JP2015086246A - ポリオレフィン系エラストマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系エラストマー組成物及びその製造方法 Download PDF

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剛士 藤沢
Takeshi Fujisawa
剛士 藤沢
伸一 柴山
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
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Abstract

【課題】表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体を実現可能なポリオレフィン系エラストマー組成物の提供。【解決手段】(A)オレフィン系エラストマー100質量部と、(B)ポリプロピレン系樹脂70〜210質量部と、(C)平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である、炭化水素油3〜300質量部と、を少なくとも溶融混練して得られるポリオレフィン系エラストマー組成物であり、前記ポリオレフィン系エラストマー組成物を厚さ0.1mmのフィルムに圧縮成形して、前記フィルムの一方の表面から光を当てて、前記表面の反対側の表面の5cm?5cmの領域を観察したとき、ポリマー凝集体が、0.3〜0.5mmのものが1〜150個、0.5〜1.0mmのものが1〜150個であるとなるポリオレフィン系エラストマー組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン系エラストマー組成物及びその製造方法に関する。
従来、動架橋された熱可塑性のポリオレフィン系エラストマー組成物には、流動性を向上させるために炭化水素油(パラフィンオイル)を添加することが行われている。そのようなポリオレフィン系エラストマー組成物を射出成形した成形体は、種々の用途に利用されている。成形体自体がゴムの性質を持つため、例えば、自動車内装部品、OA機器部材、太陽光発電モジュール部材、日用雑貨品等に汎用されている。特許文献1〜4には、このようなポリオレフィン系エラストマー組成物に関する技術が開示されている。
特開2012−224865号公報 特開2010−285528号公報 国際公開第2009/072553号パンフレット 特許第3540118号公報
しかしながら、特許文献1及び2は、いずれも、成形体の表面のべとつきや油滲について検討されていない。特許文献3は、フォギングやベタについては開示があるが、べとつきと油滲の両方を改善することについて開示はない。特許文献4についても、べとつきや油滲の両方を改善することについて開示はない。このように、ポリオレフィン系エラストマー組成物に関して、少なくともべとつきと油滲の両方を高いレベルで抑制できるものとすることについては、未だ改善の余地がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体を実現可能なポリオレフィン系エラストマー組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、(A)オレフィン系エラストマー100質量部と、(B)ポリプロピレン系樹脂70〜210質量部と、(C)平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である、炭化水素油3〜300質量部と、を少なくとも溶融混練して得られるポリオレフィン系エラストマー組成物であり、これをフィルムに圧縮成形した際に、特定の条件を満たすものとすることに知見を得て、本願発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
(A)オレフィン系エラストマー100質量部と、
(B)ポリプロピレン系樹脂70〜210質量部と、
(C)平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である、炭化水素油3〜300質量部と、
を少なくとも溶融混練して得られるポリオレフィン系エラストマー組成物であり、
前記ポリオレフィン系エラストマー組成物を厚さ0.1mmのフィルムに圧縮成形して、前記フィルムの一方の表面から光を当てて、前記表面の反対側の表面の5cm×5cmの領域を観察したとき、下記条件(1)及び(2)を満たす、ポリオレフィン系エラストマー組成物;
(1)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する、
(2)0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する。
〔2〕
前記溶融混練は、少なくとも前記(A)成分を架橋させることと、前記(B)成分を分解させることを、少なくとも同時に行う工程を有し、かつ、前記工程中及び/又は前記工程後に、前記(C)成分を反応系に添加するものである、〔1〕に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔3〕
前記溶融混練は、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分を、目開きが0.2〜1mmである第1の金網を1枚以上と、目開きが0.05〜0.17mmである第2の金網を2枚以上とに、順不同で通過させる工程を少なくとも有する、〔1〕又は〔2〕に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔4〕
前記条件(1)が、0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下存在すること、であり、
前記条件(2)が、0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下存在すること、である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔5〕
