JP2015101242A - 発進制御装置及び発進制御方法 - Google Patents

発進制御装置及び発進制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クラッチ板の寿命低下を抑制しつつ発進性を改善することができる発進制御装置及び発進制御方法を提供する。
【解決手段】過給機2と機械式自動変速装置12とを備えた車両の発進制御装置4であって、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることなく燃料噴射装置11から燃料を噴射させることにより、タービン3を回転させるタービン回転始動制御を行うタービン回転始動制御部31と、タービン回転始動制御の後に、エンジン1に負荷を与えることにより、過給機2の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御を行う過給圧力上昇制御部32と、過給圧力上昇制御の後に、燃料噴射装置11から燃料を噴射させるとともに、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることにより、車両を発進させる発進実行制御を行う発進実行制御部33と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両の発進制御を行う発進制御装置及び発進制御方法に関する。
従来、車両の燃費を改善するために、エンジンを小排気量化してエンジンにターボなどの過給機を接続することが行われている。このような車両では、過給機の過給圧力が十分に上昇する前に大量の燃料が噴射されると黒煙が発生するため、過給機の過給圧力が十分に上昇するまでは燃料の噴射量を制限するブーストコンペンセーター(boost compensator)が搭載されている。このため、発進時に過給機の過給圧力が十分に上昇していないと、ブーストコンペンセーターの働きにより燃料の噴射量が制限されることで、発進に必要なトルクを確保できなくなり、発進性が悪化する。
近年、大型トラックなどでは、機械式自動変速装置(AMT:Automated Manual Transmission)を搭載した車両が広く市販されている。このような車両では、発進性を向上させるために、アイドル回転数を上げたり、半クラッチの時間を長く設定したりすることが考えられる。なお、発進性を向上させるためにアイドル回転数を上げることは、特許文献1に記載されている。
特開平11−315740号公報
しかしながら、アイドル回転数を上げたり、半クラッチの時間を長く設定したりすると、クラッチ板の摩耗が促進されるため、クラッチの寿命低下を招くという問題がある。
そこで、本発明は、クラッチ板の寿命低下を抑制しつつ発進性を改善することができる発進制御装置及び発進制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る発進制御装置は、エンジンの排気ガスによりタービンを回転させてエンジンに圧縮空気を供給する過給機と、クラッチの接続を自動で行う機械式自動変速装置と、を備えた車両の発進制御装置であって、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることなく燃料噴射装置から燃料を噴射させることにより、タービンを回転させるタービン回転始動制御を行うタービン回転始動制御部と、タービン回転始動制御の後に、エンジンに負荷を与えることにより、過給機の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御を行う過給圧力上昇制御部と、過給圧力上昇制御の後に、燃料噴射装置から燃料を噴射させるとともに、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることにより、車両を発進させる発進実行制御を行う発進実行制御部と、を備える。
本発明の一側面に係る発進制御装置によれば、タービン回転始動制御部のタービン回転始動制御によりクラッチを接続することなく燃料噴射装置から燃料を噴射させると、エンジンの回転数が上がるため、エンジンから排出される排気ガスによりタービンが回転する。その後、過給圧力上昇制御部の過給圧力上昇制御によりエンジンに負荷を与えると、エンジンは回転数が低下するが、タービンは慣性により回転し続けようとするためエンジンよりも回転数の低下速度が遅くなる。これにより、過給機の過給圧力が上がる。その後、発進実行制御部の発進実行制御により燃料噴射装置から燃料を噴射させるとともに機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることにより、車両が発進する。ここで、発進実行制御を行う際は、過給圧力上昇制御により過給機の過給圧力が高くなっているため、車両を発進させるための十分なトルクを確保できる。これにより、車両の発進性が向上する。また、発進実行制御を行う際は、過給圧力上昇制御によりエンジンの回転数が低下しているため、クラッチの接続に伴うクラッチ板の摩耗が抑制される。これにより、クラッチの寿命低下を抑制することができる。
一実施形態として、過給圧力上昇制御部は、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることによりエンジンに負荷を与えることができる。このように、過給圧力上昇制御部が、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることで、エンジンに回転を停止させようとする負荷が発生するため、エンジンの回転数を低下させることができる。
また、一実施形態として、過給圧力上昇制御部は、機械式自動変速装置によりクラッチを半クラッチ状態である第一接続状態よりもクラッチの滑り量が多くなる第二接続状態で接続させることによりエンジンに負荷を与えることができる。このように、過給圧力上昇制御部が、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることで、エンジンに回転を阻害しようとする負荷が発生するため、エンジンの回転数を低下させることができる。しかも、過給圧力上昇制御部が、クラッチを半クラッチ状態である第一接続状態よりもクラッチの滑り量が多くなる第二接続状態で接続させるため、クラッチ板の摩耗を抑制しつつ、エンジンの回転数を下げることができる。この場合、例えば、第二接続状態を車両が発進しない程度の接続状態とすることで、別途制動力を発生させなくても、クラッチの接続により車両が不意に発進するのを防止することができる。
