JP2015117813A - Linear motion device - Google Patents
Linear motion device Download PDFInfo
- Publication number
- JP2015117813A JP2015117813A JP2013263280A JP2013263280A JP2015117813A JP 2015117813 A JP2015117813 A JP 2015117813A JP 2013263280 A JP2013263280 A JP 2013263280A JP 2013263280 A JP2013263280 A JP 2013263280A JP 2015117813 A JP2015117813 A JP 2015117813A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- linear motion
- slide
- passages
- motion device
- path
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
Description
本発明は、軸部と、軸部の長さ方向に沿ってスライド可能に軸部に嵌合されたスライド部とを備えた直動装置に関するものである。 The present invention relates to a linear motion device including a shaft portion and a slide portion fitted to the shaft portion so as to be slidable along the length direction of the shaft portion.
この種の直動装置として、下記特許文献1に開示された直動案内ユニットが知られている。この直動案内ユニットは、長手方向の両側面に沿って第1軌道溝がそれぞれ設けられた軌道レールと、各第1軌道溝にそれぞれ対向する2本の第2軌道溝が設けられてスライド(摺動)自在に軌道レールに配設(跨架)されたスライダと、複数のボールとを備えて構成されている。この直動案内ユニットでは、軌道レールにおける2本の第1軌道溝とスライダにおける2本の第2軌道溝とによって2本の軌道路が形成されている。また、スライダの内部には、各軌道路に接続する2本のリターン路および2本の方向転換路が形成されている。この場合、各軌道路、各リターン路および各方向転換路によって形成される2本の経路(以下、「循環路」ともいう)内で各ボールが転動することで、軌道レールに対するスライダのスライドをスムーズに行うことが可能となっている。
As this type of linear motion device, a linear motion guide unit disclosed in
ところが、上記した直動案内ユニットを含む従来のこの種の直動装置には、改善すべき以下の課題ある。すなわち、従来の直動装置では、複数(上記した直動案内ユニットでは、2本)の循環路内でボールを転動させることで、軌道レールに対するスライダのスムーズなスライドを実現している。この場合、一般的に、各ボールに加わる荷重は、循環路を構成する各軌道路毎に異なっている。このため、長期間の使用に伴うボールの摩耗の進行速度が各循環路毎に異なることとなる。したがって、従来の直動装置には、摩耗の進行速度が各循環路毎に異なることに起因して、軌道路における軌道レールとスライダとの間の距離が循環路毎に異なることとなり、これによって軌道レールに対してスライダが傾いて、スライダの安定的なスライドが困難となるおそれがあるという課題が存在する。 However, this type of linear motion device including the linear motion guide unit described above has the following problems to be improved. That is, in the conventional linear motion device, a smooth slide of the slider with respect to the track rail is realized by rolling the ball in a plurality of circulation paths (two in the above-mentioned linear motion guide unit). In this case, generally, the load applied to each ball is different for each track path constituting the circulation path. For this reason, the progressing speed of the wear of the ball accompanying long-term use differs for each circulation path. Accordingly, in the conventional linear motion device, the distance between the track rail and the slider in the track differs depending on the circulation path due to the fact that the progress speed of wear differs for each circuit. There is a problem that the slider is inclined with respect to the track rail, and it is difficult to stably slide the slider.
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、スライド部の安定的なスライドを実現し得る直動機構を提供することを主目的とする。 The present invention has been made in view of such a problem to be improved, and it is a main object of the present invention to provide a linear motion mechanism that can realize a stable slide of a slide portion.
上記目的を達成すべく請求項1記載の直動装置は、長さ方向に沿って複数の第1溝部が形成された軸部と、前記長さ方向に沿ってスライド可能に前記軸部に嵌合されると共に嵌合状態において前記各第1溝部にそれぞれ対向する複数の第2溝部および当該各第1溝部と当該各第2溝部とによって構成される通路の端部に接続された帰還路が形成されたスライド部と、前記通路および前記帰還路によって構成される循環路内に等間隔で配列されて前記スライド部のスライドに伴って当該循環路内を転動する複数の転動体とを備えた直動装置であって、前記各通路のうちの少なくとも2つは、前記転動体が当該少なくとも2つの通路を前記長さ方向に沿って同じ向きに転動するように前記帰還路によって互いに接続されている。
In order to achieve the above object, the linear motion device according to
また、請求項2記載の直動装置は、請求項1記載の直動装置において、前記帰還路の長さが前記転動体の配列ピッチの整数倍となるように構成されている。 According to a second aspect of the present invention, the linear motion device according to the first aspect is configured such that the length of the return path is an integral multiple of the arrangement pitch of the rolling elements.
