JP2015115442A - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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直樹 山川
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Takeharu Toyoshima
武春 豊島
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Tomoyoshi Takahata
智欣 降籏
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Hiroto Owada
寛人 大和田
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Junichi Tsukada
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Abstract

【解決手段】(1)太陽光を入射させる透明パネルにシリコーンゴム又はゲル層を形成した表側パネルを準備する工程、
(2)太陽光入射と反対側のパネルにシリコーンゴム又はゲル層を形成した裏側パネルを準備する工程、
(3)表側パネル又は裏側パネルの外周部に額縁状に未硬化のシリコーンゴム接着剤層を形成する工程、
(4)表側パネルのシリコーンゴム又はゲル層と裏側パネルのシリコーンゴム又はゲル層との間に太陽電池セルストリングスを挟持し、表側パネルと裏側パネルとを挟圧して、太陽電池セルストリングスを両シリコーンゴム又はゲル層内に埋設・封止すると共に、シリコーンゴム接着剤層を硬化して表側パネルと裏側パネルとを接合する工程
を含む太陽電池モジュールの製造方法。
【効果】本発明によれば、太陽電池素子を、シリコーンゴム又はゲルを封止材として封止する際に、気泡を取り込むことなく、従来の太陽電池モジュール製造装置が使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関する。
太陽電池モジュールの高効率化及び20年から30年超の長期信頼性を確保するための方策として、封止材に着目した報告や提案がなされている。高効率化という点においては現在、封止材の主流であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略す)と比較してシリコーンゴムが波長300〜400nm付近の光透過率特性に基づく内部量子効率の優位性が報告され(例えば、非特許文献1参照)、また実際にEVAとシリコーンゴムを封止材に用いた際の出力電力の比較実験も報告されている(例えば、非特許文献2参照)。
もともとシリコーンゴムを封止材として用いることは、既に1970年代前半に宇宙用の太陽電池を作製する上で成し遂げられていることである。それを地上用途向けに製造するにあたり、シリコーンゴムのコストの問題や封止する際の作業性の問題があったために、当時低コストでかつフィルムで供給可能なEVAに置き換わったという経緯がある。
しかし、近年太陽電池の高効率化や長期信頼性が改めてクローズアップされると同時に、シリコーンゴムの封止材としての性能、例えば低モジュラス性、高透明性、高耐候性などが見直され、シリコーンゴムを用いた新しい封止方法もさまざま提案されている。
例えば、特許文献3では、有機ポリシロキサン主体のホットメルトタイプのシートでの封止が提案されている。しかし、高透明性を維持したままシート状に加工するのは難しく、例えば1mm前後の厚みに加工するためには、その「脆さ」ゆえに注型法やプレス法などの加工方法に限られ、量産向きではない。またその「脆さ」を改善するためにはフィラー等の充填剤を混合して成形性を向上することができるが、そうすると高透明性が保持できなくなる欠点がある。
特許文献2では、基板上にコーティングされた未硬化のシリコーンゴム材料上又はシリコーンゴム材料中に、接続された太陽電池を多軸ロボットにより配置し、その後でシリコーンゴム材料を硬化することにより気泡を取り込まずに封入することが提案されている。また、特許文献3では、移動可能なプレートを有したセルプレスを使用し、真空下で太陽電池セルを配置することにより気泡を取り込まずに封入することが提案されている。しかし、いずれの方法においても、その太陽電池モジュールの端面の処理に言及されておらず、従来の太陽電池の封止方法とは大きく異なり、現行の量産装置では対処できない可能性がある。一方、特許文献4では、ガラス基板に封止剤、太陽電池素子、液状シリコーンゴムを配置し、最後に裏面保護基板を重ねて仮積層体とし、室温の真空下で加圧密着させて密封する方法が提案されているが、この方法では太陽電池モジュールの実用サイズへの展開は難しい可能性がある。
また特許文献5では、シーSリング組成物をガラス周辺部の厚み方向に配置し、更にEVAなどの樹脂を上記シーリング組成物の内側に配置した上で減圧下加熱圧着することによる複層ガラス及び太陽電池パネルの封止方法が記載されている。しかし、この方法では加熱圧着時に溶融したEVAがガラス周辺部分よりはみ出すことによりシーリング組成物のガラスに対する接着性能を妨害してしまう可能性がある。
特表2009−515365号公報 特表2007−527109号公報 特表2011−514680号公報 国際公開第2009/09106号 特開2011−231309号公報
S.Ohl,G.Hahn,"Increased internal quantum efficiency of encapsulated solar cell by using two−component silicone as Encapsulant material",Proc.23rd,EU PVSEC,Valencia(2008),pp.2693−2697 Barry Ketola,Chris Shirk,Philip Griffith,Gabriela Bunea,"DEMONSTRATION OF THE BENEFITS OF SILICONE ENCAPSULATION OF PV MODULES IN A LARGE SCALE OUTDOOR ARRAY",Dow Corning Corporation
本発明の目的は、太陽電池素子を、シリコーンゴム又はゲルを封止材として封止する際に、気泡を取り込むことなく、従来の太陽電池モジュール製造装置が使用できるシリコーンゴム又はゲル封止による太陽電池モジュールの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、シリコーンゴム又はゲル層をそれぞれ積層した表側パネルと裏側パネルもしくはシートの少なくとも一方のシリコーンゴム又はゲル層形成面の外周部に額縁状にヒドロシリル化反応硬化型のシリコーンゴム接着剤層を形成し、上記両シリコーンゴム又はゲル層間に太陽電池セルストリングスを挟み、真空下60〜200℃の温度で押圧することにより気泡を取り込むことなく、太陽電池セルストリングスを両シリコーンゴム又はゲル層で封止すると共に、上記シリコーンゴム接着剤層を硬化せしめて表側パネルと裏側パネルもしくはシートとを接合し得ること、かつこの方法によれば従来の太陽電池モジュール製造装置を使用し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記太陽電池モジュールの製造方法を提供する。
〔1〕
