JP2015086987A - 衝撃吸収部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】立壁11が横方向に環状に連続し立壁11の内側に中空部21が形成された衝撃吸収部材10であり、立壁11の頂部側には、荷重の受け部13が設けられ、立壁11には、有端薄肉の括れ25が複数設けられ、括れ25が並列に複数配置された括れ群27が横方向に複数設けられ、互いに隣接する一方の括れ群27の各括れ25と他方の括れ群27の各括れ25とが互いに異なる高さとなるように互い違いに配置されている。
【選択図】図1
Description
例えば下記特許文献1には、多角状の中空ボックス体から構成された自動車用内装部品が提案されている。この特許文献1では、頂面のコーナー部をカットすることで、変形時に側面壁が外側に撓み変形するようにしている。
衝撃吸収部材は車体の各種の位置に用いることができ、例えば車体フレームとバンパーとの間にクラッシュボックスとして用いてもよく、ボディの前方、後方、側方、上方或いはドアのアウターパネルとインナーパネルとの間に配設したり、アウターパネル又はインナーパネルと補強部材との間に配設してもよい。さらに、ガーニッシュやトリム等の室内側部材と車体パネルや補強部材等の他の部材との間に配設することも可能である。
衝撃吸収部材10は樹脂成形品からなる。図1(a)(b)に示すように、荷重入力方向Dを軸線Lに沿う縦方向に設定し、これに適した形状を有する。
この実施形態の衝撃吸収部材10は、軸線Lを中心にして環状に連続した立壁11と、立壁11の頂部側に設けられて衝撃荷重が入力される受け部13と、立壁11の底部側に設けられて車体に固定するための取付部15と、を備えている。この衝撃吸収部材10は、頂部を車体パネル17側に向けて配置され、取付部15が補強部材19に固定されている。
各部分立壁11aにおける外表面及び内表面は横断面が直線形状となっている。また各部分立壁11aは、軸線Lに対して傾斜するように配設されており、それぞれ軸線Lに対して同じ傾斜角度となっている。
この実施形態では、複数の括れ群27における複数の括れ25は、同じ形状に形成されて互いに平行に配設されている。各括れ25間のピッチはいずれも同等である。
ここでは複数の括れ25の端部が稜線23を介して互い違いに配置されており、互いに隣接する一方の括れ群27における括れ25間の略中央に他方の括れ群27の括れ25が配置されることで、半ピッチずれた状態となっている。
さらに、複数の括れ25の配置が異なる2種類の括れ群27が、周方向に交互に配置されているため、軸線Lを介して互いに対向する部分立壁11aに設けられた複数の括れ25が縦方向の同じ位置となっている。
この衝撃吸収部材10は、通常時には、図2(a)に示すように、例えば車体パネル17の内側に視認されない状態で配置され、立体形状が維持されている。
そして衝突等で車体が衝撃を受けたときには、車体パネル17側から衝撃荷重が頂部壁29に入力される。荷重の入力方向は縦方向となり、理想的には予め設定された軸線Lに沿う荷重入力方向Dとなっている。
以上のような本実施形態の衝撃吸収部材10によれば、立壁11に横方向に延びる有端薄肉の括れ25が複数並列に設けられて括れ群27が形成されているので、縦方向の荷重を受けた際、立壁11を各括れ25の位置で屈曲させることができる。そのため括れ25の配置や数を調整することで、立壁11を予め設定した屈曲位置で複数回屈曲させることができ、より大きな荷重を吸収することができる。
よって、受け部13に荷重が負荷されて環状に連続する立壁11が変形すると、互いに横方向に隣接する領域における縦方向の同じ位置で、一方が凹状に屈曲して他方が凸状に屈曲する。しかも一方を凹状に屈曲させて他方を凸状に屈曲させるので、変形時に横断面周長が増加せず、無理なく括れ25の位置で屈曲させることができる。
しかも、複数の括れ25がこのような傾斜面25a及び段差面25bにより構成されていれば、略錐台形状を有する樹脂成形品からなる立壁11を一方向きに型開きする成形型により容易に成形できる。