また、請求項3記載の直動装置は、請求項1または2記載の直動装置において、前記帰還路によって互いに接続されている前記各通路内にそれぞれ位置して互いに対向する前記各転動体の中心部が前記軸部の中心軸に直交する仮想平面上にそれぞれ位置するように構成されている。
The linear motion device according to
また、請求項4記載の直動装置は、請求項1から3のいずれかに記載の直動装置において、前記帰還路によって互いに接続されている前記各通路は、互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置が前記スライド部のスライド方向において互いに同じ位置となるように構成されている。
Further, the linear motion device according to
また、請求項5記載の直動装置は、請求項1から4のいずれかに記載の直動装置において、前記帰還路は、可撓性を有する筒状体で形成されている。
The linear motion device according to claim 5 is the linear motion device according to any one of
また、請求項6記載の直動装置は、請求項1から5のいずれかに記載の直動装置において、すべての前記通路が前記帰還路によって互いに接続されている。
Moreover, the linear motion device according to claim 6 is the linear motion device according to any one of
請求項1記載の直動装置によれば、転動体が少なくとも2つの通路内を軸部の長さ方向に沿ってそれぞれ同じ向きに転動するようにそれらの通路を帰還路によって互いに接続したことにより、長期間の使用によって転動体が摩耗したとしても、各転動体が均等に摩耗するため、各循環路の通路における軸部とスライド部との間の距離を循環路毎に異ならせることなく均等に維持することができる。したがって、この直動装置によれば、各循環路の通路における軸部とスライド部との間の距離が循環路毎に異なることに起因する軸部に対するスライド部の傾きを低減させることができる結果、長期間使用した場合においても、スライド部の安定的なスライドを継続させることができる。
According to the linear motion device according to
また、請求項2記載の直動装置によれば、帰還路の長さが転動体の配列ピッチの整数倍となるように帰還路を構成したことにより、1つの転動体が通路の一方の端部から帰還路に転動したときに、その通路の他方の端部に帰還路から他の1つの転動体が転動する動作を継続させることができる。つまり、この直動装置では、各々の通路内に位置している転動体の数を一定に維持させることができる。このため、この直動装置によれば、各転動体を介して軸部からスライド部に作用する力の大きさを一定に維持することができるため、スライド部に作用する力の大きさが変動することに起因するスライド部の振動等を低減させることができる結果、スライド部をより安定的にスライドさせることができる。
Further, according to the linear motion device according to
また、請求項3記載の直動装置によれば、帰還路によって互いに接続されている各通路内にそれぞれ位置して互いに対向する各転動体の中心部が軸部の中心軸に直交する仮想平面上にそれぞれ位置するように構成したことにより、各通路内に位置している各転動体を介して軸部からスライド部に対して作用する通路毎の力の合力の作用点をスライド部のスライド方向において正確に一致させることができる。したがって、この直動装置によれば、スライド部に対するモーメントの発生をより低く抑えて、モーメントによる軸部に対するスライド部の傾きをさらに低減させることができるため、スライド部をさらに安定的にスライドさせることができる。
According to the linear motion device according to
また、請求項4記載の直動装置によれば、互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部のスライド方向において互いに同じ位置となるように、帰還路によって互いに接続されている各通路を構成したことにより、各通路内に位置している各転動体を介して軸部からスライド部に対して作用する通路毎の力の合力の作用点を、スライド部のスライド方向において互いに一致させることができる。したがって、この直動装置によれば、スライド部に対するモーメントの発生を低く抑えて、モーメントによる軸部に対するスライド部の傾きを低減させることができるため、スライド部をより安定的にスライドさせることができる。
According to the linear motion device according to
また、請求項5記載の直動装置によれば、可撓性を有する筒状体で帰還路を構成したことにより、帰還路の長さの調整、通路と帰還路との接続作業、および帰還路をスライド部に配設する作業を容易に行うことができるため、直動装置の製造コストを十分に低減することができる。 Further, according to the linear motion device according to claim 5, since the return path is configured by a flexible cylindrical body, the length of the return path is adjusted, the connection work between the path and the return path, and the feedback Since the operation | work which arrange | positions a path | route to a slide part can be performed easily, the manufacturing cost of a linear motion apparatus can fully be reduced.