(1)太陽光を入射させる透明パネルの片面に液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させてシリコーンゴム又はゲル層を形成した表側パネルを準備する工程、
(2)太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートの片面に液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させてシリコーンゴム又はゲル層を形成した裏側パネルもしくはシートを準備する工程、
(3)上記表側パネル及び裏側パネルもしくはシートの少なくとも一方のシリコーンゴム又はゲル層形成側の面の外周部に額縁状にヒドロシリル化反応によって硬化する未硬化のシリコーンゴム接着剤層を形成する工程、
(4)上記表側パネルのシリコーンゴム又はゲル層と裏側パネルもしくはシートのシリコーンゴム又はゲル層との間に半導体基板からなる複数の太陽電池素子を連結した太陽電池セルストリングスを挟持し、60〜200℃で真空下に上記表側パネルと裏側パネルもしくはシートとを挟圧して、上記太陽電池セルストリングスを両シリコーンゴム又はゲル層内に埋設・封止すると共に、上記シリコーンゴム接着剤層を硬化して表側パネルと裏側パネルもしくはシートとを接合する工程
を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
〔2〕
シリコーンゴム又はゲル層の硬度が、JIS K6253で規定されるタイプAデュロメーターで50以下、JIS K2220で規定される1/4コーンによる針入度で200以下の範囲である〔1〕記載の製造方法。
〔3〕
液状シリコーンゴム又はゲル組成物が、
(A)下記平均組成式(1)
a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個あたり本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.3〜10個となる量、及び
(C)白金系触媒:有効量
を含有するヒドロシリル化反応を用いた付加硬化型液状シリコーンゴム又はゲル組成物である〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕
表側パネルの外周部及び裏側パネルもしくはシートの外周部をシリコーンゴム又はゲル層未形成部とし、この未形成部にシリコーンゴム接着剤層を配置するようにした〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕
シリコーンゴム接着剤層の23℃における未硬化状態での可塑度が、ウイリアムス可塑度計で測定して100〜600の範囲内である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕
シリコーンゴム接着剤が、
(D)下記平均組成式(3)
11 XSiO(4-X)/2 (3)
(式中、R11は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R11中の0.001〜1.0モル%はアルケニル基である。xは1.95〜2.05の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(E)補強性シリカ:5〜200質量部、
(F)白金系触媒:有効量、
(G)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子の割合が0.3〜10個となる量
を必須成分とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕
シリコーンゴム接着剤を予め紐状に成形し、これを表面パネルの外周部又は裏側パネルもしくはシートの外周部に沿って額縁状に配置するか、又は予め四角枠状に成形したものを表面パネルの外周部又は裏側パネルもしくはシートの外周部に配置することによって、シリコーンゴム接着剤層を形成した〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、太陽電池素子をシリコーンゴム又はゲルを封止材として封止する際に、太陽光を入射させる透明パネルや太陽光入射と反対側の基板となるパネルやシート上に液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、これを硬化させたシリコーンゴムもしくはゲル硬化物を用い、かつ60〜200℃で真空下押圧により太陽電池素子をパネルとパネルの間もしくはパネルとシートの間に挟み込んで製造するので気泡を取り込むことなく、同時にパネルもしくはシートの片面の外周部分に額縁状にシリコーンゴム接着剤を配置することにより、押圧時に加わる太陽電池素子への過度の圧力を抑え、太陽電池素子の破壊を防止し、かつ、耐久性に優れるシリコーンゴム接着剤を使用することにより、既存の太陽電池モジュールのシール材として使用されているブチルゴム等の有機系シーリング材と比較し、封止材である液状シリコーンゴム又はゲル硬化物への影響が全くない。更には、真空下押圧により製造する工程においては、従来のEVAフィルムを用いる太陽電池モジュール製造装置である真空ラミネーターを使用できるので、新たにラミネートするための装置を用意することなく太陽電池モジュールを製造することができる。
更には、今後太陽電池素子の厚みが100μm以下になった場合においても、その太陽電池素子をラミネートする際に、低モジュラス、低硬度で耐光性のある液状シリコーンゴム又はゲル組成物の硬化物で封止することで、高効率化や長期信頼性を維持することになる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの製造方法の好適な態様について説明する。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法には太陽光を入射させる透明パネルに液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させたパネル及び太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートに液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させたパネルもしくはシートを用いる。
ここで、上記太陽光を入射させる透明パネルには、透明性、耐候性、耐衝撃性をはじめとして屋外使用において長期の信頼性能を有する部材が必要であり、例えば白板強化ガラス、アクリル樹脂、フッ素樹脂又はポリカーボネート樹脂等があるが、一般的には厚さ3〜5mm程度の広く用いられている白板強化ガラスが好ましい。
また、上記太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートにおいては、太陽電池素子の温度を効率よく放熱することや絶縁性が求められ、材料として硝子材、合成樹脂材や複合材が挙げられる。硝子材の例としては、青板硝子、白板硝子又は強化硝子等が挙げられ、合成樹脂材としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂又はエポキシ樹脂等のパネルが挙げられる。また複合材としては、シリカをはじめ、酸化チタン、アルミナ、窒化アルミニウムなど高い熱伝導性を有する材料を配合した合成樹脂等のパネルが挙げられる。また、シートとしては、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等、所謂バックシートと呼ばれるシートが挙げられる。
