JP2015097596A - 車両用シートパッド - Google Patents

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Naoto Ishii
直人 石井
尚人 奥
Naohito Oku
尚人 奥
麻依 小泉
Mai Koizumi
麻依 小泉
啓 中島
Hiroshi Nakajima
啓 中島
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Abstract

【課題】本発明は、曲げ加工を不要にするとともに、部分的に異なる弾性率を有することができる線状部材を備えた車両用シートパッドを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る車両用シートパッドは、発泡体と、発泡体にインサート成形されて表皮の係止部が係止する樹脂ワイヤ7(12)と、を備える車両用シートパッドであって、樹脂ワイヤ7(12)は、複数の長繊維7aに樹脂7bを含浸させてなるとともに、樹脂7bが肉抜きされた肉抜き部14を有していることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、車両用シートパッドに関する。
車両用のシートクッションやシートバックでは、車両用シートパッドを構成する部材として、乗員からの荷重を受けて変形可能な発泡体が用いられている。
また、下記特許文献1によれば、車両用シートパッドを構成する発泡体には、インサート成形により線状部材が埋設されている。そして、表皮に設けられた係止具が線状部材に係止し、車両用シートパッドを覆う表皮が位置ずれしないようになっている。
さらに、表皮に設けられた係止具がステッチ(縫い目)に沿って表皮の裏面側に複数設けられている。このため、乗員からの荷重が開放されて車両用シートパッドが元の形状に戻った場合、ステッチが線状部材に沿って延びるとともに、ステッチ間の表皮も延びて皺の発生が抑制されるようになっている。
特開2012−176667号公報
しかしながら、特許文献1では、線状部材として鋼線が用いられていた。このため、線状部材に複雑な形状が要求されて鋼線の曲げ加工が必要な場合があり、多大な労力が費やされていた。また、鋼線では、部分的に弾性率を変えることができなかった。
そこで、本発明は、前記する背景に鑑みて創案された発明であって、曲げ加工を不要にするとともに、部分的に異なる弾性率を有することができる線状部材を備えた車両用シートパッドを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車両用シートパッドは、発泡体と、前記発泡体にインサート成形されて表皮の係止部が係止する樹脂ワイヤと、を備える車両用シートパッドであって、前記樹脂ワイヤは、複数の長繊維に樹脂を含浸させてなるとともに、前記樹脂が肉抜きされた肉抜き部を有していることを特徴とする。
前記発明に係る車両用シートパッドによれば、樹脂ワイヤが肉抜き部を有するので、屈曲させることができ、曲げ加工が不要になる。
また、樹脂ワイヤに肉抜き部を設けることで、部分的に樹脂ワイヤの弾性力が変化させること、言い換えれば、弾性率を抑えることができる。そして、樹脂ワイヤの弾性力が抑えられることで、より着座した乗員の体に沿ってしなるようになり、着座した際の快適性が向上する。
さらに、複数の長繊維に樹脂を含浸させてなる樹脂ワイヤによれば、肉抜き部において長繊維が連続しているために樹脂ワイヤが分断するおそれがない。
また、前記肉抜き部から前記長繊維が露出していることが好ましい。
前記する構成によれば、インサート成形時に発泡体材料が長繊維に含浸し、発泡体と樹脂ワイヤとの結合が強固になる。
また、前記肉抜き部は、前記樹脂ワイヤの屈曲部に設けられていることが好ましい。
前記する構成によれば、屈曲部を屈曲させて、樹脂ワイヤの形状を変形させることができる。
本発明によれば、曲げ加工を不要にするとともに、部分的に異なる弾性率を有することができる樹脂ワイヤを備えた車両用シートパッドを提供することができる。