また、請求項6記載の直動装置によれば、すべての通路を帰還路によって互いに接続したことにより、各転動体がすべての通路を循環して転動するため、一部の通路だけを帰還路によって接続する構成と比較して、長期間の使用によって転動体が摩耗したときの転動体毎の摩耗状態をより均一化させることができる結果、長期間使用した場合においても、スライド部をより安定的にスライドさせることができる。 Further, according to the linear motion device of the sixth aspect, since all the passages are connected to each other by the return path, each rolling element circulates and rolls through all the passages. Compared to the configuration connected by a road, the wear state of each rolling element when the rolling element is worn by long-term use can be made more uniform. Can be slid stably.
以下、直動装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。 Hereinafter, embodiments of the linear motion device will be described with reference to the accompanying drawings.
最初に、直動装置1の構成について説明する。図1に示す直動装置1は、直動装置の一例であって、同図に示すように、軸部2、スライド部3および複数のボール4(図7〜図9参照)を備えて構成されている。
First, the configuration of the
軸部2は、図2に示すように、一例として、略円柱状に形成されている。また、軸部2の外周面には、長さ方向(軸部2の中心軸C)に沿って複数(一例として4本)の溝部21a〜21d(第1溝部に相当する:以下、区別しないときには「溝部21」ともいう)が形成されている。この場合、同図に示すように、溝部21a〜21dは、軸部2の外周面における円周方向に沿って等間隔に並ぶように形成されている。
As shown in FIG. 2, the
スライド部3は、図3に示すように、一例として、略円筒状に形成されている。また、スライド部3は、軸部2の外側に嵌合されて、軸部2の長さ方向に沿って相対的にスライド可能に構成されている。
As shown in FIG. 3, the
また、図4,5に示すように、スライド部3の内周面には、軸部2との嵌合状態において軸部2の各溝部21にそれぞれ対向する複数(この例では、溝部21の数と同数の4本)の溝部31a〜31d(第2溝部に相当する:以下、区別しないときには「溝部31」ともいう)が形成されている。この場合、各溝部31は、同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向(スライド部3の長さ方向)において互いに同じ位置となるようにして、スライド部3の内周面における円周方向に沿って等間隔に並ぶように形成されている。なお、図4では、図3に示す切断面X1で切断して上下に切り離したスライド部3を図3における下側から見た状態を図示している。また、図5では、図3に示す切断面X2で切断して上下に切り離したスライド部3を図3における上側から見た状態を図示している。
As shown in FIGS. 4 and 5, the inner peripheral surface of the
また、溝部31は、軸部2に対してスライド部3をスライドさせる際に、そのスライドに伴ってボール4が転動する通路Pwa〜Pwd(図6,7参照:以下、区別しないときには「通路Pw」ともいう)を、軸部2の溝部21(図2参照)と共に構成する。この場合、上記したように、各溝部31が互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるように形成されているため、各通路Pwa〜Pwdも、互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるように構成される。また、各通路Pwa〜Pwdは、それぞれの長さがボール4の配列ピッチ(この例では、ボール4の直径が配列ピッチに相当する)の整数倍となるように構成されている。
Further, when the
また、スライド部3における壁部内(スライド部3の内周面と外周面との間の部分)には、図6に示すように、通路Pwの一方から他方にボール4を帰還させる帰還路Pfa〜Pfd(以下、区別しないときには「帰還路Pf」ともいう)が形成されている。また、各帰還路Pfa〜Pfdは、それぞれの長さがボール4の配列ピッチ(ボール4の直径)の整数倍となるように構成されている。この場合、帰還路Pfは、一例として、可撓性を有するチューブ(筒状体)で形成されている。具体的には、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの摩擦係数が小さく、摺動特性に優れた樹脂材料で形成されたチューブを用いることができる。なお、可撓性を有するチューブで各帰還路Pfを構成しているため、各帰還路Pf(その全部または一部分)をスライド部3の外側に(例えば、外周面に沿って)配設する構成を採用することもできる。
Further, in the wall portion of the slide portion 3 (the portion between the inner peripheral surface and the outer peripheral surface of the slide portion 3), as shown in FIG. 6, a return path Pfa for returning the
