JP2015086267A - インデン系共重合体、水素化インデン系共重合体、熱可塑性樹脂組成物、及びインデン系共重合体の製造方法 - Google Patents
インデン系共重合体、水素化インデン系共重合体、熱可塑性樹脂組成物、及びインデン系共重合体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
本発明は、インデン系共重合体、水素化インデン系共重合体、熱可塑性樹脂組成物、及びインデン系共重合体の製造方法に関する。
従来、熱可塑性エラストマーは、粘接着剤や樹脂の改質など様々な用途に用いられている。熱可塑性エラストマーとして、例えば、特許文献1には、特定構造の環状ジエン系熱可塑性エラストマーが記載されている。
本発明は、耐熱性に優れる新規なインデン系共重合体、水素化インデン系共重合体、熱可塑性樹脂組成物、及びインデン系共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1−1)で表される第1の構造単位と、下記式(2−1)で表される第2の構造単位と、を有するインデン系共重合体を提供する。
[式(1−1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−1)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(1−1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−1)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
本発明のインデン系共重合体は、インデン骨格及び共役ジエン骨格が主鎖中に組み込まれた特定の構造を有しているため、高いガラス転移温度を有する。そのため、本発明のインデン系共重合体は、耐熱性が要求される自動車用部品、電気・電子部品、工業部品の分野等において好適に用いることができる。
本発明のインデン系共重合体は、下記式(1−2)で表される第3の構造単位、及び、下記式(2−2)で表される第4の構造単位を更に有していてもよい。
[式(1−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−2)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(1−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−2)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
本発明のインデン系共重合体は、上記第1の構造単位を含むセグメントAと、上記第2の構造単位を含むセグメントBと、を有するブロック共重合体であってもよい。
上記セグメントAは、下記式(1−2)で表される構造単位を更に含み、上記セグメントBは、下記式(2−2)で表される構造単位を更に含んでいてもよい。
[式(1−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−2)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(1−2)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(2−2)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
本発明はまた、上記インデン系共重合体が有するオレフィン結合の少なくとも一部を水素化してなる、水素化インデン系共重合体を提供する。
本発明はまた、上記インデン系共重合体、又は、上記水素化インデン系共重合体を含む、熱可塑性樹脂組成物を提供する。
本発明はまた、下記式(3)で表される第1のモノマーと、下記式(4)で表される第2のモノマーとのリビング重合により、本発明のインデン系共重合体を得る工程を備える、インデン系共重合体の製造方法を提供する。
[式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(4)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(3)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。]
[式(4)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。]
本発明のインデン系共重合体の製造方法によれば、インデン骨格及び共役ジエン骨格が主鎖中に組み込まれた特定の構造を有する新規なインデン系共重合体を、容易に得ることができる。
上記リビング重合はリビングアニオン重合であってもよい。
本発明によれば、耐熱性に優れる新規なインデン系共重合体、水素化インデン系共重合体、熱可塑性樹脂組成物、及びインデン系共重合体の製造方法が提供される。
本発明のインデン系共重合体の好適な実施形態について、以下に説明する。
(インデン系共重合体)
本実施形態に係るインデン系共重合体は、下記式(1−1)で表される第1の構造単位(以下、場合により「構造単位1−1」と称する。)を有する。
本実施形態に係るインデン系共重合体は、下記式(1−1)で表される第1の構造単位(以下、場合により「構造単位1−1」と称する。)を有する。
