JP2015090971A - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イメージセンサの性能向上を図る。
【解決手段】平面視において、増幅トランジスタのゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素が導入され、かつ、半導体基板1S内にフッ素が導入されていない。具体的には、図20に示すように、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分を開口するように、レジスト膜FR1のパターニングが行なわれる。そして、開口部OP1を形成したレジスト膜FR1をマスクにしたイオン注入法により、開口部OP1から露出するゲート電極GE1の内部にフッ素を注入する。
【選択図】図20

Description

本発明は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサに代表される固体撮像素子およびその製造方法に関する。
特開2008−218836号公報(特許文献1)には、ゲート電極をニッケルフルシリサイド電極から構成する技術が記載されている。具体的に、この特許文献1には、ニッケルモノシリサイドの組成を有するニッケルフルシリサイド電極を形成するために、ゲート電極にシリサイド化反応抑制効果のあるフッ素を注入することが記載されている。
特開2008−218836号公報
例えば、CMOSイメージセンサに代表される固体撮像素子では、暗時においても画像が真黒にならない現象として把握されるベースラインノイズを低減することが大きな課題となっている。このベースラインノイズは、画素に含まれる「増幅トランジスタ」と呼ばれるnチャネル型電界効果トランジスタで発生する1/fノイズ(フリッカーノイズ)と強い相関を持つことが知られている。したがって、ベースラインノイズを低減するためには、「増幅トランジスタ」で発生する1/fノイズを低減することが重要である。
この点に関し、1/fノイズを低減するためには、「増幅トランジスタ」のゲート絶縁膜に存在するダングリングボンド(未結合手)を減らすことが有効であることが知られており、ダングリングボンドを低減する一手法として、フッ素をダングリングボンドに結合させる方法がある。例えば、イオン注入法によって、「増幅トランジスタ」を含む固体撮像素子にフッ素を導入することが考えられる。
ところが、フッ素を含むイオンビームに含まれている汚染物質(コンタミネーション)による悪影響が懸念される。すなわち、汚染物質として、例えば、タングステン(W)に代表される金属原子が半導体基板に混入すると、固体撮像素子の暗時白点数や暗電流が増加するおそれがある。これは、半導体基板に入り込んだ金属原子が拡散することにより、光電変換部として機能するフォトダイオードに到達して欠陥準位が生成されることに起因すると考えられている。すなわち、欠陥準位が生成されると、フォトダイオードにおいて、この欠陥準位を介したリーク電流が増加し、このリーク電流の増加が暗時白点数や暗電流が増加に繋がると考えられる。
このように、「増幅トランジスタ」の1/fノイズを低減して、固体撮像素子のベースラインノイズを低減する観点からは、固体撮像素子にフッ素を導入することが有効である反面、フッ素を導入する際に一緒に導入される汚染物質によって、暗時白点数や暗電流の増加が引き起こされるおそれがある。つまり、固体撮像素子のベースラインノイズを低減し、かつ、暗時白点数や暗電流の増加を抑制する観点からは、単に、固体撮像素子にフッ素を導入する手法では充分ではなく、さらなる改善の余地が存在する。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態における固体撮像素子は、平面視において、増幅トランジスタのゲート電極のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素が導入されている。
また、一実施の形態における固体撮像素子の製造方法は、増幅トランジスタのゲート電極を形成する工程を実施した後、平面視において、ゲート電極のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入する工程を備える。
一実施の形態によれば、固体撮像素子の性能向上を図ることができる。
イメージセンサにおいて、光を電気信号に変換する様子を示す模式図である。 イメージセンサにマイクロレンズを設けない場合の構成を概略的に示す図である。 フォトダイオードの前面にマイクロレンズを配置する例を示す模式図である。 カラーフィルタの1つである原色フィルタを示す図である。 カラーフィルタの1つである補色フィルタを示す図である。 pn接合によるダイオードのバンド構造を示す図である。 受光部のデバイス構造の一例を示す断面図である。 画素の回路構成を示す回路図である。 実施の形態1における画素の模式的なレイアウト構成を示す平面図である。 図9のA−A線で切断した断面図である。 増幅トランジスタのゲート絶縁膜に存在するダングリングボンドにフッ素が結合する様子を模式的に示す図である。 イメージセンサに含まれる増幅トランジスタの製造工程の流れを説明するフローチャートである。 フッ素注入工程の挿入時期を変えた場合の検討結果を示すグラフである。 実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図15に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図17に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図19に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図20に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図21に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図22に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図23に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図24に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 変形例における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図26に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図28に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図29に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 変形例1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 変形例2における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 実施の形態3におけるイメージセンサが形成されている半導体チップの模式的な構成を示す平面図である。 図33に示す画素アレイ領域の複数の画素のそれぞれに形成されている増幅トランジスタの断面構成と、図33に示す周辺回路領域の周辺回路に形成されているpチャネル型電界効果トランジスタの断面構成を示す図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<イメージセンサ(固体撮像素子)の概略構成>
本実施の形態1では、画像を撮影するイメージセンサ(固体撮像素子)について図面を参照しながら説明する。まず、イメージセンサの概略構成について説明する。イメージセンサは、イメージセンサに入力された光を電気信号に変換する素子である。図1は、イメージセンサにおいて、光を電気信号に変換する様子を示す模式図である。例えば、図1に示すように、対象物から発せられた光はレンズLに入射し結像する。このレンズLの結像位置にイメージセンサISが配置されており、レンズLによって結像された画像がイメージセンサISに照射される。イメージセンサISでは、光が照射されると、その光を電気信号に変換する。そして、イメージセンサISから出力された電気信号を信号処理することにより画像が生成される。このようにイメージセンサISは、入射した光を電気信号に変換して出力する機能を有する。
イメージセンサISの受光面RCを拡大すると、イメージセンサISの受光面RCには、マイクロレンズOL、カラーフィルタCFおよびフォトダイオードPDが配置されていることがわかる。つまり、イメージセンサISは、マイクロレンズOL、カラーフィルタCFおよびフォトダイオードPDを有していることがわかる。以下では、イメージセンサISを構成するそれぞれの構成要素の機能について順次説明する。
<マイクロレンズの構成および機能>
まず、マイクロレンズOLについて説明する。図2はイメージセンサISにマイクロレンズOLを設けない場合の構成を概略的に示す図である。図2に示すように、イメージセンサISにマイクロレンズOLを設けない場合、イメージセンサISに入射した光は、イメージセンサISの受光面に配置されているフォトダイオードPDだけでなく、フォトダイオードPDの周辺領域にも照射される。すなわち、イメージセンサISの受光面には、複数のフォトダイオードPDがアレイ上に配置されているが、個々のフォトダイオードPDは、一定の隙間を介して配置されている。したがって、イメージセンサISに入射した光はすべてフォトダイオードPDに入射されるのではなく、フォトダイオードPD間の隙間にも照射されることになる。
フォトダイオードPDに入射した光は、電気信号に変換することができるが、複数のフォトダイオードPD間の隙間に入射した光は、フォトダイオードPDに照射されるものではないから、電気信号に変換することができない。つまり、複数のフォトダイオードPD間の隙間に入射した光は無駄になることになる。したがって、イメージセンサISに入射した光をなるべく多く電気信号に変換できるように構成することが望ましいが、イメージセンサISにマイクロレンズOLを設けない場合は、イメージセンサISで電気信号に変換されずに無駄になる光が多くなることがわかる。
これを解決する方法として、フォトダイオードPDを隙間無く配置することが考えられるが、個々のフォトダイオードPDで変換された電荷を転送するための走査回路などを設ける必要があるため、複数のフォトダイオードPDの間には必ず隙間が存在するのである。例えば、イメージセンサISを1つの大きなフォトダイオードPDで形成する場合には、受光面での隙間を無くすことができるが、この場合は画像の分解能が得られないことになる。このため、画像の分解能を向上させるためには、互いに独立した複数の小さなフォトダイオードPDをできるだけ多く受光面に配置することが必要となる。この場合、各フォトダイオードPDからの電荷を独立して電気信号に変換することが必要となり、個々のフォトダイオードPDが電気的に独立するように一定間隔の隙間(絶縁領域)を設ける必要がある。したがって、個々のフォトダイオードPD間には一定の隙間が生じるため、フォトダイオードPD間の隙間を完全に無くすことは困難である。
そこで、イメージセンサISに入射した光を効率よく電気信号に変換するため、イメージセンサISにマイクロレンズOLを設けることが行なわれている。図3は、フォトダイオードPDの前面にマイクロレンズOLを配置する例を示す模式図である。図3に示すように、複数のフォトダイオードPDのそれぞれに対応してマイクロレンズOLが配置されている。すなわち、マイクロレンズOLは、フォトダイオードPDの数と同じ数だけ配置されていることになる。図3に示すように、イメージセンサISに入射した光は、マイクロレンズOLに入射する。マイクロレンズOLに入射した光は、収束してフォトダイオードPD上に照射される。このようにマイクロレンズOLは、イメージセンサISに入射した光を収束させてフォトダイオードPD上に照射する機能を有している。つまり、マイクロレンズOLが設けられていない場合には、フォトダイオードPDに入射せずにフォトダイオードPD間の隙間に照射される光も、マイクロレンズOLを設けることにより、屈折してフォトダイオードPDに入射するようになるのである。すなわち、マイクロレンズOLは、入射光を収束させてフォトダイオードPD上に照射されるようにする機能を有しているのである。したがって、イメージセンサISにマイクロレンズOLを設けることにより、フォトダイオードPD間の隙間に照射される光をフォトダイオードPD上に集光することができることから、イメージセンサISに入射する光を効率よく電気信号に変換することができる。
