JP2015111227A - 液晶配向剤、液晶配向膜並びに液晶表示素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜並びに液晶表示素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶媒を洗浄液として用いた場合の洗浄耐性(耐溶剤性)が良好な液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供する。
【解決手段】液晶配向剤は、1分子中に1個のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(A)と、1分子中に2個以上のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(B)とをモノマー組成に含む重合により得られる重合体(S)を含有する。また、重合体(S)の重合に使用するアルコキシシラン化合物(B)が、アルコキシシラン化合物(A)に対して3〜30モル%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜並びに液晶表示素子及びその製造方法に関する。
液晶表示素子としては、TN(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型などに代表される、正の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる水平配向モードの液晶表示素子のほか、負の誘電異方性を有するネマチック液晶を用いる垂直(ホメオトロピック)配向モードのVA(Vertical Alignment)型液晶表示素子など各種液晶表示素子が知られている。これら液晶表示素子は、液晶分子を一定の方向に配向させる機能を有する液晶配向膜を具備している。この液晶配向膜を構成する材料としては、ポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリオルガノシロキサンなどが知られており、特にポリアミック酸またはポリイミドからなる液晶配向膜が、耐熱性、機械的強度、液晶分子との親和性に優れることなどから、古くから好ましく使用されている(特許文献1〜3参照)。液晶表示素子の製造に際し、液晶配向膜は、これら重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を用いて形成される。
また、特許文献4には、3官能及び4官能の加水分解性シラン化合物の混合物をシュウ酸及びアルコールの存在下に反応させて得られたポリオルガノシロキサンを含有する液晶配向剤が開示されている。同特許文献4では、かかる液晶配向剤から形成された液晶配向膜が垂直配向性及び耐熱性に優れると説明されている。
また近年、PSA(Polymer Sustained Alignment)モードの液晶表示素子が提案された。PSAモードは、パターン状導電膜付き基板を少なくとも1枚含む一対の基板の間隙に、重合性化合物を含有する液晶組成物を狭持し、導電膜間に電圧を印加した状態で紫外線を照射して重合性化合物を重合することによりプレチルト角特性を発現させて液晶の配向方向を制御しようとする技術である。この技術によると、導電膜を特定の構成とすることにより視野角の拡大及び液晶分子応答の高速化を図ることができ、MVA型パネルにおいて不可避であった透過率及びコントラストの不足の問題も解消される。
また最近になって、PSAモードに代わるさらに新たな表示モードに関する技術が提案された(特許文献5)。この技術は、光官能性を有するシンナメート構造を有するポリイミド薄膜に無偏光の紫外線を照射し、シンナメート構造の光異性化による分子の回転を利用して所望のプレチルト角発現性を付与することを意図したものである。
特開平4−153622号公報 特開昭56−91277号公報 特開平11−258605号公報 特開平9−281502号公報 米国特許出願公開第2009/0325453号明細書
上記の各種方法において液晶配向剤を用いて形成された塗膜は、塗膜表面に付着した異物を取り除くこと等を目的として有機溶媒を用いて洗浄されることがある。この洗浄工程では、通常、液晶配向剤に含有される重合体成分の貧溶媒が洗浄液として使用される。その一方で、同工程による洗浄に際し、塗膜表面と洗浄液とが接触することにより洗浄液に重合体成分が溶解されることがある。かかる場合、塗膜の膜厚が減少し、形成される液晶配向膜において所望の液晶配向性や電気特性を発現できないといったことが懸念される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、有機溶媒を洗浄液として用いた場合の洗浄耐性(耐溶剤性)が良好な液晶配向膜を与える液晶配向剤を提供することにある。
本発明によれば、上記課題は、1分子中に1個のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(A)と、1分子中に2個以上のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(B)とをモノマー組成に含む重合により得られる重合体(S)を含有し、前記重合体(S)の重合に使用する前記アルコキシシラン化合物(B)が、前記アルコキシシラン化合物(A)に対して3〜30モル%である液晶配向剤によって達成される。こうした重合体(S)は、例えばアルカリ金属化合物又は有機塩基の存在下に、アルコキシシラン(A)とアルコキシシラン(B)を加水分解又は加水分解・縮合する工程を経て合成してもよい。
本発明の液晶配向剤は、形成された塗膜を有機溶媒によって洗浄した場合の洗浄耐性が良好な液晶配向膜を与えることができる。従って本発明の液晶配向剤により得られた液晶配向膜は、洗浄後においても十分な膜厚を有しており、例えば従来から知られているVA型の液晶表示素子、PSAモードまたはさらに新しい表示モードの液晶表示素子に適用しても所期の表示品位を実現することができる。また、製品歩留まりの観点からも有利である。
スリット状にパターニングされた透明電極の電極パターンを示す図。 FFS型液晶表示素子の概略構成図。 トップ電極の平面模式図。(a)はトップ電極の上面図であり、(b)はトップ電極の部分拡大図である。
本発明の液晶配向剤は、アルコキシシラン化合物をモノマー組成に含む重合により得られる重合体(S)を含有する。以下に、本発明の液晶配向剤に含まれる各成分、及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分について説明する。
<重合体(S)>
重合体(S)は、モノマーとして、1分子中に1個のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(A)と、1分子中に2個以上のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(B)とを用いて得られる重合体である。
(アルコキシシラン化合物(A))
上記アルコキシシラン化合物(A)は、アルコキシシリル基を1つ有する限り特に限定せず、モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、テトラアルコキシシランのいずれであってもよい。また、アルコキシシラン化合物(A)は、例えばエポキシ基、ビニル基、アリル基、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、メルカプト基等の官能基を有していてもよい。
アルコキシシラン化合物(A)として具体的には、例えばモノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン及びトリアルコキシシランの具体例として、例えば、
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、2−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、2−グリシドキシエチルジメチルメトキシシラン、2−グリシドキシエチルジメチルエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルメチルジメトキシシラン、4−グリシドキシブチルメチルジエトキシシラン、4−グリシドキシブチルジメチルメトキシシラン、4−グリシドキシブチルジメチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン化合物;
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリクロロシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、4−(メタ)アクリロキシブチルトリクロロシラン、4−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、4−(メタ)アクリロキシブチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシノニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシウンデシルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シラン化合物;
メチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルジクロロシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、クロロジメチルシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、クロロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン、ヨードトリメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等のその他のシラン化合物;などが挙げられる。また、テトラアルコキシシランの具体例としては、例えばテトラブトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリロキシ」は、「アクリロキシ」及び「メタクリロキシ」を含む意味である。上記アルコキシシラン化合物(A)は、上記の中の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
アルコキシシラン化合物(A)は、重合体(S)の分子量を高くする点などから、トリアルコキシシランを含むことが好ましい。トリアルコキシシランの使用割合は、反応に使用するアルコキシシラン化合物(A)の合計量に対して、80モル%以上とすることが好ましく、90モル%以上とすることがより好ましく、95モル%以上とすることが更に好ましい。
アルコキシシラン化合物(A)としてテトラアルコキシシランを使用する場合、その使用割合は、アルコキシシラン化合物(A)とアルコキシシラン化合物(B)との総モル数に対して30モル%以下であることが好ましい。上記範囲とすることにより、合成により得られる重合体(S)の分子量を好ましい範囲にすることができる。また、重合体(S)のゲル化や析出を抑えることができ、保存安定性に優れた重合体溶液を得ることができる。より好ましくは20モル%以下であり、さらに好ましくは15モル%である。
(アルコキシシラン化合物(B))
上記アルコキシシラン化合物(B)は、アルコキシシリル基を2つ以上有する限り特に限定しないが、例えば下記式(B’)で表される化合物等が挙げられる。
(式(B’)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、X11はh価の有機基である。hは2〜4の整数であり、iは1〜3の整数である。)
上記式(B’)におけるR11及びR12は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。好ましくは炭素数1〜3であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
