JP2015094682A - エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム - Google Patents

エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2015094682A
JP2015094682A JP2013234513A JP2013234513A JP2015094682A JP 2015094682 A JP2015094682 A JP 2015094682A JP 2013234513 A JP2013234513 A JP 2013234513A JP 2013234513 A JP2013234513 A JP 2013234513A JP 2015094682 A JP2015094682 A JP 2015094682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
periodic
phase difference
scale
sensor
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013234513A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 仁
Hitoshi Nakamura
仁 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2013234513A priority Critical patent/JP2015094682A/ja
Publication of JP2015094682A publication Critical patent/JP2015094682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

【課題】スケールとセンサの相対ずれによる位置検出誤差を低減する。
【解決手段】エンコーダのスケール10は、互いに異なる周期の周期パターンを含む複数のトラック11,12を有する。複数の検出部21,22を有するセンサ20は複数のトラック11,12のそれぞれに対して設けられている。信号処理手段30は、センサ20からの複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて検出した粗位置を用いて複数の周期信号間の基準位相差を算出し、該基準位相差と複数の周期信号間の実位相差とを用いてスケール10とセンサ20との相対移動方向における複数のトラック11,12に対する複数の検出部21,22による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出する。該誤差を用いて複数の周期信号のうち特定の周期信号の誤差低減処理を行い、粗位置と誤差低減処理が行われた位相とを用いてスケール10又はセンサ20の絶対位置を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学機器等の各種装置に用いられ、該装置内の可動部材の移動に応じたスケールとセンサとの相対移動に伴って該可動部材の位置を示す信号を出力するエンコーダに関する。特に本発明は、バーニア方式で可動部材の絶対位置を検出するアブソリュート型エンコーダに関する。
可動部材の位置や速度を検出するために使用されるエンコーダは、周期パターンが設けられたスケールと、該スケールとの相対移動に伴い、周期パターンに応じて周期的に変化する周期信号を出力するセンサとにより構成される。エンコーダには、例えば、1つの周期パターンから互いに位相が異なる2つの周期信号(2相信号)を生成し、それら2相信号の周期数と位相とからスケールとセンサとの相対位置を検出するインクリメンタル型エンコーダがある。また、エンコーダには、例えば、互いに周期が異なる2つの周期パターンから2組の2相信号を生成し、一方の組の2相信号の位相と他方の組の2相信号の位相との差(位相差)からスケール又はセンサの絶対位置を検出するアブソリュート型エンコーダがある。
さらに、アブソリュート型エンコーダには、バーニア方式と称される角度検出方式が採用されているものがある。バーニア方式のエンコーダでは、互いに周期が異なる周期パターンが設けられた複数のトラックを有するスケールが用いられる。そして、それぞれのトラックから検出される互いに周期が異なる複数の周期信号間の位相差を演算することで、元の各周期信号の周期とは異なる周期を有する周期信号(バーニア信号)を得る。
アブソリュート型エンコーダには、スケールとセンサとの相対位置を検出するインクリメンタル型エンコーダのような電源投入時の原点検出動作が不要である。ただし、アブソリュート型エンコーダでは、それぞれ周期パターンを含む複数のトラックをそれぞれのトラックに対応してセンサに設けられた複数の検出部によって読み取る構成が採用される場合が多い。この場合に、スケールとセンサとの相対的な回転(傾き)によって、スケールとセンサとの相対移動方向における複数の検出部のそれぞれがトラックを読み取る位置の相対的なずれによって位置検出誤差が発生することがある。
特許文献1には、そのような位置検出誤差を抑制するアブソリュート型エンコーダが開示されている。具体的には、スケールとセンサのそれぞれにおける特定箇所が一致する相対位置を基準相対位置として、工場出荷時と装置組み付け時とで基準相対位置にて特定のトラックから読み取った信号の位相ずれ量に相当する値を記憶しておく。そして、その後に装置においてエンコーダにより検出した位置を該位相ずれ量に相当する値を用いて補正することで、位置検出誤差を低減する。
特開2010−25879号公報
しかしながら、特許文献1にて開示されたエンコーダでは、スケールとセンサを装置に組み付けた後にそれらスケールとセンサの相対位置が基準相対位置となるように位置の調整を行う必要がある。このため、該位置調整のための手間や時間がかかり、装置への組み付け性が良くないという問題がある。
本発明は、スケールとセンサを装置に組み付けた後にこれらスケールとセンサの相対位置を特別な相対位置に調整することなく、位置検出誤差を低減することができるエンコーダ、該エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出プログラムを提供する。