<カラーフィルタの構成および機能>
続いて、カラーフィルタCFについて説明する。そもそも、光を電気信号に変換するフォトダイオードPDは、色を識別する機能は持ち合わせておらず、光の明暗を区別できるだけである。したがって、フォトダイオードPDだけでは、イメージセンサで写した画像がすべてモノクロとなってしまう。そこで、イメージセンサでカラー画像を生成できるようにイメージセンサISには、カラーフィルタCFが設けられているのである。人間の目も「赤」、「緑」、「青」の3原色しか感じることはできないが、これらの3原色の光量を調整することにより、あらゆる色を感じている。このことを「光の3原色による加色混合」という。例えば、「赤」と「緑」を同じ光量とすれば、「黄」となる。つまり、「赤」と「緑」を同じ光量とし、かつ、「青」の光量がない状態では、「青」の補色である黄色になる。そして、「赤」、「緑」、「青」を同じ光量とすると白色になる。一方、「赤」、「緑」、「青」のすべての光量がない場合には、黒色となる。この原理を利用したものが図4に示すカラーフィルタCFである。図4には、カラーフィルタCFの1つである原色フィルタが示されている。原色フィルタは、RGB(Red、Green、Blue)の3原色を用いたフィルタである。この原色フィルタをフォトダイオードPDの前に置くことにより、それぞれの色に対応したフォトダイオードPDとすることができる。例えば、赤色フィルタを前面に置かれたフォトダイオードPDは赤色用の光量を検知するものとなり、緑色フィルタを前面に置かれたフォトダイオードPDは緑色用の光量を検知するものとなる。さらに、青色フィルタを前面に置かれたフォトダイオードPDは青色用の光量を検知するものとなる。そして、赤色用のフォトダイオードPDの光量、緑色用のフォトダイオードPDの光量および青色用のフォトダイオードPDの光量に応じて、様々な色を実現することができるのである。
なお、カラーフィルタCFを構成する赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタとは、単純に配置されているのではなく、例えば、図4に示すベイヤー(Bayer)配列に代表される基本パターンを単位として配列されている。すなわち、カラーフィルタCFは、赤色フィルタと、緑色フィルタと、青色フィルタとを組み合わせた基本パターンの繰り返しにより構成されている。
このRGBの3原色を使用した原色フィルタは、画像における色の再現性は良好であるが、イメージセンサISの感度があまり良くなく暗い場所での撮影に弱いという副作用がある。このため、原色フィルタは感度のいい大型のイメージセンサISに使用されることが多くなっている。
一方、カラーフィルタCFには、RGBの3原色を使用した原色フィルタの他に、補色フィルタと呼ばれるものもある。補色フィルタでは、例えば、図5に示すように、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)にグリーン(G)を加えた4種類の色で構成されている。ただし、補色フィルタを使用したイメージセンサでは、実際に人間が撮像した画像を見ることを考慮してCMYGからRGBに変換する必要があるが、この変換の際、ノイズが生じるという問題がある。しかし、補色フィルタは、原色フィルタに比べて感度がいいという利点があるので、サイズ(寸法)が小さい(言い換えれば、感度が低いといえる)イメージセンサISに使用されることが多くなっている。
<フォトダイオード>
次に、フォトダイオードPDの構成について説明する。フォトダイオードPDは、光を照射されると電荷を発生する光電変換部としての機能を有する。このような機能を有するフォトダイオードPDは、例えば、pn接合によるダイオードから構成することができる。図6は、pn接合によるダイオードのバンド構造を示す図である。図6に示すように、左側領域がp型半導体領域であり、右側領域がn型半導体領域である。そして、p型半導体領域とn型半導体領域の境界が中央領域であり、空乏層となっている。このように構成されているpn接合によるダイオードでは、例えば、空乏層にバンドギャップ以上のエネルギーを有する光(hν)が入射されると、この光が空乏層で吸収される。具体的には、光がバンドの価電子帯に存在する電子に吸収されることにより、この電子がバンドギャップ以上のエネルギーを獲得する。そして、バンドギャップ以上のエネルギーを獲得した電子は、バンドギャップを乗り越えてバンドの伝導帯に移動する。この結果、伝導帯に移動した電子eと、電子が伝導帯に移動したことにより価電子帯に生成される正孔hとによる正孔電子対が発生する。そして、生成された電子eおよび正孔hは、フォトダイオードPDに印加されている逆方向電圧VGにより加速される。つまり、通常、フォトダイオードPDでは、pn接合によるダイオードに逆方向電圧VGを印加して使用する。逆方向電圧VGとは、pn接合による障壁が高くなる方向に印加される電圧である。具体的には、n型半導体領域に正電圧を印加し、p型半導体領域に負電圧を印加することになる。このように構成することにより、例えば、空乏層で発生した電子eと正孔hは、逆方向電圧VGによる高電界で加速される。この結果、電子eと正孔hが再結合する割合を少なくすることができ、充分な電流を確保することができる。以上にようにして、フォトダイオードPDが構成されている。
<受光部のデバイス構造>
続いて、イメージセンサの受光部のデバイス構造について説明する。図7は、受光部のデバイス構造の一例を示す断面図である。図7において、例えば、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物(ドナー)を導入した半導体基板1Sが配置されており、この半導体基板1Sの表面(主面、素子形成面)に素子分離領域STIが形成されている。この素子分離領域STIにより活性領域(アクティブ領域)が区画され、区画された活性領域に受光部が形成されている。具体的に、半導体基板1Sには、ボロン(ホウ素)などのp型不純物(アクセプタ)を導入したp型ウェルPWLが形成されており、このp型ウェルPWLに内包されるように、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物を導入したn型ウェルNWLが形成されている。このp型ウェルPWL(p型半導体領域)とn型ウェルNWL(n型半導体領域)によって、フォトダイオード(pn接合ダイオード)が構成される。そして、さらに、n型ウェルNWLの表面の一部にp型半導体領域PRが形成されている。このp型半導体領域PRは、半導体基板1Sの表面に多数形成されている界面準位に基づく電子の発生を抑制する目的で形成されている領域である。すなわち、半導体基板1Sの表面領域では、界面準位の影響により、光が照射されていない状態でも電子が発生し、暗電流の増加を引き起こすことになる。このため、電子を多数キャリアとするn型ウェルNWLの表面に、正孔を多数キャリアとするp型半導体領域PRを形成することにより、光が照射されていない状態での電子の発生を抑制し、暗電流の増加を抑制している。
続いて、n型ウェルNWLの一部と平面的に重なるように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜が形成されており、このゲート絶縁膜上にゲート電極が形成されている。そして、このゲート電極の両側の側壁にサイドウォールスペーサが形成されている。例えば、ゲート絶縁膜は、酸化シリコン膜から形成されるが、これに限らず、酸化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。例えば、ゲート絶縁膜は、酸化ハフニウムに酸化ランタンを導入したハフニウム系絶縁膜から構成してもよい。また、ゲート電極は、例えば、ポリシリコン膜から形成することができ、サイドウォールは、例えば、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、あるいは、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜の積層膜から形成することができる。
次に、ゲート電極に整合した半導体基板1S内には、ドレイン領域となるn型半導体領域NRが形成されている。このn型半導体領域NRは、例えば、リン(P)や砒素(As)などのn型不純物を導入した半導体領域から構成されている。
以上のようにして、半導体基板1S上にフォトダイオードと転送トランジスタQが形成されている。具体的に、フォトダイオードは、p型ウェルPWLとn型ウェルNWLによって形成されており、また、転送トランジスタQは、上述したn型ウェルNWLをソース領域とし、このn型ウェルNWLと所定距離だけ離間した半導体基板1Sに形成されたn型半導体領域NRをドレイン領域としている。そして、ソース領域とドレイン領域で挟まれた領域がチャネル形成領域となり、このチャネル形成領域上にゲート絶縁膜を介してゲート電極が形成されている。これにより、ソース領域、ドレイン領域、チャネル形成領域、ゲート絶縁膜およびゲート電極を備える転送トランジスタQが形成されている。そして、半導体基板1Sの活性領域に形成されているフォトダイオードと転送トランジスタQは、n型ウェルNWLを共有しており、電気的に接続されていることがわかる。
なお、転送トランジスタQのドレイン領域(n型半導体領域NR)の表面にシリサイド膜を形成することもできる。これにより、例えば、ドレイン領域とプラグPLGとの接続抵抗を低減することができる。なお、シリサイド膜は、例えば、ニッケルプラチナシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などから形成することができる。
続いて、半導体基板1Sに形成されているフォトダイオードと転送トランジスタQの上層に形成される配線構造について、図7を参照しながら説明する。図7において、フォトダイオードの表面(n型ウェルNWLおよびp型半導体領域PRの表面)には、キャップ絶縁膜CAPが形成されている。このキャップ絶縁膜CAPは、半導体基板1Sの表面特性(界面特性)を良好に保つ機能を有しており、例えば、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜から形成されている。このキャップ絶縁膜CAP上には、反射防止膜ARFが形成されており、この反射防止膜ARFは、例えば、酸窒化シリコン膜から形成されている。
次に、ゲート電極および反射防止膜ARF上を含む半導体基板1Sを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されており、この層間絶縁膜IL1を貫通してn型半導体領域NR(ドレイン領域)に達するプラグPLGが形成されている。層間絶縁膜IL1は、例えば、TEOS(tetra ethyl ortho silicate)を原料とした酸化シリコン膜から形成され、プラグPLGは、層間絶縁膜IL1に形成されたコンタクトホールに、例えば、チタン膜とチタン膜上に形成された窒化チタン膜(チタン膜/窒化チタン膜)からなるバリア導体膜と、バリア導体膜上に形成されたタングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。
そして、プラグPLGを形成した層間絶縁膜IL1上には、例えば、層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2に配線L1が形成されている。例えば、層間絶縁膜IL2は、例えば、酸化シリコン膜から形成されるが、これに限定されるものではなく、酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜から形成することもできる。低誘電率膜としては、例えば、SiOC膜を挙げることができる。また、配線L1は、例えば、銅配線から形成されており、ダマシン法を使用することにより形成することができる。なお、配線L1は、銅配線に限定されるものではなく、アルミニウム配線から形成することもできる。続いて、配線L1を形成した層間絶縁膜IL2上には、例えば、酸化シリコン膜や低誘電率膜からなる層間絶縁膜IL3が形成されており、この層間絶縁膜IL3に配線L2が形成されている。さらに、配線L2を形成した層間絶縁膜IL3上には、層間絶縁膜IL4が形成されており、この層間絶縁膜IL4に遮光帯SZが形成されている。