式(1−1)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を示す。R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、及び、R7とR8は、それぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。
アルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基が挙げられる。
アリール基は、アレーンの芳香環を構成する炭素原子に結合する水素原子を1つ除去してなる基である。アレーンは、芳香環を有する炭化水素化合物であり、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンを例示できる。
アリール基の炭素数は、6〜15であることが好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,6−キシリル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基が挙げられる。
R1及びR2は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましい。また、構造単位1−1は、R1及びR2の少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、R1及びR2がいずれも水素原子であることがより好ましい。
R3及びR4は、水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましい。また、構造単位1−1は、R3及びR4の少なくとも一方が水素原子であることが好ましく、R3及びR4がいずれも水素原子であることがより好ましい。
R5、R6、R7及びR8は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましい。
インデン系共重合体は、下記式(1−2)で表される第3の構造単位(以下、場合により「構造単位1−2」と称する。)を更に有していてもよい。なお、式(1−2)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ式(1−1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8と同義である。
構造単位1−1及び構造単位1−2は、いずれも後述する式(3)で表される第1のモノマーから形成され得る構造単位であり、以下、場合により、構造単位1−1及び構造単位1−2を「構造単位1−A」と総称する。
構造単位1−1及び構造単位1−2を有するインデン系共重合体において、インデン系共重合体中の構造単位1−1の総モル量C1−1と、C1−1及び構造単位1−2の総モル量C1−2の和(すなわち、構造単位1−Aの総モル量)との比C1−1/(C1−1+C1−2)は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることが更に好ましい。このようなインデン系共重合体によれば、より高いガラス転移温度を有するインデン系共重合体を得ることができる。
また、比C1−1/(C1−1+C1−2)は、1.0以下であってよく、0.7以下であってもよく、0.5以下であってもよい。
上述の好適な比C1−1/(C1−1+C1−2)は、例えば、後述する式(3)で表される第1のモノマーのリビングアニオン重合により実現することができる。
インデン系共重合体は、下記式(2−1)で表される第2の構造単位(以下、場合により「構造単位2−1」と称する。)を更に有する。
式(2−1)中、R11、R12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を示す。R11とR13は、互いに結合して環を形成していてもよい。
なお、本明細書中、式中の波線は、波線が結合する二重結合における置換基の立体配置が限定されないことを示す。すなわち、式(2−1)で表される第2の構造単位は、下記式(2−1−a)で表される構造単位及び下記式(2−1−b)で表される構造単位のいずれの幾何異性体であってもよい。また、インデン系共重合体は、式(2−1−a)で表される構造単位及び式(2−1−b)で表される構造単位の一方のみを有していても、両方を有していてもよい。
式(2−1)中のアルキル基としては、上記と同様のアルキル基が例示できる。また、式(2−1)中のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
R11及びR13は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。また、R12は、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
インデン系共重合体は、下記式(2−2)で表される第4の構造単位(以下、場合により「構造単位2−2」と称する。)を更に有していてもよい。なお、式(2−2)におけるR11、R12及びR13は、それぞれ式(2−1)におけるR11、R12及びR13と同義である。
上述したとおり、式中の波線は、二重結合における置換基の立体配置が限定されないことを示し、式(2−2)で表される第4の構造単位は、下記式(2−2−a)で表される構造単位及び下記式(2−2−b)で表される構造単位のいずれの幾何異性体であってもよい。
構造単位2−1及び構造単位2−2は、いずれも後述する式(4)で表される第2のモノマーから形成され得る構造単位であり、以下、場合により、構造単位2−1及び構造単位2−2を「構造単位2−A」と総称する。
