JP2015101189A - 車載表示装置、ヘッドアップディスプレイ、制御方法、プログラム、及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザが感じる表示のちらつきを好適に低減する車載表示装置を提供する。【解決手段】ヘッドアップディスプレイ2のMCU66は、車両Veの運転者に向けて画像を構成する光を反射するコンバイナ9に対し、運転者が視線を向けていないことを視線情報Ieに基づき検出する。そして、MCU66は、運転者がコンバイナ9に視線を向けていない状態であることを検出した場合に、画像輝度Dbを外光の明るさによらずに設定することで、上記状態の非検出時よりも、光のちらつき成分を減じさせる。【選択図】図5
Description
本発明は、表示のちらつきを低減する技術に関する。
従来から、車載用の表示装置において、外光の影響による視認性の低下を補うため、外光に応じて、表示画面の輝度を変化させる技術が存在する。例えば、特許文献1には、明るさを検知するためのセンサを設けることなく、使用時刻や走行場所に応じて表示装置の明るさを自動調整する車載用表示装置が開示されている。また、特許文献2には、光センサにより検出された外光の明るさと、表示部の表示特性を設定するために入力された入力値とに基づいて、表示部を制御することが可能な情報表示装置が開示されている。
特許文献1及び特許文献2に記載の表示装置では、ユーザの視線の向きによらずに、画面の明るさが制御される。しかしながら、一般に、直視していない状態で表示装置が視界に入る場合には、表示装置を直視している場合と比較して、ユーザは、表示装置によるちらつきを敏感に感じやすくなる傾向がある。特許文献1及び特許文献2には、上記の問題点については、何ら検討されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ユーザが感じる表示のちらつきを好適に低減させることが可能な車載表示装置及びヘッドアップディスプレイを提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明は、車載表示装置であって、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、車両表示装置が実行する制御方法であって、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出工程と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御工程と、を有し、前記制御工程は、前記検出工程により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、コンピュータが実行するプログラムであって、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とする。
本発明の1つの好適な実施形態では、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせる。
上記車載表示装置は、検出手段と、制御手段とを備える。検出手段は、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する。制御手段は、表示面により射出または反射される光の状態を制御する。さらに、制御手段は、検出手段により運転者が表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、その状態の非検出時よりも光のちらつき成分を減じさせる。これにより、車載表示装置は、視線方向以外の視覚である周辺視で表示面をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
上記車載表示装置の一態様では、外光の明るさを検出する外光検出手段をさらに備え、前記制御手段は、前記状態の非検出時には、前記外光の明るさに応じて、前記表示面により表示される輝度を変化させ、前記状態の検出時には、前記輝度を前記外光の明るさに応じて変化させない。一般に、ユーザが視線方向で捉えていない表示の明るさが変化した場合には、ユーザはちらつきを感じやすい。従って、この態様により、車載表示装置は、周辺視で表示面をユーザが視認する場合に、表示面により表示される画像の輝度の変化を抑制することで、ユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。また、車載表示装置は、ユーザが表示面を直視している場合には、外光の明るさに応じて表示面により表示される画像の輝度を変化させることで、視認性を向上させることができる。
上記車載表示装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記表示面に対し、前記光を走査する場合に、前記状態の検出時には、前記状態の非検出時よりも、リフレッシュレートを高くする。この態様により、車載表示装置は、周辺視で表示面をユーザが視認する場合に、リフレッシュレートを高くし、ユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
上記車載表示装置の他の一態様では、前記検出手段は、前記運転者を撮影した画像に基づき、前記運転者が視線を前記表示面に視線を向けていない状態であることを検出する。この態様により、車載表示装置は、運転者が表示面に視線を向けていない状態であるか否かを好適に判定することができる。