ここで、配線L1〜配線L2および遮光帯SZは、フォトダイオードと平面的に重ならないように形成されており、フォトダイオードと平面的に重なる領域には、光透過部LPRが形成されている。これは、フォトダイオードに入射する光が配線L1〜配線L2および遮光帯SZによって遮られないようにするためである。そして、光透過部LPR上には、カラーフィルタCFを介してマイクロレンズOLが搭載されている。なお、遮光帯SZは、互いに隣接するフォトダイオードに入射される光を分離するために設けられている。つまり、遮光帯SZは、隣接する受光部間での漏れ光の入射を抑制する機能を有している。
受光部は上記にように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。図7において、光が受光部に照射されると、まず、入射光は、マイクロレンズOLおよびカラーフィルタCFを通過する。その後、遮光帯SZで区画された光透過部LPRを通り、さらに、可視光に対して透明な層間絶縁膜IL4〜IL1を通過した後、反射防止膜ARFに入射する。反射防止膜ARFでは、入射光の反射が抑制されて充分な光量の入射光がフォトダイオードに入射する。フォトダイオードでは、入射光のエネルギーがシリコンのバンドギャップよりも大きいため、光電変換により入射光が吸収されて正孔電子対が生成される。このとき生成された電子は、n型ウェルNWLに蓄積される。そして、適切なタイミングで、転送トランジスタQをオンする。具体的には、転送トランジスタQのゲート電極にしきい値電圧以上の電圧を印加する。すると、ゲート絶縁膜直下のチャネル形成領域にチャネル領域(n型半導体領域)が形成され、転送トランジスタQのソース領域(n型ウェルNWL)とドレイン領域(n型半導体領域NR)が電気的に導通することになる。この結果、n型ウェルNWLに蓄積された電子は、チャネル領域を通ってドレイン領域に達し、ドレイン領域から配線層を伝わって外部回路に取り出される。このようにして、受光部が動作する。
<画素の回路構成>
次に、イメージセンサを構成する複数の画素のそれぞれの回路構成について説明する。図8は、画素の回路構成を示す回路図である。図8において、画素には、フォトダイオードPDと、転送トランジスタQと、リセットトランジスタRTrと、増幅トランジスタATrと、選択トランジスタSTrとが含まれている。フォトダイオードPDは、画素に入射する入射光を電荷に変換する光電変換部として機能し、転送トランジスタQは、フォトダイオードPDで変換された電荷を転送する機能を有している。また、リセットトランジスタRTrは、電荷をリセットするためのトランジスタとして機能し、増幅トランジスタATrは、転送トランジスタQによって転送された電荷に基づく電圧信号を増幅する機能を有している。さらに、選択トランジスタSTrは、増幅トランジスタATrで増幅された電圧信号を出力信号線OSLに出力する機能を有している。
図8において、フォトダイオードPDのアノードは、基準電位(GND)と接続されており、フォトダイオードPDのカソードは、転送トランジスタQのソースと電気的に接続されている。そして、転送トランジスタQのドレインは、リセットトランジスタRTrのソースと電気的に接続され、リセットトランジスタRTrのドレインは、電源電位(VDD)と電気的に接続されている。また、転送トランジスタQのドレインは、増幅トランジスタATrのゲート電極と電気的に接続されており、増幅トランジスタATrのドレインは、リセットトランジスタRTrのドレインとともに電源電位(VDD)と電気的に接続されている。すなわち、増幅トランジスタは、ソースフォロアとなるように配置されている。一方、増幅トランジスタATrのソースは、選択トランジスタSTrと電気的に接続され、選択トランジスタSTrは、出力信号線OSLと電気的に接続されている。ここで、増幅トランジスタに入力される入力電圧に対して、増幅トランジスタかた出力される出力電圧がほぼ1倍である場合も、本明細書でいる「増幅」に含まれるものとする。
イメージセンサの画素を構成する回路は、上記のように構成されており、以下に、その動作について簡単に説明する。まず、フォトダイオードPDによって、入射光から電荷が生成され、この電荷がフォトダイオードPDに蓄積される。そして、転送トランジスタQをオンすると、フォトダイオードPDに蓄積されている電荷が転送トランジスタQを介して、増幅トランジスタATrのゲート電極に転送される。その後、増幅トランジスタATrで電荷に基づく電圧信号が増幅される。そして、選択トランジスタSTrをオンすると、増幅トランジスタATrで増幅された電圧信号が出力信号線OSLに出力される。このようにして、入射光に対応した電圧信号を画素から取り出すことができる。なお、リセットトランジスタRTrをオンすることにより、フォトダイオードPDに蓄積された電荷は、出力信号線OSLではなく、電源電位側に取り出されてリセット動作が行なわれる。
<画素のレイアウト構成>
続いて、画素のレイアウト構成について説明する。図9は、本実施の形態1における画素の模式的なレイアウト構成を示す平面図である。図9においては、半導体基板の画素アレイ領域(撮像領域)に形成されている複数の画素のうちの1つの画素が示されている。図9に示すように、画素には、入射光を電荷に変換する光電変換部として機能するフォトダイオードPDと、フォトダイオードPDで発生した電荷を転送する転送トランジスタQが一体的に配置されている。さらに、画素には、フォトダイオードPDおよび転送トランジスタQと離間するようにして、リセット動作のためのリセットトランジスタRTrと、電荷に基づく電圧信号(電気信号)を増幅する増幅トランジスタATrと、画素を選択する選択トランジスタSTrとが一体的に配置されている。そして、図9において、フォトダイオードPD、転送トランジスタQ、リセットトランジスタRTr、増幅トランジスタATr、および、選択トランジスタSTrは、図8に示す回路を構成するようにレイアウト配置されている。
なお、増幅トランジスタATrに着目すると、図9において、ゲート電極GE1は、増幅トランジスタATrの構成要素であり、このゲート電極GE1のうち、平面視において、増幅トランジスタATrのチャネル領域と重なる領域が領域ARとして示されている。
<増幅トランジスタのデバイス構造>
以下では、増幅トランジスタATrに着目して、この増幅トランジスタATrのデバイス構造について説明する。図10は、図9のA−A線で切断した断面図である。図10において、半導体基板1Sの主面側(表面側)には、複数の素子分離領域STIが形成されており、これらの素子分離領域STIで区画されたアクティブ領域にp型半導体領域であるp型ウェルPWLが形成されている。p型ウェルPWLには、互いに離間するように、n型半導体領域であるソース領域SR1と、n型半導体領域であるドレイン領域DR1とが形成されている。そして、互いに離間して形成されたソース領域SR1とドレイン領域DR1とに挟まれるように、p型半導体領域であるチャネル領域CHが形成されている。
チャネル領域CH上には、例えば、酸化シリコン膜や、酸化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜からなるゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極GE1が形成されている。このゲート電極GE1は、例えば、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜SL1から構成されている。シリサイド膜SL1は、例えば、ニッケルプラチナシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などから形成することができる。
ゲート電極GE1の両側の側壁には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWが形成されている。そして、ソース領域SR1は、ゲート電極GE1に整合して形成された低濃度不純物拡散領域EX1と、サイドウォールスペーサSWに整合して形成された高濃度不純物拡散領域NR1と、高濃度不純物拡散領域NR1の表面に形成されたシリサイド膜SL1から構成されている。同様に、ドレイン領域DR1は、ゲート電極GE1に整合して形成された低濃度不純物拡散領域EX1と、サイドウォールスペーサSWに整合して形成された高濃度不純物拡散領域NR1と、高濃度不純物拡散領域NR1の表面に形成されたシリサイド膜SL1から構成されている。
本実施の形態1における増幅トランジスタATrは、上記のように構成されており、この増幅トランジスタATrを覆うように、例えば、窒化シリコン膜からなる絶縁膜IF1が形成され、この絶縁膜IF1上に、例えば、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2が形成されている。これらの絶縁膜IF1と絶縁膜IF2とにより、層間絶縁膜IL1が形成される。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ソース領域SR1、あるいは、ドレイン領域DR1に達するコンタクトホールCNTが形成され、このコンタクトホールCNTを埋め込むようにプラグPLGが形成されている。プラグPLGは、例えば、コンタクトホールCNTの内壁に形成されたチタン/窒化チタン膜と、コンタクトホールCNTを埋め込むタングステン膜とから構成することができる。
プラグPLGを形成した層間絶縁膜IL1上には、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2に配線L1が形成されている。この配線L1は、プラグPLGと電気的に接続されるように形成される。さらに、この配線L1の上方には、多層配線構造が形成されるが、その説明は省略する。以上のようにして、半導体基板1S上に増幅トランジスタATrが形成され、この増幅トランジスタATrの上方に配線L1が形成されていることになる。
<実施の形態1の特徴>
ここで、本実施の形態1の特徴は、平面視において、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素が導入され、かつ、半導体基板1S内にフッ素が導入されていない点にある。具体的に、図9においては、ゲート電極GE1に示されている領域ARにフッ素が導入されている。言い換えれば、図10において、チャネル領域CH上のゲート電極GE1にフッ素が導入されている一方、半導体基板1S内にはフッ素が導入されていない。これにより、本実施の形態1によれば、イメージセンサのベースラインノイズを低減することができるとともに、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することができる。以下に、この理由について説明する。
例えば、CMOSイメージセンサに代表されるイメージセンサでは、暗時においても画像が真黒にならない現象として把握されるベースラインノイズを低減する必要がある。このベースラインノイズは、画素に含まれる増幅トランジスタATrで発生する1/fノイズと強い相関を持つことが知られている。したがって、ベースラインノイズを低減するためには、増幅トランジスタATrで発生する1/fノイズを低減することが効果的である。
この点に関し、増幅トランジスタATrの1/fノイズを低減するためには、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らすことが有効であることが知られており、ダングリングボンドを低減する一手法として、フッ素をダングリングボンドに結合させる方法がある。具体的には、イオン注入法によって、増幅トランジスタATrを含むイメージセンサにフッ素を導入することが考えられる。
ところが、本発明者による検討の結果、イメージセンサにフッ素を導入する形態のうち、特に、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1にフッ素を導入する形態が、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らす観点から最も有効であるという知見を得た。すなわち、イメージセンサにフッ素を導入する形態には、例えば、増幅トランジスタATrのソース領域SR1やドレイン領域DR1といった半導体基板1Sの内部にフッ素を導入することも考えられる。しかし、このようなフッ素の導入形態よりも、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1にフッ素を導入する形態の方が増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを有効に減らすことができるのである。