なお、太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートにおいては、太陽光を入射させるパネルと共に透明性を有する部材を用いることにより、太陽光の直達光及び散乱光の一部を太陽光入射と反対側にも透過させることができ、例えば草原などに設置した場合、太陽電池モジュールの入射面と反対側の、つまり本来日陰となってしまう部分にも太陽光の一部が照射されることにより植物の生育を促し、家畜の放牧等にも利用できる。
本発明においては、上記太陽光入射側の透明パネル及び太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートにそれぞれ液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、これを硬化して上記パネルもしくはシートの片面にシリコーンゴム又はゲル層を形成する。この場合、液状シリコーンゴム又はゲル組成物としては、
(A)下記平均組成式(1)
a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
(式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
で表される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個あたり本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.3〜10個となる量、及び
(C)白金系触媒:有効量
を含有するヒドロシリル化反応を用いた付加硬化型液状シリコーンゴム又はゲル組成物が好ましい。
ここで、(A)成分は、シリコーンゴム組成物の主剤(ベースポリマー)である。該(A)成分は、上記平均組成式(1)で表される、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基(本明細書中において「ケイ素原子結合アルケニル基」という)を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサンである。
上記式(1)中、Rは独立に、通常炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3のアルケニル基である。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。なお、本発明において、アクリル基、メタクリル基はアルケニル基に含まれない。R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。R1、従って式(1)のオルガノポリシロキサンは、エポキシ基、アルコキシ基を含まない。
また、aは0.0001〜0.2の正数であることが必要であり、好ましくは0.0005〜0.1の正数である。bは1.7〜2.2の正数であることが必要であり、好ましくは1.9〜2.02の正数である。但し、a+bは1.9〜2.4の範囲を満たすことが必要であり、好ましくは1.95〜2.05の範囲である。
本成分は、1分子中にケイ素原子結合アルケニル基を少なくとも1個有することが必要であり、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜10個有する。このケイ素原子結合アルケニル基の条件を満たすように前記a及びbの値を選択すればよい。
本成分のオルガノポリシロキサンの分子構造は特に限定されず、直鎖状であっても、例えば、RSiO3/2単位、R1SiO3/2単位、SiO2単位等(R、R1は上記と同じ)を含む分岐状であってもよいが、下記一般式(1a)
Figure 2015115442

(式中、R2は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、R3は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基、又はアルケニル基であり、但し少なくとも1個のR3はアルケニル基であり、分子鎖両末端のR3のいずれかがアルケニル基である場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは0〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、分子鎖両末端のR3のいずれもがアルケニル基でない場合には、kは40〜1,200の整数であり、mは1〜50の整数であり、nは0〜50の整数であり、但しm+nは1以上である。)
で表されるオルガノポリシロキサン、即ち主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
上記式(1a)中、R2で表されるアルケニル基以外の脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基は、通常炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、R1で例示したものが挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
また、R3で表される独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基は、通常炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6のものである。その具体例としては、R1で例示したものが挙げられる。中でも合成が容易であることから、メチル基、フェニル基又は3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。R3で表されるアルケニル基は、通常炭素原子数2〜6、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3のものである。その具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。
上記式(1a)中、分子鎖両末端のR3のいずれかがアルケニル基である場合には、kは100〜1,000の整数であり、mは0〜40の整数であり、nは0であることが好ましく、分子鎖両末端のR3のいずれもアルケニル基でない場合には、kは100〜1,000の整数であり、mは2〜40の整数であり、nは0であることが好ましい。
上記式(1a)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ビニルメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ビニルメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、末端トリメチルシロキシ基・ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端メチルジビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖メチルトリフルオロプロピルポリシロキサン、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン共重合体、両末端トリビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルトリフルオロプロピルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
