JP2015080739A - 殺菌水生成装置および歯科用殺菌水 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】殺菌水生成装置は、酸性溶液を添加せずに水道水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、殺菌水を収容する第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に、次亜塩素酸ナトリウムを供給する次亜塩素酸ナトリウム供給手段と、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に水道水を供給する水道水供給手段と、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33で生成される殺菌水のpHが、水道水供給手段にて供給される水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなるように、次亜塩素酸ナトリウム供給手段による次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御する制御部50とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、塩素ガスの発生が抑制され、安全性の高い殺菌水生成装置および歯科用殺菌水を提供することを目的とする。
ここで、生成される殺菌水のpHが前記水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなる範囲で、次亜塩素酸ナトリウムの供給量の選択を受け付ける受付手段をさらに備え、前記制御手段は、前記受付手段にて受け付けた前記選択に基づいて、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御することを特徴とすることができる。この場合、用途に応じた殺菌水を得ることが可能になる。
また、前記次亜塩素酸ナトリウム供給手段による次亜塩素酸ナトリウムの供給量を、段階的に表示する表示手段をさらに備え、前記受付手段は、前記表示手段に表示された次亜塩素酸ナトリウムの供給量の前記選択を受け付けることを特徴とすることができる。この場合、本構成を採用しない場合と比較して、段階的に表示される次亜塩素酸ナトリウムの供給量から、目的とする供給量を容易に選択することが可能になる。
さらに、前記次亜塩素酸ナトリウム供給手段は、所定量の次亜塩素酸ナトリウムを計量する計量部を備え、前記制御手段は、前記所定量の次亜塩素酸ナトリウムを前記収容部に供給する回数を変更することで、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御することを特徴とすることができる。この場合、本構成を採用しない場合と比較して、次亜塩素酸ナトリウムの供給を、容易に行うことが可能になる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される歯科用殺菌水は、歯科用治療ユニットに供給されて歯科の治療に用いられる歯科用殺菌水であって、酸性溶液を添加せずに水道水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合して生成され、pHが、前記水道水のpHと比較して0.1〜0.3高いことを特徴とする歯科用殺菌水である。
図1は、本実施形態に係る歯科用診療装置1の全体構成を示した斜視図である。
同図に示すように、本実施形態の歯科用診療装置1では、床面の上に、診療台2が設けられている。また、本実施形態の歯科用診療装置1では、診療台2の脇に、医師用のトレーテーブル3が設けられるとともに、医師用のインスツルメントホルダ4が設けられている。さらに、本実施形態では、診療台2を挟みトレーテーブル3の反対側に、アシスタント用のインスツルメントホルダ5が設けられている。また、本実施形態では、光源を備えたデンタルライト(不図示)とデンタルライトを支持するアーム(不図示)とを支持する支柱6が設けられている。
殺菌水生成装置8は、殺菌水の生成に用いられる。殺菌水生成装置8にて生成された殺菌水は、殺菌水搬送管(不図示)を介して上述した供給装置7に送られ、供給装置7内の管路の洗浄や、患者に対する治療、患者がうがいを行う際等に使用される。
図2および図3は、本実施形態に係る殺菌水生成装置8の外観斜視図である。また、図4は、本実施形態に係る殺菌水生成装置8の内部構造を示した図である。
本実施形態の殺菌水生成装置8は、殺菌水を生成する装置本体部100と、装置本体部100の下方に設けられ、装置本体部100の鉛直方向高さを上昇させるための台部500と、台部500の下方に取り付けられ、外部機器との接続に用いられる外部接続接栓600と、を備えている。図2〜図4に示すように、本実施形態において、殺菌水生成装置8の装置本体部100は、台部500上に設けられることで、本構成を採用しない場合と比較して、床面から離れるようになっている。
