JP2015124479A - 免震装置取付プレート、及び免震装置の取付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】免震装置が取り付けられる免震装置取付プレートを精度よく設置する。
【解決手段】逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の周りに設置される免震装置取付プレートにおいて、前記柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成され、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成されて所定位置に設置される免震装置取付プレート。
【選択図】図3
【解決手段】逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の周りに設置される免震装置取付プレートにおいて、前記柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成され、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成されて所定位置に設置される免震装置取付プレート。
【選択図】図3
Description
本発明は、構真柱を構成する柱部材に免震装置を取り付ける免震装置取付プレートに関する。
逆打ち工法によって免震建物を建設する場合、地盤中に構真柱を構築し免震層の深さ以深まで地盤を掘削した後に、免震層に位置する構真柱の一部を免震装置の取り付けに必要な長さだけ切除して、この切除した部分に免震装置を取り付ける。
例えば、特許文献1には、支保工によって建物上部荷重を支持した状態で構真柱の一部を切除し、この切除した部分に免震装置を取り付ける、逆打ち工法による免震建物の構築方法が開示されている。
通常、免震装置の上フランジは、構真柱に溶接により固定された免震装置取付プレートに接合されるが、構真柱の建て込み精度が悪いと、免震装置取付プレートを精度よく設置することができない。
本発明は係る事実を考慮し、免震装置が取り付けられる免震装置取付プレートを精度よく設置することを課題とする。
第1態様の発明は、逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の周りに設置される免震装置取付プレートにおいて、前記柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成され、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成されて所定位置に設置される免震装置取付プレートである。
第1態様の発明では、柱部材の外形よりも大きな貫通穴が柱部材の建て込み位置に基づいて免震装置取付プレートに形成されており、柱部材の側方からこの柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより、この免震装置取付プレートが構成されて所定位置に設置されるので、免震装置が取り付けられる免震装置取付プレートを、柱部材の建て込み精度の影響を大きく受けずに精度よく設置することができる。すなわち、免震装置が取り付けられる免震装置取付プレートを精度よく設置することができる。また、柱部材を高い精度で建て込まなくてもよいので、柱部材の建て込みに掛かる工期を短くすることができ、建て込み精度管理に掛かる工数を減らすことができる。
第2態様の発明は、第1態様の免震装置取付プレートにおいて、前記免震装置取付プレートは、前記免震装置取付プレートを位置調整可能に支持する台座上に載置されて前記所定位置に設置される。
第2態様の発明では、免震装置取付プレートを台座に載置するといった簡単な方法で、免震装置取付プレートを所定位置に設置することができる。また、溶接により免震装置取付プレートを柱部材に接合せずに、免震装置取付プレートを所定位置に設置することができる。これにより、免震装置取付プレートを所定位置に設置する手間を軽減することができる。また、柱部材に溶接欠陥が生じるのを防ぐことができ、柱部材の構造部材としての品質を向上させることができる。
第3態様の発明は、逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成された免震装置取付プレートを、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成して所定位置に設置する工程と、前記免震装置取付プレート上に、前記免震装置取付プレートと一体に床スラブを形成する工程と、前記床スラブを形成した後に前記床スラブを支持手段で支持し、前記柱部材を前記免震装置取付プレートよりも下方で切除する工程と、前記柱部材を切除した部分に免震装置を配置し、前記免震装置の上部フランジを前記免震装置取付プレートに接合し、前記免震装置の下部フランジを下部構造体に固定する工程と、を有する免震装置の取付方法である。