ここで、この直動装置1では、図6に示すように、4つの通路Pwa〜Pwdのすべて(少なくとも2つの通路Pwの一例)が帰還路Pfa〜Pfdによって互いに接続されて、1つの連続した経路(以下、「循環路Pc」ともいう)が構成されている。具体的には、同図に示すように、通路Pwaの一端部(同図における右側の端部)と通路Pwbの他端部(同図における左側の端部)とが帰還路Pfaによって接続され、通路Pwbの一端部(同図における右側の端部)と通路Pwcの他端部(同図における左側の端部)とが帰還路Pfbによって接続されている。また、通路Pwcの一端部(同図における右側の端部)と通路Pwdの他端部(同図における左側の端部)とが帰還路Pfcによって接続され、通路Pwdの一端部(同図における右側の端部)と通路Pwaの他端部(同図における左側の端部)とが帰還路Pfdによって接続されている。
Here, in this
この直動装置1では、上記のように各通路Pwa〜Pwdが各帰還路Pfa〜Pfdによって互いに接続されて1つの循環路Pcを構成しているため、軸部2に対してスライド部3がスライドしているときには、そのスライドに伴ってボール4が循環路Pc内を循環して転動する。つまり、この直動装置1では、各ボール4がすべての通路Pwa〜Pwdを転動する。この場合、ボール4は、各通路Pwa〜Pwd内においては、軸部2の長さ方向に沿って同じ向き(例えば、図6に示す矢印Aの向き)に転動する。
In the
ボール4は、転動体の一例であって、スライド部3のスライドに伴って上記した循環路Pc内(通路Pw内および帰還路Pf内)を転動する。この場合、この直動装置1では、図7に示すように、リテーナ(保持部材)を用いることなく、各ボール4が隙間のない状態で(互いに接触する状態で)循環路Pc内に配列されている。また、この直動装置1では、上記したように、各通路Pwの長さ、および各帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチ(ボール4の直径)の整数倍となるように構成されているため、各通路Pwおよび各帰還路Pfによって構成される循環路Pcの全長が、ボール4の配列ピッチの整数倍の長さとなるよう構成されている。
The
また、この直動装置1では、図7〜図9に示すように、循環路Pcを構成する各通路Pwにそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4(例えば、図7〜図9に示すボール4a〜4d)の中心部同士が、軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上に位置するように、循環路Pc(循環路Pcを構成する各通路Pwおよび各帰還路Pf)の長さや配置位置が規定されている。なお、図8では、図1に示す切断面Yで切断した直動装置1の下側部分を図1における上方から見た状態を図示している。また、図9では、図1に示す切断面Yで切断した直動装置1の上側部分を図1における下方から見た状態を図示している。
Moreover, in this
次に、直動装置1の動作について、図面を参照して説明する。
Next, the operation of the
この直動装置1は、例えば、基台や本体部に対して移動対象(いずれも図示せず)を直線的に移動させるために用いられる。具体的には、軸部2を基台や本体部に固定すると共に、スライド部3に移動対象を固定し、この状態でスライド部3に対して移動方向(軸部2の長さ方向)に力を加えることにより、スライド部3が軸部2に対してスライドして、移動対象が直線的に移動させられる。
The
この場合、循環路Pc内に配列されている各ボール4のうちの、各通路Pw内に位置しているボール4が、図8,9に示すように、通路Pwを構成する軸部2の溝部21およびスライド部3の溝部31の各壁面に接触している。このため、スライド部3がスライドしているときには、各通路Pw内に位置しているボール4が各壁面から回転力(回転する向きの力)を受けて転動する。
In this case, of the
ここで、ボール4が軸部2およびスライド部3に対して滑らずに転動しているときには、各通路Pw内に位置しているボール4の軸部2に対する移動(転動する際の中心の移動)の向きは、軸部2に対するスライド部3のスライドの向き(図6における矢印Bの向き)と一致する。一方、ボール4は、軸部2に対するスライド部3の移動速度の1/2の速度で軸部2に対して移動する。このため、各通路Pw内に位置しているボール4のスライド部3に対する相対的な移動の向きは、軸部2に対するスライド部3のスライドの向きとは逆向き(図6における矢印Aの向き)となる。つまり、各ボール4は、各通路Pw内において、軸部2に対するスライド部3の移動の向きとは逆向きに、軸部2に対するスライド部3の移動速度の1/2の速度でスライド部3に対して相対的に移動(転動)する。
Here, when the
また、この直動装置1では、上記したように、帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチの整数倍となるように帰還路Pfが構成されている。このため、スライド部3のスライドに伴って1つのボール4が通路Pwの一方の端部から帰還路Pfに転動したときに、その通路Pwの他方の端部に帰還路Pfから他の1つのボール4が転動する動作が継続されるため、各通路Pw内に位置しているボール4の数が一定に維持される。この結果、各ボール4を介して軸部2からスライド部3に作用する力の大きさが一定に維持される。
Further, in the
ここで、各通路Pwの長さが互いに異なっていたり、各通路Pwにおける各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに異なっていたりするときには、各ボール4を介して軸部2からスライド部3に対して作用する力の合力の作用点が通路Pw毎に異なるため、スライド部3に対してモーメントが生じることとなる。また、各通路Pwの長さが同じで、かつ各通路Pwにおける各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において同じ位置となっている場合であっても、各通路Pw内にそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4の中心部同士が、軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上に位置していないときには、各ボール4を介して軸部2からスライド部3に対して作用する力の合力の作用点が通路Pw毎に異なるため、スライド部3に対してモーメントが生じることとなる。そして、このように、スライド部3に対してモーメントが生じるときには、軸部2に対してスライド部3が傾くこととなって、スライド部3の安定的なスライドに影響を与えるおそれがある。