本発明の一側面としてのエンコーダは、互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールと、該スケールとの相対移動が可能であるとともに、複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、該複数のトラックの周期パターンをそれぞれ検出した複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサと、複数の周期信号を用いて、スケールまたはセンサの絶対位置を算出する信号処理手段とを有するアブソリュート型エンコーダである。そして、信号処理手段は、複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出する粗位置検出手段と、粗位置を用いて、複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出する基準位相差算出手段と、複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出する実位相差算出手段と、基準位相差と実位相差とを用いて、スケールとセンサとの相対移動方向における複数のトラックに対する複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行う位相補正手段と、粗位置と誤差低減処理が行われた位相とを用いて絶対位置を算出する絶対位置算出手段とを有することを特徴とする。
なお、上記エンコーダと、スケールまたはセンサが設けられ、移動が可能な可動部材と、エンコーダから出力される絶対位置の情報を用いて可動部材の位置または移動を制御する制御手段とを有する装置も本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としての位置検出方法は、互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールとの相対移動が可能であるとともに、該複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、複数のトラックの周期パターンをそれぞれ検出した複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサを用いて、スケールまたはセンサの絶対位置を算出する方法である。そして、該位置検出方法は、複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出し、粗位置を用いて、複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出し、複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出し、基準位相差と実位相差とを用いて、スケールとセンサとの相対移動方向における複数のトラックに対する複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行い、粗位置と誤差低減処理が行われた位相とを用いて絶対位置を算出することを特徴とする。
さらに、本発明の他の一側面としての位置検出プログラムは、互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールとの相対移動が可能であるとともに、該複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、複数のトラックの周期パターンをそれぞれ検出した複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサから出力された該複数の周期信号を用いて、コンピュータにスケールまたはセンサの絶対位置を算出する処理を行わせるコンピュータプログラムである。そして、上記処理は、複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出するステップと、粗位置を用いて、複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出するステップと、複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出するステップと、基準位相差と実位相差とを用いて、スケールとセンサとの相対移動方向における複数のトラックに対する複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行うステップと、粗位置と誤差低減処理が行われた位相とを用いて絶対位置を算出するステップとを含むことを特徴とする。
本発明によれば、スケールとセンサとの相対移動方向におけるいずれの相対位置においても、複数のトラックのそれぞれに対応する複数の検出部の検出位置の相対ずれによる誤差を求めることができる。このため、スケールとセンサを装置に組み付けた後にこれらスケールとセンサの相対位置を特別な相対位置に調整することなく、位置検出誤差を低減することができ、精度の高い位置検出が可能なエンコーダを実現することができる。
本発明の実施例1であるエンコーダの構成を示す図。 実施例1のエンコーダに含まれるスケール上の周期パターン(トラック)を示す図。 実施例1のエンコーダに含まれるセンサにおける受光部の構成を示す図。 実施例1のエンコーダに含まれる信号処理部の構成を示す図。 上記センサから出力される2相周期信号の波形を示す図。 実施例1における位相関係を示す図。 実施例1において信号処理部が行う位置検出処理の流れを示すフローチャート。 本発明の実施例2であるエンコーダに含まれるスケール上の周期パターン(トラック)および実施例2のエンコーダに含まれるセンサにおける受光部の構成を示す図。 実施例2のエンコーダに含まれる信号処理部の構成を示す図。 実施例2において信号処理部が行う位置検出処理の流れを示すフローチャート。 実施例1,2のエンコーダを備えた本発明の実施例3である装置(光学機器)の構成を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1であるエンコーダの構成を示している。エンコーダは、複数(本実施例では2つ)のトラック11,12が設けられたスケール10と、発光部23および複数(2つ)の受光部21,22を有するセンサ20と、信号処理部30とにより構成されている。本実施例のエンコーダは、スケール10とセンサ20との直線方向での相対移動量に応じて、スケール10またはセンサ20の絶対位置の情報を信号処理部30から出力する反射型光学式のバーニア方式アブソリュート型エンコーダ(リニアエンコーダ)である。
以下、本実施例のエンコーダを搭載した装置において、該エンコーダによる位置または移動(速度)の制御対象である可動部材にスケール10が取り付けられ、装置の不動部(固定部)にセンサ20が取り付けられている場合について説明する。つまり、センサ20に対してスケール10が移動し、可動部材に取り付けられたスケール10の位置を検出する場合について説明する。ただし、可動部材にセンサを、不動部にスケールをそれぞれ取り付けてセンサがスケールに対して移動するようにして、センサの位置を検出するようにしてもよい。