本成分のオルガノポリシロキサンの回転粘度計による23℃の粘度は、特に限定されないが、組成物の取扱作業性、得られる硬化物の強度及び流動性が良好となる点から、50〜100,000mPa・sであることが好ましく、100〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
次に、(B)成分は、上記(A)成分と反応し、架橋剤として作用するものである。該(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基(ヒドロシリル基)を意味し、本明細書中において「ケイ素原子結合水素原子」という)を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中に含有されるケイ素原子結合水素原子は、分子鎖末端及び分子鎖途中のいずれに位置していてもよく、この両方に位置するものであってもよい。また、その分子構造は特に限定されず、直鎖状、環状、分岐状及び三次元網状構造(樹脂状)のいずれであってもよい。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの1分子中のケイ素原子の数(即ち、重合度)は、通常4〜1,000個であるが、組成物の取扱作業性及び得られる硬化物の特性(低弾性率、低応力)が良好となる点から、好ましくは10〜1,000個、より好ましくは10〜400個である。
また、回転粘度計による23℃の粘度は、通常10〜100,000mPa・s、好ましくは20〜10,000mPa・s、より好ましくは50〜5,000mPa・sであって、室温(23℃)で液状のものが好適に使用される。
本成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均組成式(2)
4 cdSiO(4-c-d)/2 (2)
(式中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、cは0.7〜2.2の正数であり、dは0.001〜0.5の正数であり、但しc+dは0.8〜2.5である。)
で表されるものが好適に用いられる。
上記式(2)中、R4は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、その炭素原子数は、通常1〜10、好ましくは1〜6である。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、へキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部を、塩素、臭素、フッ素等のハロゲン原子で置換した3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも好ましくはアルキル基、アリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であり、より好ましくはメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基である。R4、従って式(2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、エポキシ基、アルコキシ基を含まない。
また、cは1.0〜2.1の正数であることが好ましく、dは0.001〜0.1の正数であることが好ましく、0.005〜0.1の正数であることがより好ましく、0.005〜0.05の正数であることが更に好ましく、0.005〜0.03の正数であることが特に好ましく、また、c+dは1.0〜2.5の範囲を満たすことが好ましく、1.5〜2.2の範囲を満たすことが特に好ましい。
上記式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(C65)SiO3/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体等が挙げられる。
本成分の配合量は、(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個あたり、本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.3〜10個となる量であることが必要であり、好ましくは0.5〜5個、より好ましくは0.6〜2個となる量である。ケイ素原子結合水素原子が0.3個より少ない場合には、架橋密度が低くなりすぎ、得られる組成物が硬化しなかったり、硬化しても硬化物の耐熱性が低下することがあり、10個より多い場合には、脱水素反応による発泡の問題が生じたり、得られる硬化物の耐熱性が低下したりすることがある。
更に、(C)成分については、前記(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基と前記(B)成分中のケイ素原子結合水素原子との付加反応を促進させるための触媒として使用されるものである。該(C)成分は白金系触媒(白金又は白金系化合物)であり、公知のものを使用することができる。その具体例としては、白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸等のアルコール変性物;塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体等が例示される。
本成分の配合量は有効量でよく、所望の硬化速度により適宜増減することができるが、通常、(A)及び(B)成分の合計量に対して、白金原子の質量で、通常0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜300ppmの範囲である。この配合量が多すぎると得られる硬化物の耐熱性が低下する場合がある。一方で、配合量が少なすぎると組成物が十分に硬化しない可能性がある。
本発明の液状シリコーンゴム又はゲル組成物には、前記(A)〜(C)成分以外に、必要に応じて、各種成分を配合することが可能である。
自己接着性を付与する観点から、接着付与剤として接着性を付与する官能基を含有するケイ素化合物を配合することができる。該官能基の具体例としては、ケイ素原子に結合したビニル基、アリル基のようなアルケニル基、炭素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基(例えば、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基など)や(メタ)アクリロキシ基(例えば、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基など)、アルコキシシリル基(例えば、エステル構造、ウレタン構造、エーテル構造を1〜2個含有してもよいアルキレン基を介してケイ素原子に結合したトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基等のアルコキシシリル基など)、SiH基を有するオルガノシラン及びケイ素原子数3〜50、特に5〜20の直鎖状又は環状構造のシロキサンオリゴマーやトリアリルイソシアヌレートの(アルコキシ)シリル変性物やそのシロキサン誘導体などが挙げられる。本発明には、特に1分子中にこれらの官能基を2種以上含有するものが好ましく、特にアルケニル基、SiH基はそれぞれエポキシ基、(メタ)アクリロキシ基、アルコキシシリル基の少なくとも1種と併用する。このような官能基を含有するケイ素化合物の具体例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2015115442