構造単位2−1及び構造単位2−2を有するインデン系共重合体において、インデン系共重合体中の構造単位2−1の総モル量C2−1と、C2−1及び構造単位2−2の総モル量C2−2の和(すなわち、構造単位2−Aの総モル量)との比C2−1/(C2−1+C2−2)は、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましく、0.2以上であることが更に好ましい。このようなインデン系共重合体によれば、熱可塑性エラストマーに要求される引張伸び、低歪み、高反発性等の特性に優れるインデン系共重合体を得ることができる。
また、比C2−1/(C2−1+C2−2)は、1.0以下であってよく、0.9以下であってもよく、0.8以下であってもよい。
上述の好適な比C2−1/(C2−1+C2−2)は、例えば、後述する式(4)で表される第2のモノマーのリビングアニオン重合により実現することができる。
インデン系共重合体において、構造単位1−1及び構造単位1−2の総モル量(すなわち、構造単位1−Aの総モル量)をC1−A、構造単位2−1及び構造単位2−2の総モル量(すなわち、構造単位2−Aの総モル量)をC2−Aとしたとき、比C1−A/(C1−A+C2−A)は、構造単位1−Aから形成されるハードセグメントが架橋点として働き、一層の耐熱性が得られる観点から、0.02以上であることが好ましく、0.06以上であることがより好ましい。また、比C1−A/(C1−A+C2−A)は、熱可塑性エラストマーに要求される引張伸び、低歪み、高反発性等の特性がより有効に得られる観点から、0.44以下であることが好ましく、0.35以下であることがより好ましい。
インデン系共重合体は、上記以外の構造単位を有していてもよい。上記以外の構造単位としては、例えば、後述する重合性モノマーのうち、式(3)で表される化合物及び式(4)で表される化合物以外の化合物に由来する構造単位が挙げられる。
なお、インデン系共重合体は、両末端に、重合開始剤に由来する基又は重合停止剤に由来する基を有していてもよい。
また、インデン系共重合体中の構造単位1−A及び構造単位2−Aの合計量は、例えば、インデン系共重合体の全量基準で80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。すなわち、インデン系共重合体中の構造単位1−A及び構造単位2−A以外の構造単位の量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
インデン系共重合体の重量平均分子量Mwは、例えば、2000以上とすることができ、2500以上としてもよい。また、インデン系共重合体の重量平均分子量Mwは、例えば、750000以下であってよく、300000以下であってもよい。
インデン系共重合体の数平均分子量Mnは、2000以上とすることができ、2500以上としてもよい。また、インデン系共重合体の数平均分子量Mnは、例えば、500000以下であってよく、200000以下であってもよい。
インデン系共重合体における重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnは、例えば、1.5以下とすることができる。また、1.3以下としてもよい。ここで比Mw/Mnは、分子量分布を表し、比Mw/Mnが小さいことは分子量分布が狭いことを示す。
本実施形態において、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、RALLS−GPC法(Right Angle Laser Light Scattering GPC)により測定された値を示す。なお、上記以外の方法で測定された重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、分子量分布(Mw/Mn)が、上記数値範囲外であっても、上記の方法で測定された値が上記数値範囲内であればよい。なお、RALLS−GPC法としては、実施例に記載の方法が好適である。
インデン系共重合体は、上記構造単位1−Aを有するセグメントAと、上記構造単位2−Aを有するセグメントBと、を有するブロック共重合体であってもよい。
本実施形態において、ブロック共重合体とは、複数のホモポリマー鎖がブロックとして結合した直鎖コポリマーをいう。ブロック共重合体の代表例は、繰り返し単位Aを有するAブロック鎖と繰り返し単位Bを有するBブロック鎖とが末端同士で結合した、−(AA・・AA)−(BB・・BB)−という構造を持つA−B型ジブロックポリマーである。3種以上のポリマー鎖が結合したブロック共重合体を用いてもよい。トリブロックポリマーの場合、A−B−A型、B−A−B型、A−B−C型のいずれでもよい。1種又は複数種のブロック鎖が中心から放射状に延びたスター型のブロック共重合体を用いてもよい。ブロック鎖が4つ以上の(A−B)n型又は(A−B−A)n型などのブロック共重合体を用いてもよい。
上記セグメントAは、少なくとも構造単位1−1を含み、構造単位1−2を更に含んでいてもよい。また、上記セグメントBは、上記構造単位2−1を含み、構造単位2−2を更に含んでいてもよい。
インデン系共重合体中のセグメントAの総質量をCA、セグメントBの総質量をCBとしたとき、比CA/(CA+CB)は、ハードセグメントであるセグメントAが架橋点として働き、一層の耐熱性が得られる観点から、0.03以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。また、比CA/(CA+CB)は、熱可塑性エラストマーに要求される引張伸び、低歪み、高反発性等の特性がより有効に得られる観点から、0.6以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。