スケール10において、トラック11,12のそれぞれには、スケール10とセンサ20の相対移動方向に延びる周期パターンが設けられている。各周期パターンには、図2に示すように、反射部(図中の黒色または灰色の部分)と非反射部(図中の白抜き部分)とが、該相対移動方向に周期的に交互に配置されている。スケール10とセンサ20の相対移動方向(周期パターンの周期方向)を、以下の説明では位置検出方向という。
トラック11の周期パターンの周期(ピッチ)はP11であり、トラック12の周期パターンの周期(ピッチ)はP12である。周期P11と周期P12は、トラック11,12の位置検出方向での全長(トラック全長)をLとするとき、
L=20×P11=16×P12
で表される関係を有する。また、トラック12は、位置検出方向において、反射部の反射率が一定の変化率で変化する周期パターンにより構成されている。トラック11の反射部の反射率を100とするとき、トラック12の反射部の反射率は、該トラック12の一端から他端にかけて30から100まで一定の変化率で変化する。
センサ20において、受光部21,22は、トラック11,12をそれぞれ読み取る(つまりはトラック11,12に対応した)検出部として設けられている。図1に示すように、受光部21,22と発光部23は、センサ20における同一平面上に配置されている。発光部23からトラック11に向けて照射された光のうちトラック11の反射部で反射した光を受光部21が受光する。また、発光部23からトラック12に向けて照射された光のうちトラック12の反射部で反射した光を受光部22が受光する。
受光部21,22には、図3(A)に示すように、それぞれの位置検出方向での幅がP10/2である複数の受光素子21a,21b,21c,21dが位置検出方向に並んで配置されている。具体的には、4つの受光素子21a,21b,21c,21dが循環的に(図3では4回循環するように)位置検出方向に並んでいる。スケール10がセンサ20に対して移動すると(スケール10とセンサ20とが相対移動すると)、各受光素子にて受光される反射光の強度が変化する。
このとき、受光素子21a,21b,21c,21dの出力はそれぞれ、センサ20内でA(+),B(+),A(−),B(−)として扱われる。そして、A=A(+)−A(−)およびB=B(+)−B(−)によって、互いに位相が異なる2相の擬似正弦波信号(以下、周期信号という)A,Bが生成される。具体的には、受光部21の出力A(+),B(+),A(−),B(−)からトラック11の周期パターン(の周期P11)に応じた変化周期を有する2相周期信号A,Bが生成される。また、受光部22の出力A(+),B(+),A(−),B(−)からトラック12の周期パターン(の周期P12)に応じた変化周期を有する2相周期信号A,Bが生成される。こうしてセンサ20にて生成された二組の2相周期信号は、信号処理部30に出力される。
また、本実施例では、発光部23に用いられている光源はLED等の発散光光源であり、前述したように発光部23と受光部21,22とが同一平面上に配置された反射光学系が構成されている。このため、発光部23からトラック11,12に照射され、ここで反射した光により受光部21,22上に投影される周期パターンは2倍に拡大される。つまり、受光部21,22上での位置検出方向において、受光素子1つに相当するP10/2の幅は、トラック11,12上ではP10/4に相当する。したがって、受光素子4つに相当する2×P10の幅は、トラック11,12上ではP10に相当する。また、トラック全長Lと周期P10との関係は、
L=18×P10
であり、上述したL=20×P11=16×P12との比較から、P10とP11とP12は互いに十分に近い値である。受光部21,22はトラック(周期パターン)11,12における特定範囲からの反射光強度を電気信号に変換しているため、周期パターンの周期と受光素子の幅とが多少ずれても、センサ20からは周期パターンに対応した信号が出力される。つまり、スケール10がセンサ20に対してP11だけ移動すると受光部21から1周期の2相周期信号が出力され、スケール10がセンサ20に対してP12だけ移動すると受光部22から1周期の2相周期信号が出力される。
信号処理部30は、図4に示すように、ADコンバータ31、位相検出処理部32、粗位置情報検出処理部(粗位置検出手段)33、基準位相差算出処理部(基準位相差算出手段)34および検出位相差算出処理部(実位相差算出手段)35を含む。また、信号処理部30は、位相補正処理部(位相補正手段)36および位置検出処理部(絶対位置算出手段)37を含む。信号処理部30は、センサ20からの出力信号を用いて位置検出処理を行い、その結果として得られた位置の情報を出力する。この位置検出処理について説明する。
なお、図7には、信号処理部30が行う位置検出処理(位置検出処理方法)の流れをフローチャートに示しており、以下の説明におけるステップ1〜8が該フローチャート中のS1〜S8に相当する。
まず、ADコンバータ31は、センサ20から出力された二組の2相周期信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する(ステップ1)。2相周期信号(擬似正弦波信号)A,Bはそれぞれ、位相をθとすると、sinθおよびcosθとして表される。このため、これらに対してarctan演算を行うことにより、θ(0≦θ<2π)を求めることができる。
ただし、本実施例では、トラック11,12に形成された周期パターンの周期P11,P12と、センサ20の検出周期P10とが異なる。ここにいう、センサ20の検出周期は、各周期信号の生成に用いられる受光素子のピッチに対応する周期パターンの周期であり、本実施例は周期パターンが2倍に拡大される反射系であるため、受光素子のピッチP10/2の2倍となる。このため、arctan演算により求められる2相周期信号間での位相差は正確にはπ/2とならない。具体的には、センサ20から検出される2相周期信号の周期は、トラック11,12の周期パターンの周期に対応するP11またはP12となる。図5には、受光部21からの出力を用いて生成される周期がP11である2相周期信号を示している。一方、位相差は、各受光部に投影される周期パターンの周期が2倍に拡大されることから、図5に示すように、各受光素子の幅P10/2の半分であるP10/4となる。
このため、位相検出処理部32は、π/2からずれた各組の2相周期信号の位相差を下記のように補正する(ステップ2)。そして、位相差が補正された各組の2相周期信号に対してarctan演算を行うことにより、周期P11の2相周期信号の位相と周期P12の2相周期信号の位相とを算出する(ステップ3)。
位相差の補正について説明する。まず、周期P11で位相差P10/4の2相周期信号は、振幅をrとすると、rsinθおよびrsin(θ+π/2×P10/P11)として表すことができる。また、以下の式(1)に示すように、正弦波において正負を反転させた値は位相をπだけシフトした値と等しい。