実施形態に係る車両用シートを左前側の上方から斜視した斜視図である。 車両用シートパッドを平面視した平面図である。 (a)は樹脂ワイヤを切った断面を斜視した断面斜視図、(b)は肉抜き部が形成された第1樹脂ワイヤを平面視した平面図、(c)及び(d)は肉抜き部が設けられた第1樹脂ワイヤを平面視した平面図である。 (a)は図2のA―A線の矢視断面図、(b)は図2のB―B線の矢視断面図、(c)は図2のC―C線の矢視断面図、(d)は図2のD―D線の矢視断面図である。 樹脂ワイヤに表皮のCリングが係止した状態を示す断面図である。 下型を平面視した平面図である。 3つ一組の突出部に挟持された樹脂ワイヤを斜視した斜視図である。 (a)は図6のE―E線の矢視断面図、(b)は図6のG―G線の矢視断面図、(c)は図6のH―H線の矢視断面図である。 変形例に係る第2樹脂ワイヤを複数の突出部により挟持した状態を平面視した平面図である。
つぎに本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。実施形態では、本発明を車両用シート1のシートクッション2に適用した例を挙げる。なお、本発明はシートクッション2に限定されるものでなく、車両用シート1を構成するシートバック3に適用してもよいものである。
図1に示すように、シートクッション2は、車両の乗員が腰を下ろす座面を構成する部材であり、フロアFに対し略平行な座面を形成する車両用シートパッド4と、車両用シートパッド4を覆い装飾する表皮5と、を備える。
また、図1、図2に示すように、車両用シートパッド4は、平面視略矩形状の発泡体6と、表皮5のステッチ5aに沿って配置された複数の樹脂ワイヤ7と、で構成されている。
なお、図2に示すように、本実施形態では、形状が異なる2種類の樹脂ワイヤ7が用いられている。1つ目は、前方に開口する平面視略C字状の第1樹脂ワイヤ12であり、2つ目は、第1樹脂ワイヤ12の内側で左右方向に延びる2つの第2樹脂ワイヤ13である。以下、樹脂ワイヤ7について説明する。
図3(a)に示すように、樹脂ワイヤ7は、複数の長繊維7aに樹脂7bを含浸させ、樹脂7bの硬化により複数の長繊維7aが一体化された直径1mm〜5mmの線状部材である。なお、図3(a)に図示される樹脂ワイヤは、樹脂7bの内部を説明するため、上半分を切り欠いて描いている。
樹脂ワイヤ7は、比較的高い剛性を有しており、発泡体材料の発泡により加圧されても弾性力により直線状を維持するようになっている。
また、前記する長繊維7aとして、無機繊維又は有機繊維が挙げられる。無機繊維には、ガラス繊維、バサルト繊維、カーボン繊維が含まれ、有機繊維には、ポリエステル繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、アラミド繊維が含まれる。
また、長繊維7aに含浸させる樹脂7bとしては、ポリプロピレン樹脂、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6−6を含むポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
そのほか、樹脂ワイヤ7の外周面に、大気プラズマ処理、フレーム処理、コロナ処理、塩素化ポリプロピレンを用いたプライマー処理のいずれかの処理を行われていることが好ましい。これによれば、樹脂ワイヤ7と発泡体との接着性が強まるからである。
図3(b)に示すように、第1樹脂ワイヤ12は、1本の樹脂ワイヤ7に対して複数の肉抜き部14を形成することで屈曲可能なったものであり、3つの直線状の直線部12aと、複数の肉抜き部14が設けられた2つ屈曲部12bと、から構成されている。
ここで、肉抜き部14とは、樹脂7bが肉抜きされており、容易に第1樹脂ワイヤ12が屈曲できるようになっていることを指し、肉抜きされる樹脂7bの厚みは特に問わない。そのため、図3(c)に示すように樹脂7bの外周面が切り欠かれている場合や、図3(d)に示すように、樹脂7b全てが除去されて肉抜き部14で樹脂7bが分断されている場合が肉抜き部14に含まれる。
また、図3(c)、(d)に示すように、肉抜き部14は、樹脂7bの肉抜きにより長繊維7aが露出していることが望ましい。これによれば、後述するインサート成形時に発泡体材料が長繊維7aに含浸し、第1樹脂ワイヤ12と発泡体6との結合を強固になるからである。
肉抜き部14の形成方法としては、長繊維7aに含浸した熱可塑性樹脂を押し出し成形して棒状に成形するところ、その押し出し成形直後の熱可塑性樹脂を凹凸が設けられた型枠に嵌める方法が挙げられる。これによれば、押し出し成形直後で未硬化の熱可塑性樹脂が型枠内で硬化し、型枠の凸に対応する箇所に肉抜き部14を形成することができる。