本発明の一態様において、インデン系共重合体は、セグメントBの両端にセグメントAが結合したA−B−A型のブロック共重合体であってよい。このようなA−B−A型ブロック共重合体は、カリウムナフタレニド、1,4−ビス(1−フェニルビニル)ベンゼン又は1,3−ビス(1−フェニルビニル)ベンゼンとアルキルリチウムとから調製されるジアニオン種等の開始剤を用いて後述する式(4)で表される第2のモノマーのリビング重合を行い、両末端に活性種を有するセグメントBを得て、次いでセグメントBの両末端の活性種を開始点として、式(3)で表される第1のモノマーのリビング重合を行うことで得ることができる。
このようなA−B−A型ブロック共重合体において、セグメントBの重量平均分子量Mwは、例えば1000〜700000とすることができ、1500〜300000であってもよい。また、セグメントAの重量平均分子量は、例えば500〜2500とすることができ、1000〜200000であってもよい。
(インデン系共重合体の製造方法)
本実施形態に係るインデン系共重合体は、例えば、以下に示す製造方法により得ることができる。
本実施形態に係るインデン系共重合体は、例えば、以下に示す製造方法により得ることができる。
インデン系共重合体は、下記式(3)で表される第1のモノマーと、下記式(4)で表される第2のモノマーとを重合することにより製造することができる。なお、式(3)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ式(1−1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8と同義である。また、式(4)におけるR11、R12及びR13は、それぞれ式(2−1)におけるR11、R12及びR13と同義である。
上述したとおり、式中の波線は、二重結合における置換基の立体配置が限定されないことを示す。すなわち、式(4)で表される第2のモノマーは、いずれの幾何異性体であってもよく、幾何異性体の混合物であってもよい。
式(3)で表される第1のモノマーとしては、ベンゾフルベン、1−エチリデンインデン、1−プロピリデンインデン、1−ブチリデンインデン、1−ペンチリデンインデン、1−ヘキシリデンインデン、6,6−ジメチル−1,2−ベンゾフルベン、6,6−ジエチル−1,2−ベンゾフルベン、6,6−ジプロピル−1,2−ベンゾフルベン、1−(1−メチルプロピリデン)インデン等が挙げられる。
式(4)で表される第2のモノマーとしては、イソプレン、ブタジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ピペリレン、1,3−シクロヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,2−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
重合方法は特に限定されず、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合、リビング重合、リビングアニオン重合等が挙げられる。これらの中でも、リビング重合が好ましく、リビングアニオン重合がより好ましい。
インデン系共重合体は、例えば、式(3)で表される第1のモノマー及び式(4)で表される第2のモノマーを含む重合性モノマーのアニオン重合により、製造することができる。
アニオン重合によれば、比C1−1/(C1−1+C1−2)が上述の好適な範囲内にあるインデン系共重合体を容易に得ることができる。
上記アニオン重合は、例えば、有機溶媒中に分散又は溶解させた重合性モノマーを、アニオン重合開始剤と反応させることにより行うことができる。
アニオン重合で用いられる有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル系溶媒等が好適に用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
脂肪族炭化水素としては、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等が挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、リチウムナフタレニド、ナトリウムナフタレニド、カリウムナフタレニド、セシウムナフタレニド、フェニルマグネシウムクロライド(PhMgCl)、フェニルマグネシウムブロミド(PhMgBr)、ベンジルマグネシウムクロライド、ベンジルマグネシウムブロミド、ジフェニルメチルリチウム、ジフェニルメチルナトリウム、ジフェニルメチルカリウム、ジフェニルメチルセシウム、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、トリフェニルメチルカリウム、トリフェニルメチルセシウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、1,4−ビス(1−フェニルビニル)ベンゼン又は1,3−ビス(1−フェニルビニル)ベンゼンとアルキルリチウムとから調製されるジアニオン種等が挙げられる。
これらの中でも、sec−ブチルリチウム、リチウムナフタレン、カリウムナフタレン等のリビングアニオン重合の開始剤が好ましい。このような重合開始剤によれば、インデン系共重合体をリビングアニオン重合により製造することができる。
