JP2015102457A - シール部材および測定器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】弾性材で形成されたリング状の6凸パッキン300は、上面および下面に、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条311、312を径方向に並んで二列以上有する。さらに、6凸パッキン300は、その内周面および外周面に、リング一周に亘って径方向に張り出す凸条331、332を有する。6凸パッキン300は測定器のクランプ手段の防水に好適である。
【選択図】図6
Description
スピンドルは、送りネジを有し、本体に螺合されている。スピンドルを回転させると、送りネジによってスピンドルは本体に対して進退する。エンコーダは、本体に内蔵されており、スピンドルの変位を検出する。表示部は、例えば液晶パネルであり、エンコーダの検出値から求めたスピンドルの変位量を表示する。
弾性材で形成されたリング状のシール部材であって、
上面および下面には、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条が径方向に並んで二列以上設けられており、
内周面および外周面には、径方向に張り出す凸条がリング一周に亘って設けられている
ことを特徴とする。
幅方向の線径よりも厚み方向の線径の方が大きい
ことが好ましい。
本体フレームと、
前記本体フレームに螺合し、回転操作によって進退するスピンドルと、
前記本体フレームに螺入され、回転操作により前記スピンドルの位置を固定するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体フレームとの間に前記シール部材が介装されている
ことを特徴とする。
本体と、
前記本体に対して移動可能に設けられた移動体と、
前記本体および前記移動体のいずれか一方に螺入され、前記本体および前記移動体のいずれか他方の移動を規制するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体との間に前記シール部材が介装されている
ことを特徴とする。
図1は、第1実施形態に係るデジタル式測定器としてマイクロメータ100を示す図である。
マイクロメータ100は、ほぼU字形であって一端にアンビル111を有する本体フレーム110と、本体フレーム110の他端に螺合し、回転操作によってアンビル111に対して進退するスピンドル120と、スピンドル120の基端側に取り付け固定されたシンブル130と、を備えている。
図2において、本体フレーム110の他端側にはスピンドル120を挿通させるための孔114が設けられており、この孔114の一端側から軸受筒115が差し込まれている。スピンドル120は、この軸受筒115を介して本体フレーム110に支持されている。軸受筒115の一端側には、座繰りのように筒孔の周囲に掘られた段部116があり、この段部116には環状のシール部材117が装着されている。このシール部材117は、切断すると断面はU字になっており、一端側に向けてU字の開口が向くように装着されている。このとき、U字の底面が座繰り116の底面に着座し、U字の一方の頂点117Aがスピンドル120の側面に当接し、さらに、U字の他方の頂点117Bが座繰りの内周面に当接している。スピンドル120の回転を許容する必要があるので、スピンドル120の外周面と軸受筒115の内周面との間には極僅かながらクリアランスがあるが、このシール部材117により、スピンドル120の外周面と軸受筒115の内周面との間はシールされる。
クランプ手段200は、クランプカラー210と、本体フレーム110に螺合されるクランプネジ230と、クランプネジ230の頭部に冠着されたクランプノブ240と、クランプネジ230と本体フレーム110の外表面との間に介装された防水用シール部材としてのパッキン300と、を備える。なお、本体フレーム110には、その他端側において、スピンドル120の軸線に対して直交する軸を有するように雌ネジ孔119が設けられており、この雌ネジ孔119に前記クランプネジ230が螺入される。(この雌ネジ孔119をクランプ孔119と称することとする。)
一方、図4は、図2の状態からクランプネジ230が120°左回転した状態であり、雄ネジ部213の先端がクランプカラー210の側面からわずかに離間した状態を示している。
このネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面との隙間にパッキン300が挟み込まれる。