Here, when the lengths of the passages Pw are different from each other, or the positions of the both end portions of the passages Pw are different from each other in the sliding direction of the
これに対して、この直動装置1では、上記したように、各通路Pwa〜Pwdが、互いに同じ長さで、かつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるように構成されている。また、この直動装置1では、図7〜図9に示すように、循環路Pcを構成する各通路Pwにそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4の中心部同士が、軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上に位置するように循環路Pcを構成する各通路Pwおよび各帰還路Pfの長さや配置位置が規定されている。このため、この直動装置1では、各通路Pw内に位置している各ボール4を介して軸部2からスライド部3に対して作用する通路Pw毎の力の合力の作用点がスライド部3のスライド方向において互いに一致している。具体的には、各合力の作用点が、いずれの通路Pwにおいても、スライド部3のスライド方向(スライド部3の長さ方向)における中央部となっている。このため、スライド部3に対するモーメントの発生が防止されて、軸部2に対するスライド部3の傾きが防止される結果、スライド部3の安定的なスライドが実現される。
On the other hand, in the
一方、この種の直動装置1では、長期間の使用によってボール4が徐々に摩耗することがある。この場合、一般的に、各ボール4に加わる荷重は、通路Pwの位置に応じて異なっている。このため、独立した複数の循環路Pcが設けられている(各通路Pwが独立している)構成(従来の直動装置)では、長期間の使用に伴うボール4の摩耗の進行速度が循環路Pc毎に異なることとなるため、各循環路Pcの通路Pwにおける軸部2とスライド部3との間の距離が循環路Pc毎に異なる結果、これに起因して軸部2に対してスライド部3が傾いた状態でスライド部3のスライドが行われるおそれがある。
On the other hand, in this type of
これに対して、この直動装置1では、各通路Pwが帰還路Pfによって互いに接続されて1つの循環路Pcが形成されているため、各ボール4がすべての通路Pwを循環して転動する。このため、軸部2およびスライド部3からボール4に対して加わる力が通路Pw毎に(通路Pwの配置位置によって)異なっているとしても、各ボール4が均等に摩耗する。したがって、この直動装置1では、各循環路Pcの通路Pwにおける軸部2とスライド部3との間の距離が循環路Pc毎に異なることに起因して軸部2に対してスライド部3が傾く事態が確実に回避される。
On the other hand, in this
このように、この直動装置1によれば、ボール4が複数の通路Pw内を軸部2の長さ方向に沿ってそれぞれ同じ向きに転動するように複数の通路Pwを帰還路Pfによって互いに接続したことにより、長期間の使用によってボール4が摩耗したとしても、各ボール4が均等に摩耗するため、各循環路Pcの通路Pwにおける軸部2とスライド部3との間の距離を循環路Pc毎に異ならせることなく均等に維持することができる。したがって、この直動装置1によれば、各循環路Pcの通路Pwにおける軸部2とスライド部3との間の距離が循環路Pc毎に異なることに起因する軸部2に対するスライド部3の傾きを低減させることができる結果、長期間使用した場合においても、スライド部3の安定的なスライドを継続させることができる。
As described above, according to the
また、この直動装置1によれば、帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチの整数倍となるように帰還路Pfを構成したことにより、1つのボール4が通路Pwの一方の端部から帰還路Pfに転動したときに、その通路Pwの他方の端部に帰還路Pfから他の1つのボール4が転動する動作を継続させることができる。つまり、この直動装置1では、各々の通路Pw内に位置しているボール4の数を一定に維持させることができる。このため、この直動装置1によれば、各ボール4を介して軸部2からスライド部3に作用する力の大きさを一定に維持することができるため、スライド部3に作用する力の大きさが変動することに起因するスライド部3の振動等を低減させることができる結果、スライド部3をより安定的にスライドさせることができる。
Further, according to the
また、この直動装置1によれば、互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるように各通路Pwを構成したことにより、各通路Pw内に位置している各ボール4を介して軸部2からスライド部3に対して作用する通路Pw毎の力の合力の作用点を、スライド部3のスライド方向において互いに一致させることができる。したがって、この直動装置1によれば、スライド部3に対するモーメントの発生を低く抑えて、モーメントによる軸部2に対するスライド部3の傾きを低減させることができるため、スライド部3をより安定的にスライドさせることができる。
In addition, according to the
また、この直動装置1によれば、各通路Pw内にそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4の中心部が軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上にそれぞれ位置するように構成したことにより、各通路Pw内に位置している各ボール4を介して軸部2からスライド部3に対して作用する通路Pw毎の力の合力の作用点をスライド部3のスライド方向において正確に一致させることができる。したがって、この直動装置1によれば、スライド部3に対するモーメントの発生をより低く抑えて、モーメントによる軸部2に対するスライド部3の傾きをさらに低減させることができるため、スライド部3をさらに安定的にスライドさせることができる。