図11は、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドにフッ素が結合する様子を模式的に示す図である。図11に示すように、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1と半導体基板1Sの内部の両方にフッ素を導入する場合を考える。この場合、図11に示すように、ゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドDBは、ゲート電極GE1に導入されたフッ素と結合しやすい傾向があると想定される。なぜなら、ゲート電極GE1に導入されたフッ素は、ゲート絶縁膜GOXに形成されているダングリングボンドDBまで移動する拡散距離が、半導体基板1Sの内部に導入されたフッ素よりも短いと考えられるからである。さらには、ゲート電極GE1に導入されたフッ素の拡散方向は、ゲート絶縁膜GOXが存在する下方向が主体的になると考えられるのに対し、半導体基板1Sの内部に導入されたフッ素の拡散方向には、左右方向や下方向が存在し、チャネル領域側に拡散する確率が低くなると考えられるからである。つまり、ゲート電極GE1に導入されたフッ素は、ゲート絶縁膜GOXに形成されているダングリングボンドDBへの拡散距離が短い点と、ゲート絶縁膜GOXが存在する方向への拡散方向が主体的になる点との相乗効果によって、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドDBと結合しやすい傾向があると考えることができる。この結果、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らす観点から、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1にフッ素を導入する形態が有用であることわかる。言い換えれば、ゲート電極GE1に導入されたフッ素は、半導体基板1Sの内部に導入されたフッ素よりも、ゲート絶縁膜GOXに形成されたダングリングボンドDBと結合しやすく、ダングリングボンドDBを減らすことに大きく寄与するということができる。したがって、増幅トランジスタATrのゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らすことにより、増幅トランジスタATrの1/fノイズを低減して、最終的に、イメージセンサのベースラインノイズを低減する観点からは、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入する必要はなく、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1にフッ素を導入することで充分に実現できるのである。さらに言えば、特に、チャネル領域と平面的に重なるダングリングボンドDBが問題となることから、イメージセンサのベースラインノイズを低減するためには、少なくとも、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入すれば充分なのである。このことから、本実施の形態1では、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないように構成している。
このような本実施の形態1における特徴構成によれば、さらなる利点も得ることができる。以下に、この点について説明する。例えば、フッ素の導入には、イオン注入法が使用されるが、フッ素を含むイオンビームに含まれている汚染物質(コンタミネーション)による悪影響が懸念される。すなわち、図11に示すように、フッ素を含むイオンビームには、例えば、タングステン(W)に代表される汚染物質が含まれており、タングステン(W)に代表される金属原子が半導体基板1S内に混入すると、イメージセンサの暗時白点数や暗電流が増加するおそれがある。これは、半導体基板1Sに入り込んだ金属原子が拡散することにより、光電変換部として機能するフォトダイオードに到達して欠陥準位が生成されることに起因すると考えられている。すなわち、欠陥準位が生成されると、フォトダイオードにおいて、この欠陥準位を介したリーク電流が増加し、このリーク電流の増加が暗時白点数や暗電流の増加に繋がると考えられる。
したがって、暗時白点数や暗電流の増加を抑制する観点からは、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入しないことが望ましいのである。この点に関し、イメージセンサのベースラインノイズを低減するためには、イメージセンサにフッ素を導入することが有用である。このことから、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとは、フッ素の導入の観点から一見トレードオフの関係があるように思える。ところが、上述したように、本実施の形態1では、イメージセンサのベースラインノイズを低減するためには、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入する必要はなく、少なくとも、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入すれば充分であるという知見を得ている。つまり、イメージセンサのベースラインノイズを低減するためには、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入するだけでよく、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入する必要はないのである。したがって、本実施の形態1における特徴構成によれば、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入しないことから、フッ素を導入する際に混入する汚染物質に起因した暗時白点数や暗電流の増加を抑制することができるのである。すなわち、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないという本実施の形態1の特徴構成によれば、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとを両立することができるという顕著な効果を得ることができるのである。この結果、本実施の形態1によれば、イメージセンサの性能向上を図ることができる。
なお、本実施の形態1においては、増幅トランジスタATrのゲート電極GE1のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入している。ただし、この場合であっても、ゲート電極GE1に導入されたフッ素は、半導体基板1Sの内部にまで拡散するとは考えにくいことから、本実施の形態1によれば、半導体基板1Sに入り込んだ金属原子が拡散することにより、光電変換部として機能するフォトダイオードにまで到達して、暗時白点数や暗電流の増加を招くことはほとんどないのである。少なくとも、本実施の形態1における特徴構成によれば、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入する構成よりは、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することができると考えられるため、本実施の形態1の特徴構成によれば、半導体基板1Sの内部にフッ素を導入する構成よりも性能向上を図ることができる。
<フッ素注入工程の挿入時期における効果の差異>
本実施の形態1におけるイメージセンサは、上記のように構成されており、以下に、その製造方法について説明するが、本発明者の検討の結果、フッ素注入工程の挿入時期によって、増幅トランジスタの1/fノイズの低減効果に差があることが判明したので、まず、この点について説明する。
図12は、イメージセンサに含まれる増幅トランジスタの製造工程の流れを説明するフローチャートである。以下に、このフローチャートに基づいて、増幅トランジスタの製造工程について簡単に説明する。
最初に、半導体基板の主面側(表面側)に素子分離領域を形成した後(S101)、半導体基板内にp型ウェルを形成する(S102)。次に、半導体基板の主面上にゲート絶縁膜を形成し(S103)、このゲート絶縁膜上に第1導体膜を形成する(S104)。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、第1導体膜を加工することにより、ゲート電極を形成する(S105)。そして、ゲート電極に整合するように、半導体基板内に低濃度不純物拡散領域を形成する(S106)。その後、ゲート電極の両側の側壁にサイドウォールスペーサを形成し(S107)、このサイドウォールスペーサに整合するように高濃度不純物拡散領域を形成する(S108)。続いて、活性化アニールを実施した後(S109)、ゲート電極の表面、および、高濃度不純物拡散領域の表面にシリサイド膜を形成する(S110)。このようにして、増幅トランジスタを製造することができる。
ここで、本実施の形態1では、増幅トランジスタのゲート電極のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する点に特徴点があるが、上述した増幅トランジスタの製造工程において、フッ素注入工程の挿入時期を変える検討を行なった。
具体的に、本発明者は、図12において、第1導体膜の形成工程(S104)とゲート電極の形成工程(S105)との間にフッ素注入工程を導入する場合(フッ素注入工程1)と、ゲート電極の形成工程(S105)と低濃度不純物拡散領域の形成工程(S106)との間にフッ素注入工程を導入する場合(フッ素注入工程2)とを検討した。さらに、図12において、本発明者は、サイドウォールスペーサの形成工程(S107)と高濃度不純物拡散領域の形成工程(S108)との間にフッ素注入工程を導入する場合(フッ素注入工程3)も検討した。このとき、フッ素の注入条件は、フッ素注入工程1〜フッ素注入工程3で同一条件であり、例えば、フッ素の注入エネルギーが10keV、ドーズ量が3×1015/cmである。
図13は、上述した検討結果を示すグラフである。図13において、縦軸は、増幅トランジスタの1/fノイズのノイズパワーを示しており、このノイズパワーは、フッ素注入なしのノイズパワーを1とした場合の相対値で示されている。一方、横軸には、フッ素注入なし、および、フッ素注入工程1〜フッ素注入工程3のそれぞれが示されている。
図13に示すように、フッ素注入工程1では、フッ素注入なしの場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーが46%減少しており、フッ素注入工程2では、フッ素注入なしの場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーが48%減少していることがわかる。さらに、フッ素注入工程3では、フッ素注入なしの場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーが69%減少していることがわかる。
したがって、フッ素注入工程の挿入時期に関わらず、増幅トランジスタのゲート電極のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する場合、増幅トランジスタのゲート電極にフッ素を注入しない場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーを低減できることがわかる。すなわち、増幅トランジスタのゲート電極にフッ素を注入する構成は、増幅トランジスタの1/fノイズを低減して、最終的に、イメージセンサのベースラインノイズを低減する観点から有用であることがわかる。
そして、図13に示すように、フッ素注入工程の挿入時期によって、増幅トランジスタの1/fノイズの低減効果に差があることもわかる。つまり、フッ素注入工程1〜フッ素注入工程3のいずれの挿入時期においても、フッ素注入なしの場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーを低減できるが、特に、フッ素注入工程3においては、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果が最も大きくなることがわかる。このため、増幅トランジスタのノイズパワーを低減する観点からは、フッ素注入工程3で示される挿入時期でフッ素の注入を実施する構成が最も望ましいことがわかる。