第3態様の発明では、免震装置の取付方法において、第1態様と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記構成としたので、免震装置が取り付けられる免震装置取付プレートを精度よく設置することができる。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る免震装置取付プレートについて説明する。
図1の斜視図には、逆打工法による免震建物の施工において、先行して建て込まれた柱部材としての仮設構真柱12の周りに、免震装置取付プレート10が設置されている様子が示されている。仮設構真柱12は、形鋼によって形成されている。免震装置取付プレート10は、免震装置取付プレート10を位置調整可能に支持する台座としての仮設架台14上に載置されて、所定位置Pに設置されている。免震装置取付プレート10は、平面形状が略正方形になっている。
ここで、免震装置取付プレート10の位置は、免震装置取付プレート10の平面位置、平面的ねじれ角度、鉛直高さ、及び傾斜角度によって規定される。また、免震装置取付プレート10の所定位置Pとは、平面的ねじれが無く、鉛直に建て込まれた仮設構真柱12が中心に位置し、設計で求められた鉛直高さで略水平に配置されている免震装置取付プレート10の位置を意味する。
図2の平面図に示すように、免震装置取付プレート10は、鋼板からなる2つの分割プレート18A、18Bを有して構成されている。また、免震装置取付プレート10には、仮設構真柱12の断面外形よりも大きな貫通穴16が形成されている。分割プレート18A、18Bは、平面形状が略矩形になっている。
分割プレート18A、18Bは、図3(a)の平面図に示すように、仮設構真柱12の側方から仮設構真柱12を取り囲むように配置されて(矢印30、32)、図3(b)の平面図に示すように、貫通穴16内に仮設構真柱12を収容し、図3(c)の平面図に示すように、鋼板からなる添え板20と高力ボルト22を用いたボルト接合により繋ぎ合わされて一体化されている。免震装置取付プレート10の上面には、図2に示すように、高力ボルト22が貫通するボルト穴34が形成されている。
図1及び図2に示すように、免震装置取付プレート10の上面には、袋ナット26及び頭付スタッド28が取り付けられている。袋ナット26は、免震装置取付プレート10の下面から下端面が露出するようにして取り付けられており、免震装置取付プレート10の下面に免震装置の上フランジを取り付ける高力ボルトを装着するために設けられている。頭付スタッド28は、免震装置取付プレート10上に、免震建物の地下1階の床スラブ112がコンクリート打設によって形成される際に(図12(c)を参照のこと)、硬化したコンクリート中に埋設されて、免震装置取付プレート10と床スラブ112の一体化を高めるために設けられている。
図2に示すように、貫通穴16は、仮設構真柱12の建て込み位置が設計により決められた正規の位置36からずれていても、免震装置取付プレート10が設計により決められた所定位置Pに配置されるように、仮設構真柱12を建て込んだ後の実測によって求められた仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて形成されている。また、添え板20、袋ナット26、及び頭付スタッド28は、仮設構真柱12を建て込んだ後の実測によって求められた仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて、仮設構真柱12をかわすようにして配置されている。すなわち、免震装置取付プレート10は、仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて製作されている。
図4の斜視図、図5の正面図、及び図6の平面図に示すように、仮設架台14は、プレート受け部38と、4つの脚部40を有して構成されている。プレート受け部38は、プレート受け部38の四隅に配置され、L形鋼を直交させ一体化して形成したコーナー部材42と、隣り合って配置されたコーナー部材42同士を繋ぐ連結部材44を有して構成されている。
連結部材44には、長さ調整機構46が設けられており、この長さ調整機構46によって隣り合ったコーナー部材42同士の間隔を変えることにより、プレート受け部38の一辺の長さを調整することができる。