なお、上記接着付与剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部、更に好ましくは1〜5質量部である。
更には、自己接着性を補助する観点から、接着促進剤として、有機チタン化合物と有機ジルコニウム化合物などの縮合触媒を配合することにより接着性の改善を図ることができる。具体的には、有機チタン化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネートなどの有機チタン酸エステル類;ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタンなどのチタンキレート化合物が挙げられる。また、有機ジルコニウム化合物としては、テトラプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシステアレートなどが挙げられる。
なお、上記接着促進剤の配合量は、(A)成分100質量部に対し、0〜5質量部、より好ましくは0.1〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部である。
一方、太陽光入射と反対側の裏側パネルやシートに塗布/硬化させる液状シリコーンゴム又はゲル組成物には、ゴム強度やゴム硬度、光反射率、放熱性を付与する目的で、必要に応じ、ヒュームドシリカ、二酸化チタン等の補強性無機充填剤や結晶性シリカ、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、酸化第二鉄、カーボンブラック、アルミナ等の非補強性無機充填剤なども配合することができる。
また、白金系触媒の反応をコントロールするために、ビニルメチルシクロポリシロキサン類や、アセチレンアルコール類に代表される反応制御剤を添加してもよい。
液状シリコーンゴム又はゲル組成物は、上記(A)〜(C)成分(任意成分が配合される場合には、任意成分も含む)を常法に準じて混合することにより調製することができる。その際に、混合される成分を必要に応じて2パート又はそれ以上のパートに分割して混合してもよく、例えば、(A)成分の一部及び(C)成分からなるパートと、(A)成分の残部及び(B)成分からなるパートとに分割して混合することも可能である。
なお、液状シリコーンゴム又はゲル組成物の23℃における粘度は、1,000Pa・s以下、特に100Pa・s以下であることが好ましい。この場合の粘度測定は、回転粘度計を用いて測定した値である。
上記液状シリコーンゴム又はゲル組成物を上記表側パネル及び裏側パネルもしくはシートに塗布/硬化する場合の塗布の方法としては、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、ナイフコーティング法、スクリーンコーティング法などがあるがそのいずれの方法を用いてもよい。また塗布の際、上記塗布すべきパネルもしくはシートの外周に沿って額縁状に液状シリコーンゴム又はゲル組成物が未塗布の部分を形成することが望ましいが、必須ではない。この未塗布の部分には、次の工程に必要なシリコーンゴム接着剤を配置することになる。シリコーンゴム接着剤を配置する際、この配置部分に液状シリコーンゴム硬化物が残留すると、シリコーンゴム接着剤とパネルとの密着性が低下する原因となる場合もある。未塗布の部分を形成するには、未硬化の液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布する前に予めテープによって額縁状にマスキングするなどしておくとよい。しかしながら、液状シリコーンゴム又はゲル組成物の硬化物に接着するシリコーンゴム接着剤を使用することにより、液状シリコーンゴム又はゲル組成物が塗布/硬化したパネルもしくはシートの上に直接シリコーンゴム接着剤を配置しても、良好な接着性を有することも可能であり、目的とする耐久性を有するシリコーン封止の太陽電池モジュールを製造することができる。
パネルもしくはシートに液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布した後、常法により60〜150℃の間で、5〜30分間硬化を行うことにより、液状シリコーンゴム又はゲル組成物が硬化したシリコーンゴム又はゲル層を得る。
この場合、シリコーンゴム又はゲル層の膜厚を200〜1,000μmに調整することが好ましく、より好ましくは300〜800μmの範囲である。膜厚が200μmより薄いと、半導体基板からなる太陽電池素子をパネルの間に挟み込んで製造する工程において太陽電池素子にクラックが入ったり、特に温度昇降が発生する屋外環境下においては、太陽電池素子表面の配線接続部との線膨張係数及びモジュラスの違いを吸収できなくなり、太陽電池素子の脆化を招く可能性がある。一方、膜厚が1,000μmより厚いと、硬化するための時間を要し、また液状シリコーンゴム又はゲル組成物の使用量も増えるためにコスト高になる可能性がある。
更に、液状シリコーンゴム又はゲル組成物の硬化後の硬度は、太陽電池素子をパネルの間に挟み込んで製造する工程において太陽電池素子にクラックが発生するのを防ぐためにも、低硬度のほうが適しており、JIS K6253で規定されるタイプAデュロメーターで50以下、好ましくは30以下の硬度が望ましい。硬度が50より大きいと低モジュラス・低硬度といったシリコーンゴムの特徴を発揮できなくなり、半導体基板からなる太陽電池素子をパネルの間に挟み込んで製造する工程において太陽電池素子にクラックが入ったり、特に温度昇降が発生する屋外環境下においては、太陽電池素子表面の配線接続部との線膨張係数及びモジュラスの違いを吸収できなくなり、太陽電池素子の脆化を招く可能性がある。更には、ゲル状のシリコーンゴム硬化物が特に好ましく、具体的には、塗布/硬化後の針入度が、JIS K2220で規定される1/4コーンによる針入度で30〜200であるシリコーンゲルが適している。なお、針入度が200を超えると、シリコーンゲル硬化物としての形態を保持できなくなり流動してしまい、適切ではない。
次に、液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布/硬化させたパネルもしくはシートの外周部分に額縁状に、予めテープ状あるいは紐状に成形した定形のヒドロシリル化反応によって硬化するシリコーンゴム接着剤を配置する。
使用するヒドロシリル化反応によって硬化するシリコーンゴム接着剤(組成物)は、
(D)下記平均組成式(3)
11 XSiO(4-X)/2 (3)
(式中、R11は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R11中の0.001〜1.0モル%はアルケニル基である。xは1.95〜2.05の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(E)補強性シリカ:5〜200質量部、