重合性モノマーは、式(3)で表される第1のモノマー及び式(4)で表される第2のモノマー以外の化合物を含んでいてもよい。インデン系共重合体をアニオン重合により製造する場合、重合性モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート等のメタクリレート化合物;tert−ブチルアクリレート等のアクリレート化合物;スチレン、α−メチルスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニル化合物;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のN,N−ジアルキルアクリルアミド化合物;等を含んでいてもよい。この他にも、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、ラクチド、ε−カプロラクトン等のアニオン開環重合性モノマーとの共重合も可能である。
アニオン重合においては、式(3)で表される第1のモノマーを重合させた後、式(4)で表される第2のモノマーを反応溶液中に添加すること、あるいは、式(4)で表される第2のモノマーを重合させた後、式(3)で表される第2のモノマーを反応溶液中に添加することで、ブロック共重合体を製造することもできる。また、式(3)で表される第1のモノマーと式(4)で表される第2のモノマーとを同時に反応溶液に供して、ランダム共重合体を製造することもできる。
インデン系共重合体は、式(3)で表される第1のモノマー及び式(4)で表される第2のモノマーを含む重合性モノマーのカチオン重合により、製造することもできる。
上記カチオン重合は、例えば、有機溶媒中に分散又は溶解させた重合性モノマーを、ルイス酸触媒の存在下で反応させることにより行うことができる。
カチオン重合で用いられる有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等が好適に用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ここで脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素としては、上記と同様の化合物が例示できる。
ハロゲン化炭化水素としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が挙げられる。
上記ルイス酸触媒としては、カチオン重合の触媒として用いられる公知のルイス酸を用いることができる。ルイス酸触媒としては、例えば、三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体、三フッ化ホウ素のメタノール錯体(BF3・MeOH)等のハロゲン化ホウ素化合物;四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン化合物;四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ等のハロゲン化スズ化合物;三塩化アルミニウム、アルキルジクロロアルミニウム、ジアルキルクロロアルミニウム等のハロゲン化アルミニウム化合物;五塩化アンチモン、五フッ化アンチモン等のハロゲン化アンチモン化合物;五塩化タングステン等のハロゲン化タングステン化合物;五塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン化合物;五塩化タンタル等のハロゲン化タンタル化合物;テトラアルコキシチタン等の金属アルコキシドなどが挙げられる。
これらのうち、ルイス酸触媒としては、三フッ化ホウ素のジエチルエーテル錯体、四塩化スズ、四塩化チタン、五塩化アンチモン、アルキルジクロロアルミニウム等が好適に用いられる。
重合性モノマーは、第1のモノマー及び第2のモノマー以外の化合物を含んでいてもよい。例えば、インデン系共重合体をカチオン重合により製造する場合、重合性モノマーは芳香族ビニル化合物、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、ビニルシラン類、アリルシラン類等を含んでいてもよい。具体的には、1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等を含んでいてもよい。
カチオン重合においては、式(3)で表される第1のモノマーを重合させた後、式(4)で表される第2のモノマーを反応溶液中に添加すること、あるいは、式(4)で表される第2のモノマーを重合させた後、式(3)で表される第1のモノマーを反応溶液中に添加することで、ブロック共重合体を製造することもできる。また、式(3)で表される第1のモノマーと式(4)で表される第2のモノマーとを同時に反応溶液に供して、ランダム共重合体を製造することもできる。
インデン系共重合体は、式(3)で表される第1のモノマー及び式(4)で表される第2のモノマーを含む重合性モノマーのラジカル重合により、製造することもできる。
上記ラジカル重合は、例えば、有機溶媒中に分散又は溶解させた重合性モノマーを、ラジカル重合開始剤と反応させることにより行うことができる。