前記条件(1)が、0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上50個以下存在すること、であり、
前記条件(2)が、0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上50個以下存在すること、である、〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔6〕
前記(A)成分が、エチレン−(炭素数3〜12のα−オレフィン)共重合体、及び/又はエチレン−(炭素数3〜12のα−オレフィン)−非共役ジエン共重合体である、〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔7〕
前記(B)成分が、ホモポリプロピレンである、〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔8〕
前記樹脂組成物が、表皮用ポリオレフィン系エラストマー組成物である、〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
〔9〕
前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分とを溶融混練する工程を有し、
前記溶融混練は、前記(A)成分を架橋することと前記(B)成分を分解することを少なくとも同時に行う工程を有し、かつ、
前記工程中及び/又は前記工程後に、前記(C)成分を反応系に添加し、その後に目開きが0.2〜1mmである第1の金網を1枚以上と、目開きが0.05〜0.17mmである第2の金網を2枚以上とに、順不同で通過させる工程を有する、
〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物の製造方法。
〔10〕
前記第1の金網と前記第2の金網とが、いずれも平織金網である、〔9〕に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物の製造方法。
〔11〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物を射出成形することにより得られる成形体。
本発明によれば、表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体を実現可能なポリオレフィン系エラストマー組成物を提供することができる。
本実施例で用いた樹脂組成物の製造装置の構成の概略を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態の樹脂組成物は、(A)オレフィン系エラストマー100質量部と、(B)ポリプロピレン系樹脂70〜210質量部と、(C)平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である、炭化水素油3〜300質量部と、を少なくとも溶融混練して得られるポリオレフィン系エラストマー組成物であり、ポリオレフィン系エラストマー組成物を厚さ0.1mmのフィルムに圧縮成形して、フィルムの一方の表面から光を当てて、その表面の反対側の表面の5cm×5cmの領域を観察したとき、下記条件(1)及び(2)を満たす、ポリオレフィン系エラストマー組成物である;
(1)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する、
(2)0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する。
本発明者らは、べとつき及び油滲がない成形体を得るためには、添加する炭化水素油が樹脂成分に保持される状態を形成できることが必要ではないかと考えた。そして、かかる状態を形成するためには、原料を特定の条件で溶融混練させることで得られる特定のポリマー凝集体を一定の条件にて形成させることが重要ではないかと考えた。そして、このような知見に基づき鋭意研究した結果、意外にも、かかる条件を満たす本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体を実現できることを見出した。
本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物から表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体が得られる理由については、定かではないが、以下のように推定される。まず、上記したポリマー凝集体は(C)成分である炭化水素油を吸収し、そのままその内部に油成分を保持する。これは(A)成分が架橋されることによって、これが籠状となり、そこに取り込んだ油成分を保持できるためだと考えられる。(A)成分が十分に架橋しない場合には、取り込んだ油成分を十分には保持できず、油滲を発生するものと考えられる。一方で、生成したポリマー凝集体が押出機内部で行われるろ過工程(後述する)での剪断によって破壊され小さくなると、架橋点も破壊されてしまうため、吸収された油成分の保持ができなくなり、これによって油滲を発生するものと考えられる。したがって、表面外観が良好であり、臭気やべとつきや油滲がない成形体を得るには、これらの知見に基づきポリマー凝集体の数と大きさを制御する必要がある。
ポリマー凝集体は、例えば、(A)成分が架橋することによって生成される。ポリマー凝集体の大きさとは、ポリオレフィン系エラストマー組成物を0.1mmの厚みのシートに圧縮成形して、シートの背面より光を当てて目視観察される長径をいう。本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物では、下記条件(1)及び(2)を満たす。条件(1)及び(2)を満たさない場合には、べとつき及び油滲がない成形体を得ることができない。
(1)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が1個以上150個以下である、