図7の拡大図、及び図7のA−A断面図である図8に示すように、長さ調整機構46は、コーナー部材42の端部48内周面に連結部材44の端部50外周面を重ね合わせて設けることにより構成されている。また、コーナー部材42の端部48にはボルト穴52が形成され、連結部材44の端部50には、連結部材44の材軸方向(以下、「方向X」とする)へ長穴54が形成されている。
そして、ボルト穴52と長穴54へボルト56を貫通させ、ボルト56の端部にナット58を設けて、ボルト56をナット58に締め付ける。これにより、コーナー部材42の端部48と連結部材44の端部50を一体化し、コーナー部材42の端部48に連結部材44の端部50を固定する。プレート受け部38の一辺の長さを変える際には、ボルト56を緩め、コーナー部材42の端部48に対して連結部材44の端部50を方向Xへスライドさせ、プレート受け部38の一辺の長さを必要とする長さにした状態で、ボルト56をナット58に締め付け、コーナー部材42の端部48に連結部材44の端部50を固定する。
図4及び図6に示すように、コーナー部材42の内側には、鋼板からなるL字状の補助支持部材60が設けられている。補助支持部材60は、プレート受け部38上に載置した免震装置取付プレート10を安定して支持する補助部材として機能するとともに、プレート受け部38の枠よりも平面形状が小さい免震装置取付プレート10を支持することができる。
図4及び図6に示すように、脚部40は、仮設架台14の四隅に設けられており、L形鋼によって形成され上下に繋げられた上脚部材62と下脚部材64を有して構成されている。脚部40には、長さ調整機構66が設けられており、この長さ調整機構66によって脚部40の長さを変えることにより、プレート受け部38を支持する高さを調整することができる。また、下脚部材64の下端部68には、ボールジョイント機構70を介して接地部材72が回転可能に取り付けられている。そして、長さ調整機構66とボールジョイント機構70によって、仮設架台14が設置される免震層階の床スラブ74の設置面に傾斜、段差、凹凸等があっても、プレート受け部38を略水平にして、このプレート受け部38に免震装置取付プレート10を略水平に載置することができる。
図9の拡大図、及び図9のB−B断面図である図10に示すように、長さ調整機構66は、上脚部材62の下端部76内周面に下脚部材64の上端部78外周面を重ね合わせて設けることにより構成されている。また、上脚部材62の下端部76にはボルト穴80が形成され、下脚部材64の上端部78には、下脚部材64の材軸方向(以下、「方向Y」とする)へ長穴82が形成されている。
そして、ボルト穴80と長穴82へボルト84を貫通させ、ボルト84の端部にナット86を設けて、ボルト84をナット86に締め付ける。これにより、上脚部材62の下端部76と下脚部材64の上端部78を一体化し、上脚部材62の下端部76に下脚部材64の上端部78を固定する。脚部40の長さを変える際には、ボルト84を緩め、上脚部材62の下端部76に対して下脚部材64の上端部78を方向Yへスライドさせ、脚部40の長さを必要とする長さにした状態で、ボルト84をナット86に締め付け、上脚部材62の下端部76に下脚部材64の上端部78を固定する。
図4及び図5に示すように、上脚部材62の上端部88は、角度調整機構90により、コーナー部材42の角部に設けられたガセットプレート92に角度調整可能に固定されている。
図11の拡大図に示すように、角度調整機構90は、上脚部材62の上端部88外周面を、ガセットプレート92の内側面に添わせて設けることにより構成されている。また、ガセットプレート92にはボルト穴94が形成され、上脚部材62の上端部88にはボルト穴96が形成されている。そして、ボルト穴94とボルト穴96へボルト98を貫通させ、ボルト98の端部にナット100設けて、ボルト98をナット100に締め付ける。これにより、ガセットプレート92と上脚部材62の上端部88を一体化し、ガセットプレート92に上脚部材62の上端部88を固定する。ガセットプレート92に対する上脚部材62の上端部88の固定角度を変更する際には、ボルト98を緩め、ボルト98を回転軸にしてガセットプレート92に対して上脚部材62の上端部88を回転させ、必要とする固定角度にした状態で、ボルト98をナット100に締め付け、ガセットプレート92に上脚部材62の上端部88を固定する。
