JP2015089465A - アンモニア消臭マスク - Google Patents

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直規 小田
知佳 木村
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Osamu Okazaki
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Abstract

【課題】安全性が高く、特に妊婦の悪阻に影響が大きいと考えられるアンモニアに対して、消臭効果に優れたマスクを提供する。
【解決手段】口や鼻を覆うマスク本体部と耳に掛ける紐とからなり、マスク本体部にポリエステル系繊維構造物にヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体が固着されてなる消臭性繊維構造物を用いる。安全性が高く、アンモニアに対して優れた消臭性を発揮し、妊婦の悪阻を軽減することが可能となるアンモニア消臭マスクである。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニアの消臭性に優れ、着用時にアンモニア臭を防ぎ、かつ安全性の高いアンモニア消臭マスクに関するものである。
近年、衛生面および健康面から消臭への関心が高まり、衣食住の分野で消臭機能を有する繊維製品が多数実用化されている。一般的には、夏場の発汗時や運動で生じる汗臭や介護や医療分野での悪臭に対する消臭へのニーズが高いものの、過去からの課題として、悪阻をかかえる妊婦向けに、食事、炊飯およびトイレの臭い等、悪阻を誘発する臭いの消臭ニーズが高く、特に、悪阻を誘発する臭いの一つとして、現在アンモニア臭が注目されており、妊婦向けにアンモニアの消臭性に優れたマスクの開発が望まれていた。
消臭性を付与したマスクとしては、フィルター機能を有する布に酸化チタンを塗布したフィルター部材に所定位置よりLED照明部材から特定波長を発光することにより、有害細菌や有毒ガスを人体に取り込むことを予防することができる、光触媒を用いる防菌消臭マスクが提案されている(特許文献1参照。)。
また、撥水機能を有する不織布からなる撥水層と、消臭機能を有するセラミック含有不織布からなる吸収分解層と、吸着機能を有する捕集層と、保湿機能を有する保湿保護層を有する、セラミック含有不織布を用いるマスクが提案されている(特許文献2参照。)。
さらに、通気性を有するシート基材に活性炭を担持させた活性炭シートと、通気性を有するシート基材に保湿液を含浸させた含浸シートとを重ねた、活性炭シートを用いるマスク用フィルターが提案されている(特許文献3参照。)。
特許公開2010−017496号公報 特許公開2007−159796号公報 特許公開2011−125596号公報
上記の特許文献1の提案は、光触媒により臭い成分を分解するものであるが、呼吸に伴いマスクを通過する臭い成分の大多数を瞬時に分解することは困難であり、また、上記の特許文献2や特許文献3の提案は、セラミックや炭のもつ微多孔が臭いの成分を吸着するものであるが、これらの提案も、マスクを通過する臭い成分の大多数を瞬時に吸着することは困難であった。更に、マスクは、口や鼻に触れ、かつマスクを通過した空気を直接吸い込むことから、高い安全性が求められるが、今までの手法では消臭成分を固着させるために接着樹脂を使用することが必要になるため、樹脂の臭いや剥離などの問題課題があり、安全性の面でもマスクには適してない。
そこで本発明の目的は、アンモニアの消臭性に優れ、着用時にアンモニア臭を防ぎ、かつ安全性の高いアンモニア消臭マスクを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決せんとするものであり、本発明のアンモニア消臭マスクは、ポリエステル系繊維構造物に、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体が固着されてなる消臭性繊維構造物を用いてなるマスクである。
本発明のアンモニア消臭マスクの好ましい態様によれば、前記の消臭性繊維構造物に、通気性を有するシート基材を積層してなることである。
本発明のアンモニア消臭マスクの好ましい態様によれば、前記の通気性を有するシート基材が、エレクトレットメルトブロー不織布であることである。
本発明のアンモニア消臭マスクの好ましい態様によれば、前記のエレクトレットメルトブロー不織布を表裏の最外層に、前記の消臭性繊維構造物を内層に積層してなることである。
本発明のアンモニア消臭マスクの好ましい態様によれば、前記のヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体は、クエン酸またはクエン酸誘導体である。
近年、妊婦の悪阻を誘発する臭い成分として、食料品や食事に含まれるアンモニア臭の影響が大きいと考えられている。本発明によれば、アンモニア臭を捕捉することにより、快適に家事や食事を行うことが可能となるアンモニア消臭マスクが得られる。また、本発明によれば、安全性が高く、特に妊婦の悪阻に影響が大きいと考えられるアンモニアに対して優れた消臭性を発揮し、妊婦の悪阻を軽減することが可能となるアンモニア消臭マスクが得られる。
本発明において、安全性は全て製品安全性を意図するものである。すなわち、マスクは口に直接触れるため、毒性や刺激性などを防ぐための安全性が求められ、特に妊婦が使用する場合には、より高い安全性が求められる。