(F)白金系触媒:有効量、
(G)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子の割合が0.3〜10個となる量
を必須成分とすることを特徴とするシリコーンゴム接着剤(組成物)である。
本発明のシリコーンゴム接着剤を構成する(D)成分のオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(3)
11 XSiO(4-X)/2 (3)
(式中、R11は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R11中の0.001〜1.0モル%はアルケニル基である。xは1.95〜2.05の正数である。)
で示される1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンである。この場合、R11としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β−フェニルプロピル基等のアラルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基などから選択される、同一又は異種の好ましくは炭素原子数1〜12、より好ましくは炭素原子数1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基が挙げられる。xは1.95〜2.05の正数であることが必要であり、より好ましくは1.98〜2.02の正数である。xが上記の範囲外である場合には、重合度100以上のオルガノポリシロキサンを合成する場合に困難を生じる。
本発明に用いられる(D)成分のオルガノポリシロキサンは、分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基などで封鎖されたものとすることができる。好ましくは分子鎖末端に少なくとも1個のビニル基を有するものである。本発明において、このオルガノポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有する必要があり、R11のうち、0.001〜1.0モル%、特に0.01〜0.5モル%がアルケニル基、特にビニル基であることが好ましい。更に、オルガノポリシロキサンの重合度は、得られる組成物の硬化物が十分な機械的強度を得るためには100以上であることが必要であり、好ましくは100〜10,000、より好ましくは2,000〜10,000である。(D)成分は1種でも置換基や重合度の異なる2種以上を併用してもよい。
次に、(E)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴムを得る目的で用いられる。この目的のためには比表面積(BET法)は50m2/g以上、好ましくは50〜800m2/g、より好ましくは100〜400m2/gである必要がある。比表面積が50m2/g未満では成形物の機械的強度が低下する。このような補強性シリカとしては乾式シリカ(煙霧質シリカ)、沈降性シリカ及びそれらの表面がオルガノポリシロキサン、オルガノポリシラザン、クロロシラン、アルコキシシラン等で表面処理された疎水性シリカ等が挙げられる。この補強性シリカは、乾式シリカと沈降性シリカの併用等、2種以上を併用してもよい。好ましくは乾式シリカ及びその表面処理されたシリカである。なお、この補強性シリカの添加量は、(D)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して少なすぎると十分な補強性の効果があらわれず、多すぎると加工性が著しく悪くなり、得られたシリコーンゴムの強度も低下するので、5〜200質量部、好ましくは20〜100質量部、特に好ましくは30〜80質量部である。
(F)成分の白金系触媒としては、上記(C)成分と同様のものであり、これら触媒の添加量は触媒量で、通常、白金系金属量に換算して0.1〜1,000ppmの範囲で使用されるが、好ましくは1〜300ppmの範囲が適当である。0.1ppmより少ないと架橋反応が十分促進されず、硬化が不十分であり、一方1,000ppmより多く加えても反応性に対する影響も少なく、また不経済である。
(G)成分の1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(D)成分中のアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子の割合が0.3〜10個の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜5個となるような範囲が適当である。SiH基が少ないと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られないことがあり、また、SiH基が多いと硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と圧縮永久歪みが著しく劣化することがある。
上記シリコーンゴム接着剤には、上記成分に加え、必要に応じて、先に挙げた接着付与剤や接着促進剤、更には、粉砕石英、珪藻土等の非補強性シリカ、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填剤、ポリメチルビニルシロキサン環状化合物、アセチレンアルコール等の白金触媒抑制剤、更に、着色剤、耐熱向上剤、難燃性向上剤などのような各種添加剤や充填剤用分散剤としてジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサンなどを添加することは任意である。
上記シリコーンゴム接着剤は、未硬化状態において表側パネルと裏側パネルもしくはシートのいずれか一方の外周部に額縁状に適用・形成するが、適用の方法としては、これのシリコーンゴム接着剤を予め紐状等に加工し、これを上記パネルもしくはシートの外周部に沿って配置したり、あるいは予めパネルもしくはシートに合わせた四角リング状に成形したものをパネルもしくはシートに配置するなどの方法が好適に採用されるが、これらに制限されるものではない。
本発明のシリコーンゴム接着剤の上記のような加工の方法としては、通常のシリコーンゴム組成物の成形に使用される加工機を使用することができる。具体的には、Tダイ、あるいは異形ダイを備えた押し出し機、プレス機、カレンダーロール等が挙げられるが、押し出し機による連続成形が好ましい。
シリコーンゴム接着剤は、硬化前の状態で形状を保持する必要があり、このため、シリコーンゴム接着剤の可塑度が23℃においてウイリアムス可塑度計で測定して100〜600の範囲内であることが好ましい。これは、可塑度が100未満である場合には、シリコーンゴム接着剤を未硬化の定形成形体にする際の形状保持性又は成形後の形状保持性が低下し、任意の形状を得ることが困難になるからである。また、シリコーンゴム接着剤の可塑度が600を超える場合には、被着体に貼り付けた際に、界面に残留した気泡を取り除くことが困難であるためである。更には、押し出し成形を行った際に、端部や表面がささくれ立つような荒れた状態になってしまうためである。