また、一実施形態として、過給圧力上昇制御部は、エンジンの動力により駆動されるエンジン負荷増大装置を作動させることによりエンジンに負荷を与えることができる。このように、過給圧力上昇制御部が、エンジンの動力により駆動されるエンジン負荷増大装置を作動させることで、エンジンに回転を阻害しようとする負荷が発生するため、エンジンの回転数を低下させることができる。そして、例えば、クラッチの接続を伴わずにエンジンに負荷を与える場合は、クラッチ板を摩耗させることなくエンジンに負荷を与えることができるため、クラッチの寿命低下を大きく抑制することができる。一方、例えば、クラッチの接続と併せてエンジンに負荷を与える場合であっても、エンジンに負荷を与えるためのクラッチの役割分担量が減るため、寿命低下を抑制することができる。
また、一実施形態として、タービン回転始動制御部は、燃料噴射装置からアクセルペダルの操作量に対応した第一噴射量よりも少ない第二噴射量で燃料を噴射させることができる。タービン回転始動制御では、クラッチを接続させないため、クラッチを接続させる場合よりも、エンジンを回転させるために必要な燃料が少なくなる。そこで、タービン回転始動制御部は、燃料噴射装置からアクセルペダルの操作量に対応した第一噴射量よりも少ない第二噴射量で燃料を噴射させることで、燃料消費量の増加を抑制しつつ、エンジン及びタービンを回転させることができる。
また、一実施形態として、車両は、ブレーキ操作により車両が停止するとアクセルが踏み込まれるまで制動力を維持する制動力維持装置を更に備えており、発進制御装置は、アクセルが踏み込まれても、発進実行制御部が発進実行制御を開始するまで制動力を維持することができる。タービン回転始動制御及び過給圧力上昇制御を行うと、ドライバがアクセルを踏み込んでから車両が発進されるまでの間にタイムラグがある。このため、車両が勾配のある道路等に停車している場合は、その間に車両が下り側に下がる可能性がある。そこで、制動力維持装置を備えるとともに、制動力維持装置が、アクセルが踏み込まれても、発進実行制御部が発進実行制御を開始するまで制動力を維持することで、勾配のある道路等に停車している場合にも、タービン回転始動制御及び過給圧力上昇制御を行っている際に車両が下り側に下がるのを防止することができる。
本発明の別の一側面に係る発進制御方法は、エンジンの排気ガスによりタービンを回転させてエンジンに圧縮空気を供給する過給機と、クラッチの接続を自動で行う機械式自動変速装置と、を備えた車両の発進制御方法であって、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、燃料噴射装置から燃料を噴射させることにより、タービンを回転させるタービン回転始動制御ステップと、タービン回転始動制御ステップの後に、エンジンに負荷を与えることにより、過給機の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御ステップと、過給圧力上昇制御ステップの後に、燃料噴射装置から燃料を噴射させるとともに、機械式自動変速装置によりクラッチを接続させることにより、車両を発進させる発進実行制御ステップと、を備える。
本発明の別の一側面に係る発進制御方法によれば、タービン回転始動制御ステップにより燃料噴射装置から燃料を噴射させると、エンジンの回転数が上がることで、エンジンから排出される排気ガスによりタービンが回転する。その後、過給圧力上昇制御ステップによりエンジンに負荷を与えると、エンジンは回転数が低下するが、タービンは慣性により回転し続けようとするためエンジンよりも回転数の低下速度が遅くなる。これにより、過給機の過給圧力が上がる。その後、発進実行制御ステップにより燃料噴射装置から燃料を噴射させるとともに機械式自動変速装置によりクラッチを接続させると、車両が発進する。ここで、発進実行制御ステップを行う際は、過給圧力上昇制御ステップにより過給機の過給圧力が高くなっているため、車両を発進させるための十分なトルクを確保できる。これにより、車両の発進性が向上する。また、発進実行制御ステップを行う際は、過給圧力上昇制御ステップによりエンジンの回転数が低下しているため、クラッチの接続に伴うクラッチ板の摩耗が抑制される。これにより、クラッチの寿命低下を抑制することができる。
本発明によれば、クラッチ板の寿命低下を抑制しつつ発進性を改善することができる。
本実施形態に係る発進制御装置が搭載される車両のエンジン部分を示す概略図である。 本実施形態に係る発進制御装置の概略構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る発進制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 本実施形態に係る発進制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 本実施形態に係る発進制御装置の処理動作を説明するためのタイムチャートである。 比較例の発進制御装置の処理動作を説明するためのタイムチャートである。
以下、本実施形態に係る発進制御装置及び発進制御方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る発進制御装置は、大型トラックなどの車両に搭載されて、停止している車両の発進制御を行うものである。
図1は、本実施形態に係る発進制御装置が搭載される車両のエンジン部分を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態に係る発進制御装置が搭載される車両は、エンジン1に過給機2が接続されている。過給機2には、エンジン1から排出された排気ガスの流路に配置されたタービン3が設けられている。過給機2は、エンジン1から排出された排気ガスによりタービン3を回転させるとともに、タービン3の回転により外気を圧縮した圧縮空気をエンジン1に供給するものである。