例えば、接着樹脂を用いた樹脂加工では、樹脂が剥がれ落ちて口の中に入る可能性もあるが、本発明によれば、ヒドロキシ酸がポリエステルに反応して生地に固着するため、余分な薬剤を用いなくて良く、高い安全性が得られる。また、ヒドロキシ酸は元々体内にも多く見られる物質でもあり、特に食品添加物やサプリメントにも使用されているクエン酸を用いることにより、更に安全性を高める効果を奏する。
本発明は、ポリエステル系繊維構造物に、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体からなる物質が固着されてなる消臭性繊維構造物を用いてなるマスクであり、安全性が高く優れたアンモニア消臭性能を有することが特徴である。
ポリエステル系繊維構造物へのヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体の固着は、ポリエステル系繊維構造物をヒドロキシ酸水溶液および/またはヒドロキシ酸塩水溶液に浸漬した後、加熱処理を行うことによってポリエステル系繊維構造物に付着したヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩が化学反応し、ヒドロキシ酸誘導体を生成させることにより、固着するものと考えられる。
ヒドロキシ酸の化学反応の形態に関して定かではないが、加熱によってヒドロキシ酸のヒドロキシ基とカルボキシル基が反応しポリマー化することによって疎水化するため親和性の高いポリエステル系繊維表面に強固に付着する、すなわち固着するか、あるいは、一部ポリエステル系繊維の末端に存在するヒドロキシ基、カルボキシル基と反応、またはエステル交換のいずれかの反応によりポリエステル系繊維と固着した形状となり、非常に高い耐久性が得られるものと考えられる。
本発明で言う固着には、上記のような疎水化したポリマーが親和性の高いポリエステル系繊維表面に固着する場合、繊維末端に存在するヒドロキシ基とカルボキシル基との反応等によりヒドロキシ酸が固着する場合に加え、ヒドロキシ酸が繊維表面に接着する場合、また、ヒドロキシ酸が繊維内部への浸透する場合も含まれる。接着としては、ヒドロキシ酸と繊維表面が物理的に密着または化学的に接合した状態を含むものである。このような固着により強固な固着が可能となり、接着剤の役目をする余分な樹脂や薬剤も使用しないため、樹脂の臭いや繊維製品からの樹脂の脱落もなく、安全性が高いため、マスク用途に適している。また、このような固着により耐久性も非常に高く、洗濯による繰り返し使用も可能となる。
本発明で用いられるヒドロキシ酸としては、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、グリセリン酸、ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、シトラマル酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸、ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸、没食子酸、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、およびシナピン酸などが挙げられるが、中でも、食用添加物やサプリメントとしても用いられる安全性の高いクエン酸、リンゴ酸および酒石酸が好ましく用いられる。さらには、一分子当たりのカルボキシル基の数が多いことから、クエン酸が特に好ましく用いられる。
ポリエステル系繊維構造物100質量部に対するヒドロキシ酸誘導体の付着量は、0.01〜100質量部が好ましいが、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。付着量が0.01質量部未満では、十分な消臭性能が得られない場合がある。また、付着量が100質量部を超えると、固着しないヒドロキシ酸が増大するためコスト面で望ましくない。
ポリエステル系繊維構造物を、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩水溶液に浸漬する方法としては、パッド処理、浴中処理およびコーティング処理など一般的な方法が挙げられる。パッド処理の場合には、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩水溶液にポリエステル系繊維構造物を浸漬し、マングルで絞り、乾燥後、好ましくは70〜200℃の温度で0.1〜30分間の乾熱処理または湿熱処理するものであるが、乾熱処理の方が付着性が良好であるため好ましい態様である。
乾熱処理温度は、より好ましくは100〜190℃である。乾熱処理または湿熱処理の後には、水洗を行うことが好ましい。
浴中処理の場合には、染料とヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩を、同浴または染色後にヒドロキシ酸水溶液にポリエステル系繊維構造物を浸漬することができる。ヒドロキシ酸および/またはヒドリキシ酸塩水溶液にポリエステル系繊維構造物を浸漬し、好ましくは100〜140℃の温度で5〜60分間加熱処理することが好ましい。
