JP2015114039A - 空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着式調湿装置と圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせて室内の調温及び調湿を行う空気調和システムにおいて、配管敷設作業を簡素化し、合理的で低廉な装置構成を採用しつつ、快適性や省エネ性を配慮して室内の温度と湿度とを各別に調整する。
【解決手段】冷媒圧縮機60で圧縮した冷媒の一部を取り出して空気加熱部HEで凝縮させた後に膨張弁30に導く高圧側冷媒管路HP2と、膨張弁30で膨張した冷媒を冷媒圧縮機60に導く低圧側冷媒管路LP2とを有すると共に、高圧側冷媒管路HP2に流入する冷媒を加熱する冷媒加熱部54を備え、空気冷却部CEが低圧側冷媒管路LP2に配置されて冷媒と除湿通路DLを通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成され、空気加熱部HEが第2高圧側冷媒管路HP2に配置されて冷媒と加湿通路WLを通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、吸着式調湿装置と圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせて室内の調温及び調湿を行う空気調和システムに関する。
従来、室内の主に調温を行う空気調和システムとして、圧縮式ヒートポンプ装置を備えたものが知られている。
圧縮式ヒートポンプ装置は、ガスエンジン等で回転駆動される冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を膨張弁へ導く高圧側冷媒管路に、当該高圧側冷媒管路を通流する冷媒を凝縮させる凝縮器を配置すると共に、膨張弁で膨張された冷媒を冷媒圧縮機へ導く低圧側冷媒管路に、当該低圧側冷媒管路を通流する冷媒を蒸発させる蒸発器を配置して構成されている。この圧縮式ヒートポンプ装置は、室外空気と冷媒とを熱交換させる室外機と室内空気と冷媒とを熱交換させる室内機とに対する冷媒の通流状態等を切り替えることにより、冷房運転と暖房運転とを切り替えることができる。即ち、冷房運転時においては、室外機を凝縮器として機能させると共に室内機を蒸発器として機能させるように、冷媒の通流方向を切り替えることで、室内空気の熱を冷媒の蒸発潜熱により回収して室外空気に放出する形態で、室内を冷房することができ、逆に、暖房運転時においては、室外機を蒸発器として機能させると共に室内機を凝縮器として機能させるように、冷媒の通流方向を切り替えることで、室外空気の熱を冷媒の蒸発潜熱により回収して室内空気へ放出する形態で、室内を暖房することができる。
このような圧縮式ヒートポンプ装置で室内の調湿を行うためには、蒸発器において室内空気又は室外空気を露点以下に冷却して当該空気に含まれる水分を凝縮させる必要がある。具体的に、冷房運転では、蒸発器として機能する室内機で室内空気を露点以下に冷却して、当該室内空気に含まれる水分を凝縮させ排出することで、室内の除湿を行うことができる。一方、暖房運転では、蒸発器として機能する室外機で室外空気を露点以下に冷却して、当該室外空気に含まれる水分を凝縮させ、当該水分を室内空気へ放出することで、室内の加湿を行うことができる。
一方、室内の主に調湿を行う空気調和システムとして、吸着式調湿装置を備えたものが知られている。
吸着式調湿装置は、加熱対象空間から取り込んだ空気を加熱対象空間とは別の冷却対象空間へ供給する除湿通路と、冷却対象空間から取り込んだ空気を加熱対象空間へ供給する加湿通路とを有し、除湿通路において空気を空気冷却部による冷却を伴って再生処理後の吸着材に通過させる形態で当該吸着材の吸湿処理を行うと共に、加湿通路において空気を空気加熱部による加熱を伴って吸湿処理後の吸着材に通過させる形態で当該吸着材の再生処理を行うように構成されている。この吸着式調湿装置は、冷房運転では加熱対象空間を室外とすると共に冷却対象空間を室内とし、一方、暖房運転では加熱対象空間を室内とすると共に冷却対象空間を室外とする形態で、除湿通路及び加湿通路における空気の通流状態等を切り替えることで、室内の除湿を行う冷房運転と室内の加湿を行う暖房運転とを切り替えることができる。
上記のような圧縮式ヒートポンプ装置と吸着式調湿装置との両方を備えて室内の調温と調湿を行う空気調和システムが知られている(例えば特許文献1を参照。)。即ち、この空気調和システムは、除湿通路において吸着材を通過する前の空気を冷却する空気冷却部として、圧縮式ヒートポンプ装置の蒸発器(エバポレーターコイル)を配置すると共に、加湿通路において吸着材を通過する前の空気を加熱する空気加熱部として、圧縮式ヒートポンプ装置の凝縮器(コンデンサーコイル)を配置してなる。
また、一般的に、吸着式調湿装置において空気冷却部及び空気加熱部として配置される蒸発器及び凝縮器は、圧縮式ヒートポンプ装置に配置される蒸発器及び凝縮器そのものとされている。即ち、圧縮式ヒートポンプ装置は、単独で室内の調温を行うのではなく、吸着式調湿装置の除湿通路又は加湿通路において空気の調湿に加えて調温も行うように構成されている。
更に、この種の空気調和システムでは、吸着式調湿装置における調湿能力を一層高めるために、加湿通路において空気を加熱する空気加熱部として、上記凝縮器に加えて、ガスエンジンの冷却水や排ガス等に含まれる排熱により空気を加熱する排熱熱交換器を配置している。即ち、加湿通路において吸着材を通過する前の空気を排熱熱交換器及び凝縮器の両方で昇温させることで、吸着材を十分に再生して、吸着材の水分の吸着と脱離とを良好なものとし、結果、調湿能力を高めることができる。
特開2009−150631号公報
上述したような吸着式調湿装置と圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせた従来の空気調和システムでは、圧縮式ヒートポンプ装置の蒸発器及び凝縮器を吸着式調湿装置に配置するために、装置間に冷媒配管を敷設する必要があるが、それに加えて、圧縮式ヒートポンプ装置側に配置されたガスエンジンの排熱等を吸着式調湿装置側に配置された排熱熱交換器へ送る必要があるために、各装置間に温水配管を敷設する必要がある。
冷媒配管を敷設する場合については、漏洩時に内部の冷媒が蒸発を伴って外部へ流出するので特に問題はないが、温水配管を敷設する場合には、漏洩時の浸水が問題となるために、充分な漏水対策や排水対策を施す必要があり、コストアップや配管敷設作業の煩雑化につながる。
また、吸着式調湿装置に空気冷却部及び空気加熱部として配置される蒸発器及び凝縮器を、圧縮式ヒートポンプ装置に配置される蒸発器及び凝縮器に対して直列的に接続した場合には、吸着式調湿装置における調湿能力を、圧縮式ヒートポンプ装置における調温能力とは別に調整することができないので、室内の温度と湿度とを快適性や省エネ性を配慮して各別に調整することができなかった。
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、吸着式調湿装置と圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせて室内の調温及び調湿を行う空気調和システムにおいて、配管敷設作業を簡素化し、合理的で低廉な装置構成を採用しつつ、快適性や省エネ性を配慮して室内の温度と湿度とを各別に調整する技術を提供する点にある。
この目的を達成するための本発明に係る空気調和システムは、
加熱対象空間から取り込んだ空気を加熱対象空間とは別の冷却対象空間へ供給する除湿通路と、前記冷却対象空間から取り込んだ空気を前記加熱対象空間へ供給する加湿通路とを有し、前記除湿通路において空気を空気冷却部による冷却を伴って再生処理後の吸着材に通過させる吸湿処理を行うと共に、前記加湿通路において空気を空気加熱部による加熱を伴って吸湿処理後の吸着材に通過させる再生処理を行う吸着式調湿装置と、
冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を第1膨張弁に導く第1高圧側冷媒管路に、当該第1高圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記加熱対象空間の空気との熱交換を行う凝縮部を配置すると共に、前記第1膨張弁で膨張された冷媒を前記冷媒圧縮機に導く第1低圧側冷媒管路に、当該第1低圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記冷却対象空間の空気との熱交換を行う蒸発部を配置してなる圧縮式ヒートポンプ装置と、を備え、
前記加熱対象空間及び前記冷却対象空間の一方を室内として他方を室外として当該室内の調温及び調湿を行う空気調和システムであって、
その特徴構成は、
前記冷媒圧縮機で圧縮した冷媒の一部を取り出して前記空気加熱部で凝縮させた後に前記第1膨張弁とは別の第2膨張弁に導く第2高圧側冷媒管路と、前記第2膨張弁で膨張した冷媒を前記冷媒圧縮機に導く第2低圧側冷媒管路とを有すると共に、
前記第2高圧側冷媒管路に流入する冷媒を加熱する冷媒加熱部を備え、
前記空気冷却部が、前記第2低圧側冷媒管路に配置されて当該管路を通流する冷媒と前記除湿通路を通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成され、
前記空気加熱部が、前記第2高圧側冷媒管路に配置されて当該管路を通流する冷媒と前記加湿通路を通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成されている点にある。
本特徴構成によれば、圧縮式ヒートポンプ装置に配置された冷媒圧縮機に対して、圧縮式ヒートポンプ装置において、凝縮部が配置された第1高圧側冷媒管路、第1膨張弁、及び、蒸発部が配置された第1低圧側冷媒管路からなる冷媒循環回路と、吸着式調湿装置において、空気加熱部を構成する熱交換器が配置された第2高圧側冷媒管路、第2膨張弁、及び、空気冷却部を構成する熱交換器が配置された第2低圧側冷媒管路からなる冷媒循環回路とが、並列で接続されることになる。
そして、圧縮式ヒートポンプ装置においては、冷媒圧縮機と圧縮式ヒートポンプ装置の冷媒循環回路との間で冷媒を循環させることで、蒸発部における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により冷却対象空間から冷媒へ熱を取り込み、一方、凝縮部における冷媒の凝縮に伴う放熱作用により冷媒から加熱対象空間へ熱を放出する形態で、室内の調温を行うことができる。
一方、吸着式調湿装置においては、冷媒圧縮機と吸着式調湿装置の冷媒循環回路との間で冷媒を循環させることで、空気冷却部を構成する熱交換器における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により除湿通路において吸着材を通過して吸湿処理を行う空気から冷媒へ熱を取り込み、一方、空気加熱部を構成する熱交換器における冷媒の凝縮に伴う放熱作用により冷媒から加湿通路において吸着材を通過して再生処理を行う空気へ熱を放出する形態で、室内の調湿を行うことができる。
そして、圧縮式ヒートポンプ装置と吸着式調湿装置の夫々の冷媒循環回路は、上記冷媒圧縮機に対して互いに並列的に接続されているので、夫々の冷媒循環回路における冷媒流量を各別に調整して、圧縮式ヒートポンプ装置の調温能力と吸着式調湿装置の調湿能力との夫々を各別に調整することができる。結果、圧縮ヒートポンプ装置による調温能力を低めに設定し室内と室外との温度差を小さ目にして省エネ性を確保しながら、吸着式調湿装置による調湿能力を高めに設定し室内と室外との湿度差を大き目にして快適性を確保するなどのように、室内の温度と湿度とを快適性や省エネ性を配慮して各別に調整することができる。
また、圧縮式ヒートポンプ装置側に上記冷媒加熱部を設け、その冷媒加熱部において第2高圧側冷媒管路に流入する冷媒を加熱するので、圧縮式ヒートポンプ装置と吸着式調湿装置との間には、冷媒を加熱するための熱を搬送するための温水配管を敷設する必要がなく、上記第2高圧側冷媒管路及び上記第2低圧側冷媒管路を構成する冷媒配管のみを敷設するだけでよい。
更に、このような冷媒加熱部を設けることで、第2高圧側冷媒管路から空気加熱部に一層高温の冷媒を供給し、加湿通路において吸着材を通過して再生処理を行う空気を空気加熱部により一層高温に加熱することができるので、吸着式調湿装置に高い調湿能力を発揮させることができる。
従って、本発明により、吸着式調湿装置と圧縮式ヒートポンプ装置とを組み合わせて室内の調温及び調湿を行う空気調和システムにおいて、配管敷設作業を簡素化し、合理的で低廉な装置構成を採用しつつ、快適性や省エネ性を配慮して室内の温度と湿度とを各別に調整する技術を提供することができる。
本発明に係る空気調和システムの更なる特徴構成は、
前記冷媒圧縮機の駆動源がガスエンジンであり、
前記冷媒加熱部が、前記ガスエンジンの排熱との熱交換により冷媒を加熱する点にある。
本特徴構成によれば、圧縮式ヒートポンプ装置側に冷媒圧縮機の駆動源としてのガスエンジンが設けられているので、同じく圧縮式ヒートポンプ装置側に設けられた冷媒加熱部において、第2高圧側冷媒管路に流入する冷媒をガスエンジンの排熱との熱交換により加熱することができる。
本発明に係る空気調和システムの更なる特徴構成は、
前記冷媒圧縮機から前記第2高圧側冷媒管路への冷媒の分配流量を調整可能な冷媒分配流量調整弁を備え、
前記室内の温度を目標温度に維持するように前記冷媒圧縮機の回転速度を制御する調温制御手段と、
前記室内の湿度を目標湿度に維持するように前記冷媒分配流量調整弁の開度を制御する調湿制御手段とを備えた点にある。
本特徴構成によれば、上記調温制御手段により冷媒圧縮機の回転速度を制御して、圧縮式ヒートポンプ装置の冷媒循環回路における冷媒循環流量を調整すれば、蒸発部における冷媒の蒸発圧力や凝縮部における冷媒の凝縮圧力を変化させて、それらの空気に対する冷却温度や加熱温度を変化させることができるので、結果、室内の温度を目標温度に維持することができる。
更に、上記調湿制御により冷媒分配流量調整弁の開度を制御して、冷媒圧縮機から第2高圧側冷媒管路への冷媒の分配流量、言い換えれば吸着式調湿装置の冷媒循環回路における冷媒循環流量を調整すれば、空気冷却部における冷媒の蒸発圧力や空気加熱部における冷媒の凝縮圧力を変化させて、それらの空気に対する冷却温度や加熱温度を変化させることができるので、結果、吸着材の吸湿及び再生程度を変化させて、室内の湿度を目標湿度に維持することができる。
本発明に係る空気調和システムの更なる特徴構成は、
前記空気冷却部及び前記空気加熱部として機能する熱交換器として、前記吸着材を空気側表面に設けた第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器を備え、
前記第1吸着熱交換器を前記空気冷却部として機能させた状態で前記第1吸着熱交換器が配置された第1通路を前記除湿通路とすると共に、前記第2吸着熱交換器を前記空気加熱部として機能させた状態で前記第2吸着熱交換器が配置された第2通路を前記加湿通路とする第1状態と、前記第1吸着熱交換器を前記空気加熱部として機能させた状態で前記第1通路を前記加湿通路とすると共に、前記第2吸着熱交換器を前記空気冷却部として機能させた状態で前記第2通路を前記除湿通路とする第2状態との間で、前記吸着式調湿装置における冷媒と空気との通流状態を所定時間間隔で切り替えて、前記吸着材に対する前記吸湿処理と前記再生処理とを行う吸湿再生切替手段を備えた点にある。
本特徴構成によれば、空気冷却部又は空気加熱部として機能する第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器において、その空気側表面に設けた吸着材に直接冷熱又は温熱を伝達させることができ、吸着材に対する吸湿又は再生を十分に行って、吸着式調湿装置の調湿能力を向上させることができる。
