JP2015100592A - 医用画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】標準物質の誤検出をなくし、正確な骨塩定量の計測を行えるようにする。
【解決手段】制御部31は、被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成し、骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づいて骨塩定量を計測するものであって、読影用画像データの作成において、医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識し、認識された照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す。
【選択図】図2

Description

本発明は、医用画像処理装置に関する。
従来、骨粗鬆症の診断や治療効果の判定のために骨塩定量検査が行われている。骨塩定量検査にはさまざまなものがあるが、そのうちDIP(Digital Image Processing)法による検査は、簡便で精度が高い検査として広く実施されている。
DIP法とは、標準物質のアルミスロープと左手第二中手骨を同時にX線撮影し、得られたX線画像におけるアルミスロープと左手第二中手骨との陰影濃度を比較し骨塩量を計測する手法である。
例えば、特許文献1には、DIP法を用いて骨塩定量検査を行う医用画像処理装置において、被写体(左手第二中手骨)をアルミスロープと共にX線撮影することにより得られたX線画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成し、読影用画像データから骨塩定量計測用画像データを作成し、骨塩定量計測用画像データを解析してアルミスロープを検出し、骨塩定量を計測することが記載されている。
特開2013−169211号公報
ところで、X線撮影に際しては、被写体の観察に必要の無い部分にX線を照射することによる人体への弊害およびそれら観察に不要な部分からの散乱光による画質性能の低下等を防止するために、X線が被写体の必要な部分にのみ照射されるように照射域を制限する照射野絞りを使用して撮影を行なうことが一般的に行われている。
しかしながら、照射野絞りを使用して撮影すると、図15Aに示すように、撮影時にX線がほとんど照射されない白画像領域Wが画像の周囲に形成されてしまうことがある。この場合、図15Bに示すように、アルミスロープの検出処理の際に、白画像領域Wをアルミスロープと誤検出し、骨塩量の計測を正しく行うことができないという問題があった。
本発明の課題は、標準物質の誤検出をなくし、正確な骨塩定量の計測を行えるようにすることである。
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、
被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成する読影用画像作成手段と、
前記読影用画像作成手段による画像処理に基づき骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づき骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
を備える医用画像処理装置であって、
前記読影用画像作成手段は、
前記医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段と、
前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段と、
を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像処理装置において、
前記黒化処理手段は、前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域が予め設定された基準領域の範囲内にある場合、前記基準領域内で且つ前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施すことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の医用画像処理装置において、
前記読影用画像作成手段は、
前記照射野領域が前記基準領域の範囲外にある場合、前記照射野領域より外側の領域の画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段を備えたことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置において、
前記医用画像は、照射野絞りを使用して撮影されることを特徴とする。
本発明によれば、アルミスロープの誤検出をなくし、正確な骨塩定量の計測を行えるようにすることができる。
本発明の実施の形態における施設内システムの全体構成を示す図である。 医用画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。 画像情報テーブルのデータ格納例を示す図である。 骨塩定量DBのデータ格納例を示す図である。 骨塩定量検査におけるX線撮影の方法を説明するための図である。 医用画像処理装置の制御部により実行される診断支援処理を示すフローチャートである。 ビューアー画面の一例を示す図である。 オリジナル画像に対して照射野認識処理が実行された一例を示す図である。 オリジナル画像に対して照射野認識処理が実行された一例を示す図である。 図8Bのオリジナル画像に対して照射野外黒化処理が実行された一例を示す図である。 図6のステップS8において実行される骨塩定量計測処理を示すフローチャートである。 骨塩定量画面の一例を示す図である。 L値を説明するための図である。 骨幅D、骨髄幅dを説明するための図である。 骨塩定量計測後の骨塩定量画面の一例を示す図である。 骨塩定量計測結果であるグラフが表示されたビューアー画面の一例を示す図である。 従来の問題点を説明するための図である。 従来の問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
〔施設内システム1の構成〕
図1は、本実施の形態における施設内システム1のシステム構成を示すブロック図である。