ただし、図13に示すように、例えば、フッ素注入工程1やフッ素注入工程2で示される挿入時期でフッ素の注入を実施する構成においても、フッ素注入なしの場合に比べて、増幅トランジスタのノイズパワーを低減できる。
このことから、増幅トランジスタのゲート電極のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入するという本実施の形態1における技術的思想は、フッ素注入工程の挿入時期に関わらず有用であるといえる。ただし、フッ素注入工程3で示される挿入時期でフッ素の注入を実施する構成は、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果が最も大きくなるため、増幅トランジスタのノイズパワーを低減する観点から最も望ましい構成であるということができる。
<増幅トランジスタの製造工程>
そこで、以下では、フッ素注入工程3で示される挿入時期でフッ素の注入を実施する構成を例に挙げて、本実施の形態1における増幅トランジスタの製造工程について、図面を参照しながら説明することにする。
まず、図14に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1Sの主面側(表面側)に素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域STIを形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。
次に、素子分離領域STIで分離された活性領域に不純物を導入してp型ウェルPWLを形成する。p型ウェルPWLは、例えば、ホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板1Sに導入することで形成される。
続いて、p型ウェルPWLの表面領域にチャネル形成用の半導体領域(図示せず)を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。
次に、図15に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。すなわち、ゲート絶縁膜GOXに窒素を導入させる構造としてもよい。酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて膜中における界面準位の発生を抑制したり、電子トラップを低減する効果が高い。したがって、ゲート絶縁膜GOXのホットキャリア耐性を向上でき、絶縁耐性を向上させることができる。また、酸窒化シリコン膜は、酸化シリコン膜に比べて不純物が貫通しにくい。このため、ゲート絶縁膜GOXに酸窒化シリコン膜を用いることにより、ゲート電極中の不純物が半導体基板1S側に拡散することに起因するしきい値電圧の変動を抑制することができる。酸窒化シリコン膜を形成するのは、例えば、半導体基板1SをNO、NOまたはNHといった窒素を含む雰囲気中で熱処理すればよい。また、半導体基板1Sの表面に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜GOXを形成した後、窒素を含む雰囲気中で半導体基板1Sを熱処理し、ゲート絶縁膜GOXに窒素を導入させることによっても同様の効果を得ることができる。
また、ゲート絶縁膜GOXは、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。例えば、窒化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜として、ハフニウム酸化物の一つである酸化ハフニウム膜(HfO膜)を使用することができる。また、酸化ハフニウム膜にアルミニウムを添加したHfAlO膜を使用してもよい。さらに、酸化ハフニウム膜に変えて、ハフニウムアルミネート膜、HfON膜(ハフニウムオキシナイトライド膜)、HfSiO膜(ハフニウムシリケート膜)、HfSiON膜(ハフニウムシリコンオキシナイトライド膜)、HfAlO膜のような他のハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。さらに、これらのハフニウム系絶縁膜に酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウムなどの酸化物を導入したハフニウム系絶縁膜を使用することもできる。ハフニウム系絶縁膜は、酸化ハフニウム膜と同様、酸化シリコン膜や酸窒化シリコン膜より誘電率が高いので、酸化ハフニウム膜を用いた場合と同様の効果が得られる。
次に、図16に示すように、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PF1を形成する。ポリシリコン膜PF1は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。その後、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、ポリシリコン膜PF1中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。
その後、図17に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して、ポリシリコン膜PF1を加工することにより、ゲート電極GE1を形成する。ここで、ゲート電極GE1を構成するポリシリコン膜PF1中にn型不純物が導入されている。このため、ゲート電極GE1の仕事関数値をシリコンの伝導帯近傍(4.15eV)の値にすることができるので、nチャネル型MISFETからなる増幅トランジスタのしきい値電圧を低減することができる。なお、図示はしていないが、例えば、この段階で、複数の画素のそれぞれにおいて、光電変換部として機能するフォトダイオードのpn接合を形成するためのイオン注入が行なわれる。
続いて、図18に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、ゲート電極GE1に整合した浅い低濃度不純物拡散領域EX1を形成する。この浅い低濃度不純物拡散領域EX1は、n型半導体領域である。
次に、図19に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォールスペーサSWをゲート電極GE1の両側の側壁に形成する。サイドウォールスペーサSWは、例えば、酸化シリコン膜の単層膜から形成されるが、これに限らず、窒化シリコン膜や酸窒化シリコン膜を使用してもよい。また、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜および酸窒化シリコン膜のいずれかを組み合わせた積層膜からなるサイドウォールスペーサSWを形成してもよい。
続いて、図20に示すように、ゲート電極GE1を形成した半導体基板1S上にレジスト膜FR1を形成した後、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、レジスト膜FR1をパターニングする。レジスト膜FR1のパターニングは、図20に示すように、ゲート電極GE1上を開口する開口部OP1を形成するように行なわれる。さらに詳細には、図9に示す領域ARを開口するように行なわれる。つまり、レジスト膜FR1のパターニングは、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分を開口するように行なわれる。
そして、図20に示すように、開口部OP1を形成したレジスト膜FR1をマスクにしたイオン注入法により、開口部OP1から露出するゲート電極GE1の内部にフッ素を注入する。このときのフッ素の注入条件は、例えば、注入エネルギーが3keV〜50keV、ドーズ量が1×1014/cm〜1×1016/cmである。これにより、本実施の形態1によれば、増幅トランジスタのゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入することができる。
一方、本実施の形態1では、図20に示すように、開口部OP1以外の領域は、レジスト膜FR1で覆われている。この結果、レジスト膜FR1で覆われている半導体基板1Sの内部には、フッ素が注入されない。特に、イオン注入法でフッ素を注入する場合、汚染物質として、例えば、タングステンが含まれているが、フッ素およびタングステンは、レジスト膜FR1で覆われている半導体基板1Sの内部には注入されない。さらに、開口部OP1からゲート電極GE1にもタングステンが注入されるおそれがあるが、ゲート電極GE1に注入されたタングステンは、半導体基板1Sの内部にまで拡散しないと考えられる。このことから、本実施の形態1によれば、フッ素およびタングステンは、半導体基板1Sの内部にまで注入されないと考えられる。この結果、本実施の形態1によれば、半導体基板1Sの内部にフッ素が導入されないことから、フッ素を導入する際に混入するタングステンに起因した暗時白点数や暗電流の増加を抑制することができる。
なお、図20に示すように、開口部OP1の幅をゲート電極GE1の幅(ゲート長方向の幅)と同じ大きさにした場合、マスクの合わせずれに起因する開口部OP1の位置ずれによって、ゲート電極GE1に注入される実効的なフッ素の注入量が変化するおそれがある。ただし、この場合であっても、複数の画素のそれぞれに含まれる増幅トランジスタの1/fノイズ特性は、もともとバラツキが大きく、開口部OP1の位置ずれに起因するフッ素の注入量の多少の変化は問題として顕在化しないと考えられる。さらに、開口部OP1の位置ずれに起因するフッ素の注入量の変化の影響を小さくするには、例えば、予想される位置ずれの分だけ、予め開口部OP1の幅をゲート電極GE1の幅よりも小さくすることにより対応することができる。
続いて、レジスト膜FR1を除去した後、図21に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、サイドウォールスペーサSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域NR1を形成する。深い高濃度不純物拡散領域NR1は、n型半導体領域である。この深い高濃度不純物拡散領域NR1と浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってソース領域SR1が形成される。同様に、深い高濃度不純物拡散領域NR1と浅い低濃度不純物拡散領域EX1によってドレイン領域DR1が形成される。このようにソース領域SR1とドレイン領域DR1とを浅い低濃度不純物拡散領域EX1と深い高濃度不純物拡散領域NR1で形成することにより、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。
このようにして、深い高濃度不純物拡散領域NR1を形成した後、半導体基板1Sに対して、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。このときの熱処理によって、ゲート電極GE1に注入されたフッ素も拡散してゲート絶縁膜GOXに到達する。このように本実施の形態1によれば、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1に導入されている導電型不純物の活性化を行なう熱処理は、ゲート電極GE1に注入されているフッ素をゲート絶縁膜GOXに拡散させる熱処理も兼ねることになる。この結果、本実施の形態1によれば、上述した熱処理によって、ゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドをゲート電極GE1に注入したフッ素と結合させることができる。つまり、本実施の形態1によれば、ゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らすことができる。これによって、本実施の形態1によれば、増幅トランジスタの1/fノイズを低減することができ、最終的に、イメージセンサのベースラインノイズを低減することができる。
以上のことから、本実施の形態1では、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないことにより、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとを両立することができる。