図4に示すように、本実施形態では、予備収納部510に予備の原液カートリッジ20を6本収納できるようになっている。
支持脚521は、台部500の底面における四隅にそれぞれ設けられる。それぞれの支持脚521は、例えばネジ状の形状を有しており、回転させることで殺菌水生成装置8の高さを微調整できるようになっている。
また、固定部材522は、4つの支持脚521のうち、対向する2つの支持脚521に設けられる。固定部材522は、例えば長方形の板状の部材から構成され、一方の端部が支持脚521に取り付けられるとともに、他方の端部がネジ等で床面に固定される。これにより、固定部材522は、支持脚521を介して殺菌水生成装置8を床面に固定する。
外部接続接栓600には、水道水を供給する水道水供給管(不図示)が接続される受水接栓10、圧縮エアを供給する圧縮エア供給管(不図示)が接続される圧縮エア用接栓40、殺菌水生成装置8の外部に設けられた殺菌水搬送管(不図示)が接続される供給用接栓47、水道水タンク13から溢れた水道水および原液計量部23から溢れた原液の廃棄に用いられるドレン用接栓49が設けられている。
また、外部接続接栓600の受水接栓10には、水道水タンク13に水道水を供給するための送水路11が接続される。送水路11は、後述する電磁弁12を介して、水道水タンク13に接続されている。
さらに、外部接続接栓600の圧縮エア用接栓40には、第1殺菌水タンク30および第2殺菌水タンク33へ供給するための圧縮エアが通り、また圧縮エアの排出に用いられる圧縮エア供給/排気路43が接続される。
さらにまた、外部接続接栓600のドレン用接栓49には、原液計量部23から溢れた原液等を排水するための排水路27(後述する図5参照)が接続される。
管カバー部92は、じゃばら状の形状を有しており、殺菌水生成装置8と、殺菌水生成装置8が接続される供給装置7との距離に応じて、伸縮可能になっている。
すなわち、本実施形態の装置本体部100には、下方部に、外部接続接栓600を取り付けることが可能な取り付け部105が形成されている。これにより、装置本体部100は、外部接続接栓600を装置本体部100の取り付け部105に付け替えることで、台部500を設けない背の低い殺菌水生成装置として用いることができる。
上述したように、本実施形態の殺菌水生成装置8には、水道水を供給する供給管(不図示)が接続される受水接栓10が設けられている。また、殺菌水生成装置8には、受水接栓10を通った水道水が通る送水路11、送水路11上に設けられた電磁弁12、受水孔14を有し送水路11からの水道水を収容する水道水タンク13が設けられている。
本実施形態では、原液計量部23および液面センサ24により計量部が構成されている。
なお、本実施形態では、第1原液供給路26a、第2原液供給路26b、第1水道水供給路17a、第2水道水供給路17bの4つの供給路は、それぞれ独立して設けられており、殺菌水タンク(第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33)に対して水道水及び原液が達するまでの間に、水道水と原液とが混合しないようになっている。
さらにまた、第1圧縮エア供給/排気路42a上には、第1三方電磁弁41aが設けられ、第2圧縮エア供給/排気路42b上には、第2三方電磁弁41bが設けられている。
さらに、本実施形態では、マニフォールド45を経由して流れてきた殺菌水、および、水道水タンク13から溢れた水道水および原液計量部23から溢れた原液の廃棄に用いられるドレン用接栓49が設けられている。さらに、ドレン用接栓49とマニフォールド45との間には、電磁弁48が設けられている。
一方で、原液は、ポンプ22によって、原液カートリッジ20から原液計量部23に供給される。なお、原液計量部23では、液面センサ24の検知位置bまで原液が供給される。その後、制御部50によって第1電磁弁25a又は第2電磁弁25bが開放される。これにより、原液計量部23内の原液が、自重落下し、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対し供給される。
ここで、本実施形態では、原液計量部23にて計量される1回計量分の原液は、1mLに設定されている。
また、本実施形態では、原液計量部23、第1電磁弁25aおよび第2電磁弁25bにより、次亜塩素酸ナトリウム供給手段が構成され、水道水タンク13、第1電磁弁16aおよび第2電磁弁16bにより、水道水供給手段が構成されている。