上記車載表示装置の他の一態様では、前記検出手段は、前記車両が走行中の道路の運転のし易さに基づき、前記運転者が視線を前記表示面に向けにくい状態であるか否かを判定する。この態様により、車載表示装置は、運転者が表示面に視線を向けにくい状態であるか否かを好適に判定することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、ヘッドアップディスプレイは、上記いずれか記載の車載表示装置と、車両の運転者に向けて画像を構成する光を反射することで、運転者に虚像を視認させる表示面と、を備える。ヘッドアップディスプレイでは、表示面での表示が常に運転中のユーザの視野内にあるため、運転中のユーザは、表示のちらつきを煩わしく感じる場合が多くなる。この場合であっても、運転者が表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、その状態の非検出時よりも光のちらつき成分を減じさせることで、周辺視で表示面をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
本発明のさらに別の実施形態では、車両表示装置が実行する制御方法であって、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出工程と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御工程と、を有し、前記制御工程は、前記検出工程により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせる。車両表示装置は、この制御方法を実行することで、周辺視で表示面をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
本発明のさらに別の実施形態では、コンピュータが実行するプログラムであって、車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段として前記コンピュータを機能させ、前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせる。コンピュータは、このプログラムを実行することで、周辺視で表示面をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
以下、図面を参照して本発明の好適な第1及び第2実施例について説明する。
[第1実施例]
(1)システム構成
図1は、第1実施例に係る表示システム100の構成例を示す。図1に示すように、表示システム100は、車両Veに搭載され、ナビゲーション装置1と、ヘッドアップディスプレイ2と、カメラ6と、外光センサ7とを備える。なお、図1に示す構成に代えて、ヘッドアップディスプレイ2には、ナビゲーション装置1に相当する機能が組み込まれていてもよい。
(1)システム構成
図1は、第1実施例に係る表示システム100の構成例を示す。図1に示すように、表示システム100は、車両Veに搭載され、ナビゲーション装置1と、ヘッドアップディスプレイ2と、カメラ6と、外光センサ7とを備える。なお、図1に示す構成に代えて、ヘッドアップディスプレイ2には、ナビゲーション装置1に相当する機能が組み込まれていてもよい。
ナビゲーション装置1は、出発地から目的地までの経路案内を行う機能などを有する。ナビゲーション装置1は、例えば、車両Veに設置される据え置き型のナビゲーション装置、PND(Portable Navigation Device)、又はスマートフォンなどの携帯端末とすることができる。
ヘッドアップディスプレイ2は、現在位置を含む地図情報や経路案内情報、走行速度、その他運転を補助する情報を表示する画像を生成し、当該画像を運転者の目の位置(アイポイント)から虚像として視認させる装置である。ヘッドアップディスプレイ2には、車両の位置、車両の走行速度、地図情報、及び施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種情報がナビゲーション装置1から供給される。なお、ヘッドアップディスプレイ2は、上述の画像を生成する代わりに、ナビゲーション装置1が生成した画像を受信し、当該画像を虚像として運転者に視認させてもよい。
カメラ6は、運転者に向けられた状態で設置され、運転者を撮影した画像(「撮影画像Im」とも呼ぶ。)を生成し、ヘッドアップディスプレイ2に供給する。外光センサ7は、外光の明るさ(照度)を示す検出信号(「検出信号Sd」とも呼ぶ。)をヘッドアップディスプレイ2に供給する。
なお、ナビゲーション装置1がスマートフォンなどの携帯端末である場合、ナビゲーション装置1は、クレードルなどによって保持されても良い。この場合、ナビゲーション装置1は、クレードルなどを介して、ヘッドアップディスプレイ2と情報の授受を行うこととしても良い。
(2)ナビゲーション装置の構成
図2は、ナビゲーション装置1の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、インタフェース39、表示ユニット40、音声出力ユニット50、及び入力装置60を備える。
図2は、ナビゲーション装置1の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、インタフェース39、表示ユニット40、音声出力ユニット50、及び入力装置60を備える。
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両Veの加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両Veの方向変換時における車両Veの角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両Veの車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両Veの絶対的な位置(「現在位置」とも呼ぶ。)を検出するために用いられる。
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。地図データは、道路に相当するリンクと、道路の接続部分(交差点)に相当するノードとにより表された道路データや、各施設に関する施設情報などを含む。