即ち、上記第1状態と上記第2状態との間で吸着式調湿装置における冷媒と空気との通流状態を所定時間間隔で切り替えることで、第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器の夫々が配置された第1通路及び第2通路の夫々が、除湿通路と加湿通路の間で切り替わり、同時に、第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器の夫々が空気冷却部と空気加熱部の間で切り替わることになる。それにより第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器の夫々の空気側表面に設けられた夫々の吸着材に対して、当該夫々の熱交換器の内部を通流する冷媒の蒸発又は凝縮により直接的に冷熱と温熱が交互に伝達されることになり、同時に、除湿通路の空気と加湿通路の空気とが交互に接触しながら通過することになるので、夫々の吸着材の吸湿と再生とが十分に行われることになる。
本発明に係る空気調和システムの更なる特徴構成は、
冷房運転と暖房運転とを切り替える冷暖房切替手段を備え、
前記冷暖房切替手段が、冷房運転時においては、室外を前記加熱対象空間とすると共に室内を前記冷却対象空間とし、暖房運転時においては、室内を前記加熱対象空間とすると共に室外を前記冷却対象空間とするように、前記吸着式調湿装置における冷媒と空気の通流状態並びに前記圧縮式ヒートポンプ装置における冷媒の通流状態を切り替える点にある。
本特徴構成によれば、上記冷暖房切替手段を備えることにより、室内に対して圧縮式ヒートポンプ装置による冷房と吸着式調湿装置による除湿とを行う冷房運転と、圧縮式ヒートポンプ装置による暖房と吸着式調湿装置による加湿とを行う暖房運転とを、切り替えて実行することができる。
即ち、圧縮式ヒートポンプ装置における冷房運転時では、冷却対象空間を室内とするべく、室内に設けられた室内機が蒸発部として機能し、一方、加熱対象空間を室外とするべく、室外に設けられた室外機が凝縮部として機能するように、冷媒の通流状態が切り替えられる。従って、蒸発部として機能する室内機における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により室内から冷媒へ熱を取り込み、凝縮部として機能する室外機における冷媒の凝縮に伴う放熱作用により冷媒から室外へ熱を放出する形態で、室内の冷房を行うことができる。
また、圧縮式ヒートポンプ装置における暖房運転時では、加熱対象空間を室内とするべく、室内に設けられた室内機が凝縮部として機能し、一方、冷却対象空間を室外とするべく、室外に設けられた室外機が蒸発部として機能するように、冷媒の通流状態が切り替えられる。従って、蒸発部として機能する室外機における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により室外から冷媒へ熱を取り込み、凝縮部として機能する室内機における冷媒の凝縮に伴う放熱作用により冷媒から室内へ熱を放出する形態で、室内の暖房を行うことができる。
一方、吸着式調湿装置における冷房運転では、冷却対象空間を室内とし加熱対象空間を室外とするべく、室外から取り込んだ空気を室内へ供給する通路が除湿通路として機能すると共に当該通路に配置された熱交換器が空気冷却部として機能し、一方、室内から取り込んだ空気を室外へ供給する通路が加湿通路として機能すると共に当該通路に配置された熱交換器が空気加熱部として機能するように、各通路における空気の通流状態及び各熱交換器における冷媒の通流状態が切り替えられる。従って、室内に対して除湿通路を通過して吸着材に水分が吸着された空気が供給され、室外に対して加湿通路を通過して吸着材から水分が放出された空気が供給される形態で、室内の除湿を行うことができる。
また、吸着式調湿装置における暖房運転では、加熱対象空間を室内とし冷却対象空間を室外とするべく、室外から取り込んだ空気を室内へ供給する通路が加湿通路として機能すると共に当該通路に配置された熱交換器が空気加熱部として機能し、一方、室内から取り込んだ空気を室外へ供給する通路が除湿通路として機能すると共に当該通路に配置された熱交換器が空気冷却部として機能するように、各通路における空気の通流状態及び各熱交換器における冷媒の通流状態が切り替えられる。従って、室内に対して加湿通路を通過して吸着材から水分が放出された空気が供給され、室外に対して除湿通路を通過して吸着材に水分が吸着された空気が供給される形態で、室内の加湿を行うことができる。
本発明の実施形態に係る空気調和システムにおける冷房運転時の第1状態を示す概略構成図 本発明の実施形態に係る空気調和システムにおける冷房運転時の第2状態を示す概略構成図 本発明の実施形態に係る空気調和システムにおける暖房運転時の第1状態を示す概略構成図 本発明の実施形態に係る空気調和システムにおける暖房運転時の第2状態を示す概略構成図 本発明の実施形態に係る空気調和システムが備える吸着熱交換器の(a)平面図及び(b)斜視図
本発明の実施形態に係る空気調和システムについて、図1〜図5に基づいて説明する。
先ず、空気調和システムの基本構成について説明する。
本実施形態の空気調和システムは、図1に示すように、室内Rの湿度調整(本願において「調湿」と呼ぶ場合がある。)を行うための吸着式調湿装置1と、室内Rの温度調整(本願において「調温」と呼ぶ場合がある。)を行うための圧縮式ヒートポンプ装置5と、コンピュータからなり所定のプログラムを実行することで各種手段として機能する制御装置90を備える。
また、この空気調和システムは、制御装置90が機能する冷暖房切替手段92により、室内Rを冷却及び除湿する冷房運転(図1及び図2参照)と室内Rを加熱及び加湿する暖房運転(図3及び図4参照)とを択一的に実行可能に構成されている。
即ち、詳細については後述するが、冷房運転時においては、図1及び図2に示すように、室外Oが加熱対象空間HAとされると共に、室内Rが冷却対象空間CAとされて、冷却対象空間としての室内Rに対する圧縮式ヒートポンプ装置5による冷却と吸着式調湿装置1による除湿とが行われる。一方、暖房運転時においては、図3及び図4に示すように、室内Rが加熱対象空間HAとされると共に室外Oが冷却対象空間CAとされて、加熱対象空間としての室内Rに対する圧縮式ヒートポンプ装置5による加熱と吸着式調湿装置1による加湿とが行われることになる。
以下、吸着式調湿装置1及び圧縮式ヒートポンプ装置5の詳細構成について順に説明する。
〔吸着式調湿装置〕
図1〜図4に示す吸着式調湿装置1は、吸着材10aの吸湿と再生とを交互に行うことにより、室外O(例えば屋外)から室内Rに供給される給気SAを除湿又は加湿する形態で室内Rの調湿を行う所謂デシカント空調装置として構成されている。
具体的に、かかる吸着式調湿装置1は、加熱対象空間HAから取り込んだ空気を冷却対象空間CAへ供給する除湿通路DLと、冷却対象空間CAから取り込んだ空気を加熱対象空間HAへ供給する加湿通路WLとを有する。
そして、除湿通路DLにおいて空気を熱交換器で構成される空気冷却部CEによる冷却を伴って再生処理後の吸着材10aに通過させる形態で当該吸着材10aの吸湿処理を行うと共に、加湿通路WLにおいて空気を熱交換器で構成される空気加熱部HEによる加熱を伴って吸湿処理後の吸着材10aに通過させる形態で当該吸着材10aの再生処理を行うように構成されている。尚、吸着材10aは、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等の公知の通気性吸湿体が使用されており、水分を多い空気を、冷却を伴って通過させることにより、その空気から水分を吸着する吸湿処理が行われ、逆に、水分が少ない空気を、加熱を伴って通過させることにより、その空気に水分を脱離する再生処理が行われる。