図2は、本実施形態に係る発進制御装置の概略構成を示すブロック図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係る発進制御装置4は、燃料噴射装置11と、機械式自動変速装置(AMT:Automated Manual Transmission)12と、制動力維持装置13と、ギア位置情報取得部21と、ブレーキ操作量取得部22と、アクセル操作量取得部23と、エンジン回転数取得部24と、タービン回転数取得部25と、過給圧力取得部26と、吸入空気量取得部27と、制動力維持情報取得部28と、ECU(Electronic Control Unit)30と、を備えている。
燃料噴射装置11は、エンジン1に供給する燃料を噴射する装置である。エンジン1がディーゼルエンジンである場合は、燃料噴射装置11は、エンジン1のシリンダー(不図示)内に直接燃料を噴射する。そして、燃料噴射装置11は、ドライバのアクセス操作やECU30の制御に基づいて、燃料の噴射量、噴射タイミング等を細かく変更することが可能となっている。
機械式自動変速装置12は、クラッチの接続を自動で行う変速機である。機械式自動変速装置12は、ドライバがシフトチェンジすると、クラッチの切り離し、ギア位置の変更、クラッチの接続、の一連の変速動作を自動で行う。
クラッチの切り離し及び接続は、エンジン1側に配置されたクラッチ板と駆動輪(不図示)側に配置されたクラッチ板とを切り離し及び接続することにより行う。これらの一対のクラッチ板は、ばね等の弾性部材により互いに押圧されており、機械式自動変速装置12により一方のクラッチ板を他方のクラッチ板に対する接離方向にストロークさせることが可能となっている。クラッチをストロークするとは、一方のクラッチ板を他方のクラッチ板に対して相対的に移動させることをいう。そして、機械式自動変速装置12は、このクラッチのストローク量を調整することで、クラッチの切り離し及び接続を行う。例えば、クラッチをストロークさせて、一対のクラッチ板を完全に離間させることで、クラッチを切り離す。また、クラッチをストロークさせて、一対のクラッチ板の間に滑りを生じさせつつ一対のクラッチ板を接続させることで、クラッチが半クラッチ状態で接続する。半クラッチ状態とは、一対のクラッチ板の間に滑りが生じつつ一対のクラッチ板が接続された状態であって、クラッチを接続する際にエンジン1に過負荷が生じないように、エンジン1の回転駆動力の一部のみを駆動輪に伝達し、エンジン1の回転駆動力の一部を一対のクラッチ板の間の滑りにより逃す状態である。また、クラッチをストロークさせて、一対のクラッチ板の間に滑りを生じさせないように一対のクラッチ板を接続させることで、クラッチが完全に接続する。
機械式自動変速装置12のギア位置は、シフトレバーの操作、つまり、シフトレバーのシフト位置を変更することにより切り替えることが可能となっている。機械式自動変速装置12のギア位置としては、例えば、オートマチックトランスミッション(AT)のように、パーキング、バック、ニュートラル、ドライブのギア位置や、マニュアルトランスミッション(MT)のように、1速、2速、3速、4速、バック、ニュートラルのギア位置等がある。
そして、機械式自動変速装置12は、ECU30の制御により、クラッチのストローク量や変速動作のタイミング等を細かく変更することが可能となっている。
制動力維持装置13は、ブレーキ操作により車両が停止すると、アクセルが踏み込まれるまで制動力を維持する装置である。制動力維持装置13としては、例えば、ブレーキホースに電磁弁を取り付け、電磁弁の作動により制動力となるブレーキエア圧や油圧を維持するもの等を用いることができる。
制動力維持装置13の作動開始条件は、特に限定されるものではないが、例えば、ブレーキ操作により車両が停止したこと、車両停止後ブレーキペダルを所定時間踏み続けたこと、勾配のある場所でブレーキ操作により車両が停止したこと、等とすることができる。制動力維持装置13の作動開始条件とは、制動力維持装置13を作動させて、車両が動かないように制動力を維持する条件である。制動力維持装置13の作動を停止する停止条件は、特に限定されるものではないが、例えば、機械式自動変速装置12のギア位置がニュートラル以外のギア位置に切り替えられてクラッチが半クラッチ状態で接続されたこと、更にブレーキが解除されてアクセルが踏み込まれたこと、等とすることができる。制動力維持装置13の停止条件とは、制動力維持装置13の作動を停止して、車両が動けるように制動力の維持を解除する条件である。
そして、制動力維持装置13は、ECU30の制御に基づいて、作動及び停止のタイミングを変更することが可能となっている。
ギア位置情報取得部21は、機械式自動変速装置12のギア位置の情報を取得するものである。ギア位置情報取得部21としては、例えば、機械式自動変速装置12のギア位置を切り替えるシフトレバーの位置を検出するセンサや、機械式自動変速装置12のギア位置を検出するセンサ等を用いることができる。そして、ギア位置情報取得部21は、取得したギア位置の情報をECU30に送信する。
ブレーキ操作量取得部22は、ブレーキペダル(不図示)の操作量を取得するものである。ブレーキ操作量取得部22としては、例えば、ブレーキペダルのストローク量を検出するセンサや、ブレーキホースの油圧を検出する油圧センサ等を用いることができる。そして、ブレーキ操作量取得部22は、取得したブレーキ操作量をECU30に送信する。
アクセル操作量取得部23は、アクセルペダル(不図示)の操作量を取得するものである。アクセル操作量取得部23としては、例えば、アクセルペダルのストロークを検出するセンサ等を用いることができる。そして、アクセル操作量取得部23は、取得したアクセル操作量をECU30に送信する。
エンジン回転数取得部24は、エンジン1の回転数を取得するものである。エンジン回転数取得部24としては、例えば、エンジン1のクランクシャフトの回転数を検出するセンサや、クランクシャフトにギア等を介して接続された部材の回転数を検出するセンサ等を用いることができる。そして、エンジン回転数取得部24は、取得したエンジン1の回転数をECU30に送信する。