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信モジュールなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、VICS(登録商標、Vehicle Information Communication System)センタから配信される渋滞や交通情報などの道路交通情報、その他の情報を受信する。また、通信装置38は、GPS受信機18から取得した現在位置の情報、自立測位装置10から取得した車速パルス等の情報及び地図データなど、ナビゲーション処理に用いられる各種情報をヘッドアップディスプレイ2に送信する。
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
(3)ヘッドアップディスプレイの構成
図3は、ヘッドアップディスプレイ2の概略構成図である。図3に示すように、本実施例に係るヘッドアップディスプレイ2は、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備え、フロントウィンドウ25、天井部27、ボンネット28、及びダッシュボード29などを備える車両Veに取り付けられる。
図3は、ヘッドアップディスプレイ2の概略構成図である。図3に示すように、本実施例に係るヘッドアップディスプレイ2は、光源ユニット4と、コンバイナ9とを備え、フロントウィンドウ25、天井部27、ボンネット28、及びダッシュボード29などを備える車両Veに取り付けられる。
光源ユニット4は、支持部材5a、5bを介して車室内の天井部27に設置され、運転を補助する情報を示す画像を構成する光を、コンバイナ9に向けて出射する。具体的には、光源ユニット4は投影装置45を有し、投影装置45は、光源ユニット4内に表示像の元画像(実像)を生成し、その画像を構成する光をコンバイナ9へ出射することで、コンバイナ9を介して運転者に虚像「Iv」を視認させる。
コンバイナ9は、光源ユニット4から出射される表示像が投影されると共に、表示像を運転者のアイポイント「Pe」へ反射することで当該表示像を虚像Ivとして表示させる。そして、コンバイナ9は、天井部27に設置された支持軸部8を有し、支持軸部8を支軸として回動する。支持軸部8は、例えば、フロントウィンドウ25の上端近傍の天井部27、言い換えると運転者用の図示しないサンバイザが設置される位置の近傍に設置される。なお、支持軸部8は、上述のサンバイザに代えて設置されてもよい。コンバイナ9の反射面は、本発明における「表示面」の一例である。
また、図3の例では、カメラ6及び外光センサ7は、一体となってダッシュボード29上に載置されている。そして、カメラ6及び外光センサ7は、撮影画像Imや検出信号Sdを、有線又は無線により、光源ユニット4に送信する。
(4)投影部の構成
図4は、第1実施例に係る投影装置45の構成を示す。図4に示すように、投影装置45は、画像信号入力部62と、ビデオASIC63と、MCU(Micro Control Unit)66と、視線認識部67と、レーザドライバIC70と、MEMSミラー制御部80と、フレームメモリ84と、ROM85と、RAM86と、レーザ光源部90と、スクリーン94とを備える。投影装置45は、本発明における「車載表示装置」の一例である。
図4は、第1実施例に係る投影装置45の構成を示す。図4に示すように、投影装置45は、画像信号入力部62と、ビデオASIC63と、MCU(Micro Control Unit)66と、視線認識部67と、レーザドライバIC70と、MEMSミラー制御部80と、フレームメモリ84と、ROM85と、RAM86と、レーザ光源部90と、スクリーン94とを備える。投影装置45は、本発明における「車載表示装置」の一例である。
画像信号入力部62は、ナビゲーション装置1から光源ユニット4が受信した案内経路の情報等に基づき、案内画像を示す画像信号を生成し、ビデオASIC63に出力する。ビデオASIC63は、画像信号入力部62から入力される画像信号、及びレーザ光源部90内のMEMSミラー95から入力される走査位置情報に基づいて、レーザドライバIC70やMEMSミラー制御部80を制御するブロックであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されている。ビデオASIC63は、映像処理部64と、タイミングコントローラ65と、を備える。
映像処理部64は、画像信号入力部62から入力された画像信号から、画像表示部に表示される画像データと同期信号とを分離し、画像信号に含まれるフレームごとの画像データをフレームメモリ84へ書き込む。また、映像処理部64は、フレームメモリ84に書き込まれた画像データを読み出してビットデータに変換し、変換したビットデータを、各レーザの発光パターンを表す信号に変換する。タイミングコントローラ65は、映像処理部64の動作タイミングを制御する。また、タイミングコントローラ65は、MEMSミラー制御部80を介してMEMSミラー95の動作タイミングも制御する。
フレームメモリ84には、映像処理部64により分離された画像データが書き込まれる。ROM85は、ビデオASIC63が動作するための制御プログラムやデータなどを記憶している。RAM86には、ビデオASIC63が動作する際のワークメモリとして、各種データが逐次読み書きされる。
レーザドライバIC70は、レーザ光源部90に設けられるレーザダイオード(LD)を駆動する信号を生成するブロックであり、IC(Integrated Circuit)として構成されている。レーザドライバIC70は、赤色レーザ駆動回路71と、緑色レーザ駆動回路72と、青色レーザ駆動回路73と、を備える。赤色レーザ駆動回路71は、映像処理部64が出力する信号に基づいて赤色レーザLD1を駆動し、緑色レーザ駆動回路72は、映像処理部64が出力する信号に基づいて緑色レーザLD2を駆動し、青色レーザ駆動回路73は、映像処理部64が出力する信号に基づいて青色レーザLD3を駆動する。
MEMSミラー(Micro Electro Mechanical Systems)制御部80は、タイミングコントローラ65が出力する信号に基づきMEMSミラー95を制御する。MEMSミラー制御部80は、サーボ回路81と、ドライバ回路82と、を備える。サーボ回路81は、タイミングコントローラ65からの信号に基づき、MEMSミラー95の動作を制御する。ドライバ回路82は、サーボ回路81が出力するMEMSミラー95の制御信号を所定レベルに増幅して出力する。