また、肉抜き部14を形成するための道具としては、凹凸が設けられた型枠に限らない。たとえば、押し出し成形直後の熱可塑性樹脂を、部分的に挟み込む一対のローラを用いてもよい。これによれば、一対のローラで挟み込まれて押し潰された箇所に肉抜き部14を形成することができる。
さらに、熱可塑性樹脂が押し出し成形直後に硬化してしまい、型枠や一対のローラで成形できない場合には、押し出し成形された熱可塑性樹脂を再度加熱し、型枠や一対のローラで成形してもよい。
また、熱可塑性樹脂が押し出し成形直後に硬化した場合において、上記する再度加熱する方法以外に、硬化してローラで引き出されている棒状の樹脂ワイヤ7をグラインダーで切削して肉抜き部14を形成する方法も挙げられる。
そして、図2に示すように、第1樹脂ワイヤ12は、複数の肉抜き部14が形成されたなる屈曲部12bが屈曲されることで平面視略C字状となり、発泡体6に埋設されている。なお、第2樹脂ワイヤ13は、特に肉抜き部14が設けられておらず、樹脂ワイヤ7そのものである。
発泡体6は、比較的軟質なものであり、乗員の着座により沈み込んで着座した乗員の腰部などの体形に沿った形状に変形可能になっている。
また、発泡体6は、発泡体材料(ウレタン原料)を金型のキャビティ内で発泡させることで所望の形状に形成されている。
さらに、図2、図4(a)〜図4(d)に示すように、発泡体6の上面側には、樹脂ワイヤ7が埋設されているとともに(特に図4(a)参照)、その埋設された樹脂ワイヤ7に向かって開口する複数の凹部8が形成されている(特に図4(b)〜(d)参照)。
なお、発泡体6の上面において樹脂ワイヤ7が埋設された部分に張りが出るようになっている。
凹部8は、表皮5の裏面側に設けられた係止部であるCリング5dを進入させて、Cリング5dを樹脂ワイヤ7に係止させるための穴である(図5参照)。
また、凹部8は、樹脂ワイヤ7の直線状の部分に対し、3つ一組として設けられている。なお、樹脂ワイヤ7の直線状の部分とは、第1樹脂ワイヤ12の場合、3つの直線部12aのうち1つの直線部12aを指し、第2樹脂ワイヤ13の場合、第2樹脂ワイヤ13そのものを指す。よって、第1樹脂ワイヤ12には、3つの直線部12aのそれぞれに、凹部8が3つ一組として設けられている。
以下、本実施形態では、第1樹脂ワイヤ12を構成する3つの直線部12aのうち、左右方向に延びる直線部12aに対して設けられた3つの凹部8を例に挙げて説明する。
図2に示すように、一組を構成する3つの凹部8は、平面視で、直線部12aの左部、中央部、右部のそれぞれに重なるように設けられた左凹部8a、中央凹部8b、右凹部8cで構成されている。
また、左凹部8aと中央凹部8bと右凹部8cとのそれぞれは、表皮5の裏面側に設けられたCリング5dに対応しており、Cリング5dを直線部12aに係止させる際の位置決めが容易になっている。
図4(b)〜(d)に示すように、左凹部8aと右凹部8cとは同一形状に形成され、左凹部8a及び右凹部8cと中央凹部8bとは、上下に延びる線を中心線として線対称に形成されている。よって、凹部8の形状の説明では、左凹部8aを代表例として説明する。
左凹部8aは、発泡体6の上面と直線部12aの間で開口する開口部9と、開口部9から下方に延びて直線部12aよりも下方に延在する溝部10と、を備える。
開口部9は、直線部12aの直径よりも大きく形成され、Cリング5dが進入し易くなっている。溝部10は、Cリング5dの一端を直線部12aの下方へ回り込ませて、Cリング5dの係止を容易化させるための空間である。
なお、左凹部8aと右凹部8cとの溝部10は、直線部12aよりも後側に形成されており、Cリング5dの一端を溝部10に進入させて直線部12aに係止させる向きが前方となっている。
一方で、中央部8bの溝部10は、直線部12aよりも前側に形成されており、Cリング5dの一端を溝部10に進入させて直線部12aに係止させる向きが後方で、他の2つのCリング5dと反対向きになっている。
図5に示すように、表皮5は、複数のカバーピース5bの端部を縫合されてなる袋状の部材である。また、縫合されるカバーピース5bの端部は、表皮5の裏面側に折り曲げた状態で縫合されている。このため、縫合された縫合部5cが表皮5の裏面側に隠される一方で、表皮5の表面側にステッチ5aが現れるようになっている。
表皮5の縫合部5cには、直線部12aに係止する係止具としてCリング5dが設けられている。このCリング5dは、縫合部5cに沿って、言い換えればステッチ5aに沿って複数設けられている。このため、車両用シートパッド4に対する表皮5の相対的な位置ずれが防止されるとともに、ステッチ5aが線状部材に沿って延び、表皮5に皺が発生し難くなっている。