殺菌水が外部へ供給される際には、まず、圧縮エアが、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを介し、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に供給される。そして、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に圧縮エアが供給されると、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内は加圧状態となり、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内の殺菌水が、殺菌水生成装置8の外部に供給されるようになる。
本実施形態では、上述したように、原液である次亜塩素酸ナトリウムと水道水とを混合することで、殺菌水として次亜塩素酸ナトリウム希釈水を生成している。
図6は、次亜塩素酸ナトリウムと水とを混合した次亜塩素酸ナトリウム希釈水の性質を表した図である。
しかし、例えば食塩水や塩酸等を電気分解して殺菌水を生成する場合には、白金やチタン等からなる高価な電極を用いる必要があり、またこれらは消耗品であるため定期的に交換する必要があるため、殺菌水の生成に要するコストが高くなりやすい。
すなわち、装置の不具合等によって酸の添加量が多くなったり、また、水道水のpHが元々低かったりした場合には、次亜塩素酸ナトリウム希釈水のpHは低くなり、塩素ガスが発生する場合がある。特に、塩酸などの強酸を用いてpHの調整を行う場合には、酸の添加量が少量であってもpHが急激に低下しやすいため、塩素ガスが発生しやすく危険である。
また、次亜塩素酸ナトリウム希釈水からなる殺菌水において、次亜塩素酸の存在比が低い場合であっても、対象物に対して大量の殺菌水を定期的に供給するようにすれば、対象物において菌の繁殖を抑制でき、衛生環境を維持できることが知られている。
そして、本実施形態の殺菌水生成装置8では、生成する殺菌水の殺菌力が低下することを抑制し、且つ、生成する殺菌水の殺菌力を、例えば供給装置7の管路の洗浄、患者の診療やうがい等の用途に好ましい範囲とするために、生成される殺菌水のpHが、水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなるように、次亜塩素酸ナトリウムの混合量を設定している。
したがって、本実施形態の殺菌水生成装置8により生成される殺菌水のpHは、9未満となる。上述したように、次亜塩素酸ナトリウム希釈水は、pHが9以上の場合、塩素がほとんど次亜塩素酸イオンとなり次亜塩素酸がほとんど存在しない状態となる一方、pHが9未満の場合には、一定の割合で次亜塩素酸が存在する。
これにより、本実施形態で生成される殺菌水は、一定の割合で次亜塩素酸が存在することで、一定の殺菌力を有することになり、殺菌力の低下が抑制される。
これにより、本実施形態の殺菌水生成装置8では、例えば原液計量部23等で不具合が生じた場合であっても、殺菌水を生成する際に塩素ガスが発生するおそれがなく、ユーザ等に危険が及ぶことを抑制できる。
また、本実施形態の殺菌水生成装置8で生成される殺菌水は、味やにおい等が、水道水とほとんど変わらない。したがって、殺菌水を患者の診療やうがい等に用いた場合であっても、患者に違和感や不快感を与えるおそれが少ない。
また、電気分解用の電極等が不要となることで、本実施形態の殺菌水生成装置8では、装置を簡素化・小型化することが可能になる。この結果、本実施形態の殺菌水生成装置8は、本構成を採用しない場合と比較して、狭い場所でも設置することが可能になり、取り付けの自由度が向上する。
一方、生成される殺菌水のpHと水道水のpHとの差が0.1未満となるように水道水に対する次亜塩素酸ナトリウムの混合量を設定した場合には、殺菌水のpHが高くなることを抑制できるものの、殺菌水での有効塩素濃度が著しく低くなるため、殺菌力が不足するおそれがある。特に次亜塩素酸ナトリウム希釈水からなる殺菌水は、長期間放置した場合、次亜塩素酸等の有効塩素が失活しやすいため、例えば殺菌水を供給装置7等の管路の消毒に用いて管路内に長期間放置した場合等に殺菌力が不足して、菌が繁殖するおそれがある。
上述したように、本実施形態の殺菌水生成装置8では、操作パネル200を介して第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33(ともに図4参照)への原液の供給量の変更を受け付け、殺菌水のpHが水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなる範囲で、殺菌水のpH、濃度を変更できるようになっている。
具体的には、本実施形態の殺菌水生成装置8では、操作パネル200を介して、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対する原液の供給量を、原液計量部23での1回計量分に対応する第1供給量、原液計量部23での2回計量分に対応する第2供給量、および原液計量部23での3回計量分に対応する第3供給量の3つの中から選択し、変更できるようになっている。