レーザ光源部90は、レーザドライバIC70から出力される駆動信号に基づいて、レーザ光を出射する。具体的には、レーザ光源部90は、主に、赤色レーザLD1と、緑色レーザLD2と、青色レーザLD3と、コリメータレンズ91a〜91cと、ダイクロイックミラー92a〜92cと、MEMSミラー95と、を備える。
赤色レーザLD1は赤色レーザ光を出射し、緑色レーザLD2は緑色レーザ光を出射し、青色レーザLD3は青色レーザ光を出射する。なお、以下では、赤色レーザLD1、緑色レーザLD2及び青色レーザLD3を区別しないで用いる場合には、単に「レーザLD」と表記し、赤色レーザ光、緑色レーザ光及び青色レーザ光を区別しないで用いる場合には、単に「レーザ光」と表記する。また、本明細書では、レーザ光のことを適宜「ビーム」と表記する。
コリメータレンズ91a、91b、91cは、それぞれ、赤色レーザ光、緑色レーザ光及び青色レーザ光を平行光にして、ダイクロイックミラー92a〜92cに出射する。ダイクロイックミラー92bは、緑色レーザ光を反射させ、ダイクロイックミラー92aは、緑色レーザ光を透過させ、赤色レーザ光を反射させる。そして、ダイクロイックミラー92cは、青色レーザ光のみを透過させ、緑色レーザ光及び赤色レーザ光を反射させる。こうしてダイクロイックミラー92cを透過した青色レーザ光及びダイクロイックミラー92cで反射された緑色レーザ光及び赤色レーザ光は、MEMSミラー95に入射される。
MEMSミラー95は、上記のようにしてダイクロイックミラー92cを介して入射されたビーム(レーザ光)を、スクリーン94に向けて反射させる。具体的には、MEMSミラー95は、画像信号入力部62に入力された画像に対応して、連続する複数のフレームにより構成される画像を表示させるべく、MEMSミラー制御部80の制御により、ビームによってスクリーン94を走査するように動作する。また、MEMSミラー95は、その際の走査位置情報(例えばミラーの角度などの情報)をビデオASIC63へ出力する。
より詳しくは、MEMSミラー95は、表示すべき画像を形成する走査線の方向に沿った方向(画像における横方向に相当し、以下では「主走査方向」と呼ぶ。)にビームを走査するように揺動する。これにより、表示すべき画像を構成する走査線が生成される。これと同時に、MEMSミラー95は、走査線の方向に垂直な方向(画像における縦方向に相当すると共に主走査方向に直交する方向であり、以下では「副走査方向」と呼ぶ。)にビームを走査するように揺動する。これにより、副走査方向に並んだ所定数の走査線が生成される。以上のようにMEMSミラー95が揺動することで、動画などを構成する一枚の画像(つまりフレーム)が形成される。MEMSミラー95は、このようにして1つのフレームの走査を終えると、次のフレームの走査を開始し、投影するフレームを順次リフレッシュする。このリフレッシュの単位時間あたりの頻度を「リフレッシュレート」と呼ぶ。
スクリーン94は、MEMSミラー95で反射されたビームが入射される。したがって、上記したようなMEMSミラー95の動作により、スクリーン94上でビームによる走査がなされることとなる。例えば、スクリーン94は、表示すべき画像の中間像を形成するよう機能する。1つの例では、スクリーン94として、EPE(Exit−Pupil Expander)などの拡散板を適用することができる。
視線認識部67は、カメラ6から供給される撮影画像Imに基づき、撮影画像Im内の運転者の顔が表示された領域を解析することで、運転者の視線方向を示す情報(「視線情報Ie」とも呼ぶ。)を生成する。この場合、例えば、視線認識部67は、公知の視線検出技術により運転者の視線を検出し、視線情報Ieを生成する。そして、視線認識部67は、視線情報IeをMCU66へ供給する。
MCU66は、視線認識部67から受信する視線情報Ieと、外光センサ7から受信する検出信号Sdとに基づき、ビデオASIC63内の映像処理部64に対する制御を行う。本実施例では、MCU66は、視認性向上のため、検出信号Sdが示す外光の明るさに応じて、投影する画像の輝度(「画像輝度Db」とも呼ぶ。)が変化するように、ビデオASIC63などを制御する。また、MCU66は、視線認識部67から供給される視線情報Ieに応じて、上述の検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整の有無を切り替える。MCU66が行う制御の詳細は後述する。なお、MCU66は、本発明における「検出手段」、「制御手段」、「外光検出手段」、及び「コンピュータ」の一例である。
(5)画像輝度の調整
次に、第1実施例においてMCU66が実行する画像輝度Dbの調整方法について説明する。概略的には、MCU66は、視線情報Ieに基づき、運転者の視線がコンバイナ9により表示された画像(単に「表示画像」とも呼ぶ。)に向いていないと判断した場合には、検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整を行わない。これにより、MCU66は、運転者が前方風景を見て運転に集中しているときに、表示画像のちらつきが目立つのを好適に抑制する。
次に、第1実施例においてMCU66が実行する画像輝度Dbの調整方法について説明する。概略的には、MCU66は、視線情報Ieに基づき、運転者の視線がコンバイナ9により表示された画像(単に「表示画像」とも呼ぶ。)に向いていないと判断した場合には、検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整を行わない。これにより、MCU66は、運転者が前方風景を見て運転に集中しているときに、表示画像のちらつきが目立つのを好適に抑制する。