この吸着式調湿装置1では、後述する圧縮式ヒートポンプ装置5に設けられた冷媒圧縮機60に対して、空気加熱部HEを構成する熱交換器が配置された第2高圧側冷媒管路HP2、第2膨張弁30、及び、空気冷却部CEを構成する熱交換器が配置された第2低圧側冷媒管路LP2からなる冷媒循環回路が形成されている。
そして、冷媒圧縮機60と吸着式調湿装置1の冷媒循環回路との間で冷媒を循環させることで、空気冷却部CEによる冷却を伴う吸湿処理と、空気加熱部HEによる加熱を伴う再生処理とが行われる。
即ち、空気冷却部CEでは、それを構成する熱交換器における冷媒の蒸発に伴う吸熱作用により、空気冷却部CEが配置される除湿通路DLにおいて吸着材10aを通過して吸湿処理を行う空気から冷媒へ熱を取り込む形態で、空気冷却部CEによる冷却を伴う吸湿処理が行われる。一方、空気加熱部HEでは、それを構成する熱交換器における冷媒の凝縮に伴う放熱作用により、冷媒から空気加熱部HEが配置される加湿通路WLにおいて吸着材10aを通過して再生処理を行う空気へ熱を放出する形態で、空気加熱部HEによる加熱を伴う再生処理が行われる。
詳細には、吸着式調湿装置1には、空気冷却部CE及び空気加熱部HEとして機能する熱交換器としては、図5も参照して、吸着材10aを空気側表面に設けた第1吸着熱交換器11及び第2吸着熱交換器12が設けられている。
かかる吸着熱交換器11,12は、複数回折り返しながら蛇行し内部に冷媒が通流する伝熱管10cと、その外表面において当該伝熱管10cに対して垂直に配置された複数のフィン10bとからなるフィンチューブ熱交換器で構成されており、更に、それら伝熱管10c及びフィン10bの外表面には、吸着材10aが、所定の厚みでコーティングされている。
そして、このような吸着熱交換器11,12を利用することで、伝熱管10cを通流する冷媒から吸着材10aに対して冷熱又は温熱が直接伝達させることができる。よって、複数のフィン10bの隙間を通流する空気と外表面に設けられた吸着材10aとの間で水分の授受が良好に行われることになるので、吸着材10aに対する吸湿又は再生を十分に行って、吸着式調湿装置1の調湿能力を向上させることができる。
また、これら第1吸着熱交換器11及び第2吸着熱交換器12は、冷媒が通流する管路、即ち伝熱管10cにおいて、冷媒を膨張させる第2膨張弁30を介して直列的に接続されている。
室外Oに開口する室外空気通路21及び排気通路22と、室内Rに開口する室内空気通路23及び給気通路24が設けられており、排気通路22には、空気を排気EAとして室外O側に送出するファン25が設けられ、給気通路24には、空気を給気SAとして室内R側に送出するファン26が設けられている。
室外空気通路21と給気通路24とは、後述するダンパ15の開閉により第1通路13i,13o及び第2通路14i,14oの何れかを介して連通することになる。よって、室外Oから室外空気通路21に取り込まれた室外空気OAが給気SAとして給気通路24を介して室内Rに排出されることになる。
一方、室内空気通路23と排気通路22とについても、後述するダンパ15の開閉により第1通路13i,13o及び第2通路14i,14oの何れかを介して連通することになる。よって、室内Rから室内空気通路23に取り込まれた室内空気RAが排気EAとして排気通路22を介して室外Oに排出されることになる。
第1通路13i,13oは、室外空気通路21と室内空気通路23との夫々に対して各別に接続された一対の第1入口通路13iと、排気通路22と給気通路24との夫々に対して各別に接続された一対の第1出口通路13oとを含む通路として構成されている。そして、これら一対の第1入口通路13iと一対の第1出口通路13oとの夫々に空気の通流を断続可能なダンパ15が配置されており、また、これら一対の第1入口通路13iと一対の第1出口通路13oとの間に形成された空間に上述した第1吸着熱交換器11が配置されている。
一方、第2通路14i,14oは、室外空気通路21と室内空気通路23との夫々に対して各別に接続された一対の第2入口通路14iと、排気通路22と給気通路24との夫々に対して各別に接続された一対の第2出口通路14oとを含む通路として構成されている。そして、これら一対の第2入口通路14iと一対の第2出口通路14oとの夫々に空気の通流を断続可能なダンパ15が配置されており、また、これら一対の第2入口通路14iと一対の第2出口通路14oとの間に形成された空間に上述した第2吸着熱交換器12が配置されている。
そして、これら複数のダンパ15の開閉状態を切り替えて、これら通路13i,13o,14i,14oにおける空気の通流状態を断続させることで、第1吸着熱交換器11及び第2吸着熱交換器12に対する空気の通流状態を、図1及び図4に示す空気の通流状態と、図2及び図3に示す空気の通流状態との間で切り替えることができる。
即ち、図1及び図4に示す空気の通流状態では、室外Oから室外空気通路21に取り込んだ室外空気OAが第1通路13i,13oに配置された第1吸着熱交換器11を通過した後に給気SAとして給気通路24を介して室内Rに供給され、一方、室内Rから室内空気通路23に取り込んだ室内空気RAが第2吸着熱交換器12を通過した後に排気EAとして排気通路22を介して室外Oに排出される。そして、冷房運転(図1)においては、この空気の通路が除湿通路DLとなり、暖房運転(図4)においては、この空気の通路が加湿通路WLとなる。
一方、図2及び図3に示す空気の通流状態では、室外Oから室外空気通路21に取り込んだ室外空気OAが第2通路14i,14oに配置された第2吸着熱交換器12を通過した後に給気SAとして給気通路24を介して室内Rに供給され、一方、室内Rから室内空気通路23に取り込んだ室内空気RAが第1吸着熱交換器11を通過した後に排気EAとして排気通路22を介して室外Oに排出される。そして、冷房運転(図2)においては、この空気の通路が加湿通路WLとなり、暖房運転(図3)においては、この空気の通路が除湿通路DLとなる。
尚、冷房運転及び暖房運転において、図1及び図3に示すように、第1通路13i,13oを除湿通路DLとすると共に第2通路14i,14oを加湿通路WLとする状態を第1状態と呼び、図2及び図4に示すように、第1通路13i,13oを加湿通路WLとすると共に第2通路14i,14oを除湿通路DLとする状態を第2状態と呼ぶ。
第1吸着熱交換器11の第2膨張弁30とは反対側の端部に接続された冷媒管路32と、第2吸着熱交換器12の第2膨張弁30とは反対側の端部に接続された冷媒管路33とは、夫々、4方切換弁31に接続されている。
また、この4方切換弁31には、圧縮式ヒートポンプ装置5の冷媒圧縮機60の二次側(吐出側)に接続された冷媒管路67と、同冷媒圧縮機60の一次側(吸込側)に接続された冷媒管路68とが接続されている。
よって、この4方切換弁31の状態を切り替えることで、第1吸着熱交換器11及び第2吸着熱交換器12に対する冷媒の通流状態を、図1及び図3に示す状態と、図2及び図4に示す状態との間で切り替えることができる。