ここで、任意のφについて以下の式(2)が成立するため、rsinθとrsin(θ+P10/4×2π/P11)との和と差をそれぞれ求める。差は式(1)より和の式に変換することができる。このため、以下の式(3),(4)に示すように、位相差がπ/2である2つの値を求めることができる。
次に、P10とP11は既知であるから、式(3),(4)の右辺に対してそれぞれ、
1/[2cos(π/4×P10/P11)]
1/[2cos(π/4×P10/P11+π/2)]
を乗ずることにより、振幅rを有する互いに直交する2相周期信号rsinθ,rcosθを求めることができる。そして、この2相周期信号に対してarctan演算を行うと、演算結果はθではなく、θ+P10/P11×π/4となるため、演算結果からP10/P11×π/4を減じることで位相θを求める。周期P12で位相差P10/4の2相周期信号についても同様に位相差を補正して位相を算出することができる。
以下の説明において、周期P11,P12の2相周期信号に対応する位相をそれぞれθP11,θP12とする。また、受光部21からの出力を用いて生成された2相周期信号をトラック11に対応する2相周期信号ともいい、受光部22からの出力を用いて生成された2相周期信号をトラック12に対応する2相周期信号ともいう。
次に、粗位置情報検出処理部33は、スケール10の粗位置を算出する(ステップ4)。粗位置は、最終的に出力すべき絶対位置(後述するx)よりも精度が粗い位置である。まず、粗位置情報検出処理部33は、トラック12に対応する2相周期信号の振幅を粗位置信号として検出する。具体的には、位相検出処理部32で求めた2相周期信号rsinθ,rcosθを用いて振幅rを以下の式(5)により求める。
振幅はトラックの反射部の反射率に応じて変化するため、トラック11に対応する2相周期信号の最大振幅を100とすると、トラック12に対応する2相周期信号の振幅は30から100まで変化する。そこで、粗位置情報検出処理部33は、粗位置をcとするときに、この粗位置cが位相と同じく0から2πまでの範囲で表されるように以下の式(6)に示される演算を行う。
c=(r−30)×2π/(100−30) ・・・(6)
続いて、基準位相差算出処理部34は、粗位置cを用いて、トラック11,12のそれぞれに対応する2組の2相周期信号間での位相差の基準値としての基準位相差を算出する(ステップ5)。本実施例では、トラック11,12に設けられた周期パターンの周期数の差は4であるため、基準位相差算出処理部34は、粗位置cを4倍して0から2πの範囲に正規化することにより、トラック全長で4周期の基準位相差に変換する。基準位相差をφrefとすると、φrefは以下の式(7)により表され、粗位置cと基準位相差φrefはそれぞれ図6(A),(B)に示すようになる。ただし、MOD(x,y)はxを被除数とし、yを除数としたときの剰余を表す。
φref=MOD(c×4,2π) ・・・(7)
次に、検出位相差算出処理部35は、θP11,θP12から、トラック11,12のそれぞれに対応する2組の2相周期信号間の位相差の実際値(検出値)である実位相差としての検出位相差を算出する(ステップ6)。検出位相差をφとすると、φは以下の式(8)で表され、θP11とθP12と検出位相差φはそれぞれ、図6(C),(D),(E)に示すようになる。
φ=MOD(θP11−θP12,2π) ・・・(8)
ここで、基準位相差φrefおよび検出位相差φはともにトラック全長で0から2πまで変化するため、2つのトラック11,12に対する受光部21,22の読み取り位置がともに理想的であれば、同一の値となる。
しかし、実際にはスケール10またはセンサ20の装置への取り付け状態によってスケール10とセンサ20との間に相対的な回転(傾き)が生じる場合がある。この場合、トラック11,12に対する受光部21,22の読み取り位置(検出位置)に相対的なずれ(相対ずれ)が発生することが多い。そして、このようなトラック11,12に対する読み取り位置の相対ずれは、特に検出位相差φに大きな誤差を発生させる。これは、基準位相差φrefはスケール全長Lに相当する移動量に対して2πだけ変化する粗位置cから求められているのに対し、検出位相差φはL/20,L/16の移動量に対してそれぞれ2πだけ変化するθP11,θP12から求められているためである。
例えば、位置検出方向においてトラック11に対する読み取り位置を基準としてトラック12に対する読み取り位置のずれがL/32だけ発生すると、θP12はπだけ変化する。このとき、基準となるθP11は変化しないため、検出位相差φも図6(F)に示すようにπだけ変化する。
一方、基準位相差φrefは、式(5),(6)および(7)に示すように、トラック11に対応する2相周期信号から求められているため、トラック11に対する読み取り位置を基準とすれば、誤差は発生しないとみなすことができる。したがって、基準位相差φrefと検出位相差φとから、トラック11とトラック12のそれぞれに対する受光部21,22の読み取り位置の相対ずれを求めることができる。
位相補正処理部36は、基準位相差φrefと検出位相差φとから、位相θP12に含まれるトラック11,12に対する受光部21,22の読み取り位置の相対的なずれによる誤差を低減した位相θP12′を求める(ステップ7)。すなわち、特定の周期信号としてのトラック12に対応する2相周期信号の位相であるθP12に対する誤差低減処理(位相補正)を行う。
先に説明したように、φrefとφとの差はトラック11に対する読み取り位置を基準としたときのトラック12に対する読み取り位置の誤差とみなすことができる。したがって、以下の式(9),(10)に示すように、φrefとφとの差を0から2πの範囲に正規化したものを位相誤差Δφとし、Δφをトラック11,12に対する読み取り位置の差とみなして、ΔφをθP12から差し引く。これにより、誤差を低減した位相θP12′を算出する。
Δφ=MOD(φref−φ,2π) ・・・(9)
θP12′=MOD(θP12−Δφ,2π) ・・・(10)
最後に、位置検出処理部37は、粗位置cと誤差低減処理が行われた位相θP12′とからスケール10の絶対位置(以下、単に位置という)を検出する(ステップ8)。粗位置cはトラック全長に対して1周期であり、位相θP12′はトラック全長に対して16周期であり、粗位置cに比べて位相θP12′は精度の高い位置を表す。そこで、位置検出処理部37は、粗位置cを用いて位相θP12′がその何周期目であるかを算出し、θP12′の精度で位置を検出する。センサ20が読み取っている周期をnとすると、周期nは以下の式(11)により表される。ただし、ROUND(x)は、i−1/2≦x<i+1/2を満たす整数iを返す関数である。
n=ROUND[(16×c−θP12′)/(2π)] ・・・(11)
そして、位置をxとすると、位相θP12′の1周期はP12=L/16に相当するため、位置xは以下の式(12)で求められる。