施設内システム1は、開業医やクリニック等の比較的小規模の医療施設に適用されるシステムであり、図1に示すように、モダリティー2と、医用画像処理装置3と、受付装置4と、イメージャー5と、汎用プリンター6と、クライアントPC(Personal Computer)7と、から構成されている。
施設内システム1を構成する各装置は、例えば図示しないスイッチングハブ等を介してLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク(以下単に「ネットワーク」という)8に接続されている。
医用画像処理装置3は、医師の常駐場所である診察室に設けられたWS(ワークステーション)であることが好ましい。なお、この医用画像処理装置3として作動するWSがモダリティー2の起動や処理条件等を制御する構成としてもよい。
病院内の通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and COmmunications in Medicine)規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施の形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
〔施設内システム1の各装置の装置構成〕
以下、施設内システム1を構成する各装置について説明する。
モダリティー2は、患者の診断対象部位を被写体として撮影を行い、撮影した画像をデジタル変換して医用画像を生成する画像生成装置である。
モダリティー2としては、例えば、CR(Computed Radiography)装置、超音波診断装置、内視鏡装置、CT(Computed Tomography)撮影装置、磁気共鳴画像撮影装置(MRI:magnetic resonance imaging)等が挙げられる。本実施の形態においては、モダリティー2をCR装置として説明するが、その他のモダリティーを備える構成としてもよい。
本実施の形態において、モダリティー2は、X線撮影装置、CRカセッテ、読取装置により構成されるCR装置である。モダリティー2は、X線撮影装置とCRカセッテの間に被写体を配置してX線撮影を行い、CRカセッテに記録された放射線画像を読取装置で読み取ってデジタル画像データを取得する。
ここで、CRカセッテは、例えば放射線エネルギーを蓄積する輝尽性蛍光体シートを備える放射線画像変換プレートを内蔵しており、放射線が照射されると被写体の放射線透過率分布に従った量の放射線を輝尽性蛍光体シートの輝尽性蛍光体層に蓄積させ、この輝尽性蛍光体層に被写体の放射線画像を記録するものである。
読取装置は、CRカセッテ内の輝尽性蛍光体シートに励起光を照射し、これによりシートから発光される輝尽光を光電変換し、得られた画像信号をA/D変換して画像データを生成するものである。
本実施の形態においては、被写体の観察に必要の無い部分に放射線を照射することによる人体への弊害およびそれら観察に不要な部分からの散乱光による画質性能の低下等を防止するために、被写体のサイズや状態などに応じて、放射線が被写体の必要な部分にのみ照射されるように照射域を制限する照射野絞りを使用してX線撮影を行うことも可能である。
また、本実施の形態において、モダリティー2は、DICOM規格に準じた形式で、UID、撮影日時、検査ID、撮影部位等の画像属性情報を各医用画像に付与する機能を備えている。UIDは、施設内システム1内の医用画像を特定するためのユニークなIDである。
また、モダリティー2は、文字入力キー、数字入力キー等を備えたキーボード等の入力部(図示せず)を備えており、撮影対象である患者を特定する患者情報を入力部より入力する。
ここで入力される患者情報は、例えば患者ID、患者氏名(漢字)、患者氏名(カナ)、患者氏名(ASCII)、性別、生年月日等である。なお、モダリティー2においてこれらすべてを入力する必要はなく、患者情報を何ら入力しないとすることもできる。モダリティー2が患者情報として患者IDのみを入力する仕様である場合には、モダリティー2の入力部は、例えばテンキー等でもよい。
上記画像属性情報及び患者情報は、モダリティー2で生成された医用画像に付帯する付帯情報となる。モダリティー2は、DICOM規格に則ったDICOMファイル形式で医用画像を生成する。DICOMファイルは、画像部とヘッダ部とから構成される。画像部には医用画像の画像データ、ヘッダ部に当該医用画像に関する付帯情報が書き込まれている。
医用画像処理装置3は、例えば診察室に設置される。
医用画像処理装置3は、モダリティー2により生成された医用画像を患者情報と対応付けてデータベースに保存したり、医用画像に画像処理を施して医師による診断のために表示部に表示したりするための装置であり、一般的なPCに用いられるモニターよりも高精細のモニターを備えるものであってもよい。
また、医用画像処理装置3は、骨塩定量検査機能を備えている。骨塩定量検査は、左手及びアルミスロープ(詳細後述)が撮影された医用画像から骨塩定量を計測する検査である。
図2は、医用画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
医用画像処理装置3は、図2に示すように、制御部31、RAM(Random Access Memory)32、記憶部33、操作部34、表示部35、通信部36、メディアドライブ37、計時部38等を備えて構成されており、各部はバス39により接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部33に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM32に展開し、展開されたプログラムに従って後述する診断支援処理、骨塩定量計測処理をはじめとする各種処理を実行することで、読影用画像作成手段、骨塩定量計測手段として機能する。
RAM32は、制御部31により実行制御される各種処理において、記憶部33から読み出された制御部31で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等の一時的に記憶するワークエリアを形成する。また、RAM32は、受付装置4から受信した患者情報リストを記憶する。