タービン回転数取得部25は、タービン3の回転数を取得するものである。タービン回転数取得部25としては、例えば、タービン3の回転数を検出するセンサや、タービン3のモデルを用いてエンジン1の回転数などからタービン3の回転数を算出する算出装置などを用いることができる。そして、タービン回転数取得部25は、取得したタービン3の回転数をECU30に送信する。
過給圧力取得部26は、過給機2の過給圧力(ブースト圧)を取得するものである。過給機2の過給圧力とは、タービン3の回転によりエンジン1に強制的に供給された圧縮空気の圧力である。過給圧力取得部26としては、エンジン1のインテークマニホールド(不図示)にホースを接続して圧力を計測する機械式ブースト計や、エンジン1のインテークマニホールドに設けて圧力を計測する電気式ブースト計等を用いることができる。そして、過給圧力取得部26は、取得した過給機2の過給圧力をECU30に送信する。
吸入空気量取得部27は、エンジン1に供給される吸入空気量を取得するものである。吸入空気量取得部27は、エンジン1に供給される外気だけでなく、タービン3の回転によりエンジン1に強制的に供給される圧縮空気の空気量も取得する。吸入空気量取得部27としては、エンジン1の吸気管に設けられたエアフローセンサ等を用いることができる。そして、吸入空気量取得部27は、取得した吸入空気量をECU30に送信する。
制動力維持情報取得部28は、制動力維持装置13が作動しているか否かの制動力維持情報を取得するものである。制動力維持情報取得部28としては、制動力維持装置13自体の作動状態を検出する検出装置や、制動力維持装置13が作動させる電磁弁の作動状態を検出する検出装置等を用いることができる。そして、制動力維持情報取得部28は、取得した制動力維持情報をECU30に送信する。
ECU30は、主にCPU等の演算装置とメモリ等の記憶装置とにより構成されており、予め記憶された様々なプログラムに従って各種制御を行う制御装置である。ECU30は、タービン回転始動制御部31と、過給圧力上昇制御部32と、発進実行制御部33と、の機能を備えている。そして、ECU30は、ギア位置情報取得部21、ブレーキ操作量取得部22、アクセル操作量取得部23、エンジン回転数取得部24、タービン回転数取得部25、過給圧力取得部26、吸入空気量取得部27及び制動力維持情報取得部28から送信された情報に基づいて、燃料噴射装置11、機械式自動変速装置12及び制動力維持装置13を制御する。以下に、ECU30の各機能について説明する。
タービン回転始動制御部31は、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、タービン3を回転させるタービン回転始動制御を行うものである。タービン回転始動制御は、燃料噴射装置11から燃料を噴射させることにより、タービン3を回転させる制御である。具体的に説明すると、タービン回転始動制御部31は、発進制御装置4の処理開始条件を満たし、且つ、アクセルペダルがON操作された場合に、タービン回転始動制御を行う。発進制御装置4の処理開始条件は、(1)機械式自動変速装置12のギア位置が車両を走行させるためのギア位置、例えばドライブに切り替えられていること、(2)ブレーキペダルがOFF操作されていること、(3)制動力維持装置13が作動して制動力は維持されていることである。なお、タービン回転始動制御では、制動力維持装置13の作動を停止することなく制動力を維持させておく。
過給圧力上昇制御部32は、タービン回転始動制御部31によるタービン回転始動制御の後に、過給機2の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御を行うものである。過給圧力上昇制御は、エンジン1に負荷を与えることにより、過給機2の過給圧力を上げる制御である。具体的に説明すると、過給圧力上昇制御部32は、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることにより、エンジン1に負荷を与える。なお、過給圧力上昇制御では、制動力維持装置13の作動を停止することなく制動力を維持させておく。
発進実行制御部33は、過給圧力上昇制御部32による過給圧力上昇制御の後に、車両を発進させる発進実行制御を行うものである。発進実行制御は、燃料噴射装置11から燃料を噴射させるとともに、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることにより、車両を発進させる制御である。具体的に説明すると、クラッチの接続方法としては、まず、クラッチを半クラッチ状態で接続させ、その後、クラッチを完全に接続させる。クラッチの接続は、クラッチのストローク量を調整することにより行うことができる。そして、発進実行制御部33は、燃料噴射装置11からの燃料の噴射と、機械式自動変速装置12によるクラッチの半クラッチ状態での接続とを、同時又は略同時に行わせる。また、発進実行制御部33は、発進実行制御を開始すると同時又は略同時に、制動力維持装置13の作動を停止し、制動力の維持を解除する。そして、発進実行制御部33は、クラッチの半クラッチ状態で接続させてから所定時間が経過すると、クラッチを完全に接続する。
次に、図3〜図5を参照して、発進制御装置4の処理動作について詳しく説明する。
図3及び図4は、本実施形態に係る発進制御装置の処理動作を示すフローチャートである。図5は、本実施形態に係る発進制御装置の処理動作を説明するためのタイムチャートである。
図3及び図4に示すように、ECU30は、まず、発進制御装置4の処理開始条件を満たすか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の処理は、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御により行われる。発進制御装置4の処理開始条件は、(1)機械式自動変速装置12のギア位置が車両を走行させるためのギア位置、例えばドライブに切り替えられていること、(2)ブレーキがOFF操作されていること、(3)制動力維持装置13が作動して制動力は維持されていること、の3条件を全て満たすことである。但し、ブレーキがOFF操作されても、後述するステップS11までは、制動力維持装置13の作動を停止することなく制動力を維持させておく。