x=[n+θP12′/(2π)]×L/16 ・・・(12)
信号処理部30は、以上により求めた位置xを、最終的に絶対位置の情報として、エンコーダが搭載された不図示の装置のシステムに対して出力する。
本実施例によれば、位置検出方向におけるいずれの位置においても、トラック11,12のそれぞれに対する読み取り位置の相対ずれ量(Δφ)を算出することができる。このため、スケール10とセンサ20を装置に組み付けた後にこれらスケール10とセンサ20の相対位置関係を特別の位置関係に調整することなく、誤差を低減した位置検出を行うことができる。
なお、本実施例では、粗位置cを求めるためにトラック11に対応する2相周期信号の振幅を用いたが、トラック11,12のそれぞれに対応する2相周期信号の振幅の比を用いてもよい。これにより、センサ20における発光部23(光源)の光量や配光特性が変化する等して振幅が変化するような場合でも粗位置cの検出精度を高めることができる。
また、本実施例では、位置検出方向において反射部の反射率が変化するトラック12を用いることで該トラック12に対応する2相周期信号の振幅を変化させたが、反射部の面積を変化させることで振幅を変化させるようにしてもよい。この場合にも、本実施例と同様の効果を得ることができる。
また、信号処理部30をCPU,MPU等のコンピュータにより構成し、図7にフローチャートで示した位置検出処理を該信号処理部30がコンピュータプログラム(位置検出プログラム)に従って行うようにしてもよい。
次に、本発明の実施例2について説明する。図8(A)には、本実施例のエンコーダに用いられるスケール10′を示している。本実施例のエンコーダも、実施例1と同様に、反射型光学式アブソリュートリニアエンコーダであり、スケール10′と、図1に示したセンサ20と同様に構成されたセンサ20′と、図9に示した信号処理部30′とにより構成されている。
スケール10′において、トラック11′には、互いに異なる周期Q11,Q41を有する複数(2つ)の周期パターンが位置検出方向に延びるように設けられている。これら2つの周期パターンは、位置検出方向に直交する方向(以下、スケール幅方向という)に交互に配置されている。また、トラック12′には、互いに異なる周期Q12,Q42を有する複数(2つ)の周期パターンが位置検出方向に延びるように設けられている。これら2つの周期パターンも、スケール幅方向に交互に配置されている。周期Q41は周期Q11に対して約4倍に設定されており、周期Q42は周期Q12に対して約4倍に設定されている。また、トラック全長において、周期Q11,Q12,Q41およびQ42はそれぞれ、99,94,25および26周期含まれている。
センサ20′は、実施例1のセンサ20と同様に2つの受光部を有し、さらに図9に示す信号処理部30′内に設けられた検出周期コントローラ38からの指令に応じて、検出周期をP10とP40とに切り替えることができる。検出周期の切り替えは、A(+),B(+),A(−),B(−)を出力する受光素子の配置を変更することで行われる。検出周期をP10とするときは、実施例1において図3(A)に示したように、A(+),B(+),A(−),B(−)をそれぞれ出力する受光素子21a,21b,21c,21dを循環的に位置検出方向に並べる。一方、検出周期をP40とするときは、図8(B)に示すように、位置検出方向に16個配置された受光素子を隣り合う4つごとに一組とし、各組の受光素子21a,21b,21c,21dの出力を1つにまとめる。そして、4組の受光素子の出力をそれぞれ、A(+),B(+),A(−),B(−)とする。
図8(A)において、13,14はそれぞれ、センサ20′の2つの受光部によるトラック11′,12′上での読み取り領域(光源から照射された光を各受光部に受光されるように反射する範囲)を示す。各読み取り領域は、各トラックにおいてスケール幅方向に交互に配置された2つの周期パターンの組を複数含むように設定されている。これにより、各受光部により読み取ることができる2つの周期パターンの位相は互いに同期して変化する。本実施例でもP10,Q11,Q12は互いに十分に近い値であり、P40,Q41,Q42も互いに十分に近い値である。
信号処理部30′は、図9に示すように、ADコンバータ31、位相検出処理部32、粗位置情報検出処理部33、基準位相差算出処理部34、検出位相差算出処理部35、位相補正処理部36、位置検出処理部37および検出周期コントローラ38を含む。実施例1の信号処理部30(図4)では、ADコンバータ31の出力が位相検出処理部32と粗位置情報検出処理部33に入力され、位相検出処理部32の出力が検出位相差算出処理部35、位相補正処理部36および位置検出処理部37に入力された。これに対して、本実施例の信号処理部30′では、ADコンバータ31の出力は位相検出処理部32のみに入力され、位相検出処理部32の出力が粗位置情報検出処理部33、検出位相差算出処理部35、位相補正処理部36および位置検出処理部37に入力される。
次に、本実施例における信号処理部30′で行われる位置検出処理について説明する。図10には、位置検出処理(位置検出処理方法)の流れをフローチャートに示しており、以下の説明におけるステップ21〜31が該フローチャート中のS21〜S31に相当する。
まず、検出周期コントローラ38は、センサ20′の検出周期をP10に設定する(ステップ21)。そして、ADコンバータ31は、センサ20′から出力された周期Q11,Q12の二組の2相周期信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する(ステップ22)。次に、検出周期コントローラ38は、センサ20′の検出周期をP40に設定する(ステップ23)。そして、ADコンバータ31は、センサ20′から出力された周期Q41,Q42の二組の2相周期信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する(ステップ24)。
本実施例でも、実施例1と同様に、検出周期と周期パターンの周期とが異なるため、四組の2相周期信号の位相差はπ/2とはならない。したがって、位相検出処理部32は、サンプリングされた四組の2相周期信号のそれぞれに対して、実施例1と同様に位相差をπ/2に補正し(ステップ25)、その後arctan演算を行って位相を求める(ステップ26)。以下、周期Q11,Q12,Q41,Q42の2相周期信号の位相をそれぞれ、θQ11,θQ12,θQ41,θQ42として説明する。
粗位置情報検出処理部33は、同じ1つのトラック11′に対応する複数(一組)の2相周期信号の位相θQ11,θQ41から粗位置を求める(ステップ27)。前述したように、トラック全長において周期Q11と周期Q41はそれぞれ99周期と25周期あるので、θQ11とθQ41はトラック全長においてそれぞれ99回と25回、0から2πまで繰り返し変化する。以下の式(13)にて表すように、θQ41の変化を4倍にして0から2πの範囲に正規化することで、トラック全長において100回、0から2πまで変化する位相θ100が求められる。