(2)0.5mm以上1mm未満であるポリマー凝集体が1個以上150個以下である。
さらに、0.3mm以上0.5mm未満のポリマー凝集体が150個以下となるよう制御することで表面外観が一層良好になる。そして、0.5mm以上1mm未満のポリマー凝集体が150個以下となるよう制御することで表面外観が一層良好になる。
条件(1)については、条件(1a)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下であることが好ましく、条件(1b)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が1個以上50個以下であることが好ましい。
条件(2)については、条件(2a)0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下であることが好ましく、条件(2b)0.5mm以上1mm未満であるポリマー凝集体が1個以上50個以下であることが好ましい。
そして、条件(1a)と(2a)の両方を満たすことがより好ましく、条件(1b)と(2b)の両方を満たすことが更に好ましい。
本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、(A)成分100質量部と、(B)成分70〜210質量部と、(C)成分3〜300質量部とを少なくとも溶融混練することによって得ることができる。その際、(I)(A)成分の架橋と、(II)(B)成分の分解と、を同時に進行させ、更に(III)(A)成分と(B)成分の反応中に、(C)成分も均一混練させることが好ましい。
このようなプロセスを実現するための好適例としては、例えば、溶融混練が、少なくとも(A)成分を架橋させることと、(B)成分を分解させることを、少なくとも同時に行う工程を有し、かつ、当該工程中及び/又は当該工程後に、(C)成分を反応系に添加することが挙げられる。かかる好適例を行うものとしては、例えば、押出機、或いは樹脂混練機等で上記成分を溶融混練する前に、予めラジカルを発生させるラジカル発生剤を(A)成分及び(B)成分と均一に混和させ、それから樹脂等の溶融を行うことが好ましい。ラジカル発生剤と(A)成分及び(B)成分との混和は、常温にてドライブレンドすることがより好ましい。
具体的な方法としては、予め(A)成分と(B)成分をブレンダーにて均一混和しておく。これに、常温でラジカル発生剤を投入後、再度混和する。これを、溶融混練機(ニーダー)に投入して、(A)成分の架橋と(B)成分の分解を同時に行うとともに、これらを更に均一混練させる方法等が挙げられる。このとき、必要に応じて架橋助剤を(A)成分と(B)成分の混合物に投入してもよい。ラジカル発生剤単独、或いはラジカル発生剤と架橋助剤の両方を均一混和する場合には、非晶質二酸化珪素や炭酸カルシウム等にラジカル発生剤単独或いはラジカル発生剤と架橋助剤の両方を予め含浸させておき、これを(A)成分と(B)成分の混合物に投入して、混和することもできる。混和手段としてはタンブラー等を用いることができる。
樹脂や樹脂組成物を溶解させる手段としては、バンバリーミキサー、押出機等を用いることができる。上記プロセスを連続的に実施する場合には二軸スクリューを有する二軸押出機を用いるのがよく、生産性(吐出量)の観点からそのスクリューの直径が40mm以上であることが好ましい。このとき、(A)成分の架橋と、(B)成分の分解を効率的に実施するために、混練部(ゾーン)をL/D(スクリューの長さL/スクリューの直径)=4〜6の範囲に設けることが好ましい。そして、この混練部は、ニーディングディスクの1種又は2種以上の組み合わせ、ローターの1種又は2種以上の組み合わせであることがより好ましい。
上記した条件(1)及び(2)を満たすポリマー凝集体を形成させるための、更に好ましい手段としては、ラジカル発生剤と架橋助剤を同時に添加する方法が挙げられる。
架橋助剤には、例えば、ラジカル発生剤で発生した熱ラジカルを一度架橋助剤に蓄えて、それを有効的に(A)成分に作用させて、反応を発生せしめ、ポリマー凝集体の成長を上記の様なポリマー凝集体の点数となるように揃える作用があると考えられる(ただし、本実施形態の作用はこれらに限定されない。)。架橋助剤の添加の方法としては、(A)成分及び(B)成分の混和時にラジカル発生剤を投入する際、架橋助剤を投入する方法;予め架橋助剤を樹脂成分に混和した後、(A)成分と(B)成分が溶融する前にラジカル発生剤を押出機の途中から添加する方法等が挙げられる。架橋助剤の添加量は、樹脂或いは樹脂組成物中への残留抑制の観点から、成分(A)成分100質量部に対して1〜5質量部であることが好ましい。
ポリマー凝集体の点数を揃える手段としては、押出機内において、(A)成分の架橋と(B)成分の分解が急速に進まないようにすることが好ましい。この反応を制御する方法としては、例えば、(1)架橋と分解が起こる押出機の設定温度を200℃以下にする方法、(2)剪断発熱を抑えるために、押出回転数を400rpm以下に設定する方法、(3)ラジカル発生剤の投入と同時に、ヒンダードアミン系(HALS)安定剤、燐系安定剤、硫黄系安定剤、或いはフェノール系安定剤等の安定剤(後述する。)を添加する方法、等が挙げられる。これらによって、急激な架橋反応を含むラジカル反応を緩和し、ポリマー凝集体の点数を一層効率よく揃えることができる。さらには、造粒時にストランドの安定化を図るのにも効果的である。安定剤の添加方法は、例えば、(A)成分+(B)成分をタンブラー等で混和する時に一緒に投入することができる。
(C)成分の添加は、樹脂成分(樹脂或いは樹脂組成物)の溶解後、液添にて添加することが好ましい。液添は、(C)成分をプランジャーポンプ、或いはギアポンプを用いて昇圧しつつ、液添ノズルで注入することにより行うことができる。