Further, according to the
また、この直動装置1によれば、可撓性を有する筒状体で帰還路Pfを構成したことにより、帰還路Pfの長さの調整、通路Pwと帰還路Pfとの接続作業、および帰還路Pfをスライド部3に配設する作業を容易に行うことができるため、直動装置1の製造コストを十分に低減することができる。
Further, according to the
また、この直動装置1によれば、すべての通路Pwを帰還路Pfによって互いに接続したことにより、各ボール4がすべての通路Pwを循環して転動するため、一部の通路Pwだけを帰還路Pfによって互いに接続する構成と比較して、長期間の使用によってボール4が摩耗したときのボール4毎の摩耗状態をより均一化させることができる結果、長期間使用した場合においても、スライド部3をより安定的にスライドさせることができる。また、この直動装置1によれば、例えば、すべての帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチの整数倍となるように構成し、互いに同じ長さでかつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるようにすべての通路Pwを構成し、すべての通路Pw内にそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4の中心部が軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上にそれぞれ位置するように構成し、すべての帰還路Pfを可撓性を有する筒状体で構成することで、スライド部3に作用する力の大きさが変動することに起因するスライド部3の振動等を低減させる効果、スライド部3に対するモーメントによるスライド部3の傾きを低減させる効果、および直動装置1の製造コストを低減させる効果を十分に高めることができる。
Further, according to this
なお、直動装置は、上記の構成に限定されない。例えば、円柱状に形成した軸部2および円筒状に形成したスライド部3を採用した例について上記したが、軸部2およびスライド部3の形状は任意に変更することができる。例えば、断面が多角形や楕円形をなす柱状の軸部や、断面が複雑な形状の軸部を採用することもできる。また、直方体状のスライド部や、さらに複雑な任意の形状のスライド部を採用することもできる。
The linear motion device is not limited to the above configuration. For example, although the example using the
また、4本の溝部21をレール部2に形成し、4本の溝部31をスライド部3に形成した例について上記したが、溝部21および溝部31の数は4本に限定されず、任意の複数に規定することができる。また、上記の例では、軸部2の外周面における円周方向に沿って等間隔に並ぶように溝部21を形成し、スライド部3の内周面における円周方向に沿って等間隔に並ぶように溝部31を形成しているが、溝部21および溝部31は、必ずしも等間隔に並べる必要はなく、レール部2やスライド部3に対する荷重の状態に応じて任意の位置に形成することができる。
In addition, the example in which the four groove portions 21 are formed in the
また、循環路Pc内に複数のボール4を隙間なく配列した例について上記したが、リテーナ(保持部材)を用いて、各ボール4を同じ距離だけ互いに離間させた状態で循環路Pc内に配列する構成を採用することもできる。
Further, the example in which the plurality of
また、転動体としてのボール4を採用した例について上記したが、円柱状のローラー(ころ)を転動体として用いる構成を採用することもできる。この場合においても、リテーナを用いない構成およびリテーナを用いる構成のいずれも採用することもできる。
Moreover, although it mentioned above about the example which employ | adopted the ball |
また、軸部2に4つの溝部21を形成すると共に、スライド部3に4つの溝部31を形成して、各溝部21,31によって構成される4つの通路Pwを備えた例について上記したが、通路Pwの数(つまり、溝部21および溝部31の数)は、4つに限定されず、2つ以上の任意の数を備えることができる。
In addition, while the four groove portions 21 are formed in the
また、すべての通路Pwを帰還路Pfで互いに接続した例について上記したが、各通路Pwのうちの少なくとも2つ(2つ以上)の通路Pwを帰還路Pfで互いに接続する構成を採用することもできる。この場合、互いに接続する通路Pwの数(2つ以上)は、偶数であっても、奇数であってもよく、軸部2の長さ方向に沿って同じ向きにボール4が転動するように、これらの2つ以上の通路Pwを帰還路Pfによって互いに接続することで、上記した効果を実現することができる。
Further, the example in which all the passages Pw are connected to each other by the return path Pf has been described above. However, a configuration in which at least two (two or more) of the paths Pw are connected to each other by the return path Pf is adopted. You can also. In this case, the number (two or more) of the passages Pw connected to each other may be an even number or an odd number, so that the
