させながら、排油バルブ60Bを介して油圧室25と排油路30Bを連通させることができる。
幾つかの実施形態では、図14に示すように、複数の第1流路48及び第3流路47が、シリンダスリーブ80の中心軸の周りに配列されている。そして、図15に示すように、複数の第2流路72が、複数の第1流路48間を延びている。
また、排油バルブ60Bは電磁弁ではないので、電気的な接続を必要としない。よって、逆止弁である排油バルブ60Bを油圧室25の近くに配置しても、配線が複雑になることもない。
なお、付勢部材76としては、圧縮コイルばねを用いることができる。
一方、第2連通路は、共通流路78に直交する方向に沿って延在し、各々の排油バルブ60Bを介して共通流路78を排油溝42Bに連通させる少なくとも一本の排油用直交流路(第5流路)72を含む。
また、排油バルブ60Bは電磁弁ではないので、電気的な接続を必要としない。よって、逆止弁である排油バルブ60Bを油圧室25の近くに配置しても、配線が複雑になることもない。
また、カートリッジ38は、第1セグメント40と第2セグメント85に分割可能に構成される。
図6及び図18に示す例示的な実施形態では、第1セグメント40が主としてシリンダスリーブ80を形成し、第1セグメント40の一部と第2セグメント85とがバルブブロック81を形成している。
そして、バルブブロック81には、各々の給油バルブ60Aおよび各々の排油バルブ60Bが組み込まれる。図6に示す例示的な実施形態では、バルブブロック81は、第1セグメント40と第2セグメント85とに跨って設けられており、各々の給油バルブ60Aおよび各々の排油バルブ60Bのうち各々の油圧室25に近いバルブが第1セグメント40に組み込まれ、各々の給油バルブ60Aおよび各々の排油バルブ60Bのうち各々の油圧室25から遠いバルブが第1セグメント40とは別体の第2セグメント85に設けられる。
そして、有底孔の底面には、ばね座を形成するばね孔が設けられ、ばね孔に付勢部材76としての圧縮コイルばねの一端が収容されている。
給油バルブ60Aでは、ソレノイド92に電力を供給することにより、付勢部材94の付勢力に抗して、コア90に向かってアーマチュア89が吸引され、給油バルブ60Aが閉弁するように構成されている。
また、図18に示したシリンダアセンブリ43では、球形の弁体62Bと付勢部材76としての圧縮コイルばね76が、シリンダスリーブ80の軸方向と直交する方向に並んで設けられており、シリンダスリーブ80の軸方向での排油バルブ60Bの長さを短くすることができる。これによって、油圧室25周辺のデッドスペースを減らし、油圧機械20の効率を高くすることができる。
なお、図20は、シリンダブロック26の概略的に示す平面図である。
これにより、各々のカートリッジ38の外周面上において油圧機械20の半径方向の異なる位置に設けられた給油溝42A及び排油溝42Bと、シリンダブロック本体50内の給油路30A及び排油路30Bとのそれぞれの接続が容易になる。また、複数の給油路30Aと複数の排油路30Bとの油圧機械20の半径方向における位置を異ならせることで、同種の内部油路30(給油路30A又は排油路30B)と各環状集合路35A,35B(図2参照)との接続が容易になる。
この構成では、給油路30Aと排油路30Bの周方向位置を異ならせることで、同じ周方向位置に設けた場合に比べて、給油路30Aや排油路30Bが設けられた周方向位置でのシリンダブロック26の径方向での厚さを大きくすることができる。このため、シリンダブロック26の強度を高めることができ、ピストン22が往復運動する際、ピストン22からシリンダブロック26に対しサイドフォースが作用しても、シリンダブロック26の捩れが抑制される。この結果、シリンダブロック26の耐久性が向上し、油圧機械20の寿命を長くすることができる。
具体的には、幾つかの実施形態では、鍛造品部51(シリンダブロック本体50)内において、複数の内部油路30(30A,30B)はジグザグ状(千鳥状)に配置されている。これにより、当接部23を介して機械要素29からピストン22が受ける力に起因した捻じりモーメントに対する鍛造品部51の剛性を確保することができる。
そして、m個の油圧室25のうちシリンダブロック26内における給油流れ方向の下流側に位置する少なくとも一つの油圧室25を含む下流側グループに比べて、m個の油圧室25のうち給油流れ方向の上流側に位置する少なくとも一つの油圧室25を含む上流側グループの方がより多くの給油路30Aに連通している。
この構成では、アキュムレータ96によって脈動が抑制されるので、ラジアルピストン式の油圧機械20を安定に動作させることができる。
カートリッジの内部に流路を設けた場合、作動油の圧力に耐えられるように流路の周囲においてカートリッジの肉厚を厚くして強度を確保する必要があり、カートリッジ38を大きくする必要がある。これに対し、カートリッジ38の外周面に外周流路を設けた場合、カートリッジ38の内部に形成される流路を減らすことができ、内部の流路を減らした分だけ、カートリッジ38の肉厚を減らすことができる。このため、カートリッジ38の小型化を図ることができる。或いは、カートリッジ38が同じ大きさであれば、カートリッジ38の耐圧性を高めることができる。
具体的には、外周流路98は、シリンダスリーブ80の外周面に形成されたハーフパイプ形状の凹みによって形成されている。外周流路98は、油圧機械20の半径方向に沿って延びている。換言すれば、外周流路98は、シリンダスリーブ80の軸線に沿って延びている。
2 ブレード
3 ロータ
4 ハブ