11の有機基としては、例えば鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基等の炭化水素基や、鎖状炭化水素基におけるメチレン基が−O−、−CO−、−COO−、−NH−、−CONH−等で置換された基、複素環を有する基などが挙げられる。X11の炭素数は1〜20であることが好ましく、2〜15であることがより好ましい。
hは2〜4であり、2又は3であることがより好ましい。
アルコキシシラン化合物(B)の好ましい具体例としては、例えば下記式(B−1)〜(B−3)のそれぞれで表される化合物等を挙げることができる。
(式(B−1)〜(B−3)中、Rは炭素数1〜6のアルキル基であり、1分子内で同じでも異なっていてもよい。Xは窒素原子を有する2価の基である。j1は1〜20の整数であり、j2はそれぞれ独立に1〜6の整数であり、j3はそれぞれ独立に1〜6の整数である。)
上記式(B−1)〜(B−3)におけるRは、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基であることがより好ましい。上記式(B−3)のXとしては、例えば−NH−、ピペリジン環、ピペラジン環等が挙げられる。なお、アルコキシシラン化合物(B)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体(S)の合成に使用するアルコキシシラン化合物(B)の使用割合は、アルコキシシラン化合物(A)の総モル数に対して、3〜30モル%であることが好ましい。3モル%未満であると、得られる重合体の分子量が小さく、耐溶剤性に劣る傾向にある。また、30モル%よりも多くすると、重合体のゲル化や析出が生じやすく、保存安定性の点で劣る。より好ましくは3〜20モル%の範囲であり、更に好ましくは5〜20モル%の範囲である。液晶配向剤にポリオルガノシロキサンを含有させる場合に重合体(S)を用いることにより、重合体成分の高分子量化を図ることができ、液晶配向膜の耐溶剤性を良好にすることができる。
重合体(S)は、エポキシ基を有することが好ましい。重合体(S)が、エポキシ基を有するポリオルガノシロキサン(以下、「エポキシ基含有ポリオルガノシロキサン」ともいう。)である場合、エポキシ基としてはオキシラニル基が好ましい。オキシラニル基は、オキシラニル環を構成する炭素原子のうちの一方のみが結合手を有し、この結合手によってポリオルガノシロキサンのケイ素原子に対し直接又は結合基を介して結合していてもよく、あるいはオキシラニル環を構成する炭素原子のうちの双方が脂環を構成する炭素原子となっている環状オキシラニル構造であってもよい。重合体(S)としてのエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンは、例えばアルコキシシラン化合物(A)で例示した上記エポキシ基含有シラン化合物をモノマー組成に含む重合によって得ることができる。
重合体(S)は、液晶配向剤の用途に応じて特定の官能基を有することが好ましい。例えば、本発明の液晶配向剤をVA型の液晶表示素子の製造に用いる場合、重合体(S)は、特定の官能基として、液晶分子を配向させる機能を有する基(以下、「液晶配向性基」ともいう。)を有していることが好ましい。また、PSAモード等といった、液晶セルの構築後に該液晶セルの外側から光照射することによって液晶分子の配向規制力を高めるモードに適用する場合には、重合体(S)は、特定の官能基として重合性二重結合を含む基を有していることが好ましい。液晶配向剤により形成した高分子薄膜に対して光配向法により液晶配向能を付与する場合、重合体(S)は、特定の官能基として、光照射による光異性化反応又は光二量化反応によって膜に異方性を付与可能な官能基(以下、「光配向性基」ともいう。)を有していることが好ましい。
[液晶配向性基]
上記液晶配向性基は、液晶配向剤により形成した高分子薄膜にプレチルト角を付与可能な基であり、例えば下記式(D’)
(式(D’)中、Rは炭素数1〜40のアルキル基、炭素数1〜40のフルオロアルキル基、シアノ基若しくはフッ素原子であるか、又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の炭化水素基である。Zは、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がR側である。)である。RIIは、シクロへキシレン基又はフェニレン基であり、環に結合する水素原子がシアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基又は炭素数1〜3のアルキル基によって置換されていてもよい。n1は1又は2であり、ただしn1が2であるとき、2個のRIIは互いに同一であっても異なっていてもよい。n2は0又は1である。ZIIは、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がRII側である。)である。n3は0〜2の整数であり、n4は0又は1である。)
で表される基などを挙げることができる。重合体(S)がこのような上記式(D’)で表される基を有することにより、これを含有する液晶配向剤から形成された膜は良好な液晶配向能を発揮することとなり好ましい。
上記式(D’)のRについて、炭素数1〜40のアルキル基としては、直鎖状のものが好ましく、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ヘキサデシル基、ステアリル基などを;炭素数1〜40のフルオロアルキル基としては、直鎖状のものが好ましく、具体的には、例えば3−トリフルオロメチルプロピル基、4−トリフルオロメチルブチル基、6−トリフルオロメチルヘキシル基、10−トリフルオロメチルデシル基、3−ペンタフルオロエチルプロピル基、4−ペンタフルオロエチルブチル基、8−ペンタフルオロエチルオクチル基、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロデシル基などを;上記ステロイド骨格を有する17〜51の炭化水素基としては、例えば3−コレスタニル基、3−コレステニル基、3−ラノスタニル基、3−コラニル基、3−プレグナル基、3−アンドロスタニル基、3−エストラニル基などを、それぞれ挙げることができる。
がアルキル基又はフルオロアルキル基であってn2及びn4の双方が0であるとき、Rのアルキル基又はフルオロアルキル基は炭素数4〜40の直鎖状であることが好ましい。
上記式(D’)におけるRIIのシクロへキシレン基及びフェニレン基は、それぞれ、1,4−シクロへキシレン基及び1,4−フェニレン基であることが好ましい。上記式(D’)において「−(RIIn1−」で表される2価の基としては、n1が1である場合として、例えば1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基などを;n1が2である場合として、例えば4,4’−ビフェニレン基、4,4’−ビシクロへキシレン基、下記式
(式中、「*」を付した結合手がZに結合する。)
のそれぞれで表される基などを、それぞれ好ましいものとして挙げることができる。
上記式(D’)におけるn3は、2であることが好ましい。また、上記式(D’)で表される基の好ましい一例としては、n2が1であるか、あるいはn2が0であってRがステロイド骨格を有する炭素数17〜51の炭化水素基である基が挙げられる。
本発明の液晶配向剤をVA型の液晶表示素子の製造に用いる場合、重合体(S)における液晶配向性基の存在割合は、重合体(S)に含まれるケイ素原子の1モルに対して、0.7モル以下の割合であることが好ましく、0.5モル以下の割合であることがより好ましく、0.1〜0.5モルの割合であることが更に好ましい。
[重合性二重結合を含む基]
上記重合性二重結合を含む基としては、例えば下記式(A)で表される基などを挙げることができる。
(式(A)中、Rは水素原子又はメチル基であり、X及びXIIは、それぞれ、1,4−フェニレン基、炭素数1〜8のアルカンジイル基であり、Zは酸素原子、−COO−又は−OCO−(ただし、「*」を付した結合手がXIIに結合する。)であり、a、b、c及びdは、それぞれ0又は1である。ただし、cが0であってdが1であるとき、XIIは1,4−フェニレン基であり、bが0であるときdは0である。)
上記式(A)における基Zは酸素原子であることが好ましい。
上記式(A)で表される基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、p−スチリル基、(メタ)アクリロキシメチル基、2−((メタ)アクリロキシ)エチル基、3−((メタ)アクリロキシ)プロピル基、4−((メタ)アクリロキシ)ブチル基、5−((メタ)アクリロキシ)ペンチル基、6−((メタ)アクリロキシ)ヘキシル基、7−((メタ)アクリロキシ)ヘプチル基、8−((メタ)アクリロキシ)オクチル基、9−((メタ)アクリロキシ)ノニル基、10−((メタ)アクリロキシ)デシル基、4−(2−((メタ)アクリロキシ)エチル)フェニル基、2−((4−(メタ)アクリロキシ)フェニル)エチル基、4−((メタ)アクリロキシメチル)フェニル基、4−(メタ)アクリロキシフェニルメチル基、4−(3−((メタ)アクリロキシ)プロピル)フェニル基、3−(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロピル基、4−((メタ)アクリロキシメトキシ)フェニル基、4−(2−((メタ)アクリロキシ)エトキシ)フェニル基、4−(3−((メタ)アクリロキシ)プロポキシ)フェニル基、(メタ)アクリロキシメトキシメチル基、2−((メタ)アクリロキシメトキシ)エチル基、2−(2−((メタ)アクリロキシエトキシ)エチル基、2−(2−(2−((メタ)アクリロキシ)エトキシ)エトキシ)エチル基、3−(3−((メタ)アクリロキシ)プロポキシ)プロピル基、アクリロキシメチル基、6−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキサノイル]オキシ}ヘキシル基などを挙げることができる。これらの中でもビニル基、アリル基、p−スチリル基、(メタ)アクリロキシメチル基、2−((メタ)アクリロキシ)エチル基、3−((メタ)アクリロキシ)プロピル基及び6−{[6−(アクリロイルオキシ)ヘキサノイル]オキシ}ヘキシル基を好ましい基として挙げることができる。
上記重合性二重結合を含む基は、好ましくは上記式(A)で表される基、より好ましくは上記に例示した具体的な基のうちから選択される1種以上の基である。液晶セル構築後の光照射によって液晶分子の配向規制力を十分に高める点において、重合体(S)は、重合性二重結合を含む基を、重合体(S)に含まれるケイ素原子の1モルに対して、0.01〜0.80モルの割合で含有することが好ましく、0.02〜0.70モルの割合で含有することがより好ましく、0.2〜0.60モルの割合で含有することがさらに好ましい。また、本発明の液晶配向剤が、重合体(S)として、重合性二重結合を含む基を有する重合体を含有する場合、塗膜形成時の加熱処理により分子間の架橋をさらに促進させることができる点で好ましい。
[光配向性基]
上記光配向性基は、光に対する感度が高い点や重合体に導入しやすい点で、下記式(B1)で表される構造を有することが好ましい。また、下記式(B1)で表される構造とともに、液晶配向剤に含有される重合体(S)に下記式(A1)で表される基をさらに含ませることにより、高速応答性を高めることができる。
(式(B1)中、Rはフッ素原子又はシアノ基である。a’は0〜4の整数である。a’が2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