記憶部33は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等により構成される。記憶部33には、前述のように各種プログラムが記憶されているほか、医用画像を読影診断に適した画質に調整するための画像処理パラメーター(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル(LUT)等)等が記憶されている。また、骨塩定量の計測で用いられる各種パラメーターの固定値(例えば、骨塩定量最適化画像の作成に用いるLUT、G値、S値等)が記憶されている。
また、記憶部33は、画像DB(Data Base)331、骨塩定量DB332を有している。
画像DB331は、医用画像や骨塩定量のグラフ画像を格納するためのデータベースである。画像DB331は、画像DB331に格納されている画像に関する各種情報を格納するための画像情報テーブル331aを有している。
画像情報テーブル331aは、図3に示すように、「UID」、「撮影日時」、「検査ID」、「撮影部位」、「患者ID」、「患者氏名」、「年齢」、「性別」、「画像保存先」等の項目を有しており、画像DB331に格納された各画像に係る検査情報、患者情報、画像保存先のパス等を記憶する。
なお、画像保存先として、モダリティー2から送信された医用画像(オリジナル画像という)、オリジナル画像から作成された処理済み画像、オリジナル画像から作成されたサムネイル画像、骨塩定量検査により作成されたグラフ画像、及びグラフ画像から作成されたグラフサムネイル画像、のそれぞれの画像保存先のパスを格納する。画像情報テーブル331aに格納される情報により、医用画像やグラフ画像は、患者情報や検査情報等と対応付けられ、患者情報や撮影日時等をキーとして検索可能に記憶される。
骨塩定量DB332は、骨塩定量検査の結果値や骨塩定量検査に用いたパラメーター等を格納するためのデータベースである。
骨塩定量DB332は、図4に示すように、「検査ID」、「計測日時」、「患者ID」、「患者名」、「年齢」、「性別」、「結果値」、「パラメーター」等の項目を有し、骨塩定量検査毎のこれらの情報を格納する。結果値は、例えば、L値、DIP値、MCI等である。パラメーターは、例えば、検査時に指定された2点の座標((X1,Y1)、(X2,Y2))、計測対象領域の座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、アルミスロープの座標(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))である。なお、結果値とパラメーターについては、詳細を後述する。
操作部34は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部31に出力する。
表示部35は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
通信部36は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介してネットワーク8に接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
メディアドライブ37は、CD−R(Compact Disk Recordable)やDVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、MO(Magnet Optical)ディスク等の可搬型の記録メディアMに対しデータの読み出し又は書き込みを行う装置である。
図1に戻り、受付装置4は、来院した患者の受付登録、会計計算、保険点数計算等を行うためのコンピュータ装置であり、CPU、ROM、RAM等により構成される記憶部、キーボードやマウス等により構成される入力部、CRTやLCD等により構成される表示部、ネットワーク8に接続された各装置との通信を制御する通信部(いずれも図示せず)等を備えて構成されている。受付装置4は、入力部より受付入力画面の表示が指示されると、CPUと記憶部に記憶されたプログラムとの協働によるソフトウエア処理により、表示部に図示しない受付入力画面を表示する。この受付入力画面を介して入力部により受付情報(受付番号+患者氏名等)が入力されると、受付された患者の患者情報リストを作成(更新)して記憶部に記憶し、通信部により適宜医用画像処理装置3に対して送信する。
イメージャー5は、医用画像処理装置3から送信された医用画像に基づいて、透過型記録媒体(フィルム)にレーザ露光することによって潜像を記録し、熱現象処理により潜像を可視化する光熱銀塩方式のプリンターである。
汎用プリンター6は、インクジェット方式或いはレーザ方式で反射型記録媒体(紙媒体、シール等)に画像を記録するプリンターである。
クライアントPC7は、例えば、医用画像処理装置3から送信された医用画像やグラフ画像を表示するコンピュータ装置である。
〔骨塩定量検査の流れ〕
次に、施設内システム1を設置した医療施設における骨塩定量検査の流れ(1)〜(5)について説明する。
(1)まず、受付において、患者の受付が行われる。受付された患者の患者情報は受付装置4により入力され、この患者情報を含む患者情報リストが医用画像処理装置3に送信される。医用画像処理装置3においては、受付装置4から送信された患者情報リストがRAM32に記憶される。
(2)次いで、診察室において、診察や必要な検査の決定が行われる。診察は、問診や、患者の過去のカルテ、画像やレポートの閲覧等により行われる。
(3)骨塩定量検査が必要であると決定された場合、撮影室において、モダリティー2により患者の左手のX線撮影が行われる。
本実施の形態においては、DIP法により骨塩定量検査を行うこととして説明する。
DIP法は、図5に示すように、アルミスロープALと左手第二中手骨Bを並べて等倍でX線撮影して、得られた医用画像におけるアルミスロープALと第二中手骨Bの陰影濃度を比較解析するものである。アルミスロープALは、長手方向に1cmで1mm厚さの変わる斜度のついたアルミニウム製のスロープ部材である。撮影時には、アルミスロープALを患者左手の右隣に、手前に厚い側がくるように配置してモダリティー2によりX線撮影が行われる。
なお、医用画像処理装置3は、後述するように、被写体となる患者の体型の個体差やモダリティー2の装置特性の変化による照射X線量の変動に拘わらず、読影に適した読影用画像を作成することができる。そのため、撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行うことができる。