なお、実施形態では複数のカバーピース5bを縫合してなる表皮5を用いて説明しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、布部材の中間部を谷状に折り曲げるとともに縫合してステッチ5aが形成された表皮5であってもよい。
つぎに、車両用シートパッド4の製造方法について説明する。
車両用シートパッド4の製造方法は、金型準備工程と、発泡材導入工程と、発泡工程と、型抜工程の順で実施される。
金型準備工程は、所定の位置にセットされた金型に離型材を散布し、さらに金型に樹脂ワイヤ7を配置することを行う。
図6に示すように、本実施形態の金型は、上型(不図示)と下型20とで構成されており、下型20の方で車両用シートパッド4の上部側を成形し、上型(不図示)の方で、車両用シートパッド4の下部側を成形する。
図6に示すように、下型20は、上部が開放された金属製のブロックであり、成形物を抜き出す型抜き方向が上向きになっている。下型20の底面20aは、車両用シートパッド4の上面を形成するキャビティ面を構成する面であり、その底面20aには、型抜き方向である上方へ突出する複数の突出部21が設けられている。
突出部21は、樹脂ワイヤ7の直線状の部分を挟持するための部材であり、樹脂ワイヤ7の直線状の部分に対し3つ一組として設けられている。よって、第1樹脂ワイヤ12の場合、3つの直線部12aのそれぞれに、突出部21が3つ一組として設けられている。
なお、本実施形態では、左右方向に延在する第1樹脂ワイヤ12を構成する3つの直線部12aのうち左右方向に延びる直線部12aを例に挙げて突出部21の構成を説明する。
図7に示すように、一組を構成する3つの突出部21は、直線部12aの左部、中央部、右部のそれぞれに対応して突出する左突出部21aと、中央突出部21bと、右突出部21cとで構成されている。
また、図8(a)〜(c)に示すように、左突出部21aと右突出部21cとは同一形状に形成されている。一方で、中央突出部21bは、左突出部21a及び右突出部21cに対し、上下に延びる線を中心線として線対称に形成されている。
図8(a)に示すように、左突出部21aの前側面には、側面視略凹字状に切り欠かれ、直線部12aが配置される凹面22が形成されている。この凹面22の下面23は、水平な面であり、上方に直線部12aが載置される載置面を構成している。
また、凹面22の上面24は、直線部12aの後方から上方に向かう斜面であり、下面23に載置された直線部12aの後部上側が当接する当接面を構成している。以上から、左突出部21aは、下面23及び上面24によって、直線部12aの左部における下側及び後部上側を保持している。
このため、図7に示すように、発泡体材料の発泡により直線部12aの左部が後方へ移動するような力(図7の矢印I参照)を受けたとしても、直線部12aの左部が後方へ移動しないように規制されている。
また、図8(c)に示すように、左突出部21aと同一形状に形成された右突出部21cは、下面23及び上面24により、直線部12aの右部における下側及び後部上側を保持している。このため、図7に示すように、発泡体材料の発泡により直線部12aの右部が後方へ移動するような力(図7の矢印M参照)を受けたとしても、直線部12aの右部が後方へ移動しないように規制されている。
一方で、図8(b)に示すように、線対称に形成された中央突出部21bの後側面には、水平な面な下面23と直線部12aの前方から上方に向かう斜面である上面24とを備えた凹面22が形成されている。よって、中央突出部21bは、下面23及び上面24により、直線部12aの中央部における下側及び前部上側を保持している。
このため、図7に示すように、発泡体材料の発泡により直線部12aの中央部が前方へ移動するような力(図7の矢印L参照)を受けたとしても、直線部12aの中央部が前方へ移動しないように規制されている。
さらに、図8(a)〜(b)に示すように、左突出部21a及び右突出部21cの上面24が直線部12aの後部上側に当接し、中央突出部21bの上面24が樹脂ワイヤ7の前部上側に当接している。このため、直線部12aが上方へ移動するような力を受けたとしても、左突出部21a及び右突出部21cの上面24と中央突出部21bの上面24とに挟持されて、直線部12a全体が上方へ移動しないように規制されている。