(式(A1)中、Rは、炭素数1〜30のアルカンジイル基、フェニレン基又はシクロヘキシレン基である。但し、これらの基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。Rは、二重結合、三重結合、エーテル結合及びエステル結合のうちのいずれかを含む連結基である。Rは、少なくとも2つの単環構造を有する基である。aは0又は1である。「*」は結合手を示す。)
上記式(A1)におけるRは、下記式(A2)で表されることが好ましい。
(式(A2)中、Rは、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、シクロヘキシレン基、ビシクロヘキシレン基、シクロへキシレンフェニレン基又は2価の複素環基である。これらの基が有する水素原子の一部又は全部は置換されていてもよい。Rは置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルカンジイル基、二重結合、三重結合、エーテル結合、エステル結合及び複素環基のうちのいずれかを含む連結基である。Rはベンゼン、ビフェニル、ナフタレン、シクロヘキサン、ビシクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン又は複素環化合物から(c+1)個の水素原子を除いた(c+1)価の基である。Rは、水素原子、シアノ基、フッ素原子、トリフルオロメチル基、アルコキシカルボニル基、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメトキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基である。bは0又は1である。cは1〜9の整数である。dは1又は2である。R、R、R及びbがそれぞれ複数の場合、複数のR、R、R及びbはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。*は結合手を示す。)
なお、重合体(S)が、上記特定の官能基のうちの複数種を有している場合、各官能基のすべてが単一種の重合体(S)に含有されていてもよく、所望の官能基のうちの一部を有する重合体(S)と、残りの官能基を有する重合体(S)との混合物として使用してもよい。もちろん、重合体(S)として3種類以上のポリオルガノシロキサンを混合して使用してもよいし、同じ官能基を有する2種類以上のポリオルガノシロキサンを混合して使用してもよい。どのような態様であってもよいから、単一物又は混合物である重合体(S)としてのポリオルガノシロキサンが、全体として上記の各官能基を上記の範囲で有していればよい。従って、重合体(S)を複数種のポリオルガノシロキサンの混合物として使用する場合、上記の各官能基の好ましい範囲は、それぞれ、ポリオルガノシロキサン混合物の全量を基準としたモル数であると理解するべきである。
(重合体(S)の合成)
重合体(S)は、上記の如きアルコキシシラン化合物(A)及びアルコキシシラン化合物(B)と水とを、好ましくは適当な触媒及び有機溶媒の存在下で反応させることにより合成することができる。この加水分解・縮合反応に際し、水の使用割合は、合成に使用するシラン化合物(合計量)1モルに対して、好ましくは0.5〜100モルであり、より好ましくは1〜30モルである。
加水分解・縮合反応の際に使用することができる触媒としては、例えば酸、アルカリ金属化合物、有機塩基、チタン化合物、ジルコニウム化合物などを挙げることができ、酸、アルカリ金属化合物又は有機塩基であることが好ましい。これらの具体例としては、酸として、例えばシュウ酸、リン酸、酢酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸等を;アルカリ金属化合物として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド等を;上記有機塩基として、例えば1〜2級有機アミン、3級の有機アミン、4級の有機アミン等を、それぞれ挙げることができる。
上記触媒としては、エポキシ基の開環などの副反応を抑制できる点や、加水分解縮合速度を速くできる点、保存安定性に優れている点などにおいて、これらの中でもアルカリ金属化合物又は有機塩基が好ましく、特に有機塩基が好ましい。有機塩基としては、3級の有機アミン又は4級の有機アミンが好ましく、例えばトリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジンの如き3級の有機アミン:テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの如き4級の有機アミンなどを;それぞれ挙げることができる。有機塩基の使用量は、有機塩基の種類、温度などの反応条件などにより異なり、適宜に設定されるべきであるが、例えば全シラン化合物に対して、好ましくは0.01〜3倍モルであり、より好ましくは0.05〜1倍モルである。
上記の加水分解・縮合反応の際に使用することができる有機溶媒としては、例えば炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコールなどを挙げることができる。それらの具体例としては、炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなどを;ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノンなどを;エステルとして、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸i−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;エーテルとして、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどを;アルコールとして、例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどを;それぞれ挙げることができる。これらのうち非水溶性の有機溶媒を用いることが好ましい。なお、これらの有機溶媒は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
加水分解縮合反応における有機溶媒の使用割合は、反応に使用する全シラン化合物100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部であり、より好ましくは50〜1,000重量部である。
上記の加水分解・縮合反応は、上記の如きシラン化合物を有機溶媒に溶解し、この溶液を有機塩基及び水と混合して、例えば油浴などにより加熱して実施することが好ましい。加水分解・縮合反応時には、加熱温度を130℃以下とすることが好ましく、40〜100℃とすることがより好ましい。加熱時間は、0.5〜12時間とすることが好ましく、1〜8時間とすることがより好ましい。加熱中は、混合液を撹拌してもよいし、還流下に置いてもよい。また、反応終了後において、反応液から分取した有機溶媒層を水で洗浄することが好ましい。この洗浄に際しては、少量の塩を含む水(例えば、0.2重量%程度の硝酸アンモニウム水溶液など)を用いて洗浄することにより、洗浄操作が容易になる点で好ましい。洗浄は、洗浄後の水層が中性になるまで行い、その後、有機溶媒層を、必要に応じて無水硫酸カルシウム、モレキュラーシーブなどの乾燥剤で乾燥した後、溶媒を除去することにより重合体(S)を得ることができる。
上記重合体(S)がエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンである場合、そのエポキシ基の存在割合は、当該エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンに含まれるケイ素原子の1モルに対して、0.05〜1モルの割合であることが好ましく、0.10〜1モルの割合であることがより好ましい。
重合体(S)が上記特定の官能基を有するポリオルガノシロキサン(以下、「特定基含有ポリオルガノシロキサン」ともいう。)である場合、当該重合体は有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。例えば、(i)上記特定の官能基を有する加水分解性のシラン化合物をモノマー組成に含む重合によって合成する方法;(ii)エポキシ基等の官能基を有するポリオルガノシロキサンと、当該ポリオルガノシロキサンが有する官能基と反応して結合を形成しうる官能基(例えばカルボキシル基など)及び上記特定の官能基を有する化合物と、を反応させることにより合成することができる。なお、上記(ii)の方法では、エポキシ基とカルボキシル基との反応によって上記特定の官能基を導入する場合に限らず、例えば(メタ)アクリロイル基とメルカプト基との反応や、(メタ)アクリロイル基とアミノ基との反応を利用してもよい。上記の中でも、簡便であり、しかも特定の官能基の導入率を高くできる点で、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応によることが好ましい。上記特定の官能基を有する加水分解性のシラン化合物及び上記特定の官能基を有する化合物の使用割合は、得られる重合体(S)における上記特定の官能基の濃度がそれぞれ上記好ましい数値範囲となるように調整することが好ましい。
<エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応>
エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応によって重合体(S)としての特定基含有ポリオルガノシロキサンを合成する場合、当該反応は、好ましくは適当な触媒及び適当な有機溶媒の存在下で行われる。
エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応において使用される触媒としては、例えば有機塩基を好適に使用することができるほか、エポキシ化合物と酸無水物との反応を促進するいわゆる硬化促進剤を使用することができる。
上記有機塩基としては例えば1級又は2級の有機アミン、3級有機アミン、4級有機アミン塩などを;上記硬化促進剤としては例えば3級アミン(ただし、有機塩基としての3級有機アミンは除く)、イミダゾール誘導体、有機リン化合物、4級ホスフォニウム塩、ジアザビシクロアルケン、有機金属化合物、ハロゲン化4級アンモニウム、金属ハロゲン化合物、潜在性硬化促進剤等などを、それぞれ挙げることができる。上記潜在性硬化促進剤等としては、例えば高融点分散型潜在性硬化促進剤(例えばアミン付加型促進剤など)、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化剤促進剤、高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤などを挙げることができる。これらのうち、4級有機アミン塩又はハロゲン化4級アンモニウムを使用することが好ましい。
かかる触媒の具体例としては、上記4級有機アミン塩として、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどを;上記ハロゲン化4級アンモニウムとして、例えばテトラエチルアンモニウムブロミド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドなどを;それぞれ挙げることができる。上記触媒としては、これらのうちから選択される1種以上を用いることができる。触媒の使用割合は、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンの100重量部に対して、好ましくは0.01〜100重量部であり、より好ましくは0.1〜20重量部である。
エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンとカルボン酸との反応において使用する有機溶媒としては、例えばケトン、エーテル、エステル、アミド、アルコールなどを挙げることができる。かかる有機溶媒の具体例としては、上記ケトンとして例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどを;上記エーテルとして例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどを;