5 ハブカバー
6 回転シャフト
8 油圧ポンプ
10 油圧モータ
12 高圧ライン
14 低圧ライン
16 発電機
18 ナセル
19 タワー
20 油圧機械
22 ピストン
23 当接部
23A ローラ
24 シリンダ
25 油圧室
26 シリンダブロック
27 軸受
28 回転シャフト
29 機械要素
29A カム
30 内部油路
30A 給油路
30B 排油路
34 エンドプレート
35A,35B 環状集合路
36A,36B 外部配管
38 カートリッジ
40 第1セグメント
41 油溝
42 環状溝
42A 給油溝
42B 排油溝
43 シリンダアセンブリ
44 シール部材
46 連通路
46A 給油連通路
46B 排油連通路
47 給油用直交流路(第3流路,第4流路)
48 給油用径方向流路(第1流路)
50 シリンダブロック本体
51 鍛造品部
52 カートリッジ穴
52A 第1部分
52B 第2部分
53 軸方向穴列
54 係合螺子
55 係合溝
56 係合板
57 閉塞部材
58 スナップリング
59 腕部
60 バルブ
60A 給油バルブ
60B 排油バルブ
62A 弁体
62B 弁体
72 排油用直交流路(第2流路,第5流路)
74 弁孔
75 弁室
76 付勢部材
78 共通流路
80 シリンダスリーブ
80A 第1スリーブ部
80B 第2スリーブ部
81 バルブブロック
82 底面
83 スリーブ
84 端部
85 第2セグメント
87 弁室
88 弁孔
89 アーマチュア
90 コア
92 ソレノイド
94 付勢部材
95 閉塞部材
96 アキュムレータ
98 外周流路
100 給油用直交流路
102 給油用直交流路
104 シール部材
Claims (12)
- ラジアルピストン式の油圧機械であって、
前記油圧機械の周方向に沿って位置するように、前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、
前記油圧機械の半径方向に沿って往復運動可能に前記複数のピストンをそれぞれ案内するための複数のシリンダと、
前記複数のピストンと前記複数のシリンダによってそれぞれ形成される複数の油圧室に連通可能な低圧ラインと、
前記複数の油圧室に連通可能な高圧ラインと、
前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の低圧バルブと、
前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の高圧バルブと、
前記低圧バルブの各々と前記高圧バルブの各々を含むカートリッジが挿入されるカートリッジ穴が複数形成されたシリンダブロック本体を含むシリンダブロックとを備え、
各々の前記カートリッジは、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に対して前記半径方向に沿って挿脱可能に構成され、
前記シリンダブロック本体の内部には、前記複数の油圧室を前記低圧ラインに連通させるための少なくとも一本の低圧油路と、前記複数の油圧室を前記高圧ラインに連通させるための少なくとも一本の高圧油路とが形成されており、
前記複数のカートリッジは、それぞれ、前記複数の低圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の低圧油路に連通させるための低圧連通路と、前記複数の高圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の高圧油路に連通させるための高圧連通路とを含み、
前記低圧連通路又は前記高圧連通路の一方は、各々の前記油圧室から各々の前記低圧バルブ又は前記高圧バルブの一方の弁体の一部に向かって前記半径方向に沿って延びる少なくとも一本の大幅に小さな断面を有する半径方向流路を含み、前記一部は前記油圧室に最も近い部分であるラジアルピストン式油圧機械。 - 前記複数のカートリッジは、それぞれ、前記シリンダを形成する複数のシリンダスリーブを含み、
前記複数のシリンダスリーブは、それぞれ、前記ピストンが前記複数のシリンダスリーブから抜け出すのを規制するためのエンドストップをそれぞれ含み、前記複数のピストンは前記エンドストップにより前記複数のシリンダスリーブと係合可能であり、
各々の前記複数のカートリッジは、各々の前記複数のピストンとともに、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に対して前記半径方向に沿って挿脱可能に構成された請求項1に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 前記複数のピストンのそれぞれに回動自在に設けられた複数のローラと、
前記油圧機械の周方向に沿って配置される複数のローブを有し、該ローブが前記複数のローラと当接するように構成されたリングカムとをさらに備え、