また、可撓性を有するチューブ(筒状体)で帰還路Pfを構成した例について上記したが、可撓性を有していない筒状体(例えば、金属製のチューブ)を用いて帰還路Pfを構成することもできる。また、スライド部3内に切削によって帰還路Pfを形成する構成を採用することもできる。
In addition, the example in which the return path Pf is configured with a flexible tube (cylindrical body) has been described above. However, the return path using a cylindrical body (for example, a metal tube) that does not have flexibility. Pf can also be configured. Moreover, the structure which forms the return path Pf by cutting in the
また、帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチの整数倍となるように帰還路Pfを構成した例について上記したが、循環路Pcの全長がボール4の配列ピッチの整数倍である限り、通路Pwの長さおよび帰還路Pfの長さがボール4の配列ピッチの整数倍となっていない構成を採用することもできる。
Further, the example in which the feedback path Pf is configured so that the length of the return path Pf is an integral multiple of the arrangement pitch of the
また、各通路Pwが互いに同じ長さで、かつ各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに同じ位置となるように構成した例について上記したが、各通路Pwの長さが互いに異なる構成や、各通路Pwにおける各々の両端部の位置がスライド部3のスライド方向において互いに異なる構成を採用することもできる。
In addition, the example in which the passages Pw have the same length and the positions of the both end portions are the same in the sliding direction of the
また、各通路Pw内にそれぞれ位置して互いに対向する各ボール4の中心部が軸部2の中心軸Cに直交する仮想平面S上にそれぞれ位置するように構成した例について上記したが、各ボール4の中心部が仮想平面S上に位置していない構成を採用することもできる。
In addition, the example in which the central part of each
1 直動装置
2 軸部
3 スライド部
4 ボール
21 溝部
31 溝部
A 中心軸
Pc 循環路
Pf 帰還路
Pw 通路
S 仮想平面
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記各通路のうちの少なくとも2つは、前記転動体が当該少なくとも2つの通路を前記長さ方向に沿って同じ向きに転動するように前記帰還路によって互いに接続されている直動装置。 A shaft portion in which a plurality of first groove portions are formed along the length direction, and is fitted to the shaft portion so as to be slidable along the length direction, and is opposed to the first groove portions in the fitted state. A plurality of second groove portions, a slide portion formed with a return path connected to an end portion of a passage formed by the first groove portions and the second groove portions, and the passage and the return passage. A linear motion device comprising a plurality of rolling elements that are arranged at equal intervals in the circulation path and roll in the circulation path as the slide part slides,
At least two of the passages are linear motion devices that are connected to each other by the return path so that the rolling elements roll the at least two passages in the same direction along the length direction.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013263280A JP2015117813A (en) | 2013-12-20 | 2013-12-20 | Linear motion device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013263280A JP2015117813A (en) | 2013-12-20 | 2013-12-20 | Linear motion device |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015117813A true JP2015117813A (en) | 2015-06-25 |
Family
ID=53530708