ラジカル重合で用いられる有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒;シクロヘキサン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトンメチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、酢酸イソプロピル、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等が好適に用いられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、オクタノイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーブチルピバレート、tert−ブチルパーオキシピバレート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤;等が挙げられる。
重合性モノマーは、第1のモノマー及び第2のモノマー以外の化合物を含んでいてもよい。インデン系共重合体をラジカル重合により製造する場合、重合性モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、tert−ブチルメタアクリレート等のアルキルメタクリレート;スチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;等を含んでいてもよい。
ラジカル重合においては、式(3)で表される第1のモノマーを重合させた後、式(4)で表される第2のモノマーを反応溶液中に添加すること、あるいは、式(4)で表される第2のモノマーを重合させた後、式(3)で表される第1のモノマーを反応溶液中に添加することで、ブロック共重合体を製造することもできる。また、式(3)で表される第1のモノマーと式(4)で表される第2のモノマーとを同時に反応溶液に供して、ランダム共重合体を製造することもできる。
(水素化インデン系共重合体)
水素化インデン系共重合体は、上記インデン系共重合体が有するオレフィン結合の少なくとも一部を水素化することにより得ることができる。
水素化インデン系共重合体は、上記インデン系共重合体が有するオレフィン結合の少なくとも一部を水素化することにより得ることができる。
水素化インデン系共重合体は、例えば、下記式(5−1)で表される構造単位及び下記式(6−1)で表される構造単位を有する。なお、式(5−1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ式(1−1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8と同義である。また、式(6−1)におけるR11、R12及びR13は、それぞれ式(2−1)におけるR11、R12及びR13と同義である。
また、水素化インデン系共重合体は、例えば、下記式(5−2)で表される構造単位を更に有していてもよく、下記式(6−2)で表される構造単位を更に有していてもよい。なお、式(5−2)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ式(1−1)におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7及びR8と同義である。また、式(6−2)におけるR11、R12及びR13は、それぞれ式(2−1)におけるR11、R12及びR13と同義である。
水素化反応は、例えば、有機溶媒中に分散又は溶解させたインデン系共重合体を、水素化触媒の存在下、水素雰囲気下で反応させることにより、行うことができる。
水素化反応で用いられる有機溶媒としては、脂肪族炭化水素;芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジグライム等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、ジクロロエタン、クロロホルム、等のハロゲン化炭化水素;等を好適に用いることができる。ここで脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素としては、それぞれ上記と同様の化合物が例示できる。
水素化触媒としては、例えば、活性炭上に担持されたパラジウム、活性炭上に担持されたロジウム、活性炭上に担持されたルテニウム、酸化アルミニウム上に担持されたパラジウム、酸化アルミニウム上に担持されたロジウム、酸化アルミニウム上に担持されたルテニウム、ルテニウムジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)錯体(RuCl2(PPh3)3)、トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムハイドロクロライド錯体(RuHCl(PPh3)3)、ルテニウムジヒドリドテトラキストリフェニルホスフィン錯体(RuH2(PPh3)4)等が挙げられる。
水素化反応は、例えば、反応温度0〜200℃で行うことができ、反応の転化率、ポリマー収率の観点から、80〜180℃が好ましく、100〜170℃がより好ましい。
水素化反応の反応時間は、15分〜10時間とすることができ、反応の転化率の観点から30分〜9時間が好ましく、2時間〜8時間がより好ましい。
水素化反応における水素圧は、1〜20MPaとすることができ、反応の転化率、操作の簡便さの観点から、2〜15MPaが好ましく、3〜12MPaがより好ましい。
水素化反応において添加する触媒量は、重合性モノマーの総量に対して、0.0001〜25質量%とすることができ、反応速度及び経済性の観点から、0.001〜20質量%が好ましく、0.005〜15質量%がより好ましい。