(4)左手のX線撮影後、撮影により得られた医用画像は、医用画像処理装置3において取り込まれ、骨塩定量の計測が行われ、結果値やグラフ等の計測結果(検査結果)が出力される。
(5)計測結果に基づいて診断や治療が行われる。
〔医用画像処理装置3の動作〕
次に、医用画像処理装置3の動作について説明する。
図6に、医用画像処理装置3の制御部31により実行される診断支援処理のフローチャートを示す。診断支援処理は、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
まず、制御部31は、表示部35に診断対象の患者についてのビューアー画面351を表示させる(ステップS1)。
ビューアー画面351は、医用画像をモダリティー2から取り込んで読影用に表示するための画面であるが、このビューアー画面351から骨塩量計測の実行を指示したり計測結果を表示したりすることができる。ビューアー画面351は、操作部34の所定の操作により表示部35に表示された患者リスト画面(受付装置4から送信された患者情報リストが表示された画面)から操作部34により診断対象の患者の患者情報を選択することにより表示される。
図7に、ビューアー画面351の一例を示す。
図7に示すように、ビューアー画面351には、画像を表示するための画像表示欄351a、画像取込ボタン351b、計測ボタン351c、各種ツールボタン351d、印刷ボタン351e、患者表示欄351f、サムネイル表示欄351g、表示画像選択欄351h、終了ボタン351i等が設けられている。
画像表示欄351aは、モダリティー2から取り込んだ医用画像や、検査結果のグラフ画像、同一患者の過去画像等を表示するための欄である。なお、図7においては画像表示欄351aに画像が表示された例を示しているが、ステップS1ではまだ画像は表示されていない(図7の読影用画像は、ステップS4において表示される)。
画像取込ボタン351bは、モダリティー2から送信される医用画像を現在診断対象となっている患者(患者表示欄351fに表示されている患者)の画像として取り込むことを指示するためのボタンである。画像取込ボタン351bが押下された場合、次に画像取込ボタン351bが押下されて取り込みの解除が指示されるか又はビューアー画面351が閉じられるか他の画面に遷移するまでの間にモダリティー2から受信された医用画像は、現在診断対象となっている患者の画像として取り込まれる。
計測ボタン351cは、計測メニューの表示を指示するためのボタンである。計測メニューには、骨塩定量計測が含まれる。
各種ツールボタン351dは、例えば、表示された医用画像に濃度コントラスト調整処理、画質調整処理等の画像処理を施すためのボタンである。ツールボタン351dの所望の項目のボタンが押下されると、項目に応じた入力欄、ボタン、ツールバー等が表示される。操作部34により、表示された入力欄への入力や、ボタンやツールバー等の操作が行われると、表示された画像に対して操作に応じた処理が行われる。
印刷ボタン351eは、選択した画像を汎用プリンター6から印刷することを指示するためのボタンである。
患者表示欄351fは、現在診断対象として選択されている患者の患者情報を表示するための欄である。
サムネイル表示欄351gは、画像表示欄351aに表示する医用画像を選択するために、同一患者の医用画像(過去に撮影された画像を含む)のサムネイル画像を表示するための欄である。
表示画像選択欄351hは、サムネイル表示欄351gに表示する画像の分類(CR、骨塩定量(グラフ))を選択するための欄である。
終了ボタン351iは、処理の終了を指示するためのボタンである。
制御部31は、操作部34により画像取込ボタン351bが押下され、モダリティー2において撮影が行われると、撮影により得られた医用画像を取り込む(ステップS2)。
ステップS2においては、通信部36によりモダリティー2からの医用画像が受信されると、受信された医用画像が患者リスト画面において選択された患者の患者情報と対応付けられ、オリジナル画像として画像DB331に保存される。画像情報テーブル331aには、受信した画像のヘッダ部に書き込まれているUID、撮影日時、検査部位、オリジナル画像の保存先パス等が書き込まれる。また、オリジナル画像からサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存される。また、作成されたサムネイル画像の保存先パスが画像情報テーブル331aに書き込まれる。
次いで、制御部31は、読影用画像作成処理を実行し、オリジナル画像から読影用画像を作成する(ステップS3)。
ここで、モダリティー2では、毎回の撮影時には特に個別に調整を行わず、固定の撮影条件で撮影を行っている。そのため、オリジナル画像は、患者の体型(骨塩定量検査の場合は手の厚み)やモダリティー2の装置特性の変化等による照射X線量の変動によって画像にバラツキがある。しかし、読影する画像にバラツキがあると、安定した読影診断ができない。そこで、医用画像処理装置3においては、読影に適した画像を安定して出力するために、オリジナル画像に以下の各種の画像処理を施して、読影用として予め定められた基準を満たした読影用画像が作成される。作成された読影用画像は、画像DB331に保存されるとともに、その保存先パスが画像情報テーブル331aに書き込まれる。
以下、読影用画像作成処理の具体的な内容について説明する。
〈照射野認識処理〉
まず入力されたオリジナル画像において照射野認識処理が実行される。照射野とは被写体を介してX線が到達した領域をいい、照射野認識処理では照射野領域と照射野外領域(照射野を除く他の領域)との判別が行われる。これは、偏った信号値(画素のデジタル濃度信号値)の照射野外領域も含めて後続の階調変換処理等を行うと適切な処理がなされないこととなるためである。このように、制御部31は、オリジナル画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段として機能する。
また、本実施の形態においては、オリジナル画像に対して予め設定された大きさの基準領域Mが設定されている。基準領域Mは、後続の骨塩定量測定処理において必要な画像のサイズを規定している。
照射野認識の手法は何れのものを採用してもよい。