一般に、人間の視角特性においては、視線方向の視覚である中心視で点滅する光(フリッカー光)を捉えた場合と、視野方向以外の視覚である周辺視でフリッカー光を捉えた場合とでは、周辺視の方が点滅によるちらつきを敏感に感じることが知られている。従って、ユーザの視線の方向にない表示の明るさが変化した場合には、ユーザは、当該表示のちらつきを感じやすい。特に、ヘッドアップディスプレイ2により表示される画像は、常に運転中のユーザの視野内に表示されるため、運転中のユーザは、表示画像のちらつきを煩わしく感じる場合が多くなる。
以上を勘案し、MCU66は、運転者の視線が表示画像に向いていないと判断した場合に、検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整を行わない。これにより、運転者が前方風景を見て運転に集中しているときに、画像輝度Dbの切り替えに起因して表示画像のちらつきが目立つのを好適に抑制することができる。
図5は、第1実施例においてMCU66が実行する画像輝度Dbの調整処理を示すフローチャートである。MCU66は、図5に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まず、MCU66は、撮影画像Imに基づき視線認識部67が生成した視線情報Ieを取得する(ステップS101)。次に、MCU66は、視線情報Ieに基づき、表示画像に運転者の視線が向けられているか否か判定する(ステップS102)。例えば、MCU66は、運転者が表示画像に視線を向けている場合の視線方向の情報を予め記憶しておき、視線情報Ieが示す視線方向と、予め記憶した視線方向とを比較することで、表示画像に運転者の視線が向けられているか否か判定する。
そして、MCU66は、表示画像に運転者の視線が向けられていると判断した場合(ステップS102;Yes)、検出信号Sdが示す外光の明るさに応じて、画像輝度Dbを自動調整する(ステップS103)。例えば、MCU66は、外光が明るいほど画像輝度Dbを上げることで、外光の明るさに応じて表示画像を好適に見やすくすることができる。
一方、表示画像に運転者の視線が向けられていない場合(ステップS102;No)、MCU66は、外光の明るさによらず、画像輝度Dbを所定値に固定する(ステップS104)。この場合、MCU66は、最後にステップS103の処理を実行したときに設定されていた画像輝度Dbの輝度値に画像輝度Dbを固定してもよく、予め設定された輝度値に画像輝度Dbを固定してもよい。後者の場合、MCU66は、画像輝度Dbを比較的低い値(例えば最大輝度の20%)に設定することで、表示画像を目立たなくしてもよい。これにより、MCU66は、画像輝度Dbの切り替えに起因した表示画像のちらつきを抑制し、運転者に運転を集中させることができる。
以上説明したように、第1実施例に係るヘッドアップディスプレイ2のMCU66は、車両Veの運転者に向けて画像を構成する光を反射するコンバイナ9に対し、運転者が視線を向けていないことを視線情報Ieに基づき検出する。そして、MCU66は、運転者がコンバイナ9に視線を向けていない状態であることを検出した場合に、画像輝度Dbを外光の明るさによらずに設定することで、上記状態の非検出時よりも、光のちらつき成分を減じさせる。これにより、周辺視で表示画像をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
[第2実施例]
第2実施例では、MCU66は、画像輝度Dbの自動調整の有無の切り替えに代えて、又はこれに加えて、リフレッシュレートの切り替えを行う点で、第1実施例と異なる。具体的には、第2実施例では、MCU66は、運転者の視線が表示画像に向いていない場合には、運転者の視線が表示画像に向いている場合よりも、リフレッシュレートを上げる。これにより、第1実施例と同様、MCU66は、運転者が前方風景を見て運転に集中しているときに、表示画像のちらつきが目立つのを好適に抑制する。その他、第1実施例と同様の部分については、適宜同一の符号を付し、その説明を省略する。
第2実施例では、MCU66は、画像輝度Dbの自動調整の有無の切り替えに代えて、又はこれに加えて、リフレッシュレートの切り替えを行う点で、第1実施例と異なる。具体的には、第2実施例では、MCU66は、運転者の視線が表示画像に向いていない場合には、運転者の視線が表示画像に向いている場合よりも、リフレッシュレートを上げる。これにより、第1実施例と同様、MCU66は、運転者が前方風景を見て運転に集中しているときに、表示画像のちらつきが目立つのを好適に抑制する。その他、第1実施例と同様の部分については、適宜同一の符号を付し、その説明を省略する。
一般に、有機ELディスプレイやLCDなどの面発光型の表示素子、即ち、表示素子が固定画素で構成され、各固定画素が発光することで画像を表示する表示素子よりも、CRTやレーザプロジャクタなどのスキャン型の表示素子、即ち、光の点を高速にスキャンして画像を表示させる表示素子の方が、利用者はちらつきを感じ易い。そして、ヘッドアップディスプレイ2の投影装置45は、後者のスキャン型の表示素子であるため、運転者は比較的ちらつきを感じやすい。また、第1実施例で述べたように、周辺視では、中心視と比較して、点滅によるちらつきを感じやすい。従って、ヘッドアップディスプレイ2のユーザは、中心視により表示画像を視認しているときにはちらつきを感じなくとも、周辺視により表示画像を視認しているときに、ちらつきを感じる可能性がある。
以上を勘案し、MCU66は、運転者の視線が表示画像に向いていない場合には、周辺視であっても表示画像のちらつきをユーザが感じない所定レートまで、リフレッシュレートを高くする。上述の所定レートは、例えば実験等に基づき設定され、MCU66等により予め記憶される。これにより、周辺視での表示画像のちらつきを好適に抑制することができる。
図6は、第2実施例においてMCU66が実行する画像輝度Dbの調整処理を示すフローチャートである。MCU66は、図6に示すフローチャートの処理を繰り返し実行する。
まず、MCU66は、第1実施例と同様、撮影画像Imに基づき視線認識部67が生成した視線情報Ieを取得する(ステップS201)。そして、MCU66は、視線情報Ieに基づき、表示画像に運転者の視線が向けられているか否か判定する(ステップS202)。
