JP2015074795A - 部材の補修方法及び補修用の粉末の製造方法 - Google Patents

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秀次 谷川
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Abstract

【課題】高温部材を補修するにあたって、補修した部分の欠陥を抑制すること。【解決手段】補修対象の金属製の部材の補修対象位置に開先が形成され(ステップS101)、開先が洗浄される(ステップS102)。ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、補修対象の金属製の部材に対応した材料の粉末である第2粉末とを混合して作製されたろう付用粉末を溶射法によって部材の補修対象位置に積層する(ステップS103)。次に、積層されたろう付用粉末及び部材を熱処理する(ステップS104)。その後、余盛部が除去される(ステップS105)。【選択図】図2

Description

本発明は、金属製の部材に発生した傷を補修する技術に関する。
ガスタービン等の機械は、運転中に動翼、静翼及び燃焼器等が高温にさらされる。ガスタービンの動翼、静翼及び燃焼器は、ガスタービンの運転中高温になる。このような部材を、以下、適宜高温部材という。高温部材には、ガスタービンの運転後に、割れ、減肉又は減耗等の傷を生じることがある。このような傷が修復できる程度のものであれば、高温部材の傷は補修される。そして、補修後の高温部材は再利用される。例えば、特許文献1には、ニッケル基合金ろう付材を用いて高温部材を補修することが記載されている。
特開2003−176727号公報
ろう付材を高温部材の傷に肉盛りすることによって傷を補修する場合、ろう付材の粉末とバインダ剤とを混合させたろう付用のペーストが用いられることが多い。この場合、例えば、次の(1)から(3)で示す各処理が行われる。
(1)補修対象の材料に対応した基材の粉末とろう材の粉末とバインダ剤とを混合し、ペースト状のろう付用ペーストを作製する。
(2)高温部材の傷の部分に作製したろう付用ペーストを塗布して固定する。
(3)熱処理を行い、ろう材の成分を溶融させてろう付を行う。
ろう付用のペーストを用いた肉盛りにおいては、熱処理時にバインダが揮発するために、ろう付材及び基材によって肉盛りされた部分の内部に空孔が生じる可能性がある。そして、熱処理において、溶融したろう材は前述した空孔に流れ込んで収縮するため、肉盛りされた部分の内部に割れ等の欠陥が生じる可能性がある。
本発明は、高温部材を補修するにあたって、補修した部分の欠陥を抑制することを目的とする。
本発明は、ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、補修対象の金属製の部材に対応した材料の粉末である第2粉末とを混合して作製されたろう付用粉末を溶射法によって前記部材の補修対象位置に積層し、前記ろう付用粉末が積層された後、積層された前記ろう付用粉末及び前記部材を熱処理する、部材の補修方法である。
この部材の補修方法は、バインダを用いないろう付用粉末を補修対象位置に溶射法で積層する。このため、バインダの揮発に起因した熱処理時の欠陥を低減できる。
前記第1粉末と前記第2粉末とは、メカニカルアロイング法で混合されることが好ましい。このようにすることで、第1粉末と第2粉末とが化合化されるので、溶射中に第1粉末と第2粉末との一方が脱落することを抑制できる。また、ろう付用粉末が積層された部分がエロージョンされる等の理由で未積層になることを抑制できる。
前記ろう付用粉末は、粒度が10μm以上45μm以下であることが好ましい。このようにすることで、ろう付用粉末の送給性の低下を抑制できるとともに、ろう付用粉末が噴射されるときの速度及び温度を適切にすることができる。
前記ろう付用粉末は、粒度が10μm以上25μm以下であることが好ましい。このようにすれば、補修対象である高温部材を補修する際の精度が向上する。
前記ろう付用粉末は、アスペクト比が1:1以上3:1以下であることが好ましい。このようにすることで、ろう付用粉末を溶射に用いる装置に供給する管及び噴射ノズルが、溶融したろう付用粉末で閉塞される可能性を低減でき、さらに、溶射時において、ろう付用粉末の噴射速度の低下を抑制できる。
前記ろう付用粉末は、アスペクト比が2:1以上3:1以下であることが好ましい。このようにすれば、溶射時においてろう付け用粉末が受ける抵抗を増加させることができるので、ろう付用粉末は加速しやすくなる。結果として、ろう付用粉末の噴射速度の低下は、さらに効果的に抑制される。