例えば特開平10−143634号に開示されたように、照射野の所定の点から放射状走査により円形照射野の境界であると考えられる点、即ちエッジ候補点を検出し、このエッジ候補点に対して照射野外部から照射野中心に向かって平滑重視の条件で例えばSNAKES(スネイクス)モデルに代表される動的輪郭抽出アルゴリズムを実行して、エッジ候補点に沿う閉曲線を求める手法を用いてもよい。
また、例えば特開平5−7579号に開示されたように、オリジナル画像を複数の小領域に分割し、この分割領域毎に分散値を求め、求めた分散値に基づいて照射野領域を判別することとしてもよい。通常、照射野外領域では略一様の到達X線量となるため、その小領域の分散値は小さくなる。一方、照射野領域のエッジを含む小領域では到達X線量が大きい部分(照射野外領域)と被写体によって到達X線量がいくらか低減された部分(照射野領域)とが混在することから、分散値は大きくなる。よって、分散値が一定値以上大きい小領域にエッジが含まれるとしてこのような小領域に囲まれる領域を照射野領域と判別する。
図8A、図8Bに、照射野認識処理が実行された結果を例示する。図8A、図8Bにおいては、枠部Kが、照射野領域として認識された領域の外形を示している。
図8Aは、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mとほぼ重なる場合を示し、このとき、枠部Kは、基準領域域Mの外形と重なる位置となる。つまり、このようなオリジナル画像では、基準領域域M内に照射野は認識されないこととなる。
一方、図8Bは、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mより小さい場合を示し、このとき、枠部Kは、基準領域域M内に位置することとなる。図8Bの画像は、例えば、照射野絞りを使用してX線画像撮影を行った際に得られる画像であり、撮影時に放射線がほとんど照射されない領域(白画像領域)Wが、照射野の周囲に白い枠状に存在している。
また、図示は省略するが、オリジナル画像の所定濃度を有する領域(照射野)が基準領域Mより大きい場合には、枠部Kは、基準領域域Mの外側に位置する。
なお、図8A、図8Bの例では、オリジナル画像が基準領域Mに対して正立している場合を例示しているが、オリジナル画像が傾いていた場合などには、基準領域Mに対して傾いた照射野が認識されることとなり、枠部Kが基準領域Mに対して傾いた状態で位置することとなる。また、照射野は矩形とは限らず、円形、楕円形等の形状となることもある。
〈照射野外黒化処理〉
照射野外黒化処理は、照射野の周囲の白画像領域Wの画像データに一定の濃度となるデータ値を割り当てる(白画像領域Wの画像データを一定の信号値で塗り潰す)処理である。これは、後続の骨塩定量測定処理の際に、白画像領域Wをアルミスロープと誤って検出するのを防止するための処理である。このように、制御部31は、照射野認識手段により認識された照射野領域より外側の白画像領域Wの画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段として機能する。
照射野外黒化処理の手法は何れのものを採用してもよいが、例えば特開平10−275214号に開示された手法を適用することができる。
かかる手法では、先ず、放射線画像の画像データ(Sorg)に基づいて、例えば縦10画素×横10画素の画素マトリックスからなる非鮮鋭マスクを設定し、設定された非鮮鋭マスクに基づいて、各画素ごとに非鮮鋭マスク信号(Sus)を求める。
次に、各画素ごとの非鮮鋭マスク信号(Sus)について、予め設定されたルックアップテーブルを参照し、非鮮鋭マスク信号(Sus)の値に応じた加算成分(f(Sus))を出力する。このとき照射野外領域(Pout)に対応した非鮮鋭マスク信号(Sus)には加算成分αが出力され、照射野領域(Pin)に対応した非鮮鋭マスク信号(Sus)には加算成分0が出力される。つまり、照射野外領域(Pout)に対応した画素については加算成分αが出力され、照射野領域(Pin)に対応した画素については加算成分0が出力される。
そして、画素ごとの加算成分(f(Sus))と当該画素の原画像データ(Sorg)とを加算し、その結果が出力される。このとき照射野外領域(Pout)に対応した画素についての加算処理後の画像データ(Sproc)は、略0に等しい原画像データ(Sorg)と最高濃度値の加算成分(f(Sus))との和であり、最高濃度値を示す。一方、照射野領域(Pin)に対応した画素についての加算処理後の画像データ(Sproc)は、原画像データ(Sorg)と略0に等しい加算成分(f(Sus))との和であり、略原画像データ(Sorg)がそのまま出力されることになる。
よって、照射野外領域は最高濃度で塗り潰され、照射野領域は原画像がそのまま出力される。
また、これ以外にも、例えば特開平9−97321号に開示されたように、照射野外領域の画像信号レベルに基づいて輝度レベルを反転させて表示する手法等を用いることもできる。
図9に、図8Bに示したオリジナル画像に対して照射野外黒化処理が実行された結果を例示する。
図9に示すように、照射野外黒化処理の結果、照射野の周囲に存在した白画像領域Wが塗りつぶされて、図8Aに類似した(基準領域M内に白画像領域Wの存在しない)画像となる。
ここで、図8Aのオリジナル画像に対しても同様の照射野外黒化処理が実行されているが、基準領域M内に白画像領域Wが存在しないため、結果として、基準領域M内では照射野外黒化処理が実行されないのと同様である。
なお、照射野認識処理の結果、照射野領域が基準領域域Mの内側にある場合(即ち、基準領域域Mの内側に白画像領域Wが存在した場合)にのみ、かかる照射野外黒化処理を実行することとしても良い。
また、照射野認識処理の結果、照射野領域が基準領域域Mの外側にある場合(即ち、基準領域域Mの外側に白画像領域Wが存在した場合、或いは、基準領域域Mと照射野領域が重なった場合)、白画像領域Wを切り出す公知のトリミング処理を行うこととしても良い。このように、制御部31は、照射野領域が基準領域Mの範囲外にある場合、照射野領域より外側の白画像領域Wの画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段として機能する。
〈関心領域の設定と基準信号値の設定〉
照射野外黒化処理が行われた後、照射野領域から関心領域(以下、ROI:Region Of Interestという)が設定される。このとき、ROIの設定とともに、基準信号値の設定が行われる。