上記エステルとして例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチルなどを;上記アミドとして例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどを;
上記アルコールとして例えば1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテルなどを、それぞれ挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を用いることができる。
有機溶媒の使用割合は、反応溶液中の有機溶媒以外の成分の合計重量が反応溶液の全量
に占める割合として、0.1〜50重量%となる割合とすることが好ましく、5〜50重
量%となる割合とすることがより好ましい。
上記重合体(S)につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、500〜1,000,000であることが好ましく、5,000〜200,000であることがより好ましく、5,000〜150,000であることがさらに好ましい。ただし、重合体(S)が、上記特定の官能基を有する化合物を用いて変性した変性重合体である場合には、その変性前の重合体の重量平均分子量が上記範囲であることが好ましい。上記重合体(S)として2種類以上のポリオルガノシロキサンの混合物を液晶配向剤中に含む場合、混合物の全体として上記の分子量を充足していればよいが、各ポリオルガノシロキサンのそれぞれが上記の分子量を充足していることが好ましい。
<他の重合体>
本発明の液晶配向剤は、重合体成分として上記重合体(S)以外の重合体(以下、「他の重合体」と称することがある。)を含有していてもよい。当該他の重合体は、液晶配向剤の溶液特性及び得られる液晶表示素子の電気特性を改善するために使用できる。他の重合体としては、例えばアルコキシシラン化合物(A)のみをモノマーとして用いる重合により得られる重合体(以下、「他のポリオルガノシロキサン」とも称する。)、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。他の重合体としては、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選択される少なくとも1種(以下、「重合体(P)」とも称する。)か、他のポリオルガノシロキサンか、あるいは重合体(P)と他のポリオルガノシロキサンとの混合物であることが好ましく、重合体(P)を含むものであることがより好ましい。
[重合体(P);ポリアミック酸]
重合体(P)としてのポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることにより得られる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。それらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン等が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物等が挙げられる。その他、特願2010−97188号に記載のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸二無水物のうち、脂環式テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物又は1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を含むことがより好ましく、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を含むことが特に好ましい。
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物及び1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物の少なくともいずれかを含む場合、その合計の使用量は、ポリアミック酸の合成に使用する全テトラカルボン酸二無水物に対して、10モル%以上とすることが好ましく、20モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることがさらに好ましい。
ポリアミック酸の合成に使用するジアミン化合物としては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、ジアミノオルガノシロキサン、芳香族ジアミン等が挙げられる。これらジアミン化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。それらの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。脂環式ジアミンとしては、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。ジアミノオルガノシロキサンとしては、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン等が挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、ドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,4−ジアミノ−N,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン及び下記式(A−1)で表されるジアミン化合物等が挙げられる。
(式(A−1)中、Xは、炭素数1〜3のアルカンジイル基、−O−、−COO−又は−OCO−である。rは0又は1である。sは0〜2の整数である。tは1〜20の整数である。)
そのほか、特願2009−97188号に記載のジアミン化合物が挙げられる。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合としては、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2当量〜2当量が好ましく、0.3当量〜1.2当量がより好ましい。この合成反応は、有機溶媒中において行うことが好ましい。反応温度としては、−20℃〜150℃が好ましく、0℃〜100℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜24時間が好ましく、2時間〜12時間がより好ましい。
有機溶媒としては、合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール系溶媒等が挙げられる。また、合成に使用する有機溶媒としては、例えばアルコール、ケトン、エステル、エーテル、炭化水素、ハロゲン化炭化水素などといったポリアミック酸の貧溶媒を、合成されるポリアミック酸が析出しない範囲で併用してもよい。
有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の総量(b)と有機溶媒の使用量(a)の合計(a+b)に対して、0.1重量%〜50重量%とすることが好ましく、5重量%〜30重量%とすることがより好ましい。
上記反応により得られるポリアミック酸溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく、単離したポリアミック酸を精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。ポリアミック酸の単離方法としては、例えば反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで得られる析出物を減圧下乾燥する方法、反応溶液をエバポレーターで減圧留去する方法等が挙げられる。ポリアミック酸の精製方法としては、単離したポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解し、貧溶媒で析出させる方法、エバポレーターで有機溶媒等を減圧留去する工程を1回又は複数回行う方法が挙げられる。
[重合体(P);ポリアミック酸エステル]
上記重合体(P)としてのポリアミック酸エステルは、例えば[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸と、水酸基含有化合物やハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法などによって得ることができる。
ここで、方法[I]で使用する水酸基含有化合物としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;フェノール、クレゾール等のフェノール類などが挙げられる。また、ハロゲン化物としては、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化ステアリル、塩化メチル、塩化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン等が挙げられ、エポキシ基含有化合物としては、例えばプロピレンオキシド等が挙げられる。
方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、例えば上記ポリアミック酸の合成で例示したテトラカルボン酸二無水物を、上記のアルコール類を用いて開環することにより得ることができる。方法[II]の反応は、適当な脱水触媒の存在下で行うことが好ましい。脱水触媒としては、例えば4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムハライド、カルボニルイミダゾール、リン系縮合剤などが挙げられる。方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、例えば上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。
方法[II]及び方法[III]で使用するジアミンとしては、ポリアミック酸の合成で例示したジアミンを挙げることができる。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
[重合体(P);ポリイミド]
本発明における重合体(P)としてのポリイミドは、上記ポリアミック酸の有するアミック酸構造を脱水閉環してイミド化することにより製造することができる。ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有しているアミック酸構造の全てを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造とが併存している部分イミド化物であってもよい。
ポリイミドの合成方法としては、例えば(i)ポリアミック酸を加熱する方法、(ii)ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱する方法等が挙げられる。
方法(i)における反応温度としては、50℃〜200℃が好ましく、60℃〜170℃がより好ましい。反応温度が50℃未満では脱水閉環反応が十分に進行せず、反応温度が200℃を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下することがある。反応時間としては、0.5時間〜48時間が好ましく、2時間〜20時間がより好ましい。
方法(i)において得られるポリイミドは、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく、又は得られるポリイミドを精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。