即ち、図1及び図3に示す冷媒の通流状態(以下、この状態を「第1状態」と呼ぶ。)では、冷媒圧縮機60で圧縮された冷媒が、冷媒管路67、4方切換弁31、冷媒管路33、第2吸着熱交換器12、第2膨張弁30、第1吸着熱交換器11、冷媒管路32、4方切換弁31、及び、冷媒管路68を記載の順に通過した後に、冷媒圧縮機60に戻される形態で、吸着式調湿装置1の冷媒循環路において冷媒が循環することになる。そして、この第1状態では、第2吸着熱交換器12が配置された冷媒管路33が、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒が通流する第2高圧側冷媒管路HP2となり、第1吸着熱交換器11が配置された冷媒管路32が、第2膨張弁30で膨張された低圧の冷媒が通流する第2低圧側冷媒管路LP2となる。従って、この第1状態では、第1吸着熱交換器11が低圧環境下で冷媒液を蒸発させる蒸発器として機能して外表面を通流する空気を冷却する空気冷却部CEとして機能し、一方、第2吸着熱交換器12が高圧環境下で冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器として機能して外表面を通流する空気を加熱する空気加熱部HEとして機能する。即ち、第1吸着熱交換器11では、第2膨張弁30で膨張された低圧の冷媒液が蒸発することにより吸熱作用を奏し、外表面を通流する空気から冷媒へ熱を取り込む形態で、外表面を通流する空気を冷却することができる。一方、第2吸着熱交換器12では、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒蒸気が凝縮することにより放熱作用を奏し、外表面を通流する空気へ冷媒の熱を放出することから、外表面を通流する空気を加熱することができる。
一方、図2及び図4に示す冷媒の通流状態(以下、この状態を「第2状態」と呼ぶ。)では、冷媒圧縮機60で圧縮された冷媒が、冷媒管路67、4方切換弁31、冷媒管路32、第1吸着熱交換器11、第2膨張弁30、第2吸着熱交換器12、冷媒管路33、4方切換弁31、及び、冷媒管路68を記載の順に通過した後に、冷媒圧縮機60に戻される形態で、吸着式調湿装置1の冷媒循環路において冷媒が循環することになる。そして、この第2状態では、第1吸着熱交換器11が配置された冷媒管路32が、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒が通流する第2高圧側冷媒管路HP2となり、第2吸着熱交換器12が配置された冷媒管路33が、第2膨張弁30で膨張された低圧の冷媒が通流する第2低圧側冷媒管路LPとなる。従って、この第2状態では、第1吸着熱交換器11が高圧環境下で冷媒蒸気を凝縮させる凝縮器として機能して外表面を通流する空気を加熱する空気加熱部HEとして機能し、一方、第2吸着熱交換器12が低圧環境下で冷媒液を蒸発させる蒸発器として機能して外表面を通流する空気を冷却する空気冷却部CEとして機能する。即ち、第1吸着熱交換器11では、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒蒸気が凝縮することにより放熱作用を奏し、外表面を通流する空気へ冷媒の熱を放出することから、外表面を通流する空気を加熱することができる。一方、第2吸着熱交換器12では、第2膨張弁30で膨張された低圧の冷媒液が蒸発することにより吸熱作用を奏し、外表面を通流する空気から冷媒へ熱を取り込む形態で、外表面を通流する空気を冷却することができる。
そして、制御装置90が機能する吸湿再生切替手段91は、吸着式調湿装置1における空気と冷媒との通流状態を第1状態と第2状態との間で所定時間間隔(例えば10分間隔)で切り替えることで、除湿通路DLにおいて空気を空気冷却部CEによる冷却を伴って再生処理後の吸着材10aに通過させる吸湿処理を行うと共に、加湿通路WLにおいて空気を空気加熱部HEによる加熱を伴って吸湿処理後の吸着材10aに通過させる再生処理を行うように構成されている。
具体的に、吸湿再生切替手段91は、吸着式調湿装置1における空気と冷媒との通流状態を、図1及び図3に示す第1状態に切り換えることで、第1吸着熱交換器11を空気冷却部CEとして機能させた状態で第1吸着熱交換器11が配置された第1通路13i,13oを除湿通路DLとすると共に、第2吸着熱交換器12を空気加熱部HEとして機能させた状態で第2吸着熱交換器12が配置された第2通路14i,14oを加湿通路WLとする。すると、除湿通路DLでは、第1吸着熱交換器11が空気冷却部CEとして機能して、その外表面に設けられた吸着材10a並びにその吸着材10aに接触しながら通過する空気(冷房運転時には室外空気OA及び給気SA,暖房運転時には室内空気RA及び排気EA)が冷却されるので、その空気に含まれる水分が吸着材10aに吸着されて、第1吸着熱交換器11の吸着材10aの吸湿処理が行われることになる。一方、加湿通路WLでは、第2吸着熱交換器12が空気加熱部HEとして機能して、その外表面に設けられた吸着材10a並びにその吸着材10aに接触しながら通過する空気(冷房運転時には室内空気RA及び排気EA、暖房運転時には室外空気OA及び給気SA)が加熱されるので、その空気に対して吸着材10aの水分が放出されて、第2吸着熱交換器12の吸着材10aの再生が行われることになる。
そして、制御装置90が機能する冷暖房切替手段92により、冷房運転時においては加熱対象空間HAを室外Oとすると共に冷却対象空間CAを室内Rとし、暖房運転時においては加熱対象空間HAを室内Rとすると共に冷却対象空間CAを室外Oとするように、吸着式調湿装置1における冷媒と空気の通流状態が切り替えられることから、室内Rに対して、図1に示す冷房運転時には、第1吸着熱交換器11の吸着材10aにより水分が吸着された低湿の空気を給気SAとして供給する形態で除湿が行われ、図3に示す暖房運転時には、第2吸着熱交換器12の吸着材10aにより水分が放出された高湿の空気を給気SAとして供給する形態で加湿が行われることになる。
一方、吸湿再生切替手段91は、吸着式調湿装置1における空気と冷媒との通流状態を、図2及び図4に示す第2状態に切り換えることで、第1吸着熱交換器11を空気加熱部HEとして機能させた状態で第1吸着熱交換器11が配置された第1通路13i,13oを加湿通路WLとすると共に、第2吸着熱交換器12を空気冷却部CEとして機能させた状態で第2吸着熱交換器12が配置された第2通路14i,14oを除湿通路DLとする。すると、除湿通路DLでは、第2吸着熱交換器12が空気冷却部CEとして機能して、その外表面に設けられた吸着材10a並びにその吸着材10aに接触しながら通過する空気(冷房運転時には室外空気OA及び給気SA,暖房運転時には室内空気RA及び排気EA)が冷却されるので、その空気に含まれる水分が吸着材10aに吸着されて、第2吸着熱交換器12の吸着材10aの吸湿処理が行われることになる。一方、加湿通路WLでは、第1吸着熱交換器11が空気加熱部HEとして機能して、その外表面に設けられた吸着材10a並びにその吸着材10aに接触しながら通過する空気(冷房運転時には室内空気RA及び排気EA、暖房運転時には室外空気OA及び給気SA)が加熱されるので、その空気に対して吸着材10aの水分が放出されて、第1吸着熱交換器11の吸着材10aの再生が行われることになる。
そして、制御装置90が機能する冷暖房切替手段92により、冷房運転時においては加熱対象空間HAを室外Oとすると共に冷却対象空間CAを室内Rとし、暖房運転時においては加熱対象空間HAを室内Rとすると共に冷却対象空間CAを室外Oとするように、吸着式調湿装置1における冷媒と空気の通流状態が切り替えられることから、室内Rに対して、図2に示す冷房運転時には、第2吸着熱交換器12の吸着材10aにより水分が吸着された低湿の空気を給気SAとして供給する形態で除湿が行われ、図4に示す暖房運転時には、第1吸着熱交換器11の吸着材10aにより水分が放出された高湿の空気を給気SAとして供給する形態で加湿が行われることになる。
また、冷媒圧縮機60の二次側に接続された冷媒管路67には、当該冷媒管路67を通流する冷媒の流量を調整可能な冷媒分配流量調整弁35が設けられている。
即ち、この冷媒分配流量調整弁35の開度を調整すれば、冷媒圧縮機60から第2高圧側冷媒管路HP2への冷媒の分配流量、言い換えれば吸着式調湿装置1において空気冷却部CE及び空気加熱部HEを含む冷媒循環回路における冷媒循環流量が調整可能となる。
更に、室内空気通路23には、室内Rから室内空気通路23に取り込まれた室内空気RAの温度及び相対湿度を計測する温湿度計測器40が設けられており、給気通路24には、当該給気通路24から室内Rに供給される給気SAの温度及び相対湿度を計測する温湿度計測器41が設けられている。