上記のように成形されたシリコーンゴム接着剤を表側パネルあるいは裏側パネルもしくはシート上に額縁状に配置した後、太陽電池セルストリングスをこれらパネルもしくはシート上のシリコーンゴム接着剤層上に配置する。太陽電池素子においては、単結晶シリコンもしくは多結晶シリコンのうちから選ばれる1種もしくは2種のシリコン材料を用いて太陽電池素子とするもので、太陽電池セルストリングスは太陽電池素子をタブ線で接続したものである。また、上記太陽電池セルストリングスを裏側パネルのシリコーンゴム又はゲル層上に配置する場合、表側パネルを下にし、その上のシリコーンゴム又はゲル層上に太陽電池素子の入射面側を下にして配置し、裏側パネルもしくはシートのシリコーンゴム又はゲル層上に配置する場合は、裏側パネルもしくはシートを下にし、その上のシリコーンゴム又はゲル層上に太陽電池素子の入射面側を上にして配置する。該太陽電池セルストリングスを配置したパネルもしくはシートを真空ラミネーター装置に設置した後、他方のパネルもしくはシートを、そのシリコーンゴム又はゲル層を下側にして該太陽電池セルストリングスを配置したパネルもしくはシートとの間で空隙を設けて配置する。
次に減圧真空下、シリコーンゴム又はゲル層と太陽電池素子の間、シリコーンゴム又はゲル層同士の間の空気を除去した後、60〜200℃に加温して、額縁状に配置したシリコーンゴム接着剤、シリコーンゴム又はゲル層と太陽電池素子の間、及びシリコーンゴム又はゲル層同士の間を圧着することにより、太陽電池セルストリングスが上記両シリコーンゴム又はゲル層内に埋設・封止されると共に、シリコーンゴム接着剤が硬化し、表側パネルと裏側パネルもしくはシートとが接合され、これによって太陽電池モジュールが得られる。
なお、減圧の程度は−0.06〜−0.10MPa、特に−0.07〜−0.10MPaが好ましい。また加熱・押圧条件も適宜選択されるが、70〜150℃、特に100〜130℃の加熱下、3〜15分の減圧後に大気圧で5〜30分押圧することが好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中、「部」は「質量部」を表し、「%」は「質量%」を表し、「Vi」は「ビニル基」を表す。なお、粘度、可塑度、硬度、針入度の測定法は上述した通りである。
[実施例1]
〔シリコーンゴム接着剤(1)〕
ジメチルシロキサン単位99.825mol%、メチルビニルシロキサン単位0.15mol%、ジメチルビニルシロキサン単位0.025mol%からなり、平均重合度が約8,000であるオルガノポリシロキサン100部、比表面積が200m2/gであるフュームドシリカ(日本アエロジル(株)製)40部、分散剤として両末端にシラノール基を有し、平均重合度が15、25℃におけるオストワルド粘度計による粘度が30mm2/sであるジメチルポリシロキサン10部をニーダーにて混練りし、160℃にて2時間加熱処理し、ベースコンパウンドを作った。このベースコンパウンド100部に対し、白金化合物のポリビニルシロキサン溶液(10%品)0.2部、1−エチニルシクロヘキサン−1−オール0.05部、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン/メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(Si−H量:0.007mol/g)1.0部を配合し、23℃での可塑度280のシリコーンゴム接着剤(1)を得た。
なお、使用する際は、未加硫状態のシリコーンゴム接着剤(1)コンパウンドを、押し出し成形方法にて、幅10mm、厚さ2mmのテープ状に成形し、使用した。
〔液状シリコーンゲル組成物を塗布/硬化したパネル(1)〕
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、Vi含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン100部に、白金原子として1%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.05部、付加反応制御剤として1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルテトラシロキサン0.1部を加え、均一に混合した後、側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Si−H量:0.0055mol/g)1.2部加え、調製液を調合した(総Si−H/Si−Vi(p)=0.5)。この調製液を、340mm×360mm・厚み3.2mmの白板熱強化ガラスに周囲を10mmにマスキングテープで土手を作った後、500μmの厚みに塗布し、120℃,10分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを表面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度は針入度50であった。
〔液状シリコーンゴム組成物を塗布/硬化したパネル(2)〕
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が1,000mPa・sであり、Vi含有量が0.012mol/100gであるジメチルポリシロキサン131部、(CH33SiO1/2単位、(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[〔(CH33SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位との合計〕/SiO2単位=0.8(モル比)、Vi含有量=0.0085mol/g]50部、白金原子として1%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.3部、トリアリルイソシアヌレート0.2部、反応制御剤エチニルシクロヘキサノール0.05部、下記化学式(4)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン25部、下記化学式(5)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン2.5部を均一に混合した(総Si−H/Si−Vi(q)=2.0)。340mm×360mm・厚み3.2mmの白板熱強化ガラスに周囲を10mmにマスキングテープで土手を作った後、500μmの厚みに塗布し、120℃,10分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを裏面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度はデュロメータタイプA20であった。
Figure 2015115442
〔モジュール化〕
上記パネル(1)とパネル(2)のマスキングテープを除去し、厚み2mmのテープ状のシリコーンゴム接着剤(1)をパネル(2)の周囲(シリコーンが載っていない部分)に配置し、太陽電池セルストリングスを載せ、一番上にパネル(1)のシリコーン塗膜面を太陽電池セルストリングス側にして積層体を作り、この積層体を真空ラミネーター槽に入れ、120℃で5分間減圧(−0.07MPa以下)後、15分間プレスを行った。
[評価方法]
真空ラミネーターによるモジュール化後、シリコーン塗布膜により太陽電池セルストリングスが完全に封止されているか、目視にて確認を行った。また、モジュールを温度85℃,湿度85%の恒温恒湿槽に入れ、1,000時間後の状態を、改めて目視確認を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