また、加熱処理後には、余分なヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩を落とし、加工中に付着する埃等の異物を除去するために水洗を行うことが好ましい。ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸塩水溶液濃度としては、最終的に得られる繊維構造物におけるヒドロキシ酸誘導体の付着量が好ましい範囲となるように適宜調整すれば良く、例えば、濃度は5g/L〜200g/L程度の範囲が好ましい。
このようにして、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体がポリエステル系繊維構造物に固着されることにより、カルボキシル基がポリエステル系繊維構造物に多数形成され、アンモニアが接触した際に中和反応されることにより、多量のアンモニア臭を素早く消臭することができる。
アンモニアの消臭性は、ガス検知管を用いた残留アンモニア濃度測定法で、消臭率70%以上が好ましく、より好ましくは75%以上である。消臭率が70%未満では、十分な消臭性能が得られない。
本発明に用いられるポリエステル系繊維構造物は、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメンチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維から成るものであればよく、構造物の形態としては、織物、編物および不織布等が挙げられる。但し、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体の固着量が不足すると、アンモニア消臭性能が低下するため、ポリエステル系繊維構造物の目付けは、40g/m以上であることが好ましく、より好ましくは50g/m以上である。また、目付けが重過ぎると、マスクとした際、着用感が損なわれるため、目付けは200g/m以下であることが好ましく、より好ましくは190g/m以下である。また、織物や編物の組織についても、組織が密になり過ぎると呼吸し難く、逆に組織が粗過ぎると、アンモニアが消臭されずにマスクを通過してしまうため、適度な粗さになるよう組織を調整する必要がある。例えば、織物では密度の粗めの二重織組織が適しており、丸編ではダブル丸編組織のスムース組織などが適している。
また、不織布については、短繊維元に作られる湿式法により製造される不織布は、密度が高く通気性が低く、呼吸し難い問題や繊維の粉塵が体内に入る可能性があるため、通気性と安全性の面から長繊維を元に製造するスパンレース法や原料チップから紡糸工程を経て製造するメルトブロー法によって得られる不織布が好ましい。
これらのポリエステル系繊維構造体厚みは、0.2mm以上2.0mm以下であることが好ましい。厚みが0.2mm未満では、生地が薄過ぎるため実質アンモニアが消臭されずにマスクを通過してしまう可能性が高く、また厚みが2.0mmを超えると、厚みが厚過ぎて着用感が劣る原因となることがある。厚みは、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下である。
本発明のアンモニア消臭マスクの構成は、口から鼻または鼻を覆うマスク本体部と、耳に掛ける紐とからなる。マスク本体部は、少なくともポリエステル系繊維構造物にヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体が固着されてなる消臭性繊維構造物が含まれていることが必要であり、例えば、その消臭性繊維構造物の表側または裏側あるいは表裏に一般的にマスクに使用されるポリプロピレンのエレクトレットメルトブロー不織布を用いて積層して用いることができる。具体的には、エレクトレットメルトブロー不織布を表裏の最外層に、前記の消臭性繊維構造物を内層に積層し、三層構造とすることができる。
マスクの厚みは、規定することは難しいが、本発明で用いられるポリエステル系繊維構造体の最低の厚みである0.2mm以上あれば良く、積層する不織布などの構造物との合計で厚みが決まるが、厚過ぎると着用感が劣ったり、呼吸がし難くなる原因となるため、実質5.0mm以下であることが好ましい。厚みは、より好ましくは0.3mm以上4.0mm以下である。
また、本発明のアンモニア消臭マスクにおいては、バクテリアや微粒子等の捕集性能に優れる、ポリプロピレン製の特殊極細繊維不織布などを積層および/または挿入することもできる。
本発明のアンモニア消臭マスクにおいては、耳に掛ける紐や紐の取り付け方については特に規定はなく、通常のマスク同様隙間が空きにくく良好なフィット感が得られるゴムひもなどを用いることができる。」
また、本発明で用いられるポリエステル系繊維構造物には、アンモニア消臭加工の他に、染色、抗菌加工および防汚加工などの後加工を併用することが可能であるが、樹脂加工を行う場合は、樹脂がカルボキシル基を防ぎ、消臭効果を阻害したり、樹脂の剥離による安全面で十分に注意が必要である。
本発明のアンモニア消臭マスクは、安全性が高く、特に妊婦の悪阻に影響が大きいと考えられるアンモニアに対して、優れた消臭性を発揮するものである。
次に、実施例により、本発明のアンモニア消臭マスクについて詳細を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中の品質評価は、次の方法で実施したものである。
(1)アンモニア消臭性:
10cm×5cmに裁断した試料を入れた500mlの容器に、初期濃度が300ppmになるようにアンモニアガスをいれて密閉し、20分間放置後、ガス検知管で残留アンモニア濃度を測定した。このとき、試料を入れずに同様の操作を行い、残留アンモニア濃度を測定したものを空試験濃度とし、下記式に従い消臭率(%)を求めた。試験布3枚について、同様の試験を行い、その平均値を計算し、小数点以下一桁を四捨五入し、算出した。
・消臭率(%)=(1−(ガス検知管測定濃度)/(空試験濃度))×100
消臭率の数値が大きいほど、消臭性が良好なことを示す。
(2)アンモニア消臭性の官能評価:
女性試験者10人に対して、10cm×15cmに裁断した試料を、鼻と口を完全に覆う形で隙間が空かないように紙テープで固定した。その後、2%アンモニア水溶液10mlを直径10cmのシャーレに入れ、直後、シャーレの中心から斜め45℃の角度で15cm離れた位置で臭いを嗅ぎ、下記の3段階で点数付けを行い、10人の合計点を算出した。
5点・・・・全く臭わない。
3点・・・・微かに臭う。
0点・・・・臭う。
本結果を元に、特に40点以上を優れている、25点以上40点未満を良好、25点未満を劣っていると判断した。
(実施例1)
ポリエステル系繊維構造物の製造方法として、84デシテックス36フィラメントのポリエチレンテレフタレート繊維糸条を、28ゲージシングル丸編機を用いてスムース組織で編成し、これを常法に従い精錬、乾燥およびプレセットを行い、次いで液流染色機を用いて130℃の温度でボイルし、得られた生地を収縮安定させ、再度170℃の温度で熱セットを行い、目付け125g/mの丸編地(ポリエステル系繊維構造物)を得た。この丸編地を、ヒドロキシ酸水溶液(クエン酸(無水)(ナカライテスク(株)製、ナカライ規格1級)50g/L)に浸漬し、絞り率91%になるようにマングルで絞り、130℃の温度で乾燥した後、170℃の温度で1分間セットし、その後、ソーピング工程によって、余分なクエン酸や付着物を取り除き、厚み0.5mmの消臭性繊維構造物を得た。
得られた消臭性繊維構造物(マスク本体)を用いてアンモニア消臭性試験を実施した結果、消臭率は84%であり、官能評価でも46点と優れた結果が得られた。
(実施例2)
実施例1で得られた厚み0.5mmの消臭性繊維構造物を内層に、その消臭性繊維構造物の表裏の最外層部に、厚み0.5mmのポリプロピレンのエレクトレットメルトブロー不織布(20g/m)を積層し、得られた合計3層からなるマスク本体(消臭性繊維構造物)を作成し、アンモニア消臭性の官能評価を実施した結果、46点と実施例1同様優れた結果が得られ、かつ肌と接触する表面のタッチ感も通常のマスクと変わりないとの評価を得た。
(実施例3)
実施例2で得られた3層のマスク本体において、裏面の不織布と消臭性繊維構造物の間に、厚み0.3mmの“トレミクロン”(登録商標)(電石不織布:東レファインケミカル社製)(20g/m)を挿入し、合計4層からなるマスク本体を作成したところ、官能評価の結果は50点であり、かつ表面のタッチ感も通常のマスクと変わりないとの評価を得た。
(実施例4)
実施例1において、ヒドロキシ酸としてクエン酸の代わりにリンゴ酸(ナカライテスク(株)製、ナカライ規格1級)100g/L)を使用したこと以外は、実施例1と同様に加工を行い、消臭性繊維構造物を得た。得られた消臭性繊維構造物(マスク本体)を用いてアンモニア消臭性試験を実施した結果、消臭率は78%であり、官能評価でも40点と優れた結果が得られた。
(比較例1)
実施例1で作成された目付け125g/mの丸編地(ポリエステル系繊維構造物)において、ヒドロキシ酸水溶液を用いた消臭加工を行わずに、アンモニア消臭性試験を実施した。その結果、消臭率は26%であり、官能評価も6点と劣った結果になった。
(比較例2)
実施例1で作成された目付け125g/mの丸編地(ポリエステル系繊維構造物)に、ヒドロキシ酸水溶液の代わりに、多孔質珪酸塩(ライオン(株)製“ライオナイト”(登録商標)SF、10g/L)とアクリル樹脂(北光ケミカル(株)製“ライトエポック”(登録商標)T−23M、30g/L)の水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様の加工を実施した。多孔質セラミックスの付着量は5g/mであり、消臭率は65%であり、官能評価は12点と劣った結果になった。

Claims (5)

  1. ポリエステル系繊維構造物に、ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体が固着されてなる消臭性繊維構造物を用いてなることを特徴とするアンモニア消臭マスク。
  2. 消臭性繊維構造物に、通気性を有するシート基材を積層してなることを特徴とする請求項1記載のアンモニア消臭マスク。
  3. 通気性を有するシート基材が、エレクトレットメルトブロー不織布であることを特徴とする請求項2記載のアンモニア消臭マスク。
  4. エレクトレットメルトブロー不織布を表裏の最外層に、消臭性繊維構造物を内層に積層してなることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のアンモニア消臭マスク。
  5. ヒドロキシ酸および/またはヒドロキシ酸誘導体が、クエン酸またはクエン酸誘導体であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のアンモニア消臭マスク。
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