その後、図22に示すように、半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、ゲート電極GE1に直接接するようにコバルト膜が形成される。同様に、深い高濃度不純物拡散領域NR1にもコバルト膜が直接接する。コバルト膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、コバルト膜を形成した後、半導体基板1Sに対して熱処理を施すことにより、ゲート電極GE1を構成するポリシリコン膜PF1とコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜SL1を形成する。これにより、ゲート電極GE1は、ポリシリコン膜PF1とシリサイド膜SL1との積層構造となる。シリサイド膜SL1は、ゲート電極GE1の低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、深い高濃度不純物拡散領域NR1の表面においても、シリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜SL1が形成される。このため、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1においても低抵抗化を図ることができる。そして、未反応のコバルト膜は半導体基板1S上から除去される。
なお、本実施の形態1では、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜SL1を形成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜に代えてニッケルシリサイド膜やチタンシリサイド膜やプラチナシリサイド膜からシリサイド膜SL1を形成してもよい。
以上のようにして、本実施の形態1における増幅トランジスタATrを製造することができる。その後、図23に示すように、増幅トランジスタATrを形成した半導体基板1S上に、例えば、窒化シリコン膜からなる絶縁膜IF1を形成し、この絶縁膜IF1上に、例えば、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2を形成する。これにより、絶縁膜IF1と絶縁膜IF2とからなる層間絶縁膜IL1を形成することができる。
次に、図24に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、層間絶縁膜IL1を貫通して、ソース領域SR1あるいはドレイン領域DR1に達するコンタクトホールCNTを形成する。
続いて、図25に示すように、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む層間絶縁膜IL1上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程でコンタクトホールCNTに埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、層間絶縁膜IL1上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法で除去することにより、プラグPLGを形成する。
その後、図10に示すように、層間絶縁膜IL1およびプラグPLG上に、薄い炭窒化シリコン膜と厚い酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL2を形成する。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、層間絶縁膜IL2のパターニングを行い、炭窒化シリコン膜をエッチングストッパとして酸化シリコン膜をエッチングする。続いて、炭窒化シリコン膜をエッチングすることで、層間絶縁膜IL2に配線溝を形成する。
続いて、配線溝内に窒化タンタルまたはタンタル等のバリアメタル膜を形成し、バリアメタル膜上に銅を主成分とする導電性膜をめっき法等によって形成する。その後、配線溝外部の銅膜とバリアメタル膜をCMP法等によって除去することにより、層間絶縁膜IL2に埋め込まれた配線L1が完成する。この後、配線L1の上層に多層配線を形成するが、ここでの説明は省略する。以上のようにして、本実施の形態1におけるイメージセンサの一部を構成する半導体装置を製造することができる。
<変形例>
上述した実施の形態1では、ソース領域SR1あるいはドレイン領域DR1の一部を構成する深い高濃度不純物拡散領域NR1を形成する前に、ゲート電極GE1のうちののチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する例について説明した。ただし、本実施の形態1における技術的思想は、これに限らず、例えば、本変形例に示すように、ソース領域SR1あるいはドレイン領域DR1の一部を構成する深い高濃度不純物拡散領域NR1を形成した後に、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入してもよい。以下に、この工程について説明する。
図14〜図19に示す工程を経た後、図26に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、サイドウォールスペーサSWに整合した深い高濃度不純物拡散領域NR1を形成する。
次に、図27に示すように、ゲート電極GE1を形成した半導体基板1S上にレジスト膜FR1を形成した後、フォトリソグラフィ技術を使用することにより、レジスト膜FR1をパターニングする。レジスト膜FR1のパターニングは、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分を開口する開口部OP1を形成するように行なわれる。
そして、開口部OP1を形成したレジスト膜FR1をマスクにしたイオン注入法により、開口部OP1から露出するゲート電極GE1の内部にフッ素を注入する。このときのフッ素の注入条件は、例えば、注入エネルギーが3keV〜50keV、ドーズ量が1×1014/cm〜1×1016/cmである。これにより、本変形例によっても、増幅トランジスタのゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入することができる。一方、本変形例においても、開口部OP1以外の領域は、レジスト膜FR1で覆われている。この結果、レジスト膜FR1で覆われている半導体基板1Sの内部には、フッ素およびタングステン(汚染物質)が注入されない。
続いて、半導体基板1Sに対して、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1に導入した不純物の活性化が行なわれる。このときの熱処理によって、ゲート電極GE1に注入されたフッ素も拡散してゲート絶縁膜GOXに到達する。このように本変形例においても、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1に導入されている導電型不純物の活性化を行なう熱処理は、ゲート電極GE1に注入されているフッ素をゲート絶縁膜GOXに拡散させる熱処理も兼ねることになる。
以上のことから、本変形例でも、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないことにより、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとを両立することができる。
上述した実施の形態1および変形例では、ソース領域SR1およびドレイン領域DR1に導入した不純物の活性化を行なう熱処理の直前工程で、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入している。この場合、<フッ素注入工程の挿入時期における効果の差異>の欄で説明したように、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果が最も大きくなる。
ただし、実施の形態1における技術的思想は、これに限らず、図12に示すフッ素注入工程1やフッ素注入工程2に示される挿入時期で、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入してもよい。この場合は、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果が最も大きくならないが、この構成においても、フッ素注入工程1やフッ素注入工程2に示される挿入時期の直後に、高温の熱処理を新たに導入することにより、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果を大きくすることができる。つまり、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果は、高温の熱処理の直前工程でゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する構成を採用することが有用である。この観点から、図12に示すフッ素注入工程1やフッ素注入工程2に示される挿入時期の直後に高温の熱処理を新たに導入することにより、増幅トランジスタのノイズパワーの低減効果を大きくすることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、層間絶縁膜を形成した後、ゲート電極のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する例について説明する。
まず、フッ素注入工程を挿入せずに、図12に示すフローチャートに基づいて、半導体基板上に増幅トランジスタを形成する。その後、図28に示すように、増幅トランジスタATrを形成した半導体基板1S上に、例えば、CVD法を使用することにより、窒化シリコン膜からなる絶縁膜IF1と、絶縁膜IF1上に形成された酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2を形成する。これにより、絶縁膜IF1と絶縁膜IF2とからなる層間絶縁膜IL1を形成することができる。
ここで、図28に示すように、本実施の形態2における増幅トランジスタATrでは、ソース領域SR1とドレイン領域DR1には、例えば、コバルトシリサイド膜からなるシリサイド膜SL1が形成されているが、ゲート電極GE1には、シリサイド膜SL1が形成されていない。これは、その後の工程で、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にフッ素を注入する際、シリサイド膜SL1によってフッ素が注入しにくくなるためである。したがって、本実施の形態2では、ゲート電極GE1全体にシリサイド膜SL1を形成しないのではなく、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と平面的に重なる重複部分にだけシリサイド膜SL1を形成しないことが望ましい。なぜなら、ゲート電極GE1のその他の部分にシリサイド膜SL1を形成することにより、ゲート電極GE1の低抵抗化を図ることができるとともに、ゲート電極GE1と接続するプラグとの接続抵抗を低減することができるからである。
次に、図29に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、平面視において、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分上に形成されている絶縁膜IF2を除去して、重複部分上の絶縁膜IF1を露出するように、層間絶縁膜IL1をパターニングする。つまり、図29に示すように、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分上に、絶縁膜IF1を底面に露出する開口部OP2を形成する。
その後、パターニングした層間絶縁膜IL1をマスクとして、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入する。一方、本実施の形態2においては、開口部OP2以外の領域は、層間絶縁膜IL1で覆われている。この結果、層間絶縁膜IL1で覆われている半導体基板1Sの内部には、フッ素およびタングステン(汚染物質)が注入されない。特に、イオン注入法でフッ素を注入する場合、汚染物質として、例えば、タングステンが含まれているが、フッ素およびタングステンは、層間絶縁膜IL1で覆われている半導体基板1Sの内部には注入されない。さらに、開口部OP2からゲート電極GE1にもタングステンが注入されるおそれがあるが、ゲート電極GE1に注入されたタングステンは、半導体基板1Sの内部にまで拡散しないと考えられる。このことから、本実施の形態2によれば、フッ素およびタングステンは、半導体基板1Sの内部にまで注入されないと考えられる。この結果、本実施の形態2によれば、半導体基板1Sの内部にフッ素が導入されないことから、フッ素を導入する際に混入するタングステンに起因した暗時白点数や暗電流の増加を抑制することができる。