〔液状シリコーンゴム組成物を塗布/硬化したシート(1)〕
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖された、23℃における粘度が5,000mPa・sであり、Vi含有量が0.006mol/100gであるジメチルポリシロキサン131部、(CH33SiO1/2単位、(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位及びSiO2単位からなる樹脂質共重合体[〔(CH33SiO1/2単位と(CH2=CH)(CH32SiO1/2単位との合計〕/SiO2単位=0.8(モル比)、ビニル基含有量=0.085mol/g]50部、白金原子として1%含有する塩化白金酸ビニルシロキサン錯体のジメチルポリシロキサン溶液0.3部、トリアリルイソシアヌレート0.2部、反応制御剤エチニルシクロヘキサノール0.05部、上記化学式(4)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン25部、上記化学式(5)で示されるオルガノハイドロジェンシロキサン4.0部、更に下記化学式(6)で示される化合物(日本化薬(株)製KAYARAD R604)0.5部を均一に混合した(総Si−H/Si−Vi(q)=2.0)。600mm×1,600mm・厚み350μmのバックシート(エムエーパッケージ(株)製・PTD250)に300μm厚みにコーティングし、120℃,15分間加熱硬化させてシリコーン塗布膜を得て、これを裏面パネルとした。なお、このシリコーンの硬度はデュロメータタイプA20であった。
Figure 2015115442
〔モジュール化〕
上記パネル(1)とシート(1)のマスキングテープを除去し、厚み2mmのテープ状のシリコーンゴム接着剤(1)をシート(1)の周囲(シリコーンが載っていない部分)に配置し、太陽電池セルストリングスを載せ、一番上にパネル(1)のシリコーン塗膜面を太陽電池セルストリングス側にして積層体を作り、この積層体を真空ラミネーター槽に入れ、120℃で5分間減圧(−0.07MPa以下)後、15分間プレスを行った。
[評価方法]
真空ラミネーターによるモジュール化後、シリコーン塗布膜により太陽電池セルストリングスが完全に封止されているか、目視にて確認を行った。また、モジュールを温度85℃,湿度85%の恒温恒湿槽に入れ、1,000時間後の状態を、改めて目視確認を行った。結果を表1に示す。
[比較例1]
〔モジュール化〕
実施例1記載のシリコーンゴム接着剤の代わりにブチルゴム系熱可塑剤(横浜ゴム(株)製「M−155P」)を使用した以外は、同じである。結果を表1に示す。
Figure 2015115442

Claims (7)

  1. (1)太陽光を入射させる透明パネルの片面に液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させてシリコーンゴム又はゲル層を形成した表側パネルを準備する工程、
    (2)太陽光入射と反対側のパネルもしくはシートの片面に液状シリコーンゴム又はゲル組成物を塗布し、硬化させてシリコーンゴム又はゲル層を形成した裏側パネルもしくはシートを準備する工程、
    (3)上記表側パネル及び裏側パネルもしくはシートの少なくとも一方のシリコーンゴム又はゲル層形成側の面の外周部に額縁状にヒドロシリル化反応によって硬化する未硬化のシリコーンゴム接着剤層を形成する工程、
    (4)上記表側パネルのシリコーンゴム又はゲル層と裏側パネルもしくはシートのシリコーンゴム又はゲル層との間に半導体基板からなる複数の太陽電池素子を連結した太陽電池セルストリングスを挟持し、60〜200℃で真空下に上記表側パネルと裏側パネルもしくはシートとを挟圧して、上記太陽電池セルストリングスを両シリコーンゴム又はゲル層内に埋設・封止すると共に、上記シリコーンゴム接着剤層を硬化して表側パネルと裏側パネルもしくはシートとを接合する工程
    を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. シリコーンゴム又はゲル層の硬度が、JIS K6253で規定されるタイプAデュロメーターで50以下、JIS K2220で規定される1/4コーンによる針入度で200以下の範囲である請求項1記載の製造方法。
  3. 液状シリコーンゴム又はゲル組成物が、
    (A)下記平均組成式(1)
    a1 bSiO(4-a-b)/2 (1)
    (式中、Rは独立にアルケニル基であり、R1は独立に脂肪族不飽和結合を含まない非置換又はハロゲン原子置換の1価炭化水素基であり、aは0.0001〜0.2の正数であり、bは1.7〜2.2の正数であり、但しa+bは1.9〜2.4である。)
    で表される1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(A)成分中のケイ素原子結合アルケニル基1個あたり本成分中のケイ素原子結合水素原子が0.3〜10個となる量、及び
    (C)白金系触媒:有効量
    を含有するヒドロシリル化反応を用いた付加硬化型液状シリコーンゴム又はゲル組成物である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 表側パネルの外周部及び裏側パネルもしくはシートの外周部をシリコーンゴム又はゲル層未形成部とし、この未形成部にシリコーンゴム接着剤層を配置するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. シリコーンゴム接着剤層の23℃における未硬化状態での可塑度が、ウイリアムス可塑度計で測定して100〜600の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. シリコーンゴム接着剤が、
    (D)下記平均組成式(3)
    11 XSiO(4-X)/2 (3)
    (式中、R11は非置換又は置換の1価炭化水素基であり、R11中の0.001〜1.0モル%はアルケニル基である。xは1.95〜2.05の正数である。)
    で示される1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (E)補強性シリカ:5〜200質量部、
    (F)白金系触媒:有効量、
    (G)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(D)成分中のアルケニル基1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子の割合が0.3〜10個となる量
    を必須成分とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. シリコーンゴム接着剤を予め紐状に成形し、これを表面パネルの外周部又は裏側パネルもしくはシートの外周部に沿って額縁状に配置するか、又は予め四角枠状に成形したものを表面パネルの外周部又は裏側パネルもしくはシートの外周部に配置することによって、シリコーンゴム接着剤層を形成した請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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