水素化反応において用いる溶媒の量は、重合性モノマー1gに対して1〜300gとすることができ、反応の転化率、反応速度及び反応原料の溶解性の観点から、5〜250gが好ましく、10〜230gがより好ましい。
(熱可塑性樹脂組成物)
上記インデン系共重合体及び上記水素化インデン系共重合体は、優れた耐熱性を有するため、熱可塑性樹脂として好適に使用することができる。すなわち、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記インデン系共重合体及び/又は上記水素化インデン系共重合体を含むものである。
上記インデン系共重合体及び上記水素化インデン系共重合体は、優れた耐熱性を有するため、熱可塑性樹脂として好適に使用することができる。すなわち、本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、上記インデン系共重合体及び/又は上記水素化インデン系共重合体を含むものである。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、インデン系共重合体及び水素化インデン系共重合体以外の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、エチレン系重合体、プロピレン系重合体等のポリオレフィン系ポリマー;ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)等のポリフェニレン系ポリマー;ゴムの軟化、増容、加工性向上などのために用いられるプロセスオイル又はエクステンダーオイルと呼ばれる鉱物油系ゴム用軟化剤;炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、マイカ、クレー、硫酸バリウム、天然ケイ酸、合成ケイ酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機添加剤;ポリα−メチルスチレンなどの補強樹脂;難燃剤;酸化防止剤;耐熱安定剤;紫外線吸収剤;光安定剤;帯電防止剤;離型剤;発泡剤;顔料;染料;増白剤が挙げられる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子部品、工業部品等の用途に好適に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1:インデン系共重合体1の製造)
カリウムナフタレニド(0.153mmol)を含むテトラヒドロフラン(THF)溶液3.1mlに、イソプレン(12.8mmol)及びヘプタン2.0mlを含むTHF溶液10.7mlを−78℃に冷却しながら添加し、−78℃で4時間反応させた。反応溶液の一部を側管に分け取った後、残りの反応溶液にベンゾフルベン(6.18mmol)を含むTHF溶液11.3mlを−78℃に冷却しながら添加し、20分間反応させた。なお、反応溶液にベンゾフルベンを含むTHF溶液を加えた際、瞬時に溶液の色が黄色に変化した。
カリウムナフタレニド(0.153mmol)を含むテトラヒドロフラン(THF)溶液3.1mlに、イソプレン(12.8mmol)及びヘプタン2.0mlを含むTHF溶液10.7mlを−78℃に冷却しながら添加し、−78℃で4時間反応させた。反応溶液の一部を側管に分け取った後、残りの反応溶液にベンゾフルベン(6.18mmol)を含むTHF溶液11.3mlを−78℃に冷却しながら添加し、20分間反応させた。なお、反応溶液にベンゾフルベンを含むTHF溶液を加えた際、瞬時に溶液の色が黄色に変化した。
重合終了後、重合停止剤であるメタノール2.0mlを添加し、重合を停止した。その反応溶液を200mlのメタノールに注ぎ込んだところ、白色の固体が沈殿した。その個体を桐山ロート及び桐山ろ紙を用いた減圧ろ過によってろ別した後に、10mlのベンゼンに溶解させ、凍結乾燥を行うことで、白色粉末状のインデン系共重合体を1.56g得た。ポリマー収率は、仕込んだベンゾフルベンに対して98質量%であった。
実施例1で得られたインデン系共重合体1について、下記(I)の方法で、数平均分子量Mnの計算値を算出した。また、下記(II)の方法で、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwを測定し、下記(III)の方法で分子量分布Mw/Mnを求めた。また、下記(IV)の方法で、実施例1で得られたインデン系共重合体の低温側のガラス転移温度T1及び高温側のガラス転移温度T2を測定した。結果は、表1に示すとおりであった。また、実施例1で得られたインデン系共重合体のGPCチャートを図1に、DSCスペクトルを図2に示す。
また、実施例1で得られたインデン系共重合体1について、熱分解開始温度及び10%熱重量減少温度を測定した。なお、10%熱重量減少温度とは、試料を熱重量測定装置(セイコー電子社製「TG/DTA6200」)で30℃から600℃まで20℃/minで昇温したときに、初期質量の10質量%だけ質量が減少したときの温度である。実施例1のインデン系共重合体1の熱分解開始温度は250℃程度であり、10%熱重量減少温度は328℃であった。実施例1で得られたインデン系共重合体のTGA曲線を図3に示す。
また、実施例1で得られたインデン系共重合体1について、BLUKER製GPX(300MHz)を用いて1H NMRスペクトルを測定したところ、下記式(A−1)で表される構造(以下、「構造A−1」と称する。)、下記式(A−2)で表される構造(以下、「構造A−2」と称する。)、下記式(B−1)で表される構造(以下、「構造B−1」と称する。)、下記式(B−2)で表される構造(以下、「構造B−2」と称する。)及び下記式(B−3)で表される構造(以下、「構造B−3」と称する。)にそれぞれ対応するシグナルが観測された。実施例1で得られたインデン系共重合体の1H−NMRスペクトルを図4に示す。