前記ろう付用粉末は、アスペクト比が1:1以上2:1以下であることが好ましい。このようにすれば、ろう付用粉末を溶射に用いる装置に供給する管及び噴射ノズルが、溶融したろう付用粉末で閉塞される可能性をさらに低減できるので、より安定した施工が実現できる。
前記溶射法は、コールドスプレー法であることが好ましい。このようにすることで、ろう付用粉末の酸化が抑制され、かつ緻密にろう付用粉末を補修対象の部材に積層できる。
本発明は、金属製の部材の補修対象位置にろう付用材料を、溶射法を用いて積層させることにより補修するために用いる前記ろう付用材料の粉末を製造するにあたり、ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、補修対象の金属製の部材に対応した材料の粉末である第2粉末とをメカニカルアロイング法によって混合する、補修用の粉末の製造方法である。この補修用の粉末の製造方法によれば、溶射法を用いて補修用の材料を部材の補修対象位置に積層する場合に適した粉末を製造できる。
前記粉末は、粒度が10μm以上45μm以下であることが好ましい。このようにすることで、溶射法を用いて部材を補修するにあたり、補修用の粉末の送給性が低下することを抑制できるとともに、補修用の粉末が噴射されるときの速度及び温度を適切にすることができる。
前記粉末は、アスペクト比が1:1以上3:1以下であることが好ましい。このようにすることで、溶射法を用いて部材を補修するにあたり、補修用の粉末を溶射に用いる装置に供給する管及び噴射ノズルが、溶融した補修用の粉末で閉塞される可能性を低減でき、さらに、溶射時において、補修用の粉末の噴射速度が低下することを抑制できる。
本発明は、高温部材を補修するにあたって、補修した部分の欠陥を抑制することができる。
図1は、傷を有する高温部材の一例を示す図である。 図2は、本実施形態に係る部材の補修方法の手順を示すフローチャートである。 図3は、本実施形態に係る部材の補修方法を説明するための図である。 図4は、本実施形態に係る部材の補修方法を説明するための図である。 図5は、本実施形態に係る部材の補修方法を説明するための図である。 図6は、本実施形態に係るろう付用粉末の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図7は、本実施形態に係るろう付用粉末の製造方法を説明するための図である。 図8は、本実施形態に係るろう付用粉末を示す模式図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る部材の補修方法(以下、適宜補修方法という)は、高温部材の傷を補修するにあたり、バインダ剤を用いないろう付用材料を溶射法で直接積層するものである。
図1は、傷を有する高温部材の一例を示す図である。本実施形態に係る補修方法は、ガスタービン等の機械に用いられる高温部材1の傷2を補修するために用いられる方法である。本実施形態に係る補修方法を実行する前に、図2に示す高温部材1の傷2が補修可能なものであるかが判断される。高温部材1の傷2が補修不可能である場合、高温部材1は廃棄される。高温部材1の傷2が補修可能である場合、本実施形態に係る補修方法によって傷が補修される。
図2は、本実施形態に係る部材の補修方法の手順を示すフローチャートである。図3から図5は、本実施形態に係る部材の補修方法を説明するための図である。本実施形態に係る補修方法を実行するにあたり、ステップS101において、補修対象の金属製の部材である高温部材1の傷2が除去された後、図2に示すように、補修対象位置に開先3が形成される。傷2は、例えば、砥石等を用いて研削されることにより除去される。傷2が除去された後の部分は、開先3になる。
次に、ステップS102に進み、開先3の露出している表面が洗浄される。洗浄には、開先3の脱脂も含まれる。次に、ステップS103に進み、図4に示すように、ろう付材料4が溶射法によって高温部材1の補修対象位置、すなわち開先3に直接積層される。ろう付材料4は、その粉末(以下、適宜ろう付用粉末)が溶射装置5によって開先3に積層される。本実施形態において、ろう付材料4は、ニッケル基合金である。ろう付材料4の種類及び組成は、特に限定されるものではなく、補修対象の高温部材1によって適宜変更することができる。
溶射法(Thermal Spraying Method)は、溶融又は半溶融状態の金属、合金等の細かい粒子を素材の表面に吹き付け、これを積層する方法である。本実施形態では、溶射法としてコールドスプレー法を用いた。コールドスプレー法は、ろう付材料4の酸化を抑制し、かつ緻密にろう付材料4を積層できるので好ましい。コールドスプレー法が用いられる場合、開先3の表面を粗面化する必要はないため、好ましい。コールドスプレー法は、粒子が高速で基材に衝突し、この粒子が塑性変形することにより基材にめり込むように密着するため、粗面化が不要になるという利点がある。