ROIは、例えば、オリジナル画像の水平方向及び垂直方向を順次走査してそれぞれの方向における信号値のプロファイルを作成し、信号値のプロファイルに基づいて特定することができる。また、パターンマッチングによりROIを特定してもよく、その手法は何れを適用してもよい。
そして、特定されたROI領域の信号値のヒストグラムを作成し、このヒストグラムにおいて最大値側、最小値側から頻度が所定の割合のところの信号値をそれぞれ最大基準値H、最小基準値Lとして決定する。この最大基準値H、最小基準値Lは、オリジナル画像の信号値範囲を読影用画像における信号値範囲(最大値SH、最小値SL)に変換する際の基準値として用いられるものである。
〈階調変換処理〉
以上のようにして前処理が終了すると、階調変換処理が行われる。
階調変換処理は、オリジナル画像の濃度、コントラストを調整するための処理である。医師がX線画像の読影により人体構造の疾病の有無を診断する場合、X線画像上における構造物の濃度やコントラスト(階調性)に基づき、疾病の有無が判断される。よって、読影に適した濃度、コントラストに調整することにより、医師の疾病の検出作業を支援することができる。
階調変換処理は、(1)正規化処理、(2)基本LUT(ルックアップテーブル)を用いての変換処理の2段階で行い、最終的に読影用画像として予め定められた信号値範囲、階調特性となるように階調変換を行うものである。
従来、撮影にはスクリーン/フィルム方式が採用されていた背景から、スクリーン/フィルム方式で培われた階調特性(コントラスト)を目標として入力信号(読取信号)の変換処理が行われている。スクリーン/フィルム方式で得られる階調特性は、S字状の曲線となる。階調変換処理では、この階調特性を示すLUTを部位毎に基本LUTとして準備しておき、正規化処理によりオリジナル画像について個々の信号調整を行った後、この基本LUTを用いて信号値の変換を行う。
〈周波数強調処理〉
周波数強調処理としては、例えば特公昭62−62373号に示されるアンシャープマスク処理や、特開平9−44645号公報に示される多重解像度解析を適用することができる。この周波数強調処理により、骨等の構造物のエッジが強調された画像を得ることができる。
〈ダイナミックレンジ圧縮処理〉
ダイナミックレンジ圧縮処理としては、例えば特許250950号に示される手法を適用することができる。
以上のように、オリジナル画像に照射野認識処理、照射野外黒化処理を施した後に、関心領域の設定と基準信号値の設定を行い、階調変換処理、周波数強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理を施すことにより、読影用画像が作成される。
図6に戻り、制御部31は、作成された読影用画像をビューアー画面351の画像表示欄351aに表示する(図7参照)(ステップS4)。
医師は、読影用画像を観察することで、撮影がうまくいったか(再撮影が必要であるか否か)を確認することができる。また、計測を必要としない検査の場合、読影用画像を読影して診断を行うことができる。その際、ツールボタン351dを操作して、所望の画質に調整することができる。また、詳細を後述するが、骨塩定量の計測においては、医師等の操作者が左手第二中手骨上の二点を指定する必要がある。この二点の指定を容易にするために、予めツールボタン351dの濃度コントラストボタンや画質調整ボタンを操作して、操作者が二点の指定のしやすい、エッジが強調された画像に調整しておくこともできる。
制御部31は、骨塩定量の計測を実行するか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、制御部31は、計測ボタン351cが押下され、骨塩定量計測メニューの選択が行われたか否かを判定する。
制御部31は、骨塩定量の計測を実行すると判定しないとき、すなわち、操作部34により、計測ボタン351cの押下及び骨塩定量計測メニューの選択以外の操作が行われたと判定すると(ステップS5;NO)、操作に応じた処理を実行する(ステップS6)。そして、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたか否かを判定し(ステップS7)、操作部34により終了ボタン351iが押下されたと判定すると(ステップS7;YES)、診断支援処理を終了する。また、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたと判定しないときは(ステップS7;NO)、ステップS5に移行する。
一方、制御部31は、ステップS5において、操作部34により計測ボタン351cが押下され、骨塩定量計測メニューが選択されたと判定すると(ステップS5;YES)、骨塩定量計測処理が実行される(ステップS8)。
図10に、制御部31により実行される骨塩定量計測処理のフローチャートを示す。骨塩定量計測処理は、制御部31と記憶部33に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
骨塩定量測定処理においては、まず、制御部31は、骨塩定量最適化画像作成処理を実行し、作成された読影用画像から骨塩定量最適化画像(骨塩定量計測用画像)を作成し、RAM32に一時保存する(ステップS101)。
具体的には、例えば、階調変換曲線(LUT)をBONE−02、濃度補正値(S値)を250、コントラスト値(G値)を2.50とした固定パラメーターで、読影用画像に階調処理を施す。また、読影用画像に周波数強調処理、ダイナミックレンジ圧縮処理が施されている場合には、周波数強調処理(ダイナミックレンジ圧縮処理)を行ったときに使用したパラメーターを用いて、周波数強調処理(ダイナミックレンジ圧縮処理)を行った変換の逆変換が行われる。なお、骨塩定量最適化画像作成処理には、ビューアー画面351において調整の行われていない読影用画像を用いることとする。
次いで、制御部31は、表示部35に骨塩定量画面352を表示する(ステップS102)。
図11に、骨塩定量画面352の一例を示す。
骨塩定量画面352には、診断対象患者の患者情報352a、撮影部位352b、計測日時352c、測定値352d、コメント欄352e、確定ボタン352f等が表示されている。ステップS102においては、測定値352dとして、骨塩定量DB332に記憶されている、診断対象患者の最終の結果値(即ち、前回結果値)が読み出され、初期表示される。
また、骨塩定量画面352には、二点指定欄352gが設けられている。骨塩定量測定においては、左手の第二中手骨の上端の最も突出している部分と下端の最も凹んでいる部分の二点を指定する必要があり、この二点指定欄352gは、二点を指定するための画像を表示する。