なお、左突出部21aと中央突出部21bと右突出部21cとのそれぞれの下面23により、直線部12aの下方への移動が規制されている。
また、3つ一組の突出部21において、中央に配置される中央突出部21bが、直線部12aを挟んで他の左突出部21a及び右突出部21cと反対側に配置されることで、つぎのような効果が得られる。
図7に示すように、発泡体材料の発泡により直線部12aの左部が、左突出部21aが設けられていない前方へ移動するような力(図7の矢印J参照)を受ける場合がある。
ここで、中央突出部21bが直線部12aの中央部を前方へ移動しないように挟持されているため、直線部12aの左部には、直線部12aの弾性力によりが後方に移動するような力(図7の矢印I参照)が働く。このため、直線部12aの左部は、前方に移動することなく左突出部21aに保持された状態が維持される。
同様に、発泡体材料の発泡により直線部12aの中央部が後方へ移動するような力(図7の矢印K参照)を受けたとしても、直線部12aの両端部が挟持されているため、前方へ移動するような弾性力(図7の矢印L参照)が働き、後方へ移動しないようになっている。
さらに、発泡体材料の発泡により直線部12aの右部が前方へ移動するような力(図7の矢印N参照)を受けたとしても、後方へ移動するような弾性力(図7の矢印M参照)が働き、前方へ移動しないようになっている。
以上より、3つ一組の突出部21により、直線部12a全体が上方、後方、下方、前方のそれぞれに移動しないように、つまり、直線部12aの径方向に移動しないように規制されている。
そのほか、一組を構成する3つの突出部21は、表皮5に設けられたCリング5dに対応するように下型20に固定されている。このため、金型により成形された発泡体6の上面には、突出部21の抜き跡であって、表皮5に設けられたCリング5dに対応して開口する凹部8が形成される(図4(b)〜(d)参照)。
また、図8(a)〜(c)に示すように、突出部21の基部25側(凹面22の下面23よりも下側の部位)の前後方向の長さがの直径よりも大きくなっている。このため、発泡体6の凹部8には、樹脂ワイヤ7の直径よりも大きく開口した開口部9が形成される(図4(b)〜(d)参照)。なお、突出部21において基部25よりも上方に配置される部位によって、凹部8の溝部10が形成される(図4(b)〜(d)参照)。
また、図6に示すように、上記した下型20に対して第1樹脂ワイヤ12を設置するために、屈曲部12bを屈折させて第1樹脂ワイヤ12を平面視略C字状にする。そして、下型20の突出部21に挟持させ、略C字状の開口する部分が前方を向くように第1樹脂ワイヤ12が設置される。
また、第2樹脂ワイヤ13については屈曲させることなくそのまま下型20の突出部21に挟持させる。これにより、第1樹脂ワイヤ12の内側で左右方向に延在するように第2樹脂ワイヤ13が設置される。
つぎの発泡体材料導入工程では、下型20に発泡体材料の原液を導入するとともに、下型20に図示しない上型で型締めする。なお、発泡体材料の原液の量は、キャビティが占める体積の5分の1程度である。
つぎの発泡工程では、金型を加熱することで内部の発泡体材料を温め、発泡体材料を発泡させる。これによれば、発泡体材料の原液が膨張して硬化することでキャビティと同一形状の発泡体6が形成される。
そして、樹脂ワイヤ7は、前記したように樹脂ワイヤ7の径方向に移動しないように規制されているため、発泡体材料の原液の膨張により力を受けたとしても位置ずれすることなく発泡体6にインサート成形される。
つぎの型抜工程では、下型20から図示しない上型を外して下型20の上方を開放させ、発泡体6を下型20から上方に抜き出すことを行う。
ここで、発泡体6の抜き出しにより樹脂ワイヤ7が上方へ引っ張られるとともに、突出部21の上面24が樹脂ワイヤ7を押圧して、樹脂ワイヤ7が埋設された近傍の発泡体6が凹む。そして、樹脂ワイヤ7は、突出部21の斜面である上面24に沿って上方に移動し、3つの突出部21から離脱する。
以上より、樹脂ワイヤ7が位置ずれすることなく発泡体6にインサート成形された車両用シートパッド4が製造される。
また、上記製造法により製造された車両用シートパッド4の発泡体6の上面には、複数の突出部21の抜き跡であって、樹脂ワイヤ7に向かって開口する凹部8が形成される。
以上、実施形態に係る車両用シートパッド4によれば、第1樹脂ワイヤ12の屈曲部12bに肉抜き部14が設けられて屈曲するようになっている。このため、曲げ加工が不要になり、多大な労力を費やすことを回避できる。