本実施形態において、例えば、ヘリウム又は窒素をコールドスプレー法に用いるガスとすることができる。溶射の条件としては、例えば、ガスの温度を600℃以上1000℃以下、ガスの圧力を2MPa以上5MP以下とすることができる。ガスの種類及び溶射の条件は、これらに限定されるものではない。
コールドスプレー法以外の溶射法が用いられる場合、溶射前に開先3の表面が粗面化されることが好ましい。このようにすることで、ろう付材料4と開先3の表面との密着性が向上する。粗面化には、例えば、ブラスト処理を用いることができる。
ステップS103が修了したら、ステップS104において、ろう付材料4が開先3に積層された高温部材1に対して熱処理が施される。この熱処理は、例えば、高温部材1及びろう付材料4を1080℃以上1270℃以下に2時間以上24時間以下保持した後、1120℃±10℃に2時間以上3時間以下保持し、その後、850℃±10℃に8時間以上24時間以下保持するものである。
高温部材1及びろう付材料4を1080℃以上1270℃以下に2時間以上24時間以下保持することにより、ろう付材料4を溶融させる。熱処理の温度を1080℃以上1270℃以下とすることにより、高温部材1の溶融を回避しつつ、ろう付材料4中に毛細管現象による液相を生じさせることができる。
1120℃±10℃に2時間以上3時間以下保持するのは、高温部材1中に存在するγ’相(NiAl金属間化合物)を固溶させるためである。このような温度範囲とすることにより、γ’相を固溶させ、かつ初期溶融の発生を抑制することにより、ろう付材料4の各合金成分を母相中に十分に拡散させることができる。850℃±10℃に8時間以上24時間以下保持するのは、ろう付材料4の母相中におけるγ’相の析出状態を均一かつ微細にするとともに、合金組成に見合ったγ’相を析出させるためである。
熱処理が終了したら、ステップS105に進み、図4に示すろう付材料4の余盛部6が除去される。余盛部6は、例えば、研削によって除去される。余盛部6が除去されることによって、図5に示すように、高温部材1の傷2の補修が終了する。すなわち、本実施形態に係る補修方法は終了する。次に、ろう付用粉末及びその製造方法を説明する。
(ろう付用粉末)
ろう付用粉末は、高温部材1の傷2の補修に用いられる金属の粉末(補修用粉末)である。図4等に示すろう付材料4はNi基の合金である。本実施形態において、ろう付用粉末は、ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、高温部材1に対応した材料の粉末である第2粉末とを混合して作製される。第1粉末には、ホウ素(B)が含まれている。ホウ素により、第1粉末は、融点が1200℃以下に低下している。第1粉末及び第2粉末の組成の一例を表1に示す。これらの組成は、表1に示すものに限定されない。第2粉末は、補修対象の部材、本実施形態では高温部材1に用いられている材料と同等の材料である。
Figure 2015074795
図6は、本実施形態に係るろう付用粉末の製造方法の一例を示すフローチャートである。図7は、本実施形態に係るろう付用粉末の製造方法を説明するための図である。図8は、本実施形態に係るろう付用粉末を示す模式図である。本実施形態に係るろう付用粉末の製造方法を実行するにあたり、ステップS201において、図7に示す第1粉末10と第2粉末11とが混合される。この段階では、第1粉末10と第2粉末11とは、単に混ぜ合わされるだけである。
次に、ステップS202に進み、メカニカルアロイング(MA)法によって第1粉末10と第2粉末11とが混合されて、ろう付用粉末12が得られる。この処理によって、第1粉末10と第2粉末11とが化合化される。メカニカルアロイング法は、金属に機械的な力を与えることで、金属を溶融させずに合金を作製する方法である。メカニカルアロイング法は、化合化させる粉末、本実施形態では第1粉末10及び第2粉末11と硬質のメディア球を容器に入れて、この容器内に備えた攪拌機を所定の時間回転させる。このような処理により、メカニカルアロイング法は、第1粉末10及び第2粉末とメディア球とを衝突させ、機械的に化合化させる。メカニカルアロイング法により、第1粉末10と第2粉末11とは機械的な折りたたみと圧延とが繰り返されて、超微細組織が形成される。
メディア球は、例えば、SUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)等が用いられる。メカニカルアロイング法を用いるにあたり、ろう付用粉末12の仕様を満たすように、主として加工時間と攪拌機の回転速度とが調整される。