θ100=MOD(4×θQ41,2π) ・・・(13)
そして、θ100とθQ11との位相差を求めると、θ100とθQ11はそれぞれトラック全長で100周期と99周期の位相であるので、位相差はトラック全長で1周期となり、これを粗位置cとする。粗位置cは、以下の式(14)により表される。
c=MOD(θ100−θQ11,2π) ・・・(14)
次に、基準位相差算出処理部34は、粗位置cから基準位相差を演算する(ステップ28)。本実施例では、トラック11′とトラック12′に対応する位相がそれぞれ2つずつ存在するため、それぞれの位相について基準位相差と検出位相差を求める。トラック11′,12′に設けられた周期Q11,Q12の周期パターンの周期数の差は5であり、周期Q41,Q42の周期パターンの周期数の差は1である。このため、粗位置cからトラック全長で1周期および5周期の基準位相差φref1,φref5をそれぞれ求める。φref1およびφref5はそれぞれ、以下の式(15),(16)により表される。
φref1=c ・・・(15)
φref5=MOD(c×5,2π) ・・・(16)
そして、検出位相差算出処理部35は、位相θQ11とθQ12を用いて以下の式(17)により検出位相差φ5を求め、また、位相θQ41とθQ42を用いて以下の式(18)により検出位相差φ1を求める(ステップ29)。
φ5=MOD(θQ11−θQ12,2π) ・・・(17)
φ1=MOD(θQ42−θQ41,2π) ・・・(18)
本実施例でも、トラック11′の読み取り位置を基準とすると、φref1,φref5は誤差を持たないとみなすことができ、φ1,φ5はトラック12′に対する受光部の読み取り位置のずれによる誤差を持つとみなすことができる。したがって、これらから、トラック11′,12′に対するそれぞれの受光部の読み取り位置の相対ずれを求めることができる。
次に、位相補正処理部36は、基準位相差φref1,φref5と検出位相差φ1,φ5とから、位相θQ12に含まれるトラック11′とトラック12′に対する読み取り位置の相対ずれによる誤差を低減した位相θQ12′を求める(ステップ30)。すなわち、特定の周期信号であるトラック12′に対応する2相周期信号の位相であるθQ12に対する誤差低減処理(位相補正)を行う。
本実施例では、基準位相差と検出位相差がそれぞれ2種類あるため、まずそれぞれについて差Δφ1,Δφ5を以下の式(19),(20)によって求める。
Δφ1=MOD(φref1−φ1,2π) ・・・(19)
Δφ5=MOD(φref5−φ5,2π) ・・・(20)
ここで、Δφ1とΔφ5に含まれる読み取り位置のずれはそれぞれ、θQ42とθQ12によるものであり、Q42とQ12はトラック全長にそれぞれ26周期と94周期含まれる。つまり、トラック全長をLとしたときに、Δφ1に対しては2πがL/26の変位に相当し、Δφ5に対しては2πがL/94の変位に相当する。そこで、以下の式(21),(22)に示すようにΔφ1をΔφ5の比に換算して平均化したものをΔφとし、ΔφをθQ12に含まれる誤差とみなして位相θQ12′を求める。
Δφ=(Δφ5+Δφ1×26/94)/2 ・・・(21)
θQ12′=MOD(θQ12−Δφ,2π) ・・・(22)
最後に、位置検出処理部37は、粗位置cと位相θQ11,θQ12′,θQ41とからスケール10′の絶対位置(以下、単に位置という)を求める(ステップ31)。まず、トラック全長で99周期と94周期を有する位相θQ11とθQ12′から位相差を求めると、トラック全長で5周期の信号が求められ、これをθ5とする。θ5は、以下の式(23)により表される。
θ5=MOD(θQ11−θQ12′,2π) ・・・(23)
そして、位置検出処理部37は、粗位置cおよび位相θ5,θQ41,θQ11から位置を求める。粗位置cおよび位相θ5,θQ41,θQ11はそれぞれトラック全長で1周期、5周期、25周期、99周期であるので、実施例1と同様に、θ5,θQ41,θQ11の精度を持つ位置を順に求める。θ5,θQ41,θQ11における周期数をそれぞれn1,n2,n3とし、それぞれの精度での位置をx1,x2,x3とすると、x1,x2,x3は以下の式(24)〜(29)により求められる。
n1=ROUND[(5×c−θ5)/(2π)] ・・・(24)
x1=[n1+θ5/(2π)]×L/5 ・・・(25)
n2=ROUND{[25×(x1×2π/L)−θQ41]/(2π)} ・・・(26)
x2=[n2+θQ41/(2π)]×L/25 ・・・(27)
n3=ROUND{[99×(x2×2π/L)−θQ11]/(2π)} ・・・(28)
x3=[n3+θQ11/(2π)]×L/99 ・・・(29)
信号処理部30′は、以上により求めた位置x3を、最終的に絶対位置の情報として、エンコーダが搭載された不図示の装置のシステムに対して出力する。
本実施例でも、位置検出方向におけるいずれの位置においても、トラック11′,12′のそれぞれに対する読み取り位置の相対ずれ量(Δφ)を算出することができる。このため、スケール10′とセンサ20′を装置に組み付けた後にこれらスケール10′とセンサ20′の相対位置関係を特別の位置関係に調整することなく、誤差を低減した位置検出を行うことができる。
本実施例では、それぞれ2つの基準位相差と検出位相差を求めたが、それぞれ1つの基準位相差と検出位相差を求めてもよい。それぞれ1つの基準位相差と検出位相差から読み取り位置のずれを求める場合と比較して、それぞれ2つの基準位相差と検出位相差からずれを求める場合の方が精度を改善することができる。しかし、それぞれ1つの基準位相差と検出位相差から読み取り位置のずれを必要十分な精度で求められる場合は、その方が演算時間を短縮することができる。
また、信号処理部30′をCPU,MPU等のコンピュータにより構成し、図10にフローチャートで示した位置検出処理を該信号処理部30′がコンピュータプログラム(位置検出プログラム)に従って行うようにしてもよい。
さらに、実施例1,2では、反射型光学式リニアエンコーダについて説明したが、実施例1,2にて説明した位置検出処理と同様の処理は、透過型光学式エンコーダや、磁気式 静電容量式等の光学式以外のエンコーダや、ロータリエンコーダにも適用できる。言い換えれば、上記処理は、基準位相差と検出位相差を求めて位置検出誤差を低減することができるエンコーダであれば適用することができる。
図11には、上述した実施例1または実施例2のエンコーダを搭載した装置の一例として、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置(光学機器)を示している。この撮像装置では、エンコーダをレンズ鏡筒内での光学素子の位置を検出するために用いている。