続いて、半導体基板1Sに対して、例えば、650℃程度の熱処理を行なう。これにより、ゲート電極GE1に注入されたフッ素が拡散してゲート絶縁膜GOXに到達する。この結果、本実施の形態2によれば、上述した熱処理によって、ゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドをゲート電極GE1に注入したフッ素と結合させることができる。つまり、本実施の形態2によれば、ゲート絶縁膜GOXに存在するダングリングボンドを減らすことができる。これによって、本実施の形態2によれば、増幅トランジスタの1/fノイズを低減することができ、最終的に、イメージセンサのベースラインノイズを低減することができる。
以上のことから、本実施の形態2においても、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないことにより、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとを両立することができる。
その後、図30に示すように、開口部OP2を形成した絶縁膜IF2上に、例えば、CVD法を使用することにより、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF3を形成する。これにより、絶縁膜IF2に形成された開口部OP2は、絶縁膜IF3によって埋め込まれる。そして、例えば、CMP法を使用することにより、絶縁膜IF3の表面を平坦化する。
これ以降の工程は、前記実施の形態1と同様である。以上のようにして、本実施の形態2におけるイメージセンサの一部を構成する半導体装置を製造することができる。
なお、フッ素を注入した後に実施する熱処理は、例えば、層間絶縁膜IL1にコンタクトホールを形成した後に行なうこともできる。この場合、コンタクトホールを形成する際に発生するエッチングダメージを熱処理によって回復できるという効果も得られる。
また、本実施の形態2では、図29に示すように、層間絶縁膜IL1によって、半導体基板1Sの内部にフッ素およびタングステン(汚染物質)が注入されることを防止している。このように、本実施の形態2では、層間絶縁膜IL1にフッ素が導入されるが、層間絶縁膜IL1にフッ素を導入することにより、以下に示す利点も得られる。すなわち、層間絶縁膜IL1の一部は、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2から構成されている。このとき、酸化シリコン膜にフッ素が導入されると、SiOF膜となり、このSiOF膜は、酸化シリコン膜よりも誘電率が低くなる。つまり、本実施の形態2では、層間絶縁膜IL1がSiOF膜という低誘電率膜から構成されることになる。この結果、本実施の形態2によれば、寄生容量を低減できるという効果も得ることができる。
<変形例1>
上述した実施の形態2では、例えば、図29に示すように、層間絶縁膜IL1の一部を構成する絶縁膜IF2をエッチングすることにより、層間絶縁膜IL1に開口部OP2を形成する例について説明した。これに対し、例えば、図31に示すように、CMP法で層間絶縁膜IL1の表面を研磨することにより、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分上の絶縁膜IF1を露出するように構成してもよい。
このように構成されている本変形例1では、ゲート電極GE1の全体上にわたって絶縁膜IF1が露出するため、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分以外の部分を、例えば、レジスト膜で覆った後、上述した重複領域にフッ素を注入することになる。このように構成されている本変形例1においても、前記実施の形態2と同様の効果を得ることができる。ただし、図29と図31を見比べるとわかるように、本変形例1では、層間絶縁膜IL1の厚さが薄くなる。このため、半導体基板1Sの内部にフッ素およびタングステン(汚染物質)をなるべく注入させない観点からは、層間絶縁膜IL1の厚さが厚い状態でフッ素の注入を行なう実施の形態2の方が望ましいといえる。
<変形例2>
上述した実施の形態2では、例えば、図29に示すように、開口部OP2の底面から絶縁膜IF1が露出するように、開口部OP2を形成する例について説明した。これに対し、例えば、図32に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、平面視において、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分上に形成されている絶縁膜IF2および絶縁膜IF1を除去して、重複部分上のゲート電極GE1を露出するように、層間絶縁膜IL1をパターニングしてもよい。つまり、図32に示すように、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分上を露出する開口部OP3を形成してもよい。この場合も、パターニングした層間絶縁膜IL1をマスクとして、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入する。一方、本変形例2においても、開口部OP3以外の領域は、層間絶縁膜IL1で覆われている。この結果、層間絶縁膜IL1で覆われている半導体基板1Sの内部には、フッ素およびタングステン(汚染物質)が注入されない。これにより、本変形例2においても、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
なお、本変形例の利点としては、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分が露出していることから、重複部分にフッ素を注入した後、例えば、コバルト膜を重複部分と直接接触するように形成し、その後、シリサイド化処理のための熱処理を加えることができる。これにより、本変形例2によれば、ゲート電極GE1のうちのチャネル領域と重なる重複部分にもシリサイド膜を形成することができる。これにより、本変形例2によれば、実施の形態2よりも、ゲート電極GE1のさらなる低抵抗化を図ることができる。特に、本変形例2によれば、このシリサイド化処理のための熱処理によって、ゲート電極GE1に注入されているフッ素をゲート絶縁膜GOXに拡散させることもできる。
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、画素の構成要素である増幅トランジスタにおいて、ゲート電極のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板内にフッ素を導入しない構成例について説明した。本実施の形態3では、さらに、周辺回路を構成するpチャネル型電界効果トランジスタにおいても、ゲート電極のうちのチャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板内にフッ素を導入しない構成例について説明する。
図33は、本実施の形態3におけるイメージセンサが形成されている半導体チップCHPの模式的な構成を示す平面図である。図33に示すように、本実施の形態3における半導体チップCHPには、複数の画素が行列状に配置された画素アレイ領域PXLRと、画素アレイ領域PXLRを囲むように配置された周辺回路領域PERが存在する。この周辺回路領域PERには、画素アレイ領域PXLRに形成されている複数の画素を制御する周辺回路が形成されており、この周辺回路には、例えば、nチャネル型電界効果トランジスタや、pチャネル型電界効果トランジスタが含まれている。
図34は、図33に示す画素アレイ領域PXLRの複数の画素のそれぞれに形成されている増幅トランジスタATrの断面構成と、図33に示す周辺回路領域PERの周辺回路に形成されているpチャネル型電界効果トランジスタQ2の断面構成を示す図である。図34において、増幅トランジスタATrの断面構成は、前記実施の形態1と同様である(図10参照)。
以下では、まず、pチャネル型電界効果トランジスタQ2の断面構成について説明する。図34において、半導体基板1Sの主面側(表面側)には、複数の素子分離領域STIが形成されており、これらの素子分離領域STIで区画されたアクティブ領域にn型半導体領域であるn型ウェルNWLが形成されている。n型ウェルNWLには、互いに離間するように、p型半導体領域であるソース領域SR2と、p型半導体領域であるドレイン領域DR2とが形成されている。そして、互いに離間して形成されたソース領域SR2とドレイン領域DR2とに挟まれるように、n型半導体領域であるチャネル領域CHが形成されている。
チャネル領域CH上には、例えば、酸化シリコン膜や、酸化シリコン膜よりも誘電率の高い高誘電率膜からなるゲート絶縁膜GOXが形成されており、このゲート絶縁膜GOX上にゲート電極GE2が形成されている。このゲート電極GE2は、例えば、ポリシリコン膜PF2とシリサイド膜SL1から構成されている。シリサイド膜SL1は、例えば、ニッケルプラチナシリサイド膜、ニッケルシリサイド膜、チタンシリサイド膜、コバルトシリサイド膜、あるいは、プラチナシリサイド膜などから形成することができる。
ゲート電極GE2の両側の側壁には、例えば、酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサSWが形成されている。そして、ソース領域SR2は、ゲート電極GE2に整合して形成された低濃度不純物拡散領域EX2と、サイドウォールスペーサSWに整合して形成された高濃度不純物拡散領域PR1と、高濃度不純物拡散領域PR1の表面に形成されたシリサイド膜SL1から構成されている。同様に、ドレイン領域DR2は、ゲート電極GE2に整合して形成された低濃度不純物拡散領域EX2と、サイドウォールスペーサSWに整合して形成された高濃度不純物拡散領域PR1と、高濃度不純物拡散領域PR1の表面に形成されたシリサイド膜SL1から構成されている。
本実施の形態3におけるpチャネル型電界効果トランジスタQ2は、上記のように構成されており、このpチャネル型電界効果トランジスタQ2を覆うように、例えば、窒化シリコン膜からなる絶縁膜IF1が形成され、この絶縁膜IF1上に、例えば、酸化シリコン膜からなる絶縁膜IF2が形成されている。これらの絶縁膜IF1と絶縁膜IF2とにより、層間絶縁膜IL1が形成される。そして、層間絶縁膜IL1には、層間絶縁膜IL1を貫通して、ソース領域SR2、あるいは、ドレイン領域DR2に達するコンタクトホールCNTが形成され、このコンタクトホールCNTを埋め込むようにプラグPLGが形成されている。プラグPLGは、例えば、コンタクトホールCNTの内壁に形成されたチタン/窒化チタン膜と、コンタクトホールCNTを埋め込むタングステン膜とから構成することができる。
プラグPLGを形成した層間絶縁膜IL1上には、例えば、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2に配線L1が形成されている。この配線L1は、プラグPLGと電気的に接続されるように形成される。さらに、この配線L1の上方には、多層配線構造が形成されるが、その説明は省略する。以上のようにして、周辺回路領域PERにおいては、半導体基板1S上にpチャネル型電界効果トランジスタQ2が形成され、このpチャネル型電界効果トランジスタQ2の上方に配線L1が形成されていることになる。
ここで、本実施の形態3では、周辺回路領域PERに形成されている周辺回路に含まれるpチャネル型電界効果トランジスタQ2に着目する。そして、このpチャネル型電界効果トランジスタQ2において、ゲート電極GE2のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないという構成を採用している点に、本実施の形態3の特徴点がある。