免震装置取付プレート10は、図1に示すように、仮設架台14に載置された状態で、ビス(不図示)によってプレート受け部38に固定されている。これは、免震建物の地下1階の床スラブ112を形成するためのコンクリート打設を免震装置取付プレート10上で行う際に、免震装置取付プレート10がずれないようにするためである。なお、コンクリート打設時に免震装置取付プレート10がずれないようにできれば、他のずれ防止手段を免震装置取付プレート10に施してもよいし、コンクリート打設時に免震装置取付プレート10がずれなければ、プレート受け部38に免震装置取付プレート10をビス等によって固定しなくてもよい(仮設架台14上に免震装置取付プレート10を載置しただけの状態であってもよい)。
仮設架台14は、長さ調整機構46によるプレート受け部38の一辺の長さ調整、長さ調整機構66による脚部40の長さ調整や、角度調整機構90による上脚部材62の上端部88の固定角度調整により、載置される免震装置取付プレート10の位置調整を行って、図1に示すように、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置することができる。また、仮設架台14は、仮設架台14を使用しない際に、ボルト56、84、98を外して、コーナー部材42、連結部材44、上脚部材62、及び下脚部材64に分割することができる。これにより、仮設架台14をコンパクトに収容することができ、また、運搬手間を軽減することができる。
次に、本発明の実施形態に係る免震装置の取付方法について説明する。
免震装置の取付方法では、図12(a)〜(f)の正面図に示す施工手順によって、免震建物の免震層階の床スラブ74上に免震装置102が設置される。図12(f)の正面図に示すように、免震装置102は、積層ゴム104、上部フランジ106、及び下部フランジ108を有して構成されている。
まず、図12(a)に示すように、逆打工法による免震建物の施工において、仮設構真柱12を先行して建て込む。図12(a)には、免震建物の地上1階の床スラブ110から免震層階の床スラブ74へ渡って仮設構真柱12が建てられている様子が描かれている。
次に、図2で説明したように、仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて免震装置取付プレート10を製作する。
次に、図12(b)に示すように、床スラブ74上に仮設架台14を設置して固定する。仮設架台14は、この仮設架台14のプレート受け部38上に載置する免震装置取付プレート10が、所定位置Pに設置されるように、長さ調整機構46によるプレート受け部38の一辺の長さ調整、長さ調整機構66による脚部40の長さ調整や、角度調整機構90による上脚部材62の上端部88の固定角度調整を行うとともに、適切な平面位置に配置する。
次に、図12(b)に示すように、仮設架台14のプレート受け部38上に免震装置取付プレート10を載置することにより、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置する。免震装置取付プレート10は、図3(a)〜(c)で説明した、免震装置取付プレートの設置方法によって行う。すなわち、仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて仮設構真柱12の外形よりも大きな貫通穴16が形成された免震装置取付プレート10を、仮設構真柱12の側方から仮設構真柱12を取り囲むように複数の分割プレート18A、18Bを配置することにより構成して所定位置Pに設置する。
次に、図12(c)に示すように、コンクリート打設によって、免震装置取付プレート10上にこの免震装置取付プレート10と一体に床スラブ112を形成する。
次に、図12(d)に示すように、床スラブ112を形成した(床スラブ112のコンクリートが硬化した)後に、仮設架台14を取り外す。そして、支持手段としての油圧ジャッキ114で床スラブ74上に床スラブ112を支持した後に、仮設構真柱12の一部を免震装置取付プレート10よりも下方の位置(免震装置102を取り付ける位置)で、ガス切断等により切除する。
次に、図12(d)に示すように、床スラブ74上に免震装置取付プレート116を略水平に配置する。
次に、図12(e)に示すように、床スラブ74と免震装置取付プレート116の間にグラウトGを充填し硬化させて、床スラブ74に免震装置取付プレート116を固定する。なお、免震装置取付プレート116は、グラウトGを用いずに床スラブ74に固定するようにしてもよい。
次に、図12(f)に示すように、仮設構真柱12を切除した部分に免震装置102を配置し、免震装置102の上部フランジ106を免震装置取付プレート10にボルト接合し、免震装置102の下部フランジ108を免震装置取付プレート116にボルト接合して、下部構造体としての床スラブ74に固定する。そして、免震装置102の設置が完了した後に、油圧ジャッキ114を取り外す。