そして、表示画像に運転者の視線が向けられている場合(ステップS202;Yes)、MCU66は、リフレッシュレートを通常レート(例えば60Hz)に設定する(ステップS203)。一方、表示画像に運転者の視線が向けられていない場合(ステップS202;No)、MCU66は、リフレッシュレートを通常レートよりも高く設定する(ステップS204)。例えば、MCU66は、この場合、走査線の方向に沿った方向である主走査方向の走査速度と、主走査方向と垂直な副走査方向の走査速度とをそれぞれ20%高速にすることで、リフレッシュレートを20%(通常レートが60Hzの場合72Hzまで)上げる。これにより、周辺視での表示画像のちらつきを好適に抑制することができる。
なお、ちらつきを抑制する他の方法として、表示画像に運転者の視線が向けられているか否かによらず、周辺視であっても表示画像のちらつきをユーザが感じないリフレッシュレート(即ち、ステップS204で用いるリフレッシュレート)に固定する方法も考えられる。しかしながら、この場合、MEMSミラー12の駆動回数が増えるため、製品寿命が短くなり、かつ、消費電力が増えるおそれがある。これに対し、図6の制御方法では、MCU66は、リフレッシュレートを上げる期間を限定しているため、上述の問題の影響を最小限に抑制しつつ、好適に周辺視での表示画像のちらつきを抑制することができる。
なお、第2実施例のヘッドアップディスプレイ2は、外光の明るさに基づき画像輝度Dbを自動調整する機能を有しなくともよい。また、第2実施例は、第1実施例と好適に組み合わせることができる。この場合、MCU66は、表示画像に運転者の視線が向けられていないと判断したときに、検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整を停止すると共に、リフレッシュレートを通常レートよりも上げる。
以上説明したように、第2実施例に係るヘッドアップディスプレイ2のMCU66は、車両Veの運転者に向けて画像を構成する光を反射するコンバイナ9に対し、運転者が視線を向けていないことを視線情報Ieに基づき検出する。そして、MCU66は、運転者がコンバイナ9に視線を向けていない状態であることを検出した場合に、リフレッシュレートを通常レートより高くすることで、上記状態の非検出時よりも、光のちらつき成分を減じさせる。これにより、第1実施例と同様、周辺視で表示画像をユーザが視認する場合にユーザが感じるちらつきを好適に抑制することができる。
[変形例]
以下、上述の第1及び第2実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用してもよい。
以下、上述の第1及び第2実施例に好適な変形例について説明する。以下の変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用してもよい。
(変形例1)
第1及び第2実施例では、MCU66は、図5のステップS102又は図6のステップS202において、表示画像に運転者の視線が向けられていないと判断した場合に、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を行った。これに代えて、MCU66は、運転者が表示画像に視線を向けにくい運転状態であると判断した場合に、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を行ってもよい。
第1及び第2実施例では、MCU66は、図5のステップS102又は図6のステップS202において、表示画像に運転者の視線が向けられていないと判断した場合に、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を行った。これに代えて、MCU66は、運転者が表示画像に視線を向けにくい運転状態であると判断した場合に、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を行ってもよい。
この場合、例えば、ナビゲーション装置1は、車両Veが現在走行中の道路(「走行道路」とも呼ぶ。)についての運転のし易さに関連する情報を、ヘッドアップディスプレイ2のMCU66へ送信する。例えば、ナビゲーション装置1は、走行道路が急カーブを有する場合、走行道路の道幅が所定幅よりも細い場合、走行道路が山道である場合、又は/及び走行道路が所定角度以上の勾配を有する場合に、走行道路が運転しにくい道路であると認識し、その旨の情報をMCU66へ送信する。そして、MCU66は、走行道路が運転しにくい道路である旨の情報をナビゲーション装置1から受信した場合に、運転者が運転に集中すべき状況であり、表示画像に視線を向けにくいと判断し、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を行う。
ここで、走行道路が運転しにくい道路であるか否かをナビゲーション装置1が判定する具体的方法(第1〜第3の方法)について説明する。
第1の方法では、データ記憶ユニット36は、地図データに記憶されているリンクごとに、当該リンクが示す道路が運転しにくい道路であるか否かを示すフラグ情報を、地図データとして予め記憶しておく。そして、システムコントローラ20は、自立測位装置10やGPS受信機18の出力に基づき走行道路に対応するリンクを認識した場合に、当該リンクに地図データ上で関連付けられたフラグ情報を参照することで、走行道路が運転しにくい道路であるか否かを判定する。
第2の方法では、システムコントローラ20は、自立測位装置10の出力や、GPS受信機18による現在位置の測位履歴に基づき、走行道路が運転しにくい道路であるか否かを判断する。例えば、システムコントローラ20は、加速度センサ11等の出力に基づき、走行道路の道路勾配を認識し、当該勾配が所定角度以上の場合に、走行道路が運転しにくい道路であると認識する。他の例では、システムコントローラ20は、角速度センサ12等の出力に基づき、所定値以上の角速度を検知した場合には、車両Veが急カーブを走行中であると判断し、走行道路が運転しにくい道路であると認識する。