ここで、二点指定欄352gに表示する画像は、読影用画像(又は、調整済みの読影用画像)を表示することが好ましい。骨塩定量最適化画像は、読影用画像に比べて全体的に暗く(図14参照)、また、読影用画像に施されている周波数強調処理のような骨部分のエッジを強調する処理が施されていない。そのため、患者の左手の骨の形状や配置によっては、二点の指定が非常に困難な場合があるからである。
操作部34により二点指定欄352eから左手第二中子骨の二点が指定される(例えば、操作部34のマウスでクリックされる)と、制御部31は、指定された二点の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)をRAM32に一時的に記憶させるとともに(ステップS103)、この二点の座標(X1,Y1)、(X2,Y2)と骨塩定量最適化画像を用いて骨塩定量の計測を行う(ステップS104)。
なお、左手第二中子骨の二点の指定は、医師の操作部34による操作以外にも、制御部31により、適切な二点が自動で指定される構成とすることもできる。
ステップS104における骨塩定量の計測は、DIP法により行われる。DIP法は、上述のように、画像中のアルミスロープと左手第二中手骨の陰影濃度を比較し骨塩量を測定する公知の手法である。
以下、図12A〜図12Bを参照してDIP法を用いた骨塩定量の計測について説明する。
まず、図12Aに示すように、指定された二点(X1、Y1)、(X2、Y2)の座標間の距離がL値(骨長)として算出される。
次いで、骨塩定量最適化画像における二点間の中央部の、骨長の10パーセントの部分を縦幅、横幅を固定値とした範囲が測定領域として決定される。
また、パターンマッチング等により画像中のアルミスロープの位置が検出される。ここで、本実施の形態においては、上述したように、読影用画像作成時に照射野黒化処理が実行されるため、オリジナル画像が照射野周囲に白画像領域Wを有する画像(図8B参照)であったとしても、骨塩定量最適化画像には白画像領域Wが存在せず、白画像領域Wがアルミスロープと誤って検出されることが防止されるようになっている。
そして、アルミスロープ像の濃度を基準にして測定領域内の骨の濃度がアルミスロープのどの厚さの部分と一致しているかに基づいて骨濃度GSが算出され、算出された骨濃度の積分値ΣGSを骨幅Dで除した値(ΣGS/D(mmAl))がDIP値(骨塩量)として算出される。
更に、平均骨皮質幅MCI(MCI=(D−d)/D)が算出される。Dは骨幅、dは骨髄幅dである。
図12Bは、左手第二中手骨Bの中央部の断層面及び濃度プロファイルを示す図である。
骨幅D、骨髄幅dは、例えば、図12Bに示すように、左手第二中手骨Bの中央部の濃度プロファイルに基づいて算出することができる。
算出されたL値、DIP値、MCI、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))は、RAM32に一時的に記憶される。
骨塩定量の計測が終了すると、制御部31は、骨塩定量画面352に結果値を表示する(ステップS105)。
図13に、骨塩定量計測後の骨塩定量画面352を示す。
図13に示すように、ステップS105においては、骨塩定量画面352の測定値352dに、ステップS104における計測により得られた結果であるL値、ΣGS/D、MCIが表示される。また、二点指定欄352gに表示されている画像上に、指定された二点の座標P1、P2、測定領域R1、検出されたアルミスロープの位置R2がアノテーションで表示される。
次いで、制御部31は、操作部34により骨塩定量画面352の二点の座標P1、P2の移動が指示されたか否かが判断する(ステップS106)。
P1、P2は、操作部34によりそのアノテーションをドラッグアンドドロップすることにより移動させることができる。
制御部31は、操作部34により二点の座標P1、P2の移動が指示されたと判断すると(ステップS106;YES)、ステップS104に戻り、新たに指定された(移動後の)二点を用いて、再度の計測を実行する。
操作部34により、二点の座標P1、P2の移動が指示されず(ステップS106;NO)、確定ボタン352fが押下されると(ステップS107;YES)、制御部31は、計測結果を確定し、骨塩定量最適化画像、結果値及び計測に用いたパラメーターを保存し(ステップS108)、処理は図6のステップS9に移行する。
ステップS108においては、具体的には、骨塩定量DB332に新たなレコードが追加され、結果値及び計測に用いたパラメーター(算出されたL値、DIP値、MCI、二点指定座標((X1,Y1)、(X2,Y2))、測定領域座標(左上(X3,Y3)、右下(X4,Y4))、検出されたアルミスロープの位置座標左上(左上(X5,Y5)、右下(X6,Y6))が書き込まれる。また、骨塩定量最適化画像が画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードの処理済み画像の保存先パスが骨塩定量最適化画像のパスに変更される。
図6に戻って、制御部31は、計測により得られた結果値に基づいて、グラフ画像及びそのサムネイル画像を作成する(ステップS9)。
作成されたグラフ画像は、画像DB331に保存され、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフ画像の保存先パスが格納される。また、グラフ画像のサムネイル画像が作成され、画像DB331に保存されるとともに、画像情報テーブル331aの、当該検査のレコードに、グラフサムネイル画像の保存先パスが格納される。
グラフの作成が終了すると、制御部31は、作成されたグラフ画像を表示したビューアー画面351を表示部35に表示する(ステップS10)。
図14に、グラフが表示されたビューアー画面351の一例を示す。画像表示欄351aには、ステップS9で作成されたグラフ画像及び計測元となった骨塩定量最適化画像が並べて表示される。
医師は、グラフ画面を確認することで、患者の骨塩量の変化を把握することができ、治療の必要性や方針をたてることができる。
また、グラフと計測元の画像とを並べて表示するので、前回の結果から大きな変化があった場合、計測元の画像を観察することにより、その結果が正しいのか、撮影条件(撮影倍率、撮影角度や手の配置の仕方等)に起因するものなのかの判断が容易となる。