方法(ii)において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物が挙げられる。脱水剤の使用量としては、所望のイミド化率により適宜選択されるが、ポリアミック酸のアミック酸構造1モルに対して0.01モル〜20モルとすることが好ましい。また、脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等が挙げられる。脱水閉環触媒の使用量としては、脱水剤1モルに対して0.01モル〜10モルが好ましい。なお、イミド化率は、上記脱水剤及び脱水閉環剤の含有量が多いほど高くできる。
方法(ii)に用いられる有機溶媒としては、例えばポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒と同様の有機溶媒等が挙げられる。方法(ii)における反応温度としては、0℃〜180℃が好ましく、10℃〜150℃がより好ましい。反応時間としては、0.5時間〜20時間が好ましく、1時間〜8時間がより好ましい。反応条件を上記範囲とすることで脱水閉環反応が十分に進行し、また、得られるポリイミドの分子量を適切なものとすることができる。
方法(ii)では、ポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤の調製に供してもよく、ポリイミドを単離した上で液晶配向剤の調製に供してもよく又は単離したポリイミドを精製した上で液晶配向剤の調製に供してもよい。反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除く方法としては、例えば溶媒置換の方法等が挙げられる。ポリイミドの単離方法及び精製方法としては、例えばポリアミック酸の単離方法及び精製方法として例示したものと同様の方法等が挙げられる。
重合体(P)は、これを濃度10重量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、重合体(P)の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
重合体(P)におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、5,000〜350,000であることが好ましく、10,000〜250,000であることがより好ましい。
[他のポリオルガノシロキサン]
上記他のポリオルガノシロキサンは、上記アルコキシシラン化合物(A)の加水分解・縮合反応により得ることができる。上記他のポリオルガノシロキサンの合成に使用するアルコキシシラン化合物(A)の具体例としては、上記重合体(S)の合成に使用することができるアルコキシシラン化合物(A)の例示を適用することができる。他のポリオルガノシロキサンとしては、例えば下記式(a1)で表される構造単位を有するポリオルガノシロキサン及びその加水分解物、並びにその加水分解物の縮合物等が挙げられる。
(式(a1)中、Xは、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基である。Yは、水酸基又は炭素数1〜10のアルコキシ基である。)
上記他のポリオルガノシロキサンは、その大部分が重合体(S)とは独立して存在していてもよく、又はその一部が重合体(S)との縮合物として存在していてもよい。
上記他のポリオルガノシロキサンにつき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、500〜1,000,000であることが好ましく、1,000〜150,000であることがより好ましく、1,000〜100,000であることがさらに好ましい。
本発明の液晶配向剤が、重合体(S)とともに他の重合体として重合体(P)を含有する場合、両者の好ましい使用割合は、重合体(S)100重量部に対して重合体(P)の合計の使用量が、100重量部〜100,000重量部であることが好ましく、100重量部〜5,000重量部であることがより好ましく、200重量部〜3,000重量部であることがさらに好ましい。
一方、本発明の液晶配向剤が、他の重合体として他のポリオルガノシロキサンを含有する場合、重合体(S)100重量部に対して他のポリオルガノシロキサンの合計の使用量を2000重量部以下とすることができる。好ましくは1,000重量部以下であり、より好ましくは500重量部以下である。
液晶配向剤中における重合体(S)の含有割合は、重合体成分の全体量100重量部に対し、100重量部以下の範囲で適宜設定することができる。形成される塗膜の耐溶剤性を良好にする観点からすると、重合体(S)の含有割合は、液晶配向剤に含まれる全重合体100重量部に対して、0.1重量部以上であることが好ましく、0.5重量部以上であることがより好ましく、1重量部以上であることがさらに好ましい。また、他の重合体により液晶表示素子の電気特性を改善させる観点から、重合体(S)の含有割合は、液晶配向剤に含まれる全重合体100重量部に対して、50重量部以下であることが好ましく、25重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることがさらに好ましい。
<その他の成分>
本発明の液晶配向剤は、本発明の効果を損なわない限り、重合体成分以外に、例えば硬化剤、硬化触媒、硬化促進剤、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ化合物」とも称する。)、官能性シラン化合物、界面活性剤等のその他の成分を含有してもよい。
[硬化剤、硬化触媒及び硬化促進剤]
硬化剤及び硬化触媒は、液晶配向剤に配合される重合体がエポキシ基を有する場合に、エポキシ構造間の架橋反応を更に促進させる目的で使用することができる。硬化促進剤は、硬化剤の司る硬化反応を促進する目的で使用することができる。
硬化剤としては、例えばシクロヘキサン−1,3,4−トリカルボン酸−3,4−無水物、シクロヘキサン−1,3,5−トリカルボン酸−3,5−無水物、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、下記式(6)
(式(6)中、xは1〜20の整数である。)
で表される化合物、ポリアミック酸の合成に一般に用いられるテトラカルボン酸二無水物の他、α−テルピネン、アロオシメン等の共役二重結合を有する脂環式化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応生成物及びこれらの水素添加物などを挙げることができる。
上記硬化触媒としては、例えば6フッ化アンチモン化合物、6フッ化リン化合物、アルミニウムトリスアセチルアセトナート等を用いることができる。これらの触媒は、加熱によりエポキシ基のカチオン重合を触媒することができる。上記硬化促進剤としては、例えばイミダゾール化合物;4級リン化合物;4級アミン化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物;三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニル等のホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物;ジシアンジアミド、アミンとエポキシ樹脂との付加物等のアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤;4級ホスフォニウム塩等の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;アミン塩型潜在性硬化促進剤;ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等が挙げられる。
液晶配向剤に硬化剤、硬化触媒又は硬化促進剤を含有させる場合、その含有割合としては、上記重合体(S)と他の重合体との合計100重量部に対して、好ましくは20重量部以下であり、より好ましくは10重量部以下である。
[エポキシ化合物]
エポキシ化合物は、形成される液晶配向膜の基板表面に対する接着性を向上させる目的で液晶配向剤に含ませることができる。エポキシ化合物の具体例としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。なお、液晶配向剤がエポキシ化合物を含有する場合、その架橋反応を効率良く起こす目的で、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等の塩基触媒を併用してもよい。
液晶配向剤にエポキシ化合物を含有させる場合、その含有割合としては、上記重合体(S)と任意的に使用される他の重合体との合計100重量部に対して、好ましくは0.01重量部〜40重量部、より好ましくは0.1重量部〜30重量部である。
[官能性シラン化合物]
官能性シラン化合物は、得られる液晶配向膜の基板との接着性を向上する目的で使用することができる。官能性シラン化合物の具体例としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
液晶配向剤に官能性シラン化合物を含有させる場合、その含有割合は、上記重合体(S)と任意的に使用される他の重合体との合計100重量部に対して、50重量部以下とすることが好ましく、20重量部以下とすることがより好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、例えばノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、ポリアルキレンオキシド界面活性剤、含フッ素界面活性剤等が挙げられる。液晶配向剤に界面活性剤を含有させる場合、その含有割合としては、液晶配向剤の全体量100重量部に対して、好ましくは10重量部以下であり、より好ましくは1重量部以下である。
<液晶配向剤の調製>
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び必要に応じて任意に配合されるその他の成分が、好ましくは有機溶媒に溶解又は分散された溶液状の組成物として調製される。
本発明の液晶配向剤の調製に使用することのできる有機溶媒としては、重合体(S)並びに任意的に使用される他の重合体及びその他の成分を溶解し、かつこれらと反応しないものが好ましい。当該有機溶媒は、任意的に添加される他の重合体の種類により異なる。具体的には、本発明の液晶配向剤が、重合体(S)及び重合体(P)を含有する場合における好ましい有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして上記に例示した有機溶媒が挙げられる。このとき、本発明のポリアミック酸の合成に用いてもよい貧溶媒として例示した溶媒を併用してもよい。
一方、液晶配向剤が、重合体成分として重合体(S)のみを含有する場合、又は重合体(S)及び他のポリオルガノシロキサンを含有する場合における好ましい有機溶媒としては、例えば1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコール、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸n−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸オクチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル等が挙げられる。
上記有機溶媒は、他の重合体の使用の有無及びその種類に従って、上記した有機溶媒の1種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記有機溶媒としては、下記の好ましい固形分濃度において液晶配向剤に含有される各成分が析出せず、かつ液晶配向剤の表面張力が25〜40mN/mの範囲となるものであることが好ましい。