なお、本実施形態の免震装置取付プレートの設置方法では、免震装置取付プレート10を略水平に設置することにより、免震装置102の上部フランジ106を略水平にして免震装置取付プレート10に接合できるものであるが、免震装置102の上部フランジ106と免震装置取付プレート10との間にグラウトを介在させて、上部フランジ106の水平を確保するようにすれば、免震装置取付プレート10を高い精度で設置する必要がなくなる。
次に、本発明の実施形態に係る免震装置取付プレート、及び免震装置の取付方法の作用と効果について説明する。
本実施形態の免震装置取付プレート10、及び免震装置102の取付方法では、図2に示すように、仮設構真柱12の外形よりも大きな貫通穴16が、仮設構真柱12の建て込み位置に基づいて免震装置取付プレート10に形成されており、仮設構真柱12の側方から仮設構真柱12を取り囲むように複数の分割プレート18A、18Bを配置することにより、免震装置取付プレート10が構成されて所定位置Pに設置されるので、免震装置102が取り付けられる免震装置取付プレート10を仮設構真柱12の建て込み精度に大きく影響されずに精度よく設置することができる。すなわち、免震装置102が取り付けられる免震装置取付プレート10を精度よく設置することができる。
例えば、仮設構真柱に溶接で固定された免震装置取付プレートに免震装置の上フランジを接合する従来の方法の場合、免震装置取付プレートの設置精度が仮設構真柱の建て込み精度に影響を受けるので、図13(a)の正面図に示すように、仮設構真柱12が鉛直に建て込まれている場合には、免震装置取付プレート118を所定位置Pに配置することができるが、図13(b)の正面図に示すように、仮設構真柱12が斜めに建て込まれている場合には、免震装置取付プレート118を所定位置Pに配置することができない。すなわち、仮設構真柱12を高い精度(例えば、1/1500以下の建て込み精度)で建て込まなければならない。
これに対して、本実施形態の免震装置取付プレート10、及び免震装置102の取付方法では、図13(c)の正面図に示すように、仮設構真柱12が斜めに建て込まれている場合においても、免震装置取付プレート10を所定位置Pに配置することができる。すなわち、免震装置取付プレート10の設置精度が仮設構真柱12の建て込み精度に大きな影響を受けないので、仮設構真柱12を高い精度で建て込まなくてもよい。例えば、1/500以下の建て込み精度で仮設構真柱12を建て込むことができる。
また、仮設構真柱12を高い精度で建て込まなくてもよいので、仮設構真柱12の建て込みに掛かる工期を短くすることができ、建て込み精度管理に掛かる工数を減らすことができる。
さらに、本実施形態の免震装置取付プレート10、及び免震装置102の取付方法では、免震装置取付プレート10を仮設架台14に載置するといった簡単な方法で、免震装置取付プレート10を所定位置に設置することができる。また、溶接により免震装置取付プレート10を柱部材に接合せずに、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置することができる。これにより、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置する手間を軽減することができる。また、仮設構真柱12に溶接欠陥が生じるのを防ぐことができ、仮設構真柱12の構造部材としての品質を向上させることができる。このことは、柱部材を本設構真柱とする場合に特に有効となる。
また、本実施形態の仮設架台14は、プレート受け部38の一辺の長さ調整、脚部40の長さ調整、及び脚部40上端部の固定角度調整を行うことが可能な汎用性に富んだ台座なので、多くの現場に流用することができる。
以上、本発明の実施形態に係る免震装置取付プレート、及び免震装置の取付方法について説明した。
なお、本実施形態では、免震装置102が取り付けられる柱部材を仮設構真柱12とした例を示したが、柱部材は、形鋼又は鋼管からなる仮設構真柱又は本設構真柱や、後に周囲にコンクリート打設されてSRC造の仮設構真柱又は本設構真柱を構成する形鋼又は鋼管であってもよい。
また、本実施形態では、2つの分割プレート18A、18Bを有して免震装置取付プレート10を構成した例を示したが、3つ以上の分割プレートを有して免震装置取付プレート10を構成してもよい。また、免震装置取付プレート10を略正方形とし、分割プレート18A、18Bを略矩形とした例を示したが、免震装置取付プレート及び分割プレートの平面形状は円形や正六角形等の他の形状であってもよい。