ステップS1において、機械式自動変速装置12のギア位置は、ギア位置情報取得部21から送信されるギア位置の情報に基づいて判断することができる。
また、ステップS1において、ブレーキがOFF操作されたか否かは、ブレーキ操作量取得部22から送信されるブレーキ操作量に基づいて判断することができる。例えば、ブレーキ操作量取得部22から送信されるブレーキ操作量から、車両を停止させる制動力(ブレーキ力)が発生する程度にブレーキペダルが踏み込まれたと判断した場合は、ブレーキがON操作されたと判定する。一方、ブレーキ操作量取得部22から送信されるブレーキ操作量から、ブレーキペダルを完全に戻したと判断した場合は、ブレーキがOFF操作されたと判定する。この場合、車両を停止させる制動力が発生しない程度にブレーキペダルを戻したと判定した場合も、ブレーキがOFF操作されたと判定してもよい。
また、ステップS1において、制動力維持装置13が作動しているか否かは、制動力維持情報取得部28から送信された制動力維持情報に基づいて判断することができる。
発進制御装置4の処理開始条件を満たすか否かを判定すると判定した場合(ステップS1:YES)、ECU30は、次に、アクセルがON操作されたか否かを判定する(ステップ2)。ステップS2の処理は、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御により行われる。但し、アクセルがON操作されても、後述するステップS7までは、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させずに、クラッチを切り離す。
ステップS2において、アクセル操作がON操作されたか否かは、アクセル操作量取得部23から送信されるアクセル操作量に基づいて判断することができる。例えば、アクセル操作量取得部23から送信されるアクセル操作量から、アクセルペダルを踏み込んだと判断した場合は、アクセルがON操作されたと判定する。一方、アクセルペダルの踏み込みを解除したと判断した場合は、アクセルがOFF操作されたと判定する。この場合、アクセルペダルを踏み込んでいる場合であっても、車両を発進させることができないような操作、つまり、アクセルペダルの踏み込み量が所定の閾値以下である場合は、アクセルをON操作していないと判断してもよい。なお、この所定の閾値は、車種等によって適宜設定することができる。
アクセルがON操作されたと判定した場合(ステップS2:YES)、ECU30は、次に、燃料噴射量を第二噴射量A[mm/st−cyl]に設定する(ステップS3)。ステップS3の処理は、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御により行われる。ここで、第二噴射量Aは、アクセルの操作量に対応した第一噴射量よりも少ない噴射量となる。つまり、アクセルの操作量に対応した噴射量が第一噴射量となり、この第一噴射量よりも少ない噴射量が第二噴射量Aとなる。
すると、図5に示すように、燃料噴射装置11から第二噴射量Aで燃料が噴射されることで、エンジン1の回転数がIdle回転数から上がる。Idle回転数は、エンジン1がIdle状態のときの回転数であり、車種や車両状況等によって異なるが、例えば、500[rpm]に設定することができる。これにより、エンジン1から排出される排気ガスによりタービン3が回転するとともにタービン3の回転数が上がり、これに伴いエンジン1に供給される吸入空気量が上がる。
次に、ECU30は、エンジン1の回転数が(目標回転数B−設定値C)[rpm]まで上昇したか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4の処理は、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御により行われる。ここで、目標回転数Bは、適宜設定される値であって、例えば、1000[rpm]に設定することができる。設定値Cは、目標回転数BからIdle回転数を差し引いた回転数よりも小さい回転数であって、例えば、50[rpm]に設定することができる。なお、ステップS4は、エンジン1の回転数がIdle回転数から目標回転数Bに至る直前であるか否かを検出するための判定処理である。
ステップS4において、エンジン1の回転数が(目標回転数B−設定値C)まで上昇したか否かは、エンジン回転数取得部24から送信されたエンジン回転数と(目標回転数B−設定値C)との比較により判断することができる。
エンジン1の回転数が(目標回転数B−設定値C)まで上昇したと判定した場合(ステップS4:YES)、ECU30は、次に、エンジン1の回転数が目標回転数Bに保持されるように燃料噴射量を第三噴射量D[mm/st−cyl]に設定し、その後、エンジン1の回転数が目標回転数Bに保持されるように燃料噴射量をフィードバック制御する(ステップS5)。ステップS5の処理は、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御により行われる。第三噴射量Dは、エンジン1の回転数を上げるのではなくエンジン1の回転数を目標回転数Bに保持するための噴射量であることから、第二噴射量Aよりも少ない噴射量となる。
すると、図5に示すように、エンジン1がIdle回転数よりも高い目標回転数Bで回転しているため、タービン3の回転数及びエンジン1に供給される吸入空気量は上がり続ける。
以上のステップS1〜ステップS5の処理が、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることなく燃料噴射装置11から燃料を噴射させることにより、タービン3を回転させるタービン回転始動制御ステップとなる。
次に、ECU30は、吸入空気量が吸入空気量E[g/s]以上、又は、タービン3の回転数が回転数F[rps]以上まで上昇したか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6の処理は、過給圧力上昇制御部32の過給圧力上昇制御により行われる。吸入空気量E及び回転数Fは、適宜設定される値であり、例えば、後述するステップS10の段階で十分な過給圧力が得られる値とすることができる。吸入空気量Eは、例えば、35[g/s]に設定することができ、回転数Fは、例えば、40000[rpm]に設定することができる。