第3の方法では、第1の方法のフラグ情報に代えて、リンクごとに、当該リンクが示す道路の道幅の情報、傾斜角度の情報、又は/及びカーブの曲率の情報等をデータ記憶ユニット36が地図データとして記憶しておく。また、データ記憶ユニット36は、上述の道幅の情報や傾斜角度の情報等のそれぞれに対し、走行道路が運転しにくい道路であると判断される範囲(値域)を記憶しておく。そして、システムコントローラ20は、認識した走行道路に対応するリンクに関連付けられた道幅の情報等を参照し、それらのいずれかが、走行道路が運転しにくい道路であると判断される範囲に該当する場合に、走行道路が運転しにくい道路であると認識する。
(変形例2)
ナビゲーション装置1は、変形例1で説明した運転のし易さに関する情報に代えて、走行道路での外光変化のし易さに関する情報をMCU66に送信してもよい。
ナビゲーション装置1は、変形例1で説明した運転のし易さに関する情報に代えて、走行道路での外光変化のし易さに関する情報をMCU66に送信してもよい。
例えば、ナビゲーション装置1は、日中に林間の道路や、道路沿いに隣接して建てられたビルに挟まれた道路を車両Veが走行している場合に、走行道路が外光変化のし易い道路である旨の情報をMCU66に送信する。そして、MCU66は、ナビゲーション装置1から、走行道路が外光変化のし易い道路である旨の情報を受信した場合、検出信号Sdに基づく画像輝度Dbの自動調整を停止する。この場合、例えば、変形例1の第1の方法と同様、地図データに記憶されているリンクごとに、外光が変化しやすい道路であるか否を示すフラグ情報を、地図データとしてデータ記憶ユニット36が予め記憶しておく。
(変形例3)
図3では、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有し、コンバイナ9で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させていた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これに代えて、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有さず、フロントガラス25で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させてもよい。この場合、フロントガラス25の反射面は、本発明における「表示面」の一例である。
図3では、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有し、コンバイナ9で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させていた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限定されない。これに代えて、ヘッドアップディスプレイ2は、コンバイナ9を有さず、フロントガラス25で反射させた光源ユニット4の出射光に基づき運転者に虚像Ivを視認させてもよい。この場合、フロントガラス25の反射面は、本発明における「表示面」の一例である。
また、光源ユニット4の位置は、天井部27に設置される場合に限定されない。これに代えて、光源ユニット4は、ダッシュボード29上に設置されたり、ダッシュボード29の内部に設置されたりしてもよい。ダッシュボード29上に設置される場合、ダッシュボード29には、コンバイナ9を設けるか、又はフロントガラス25に光源ユニット4から直接光を反射させ運転者に虚像Ivを認識させる。ダッシュボード内に設置される場合、ダッシュボード29には、コンバイナ9又はフロントガラス25に光を通過させるための開口部が設けられる。
(変形例4)
表示システム100は、ヘッドアップディスプレイ2の表示画像を対象に、ちらつきを低減する処理を行った。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、これに代えて、表示システム100は、ヘッドアップディスプレイ2を有さず、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20は、ディスプレイ44を対象に、ちらつきを低減する処理を行ってもよい。この場合であっても、運転者が前方風景に視線を向けて運転に集中している際に、ディスプレイ44の画面がちらつくのを好適に抑制することができる。この場合、表示ユニット40のディスプレイ44は、本発明における「表示面」の一例である。また、ナビゲーション装置1は、本発明における「車載表示装置」の一例であり、システムコントローラ20は、本発明における「検出手段」、「制御手段」、「外光検出手段」、及び「コンピュータ」の一例である。
表示システム100は、ヘッドアップディスプレイ2の表示画像を対象に、ちらつきを低減する処理を行った。しかし、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、これに代えて、表示システム100は、ヘッドアップディスプレイ2を有さず、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20は、ディスプレイ44を対象に、ちらつきを低減する処理を行ってもよい。この場合であっても、運転者が前方風景に視線を向けて運転に集中している際に、ディスプレイ44の画面がちらつくのを好適に抑制することができる。この場合、表示ユニット40のディスプレイ44は、本発明における「表示面」の一例である。また、ナビゲーション装置1は、本発明における「車載表示装置」の一例であり、システムコントローラ20は、本発明における「検出手段」、「制御手段」、「外光検出手段」、及び「コンピュータ」の一例である。
(変形例5)