またこの衝撃吸収部材10によれば、補強部材19に固定するための取付部15が底部に設けられている。従って、頂部に入力された荷重を立壁11の全体を変形させて吸収することができる。しかも中空部21の底部における開口部分が拡開するような変形を防止できるため、予め設定された荷重を吸収させ易い。
第2実施形態の衝撃吸収部材10では、図4(a)(b)に示すように、括れ25及び括れ群27が環状に連続した立壁11の内表面に設けられている。また取付部15を補強部材19に固定する部位では、補強部材19に固着された弾性ピン33を取付部15の貫通孔に軸線L方向に貫通させて弾性により嵌合させることで固定している。
その他は、第1実施形態と同様である。
さらに弾性ピン33を取付部15に弾性により嵌合することで固定できるため、装着作業が容易である。しかも、このような固定方法であっても、荷重が負荷された際には、取付部15を補強部材19に押し付け底部を拡開させる方向の力が作用するため、確実に固定状態を維持できる。
第3実施形態の衝撃吸収部材10では、図5に示すように、予め設定された荷重入力方向Dを、軸線Lに対して一対の部分立壁11aの表面に沿う方向に傾斜させ、その荷重入力方向Dに対応するように、一対の部分立壁11aにおける複数の括れ25を傾斜させている。ここでは傾斜した荷重入力方向Dに対して直交する方向に複数の括れ25を設けている。その他は、第1実施形態と同様である。
しかも第3実施形態では、一対の部分立壁11aにおける複数の括れ25を傾斜した横方向に設けているので、頂部壁29に衝撃荷重が斜めに入力されても、立壁11全体を均等に変形させて荷重を吸収させ易い。
第4実施形態の衝撃吸収部材10では、図6に示すように、縦方向に立設された環状の複数の立壁が内外に多重に配置されている。ここでは外側立壁11bと内側立壁11cとが設けられ、外側立壁11bと内側立壁11cとの間に中空部21を閉塞する頂部壁29が設けられている。
内側立壁11cには頂部壁29が設けられていないが、代わりに中空部22を閉塞するように、底部壁35が外側立壁11と同じ高さで設けられている。
第5実施形態の衝撃吸収部材10では、図7に示すように、立壁11の頂部に設けた受け部13として、頂部壁29の代わりに、開口部を有する編み目状の頂部支持部37を設けており、その他は、第1実施形態と同様である。
この衝撃吸収部材10であっても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも、第5実施形態では、編み目状の頂部支持部37が設けられているので、頂部の柔軟性を向上でき、立壁11との境界部分に割れが生じ難くできる。
第6実施形態の衝撃吸収部材10では、図8に示すように、縦方向に立設された八角形の角錐台形状を有する環状の立壁が内外に多重に配置されている。
ここでは平面視における形状が異なる他は第4実施形態と同等の構成を有しており、外側立壁11bと内側立壁11cとが設けられ、外側立壁11bと内側立壁11cとの間に中空部21を閉塞する頂部壁29が設けられ、内側立壁11cには、中空部22を閉塞するように底部壁35が外側立壁11と同じ高さで設けられている。
また外側立壁11bを5角形以上の多角形としているため、外側立壁11bの変形時に稜線23に応力が集中し難く割れを防止できる。同様に、内側立壁11cを5角形以上の多角形としているため、内側立壁11cの変形時に稜線23に応力が集中し難く割れを防止できる。
第7実施形態の衝撃吸収部材10では、図9に示すように、外周輪郭が略柱状形状を有し、立壁11が略円筒形状を有している。
この衝撃吸収部材10では、立壁11が円筒形状のため、側周囲に稜線23が存在しない。そのため、括れ25が並列に複数配置された括れ群27は、稜線で仕切られることなく、横方向に所定間隔で複数設けられている。
また各括れ25は、傾斜面25aと段差面25bとにより形成されており、平面視が三日月状に形成されて、径方向の深さが中央部で深く両端側で浅く形成されている。