また、実施形態に係る車両用シートパッド4によれば、鋼線に比べて弾性率が低い樹脂ワイヤ7を用いているため、着座する乗員の体に沿ってしなり、着座した際の快適性の向上を図ることができる。
また、実施形態に係る車両用シートパッド4によれば、第1樹脂ワイヤ12を下型20に設置するまでの間、直線状の状態で保管することができる(図3(b)参照)。そして、保管時に第1樹脂ワイヤ12が占有する空間は、曲げ加工により略C状に折り曲げられた鋼線や予め平面視略C状に成形された樹脂部材が占有する空間よりも狭小であるため、保管性に優れている。
以上、実施形態に係る車両用シートパッド4について説明したが、本発明は実施形態で説明した例に限定されるものではない。
本実施形態では、第1樹脂ワイヤ12に屈曲部12bを設けるために、言い換えれば、樹脂ワイヤ7を屈曲させるために肉抜き部14を形成しているが、本発明はこれに限定されるものでない。
たとえば、第1樹脂ワイヤ12の直線部12aや第2樹脂ワイヤ13の全体又は部分的に肉抜き部14を設けてもよい。これによれば、第1樹脂ワイヤ12の直線部12a及び第2樹脂ワイヤ13の弾性力を抑えることができるからである。
また、第2樹脂ワイヤ13に肉抜き部14を設けた場合には、第2樹脂ワイヤ13が埋設された車両用シートパッド4の上面中央部の張りが抑えられる。これによれば、第2樹脂ワイヤ13に肉抜き部14が設けられていない場合に比べて、車両用シートパッド4の上面中央部が着座した乗員の体に沿ってしなるようになり、着座した際の快適性をさらに向上させることができる。
そのほか、肉抜き部14の数の増減や肉抜き部14の長短により、第2樹脂ワイヤ13の弾性力を変更することができる。
なお、肉抜き部14が設けられた第2樹脂ワイヤ13を直線状の状態で下型20に固定するための手段として、図9に示すように、第2樹脂ワイヤ13の端部13a、13aのそれぞれを挟持する複数の突出部21が挙げられる。また、複数の突出部21は、第2樹脂ワイヤ13の端部13a、13aを挟持することで、第2樹脂ワイヤ13が左右方向に引っ張られた状態になるように形成されている。これによれば、第2樹脂ワイヤ13が下型20の底面20aに当接することなく左右方向に延びて、第2樹脂ワイヤ13が直線状にインサート成形される。
また、第2樹脂ワイヤ13の長さが比較的長い場合には、図9に示すように、第2樹脂ワイヤ13を載置可能な台26を下型20に設置するようにしてもよい。
2 シートクッション
4 車両用シートパッド
5 表皮
5a ステッチ
5d Cリング(係止部)
6 発泡体
7 樹脂ワイヤ
7a 長繊維
7b 樹脂
8(8a、8b、8c) 凹部
12 第1樹脂ワイヤ
12a 屈曲部
13 第2樹脂ワイヤ
14 肉抜き部
20 下型
21(21a、21b、21c) 突出部

Claims (3)

  1. 発泡体と、前記発泡体にインサート成形されて表皮の係止部が係止する樹脂ワイヤと、を備える車両用シートパッドであって、
    前記樹脂ワイヤは、複数の長繊維に樹脂を含浸させてなるとともに、前記樹脂が肉抜きされた肉抜き部を有していることを特徴とする車両用シートパッド。
  2. 前記肉抜き部から前記長繊維が露出していることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートパッド。
  3. 前記肉抜き部は、前記樹脂ワイヤの屈曲部に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用シートパッド。
JP2013238340A 2013-11-18 2013-11-18 車両用シートパッド Pending JP2015097596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015196015A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 本田技研工業株式会社 車両用シートパッド、車両用シートパッドの製造方法及びそれに用いる金型
CN108366677A (zh) * 2015-12-21 2018-08-03 株式会社Jsp 用于生产座椅芯材的方法、以及座椅芯材

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