図11において、10,20はそれぞれ、実施例1のエンコーダを構成するスケール10およびセンサ20を示す。これらに代えて、実施例2のエンコーダを構成するスケール10′およびセンサ20′を用いてもよい。また、44は実施例1のエンコーダを構成する信号処理部30を含み、撮像装置のシステム全体を制御する制御部(CPU)を示す。制御部44は、実施例1の信号処理部30に代えて、実施例2の信号処理部30′を含んでもよい。
スケール10は、レンズ鏡筒内において光軸回りで回転する円筒形状のカム環50の内周面に取り付けられている。カム環50は、不図示のアクチュエータによって回転駆動される。
レンズ鏡筒内には、撮影光学系41が収容されている。撮影光学系41は、カム環50が回転することで、該カム環50に形成されたカムによって光軸方向に移動可能な可動部材としての光学素子(例えば、変倍レンズやフォーカスレンズ)42を含む。
45は撮影光学系41により形成された被写体像を光電変換するイメージセンサ(撮像素子)であり、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成されている。
光学素子42を移動させるためにカム環50が回転すると、エンコーダによりカム環50の回転位置(つまりは光学素子42の位置)が検出され、その情報が制御部44に出力される。
制御部44は、その回転位置の情報に基づいてカム環50を回転させるアクチュエータを駆動し、光学素子42の位置や移動(速度)を制御する。
前述したように、実施例1,2のエンコーダでは、スケール(10,10′)とセンサ(20,20′)が位置検出方向でいずれの相対位置にあっても、スケール上の2つのトラックのそれぞれに対する読み取り位置の相対ずれ量を算出することができる。このため、スケールとセンサを撮像装置に組み付けた後にこれらスケールとセンサの相対位置関係を特別の位置関係に調整することなく、誤差を低減した光学素子42の位置検出を行うことができる。
なお、実施例1,2のエンコーダは、上述した撮像装置に限らず、プリンタ(光学機器)における印字ヘッドや給紙ローラの位置検出、複写機(光学機器)の感光ドラムの回転位置検出をはじめ、ロボットアームの位置検出等、様々な装置に適用することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
スケールとセンサとの相対位置ずれに伴う位置検出誤差を低減できるエンコーダを提供することができる。
10,10′ スケール
11,11′,12,12′ トラック
20,20′ センサ
21,22 受光部
30,30′ 信号処理部

Claims (8)

  1. 互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールと、
    該スケールとの相対移動が可能であるとともに、前記複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、前記複数のトラックの前記周期パターンをそれぞれ検出した前記複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサと、
    前記複数の周期信号を用いて、前記スケールまたは前記センサの絶対位置を算出する信号処理手段とを有するアブソリュート型エンコーダであって
    前記信号処理手段は、
    前記複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、前記絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出する粗位置検出手段と、
    前記粗位置を用いて、前記複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出する基準位相差算出手段と、
    前記複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出する実位相差算出手段と、
    前記基準位相差と前記実位相差とを用いて、前記スケールと前記センサとの相対移動方向における前記複数のトラックに対する前記複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて前記複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行う位相補正手段と、
    前記粗位置と前記誤差低減処理が行われた前記位相とを用いて前記絶対位置を算出する絶対位置算出手段とを有することを特徴とするエンコーダ。
  2. 前記位相補正手段は、前記基準位相差と前記実位相差との差を前記特定の周期信号の位相から差し引くことで、前記誤差低減処理を行うことを特徴とする請求項1に記載のエンコーダ。
  3. 前記粗位置検出手段は、1つの前記周期信号の振幅から、または互いに周期が異なる複数の前記周期パターンを含む1つの前記トラックに対して設けられた前記検出部の出力から生成された複数の前記周期信号の位相から、前記粗位置を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のエンコーダ。
  4. 前記基準位相差算出手段は、前記粗位置に、前記複数のトラックに設けられた前記周期パターンの周期数の差を乗じることにより、前記基準位相差を算出することを特徴とする請求項1から3のいがずれか一項に記載のエンコーダ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のエンコーダと、
    前記スケールまたは前記センサが設けられ、移動が可能な可動部材と、
    前記エンコーダから出力される前記絶対位置の情報を用いて前記可動部材の位置または移動を制御する制御手段とを有することを特徴とする装置。
  6. 前記可動部材として光学素子を有する光学機器であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールとの相対移動が可能であるとともに、前記複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、前記複数のトラックの前記周期パターンをそれぞれ検出した前記複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサを用いて、前記スケールまたは前記センサの絶対位置を算出する位置検出方法であって、
    前記複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、前記絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出し、