そして、制御装置90は、室内Rの絶対湿度を所定の目標湿度に維持するように冷媒分配流量調整弁35の開度を制御する調湿制御手段93として機能する。
具体的に、調湿制御手段93は、温湿度計測器40により計測された室内空気RAの温度及び相対湿度から当該室内空気RAの絶対湿度を逐次算出すると共に、温湿度計測器41により計測された給気SAの温度及び相対湿度から当該給気SAの絶対湿度を逐次算出する。尚、この絶対湿度の算出は、空気湿り線図や所定の近似式等を利用して行うことができる。
そして、調湿制御手段93は、このように算出した室内空気RAの絶対湿度を室内Rの絶対湿度として認識し、その室内空気RAの絶対湿度が所定の目標湿度に維持されるように冷媒分配流量調整弁35の開度を調整して、吸着式調湿装置1の運転・停止並びに運転時における調湿能力の調整を行う。
即ち、冷房運転時(図1及び図2参照)において、室内空気RAの絶対湿度が上記目標湿度よりも若干高めの所定の運転開始目標湿度よりも高くなった場合には、閉状態の冷媒分配流量調整弁35の開度が漸次拡大されて、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEへの冷媒の通流が開始され、吸着式調湿装置1の運転が開始されて、室内Rの除湿が開始される。更に、運転時における冷媒分配流量調整弁35の開度は、給気SAの絶対湿度が上記若干低めの所定の給気目標湿度に維持されるように調整される。即ち、給気SAの絶対湿度が給気目標湿度よりも高い場合には、冷媒分配流量調整弁35の開度が拡大されることで、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEの加熱能力が増加して、吸着材10aに対して授受される水分量が増加し、結果、除湿された給気SAの絶対湿度の低下が図られる。逆に、給気SAの絶対湿度が給気目標湿度よりも低い場合には、冷媒分配流量調整弁35の開度が縮小されることで、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEの加熱能力が減少して、吸着材10aに対して授受される水分量が減少し、結果、除湿された給気SAの絶対湿度の上昇が図られる。
そして、室内空気RAの絶対湿度が上記目標湿度に維持された時点で、冷媒分配流量調整弁35の開度が漸次縮小された閉状態となり、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEへの冷媒の通流が停止され、吸着式調湿装置1の運転が停止される。
一方、暖房運転時(図3及び図4参照)において、室内空気RAの絶対湿度が上記目標湿度よりも若干低めの所定の運転開始目標湿度よりも低くなった場合には、閉状態の冷媒分配流量調整弁35の開度が漸次拡大されて、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEへの冷媒の通流が開始され、吸着式調湿装置1の運転が開始されて、室内Rの加湿が開始される。更に、運転時における冷媒分配流量調整弁35の開度は、給気SAの絶対湿度が上記若干高めの所定の給気目標湿度に維持されるように調整される。即ち、給気SAの絶対湿度が給気目標湿度よりも低い場合には、冷媒分配流量調整弁35の開度が拡大されることで、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEの加熱能力が増加して、吸着材10aに対して授受される水分量が増加し、結果、加湿された給気SAの絶対湿度の上昇が図られる。逆に、給気SAの絶対湿度が給気目標湿度よりも高い場合には、冷媒分配流量調整弁35の開度が縮小されることで、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEの加熱能力が減少して、吸着材10aに対して授受される水分量が減少し、結果、加湿された給気SAの絶対湿度の低下が図られる。
そして、室内空気RAの絶対湿度が上記目標湿度に維持された時点で、冷媒分配流量調整弁35の開度が漸次縮小された閉状態となり、空気冷却部CEの冷却能力及び空気加熱部HEへの冷媒の通流が停止され、吸着式調湿装置1の運転が停止される。
〔圧縮式ヒートポンプ装置〕
図1〜図4に示す圧縮式ヒートポンプ装置5は、ガスエンジン50で回転駆動される冷媒圧縮機60で圧縮された冷媒を第1膨張弁66に導く第1高圧側冷媒管路HP1に、当該第1高圧側冷媒管路HP1を通流する冷媒と加熱対象空間HAの空気との熱交換を行う凝縮部COを配置すると共に、第1膨張弁66で膨張された冷媒を冷媒圧縮機60に導く第1低圧側冷媒管路LP1に、当該第1低圧側冷媒管路LP1を通流する冷媒と冷却対象空間CAの空気との熱交換を行う蒸発部EVを配置し、蒸発部EVによる室内Rの空気の冷却又は凝縮部COによる室内Rの空気の加熱を行う形態で、室内Rの冷房又は暖房を行う所謂ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン(GHP)として構成されている。
具体的に、圧縮式ヒートポンプ装置5は、室外O(例えば屋外)に配置された室外機5oと、室内Rに配置された室内機5rとからなり、これら室外機5oと室内機5rとの間で冷媒が循環される。
室外機5oには、ガスエンジン50及びそれにより回転駆動される冷媒圧縮機60に加えて、伝熱管内部に冷媒が通流し当該冷媒と外表面を通過する空気との熱交換を行うフィンチューブ熱交換器で構成された室外熱交換器70と、その室外熱交換器70に室外Oの空気を通過させるファン71とが設けられており、一方、室内機5rには、伝熱管内部に冷媒が通流し当該冷媒と外表面を通過する空気との熱交換を行うフィンチューブ熱交換器で構成された室内熱交換器80と、その室内熱交換器80に室内Rの空気を通過させるファン81とが設けられている。
室外熱交換器70が配置された冷媒管路64の一方側端部と、室内熱交換器80が配置された冷媒管路65の一方側端部とは、夫々、高圧の冷媒を膨張させる第1膨張弁66を介して接続されている。
一方、室外熱交換器70が配置された冷媒管路64の他方側端部と、室内熱交換器80が配置された冷媒管路65の他方側端部とは、夫々、4方切換弁63に接続されている。
また、この4方切換弁63には、冷媒圧縮機60の二次側(吐出側)に接続された冷媒管路61と、同冷媒圧縮機60の一次側(吸込側)に接続された冷媒管路62とが接続されている。よって、この4方切換弁31の状態を切り替えることで、室外熱交換器70及び室内熱交換器80に対する冷媒の通流状態を、図1及び図2に示す冷房状態と、図2及び図4に示す暖房状態との間で切り替えることができる。
即ち、図1及び図2に示す冷房状態では、冷媒圧縮機60で圧縮された冷媒が、冷媒管路61、4方切換弁63、冷媒管路64に配置された室外熱交換器70、第1膨張弁66、冷媒管路65に配置された室内熱交換器80、4方切換弁63、及び、冷媒管路62を記載の順に通過した後に、冷媒圧縮機60に戻される形態で、圧縮式ヒートポンプ装置5の冷媒循環路において冷媒が循環することになる。そして、この冷房状態では、室外熱交換器70が配置された冷媒管路64が、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒が通流する第1高圧側冷媒管路HP1となり、室内熱交換器80が配置された冷媒管路65が、第1膨張弁66で膨張された低圧の冷媒が通流する第1低圧側冷媒管路LP1となる。従って、この冷房状態では、室内熱交換器80が低圧環境下で冷媒液を蒸発させる蒸発部EVとして機能して外表面を通流する室内Rの空気を冷却し、一方、室外熱交換器70が高圧環境下で冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部COとして機能して外表面を通流する室外Oの空気を加熱する。即ち、室内熱交換器80では、第1膨張弁66で膨張された低圧の冷媒液が蒸発することにより吸熱作用を奏し、外表面を通流する室内Rの空気から冷媒へ熱を取り込む形態で、外表面を通流する室内Rの空気を冷却して、室内Rの冷房を行うことができる。一方、室外熱交換器70では、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒蒸気が凝縮することにより放熱作用を奏し、外表面を通流する室外Oの空気へ冷媒の熱を放出することから、外表面を通流する室外Oの空気を加熱することができる。