ステップS6において、吸入空気量が吸入空気量E以上まで上昇したか否かは、吸入空気量取得部27から送信された吸入空気量と吸入空気量Eとを比較することにより判断することができる。
また、ステップS6において、タービン3の回転数が回転数F以上まで上昇したか否かは、タービン回転数取得部25から送信された回転数と回転数Fとを比較することにより判断することができる。
吸入空気量が吸入空気量E以上、又は、タービン3の回転数が回転数F以上まで上昇したと判定した場合(ステップS6:YES)、ECU30は、次に、機械式自動変速装置12のクラッチのストローク量をストローク量G[mm]に設定し、その後、エンジン1の回転数の低下速度が−H[rpm/s]となるようにクラッチのストローク量をフィードバック制御する(ステップS7)。ステップS7の処理は、過給圧力上昇制御部32の過給圧力上昇制御により行われる。ストローク量G[mm]は、クラッチを半クラッチ状態である第一接続状態よりもクラッチの滑り量が多くなる第二接続状態に接続させるためのストローク量である。
すると、図5に示すように、クラッチの接続によりエンジン1に回転を阻害しようとする負荷が発生するため、エンジン1の回転数が低下する。一方、タービン3は慣性により回転し続けようとするためエンジン1よりも回転数の低下速度が遅くなる。これにより、エンジン1の回転数に対してエンジン1に供給される吸入空気量が多くなるため、過給機2の過給圧力が上がる。
以上のステップS6〜ステップS7の処理が、タービン回転始動制御の後に、エンジン1に負荷を与えることにより、過給機2の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御ステップとなる。
次に、ECU30は、エンジン1の回転数が(Idle回転数+設定回転数I)[rpm]まで低下、又は、過給機2の過給圧力が設定過給圧力J[kPa]まで上昇したか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。設定回転数Iは、目標回転数BからIdle回転数を差し引いた回転数よりも小さい回転数であって、例えば、50[rpm]に設定することができる。なお、ステップS4におけるエンジン1の回転数が(Idle回転数+設定回転数I)まで低下したか否かの判定は、エンジン1の回転数が目標回転数BからIdle回転数に至る直前であるか否かを検出するための判定である。設定過給圧力Jは、適宜設定される値であり、例えば、車両を発進させるための十分なトルクを確保できる過給圧力に設定することができる。設定過給圧力Jは、例えば、ゲージ圧で20[kPa]に設定することができる。
ステップS8において、エンジン1の回転数が(Idle回転数+設定回転数I)まで低下したか否かは、エンジン回転数取得部24から送信された回転数と(Idle回転数+設定回転数I)との比較により判断することができる。
また、ステップS8において、過給機2の過給圧力が設定過給圧力Jまで上昇したか否かは、過給圧力取得部26から取得した過給圧力と設定過給圧力Jとの比較により判断することができる。
エンジン1の回転数が(Idle回転数+設定回転数I)まで低下、又は、過給機2の過給圧力が設定過給圧力Jまで上昇したと判定した場合(ステップS8:YES)、ECU30は、次に、燃料噴射量を第四噴射量K[mm/st−cyl]に設定する(ステップS9)。ステップS9の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。第四噴射量Kは、現在の過給圧力に対応した噴射量となる。つまり、車両には、過給機2の過給圧と燃料の噴射量が対応付けられた制限噴射量マップ(不図示)が設けられている。制限噴射量マップは、ブーストコンペンセーターが噴射量を決定するためのマップである。そして、ステップS9では、制限噴射量マップから現在の過給圧力に対応した噴射量を求め、この求めた噴射量を第四噴射量Kに設定する。
また、ステップS9と同時又は略同時に、ECU30は、機械式自動変速装置12のクラッチのストローク量をストローク量L[mm]に設定し、その後、エンジン1の回転数が(Idle+設定値M)[rpm]となるようにクラッチのストローク量をフィードバック制御する(ステップS10)。ステップS10の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。ストローク量Lは、クラッチを半クラッチ状態である第一接続状態に接続させるためのストローク量である。設定値Mは、目標回転数BからIdle回転数を差し引いた回転数よりも小さい回転数であって、例えば、50[rpm]に設定することができる。なお、ステップS10のフィードバック制御は、クラッチの摩耗を最大限に抑制しつつ、クラッチを接続する際にエンジン1が停止しないように、エンジン1の回転数をIdle回転数よりも僅かに高く保持させる制御処理である。
また、ステップS9及びステップS10と同時又は略同時に、ECU30は、制動力維持装置13の作動を停止して、車両が動けるように制動力の維持を解除する(ステップS11)。ステップS10の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。
すると、図5に示すように、クラッチが半クラッチ状態で接続されることにより車両が発進する。このとき、ステップS7においてクラッチを第二接続状態に接続させたことで、過給機2の過給機の過給圧力が高くなっているため、車両を発進させるための十分なトルクを確保できる。これにより、車両の発進性が向上する。また、ステップS7においてクラッチを第二接続状態に接続させたことで、エンジン1の回転数が低下しているため、クラッチの接続に伴うクラッチ板の摩耗が抑制される。これにより、クラッチの寿命低下を抑制することができる。