さらに、本実施形態では、免震装置取付プレート10に仮設構真柱12の断面外形よりも大きな貫通穴16を形成した例を示したが、貫通穴16の大きさは、この貫通穴16内に仮設構真柱12を収容できる大きさであればよい。例えば、仮設構真柱12の断面外形よりも大き目の貫通穴16を形成してもよいし、仮設構真柱12の断面外形と異なった形状(例えば、円形、四角形等)にしてもよいし、貫通穴16に仮設構真柱12が嵌合されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、免震装置取付プレート10を仮設架台14上に載置することにより、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置した例を示したが、仮設架台14を用いずに、免震装置取付プレート10を保持する他の方法によって、免震装置取付プレート10を所定位置Pに設置してもよい。例えば、仮設構真柱12に免震装置取付プレート10を溶接によって仮接合してもよいし、免震装置取付プレート10を仮設架台14上に載置する方法と、仮設構真柱12に免震装置取付プレート10を溶接によって仮接合する方法を併用してもよい。
さらに、本実施形態では、所定位置Pを、平面的ねじれが無く、鉛直に建て込まれた仮設構真柱12が中心に位置し、設計で求められた鉛直高さで略水平に配置されている免震装置取付プレート10の位置とした例を示したが、所定位置Pは、他の位置であってもよい。
また、本実施形態では、免震装置取付プレート10が載置される台座をプレート受け部38の一辺の長さ調整、脚部40の長さ調整、及び脚部40上端部の固定角度調整が可能な仮設架台14とした例を示したが、台座は、これらの調整機能を有さない固定式のものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 免震装置取付プレート
12 仮設構真柱(柱部材)
14 仮設架台(台座)
16 貫通穴
18A、18B 分割プレート
74 床スラブ(下部構造体)
102 免震装置
106 上部フランジ
108 下部フランジ
112 床スラブ
114 油圧ジャッキ(支持手段)
P 所定位置
12 仮設構真柱(柱部材)
14 仮設架台(台座)
16 貫通穴
18A、18B 分割プレート
74 床スラブ(下部構造体)
102 免震装置
106 上部フランジ
108 下部フランジ
112 床スラブ
114 油圧ジャッキ(支持手段)
P 所定位置
Claims (3)
- 逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の周りに設置される免震装置取付プレートにおいて、
前記柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成され、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成されて所定位置に設置される免震装置取付プレート。 - 前記免震装置取付プレートは、前記免震装置取付プレートを位置調整可能に支持する台座上に載置されて前記所定位置に設置される請求項1に記載の免震装置取付プレート。
- 逆打工法で先行して建て込まれる柱部材の外形よりも大きな貫通穴が前記柱部材の建て込み位置に基づいて形成された免震装置取付プレートを、前記柱部材の側方から前記柱部材を取り囲むように複数の分割プレートを配置することにより構成して所定位置に設置する工程と、
前記免震装置取付プレート上に、前記免震装置取付プレートと一体に床スラブを形成する工程と、
前記床スラブを形成した後に前記床スラブを支持手段で支持し、前記柱部材を前記免震装置取付プレートよりも下方で切除する工程と、
前記柱部材を切除した部分に免震装置を配置し、前記免震装置の上部フランジを前記免震装置取付プレートに接合し、前記免震装置の下部フランジを下部構造体に固定する工程と、
を有する免震装置の取付方法。
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---|---|---|---|
JP2013267571A JP2015124479A (ja) | 2013-12-25 | 2013-12-25 | 免震装置取付プレート、及び免震装置の取付方法 |
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JPH10176426A (ja) * | 1996-12-19 | 1998-06-30 | Kumagai Gumi Co Ltd | 既存建築物の免震工法及び免震装置 |
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