液晶配向剤の固形分濃度、すなわち液晶配向剤中の溶媒以外の全成分の重量が液晶配向剤の全重量に占める割合は、粘性、揮発性等を考慮して選択されるが、好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜を形成するが、固形分濃度を1重量%以上とすることにより十分な膜厚の塗膜となり、各種特性が良好な液晶配向膜を得ることができる。一方、固形分濃度を10重量%以下とすることにより塗膜の膜厚が過大となることを抑制して良好な液晶配向膜を得ることができる。また、液晶配向剤の粘性が増大することを防止して塗布特性を良好なものとすることができる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に採用する方法によって異なる。例えば、スピンナー法による場合には1.5重量%〜4.5重量%の範囲が好ましい。印刷法による場合には、固形分濃度を3重量%〜9重量%の範囲とし、それによって溶液粘度を12mPa・s〜50mPa・sの範囲とすることが好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1重量%〜5重量%の範囲とし、それによって溶液粘度を3mPa・s〜15mPa・sの範囲とすることが好ましい。液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは、0℃〜200℃、より好ましくは0℃〜40℃である。
<液晶表示素子の製造方法>
本発明の液晶表示素子は、上記のような本発明の液晶配向剤を用いて形成した液晶配向膜を具備するものである。本発明の液晶表示素子の駆動モードは特に限定せず、種々の駆動モードに適用することができる。
例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型などの液晶表示素子は、例えば以下の工程(1)〜工程(3)を含む第1の製造方法により製造することができる。
(1)本発明の液晶配向剤を用いて基板上に塗膜を形成する工程、
(2)必要に応じて塗膜面に配向性を付与する処理を施す工程、及び
(3)塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構成する工程。
また、上記とは異なる第2の製造方法としては、例えば以下の工程(1’)〜(3’)を含む方法が挙げられる。
(1’)導電膜を有する一対の基板の該導電膜上のそれぞれに本発明の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程、
(2’)塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構成する工程、および
(3’)一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する工程。
以下、上記各製造方法について順に説明する。
[第1の製造方法]
上記第1の製造方法における工程(1)は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程(3)は各動作モードに共通である。
[工程(1);塗膜の形成]
先ず基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明の液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は、好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして、形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−2)IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに、本発明の液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、並びに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1)及び(1−2)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜が形成される。このとき、本発明の液晶配向剤が、重合体成分としてポリアミック酸、ポリアミック酸エステル又はイミド環構造とアミック酸構造とを有するイミド化重合体を含む場合には、塗膜形成後に更に加熱することによって脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(2):配向処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、通常、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理(配向処理)を行う。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで塗膜を一定方向に擦るラビング処理や、光配向法による処理などが挙げられる。このうち、ほこりや静電気に起因する表示不良の発生や歩留まりの低下を抑制することが可能である点、及び塗膜に対して液晶配向能を均一に付与できる点で、光配向法を用いることが好ましい。一方、VA型液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対して上記処理を施してもよい。
なお、ラビング処理後の液晶配向膜に対して更に、液晶配向膜の一部に紫外線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにしてもよい。この場合、得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。VA型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜は、PSAモードの液晶表示素子にも好適に用いることができる。
光配向法では、基板上に形成した塗膜に対し、偏光又は非偏光の放射線を照射することにより塗膜に液晶配向能を付与する。放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。
光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、などにより行うことができる。光の照射量は、好ましくは100〜50,000J/mであり、より好ましくは300〜20,000J/mである。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。こうした光照射処理により、基板上に液晶配向膜が形成される。
[工程(3):液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。ここで、塗膜に対してラビング処理を行った場合には、2枚の基板は、各塗膜におけるラビング方向が互いに所定の角度、例えば直交または逆平行となるように対向配置される。
液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。また、第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
なお、本発明の液晶配向剤が、液晶配向性基を有するポリオルガノシロキサンを含有するものである場合、該液晶配向剤をVA型液晶表示素子の製造においてODF方式(液晶滴下方式)を採用した場合であっても優れた垂直配向規制力を有し、ODFムラが少なく、本方式の適用に対して特に好適である。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。また、液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
[第2の製造方法]
上記第2の製造方法における工程(1’)及び工程(2’)は、それぞれ上記工程(1)及び工程(3)と同様にして行うことができる。なお、工程(1’)による形成後の塗膜は、これをそのまま次の工程(2’)に供することができるが、任意的に上記工程(2)のようなラビング処理を施してもよい。工程(2’)で使用される液晶分子としては、負の誘電異方性を有するネマチック液晶が好ましく、例えばジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶などを用いることができる。液晶分子の層の厚さは、1〜5μmとすることが好ましい。
また、PSAモードの液晶表示素子を製造する場合、工程(2’)で使用する液晶分子としてアルケニル構造を有する化合物(アルケニル液晶)を併用することもできる。液晶層にアルケニル液晶を含有させることで、液晶分子の応答速度をより速くすることができる点で好ましい。アルケニル液晶としては従来公知のものを使用することができるが、例えば下記式(L−1)〜式(L−10)のそれぞれで表される化合物などが挙げられる。
(式(L−1)〜式(L−10)中、nは1〜6の整数である。)
工程(3’)において、液晶セルに照射する光としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。中でも、300〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。照射光の光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。なお、上記好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。光の照射量としては、好ましくは1,000J/m以上100,000J/m未満であり、より好ましくは1,000〜50,000J/mである。
上記工程(3)又は工程(3’)の後、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。
本発明の液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビなどの表示装置に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本実施例において重合体の重量平均分子量Mw及びエポキシ当量、並びに重合体溶液の粘度は、以下の方法により測定した。
[重量平均分子量Mw]
重量平均分子量Mwは、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)は、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温でH−NMRを測定した。得られたH−NMRスペクトルから、下記数式(x)で示される式によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A/A×α)×100 …(x)
(数式(x)中、Aは化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、Aはその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
<重合体(S)の合成>
[合成例1−1]
撹拌機、温度計、滴下漏斗及び還流冷却管を備えた反応容器に、アルコキシシラン化合物(A)として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(ECETS)167.088g(100モル部)、アルコキシシラン化合物(B)として、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン5.325g(3モル部)、溶媒としてメチルイソブチルケトン172g及び触媒としてトリエチルアミン17gを仕込み、室温で混合した。次いで、脱イオン水140gを滴下漏斗より30分かけて滴下した後、80℃にて撹拌し6時間反応を行った。反応終了後、有機層を取り出し、0.2重量%硝酸アンモニウム水溶液によって洗浄後の水が中性になるまで洗浄した後、溶媒であるメチルイソブチルケトン1000gを加え、減圧下で溶媒及び水を留去することで、重合体(S−1)を123g得た。この重合体(S−1)のMwは6,100であった。この重合体(S−1)のブチルセルソルブ50重量%溶液を調製し、40℃にて10日間静置させた。静置後の状態が、増粘もゲル化もせず、流動性を保っていた場合を保存安定性「良好」、流動性はあるが増粘した場合を保存安定性「可」、ゲル化し、流動性がなくなった場合を「不良」と評価したところ、この重合体溶液はゲル化することはなく、保存安定性は良好であった。