上記のポリマー凝集体数をより更に効率的に揃えるためには、例えば、溶融混練中における、(A)成分を架橋することと(B)成分を分解することを少なくとも同時に行う工程の途中及び/又は当該工程の後に、(C)成分を反応系に添加し、その後に目開きが0.2〜1mmである第1の金網を1枚以上と、目開きが0.05〜0.17mmである第2の金網を2枚以上とに、順不同で通過させる工程を行うこと等が好ましい。具体的には、架橋及び分解反応が完了した造粒前の溶融樹脂(例えば、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分等)を、上記した第1の金網と第2の金網とに順不同で通過させることがより好ましい。
第1の金網のメッシュ数(JIS G3555及びJIS G3556)は20〜70であることが好ましい。第2の金網のメッシュ数は100〜300であることが好ましい。第1の金網及び第2の金網で溶融樹脂をろ過する際のゲージ圧は1〜10MPaであることが好ましい。ゲージ圧をかかる範囲に制御することで、溶融樹脂を強制的に排出することもできる。
第1の金網と第2の金網の枚数の合計は3枚であることが好ましく、その場合の組み合わせとしては、溶融樹脂の流れ方向に沿って、メッシュ数20/100/20、40/100/40、40/100/100/40、40/40/100/40、或いは40/300/40の金網の組み合わせがより好ましい。第1及び第2の金網の種類としては、平織、綾織等が挙げられるが、平織が強度の面で好ましい。
この強制ろ過工程の役割の一つしては、例えば、以下の点等が挙げられる。
(I)1mmを超える大きなポリマー凝集体の除去、
(II)ポリマー凝集体を金網に強制的に通すことによるポリマー凝集体の粒子の均一化
特に(II)は巨大なポリマー凝集体を強制的に剪断によって破壊し、凝集体の粒子を揃える働きが期待できる。
ろ過工程を経ることにより、ポリマー凝集体の大きさを更に制御することができる。金網を設置するろ過装置としては、ダイプレートや、連続的に金網を交換できる自動金網交換機(スクリーンチェンジャー)を装備したもの等が挙げられる。このときのろ過装置の設定温度については、170℃〜250℃の樹脂温度となるよう制御することが好ましい。
((A)オレフィン系エラストマーの説明)
(A)オレフィン系エラストマーとしては、エチレンを40質量%以上含有するエチレン−α−オレフィンランダム共重合体(但し、プロピレンを除く)、或いはエチレン−プロピレン−非共役ジエンの三元共重合体であることが好ましい。
α−オレフィンの炭素数は、共役ジエンを含まない場合にはエラストマー的な柔軟性の観点から、4〜12であることが好ましく、非共役ジエンとしては、エラストマー的な柔軟性の観点から、シクロペンタジエン、エチリデンノルボルネンが好ましい。
(A)成分としては、上記した1種単独を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の密度は、エラストマー的な柔軟性の観点から、0.89g/cc以下であることが好ましい。また、(A)成分製造の重合方法については、チーグラー−ナッタ触媒を用いたもの、或いはメタロセン触媒を用いたもの等が挙げられるが、特に限定されない。
((B)ポリプロピレン系樹脂の説明)
(B)ポリプロピレン系樹脂としては、ラジカルによる分解容易性の観点から、プロピレンを好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上含有するランダムコポリマー及びブロックコポリマー、並びにポリプロピレンホモポリマーが好ましく、ポリプロピレンホモポリマーがより好ましい。プロピレン含有量が上記下限値以上であると、製造プロセスにおいてラジカルによる成分の分解が適度に促進され、その結果、得られる組成物の流動性を一層向上できる(但し、本実施形態の作用効果はこれらに限定されない。)。これらのコモノマーの成分としては、例えば、プロピレンを除く炭素数2〜12のオレフィンが挙げられる。具体的には、プロピレン−エチレン−プロピレンランダムブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合物等が挙げられる。
(B)成分の密度は、ラジカルによる分解容易性の観点から、0.89g/ccを超えることが好ましい。(B)成分の分解は、後述するラジカル発生剤の添加等によって達成することができるが、(A)成分の架橋と、(B)成分の分解の効率の観点から、(A)成分100質量部に対する(B)成分の添加量は、70〜210質量部であり、100〜200質量部であることが好ましく、120〜190質量部であることがより好ましい。
本実施形態では、必要に応じて、(A)成分及び(B)成分に芳香族ビニルブロック−共役ジエン(但し、その二重結合は最終的に90モル%以上が水素添加されていることが好ましい。)ブロック共重合体、芳香族ビニルブロック−芳香族ビニル共役ジエンランダム(但し、その二重結合は最終的に90モル%以上が水素添加されていることが好ましい。)−芳香族ビニルブロック共重合体等のスチレン系エラストマー;ポリジメチルシロキサンに代表されるポリオルガノシロキサン;炭酸カルシウム、二酸化珪素(シリカ)、アルミナ、タルク等の無機フィラーからなる群より選ばれる1種以上を添加することができる。
((C)炭化水素油の説明)
炭化水素油としては、例えば、石油を蒸留精製することによって得られるパラフィンオイル等が挙げられる。(C)成分は平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である。
分子量は、ガスクロマトグラフFID法(GC−FID)で求められる分子量をいい、具体的には実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
上記測定はGC−FID法に準拠して実施されるので、検出される強度はその濃度と炭素数の積に比例する。これを各保持時間に検出される重量値とする。検量線からガスクロマトグラフの保持時間より分子量の関係が明らかになっているので、当該炭化水素油のガスクロマトグラフより炭化水素油の分子量分布を得ることができる。このときのFIDの強度を縦軸に、保持時間から分子量を換算する。この分布の積分型の分布図を作成し、強度比の積算値の50%の所の値を平均分子量とする。また、積算型の分布図より分子量400以下の値を分子量400以下の値とする。