本実施形態の操作パネル200は、表示手段または受付手段の一例であって、図7(a)に示すように、情報表示部220、第1リセットボタン231、第2リセットボタン232、アラーム解除ボタン240を有している。
情報表示部220は、7セグメント表示器で構成され、例えば原液カートリッジ20内の原液の残量等に対応する数値が表示される。
殺菌水生成装置8において、原液の供給量として上述した第1供給量が設定されている場合には、図7(a)に示すように、操作パネル200の情報表示部220に、第1供給量に対応する数値「1」が点滅表示される。同様に、原液の供給量として第2供給量が設定されている場合には、図7(b)に示すように、情報表示部220に、第2供給量に対応する数値「2」が点滅表示され、第3供給量が設定されている場合には、図7(c)に示すように、情報表示部220に、第3供給量に対応する数値「3」が点滅表示される。
具体的には、図7(a)に示すように情報表示部220に第1供給量に対応する数値「1」が点滅表示されている状態で、第2リセットボタン232が押圧されると、図7(b)に示すように、情報表示部220に表示される数値が変更され第2供給量に対応する数値「2」が点滅表示される。また、図7(b)に示すように情報表示部220に数値「2」が点滅表示されている状態で、第2リセットボタン232が押圧されると、図7(c)に示すように、情報表示部220に第3供給量に対応する数値「3」が点滅表示される。さらに、図7(c)に示すように情報表示部220に数値「3」が点滅表示されている状態で、第2リセットボタン232が押圧されると、図7(a)に示すように、情報表示部220に再び数値「1」が点滅表示される。
例えば、生成した殺菌水をうがいに用いる場合には、原液(次亜塩素酸ナトリウム)の供給量を少なく設定することで、殺菌水ににおいや色等が付くことをより抑制でき、ユーザに違和感や不快感を与えることをより抑制できる。
また、例えば、生成した殺菌水を歯科ユニットにおける管路の洗浄に用いる場合には、原液(次亜塩素酸ナトリウム)の供給量を多く設定することで、殺菌水からの塩素ガスの発生等を抑制しながら殺菌水の殺菌力を高めることができ、管路での菌の繁殖等の発生をより抑制することができる。
Claims (5)
- 酸性溶液を添加せずに水道水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合して殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
殺菌水を収容する収容部に、次亜塩素酸ナトリウムを供給する次亜塩素酸ナトリウム供給手段と、
前記収容部に水道水を供給する水道水供給手段と、
前記収容部で生成される殺菌水のpHが、前記水道水供給手段にて供給される水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなるように、前記次亜塩素酸ナトリウム供給手段による次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御する制御手段と
を備える殺菌水生成装置。 - 生成される殺菌水のpHが前記水道水のpHと比較して0.1〜0.3高くなる範囲で、次亜塩素酸ナトリウムの供給量の選択を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記受付手段にて受け付けた前記選択に基づいて、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御することを特徴とする請求項1記載の殺菌水生成装置。 - 前記次亜塩素酸ナトリウム供給手段による次亜塩素酸ナトリウムの供給量を、段階的に表示する表示手段をさらに備え、
前記受付手段は、前記表示手段に表示された次亜塩素酸ナトリウムの供給量の前記選択を受け付けることを特徴とする請求項2記載の殺菌水生成装置。 - 前記次亜塩素酸ナトリウム供給手段は、所定量の次亜塩素酸ナトリウムを計量する計量部を備え、
前記制御手段は、前記所定量の次亜塩素酸ナトリウムを前記収容部に供給する回数を変更することで、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の殺菌水生成装置。 - 歯科用治療ユニットに供給されて歯科の治療に用いられる歯科用殺菌水であって、
酸性溶液を添加せずに水道水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合して生成され、
pHが、前記水道水のpHと比較して0.1〜0.3高いことを特徴とする歯科用殺菌水。
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- 2013-10-21 JP JP2013218745A patent/JP2015080739A/ja active Pending
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