一方、図3及び図4に示す暖房状態では、冷媒圧縮機60で圧縮された冷媒が、冷媒管路61、4方切換弁63、冷媒管路65に配置された室内熱交換器80、第1膨張弁66、冷媒管路64に配置された室外熱交換器70、4方切換弁63、及び、冷媒管路62を記載の順に通過した後に、冷媒圧縮機60に戻される形態で、圧縮式ヒートポンプ装置5の冷媒循環路において冷媒が循環することになる。そして、この暖房状態では、室内熱交換器80が配置された冷媒管路65が、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒が通流する第1高圧側冷媒管路HP1となり、室外熱交換器70が配置された冷媒管路64が、第1膨張弁66で膨張された低圧の冷媒が通流する第1低圧側冷媒管路LP1となる。従って、この冷房状態では、室外熱交換器70が低圧環境下で冷媒液を蒸発させる蒸発部EVとして機能して外表面を通流する室内Rの空気を冷却し、一方、室内熱交換器80が高圧環境下で冷媒蒸気を凝縮させる凝縮部COとして機能して外表面を通流する室外Oの空気を加熱する。即ち、室内熱交換器80では、冷媒圧縮機60で圧縮された高圧の冷媒蒸気が凝縮することにより放熱作用を奏し、外表面を通流する室内Rの空気へ冷媒の熱を放出することから、外表面を通流する室内Rの空気を加熱して、室内Rの暖房を行うことができる。一方、室外熱交換器70では、第1膨張弁66で膨張された低圧の冷媒液が蒸発することにより吸熱作用を奏し、外表面を通流する室内Rの空気から冷媒へ熱を取り込む形態で、外表面を通流する室内Rの空気を冷却することができる。
そして、制御装置90が機能する冷暖房切替手段92により、冷房運転時においては加熱対象空間HAを室外Oとすると共に冷却対象空間CAを室内Rとし、暖房運転時においては加熱対象空間HAを室内Rとすると共に冷却対象空間CAを室外Oとするように、圧縮式ヒートポンプ装置5における冷媒の通流状態が上記冷房状態と上記暖房状態との間で切り替えられることから、室内Rに対して、図1及び図2に示す冷房運転時には、室内熱交換器80を蒸発部EVとして機能させて当該室内熱交換器80により室内Rの空気を冷却する形態で冷房が行われ、図3及び図4に示す暖房運転時には、室内熱交換器80を凝縮部COとして機能させて当該室内熱交換器80により室内Rの空気を加熱する形態で暖房が行われることになる。
また、冷媒圧縮機60は、ガスエンジン50の出力を調整して回転速度を調整可能に構成されている。
即ち、この冷媒圧縮機60の回転速度を調整すれば、圧縮式ヒートポンプ装置5において室外熱交換器70及び室内熱交換器80を含む冷媒循環回路における冷媒循環流量が調整可能となる。
更に、室内機5rには、室内熱交換器80を通過して冷却又は加熱された空気の温度(以下「室内吹出温度」と呼ぶ。)を計測する温度計測器83が設けられている。
そして、制御装置90は、室内Rの温度を所定の目標温度に維持するように冷媒圧縮機60の回転速度を制御する調温制御手段94として機能する。
具体的に、調温制御手段94は、温度計測器83で計測された室内吹出温度が目標温度に維持されるようにガスエンジン50の出力を調整して冷媒圧縮機60の回転速度の調整を行う。
即ち、冷房運転時(図1及び図2参照)において、吹出温度が上記目標温度よりも高くなった場合には、冷媒圧縮機60の回転速度が増加されて、蒸発部EVとして機能する室内熱交換器80の冷却能力が増加し、結果、室内吹出温度の低下が図られる。逆に、吹出温度が上記目標温度よりも低くなった場合には、冷媒圧縮機60の回転速度が減少されて、蒸発部EVとして機能する室内熱交換器80の冷却能力が減少し、結果、室内吹出温度の上昇が図られる。
一方、暖房運転時(図3及び図3参照)において、吹出温度が上記目標温度よりも低くなった場合には、冷媒圧縮機60の回転速度が増加されて、凝縮部COとして機能する室内熱交換器80の加熱能力が増加し、結果、室内吹出温度の上昇が図られる。逆に、吹出温度が上記目標温度よりも高くなった場合には、冷媒圧縮機60の回転速度が減少されて、凝縮部COとして機能する室内熱交換器80の加熱能力が減少し、結果、室内吹出温度の低下が図られる。
尚、本実施形態では、調温制御手段94により、室内吹出温度に基づいて冷媒圧縮機60の回転速度を制御する構成としたが、室内熱交換器80の温度を計測する温度計測器を設け、その室内熱交換器80の温度(冷房運転時には蒸発温度、暖房運転時には凝縮温度)に基づいて冷媒圧縮機60の回転速度を制御するように構成しても構わない。
更に、この圧縮式ヒートポンプ装置5の室外機5oには、吸着式調湿装置1の第2高圧側冷媒管路HP2に流入する冷媒をガスエンジンの排熱との熱交換により加熱する冷媒加熱部として、冷媒管路67を通流する冷媒とガスエンジン50の冷却水との間で熱交換を行う冷媒加熱熱交換器54が設けられている。
この冷媒加熱熱交換器54に供給される冷却水は、ガスエンジン50の水ジャケットを通流して加熱された後に、ガスエンジン50の排気路51に配置された排ガス熱交換器53を通流して排ガスとの熱交換により高温(例えば90℃)に加熱された冷却水とされている。
従って、冷媒圧縮機60の定格回転時等において圧縮後の冷媒の温度が比較的高い(例えば75℃)であったとしても、その冷媒を冷媒加熱熱交換器54において高温の冷却水との熱交換により高温に加熱することができる。
そして、吸着式調湿装置1において、第2高圧側冷媒管路HP2から空気加熱部HEに対して高温に加熱された冷媒が供給されることで、加湿通路WLにおいて吸着材10aを通過して再生処理を行う空気が空気加熱部HEにより一層高温に加熱されるので、吸着式調湿装置1が高い調湿能力を発揮することになる。
尚、冷媒加熱熱交換器54を通過後の冷却水は、ラジエータ55で冷却された後に、当該冷却水を循環させる循環ポンプ56を介してガスエンジン50の水ジャケットに供給される。
また、上述したような空気調和システムでは、冷房運転時において、室内Rの除湿を吸着式調湿装置1で行うため、圧縮式ヒートポンプ装置5では、蒸発部EVとして機能する室内熱交換器80において、室内Rの空気を露点以下に冷却して除湿する必要がなくなる。
そこで、制御装置90は、室内熱交換器80の蒸発温度が室内Rの露点以上に制限されるように、第1膨張弁66の開度が比較的大き目に制御するように構成されている。このことにより、冷媒圧縮機60の一次側(吸込側)の冷媒圧力が比較的高めに維持されることで、冷媒圧縮機60を回転駆動するための必要動力が低下し、結果、圧縮式ヒートポンプ装置5の成績係数(COP、冷媒圧縮機60からの入力エネルギに対する凝縮部COで放出される熱量の割合)が向上することになる。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、冷媒圧縮機60から吸着式調湿装置1の第2高圧側冷媒管路HP2への冷媒の分配流量を調整可能な冷媒分配流量調整弁35を設け、調湿制御手段93により、その冷媒分配流量調整弁35の開度を、室内Rの湿度を目標湿度に維持するように制御する構成を採用したが、別に、これら冷媒分配流量調整弁35及び調湿制御手段93を省略し、常時一定量の冷媒を冷媒圧縮機60から吸着式調湿装置1の第2高圧側冷媒管路HP2へ供給するように構成しても構わない。
(2)上記実施形態では、調温制御手段94により、冷媒圧縮機60の回転速度を、室内Rの温度を目標温度に維持するように制御する構成を採用したが、別に、この調温制御手段94を省略し、冷媒圧縮機60を常時一定の回転速度で駆動するように構成しても構わない。