(C)炭化水素油は、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下であり、平均分子量が400〜1000である。分子量400以下である成分の含有量が30質量%を超え、平均分子量が400を下回ると成形体の臭気や成形体表面の粘着性(べとつき)が悪くなるとともに、油滲が発生する。平均分子量が1000を超えると、炭化水素油が架橋ゴム成分に含浸せず、成形体とした際にべとつきや油滲等を発生してしまう。
(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、3〜300質量部である。(B)成分の添加量が3質量部未満では、その添加の効果(流動性の向上)が発現せず、300質量部を超えると、成形体の表面のべとつき及び油滲が生じてしまう。(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、10〜300質量部であることが好ましく、50〜300質量部であることがより好ましい。
(ラジカル発生剤の説明)
本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、ラジカル発生剤を更に含むことが好ましい。ラジカル発生剤の添加によって、(A)成分の架橋反応と、(B)成分の分解の同時進行を一層効率よく行うことができる。ラジカル発生剤として、例えば、過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート等のパーオキシケタール類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2.5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシウラリレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、クミルパーオキシオクテート等のパーオキシエステル類、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類等が挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、α,α’‐アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾニトリル類等が挙げられる。
ラジカル発生剤は、上記したもの1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(B)オレフィン系エラストマー100質量部に対するラジカル発生剤の添加量は、2〜7質量部であることが好ましい。
他に架橋させる方法として、電子線照射により架橋させる方法、γ線照射により架橋させる方法、(A)、(B)成分に予め無水マレイン酸に由来する基やエポキシ基等を導入しておき、ジアミンの様な二塩基性化合物で架橋させる方法等も採用することができるが、好ましくは、ラジカル発生剤を用いて架橋させる方法である。
(架橋助剤の説明)
本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、(A)成分の架橋促進の観点から、架橋助剤を更に含むことが好ましい。架橋助剤は、ラジカル発生剤の分解で発生したラジカルを捕捉して、有効的に架橋反応を完結させることができる。架橋助剤の具体例としては、例えば、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、トリアリールイソシアヌレート、ベンゾフェノン、アントラキノン、4,4−ジノニル−2,2’−ジピリジル等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(A)100質量部に対する架橋助剤の添加量は、架橋反応を促進させる観点から、0.5〜6質量部であることが好ましい。
(安定剤の説明)
本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、必要に応じて、安定剤を更に含んでもよい。安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系(HALS)安定剤、燐系安定剤、硫黄系安定剤、フェノール系安定剤等が挙げられる。
ヒンダードアミン系(HALS)安定剤としては、例えば、コハク酸ジメチル・4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノール縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2.4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリス{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、ポリ{[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]等が挙げられる。
燐系安定剤としては、例えば、3,6−ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェンキシ)2,4,8,10−テトラヘキサ−3,9−ジフォスファスピロ[5,5]ウンデカン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ポリ[(ジプロピレングリコール)フェニルホスファイト]、3,9−ジオクタデカン−1−イル−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ジフェニルイソデシルフォスファイト、2−エチルへキシルジフェニルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト等が挙げられる。
硫黄系安定剤としては、例えば、6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジt−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2,2−ビス({[3−(ドテシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)−1,3−プロパンジイル−ビス[3−(ドテシルチオ)プロピオナート]等が挙げられる。