前記カートリッジは、少なくとも各々の前記ピストン及び各々の前記ローラとともに、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴から前記半径方向に沿って前記リングカムの反対側に取り外し可能、且つ、前記リングカムの反対側から前記半径方向に沿って前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に挿入可能に構成された請求項1又は2に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 前記複数のローラは、それぞれ、前記複数のピストンからのピストン軸方向における抜け出しが規制されるように前記複数のピストンに係合可能である請求項3に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記複数のカートリッジ穴は、それぞれ、前記複数のローラよりも大きいサイズを有する請求項3又は4に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記複数のカートリッジ穴の各々は、前記複数のピストンと前記複数のシリンダによってそれぞれ形成される複数の油圧室の各々に対応する第1領域に設けられた断面円形状の第1部分と、前記第1領域よりも前記ローラ寄りの第2領域に設けられて、各々の前記ローラの対角長よりも小径の断面円形に対して各々の前記ローラの両端部に対応する切欠き部を少なくとも付加した断面形状の第2部分とを含む請求項5に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記カートリッジは、各々の前記低圧バルブと各々の前記高圧バルブとを保持するバルブブロックとを含む請求項1乃至6の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記バルブブロック内において、各々の前記低圧バルブと各々の前記高圧バルブとが前記カートリッジの軸方向に沿って並んでいる請求項7に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記バルブブロック内において、各々の前記低圧バルブと各々の前記高圧バルブとが前記油圧機械の周方向と前記油圧機械の軸方向とを含む面内に並んでいる請求項7に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記シリンダブロックは、前記シリンダブロック本体に取り付けられ、各々の前記カートリッジ穴に挿入された前記カートリッジの前記シリンダブロック本体からの前記半径方向に沿った抜け出しをそれぞれ規制するための複数の蓋部材をさらに含む請求項1乃至9の何れか一項に記載のラジアルピストン式油圧機械。
- 前記複数の低圧バルブは、前記複数の高圧バルブよりも前記複数の油圧室から離れた位置に設けられ、
前記低圧連通路は、各々の前記油圧室から各々の前記低圧バルブの弁体に向かって前記半径方向に沿って延びる少なくとも一本の半径方向流路を含み、
前記高圧連通路は、各々の前記高圧バルブの弁体から各々の前記高圧油路に向かって、前記少なくとも一本の半径方向流路を避けるように前記少なくとも一本の半径方向流路に直交する方向に沿って延びる少なくとも一本の直交方向流路流路を含む請求項1に記載のラジアルピストン式油圧機械。 - 少なくとも一本のブレードと、
前記少なくとも一本のブレードが取付けられるハブと、
前記ハブの回転によって駆動されるように構成された油圧ポンプと、
前記油圧ポンプで生成された圧油によって駆動されるように構成された少なくとも一つの油圧モータと、
前記少なくとも一つの油圧モータによって駆動される発電機とを備える風力発電装置であって、
前記油圧ポンプ及び前記少なくとも一つの油圧モータの少なくとも一方は、ラジアルピストン式の油圧機械であり、
前記ラジアルピストン式の油圧機械は、前記油圧機械の周方向に沿って位置するように、前記油圧機械の半径方向に沿って配置された複数のピストンと、前記油圧機械の半径方向に沿って往復運動可能に前記複数のピストンをそれぞれ案内するための複数のシリンダと、前記複数のピストンと前記複数のシリンダによってそれぞれ形成される複数の油圧室に連通可能な低圧ラインと、前記複数の油圧室に連通可能な高圧ラインと、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記低圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の低圧バルブと、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの間にそれぞれ設けられ、前記複数の油圧室と前記高圧ラインとの連通状態をそれぞれ切り換えるための複数の高圧バルブと、前記低圧バルブの各々と前記高圧バルブの各々を含むカートリッジが挿入されるカートリッジ穴が複数形成されたシリンダブロック本体を含むシリンダブロックとを備え、
各々の前記カートリッジは、前記シリンダブロック本体の各々の前記カートリッジ穴に対して前記半径方向に沿って挿脱可能に構成され、
前記シリンダブロック本体の内部には、前記複数の油圧室を前記低圧ラインに連通させるための少なくとも一本の低圧油路と、前記複数の油圧室を前記高圧ラインに連通させるための少なくとも一本の高圧油路とが形成されており、
前記複数のカートリッジは、それぞれ、前記複数の低圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の低圧油路に連通させるための低圧連通路と、前記複数の高圧バルブを介して前記複数の油圧室を前記少なくとも一本の高圧油路に連通させるための高圧連通路とを含み、
前記低圧連通路又は前記高圧連通路の一方は、各々の前記油圧室から各々の前記低圧バルブ又は前記高圧バルブの一方の弁体の一部に向かって前記半径方向に沿って延びる少なくとも一本の大幅に小さな断面を有する半径方向流路を含み、前記一部は前記油圧室に最も近い部分である風力発電装置。
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