図1の表示システム100の構成例では、カメラ6及び外光センサ7は、ヘッドアップディスプレイ2に接続されていた。これに代えて、カメラ6又は/及び外光センサ7は、ナビゲーション装置1と接続されていてもよい。
図1の表示システム100の構成例では、カメラ6及び外光センサ7は、ヘッドアップディスプレイ2に接続されていた。これに代えて、カメラ6又は/及び外光センサ7は、ナビゲーション装置1と接続されていてもよい。
この場合、例えば、ナビゲーション装置1は、カメラ6又は/及び外光センサ7から受信した撮影画像Im又は/及び検出信号Sdをヘッドアップディスプレイ2の投影装置45に転送する。他の例では、ナビゲーション装置1は、カメラ6から受信した撮影画像Imに基づき、視線認識部67が実行する処理を行うことで視線情報Ieを生成し、視線情報Ieを投影装置45に送信する。さらに別の例では、ナビゲーション装置1は、カメラ6から受信した撮影画像Imに基づき視線情報Ieを生成後、さらに、表示画像のちらつきを低減する処理を行うべきか否かの判定を行い、表示画像のちらつきを低減する処理を実行すべきか否かを示す指示信号を投影装置45に送信する。
このように、投影装置45が実行する処理の一部をナビゲーション装置1が実行する場合であっても、好適に、表示システム100は、周辺視での表示画像のちらつきを低減する処理を実行することができる。この場合、ナビゲーション装置1のシステムコントローラ20は、本発明における「検出手段」の一例である。
(変形例6)
図5、6の説明では、視線認識部67は、運転者の視線方向を示す視線情報Ieを生成してMCU66に送信し、MCU66は、視線情報Ieに基づき運転者が表示画像に視線を向けているか否かを判定した。これに代えて、視線認識部67は、運転者の視線方向の認識後、さらに運転者が表示画像に視線を向けているか否かを判定し、その判定結果をMCU66に送信してもよい。この場合、MCU66は、運転者が表示画像に視線を向けているか否かの判定を行う必要がない。
図5、6の説明では、視線認識部67は、運転者の視線方向を示す視線情報Ieを生成してMCU66に送信し、MCU66は、視線情報Ieに基づき運転者が表示画像に視線を向けているか否かを判定した。これに代えて、視線認識部67は、運転者の視線方向の認識後、さらに運転者が表示画像に視線を向けているか否かを判定し、その判定結果をMCU66に送信してもよい。この場合、MCU66は、運転者が表示画像に視線を向けているか否かの判定を行う必要がない。
1 ナビゲーション装置
2 ヘッドアップディスプレイ
4 光源ユニット
9 コンバイナ
25 フロントガラス
28 ボンネット
29 ダッシュボード
100 表示システム
2 ヘッドアップディスプレイ
4 光源ユニット
9 コンバイナ
25 フロントガラス
28 ボンネット
29 ダッシュボード
100 表示システム
Claims (9)
- 車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、
前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とする車載表示装置。 - 外光の明るさを検出する外光検出手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記状態の非検出時には、前記外光の明るさに応じて、前記表示面により表示される画像の輝度を変化させ、前記状態の検出時には、前記輝度を前記外光の明るさに応じて変化させないことを特徴とする請求項1に記載の車載表示装置。 - 前記制御手段は、前記表示面に対し、前記光を走査する場合に、前記状態の検出時には、前記状態の非検出時よりも、リフレッシュレートを高くすることを特徴とする請求項1または2に記載の車載表示装置。
- 前記検出手段は、前記運転者を撮影した画像に基づき、前記運転者が視線を前記表示面に視線を向けていない状態であることを検出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載表示装置。
- 前記検出手段は、前記車両が走行中の道路の運転のし易さに基づき、前記運転者が視線を前記表示面に向けにくい状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の車載表示装置。
- 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車載表示装置と、
車両の運転者に向けて画像を構成する光を反射することで、前記運転者に虚像を視認させる表示面と、を備えることを特徴とするヘッドアップディスプレイ。 - 車両表示装置が実行する制御方法であって、
車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出工程と、
前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程は、前記検出工程により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とする制御方法。 - コンピュータが実行するプログラムであって、
車両の運転者に向けて画像を構成する光を射出または反射する表示面に対し、前記運転者が視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出する検出手段と、
前記表示面により射出または反射される光の状態を制御する制御手段
として前記コンピュータを機能させ、
前記制御手段は、前記検出手段により前記運転者が前記表示面に視線を向けていない、または向けにくい状態であることを検出した場合に、前記状態の非検出時よりも前記光のちらつき成分を減じさせることを特徴とするプログラム。 - 請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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Legal Events
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