フェノール系安定剤としては、例えば、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ペンタエリトリトール=テトラキス[3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
安定剤としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(A)成分100質量部に対する安定剤の添加量は、1〜5質量部であることが好ましい。
上記の様にして得られうるポリオレフィン系エラストマー組成物は、流動性、べとつき、油滲等のバランスが取れているため、今まで以上に広範囲に様々な射出成形体等への利用が可能である。好適には、ポリオレフィン系エラストマー組成物を射出成型することにより得られる成形体とすることができる。
本実施形態の成形体は、例えば、ドアトリム、ヘッドレスト、シートベルトカバー、エアバックカバー、アームレスト、シフトレバーノブ、ハンドブレーキノブ及びフリップ、ホーンパッド、アシストグリップ、グローブボックス、コンソールボックス等の自動車内装部品の表皮材、太陽光発電モジュールのコネクター類、ペンのグリップ、パッキン等に利用可能であり、とりわけ、薄肉成形で大型部品である自動車内装用部品の表皮材として好適である。かかる観点から、本実施形態のポリオレフィン系エラストマー組成物は、表皮用ポリオレフィン系ラストマ−組成物として好適に用いることができる。
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
本実施例で用いた材料及び測定方法等は以下のとおりであった。
(1)(A)オレフィン系エラストマー
(A−1)エチレン−オクテンランダム共重合体 エチレン/オクテン質量比(仕込み比)=60/40(質量比)
重量平均分子量(Mw):28×104、数平均分子量(Mn):1.1×104、Mw及びMnとも下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって求めた。

GPC装置:高速液体クロマトグラフ HLC−8121 (東ソー社製)
使用カラム:TSKgel GMH−HR HT 30×2本+TSKgelGMH−HR−M(S)×1本(東ソー社製)
検出器:屈折率測定器 上記GPC装置と一体型、
移動相:o−ジクロロベンゼン
測定温度:140℃
検量線:標準ポリスチレンキット (VARIAN社製)

メルトフローレート(MFR):1g/10分(2.16kg加重、190℃;ASTM D1238に準拠)
密度:0.857g/mL
(A−2)エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン(ENB)ランダム共重合体
エチレン/プロピレン/ENB質量比:70/25/5
絶対平均分子量(Mw):19×104、数平均分子量(Mn):9×104
GPC装置:PL−GPC220(Polymer Laboratories社製)
使用カラム:TSK−gel GMH−HR−H(S)×2本+TSKgel GMH−HR−M(S)×1本
検出器:レーザー多角散乱光度計 PD2040型(Polymer Laboratories社製)、
移動相:1,2,4−トリクロロベンゼン
測定温度:140℃
検量線:直鎖標準ポリエチレン 1475a(アメリカ国立標準技術研究所−NIST製)
エチレン/プロピレン ダイアド(二連子)分率:29.5mol%
密度0.870g/mL
(2)(B)ポリプロピレン系樹脂
ホモポリプロピレン
重量平均分子量(Mw):58×104、数平均分子量(Mn)6.5×104
Mw及びMnの測定は、(A−1)成分の測定方法に準じて行った。
MFR:2g/10分(2.13kg加重、230℃ 測定時)
密度:0.90g/mL
(3)(C)炭化水素油
以下のガスクロマトグラフFID法にて、平均分子量、及び分子量400以下の割合を測定した以下の炭化水素油を用いた。具体的な測定条件は以下のとおりであった。
−カラム:HT−5 ALSIL 0.22mmφ×12m
−温度条件:50〜440℃ 昇温速度10℃/分 初期50℃並びに終期440℃各10分保持
−試料は0.1g/10mLヘキサン溶剤に溶解し、1μLをガスクロに注入した。
−強度検出方法
FID法を使用した。
−分子量検量線、平均分子量、及び分子量400以下の量の検出・測定
C14、C16、C22、C24、C30、C40、C50の直鎖アルカンを上記条件で測定し、その保持時間(リテンション時間)と分子量の関係を求めた。

(C−1)平均分子量357、分子量400以下83%の炭化水素油
(中国石化有限公司製 商品名「工業用白油#70」)
(C−2)平均分子量466、分子量400以下33%の炭化水素油
(中国石化有限公司製 商品名「工業用白油#90」)
(C−3)平均分子量487、分子量400以下22%の炭化水素油
(出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイル PW90」)
(C−4)平均分子量674、分子量400以下4.1%の炭化水素油
(出光興産社製 商品名「ダイアナプロセスオイル PW380」)
(6)ラジカル発生剤
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン
融点:3.9℃
分解温度:154℃(DSC測定、昇温速度5℃/分)
密度25℃:0.873g/mL
(7)架橋助剤
トリアリールイソシアヌレート(TAIC)
−純度99%以上
−融点:23〜27℃
−沸点:144℃
−比重30℃:1.16[g/cc]
ジビニルベンゼン(DVB)
−ジビニルベンゼン57質量%、エチルビニルベンゼン40質量%、ジエチルベンゼン3質量%の混合物
−融点:−45℃
−沸点:195℃
−比重25℃:0.90[g/cc]