[合成例1−2〜1−9]
上記合成例1−1において、アルコキシシラン化合物(A)及びアルコキシシラン化合物(B)として下記表1に示す種類及び量のものをそれぞれ使用したほかは、合成例1−1と同様にして重合体(S−2)〜(S−9)を得た。なお、表中のアルコキシシラン化合物(A)及びアルコキシシラン化合物(B)の数値は、重合体の合成に使用したアルコキシシラン化合物(A)の全体量100モル部に対する使用量(モル部)を表す。
表1中の略号は以下の通りである。
ECETS;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
M−503;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
TEOS;テトラエトキシシラン
MTMS;メチルトリメトキシシラン
DMDMS;ジメチルジメトキシシラン
TMES;トリメチルエトキシシラン
DTES;ドデシルトリエトキシシラン
M−3066;1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン
M−9659;トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート
M−3086;1,8−ビス(トリメトキシシリル)オクタン
M−666P;ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン
X−1056;トリエトキシシリルチオプロピルトリメトキシシラン
[合成例1−10]
300mLの三口フラスコに、テトラエトキシシラン3.51g、ドデシルトリエトキシシラン33.6g、1,6−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン6.9g、メチルトリエトキシシラン36.05g並びに溶媒としてブチルセロソルブ66.9gを仕込み、室温で撹拌した。この溶液に、あらかじめブチルセロソルブ33.4g、水30.0g及び触媒としてシュウ酸0.3gを混合したシュウ酸溶液を室温下で滴下し、滴下終了後30分攪拌した。その後、溶液温度70℃で1時間加熱してから放冷した。次いで、酢酸エチル500gを加え、蒸留水にて分液精製し、脱触した。その後に有機層を取り出し、ブチルセルソルブ5000gを加え、減圧下で溶媒及び水を留去することより、液晶配向性基含有ポリオルガノシロキサン(S−17)を10重量%含む溶液を得た。得られた液晶配向性基含有ポリオルガノシロキサン(S−17)のMwは39,000であった。
[合成例1−11]
300mLの三口フラスコに、テトラエトキシシラン55.6g、ドデシルトリエトキシシラン22.2g、並びに溶媒としてブチルセロソルブ66.9gを仕込み、室温で撹拌した。この溶液に、あらかじめブチルセロソルブ33.4g、水30.0g及び触媒としてシュウ酸0.3gを混合したシュウ酸溶液を室温下で滴下し、滴下終了後30分攪拌した。その後、溶液温度70℃で1時間加熱してから放冷した。ついで、酢酸エチル500gを加え、蒸留水にて分液精製し、脱触した。その後に有機層を取り出し、ブチルセルソルブ5000gを加え、減圧下で溶媒及び水を留去することより、液晶配向性基含有ポリオルガノシロキサン(S−18)を10重量%含む溶液を得た。得られた液晶配向性基含有ポリオルガノシロキサン(S−18)のMwは3,000であった。
[合成例2−1]
200mLの三口フラスコに、上記合成例1−2で合成した重合体(S−2)を11.48g、メチルイソブチルケトン85g、液晶配向性基を有するカルボン酸として4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸(PCPA)3.52g及び触媒としてテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド1.15gを仕込み、90℃で12時間撹拌下に反応を行った。反応終了後、反応混合物をメタノールに加えて沈殿物を生成させた。この沈殿物を酢酸エチルに溶解して得た溶液を3回水洗した後、溶媒を留去することにより重合体(S−10)を14.3g得た。この重合体(S−10)のMwは32,000であった。また、上記同様に保存安定性の試験を行ったところ、良好であった。
[合成例2−2〜2−7]
上記合成例2−1において、合成に使用する化合物として下記表2に示す種類及び量のものをそれぞれ使用したほかは、合成例2−1と同様にして重合体(S−11)〜(S−16)を得た。なお、表2中、カルボン酸の数値は、重合体(S)が有するケイ素原子に対するモル比(%)を示す。
表2中の略号は以下の通りである。
PCPA;4−(4−n−ペンチルシクロヘキシル)安息香酸
BMBA:3,5−ビス(メタクリロイルオキシ)安息香酸
4POCA;4−フェノキシ桂皮酸
<重合体(P)の合成>
[合成例P−1]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物18.85g、並びにジアミンとしてコレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン8.83g及びp−フェニレンジアミン7.31gをNMP140gに溶解し、60℃で4時間反応を行った。反応後、この重合液の粘度を測定したところ、4,450mPa・sであった。反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で24時間乾燥させることによりポリアミック酸(PA−1)を32.8g得た。
[合成例P−2]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物13.94g、並びにジアミンとしてコレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン6.23g及び3,5−ジアミノ安息香酸4.79g及び1−(4−アミノフェニル)2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−6−アミン5.03gをNMP120gに溶解し、60℃で4時間反応を行った。反応後、この重合液の粘度を測定したところ、2,650mPa・sであった。反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で24時間乾燥させることによりポリアミック酸を得た。得られたポリアミック酸を全てNMP170gに再溶解させ、N−メチルピペリジン3.09g及び無水酢酸9.08gを添加して110℃で4時間脱水閉環させ、上記と同様にして沈殿、洗浄、減圧乾燥を行い、イミド化率65%のポリイミド(PI−1)を22.7g得た。
[合成例P−3]
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物11g、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物190g、ジアミン化合物として4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート160g、4,4’−[4,4’−プロパン−1,3−ジイルビス(ピペリジン−1,4−ジイル)]ジアニリン110gをN−メチル−2−ピロリドン1300g、γ−ブチロラクトン1300gに溶解させ、40℃で6時間反応させ、固形分濃度15%、溶液粘度420mPa・sであった。反応溶液を大過剰のメチルアルコール中に注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で24時間乾燥させることによりポリアミック酸(PA−2)を465g得た。
<液晶組成物の調製>
ネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)をLC1とし、これを10gとり、これに下記式(L1−1)で表される液晶性化合物を0.5g、及び下記式(L2−1)で表される光重合性化合物を0.03g、を添加して混合することにより液晶組成物LC2を得た。
[実施例1]
<液晶配向剤の調製>
他の重合体として、上記合成例P−2で得たポリイミド(PI−1)100重量部をとり、ここに重合体(S−10)10重量部を加え、さらにNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて、溶媒組成がNMP:BC=50:50(重量比)、固形分濃度が6.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(E−1)を調製した。
<印刷性の評価>
上記で調製した液晶配向剤の印刷性を評価した。まず、上記の液晶配向剤につき、オフセット型の液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)した。これにより、蝕針式膜厚計(KLAテンコール社製)で測定した平均膜厚が600Åである塗膜を形成した。この塗膜を倍率100倍及び20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、倍率100倍にて、印刷ムラ及びピンホールが観察されなかった場合を印刷性「良好」、倍率20倍にて印刷ムラ及びピンホールが観察されなかった場合を印刷性「可」、倍率20倍にて印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが観察された場合を印刷性「不良」として行った。その結果、上記で調製した液晶配向剤を用いて形成した塗膜には、倍率100倍においてもなお、印刷ムラ及びピンホールとも観察されず、印刷性が「良好」であった。
<塗膜の洗浄耐性>
上記実施例1で調製した液晶配向剤(E−1)を、溶媒組成がNMP:BC=50:50(重量比)、3.0重量%になるように希釈した。この溶液を2cm×6cmからなるガラス基板にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークを行った後、窒素に置換したオーブン中に200℃で1時間ポストベークすることにより、膜厚100nmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この塗膜をイソプロピルアルコールに60℃で10時間浸漬させた。その後、塗膜を窒素に置換したオーブン中に200℃で1時間乾燥させた。その後、膜厚(残膜厚)を測定することにより塗膜の洗浄耐性(耐溶剤性)の評価を行った。評価は、塗膜が99nm以上の場合を耐溶剤性「良好」、99nm未満97nm以上の場合を耐溶剤性「可」、97未満の場合を耐溶剤性「不良」として行ったところ、この塗膜は100nmであり、塗膜の洗浄耐性が良好であった。
(液晶セルの製造及び評価)
<液晶セルの製造>
上記で調製した実施例1の液晶配向剤を、図1に示したようなスリット状にパターニングされ、複数の領域に区画されたITO電極をそれぞれ有するガラス基板2枚の各電極面上に、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、150℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚600Åの塗膜を形成した。この塗膜につき、超純水中で1分間超音波洗浄を行った後、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する基板を得た。この操作を繰り返し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。なお、使用した電極のパターンは、PSAモードにおける電極パターンと同種のパターンである。