次に、ECU30は、ステップS10において機械式自動変速装置12のクラッチのストローク量をストローク量L[mm]に設定してからの時間が設定時間N[sec]以上経過しているか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。なお、ステップS12は、クラッチを半クラッチ状態で接続することで、エンジン1から駆動輪への回転駆動力の伝達割合を徐々に上げていく制御処理である。設定時間Nは、適宜設定される値であり、例えば、エンジン1から駆動輪への回転駆動力の伝達割合が100%近くになるまでの時間に設定することができる。設定時間Nは、例えば、3[sec]に設定することができる。
ステップS10において機械式自動変速装置12のクラッチのストローク量をストローク量L[mm]に設定してからの時間が設定時間N以上経過していると判定した場合(ステップS12:YES)、ECU30は、次に、機械式自動変速装置12のクラッチを完全に接続するようにストローク量を設定する(ステップS13)。ステップS13の処理は、発進実行制御部33の発進実行制御により行われる。
以上のステップS8〜ステップS13の処理が、過給圧上昇制御ステップの後に、燃料噴射装置11から燃料を噴射させるとともに、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることにより、車両を発進させる発進実行制御ステップとなる。
ステップS13により、クラッチが完全に接続されるため、発進制御装置4の処理を終了し、通常の処理に移行する。
ここで、図6を参照して、比較例との対比により本実施形態の効果を説明する。比較例の発進制御装置は、本実施形態のタービン回転始動制御部31及び過給圧力上昇制御部32がなく、タービン回転始動制御ステップ及び過給圧力上昇制御ステップを行わずに車両の発進制御を行うものである。
図6は、比較例の発進制御装置の処理動作を説明するためのタイムチャートである。図6に示すように比較例の発進制御装置では、停止している車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、燃料噴射装置11から燃料を噴射させると同時に、機械式自動変速装置12のクラッチを半クラッチ状態で接続する。また、微小時間経過後に、制動力維持装置13の作動を停止して制動力の維持を解除する。すると、過給機2の過給圧力は徐々にしか高まらない。その結果、アクセルペダルを踏み込んでから暫くの間は、ブーストコンペンセーターの働きにより燃料噴射装置11から噴射される燃料の噴射量が大幅に制限されるため、車両を発進させるための十分なトルクを確保できない。
これに対し、本実施形態に係る発進制御装置4では、タービン回転始動制御部31のタービン回転始動制御によりクラッチを接続することなく燃料噴射装置11から燃料を噴射させると、エンジン1の回転数が上がるため、エンジン1から排出される排気ガスによりタービン3が回転する。その後、過給圧力上昇制御部32の過給圧力上昇制御によりエンジン1に負荷を与えると、エンジン1は回転数が低下するが、タービン3は慣性により回転し続けようとするためエンジン1よりも回転数の低下速度が遅くなる。これにより、過給機2の過給圧力が上がる。その後、発進実行制御部33の発進実行制御により燃料噴射装置11から燃料を噴射させるとともに機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることにより、車両が発進する。ここで、発進実行制御を行う際は、過給圧力上昇制御により過給機2の過給圧力が高くなっているため、車両を発進させるための十分なトルクを確保できる。これにより、車両の発進性が向上する。また、発進実行制御を行う際は、過給圧力上昇制御によりエンジンの回転数が低下しているため、クラッチの接続に伴うクラッチ板の摩耗が抑制される。これにより、クラッチの寿命低下を抑制することができる。
そして、過給圧力上昇制御部32が、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることで、エンジン1に回転を阻害しようとする負荷が発生するため、エンジン1の回転数を低下させることができる。しかも、過給圧力上昇制御部32が、クラッチを半クラッチ状態である第一接続状態よりもクラッチの滑り量が多くなる第二接続状態で接続させるため、クラッチ板の摩耗を抑制しつつ、エンジン1の回転数を下げることができる。この場合、第二接続状態を車両が発進しない程度の接続状態とすることで、別途制動力を発生させなくても、クラッチの接続により車両が不意に発進するのを防止することができる。
ところで、タービン回転始動制御では、クラッチを接続させないため、クラッチを接続させる場合よりも、エンジン1を回転させるために必要な燃料が少なくなる。そこで、タービン回転始動制御部31は、燃料噴射装置からアクセルペダルの操作量に対応した第一噴射量よりも少ない第二噴射量Aで燃料を噴射させることで、燃料消費量の増加を抑制しつつ、エンジン1及びタービン3を回転させることができる。
また、タービン回転始動制御及び過給圧力上昇制御を行うと、ドライバがアクセルを踏み込んでから車両が発進されるまでの間にタイムラグがある。このため、車両が勾配のある道路等に停車している場合は、その間に車両が下り側に下がる可能性がある。そこで、制動力維持装置13を備えるとともに、制動力維持装置13が、アクセルが踏み込まれても、発進実行制御部33が発進実行制御を開始するまで制動力を維持することで、勾配のある道路等に停車している場合にも、タービン回転始動制御及び過給圧力上昇制御を行っている際に車両が下り側に下がるのを防止することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、車両に制動力維持装置13が設けられているものとして説明したが、車両に制動力維持装置13が設けられていなくてもよい。この場合、過給圧力上昇制御部32は、ステップS7において設定するストローク量Gとして、クラッチを車両が発進しない程度の接続状態に接続するためのストローク量とすることで、別途制動力を発生させなくても、クラッチの接続により車両が不意に発進するのを防止することができる。なお、車両が勾配のある道路等に停車している場合は、ドライバがブレーキペダルやサイドブレーキを操作することで、ドライバがアクセルを踏み込んでから車両が発進されるまでの間に車両が下り側に下がるのを防止することができる。