(8)安定剤
−トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
−純度99%以上
−融点:183〜186℃
−真比重25℃:1.03[g/cc]
−嵩密度:0.32[g/cc]の紛体
(9)ポリマー凝集体の観察
熱プレス機を用い、厚み0.1mmのステンレス金型をスペーサーとして入れ、200℃、プレス圧10MPaにて樹脂厚み0.1mmのフィルムを成形し、ライトボックスを用いて背面より光を当ててポリマー凝集体の粒子を目視で観察した。ポリマー凝集体の粒子の大きさは、観察される凝集体の最長径をCES、無線通信機械工業会発行の「標準スポットゲージサイズ表」で判断した。そして、0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体(0.3≦x<0.5)の個数、0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体(0.5≦x<1.0)の個数を数えた。
(10)べとつきの評価
射出成形機にて100mm×300mm×0.8mm(厚み)の評価プレートを成形した。この時の射出成形機のシリンダー温度は210℃、射速を50mm/sに設定した。金型のゲートは型上部に1点であり、ゲート径はφ1.5mmとした。金型温度は50℃に設定した。成形体の流動末端中央を90mm×50mmに切り出したものを室温23℃にて1時間で状態調節したものを指で表面を触り、べとつきを評価した。
(11)成形体の臭気
成形体の臭気については、評価プレートに鼻を近づけ、臭気があるかどうかによって評価した。
(12)油滲
評価プレートの一部を切り出して、120℃の恒温箱にいれ、48時間放置後の表面を目視観察して、油成分の滲み出しがないかを確認した。
(13)成形プレートの外観検査
評価プレートの表面を目視観察して、ポリマー凝集体が確認されるか否かによって、表面外観を評価した。表面外観の評価は、非常に良い(表面が平滑で光沢がある):◎、良い(表面が平滑で光沢があるが、少しの曇りがある):○、悪い(表面は平滑ではあるが、光沢がなく曇っている):×の三段階で評価した。
<ポリオレフィン系エラストマー組成物の作製>
(ア)原材料の混和、投入
まず樹脂成分(A)成分、(B)成分、ラジカル発生剤及び架橋助剤、及び必要に応じて安定剤全量300kgを容積1000m3のタンブラーに全てを投入して、10rpmにて30分間混練した。そして、これらを払い出して押出機の供給口より投入した。原材料の投入には定量フィーダーを用いた。なお、混練中に、液状のラジカル発生剤は樹脂成分に吸収された。
(イ)押出工程、押出し条件、及び炭化水素油の添加
樹脂の混練には東芝機械社製、「TEM58SS」(L/D=54)の二軸押出機を用いて、温度140〜160℃、ダイス温度200℃にて押出しを実施した。図1は、本実施例で用いた樹脂組成物の製造装置の構成の概略を示す概念図を表す。二軸押出機1は、(A)成分の架橋反応による架橋ポリマー凝集体の粒子径を揃える目的と(B)成分の分解を効率的に同時進行させる目的等から、二軸押出機1の第1供給口2からL/D=14.5の所に送りのニーディングディスク(図示せず)を設け、その次に三条ネジローターを設置するスクリュー構成とした。
全体のスクリュー構成としてはニーディングディスクの構成を炭化水素油添加前に2箇所、炭化水素油添加後に2箇所に設けた。樹脂の吐出量を350kgとして、Q/Ns(吐出量/回転数)=1.0で実施した。
炭化水素油は、第1供給口2よりL/D=27の位置に設けた液添部3から液添した。スクリュー構成は、液添部3の前後にニーディングディスクを含む混練部(図示せず)を備えた二条ネジの構成とした。液添時の注入圧力は、1〜5MPaの範囲内となるように制御した。液添される箇所のスクリュー構成は、注入圧力が1〜5MPaの間になるように、液添部3の注入口部にはニーディングディスクのニュートラルを設置した。
(ウ)溶融樹脂のろ過
二軸押出機1とダイ5の間に金網4を設置することで、二軸押出機1で混練された溶融樹脂をろ過した。ろ過に際しては、ギアポンプ(図示せず)を設置することでろ過圧力を安定させた。各実施例及び各比較例では、金網4として、以下に示す金網を各表に示す条件で重ね合わせたものを配置した。ここで、各表の「ろ過網(メッシュ)」の示す値は、左側から右側に向けて、上流側に配置された金網のメッシュ数から下流側に配置された金網のメッシュ数を順に示している。例えば、実施例1(表1)では40/100/40と記載されているが、これは、上流側に配置された金網のメッシュ数と、下流側に配置された金網のメッシュ数が、いずれも40であり、これらの間に配置された金網のメッシュ数が100であることを意味する。すなわち、実施例1では、上流側から、メッシュ数40の金網→メッシュ数100の金網→メッシュ数40の金網を重ね合わせたものが配置されている。
また、実施例14(表4)では40/100/40/40と記載されているが、これは、上流側から、メッシュ数40の金網→メッシュ数100の金網→メッシュ数40の金網→メッシュ数40の金網を重ね合わせたものが配置されている。なお、各実施例及び各比較例で用いたメッシュ数20、40、100、300、及び350の金網は、以下に示すものである。

メッシュ数20:目開き0.874mm、平織、開口率47%
メッシュ数40:目開き0.405mm、平織、開口率41%
メッシュ数100:目開き0.154mm、平織、開口率37%
メッシュ数300:目開き0.050mm、平織、開口率34%
メッシュ数350:目開き0.038mm、平織、開口率27%
(エ)サンプルの採取
サンプルは押出し開始から1時間経過後、造粒機8から25kg採取して評価した。
各実施例及び各比較例の製造条件及び得られた樹脂組成物の物性評価の結果を、下記表に示す。
各表からも明らかなように、各実施例では、べとつき、成形品の臭気、油滲、及び表面外観のいずれもが優れていることが、少なくとも確認された。
比較例1、2等によれば、成形体のポリマー凝集体の数が少なすぎると、べとつき及び油滲を生じ、多すぎると表面外観が悪化することが確認された。