次いで、上記一対の基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に液晶組成物LC1(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより、液晶セルを製造した。
上記の操作を繰り返し行い、パターニングされた透明電極を有する液晶セルを合計5つ製造した。そのうちの1つは、そのまま後述の電圧保持率の評価に供した。残りの4つの液晶セルについては、導電膜間に電圧を印加した状態で、100,000J/mの照射量にて光照射した後、液晶セルの評価に供した。
<液晶配向性の評価>
上記で製造した液晶セルのうち光照射量100,000J/mの液晶セルにつき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を倍率50倍の顕微鏡により観察した。異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として評価したところ、この液晶表示素子の液晶配向性は「良好」であった。
<電圧保持率の評価>
上記で製造した液晶セルにつき、光未照射の液晶セル及び光照射量100,000J/mの液晶セルについて、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ、光未照射の液晶セルの電圧保持率は、99.2%であり、照射量100,000J/mの液晶セルの電圧保持率は、98.6%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
<残像特性の評価(プレチルト角安定性の評価)>
上記で製造した液晶セルのうち光照射量100,000J/mの液晶セルにつき、「T.J.Scheffer et.al.,J.Appl.Phys.vol48, p1783(1977)」、及び「F.Nakano,et.al.,JPN.J.Appl.Phys.vol.19,p2013(1980)」に記載の方法に準拠し、He−Neレーザー光を用いる回転結晶法で測定した。測定は、液晶セルに電圧印加する前のプレチルト角(初期プレチルト角θini)、及びAC9V、室温で13時間駆動した後のプレチルト角(駆動後プレチルト角θac)について行った。また、下記式(y)によりプレチルト角変化率β[%]を算出した。プレチルト角変化率βが4%未満であった場合を「優良」、4%以上5%未満であった場合を「良好」、5%以上であった場合を「不良」と評価したところ、この液晶セルのプレチルト角変化率は3.1%であり、「優良」と判断された。
プレチルト角変化率β[%]=(θac−θini)/θini×100 …(y)
<耐熱性の評価>
電圧保持率の評価において光照射した液晶表示素子の電圧保持率を初期電圧保持率VHRBFとした。次いで、VHRBF測定後の液晶表示素子を100℃のオーブン中に1,000時間静置した。その後、この液晶表示素子を室温下に静置して室温まで放冷した後、初期電圧保持率VHRBFの測定と同じ条件で電圧保持率(VHRAF)を測定した。また、下記数式(2)により、熱ストレスの付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR(%)=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100…(2)
評価は、変化率ΔVHRが4%未満であった場合を耐熱性「優良」、4%以上5%未満であった場合を「良好」、5%以上であった場合を耐熱性「不良」として行った。その結果、ΔVHRは2.6%であり、液晶表示素子の耐熱性は「優良」であった。
[実施例2〜9及び比較例1、2]
液晶配向剤の調製に使用する重合体の種類及び量を下記表3に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様にして液晶配向剤をそれぞれ調製した。また、これら液晶配向剤をそれぞれ用いて、実施例1と同様にして液晶表示素子を製造するとともに、製造した液晶表示素子の評価を行った。それらの評価結果を下記表3に示す。なお、実施例4,5,7及び比較例1,2では、液晶組成物としてLC1に代えてLC2を使用した。
重合体(S)を含む実施例1〜9ではいずれも、塗膜の耐溶剤性、印刷性、液晶配向性、電圧保持率、残像特性及び耐熱性の評価が「優良」、「良好」及び「可」のいずれかであり、各種特性のバランスが取れていた。これに対し、比較例1,2では、形成した塗膜において耐溶剤性及び耐熱性が劣っていた。
[実施例10:FFS型液晶表示素子]
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P)として、上記合成例P−3で得たポリアミック酸(PA−2)100重量部をとり、ここに重合体(S−16)10重量部を加え、さらにNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて、溶媒組成がNMP:BC=50:50(重量比)、固形分濃度が6.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤(E−12)を調製した。
<印刷性の評価>
上記で調製した液晶配向剤(E−12)につき、上記実施例1<印刷性の評価>と同様に印刷性の評価をした。その結果、上記で調製した液晶配向剤を用いて形成した塗膜には、倍率100倍においてもなお、印刷ムラ及びピンホールとも観察されず、印刷性が「良好」であった。
[塗膜の洗浄耐性]
上記で調製した液晶配向剤(E−12)を溶媒組成がNMP:BC=50:50(重量比)、固形分濃度が3.0重量%になるように希釈した。この溶液を2cm×6cmからなるガラス基板にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間プレベークを行った後、窒素に置換したオーブン中に200℃で1時間ポストベークすることにより、膜厚100nmの塗膜(液晶配向膜)を形成した。この塗膜につき、上記実施例1<塗膜の洗浄耐性>と同様に塗膜の洗浄耐性の評価をした。その結果、この塗膜は100nmであり、塗膜の洗浄耐性が「良好」であった。
(液晶セルの製造及び評価)
<FFS型液晶表示素子の製造>
図2に示すFFS型液晶表示素子の液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極12、絶縁層としての窒化ケイ素膜13、及び櫛歯状にパターニングされた電極対であるトップ電極14がこの順に積層されたガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記で調製した液晶配向剤(E−12)をスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で200℃1時間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚1,000Åの塗膜を形成した。トップ電極14の平面模式図を図3に示す。なお、図3(a)は、トップ電極14の上面図であり、図3(b)は、図3(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、透明電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。図3(b)中の白抜き矢印は、偏光紫外線の偏光面の方向を示す。
上記で形成した塗膜の各表面に、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線300J/mを基板法線方向から照射して、液晶配向膜15a,15bを有する一対の基板を得た。上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙に、メルク社製液晶「MLC−6221」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くためにこれを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記の方法を繰り返し、合計2個のFFS型液晶表示素子を製造し、下記の液晶配向性の評価及び電圧保持率の評価に1個ずつを供した。
<液晶配向性の評価>
上記で製造した液晶表示素子につき、上記実施例1<液晶配向性の評価>と同様に液晶配向性の評価をした。その結果、この液晶表示素子の液晶配向性は「良好」であった。
<電圧保持率の評価>
上記で製造した液晶表示素子につき、上記実施例1<電圧保持率の評価>と同様に電圧保持率の評価をした。その結果、電圧保持率は99.1%であった。
10…液晶表示素子、11a,11b…ガラス基板、12…ボトム電極、13…窒化ケイ素膜、14…トップ電極、15a,15b…液晶配向膜

Claims (12)

  1. 1分子中に1個のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(A)と、1分子中に2個以上のアルコキシシリル基を有するアルコキシシラン化合物(B)とをモノマー組成に含む重合により得られる重合体(S)を含有し、
    前記重合体(S)の重合に使用する前記アルコキシシラン化合物(B)が、前記アルコキシシラン化合物(A)に対して3〜30モル%である液晶配向剤。
  2. 前記アルコキシシラン化合物(A)に含まれるテトラアルコキシシランの量が、前記アルコキシシラン化合物(A)と前記アルコキシシラン化合物(B)との総モル数に対して30モル%以下である請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記重合体(S)がエポキシ基を有する請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 重合体成分として、前記重合体(S)と、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(P)とを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. 前記重合体(S)として、重合性二重結合を有するポリオルガノシロキサンを含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 前記重合体(S)として、液晶分子を配向させる機能を有する液晶配向性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  7. 前記重合体(S)として、光異性化反応又は光二量化反応によって膜に異方性を付与可能な光配向性基を有するポリオルガノシロキサンを含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶配向剤を、導電膜を有する一対の基板の該導電膜上にそれぞれ塗布し、次いでこれを加熱して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶性化合物を含む液晶層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構築する工程と、前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む液晶表示素子の製造方法。
  9. 前記液晶層に、前記液晶性化合物としてアルケニル構造を有する化合物を含有させる請求項8に記載の液晶表示素子の製造方法。
  10. 請求項7に記載の液晶配向剤を用いて基板上に塗膜を形成し、次いで基板面に対して一定方向に光照射して前記塗膜に異方性を付与する配向処理工程を含む液晶表示素子の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶配向剤から形成された液晶配向膜。
  12. 請求項11に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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