また立壁11が円筒形状で側周面に稜線が存在しないため、立壁11の変形時に応力が集中して稜線部分で割れが生じることを防止できる。さらにこのような複数の括れ群27を設けることで、円筒形状であっても蛇腹状に複数屈曲させて効率良く荷重を吸収することができる。
例えば各実施形態における構成要素は適宜置換することが可能である。例えば第3〜第7実施形態の外側面の複数の括れ25に代えて、或いは外側面の複数の括れ25と共に、第2実施形態のような内側面の括れ25を形成するなど、種々の置換を行うことが可能である。なお本発明では横方向に延びる括れや括れ群は横筋や横筋群と称してもよい。
上記では、複数の括れ25を屈曲させ易いなどの理由で、側面視で直線状に設けたが、例えば側面視で曲線形状となるものであっても、立壁11が屈曲可能である限り適用可能である。
上記では、各括れ群27における複数の括れ25の両端が軸線Lに沿って配列した例について説明したが、各括れ群27における複数の括れ25の両端を軸線Lに沿わせないことも可能であり、ランダムに配置したり、斜めに配列させたり、は曲線に沿って配列させることも可能である。
上記の立壁11では、各括れ25の最小厚みや最大厚みを互いに同じにしたが、例えば図10のように、各括れ25における立壁11の最小厚みや最大厚みを変化させてもよい。ここでは立壁11が一方側、例えば底部側程厚肉に形成することで、各括れ25の厚みを底部側の最大厚み及び最小厚みを厚く形成している。
さらに上記では、各括れ25の形状を互いに同形状に形成したが、それぞれが異なる形状や深さに形成されていてもよい。
さらに上記の角錐台形状や角筒形状については、横断面形状が略3角形であっても、5角形以上であってもよく、その数は限定されない。
さらに上記各実施形態における衝撃吸収部材10は、立壁11、頂部壁29、底部壁35の材質、厚み、形状、複数の括れ25の数、配置、形状、深さなどは、要求される吸収荷重、装着位置、ストロークなど種々の条件に応じて、適宜設定することができる。
L 軸線
10 衝撃吸収部材
11 立壁
11a 部分立壁
11b 外側立壁
11c 内側立壁
13 受け部
15 取付部
17 車体パネル
19 補強部材
21,22 中空部
23 稜線
25 括れ
25a 傾斜面
25b 段差面
27 括れ群
29 頂部壁
31 突起
33 弾性ピン
35 底部壁
37 頂部支持部
Claims (7)
- 立壁が横方向に環状に連続し該立壁の内側に中空部が形成された衝撃吸収部材であって、
前記立壁の頂部側には、荷重の受け部が設けられ、
前記立壁には、横方向に延びる有端薄肉の括れが複数設けられ、
前記括れを並列に複数配置した括れ群が、横方向に複数設けられ、
互いに隣接する一方の括れ群の各括れと他方の括れ群の各括れとが互いに異なる高さとなるように互い違いに配置されている、衝撃吸収部材。 - 前記受け部は、前記中空部の頂部側を閉塞する頂部壁からなる、請求項1に記載の衝撃吸収部材。
- 前記立壁は複数の部分立壁が稜線を介して連続した多角形形状を有し、前記部分立壁毎に前記括れ群を備え、前記複数の括れが前記稜線を介して互い違いに配置されている、請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材。
- 外周輪郭の形状、厚み及び傾斜が同等の前記部分立壁が、複数環状に連続している、請求項3に記載の衝撃吸収部材。
- 4個又は8個の前記部分立壁が四角形又は8角形に連結し、軸線を介して互いに対向する前記部分立壁の同じ位置に同形状の複数の前記括れが設けられている、請求項4に記載の衝撃吸収部材。
- 前記複数の括れ群における前記各括れ間のピッチがいずれも同等であり、互いに隣接する一方の前記括れ群における前記括れ間の略中央に他方の前記括れ群の前記括れが配置されている、請求項1〜5の何れかに記載の衝撃吸収部材。
- 前記立壁は略錐台形状を有する樹脂成形品であり、前記複数の括れが、縦方向の一方向きに厚みが斬減する傾斜面と、該傾斜面から厚みが急増する段差面と、を有する、請求項1〜6の何れかに記載の衝撃吸収部材。
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