雄ネジ部231のネジピッチとしては、例えば0.5mm程度とすることが例として挙げられるが、要は、90°〜120°程度の回転操作によって雄ネジ部231の先端がクランプカラー210に対して当接したり離間したりできるようになっていればよい。ただし、ネジピッチが大きすぎると、クランプを開放したときにネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面とのギャップが広くなり過ぎてしまうので、これは好ましいことではない。
つまみ部241を設けるにあたっては、高さを出すために、つまみ部241の両側面においてクランプノブ240の表面を少し窪ませる(符号242は窪みを示す)。そして、径方向において、つまみ部241の先端がクランプノブ240の円形の輪郭から僅かに突出するようにする。このようにつまみ部241の先端を円形の輪郭から突出させることにより、つまみ部241の先端をストッパとして機能させることができる。
本体フレーム110の外表面においてクランプノブ240の近傍に係止部115を突起させておく。(ここでは、係止部115は、本体フレーム110の縁である。)そして、つまみ部241の先端が係止部115で止められるようにしておけば、クランプノブ240が過剰に回されるのを防ぐことができる。
クランプノブ240が過剰に回されてしまうと、ネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外側面とのギャップが広く空いてしまい、シールしきれなくなる。したがって、このような回り止め手段を設けておき、ユーザが慌てていたり、力を入れすぎたりしてしまった場合であってもクランプネジ230が緩み過ぎないようにしておくことが好ましい。
パッキン300は、ネジ頭部232の裏面と本体フレーム110の外表面との間に介装され、クランプ孔119の口を環囲してクランプ孔119をシールするものである。
なお、ネジ頭部232をもっと小さくしてクランプノブ240の裏面と本体フレーム110の外表面との間にパッキン300を介装してもよいが、積み上げ誤差を考慮すると、ネジ頭部232と本体フレーム110とでパッキン300を挟むようにした方がよい。
パッキン300は、リング(円環)状の弾性体であり、例えば弾性ゴムで形成されている。本実施形態のパッキン300において特徴的なのはその形状にあり、断面でみたときに複数の凸部311、を有している。このパッキン300の形状は新規なものであって慣用された名称があるわけではないので、本明細書においては便宜上“多凸パッキン300”と称することとする。本実施形態の図5、図6の場合、凸部は6つあるので、このパッキン300を具体的に6凸パッキン300と称することとする。
説明の便宜のため、図6のように座標軸を決める。すなわち、リング状である6凸パッキン300の中心点を原点Oとする。さらに、リング状である6凸パッキン300の中心軸をとり、この中心軸に沿ってz軸をとる。z軸に直交する2軸をそれぞれx軸、y軸とする。
上面においても下面においても、リングの内側と外側とにそれぞれ凸部311、312、321、322を有し、二つの凸部(311と312、321と322)の間は窪んでいる。
なお、本実施形態では、上面側にある凸部(上第1凸部311、上第2凸部312)と下面側にある凸部(下第1凸部321、下第2凸部322)とも高さが同じである。(z座標値でいうと、正負が反対で絶対値(大きさ)が同じ、ということである。)
図6において、外周凸部332の頂点と内周凸部331と頂点との間の距離をWとする。また、上第1凸部311(上第2凸部312)の頂点と下第1凸部321(下第2凸部322)の頂点との間の距離をHとする。このとき、H>Wである。
また、上面と下面とに二列以上(複数列)の凸部(凸条)がある、ということの意味は明確であろうと思われるが、逆にいうと、上面と下面とにリング一周に亘る凹条が少なくとも1以上ある、ということと同義である。
内周凸部331および外周凸部332は“径方向に張り出す”と表現したが、これは、真っ直ぐストレートに形成された側面に比べて内側に(または外側に)張り出す、ということであって、はっきりとした曲率の変化を持って張り出す場合もあれば、側面全体が内側に凸または外側に凸な円弧の一部となっているような場合もあるであろう。
図7は、6凸パッキン300の平面図である。
図8は、稜線を表わした平面図である。
図9は、6凸パッキン300の正面図である。
図10は、稜線を表わした正面図である。
図11は、図7(図8)中のA−A線における断面図である。
図12は、稜線を表わした断面図である。
順に説明する。
(1)接触抵抗の低減
6凸パッキン300においては上面側と下面側とにそれぞれ二つの凸部311、312、321、322があり、これにより二つの凸部311、312、321、322の間に凹部313、323ができる。このように凹部313、323を形成しておくことで、断面円形の単純なOリングの場合と比べて、6凸パッキン300とネジ頭部232との接触面積が減少し、さらに、6凸パッキン300と本体フレーム110との接触面積も減少する。