比較例3、4等によれば、炭化水素油の添加量がないと樹脂が流れず射出成形ができず、添加量が多いとポリマー凝集体が樹脂組成物中に存在しても、保持できずべとつき、油滲が認められ、成形体の表面外観も悪いことが確認された。
比較例5〜8等によれば、炭化水素油の分子量が低く、分子量400以下のものは、べとつき、成形体の臭気、油滲及び成形体の表面外観が良くないことが確認された。
比較例9〜10等によれば、ポリマー凝集体の数が多くなり過ぎ、成形体の表面外観が悪いことが確認された。また、比較例11等によれば、ポリマー凝集体は観察されず、成形体内に炭化水素油を保持できず油滲を生じることが確認された。
[実施例16]
実施例14の組成物を用いて、200mm×200mm×100mm(深さ)、厚み1mmの箱型成形体(表皮)を成形した。射出成形のゲートは、底面の中央部である。使用した射出成型機は、住友重機械工業社製「SG220」を用いた。成型条件は、樹脂温度:230℃、金型温度:60℃、射出時間:15秒、背圧:10%、射出速度:86%、射出圧力12MPaであった。成形体の表面状態は非常に良く(◎)、べとつき、及び油滲もなかった。
本発明によれば、べとつきや油滲がないポリオレフィン系エラストマー組成物とすることができ、自動車内装部品、OA機械部材、太陽光発電モジュール部材、日用雑貨品等といった種々の用途の原料として、幅広い分野で利用することができる。
1…二軸押出機、2…第1供給口、3…液添部、4…金網、5…ダイ、6…ストランド、7…ストランド冷却槽、8…造粒機

Claims (11)

  1. (A)オレフィン系エラストマー100質量部と、
    (B)ポリプロピレン系樹脂70〜210質量部と、
    (C)平均分子量が400〜1000であり、かつ、分子量400以下である成分の含有量が30質量%以下である、炭化水素油3〜300質量部と、
    を少なくとも溶融混練して得られるポリオレフィン系エラストマー組成物であり、
    前記ポリオレフィン系エラストマー組成物を厚さ0.1mmのフィルムに圧縮成形して、前記フィルムの一方の表面から光を当てて、前記表面の反対側の表面の5cm×5cmの領域を観察したとき、下記条件(1)及び(2)を満たす、ポリオレフィン系エラストマー組成物;
    (1)0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する、
    (2)0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上150個以下存在する。
  2. 前記溶融混練は、少なくとも前記(A)成分を架橋させることと、前記(B)成分を分解させることを、少なくとも同時に行う工程を有し、かつ、前記工程中及び/又は前記工程後に、前記(C)成分を反応系に添加するものである、請求項1に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  3. 前記溶融混練は、前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分を、目開きが0.2〜1mmである第1の金網を1枚以上と、目開きが0.05〜0.17mmである第2の金網を2枚以上とに、順不同で通過させる工程を少なくとも有する、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  4. 前記条件(1)が、0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下存在すること、であり、
    前記条件(2)が、0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上100個以下存在すること、である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  5. 前記条件(1)が、0.3mm以上0.5mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上50個以下存在すること、であり、
    前記条件(2)が、0.5mm以上1.0mm未満であるポリマー凝集体が、1個以上50個以下存在すること、である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  6. 前記(A)成分が、エチレン−(炭素数3〜12のα−オレフィン)共重合体、及び/又はエチレン−(炭素数3〜12のα−オレフィン)−非共役ジエン共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  7. 前記(B)成分が、ホモポリプロピレンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  8. 前記樹脂組成物が、表皮用ポリオレフィン系エラストマー組成物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物。
  9. 前記(A)成分と前記(B)成分と前記(C)成分とを溶融混練する工程を有し、
    前記溶融混練は、前記(A)成分を架橋することと前記(B)成分を分解することを少なくとも同時に行う工程を有し、かつ、
    前記工程中及び/又は前記工程後に、前記(C)成分を反応系に添加し、その後に目開きが0.2〜1mmである第1の金網を1枚以上と、目開きが0.05〜0.17mmである第2の金網を2枚以上とに、順不同で通過させる工程を有する、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物の製造方法。
  10. 前記第1の金網と前記第2の金網とが、いずれも平織金網である、請求項9に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリオレフィン系エラストマー組成物を射出成形することにより得られる成形体。
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