制御部31は、操作部34により印刷ボタン351eが押下されたと判断し(ステップS11)、印刷ボタン351eが押下されると(ステップS11;YES)、グラフ画像のデータを通信部36により汎用プリンター6に送信し、汎用プリンター6からグラフ画像を印刷出力させる(ステップS12)。一方、印刷ボタン351eが押下されないと(ステップS11;NO)、ステップS13に移行する。
そして、制御部31は、操作部34により終了ボタン351iが押下されたか判断し(ステップS13)、終了ボタン351iが押下されると(ステップS13;YES)、診断支援処理を終了する。一方、終了ボタン351iが押下されないと(ステップS13;NO)、ステップS11に移行する。
以上のように、本実施の形態の医用画像処理装置3によれば、制御部31は、被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成し、作成された読影用画像データに画像処理を施して骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づいて骨塩定量を計測するものであって、読影用画像データの作成において、医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識し、認識された照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す。
このため、白画像領域Wが照射野周囲に形成されたオリジナル画像であっても、読影用画像データの作成時にこの白画像領域Wが塗り潰され、あたかも白画像領域Wが無いような読影用画像データが作成されて、この読影用画像データを用いて骨塩定量計測用画像データが作成される。
よって、骨塩定量の計測時に、白画像領域Wがアルミスロープと間違われて誤検出されるのを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、読影用画像データの作成において、制御部31は、認識された照射野領域が予め設定された基準領域Mの範囲内にある場合、基準領域M内で且つ照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す。
このため、基準領域M内の白画像領域Wが塗りつぶされ、適切な読影用画像データを得ることができる。
また、本実施の形態によれば、読影用画像データの作成において、制御部31は、照射野領域が基準領域Mの範囲外にある場合、照射野領域より外側の領域の画像データを切り出すトリミング処理を行う。
このため、基準領域Mからはみ出た白画像領域Wがトリミングされ、適切な読影用画像データを得ることができる。
また、本実施の形態によれば、医用画像は、照射野絞りを使用して撮影される。
このため、照射野絞りを使用してX線撮影することで照射野外領域に白画像が写りこんだ医用画像データに対しても、アルミスロープの誤検出が発生せず、正確な骨塩定量の計測を行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、骨塩定量最適化画像を読影用画像から作成するようにしたが、オリジナル画像が基準領域Mに対して十分大きい場合、即ち、基準領域Mの全域に亘って濃度を有する画像(図8A参照)である場合、オリジナル画像から骨塩定量最適化画像を作成するようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、骨塩定量の計測結果を表示部35に表示出力するとともに、必要に応じて汎用プリンター6から出力することとして説明したが、メディアドライブ37により記録メディアMに出力したり、通信部36を介してネットワーク8に接続されたクライアントPC7等に送信したりすることとしてもよい。
また、例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、医用画像処理装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 施設内システム
2 モダリティー
3 医用画像処理装置
4 受付装置
5 イメージャー
6 汎用プリンター
7 クライアントPC
8 ネットワーク
31 制御部(読影用画像作成手段、骨塩定量計測手段、照射野認識手段、黒化処理手段)
32 RAM
33 記憶部
331 画像DB
331a 画像情報テーブル
332 骨塩定量DB
34 操作部
35 表示部
351 ビューアー画面
352 骨塩定量画面
36 通信部
37 メディアドライブ
38 計時部
39 バス

Claims (4)

  1. 被写体としての中手骨部を標準物質と共にX線撮影することにより得られた医用画像データに画像処理を施して読影用画像データを作成する読影用画像作成手段と、
    前記読影用画像作成手段による画像処理に基づき骨塩定量計測用画像データを作成し、当該骨塩定量計測用画像データに基づき骨塩定量を計測する骨塩定量計測手段と、
    を備える医用画像処理装置であって、
    前記読影用画像作成手段は、
    前記医用画像データからX線の照射野領域の画像データを認識する照射野認識手段と、
    前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施す黒化処理手段と、
    を備えたことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記黒化処理手段は、前記照射野認識手段により認識された前記照射野領域が予め設定された基準領域の範囲内にある場合、前記基準領域内で且つ前記照射野領域より外側の領域の画像データに対して黒化処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記読影用画像作成手段は、
    前記照射野領域が前記基準領域の範囲外にある場合、前記照射野領域より外側の領域の画像データを切り出すトリミング処理を行うトリミング手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記医用画像は、照射野絞りを使用して撮影されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像処理装置。
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