ここで、クランプ220は回転操作されるものであるので、接触面積が大きいとクランプ220と本体フレーム110との間に挟まれたパッキン300には大きな捻り力が掛かる。パッキン300は弾性ゴムであるので、大きな力で繰り返し捻られると損傷してしまう。
また、凹部313、323があることで接触面積が自然と減少するので、6凸パッキン300を厚み方向にしっかり押し潰すようにすることができる。言い換えると、圧縮量の許容量が大きくなる。したがって、クランプ220の回転操作でクランプ220と本体フレーム110とのギャップが変動しても、この変動分を6凸パッキン300の弾性変形で十分に補うことができる。
このように、本実施形態の多凸パッキン(6凸パッキン)300によれば接触抵抗の低減を図ることができ、このことは、耐久性の向上、防水性の向上、さらには、組み立て効率の向上、といった格別の効果を生む。
この点、本実施形態の6凸パッキン300であれば、パッキン300とクランプ220との接触(パッキン300と本体フレーム110との接触も同じ)が二重の線になるので、その分防水性が高まるし、パッキン300に幅があるので位置、姿勢も安定しやすい。
6凸パッキン300においては、内周側と外周側とにそれぞれ凸部331、332を有している。
これにより、厚み方向に押しつぶされたときでも上面および下面の凸部(上第1凸部311、上第2凸部312、下第1凸部321、下第2凸部322)が形状を保ち、クランプ220と本体フレーム110との間をしっかりシールできるという効果を生む。
Xリングは、例えば、特開2012−225367号公報や特開2004−301289号公報に開示されている。
Xリング500は、図13に例示するように、断面がX字状であって、6凸パッキン300との対比で言えば、外周面と内周面とが張り出しているのではなく逆に窪んでいるわけである。
このような形状の場合、厚み方向に圧縮されたときに例えば図13に示すようにX字のそれぞれの辺が倒れてしまうであろう。すなわち、弾性圧縮されるというよりは、“倒れる”、という表現が適切であるような変形を示すであろう。
図13と図14とを比べたとき、より大きな反力が期待できるのは図14の6凸パッキン300であることは明らかであろう。したがって、本実施形態の6凸パッキン300により防水性が向上する。
本実施形態の6凸パッキン300は製造がより容易である。
例えば、先のXリング500は、外周面と内周面とが窪んでいるわけであるが、真ん中が窪んでいる形状を金型で成形するのは容易ではない。(例えば、断面がX字の長い線(ヒモ)を作っておいてから所定長さに切り、そして端同士を接着する、という工程になるであろう。)
これに対し、本実施形態の6凸パッキン300であれば、上面側の金型と下面側の金型とで容易に成形できることはご理解頂けるであろう。これは製造効率の向上、ひいてはコスト低減に大いに資する。
例えば、上面に二つの凸部311、312があり、下面にも二つの凸部321、322があるとしたが、これら凸部の数を3つ、4つにしても同じ作用効果が得られることは自明であろう。
また、上面と下面とで凸部の数が違っていてもよい。
例えば、上面に二つの凸部311、312を設け、下面には三つの凸部を設けてもよい。
Claims (4)
- 弾性材で形成されたリング状のシール部材であって、
上面および下面には、リング一周に亘って均一な高さを有する凸条が径方向に並んで二列以上設けられており、
内周面および外周面には、径方向に張り出す凸条がリング一周に亘って設けられている
ことを特徴とするシール部材。 - 請求項1に記載のシール部材において、
幅方向の線径よりも厚み方向の線径の方が大きい
ことを特徴とするシール部材。 - 本体フレームと、
前記本体フレームに螺合し、回転操作によって進退するスピンドルと、
前記本体フレームに螺入され、回転操作により前記スピンドルの位置を固定するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体フレームとの間に請求項1または請求項2に記載のシール部材が介装されている
ことを特徴とするマイクロメータ。 - 本体と、
前記本体に対して移動可能に設けられた移動体と、
前記本体および前記移動体のいずれか一方に螺入され、前記本体および前記移動体のいずれか他方の移動を規制するためのクランプと、を備え、
前記クランプと前記本体との間に請求項1または請求項2に記載のシール部材が介装されている
ことを特徴とする測定器。
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