1H NMRスペクトルの構造A−1及び構造A−2にそれぞれ対応するシグナルの面積比から、構造A−1及び構造A−2の総量に対する、構造A−1の含有量を算出したところ38%であり、構造A−2の含有量を算出したところ62%であった。また、構造B−1、構造B−2及び構造B−3にそれぞれ対応するシグナルの面積比から、構造B−1、構造B−2及び構造B−3の総量に対する、構造B−1の含有量を算出したところ25%であり、構造B−2の含有量を算出したところ53%であり、構造B−3の含有量を算出したところ22%であった。また、構造A−1、構造A−2、構造B−1、構造B−2及び構造B−3の総モル量に対する、構造A−1及び構造A−2の合計量の比は、0.42であった。
(I)数平均分子量Mnの計算値の算出
得られたインデン系共重合体の末端に存在する重合開始剤及び重合停止剤に由来する部分構造の分子量と、重合開始剤の使用量(モル)に対するモノマーの使用量(モル)の比(モノマーの使用量/重合開始剤の使用量)に基づき算出した重合鎖の分子量と、を合計して、数平均分子量Mnの計算値とした。
得られたインデン系共重合体の末端に存在する重合開始剤及び重合停止剤に由来する部分構造の分子量と、重合開始剤の使用量(モル)に対するモノマーの使用量(モル)の比(モノマーの使用量/重合開始剤の使用量)に基づき算出した重合鎖の分子量と、を合計して、数平均分子量Mnの計算値とした。
(II)重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定
Right Angle Laser Light Scattering GPC(RALLS−GPC)を用いて、インデン系共重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。より具体的には、屈折率計、散乱強度計及び粘度計を検出器として有するViscotek Model 302 Triple Detector Array(旭テクネイオン(株)製)を使用し、流量を1.0ml/min、カラムオーブンの温度を30℃に設定して、測定を行った。流出溶媒にはTHFを用い、分析カラムはTOSOH G5000HXL+G4000 HXL+G3000 HXLを使用した。
Right Angle Laser Light Scattering GPC(RALLS−GPC)を用いて、インデン系共重合体の重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。より具体的には、屈折率計、散乱強度計及び粘度計を検出器として有するViscotek Model 302 Triple Detector Array(旭テクネイオン(株)製)を使用し、流量を1.0ml/min、カラムオーブンの温度を30℃に設定して、測定を行った。流出溶媒にはTHFを用い、分析カラムはTOSOH G5000HXL+G4000 HXL+G3000 HXLを使用した。
(III)分子量分布Mw/Mnの算出
上記(II)により得られた重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnを、分子量分布を示す値とした。
上記(II)により得られた重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比Mw/Mnを、分子量分布を示す値とした。
(IV)ガラス転移温度Tgの測定
DSC装置(セイコー電子社製「DSC6220」)を用いて測定した。測定は、一度150℃まで試料を加熱し、同温度5分間アニールを施した後、−196℃まで試料を急冷した。この後、再度20℃/minで昇温して、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
DSC装置(セイコー電子社製「DSC6220」)を用いて測定した。測定は、一度150℃まで試料を加熱し、同温度5分間アニールを施した後、−196℃まで試料を急冷した。この後、再度20℃/minで昇温して、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
本発明のインデン系共重合体は、耐熱性が要求される自動車用部品、電気・電子部品、工業部品分野等に用いられる樹脂として有用である。
Claims (8)
- 前記第1の構造単位を含むセグメントAと、前記第2の構造単位を含むセグメントBと、を有するブロック共重合体である、請求項1又は2に記載のインデン系共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインデン系共重合体が有するオレフィン結合の少なくとも一部を水素化してなる、水素化インデン系共重合体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のインデン系共重合体、又は、請求項5に記載の水素化インデン系共重合体を含む、熱可塑性樹脂組成物。
- 前記リビング重合がリビングアニオン重合である、請求項7に記載のインデン系共重合体の製造方法。
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2013
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