(3)上記実施形態では、吸着式調湿装置1において、空気冷却部CE及び空気加熱部HEとして機能する熱交換器として、吸着材10aを空気側表面に設けた第1吸着熱交換器11及び第2吸着熱交換器12を採用し、吸湿再生切替手段91により、冷媒と空気との通流状態を所定時間間隔で切り替えることで、吸着材10aに対する吸湿処理と再生処理とを行うように構成したが、例えば、吸着材10aを、回転駆動されるデシカントロータで構成し、そのデシカントロータに対して除湿通路DLと加湿通路WLとを通過させる状態で配置し、除湿通路DLにおけるデシカントロータの上流側に空気冷却部CEとしての熱交換器を配置し、加湿通路WLにおけるデシカントロータの上流側に空気加熱部HEとしての熱交換器を配置する形態で、吸着式調湿装置1を所謂ロータ形式のデシカント空調装置として構成しても構わない。
(4)上記実施形態では、冷媒圧縮機60の駆動源をガスエンジン50としたが、電気モータなどのガスエンジン50とは別の駆動源により冷媒圧縮機60を駆動しても構わない。また、上記実施形態では、冷媒加熱熱交換器54において、冷媒の加熱のための熱源をガスエンジン50の排熱としたが、ガスエンジン50を駆動源としない場合などにおいて、太陽熱などの別の熱源により冷媒を加熱しても構わない。
(5)上記実施形態では、空気調和システムを、冷暖房切替手段92により冷房運転及び暖房運転の両方を択一的に実行可能なシステムとして構成したが、冷房運転及び暖房運転の何れか一方のみを実行可能なシステムとして構成しても構わない。
本発明は、加熱対象空間から取り込んだ空気を加熱対象空間とは別の冷却対象空間へ供給する除湿通路と、前記冷却対象空間から取り込んだ空気を前記加熱対象空間へ供給する加湿通路とを有し、前記除湿通路において空気を空気冷却部による冷却を伴って再生処理後の吸着材に通過させる吸湿処理を行うと共に、前記加湿通路において空気を空気加熱部による加熱を伴って吸湿処理後の吸着材に通過させる再生処理を行う吸着式調湿装置と、ガスエンジンで回転駆動される冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を第1膨張弁に導く第1高圧側冷媒管路に、当該第1高圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記加熱対象空間の空気との熱交換を行う凝縮部を配置すると共に、前記第1膨張弁で膨張された冷媒を前記冷媒圧縮機に導く第1低圧側冷媒管路に、当該第1低圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記冷却対象空間の空気との熱交換を行う蒸発部を配置してなる圧縮式ヒートポンプ装置と、を備え、前記加熱対象空間及び前記冷却対象空間の一方を室内として他方を室外として当該室内の調温及び調湿を行う空気調和システムとして好適に利用可能である。
1 :吸着式調湿装置
5 :圧縮式ヒートポンプ装置
10a :吸着材
11 :第1吸着熱交換器
12 :第2吸着熱交換器
13i,13o:第1通路
14i,14o:第2通路
30 :第2膨張弁
35 :冷媒分配流量調整弁
50 :ガスエンジン
54 :冷媒加熱熱交換器(冷媒加熱部)
60 :冷媒圧縮機
66 :第1膨張弁
91 :吸湿再生切替手段
92 :冷暖房切替手段
93 :調湿制御手段
94 :調温制御手段
CA :冷却対象空間
CE :空気冷却部
CO :凝縮部
DL :除湿通路
EV :蒸発部
HA :加熱対象空間
HE :空気加熱部
HP1 :第1高圧側冷媒管路
HP2 :第2高圧側冷媒管路
LP :第2低圧側冷媒管路
LP1 :第1低圧側冷媒管路
LP2 :第2低圧側冷媒管路
O :室外
R :室内
WL :加湿通路

Claims (5)

  1. 加熱対象空間から取り込んだ空気を加熱対象空間とは別の冷却対象空間へ供給する除湿通路と、前記冷却対象空間から取り込んだ空気を前記加熱対象空間へ供給する加湿通路とを有し、前記除湿通路において空気を空気冷却部による冷却を伴って再生処理後の吸着材に通過させる吸湿処理を行うと共に、前記加湿通路において空気を空気加熱部による加熱を伴って吸湿処理後の吸着材に通過させる再生処理を行う吸着式調湿装置と、
    冷媒圧縮機で圧縮された冷媒を第1膨張弁に導く第1高圧側冷媒管路に、当該第1高圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記加熱対象空間の空気との熱交換を行う凝縮部を配置すると共に、前記第1膨張弁で膨張された冷媒を前記冷媒圧縮機に導く第1低圧側冷媒管路に、当該第1低圧側冷媒管路を通流する冷媒と前記冷却対象空間の空気との熱交換を行う蒸発部を配置してなる圧縮式ヒートポンプ装置と、を備え、
    前記加熱対象空間及び前記冷却対象空間の一方を室内として他方を室外として当該室内の調温及び調湿を行う空気調和システムであって、
    前記冷媒圧縮機で圧縮した冷媒の一部を取り出して前記空気加熱部で凝縮させた後に前記第1膨張弁とは別の第2膨張弁に導く第2高圧側冷媒管路と、前記第2膨張弁で膨張した冷媒を前記冷媒圧縮機に導く第2低圧側冷媒管路とを有すると共に、
    前記第2高圧側冷媒管路に流入する冷媒を加熱する冷媒加熱部を備え、
    前記空気冷却部が、前記第2低圧側冷媒管路に配置されて当該管路を通流する冷媒と前記除湿通路を通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成され、
    前記空気加熱部が、前記第2高圧側冷媒管路に配置されて当該管路を通流する冷媒と前記加湿通路を通流する空気との熱交換を行う熱交換器で構成されている空気調和システム。
  2. 前記冷媒圧縮機の駆動源がガスエンジンであり、
    前記冷媒加熱部が、前記ガスエンジンの排熱との熱交換により冷媒を加熱する請求項1に記載の空気調和システム。
  3. 前記冷媒圧縮機から前記第2高圧側冷媒管路への冷媒の分配流量を調整可能な冷媒分配流量調整弁を備え、
    前記室内の温度を目標温度に維持するように前記冷媒圧縮機の回転速度を制御する調温制御手段と、
    前記室内の湿度を目標湿度に維持するように前記冷媒分配流量調整弁の開度を制御する調湿制御手段とを備えた請求項1又は2に記載の空気調和システム。
  4. 前記空気冷却部及び前記空気加熱部として機能する熱交換器として、前記吸着材を空気側表面に設けた第1吸着熱交換器及び第2吸着熱交換器を備え、
    前記第1吸着熱交換器を前記空気冷却部として機能させた状態で前記第1吸着熱交換器が配置された第1通路を前記除湿通路とすると共に、前記第2吸着熱交換器を前記空気加熱部として機能させた状態で前記第2吸着熱交換器が配置された第2通路を前記加湿通路とする第1状態と、前記第1吸着熱交換器を前記空気加熱部として機能させた状態で前記第1通路を前記加湿通路とすると共に、前記第2吸着熱交換器を前記空気冷却部として機能させた状態で前記第2通路を前記除湿通路とする第2状態との間で、前記吸着式調湿装置における冷媒と空気との通流状態を所定時間間隔で切り替えて、前記吸着材に対する前記吸湿処理と前記再生処理とを行う吸湿再生切替手段を備えた請求項1〜3の何れか1項に記載の空気調和システム。
  5. 冷房運転と暖房運転とを切り替える冷暖房切替手段を備え、
    前記冷暖房切替手段が、冷房運転時においては、室外を前記加熱対象空間とすると共に室内を前記冷却対象空間とし、暖房運転時においては、室内を前記加熱対象空間とすると共に室外を前記冷却対象空間とするように、前記吸着式調湿装置における冷媒と空気の通流状態並びに前記圧縮式ヒートポンプ装置における冷媒の通流状態を切り替える請求項1〜4の何れか1項に記載の空気調和システム。
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