以下に、本実施の形態3による利点について説明する。例えば、pチャネル型電界効果トランジスタでは、NBTI(Negative Bias Temperature Instability)と呼ばれる劣化現象が生じることが知られている。この「NBTI」とは、pチャネル型電界効果トランジスタのゲート電極に対して、半導体基板の電位が負の状態で、半導体チップの温度が高くなると、pチャネル型電界効果トランジスタのしきい値電圧の絶対値が次第に大きくなっていく現象である。この結果、「NBTI」によって、pチャネル型電界効果トランジスタの速度は時間が経つにつれて遅くなるという劣化現象が生じることになる。この「NBTI」は、微細化に伴って、pチャネル型電界効果トランジスタの内部の電界強度が大きくになるにつれて顕在化してきている。この「NBTI」は、界面準位の増加とゲート絶縁膜中の正のチャージの増加が原因と考えられている。
具体的に「NBTI」のメカニズムは、以下のように考えられている。ゲート絶縁膜(SiO)と半導体基板(Si)の界面に存在するダングリングボンドは、水素により不活性化されてSi−Hとして存在するが、高温および高バイアスのストレスと正孔(ホール)の存在によって、Si−Hは電気化学反応を起こし、水素を開放する。この際、ダングリングボンドは界面準位となり、水素はゲート絶縁膜中へと拡散する。この結果、ゲート絶縁膜中を拡散する水素の一部がゲート絶縁膜中の欠陥と結びついてトラップを形成する。このような界面準位の増加やゲート絶縁膜中のトラップに起因したチャージがしきい値電圧の絶対値の上昇に結びついていると考えられている。
そして、「NBTI」を改善するには、ダングリングボンドにフッ素を結合させることが有効であることが知られている。すなわち、ダングリングボンドにフッ素を結合させるという構成は、前記実施の形態1で説明したように、増幅トランジスタATrの1/fノイズを低減する観点から有効であるだけでなく、pチャネル型電界効果トランジスタQ2の「NBTI」を改善する観点からも有効なのである。
そこで、本実施の形態3では、pチャネル型電界効果トランジスタQ2において、ゲート電極GE2のうちのチャネル領域CHと重なる重複部分にフッ素を導入し、かつ、半導体基板1S内にフッ素を導入しないという構成を採用している。このとき、半導体基板1S内にフッ素を導入しない理由は、本実施の形態3におけるpチャネル型電界効果トランジスタQ2がイメージセンサの周辺回路に形成されていることを前提としているため、半導体基板1S内にフッ素を導入すると、同時に、汚染物質であるタングステンも混入することになる。そして、このタングステンが半導体チップCHPの周辺回路領域PERから画素アレイ領域PXLRに拡散することにより、暗時白点数や暗電流の増加が懸念されるからである。さらに、前記実施の形態1と同様のメカニズムによって、ゲート電極GE2に導入されたフッ素は、半導体基板1Sの内部に導入されたフッ素よりも、ゲート絶縁膜GOXに形成されたダングリングボンドと結合しやすく、ダングリングボンドを減らすことに大きく寄与すると考えられるからである。以上のことから、本実施の形態3によれば、前記実施の形態1と同様に、イメージセンサのベースラインノイズを低減することと、暗時白点数や暗電流の増加を抑制することとを両立することができるとともに、周辺回路に含まれるpチャネル型電界効果トランジスタQ2の「NBTI」を改善することができる。この結果、本実施の形態3におけるイメージセンサによれば、信頼性向上を図ることができるとともに性能向上を図ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
前記実施の形態では、半導体基板の撮像領域に形成された複数の画素を備え、これらの複数の画素のそれぞれに増幅トランジスタが設けられているイメージセンサについて説明したが、前記実施の形態における技術的思想は、これに限らず、例えば、撮像領域に含まれる複数の画素のうちの任意数の画素で増幅トランジスタを共有する構成のイメージセンサにも適用することができる。
1S 半導体基板
AR 領域
ARF 反射防止膜
ATr 増幅トランジスタ
CAP キャップ絶縁膜
CF カラーフィルタ
CH チャネル領域
CNT コンタクトホール
DB ダングリングボンド
DR1 ドレイン領域
DR2 ドレイン領域
e 電子
EX1 低濃度不純物拡散領域
EX2 低濃度不純物拡散領域
FR1 レジスト膜
GE1 ゲート電極
GE2 ゲート電極
GOX ゲート絶縁膜
h 正孔
IF1 絶縁膜
IF2 絶縁膜
IF3 絶縁膜
IL1 層間絶縁膜
IL2 層間絶縁膜
IL3 層間絶縁膜
IL4 層間絶縁膜
IS イメージセンサ
L レンズ
LPR 光透過部
L1 配線
L2 配線
NR n型半導体領域
NR1 高濃度不純物拡散領域
NWL n型ウェル
OL マイクロレンズ
OP1 開口部
OP2 開口部
OP3 開口部
OSL 出力信号線
PD フォトダイオード
PER 周辺回路領域
PF1 ポリシリコン膜
PF2 ポリシリコン膜
PLG プラグ
PR p型半導体領域
PR1 高濃度不純物拡散領域
PWL p型ウェル
PXLR 画素アレイ領域
Q 転送トランジスタ
RC 受光面
RTr リセットトランジスタ
SL1 シリサイド膜
SR1 ソース領域
SR2 ソース領域
STI 素子分離領域
STr 選択トランジスタ
SW サイドウォールスペーサ
SZ 遮光帯
VG 逆方向電圧

Claims (16)

  1. 複数の画素が形成された撮像領域を有する半導体基板を備え、
    前記撮像領域には、
    (a)入射光を電荷に変換する光電変換部、
    (b)前記電荷に基づく電気信号を増幅する増幅トランジスタ、
    が形成され、
    前記増幅トランジスタは、
    (b1)前記半導体基板内に離間して形成されたソース領域およびドレイン領域、
    (b2)前記ソース領域と前記ドレイン領域とに挟まれたチャネル領域、
    (b3)前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜、
    (b4)前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極、
    を含み、
    平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる重複部分にフッ素が導入されている一方、前記半導体基板内には、フッ素が導入されていない、固体撮像素子。
  2. 請求項1に記載の固体撮像素子において、
    前記増幅トランジスタを覆うように層間絶縁膜が形成され、
    前記層間絶縁膜にもフッ素が導入されている、固体撮像素子。
  3. 請求項2に記載の固体撮像素子において、
    前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる前記重複部分には、シリサイド層が形成されていない、固体撮像素子。
  4. 請求項1に記載の固体撮像素子において、
    さらに、前記半導体基板の周辺回路領域に形成されたpチャネル型トランジスタを含み、
    前記pチャネル型トランジスタのゲート電極にも、フッ素が導入されている、固体撮像素子。
  5. 請求項1に記載の固体撮像素子において、
    前記固体撮像素子は、CMOSイメージセンサである、固体撮像素子。
  6. 複数の画素が形成された撮像領域を有する半導体基板を備え、
    前記撮像領域には、
    入射光を電荷に変換する光電変換部、
    前記電荷に基づく電気信号を増幅する増幅トランジスタ、
    が形成され、
    前記増幅トランジスタは、
    前記半導体基板内に離間して形成されたソース領域およびドレイン領域、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域とに挟まれたチャネル領域、
    前記チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜、
    前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極、
    を含む、固体撮像素子の製造方法であって、
    (a)前記半導体基板上に前記ゲート絶縁膜を形成する工程、
    (b)前記ゲート絶縁膜上に第1導体膜を形成する工程、
    (c)前記第1導体膜をパターニングして、前記ゲート電極を形成する工程、
    (d)前記(c)工程後、前記半導体基板内に前記ソース領域および前記ドレイン領域を形成する工程、
    (e)前記(b)工程後、平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる重複部分にフッ素を導入する工程、
    (f)前記(e)工程後、前記半導体基板を加熱する工程、
    を備える、固体撮像素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(e)工程は、
    (e1)平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる領域を開口し、かつ、それ以外の領域を覆うレジスト膜を形成する工程、
    (e2)前記レジスト膜をマスクとして、平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる前記重複部分にフッ素を導入する工程、
    を有する、固体撮像素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(e2)工程は、イオン注入法によって実施される、固体撮像素子の製造方法。
  9. 請求項8に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(e2)工程は、1×1014/cm以上のドーズ量でフッ素を導入する、固体撮像素子の製造方法。
  10. 請求項6に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(f)工程は、650℃以上の加熱温度で、前記半導体基板を加熱する、固体撮像素子の製造方法。
  11. 請求項6に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(e)工程は、前記(d)工程前に実施される、固体撮像素子の製造方法。
  12. 請求項6に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(e)工程は、前記(d)工程後に実施される、固体撮像素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(d)工程後、前記(e)工程前に、
    (g)前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜であって、第1絶縁膜と前記第1絶縁膜上に形成された第2絶縁膜からなる前記層間絶縁膜を前記半導体基板上に形成する工程、
    (h)平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる前記重複部分上に形成されている前記第2絶縁膜を除去することにより、前記重複部分上の前記第1絶縁膜を露出するように、前記層間絶縁膜をパターニングする工程、
    を有し、
    前記(e)工程は、前記(h)工程後、パターニングした前記層間絶縁膜をマスクとして、前記重複部分にフッ素を導入する、固体撮像素子の製造方法。
  14. 請求項13に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    (i)前記(e)工程後、前記層間絶縁膜を貫通して、前記ソース領域あるいは前記ドレイン領域に達するコンタクトホールを形成する工程を有する、固体撮像素子の製造方法。
  15. 請求項14に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(f)工程は、前記(i)工程後に実施する、固体撮像素子の製造方法。
  16. 請求項12に記載の固体撮像素子の製造方法において、
    前記(d)工程後、前記(e)工程前に、
    (j)前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜を前記半導体基板上に形成する工程、
    (k)平面視において、前記ゲート電極のうちの前記チャネル領域と重なる前記重複部分上に形成されている前記層間絶縁膜を除去することにより、前記重複部分を露出するように、前記層間絶縁膜をパターニングする工程、
    を有し、
    前記(e)工程は、前記(k)工程後、パターニングした前記層間絶縁膜をマスクとして、前記重複部分にフッ素を導入する、固体撮像素子の製造方法。
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