    前記粗位置を用いて、前記複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出し、
    前記複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出し、
    前記基準位相差と前記実位相差とを用いて、前記スケールと前記センサとの相対移動方向における前記複数のトラックに対する前記複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて前記複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行い、
    前記粗位置と前記誤差低減処理が行われた前記位相とを用いて前記絶対位置を算出することを特徴とする位置検出方法。
  8. 互いに異なる周期を有する周期パターンを含む複数のトラックが設けられたスケールとの相対移動が可能であるとともに、前記複数のトラックのそれぞれに対して設けられた複数の検出部を有し、前記複数のトラックの前記周期パターンをそれぞれ検出した前記複数の検出部の出力から該各周期パターンに応じた変化周期をそれぞれ有する複数の周期信号を生成するセンサから出力された前記複数の周期信号を用いて、コンピュータに前記スケールまたは前記センサの絶対位置を算出する処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
    前記処理は、
    前記複数の周期信号のうち少なくとも1つの周期信号を用いて、前記絶対位置よりも精度が粗い粗位置を検出するステップと、
    前記粗位置を用いて、前記複数の周期信号間の位相差の基準値である基準位相差を算出するステップと、
    前記複数の周期信号間の位相差の実際値である実位相差を算出するステップと、
    前記基準位相差と前記実位相差とを用いて、前記スケールと前記センサとの相対移動方向における前記複数のトラックに対する前記複数の検出部による検出位置の相対ずれにより生じた誤差を算出し、該誤差を用いて前記複数の周期信号のうち特定の周期信号の位相に対する誤差低減処理を行うステップと、
    前記粗位置と前記誤差低減処理が行われた前記位相とを用いて前記絶対位置を算出するステップとを含むことを特徴とする位置検出プログラム。
JP2013234513A 2013-11-13 2013-11-13 エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム Pending JP2015094682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013234513A JP2015094682A (ja) 2013-11-13 2013-11-13 エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013234513A JP2015094682A (ja) 2013-11-13 2013-11-13 エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015094682A true JP2015094682A (ja) 2015-05-18

Family

ID=53197169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013234513A Pending JP2015094682A (ja) 2013-11-13 2013-11-13 エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015094682A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180032178A (ko) * 2016-09-21 2018-03-29 니혼 덴산 산쿄 가부시키가이샤 로터리 인코더, 및 로터리 인코더의 절대 각도 위치 검출 방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180032178A (ko) * 2016-09-21 2018-03-29 니혼 덴산 산쿄 가부시키가이샤 로터리 인코더, 및 로터리 인코더의 절대 각도 위치 검출 방법
KR102328288B1 (ko) * 2016-09-21 2021-11-19 니혼 덴산 산쿄 가부시키가이샤 로터리 인코더, 및 로터리 인코더의 절대 각도 위치 검출 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5932285B2 (ja) エンコーダおよびこれを備えた装置
JP5968062B2 (ja) 位置検出エンコーダおよびこれを用いた装置
JP6147038B2 (ja) 位置検出装置、レンズ装置、撮像システム、および、工作装置
US8476578B2 (en) Rotary encoder and rotation mechanism including the same
JP6071181B2 (ja) エンコーダおよびこれを備えた装置
JP6253320B2 (ja) エンコーダおよびこれを用いた装置
JP5574899B2 (ja) ロータリーエンコーダ及びこれを備えた光学機器
JP5877212B2 (ja) エンコーダ、エンコーダを用いた装置およびエンコーダ演算プログラム
US7321113B2 (en) Precision material-handling robot employing high-resolution, compact absolute encoder
US9103699B2 (en) Encoder and apparatus using the same
US10393550B2 (en) Encoder and apparatus having the same
JP2015121405A (ja) アブソリュートエンコーダおよび装置
JP2013234852A (ja) 位置検出エンコーダおよびこれを用いた装置
JP2015094682A (ja) エンコーダ、エンコーダを備えた装置、位置検出方法および位置検出処理プログラム
JP7203584B2 (ja) アブソリュートロータリエンコーダ
JP2023019809A (ja) アブソリュートロータリエンコーダ及びそれを備える装置
JP6373457B1 (ja) エンコーダおよびこれを用いた撮像装置
JP5984364B2 (ja) 光学式エンコーダおよびこれを備えた装置
JP6272129B2 (ja) 光学式エンコーダおよびこれを備えた装置
JP2015094668A (ja) エンコーダ、これを用いた装置、エンコーダ信号処理方法およびエンコーダ信号処理プログラム