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013263280A Pending JP2015117813A (en) | 2013-12-20 | 2013-12-20 | Linear motion device |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015117813A (en) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4896938A (en) * | 1972-02-14 | 1973-12-11 | ||
JPS5453156U (en) * | 1977-09-22 | 1979-04-12 | ||
JPS61157826A (en) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | Nippon Thompson Co Ltd | Ball spline bearing |
JP2000227116A (en) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Toshiba Corp | Linear ball bearing mechanism |
JP2001082470A (en) * | 1999-09-14 | 2001-03-27 | Nippon Thompson Co Ltd | Linear motion rolling guide unit |
-
2013
- 2013-12-20 JP JP2013263280A patent/JP2015117813A/en active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4896938A (en) * | 1972-02-14 | 1973-12-11 | ||
JPS5453156U (en) * | 1977-09-22 | 1979-04-12 | ||
JPS61157826A (en) * | 1984-12-28 | 1986-07-17 | Nippon Thompson Co Ltd | Ball spline bearing |
JP2000227116A (en) * | 1999-02-08 | 2000-08-15 | Toshiba Corp | Linear ball bearing mechanism |
JP2001082470A (en) * | 1999-09-14 | 2001-03-27 | Nippon Thompson Co Ltd | Linear motion rolling guide unit |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4965362B2 (en) | Roller type linear motion guide unit | |
US9482314B2 (en) | Bearing roller chain | |
TWI651477B (en) | Motion guiding device | |
JP2008215540A (en) | Linear motion guide device | |
JP2014167348A (en) | Motion guide device | |
JP2015117813A (en) | Linear motion device | |
TWI610031B (en) | Rolling guide device | |
JP2017035769A (en) | Four degree-of-freedom mechanism | |
TWI542797B (en) | Linear guide way and bearing assembly thereof | |
JP5223713B2 (en) | Linear motion guide device | |
JP5988555B2 (en) | Finite rolling motion guide device | |
TWI247080B (en) | Linear guide device | |
JP5325798B2 (en) | Rolling guide device and method for adjusting rolling guide device | |
JP5273790B2 (en) | Electric actuator sliding guide mechanism and electric actuator | |
JP5909848B2 (en) | Linear motion guide bearing device | |
JPWO2005073574A1 (en) | Cage fixed type linear guide device | |
JP2022128886A (en) | ball screw | |
JP2005003157A (en) | Linear motion guide device | |
JP2015209919A (en) | Linear motion guide device | |
WO2024053450A1 (en) | Linear motion guide device | |
JP2017155773A (en) | Rolling device | |
JP2023142663A (en) | Linear guide device | |
JP5397645B1 (en) | Roller screw device with spacer | |
JP2017150554A (en) | Linear motion guide device | |
JP6186264B2 (en) | Linear guide with lubrication structure |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161019 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20170727 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170822 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180227 |