また、上記実施形態では、過給圧力上昇制御部32が、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることによりエンジン1に負荷を与えるものとして説明したが、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることに代えて、又は、機械式自動変速装置12によりクラッチを接続させることに加えて、エンジン1の動力により駆動されるエンジン負荷増大装置(不図示)を作動させることによりエンジン1に負荷を与えるものとしてもよい。エンジン負荷増大装置としては、例えば、オルタネータ―、エアーコンプレッサー、電子制御ファンクラッチ等を用いることができる。
このようにすれば、過給圧力上昇制御部32が、エンジン1の動力により駆動されるエンジン負荷増大装置を作動させることで、エンジン1に回転を阻害しようとする負荷が発生するため、エンジン1の回転数を低下させることができる。そして、クラッチの接続を伴わずにエンジンに負荷を与える場合は、クラッチ板を摩耗させることなくエンジン1に負荷を与えることができるため、クラッチの寿命低下を大きく抑制することができる。一方、クラッチの接続と併せてエンジン1に負荷を与える場合であっても、エンジン1に負荷を与えるためのクラッチの役割分担量が減るため、寿命低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、具体的な処理動作として、燃料の噴射量、エンジン1の回転数、吸入空気量、タービン3の回転数、クラッチのストローク量、エンジン1の回転数の低下速度、過給圧力等の具体的な値を説明したが、これらの値は、本発明の趣旨に反しない範囲で変更してもよい。
また、上記実施形態では、具体的な処理フローを説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲で一部の処理を削除または変更してもよい。例えば、ステップS4及びステップS5を行わずに、ステップS3の処理によりエンジン1の回転数が目標回転数Bまで上昇した場合は、直接ステップS6に進んでもよい。
1…エンジン、2…過給機、3…タービン、4…発進制御装置、11…燃料噴射装置、12…機械式自動変速装置、13…制動力維持装置、21…ギア位置情報取得部、22…ブレーキ操作量取得部、23…アクセル操作量取得部、24…エンジン回転数取得部、25…タービン回転数取得部、26…過給圧力取得部、27…吸入空気量取得部、28…制動力維持情報取得部、30…ECU、31…タービン回転始動制御部、32…過給圧力上昇制御部、33…発進実行制御部。

Claims (7)

  1. エンジンの排気ガスによりタービンを回転させて前記エンジンに圧縮空気を供給する過給機と、クラッチの接続を自動で行う機械式自動変速装置と、を備えた車両の発進制御装置であって、
    停止している前記車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、前記機械式自動変速装置により前記クラッチを接続させることなく燃料噴射装置から燃料を噴射させることにより、前記タービンを回転させるタービン回転始動制御を行うタービン回転始動制御部と、
    前記タービン回転始動制御の後に、前記エンジンに負荷を与えることにより、前記過給機の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御を行う過給圧力上昇制御部と、
    前記過給圧力上昇制御の後に、前記燃料噴射装置から前記燃料を噴射させるとともに、前記機械式自動変速装置により前記クラッチを接続させることにより、前記車両を発進させる発進実行制御を行う発進実行制御部と、
    を備える発進制御装置。
  2. 前記過給圧力上昇制御部は、前記機械式自動変速装置により前記クラッチを接続させることにより前記エンジンに負荷を与える、
    請求項1に記載の発進制御装置。
  3. 前記過給圧力上昇制御部は、前記機械式自動変速装置により前記クラッチを半クラッチ状態である第一接続状態よりも前記クラッチの滑り量が多くなる第二接続状態で接続させることにより前記エンジンに負荷を与える、
    請求項1に記載の発進制御装置。
  4. 前記過給圧力上昇制御部は、前記エンジンの動力により駆動されるエンジン負荷増大装置を作動させることにより前記エンジンに負荷を与える、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の発進制御装置。
  5. 前記タービン回転始動制御部は、前記燃料噴射装置から前記アクセルペダルの操作量に対応した第一噴射量よりも少ない第二噴射量で前記燃料を噴射させる、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の発進制御装置。
  6. 前記車両は、ブレーキ操作により車両が停止するとアクセルが踏み込まれるまで制動力を維持する制動力維持装置を更に備えており、
    前記発進制御装置は、アクセルが踏み込まれても、前記発進実行制御部が前記発進実行制御を開始するまで前記制動力を維持する、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の発進制御装置。
  7. エンジンの排気ガスによりタービンを回転させて前記エンジンに圧縮空気を供給する過給機と、クラッチの接続を自動で行う機械式自動変速装置と、を備えた車両の発進制御方法であって、
    停止している前記車両のアクセルペダルが踏み込まれた場合に、燃料噴射装置から燃料を噴射させることにより、前記タービンを回転させるタービン回転始動制御ステップと、
    前記タービン回転始動制御ステップの後に、前記エンジンに負荷を与えることにより、前記過給機の過給圧力を上げる過給圧力上昇制御ステップと、
    前記過給圧力上昇制御ステップの後に、前記燃料噴射装置から前記燃料を噴射させるとともに、前記機械式自動変速装置により前記クラッチを接続させることにより、前記車両を発進させる発進実行制御ステップと、
    を備える発進制御方法。
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