本実施形態において、ろう付用粉末12の粒度は、10μm以上45μm以下である。また、アスペクト比が1:1以上1:3以下、すなわち1以上3以下である。アスペクト比は、図8に示すように、ろう付用粉末12の長径の寸法Dnと短径の寸法Dsとの比Dn:Dsである。アスペクト比は、例えば、ろう付用粉末12の顕微鏡写真から長径の寸法Dnと短径の寸法Dsとを計測して求められる。ろう付用粉末12の長径は、ろう付用粉末12の最も長い部分であり、短径は、ろう付用粉末12の最も短い部分である。本実施形態において、ろう付用粉末12の粒度は、レーザトラッカー(レーザ回析式粒度分布測定)を用いて計測した。
ろう付用粉末12の粒度を10μm以上とすることにより、ろう付用粉末12の熱容量を適切な大きさとすることができる。その結果、溶射時においては、ろう付用粉末12を供給する供給管又は噴出ノズルの内壁に溶融したろう付用粉末12が付着する可能性を低減できるので、供給管及び噴射ノズルを閉塞させる可能性を低減できる。また、ろう付用粉末12の粒度を45μm以下とすることにより、ろう付用粉末12が噴射されるときの速度及び温度を適切にすることができるので、補修対象位置にろう付材料4を確実に積層させるとともに、積層したろう付材料4の欠陥も抑制できる。ろう付用粉末12は、粒度を10μm以上25μm以下とすると、補修対象である高温部材を補修する際の精度が向上するのでより好ましい。
ろう付用粉末12のアスペクト比を1:1以上1:3以下とすることにより、ろう付用粉末12と供給管及び噴射ノズルの内壁との接触抵抗の増加を抑制できる。その結果、供給管及び噴射ノズルを閉塞させる可能性を低減でき、さらに、ろう付用粉末12の噴射速度の低下を抑制できる。アスペクト比は、例えば、攪拌機の回転速度を調整することにより前述の範囲に調整することができる。
ろう付用粉末12は、アスペクト比が2:1以上3:1以下であることが好ましい。このようにすれば、溶射時においてろう付け用粉末12が受ける抵抗を増加させることができるので、ろう付用粉末12は加速しやすくなる。結果として、ろう付用粉末の噴射速度の低下が、さらに効果的に抑制される。また、ろう付用粉末12は、アスペクト比が1:1以上2:1以下であると好ましい。このようにすれば、ろう付用粉末12を溶射に用いる装置に供給する管及び噴射ノズルが、溶融したろう付用粉末で閉塞される可能性をさらに低減できるので、より安定した施工が実現できる。
メカニカルアロイング法によりろう付用粉末12が得られたら、ステップS203において、ろう付用粉末12が前述した範囲に調整される。例えば、メッシュの大きさが45μmの篩いで、得られたろう付用粉末12の粒度を45μm以下にする。その後、メッシュの大きさが10μmの篩でろう付用粉末12の粒度を10μm以上45μm以下とする。10μm以下の粉末は、篩ではなく、気流分級で除去する。このようにして、粒度が10μm以上45μm以下にされたろう付用粉末12を得ることができる。
本実施形態においては、メカニカルアロイング法によって第1粉末10と第2粉末11とを混合及び化合化してろう付用粉末12を作製したが、ろう付用粉末12は、メカニカルアロイング法以外の方法で混合されてもよい。第1粉末10と第2粉末11とは、ポットミル等で単純に混合されてもよい。この場合、得られたろう付用粉末12は化合化されていない。このようにして得られた第1粉末10と第2粉末11との混合粉末の粒度が、前述した範囲に調整されることにより、ろう付用粉末12が得られる。
ポットミル等で第1粉末10と第2粉末11とを単純に混合することにより、メディア球が第1粉末10と第2粉末11とに衝突しないので、これらの変形は抑制される。このため、ろう付用粉末12のアスペクト比は1:1に近くなる。すると、溶射時において、ろう付用粉末12の送給性が向上する。その結果、供給管及び噴射ノズルが閉塞する可能性が低減されるので、溶射に用いられる装置のメンテナンスコストが低減される。さらに、ろう付用粉末12の噴射速度の低下も抑制できる。
本実施形態は、本実施形態に係る補修方法は、バインダを含まないろう付用粉末12を溶射法によって積層する。このため、本実施形態に係る補修方法は、バインダの揮発に起因した熱処理時の欠陥を低減できるとともに、ろう付ペースト材を塗布する時間の低減効果が得られる。また、本実施形態に係る補修方法は、ろう付材料4が積層された部分に、バインダに起因した欠陥が発生することを抑制できるので、高温部材1の補修対象位置に積層されたろう付材料4の強度が向上する。
また、本実施形態に係る補修方法は、溶射法によってろう付材料4が積層された際に、割れ又は空孔等の微小な欠陥が積層部に存在しても、熱処理時に液化したろう材が浸透し、欠陥部が修復される。さらに、ろう付用粉末の作製にメカニカルアロイング法を用いれば、溶射中に第1粉末10と第2粉末11とのうち一方が脱落したり、ろう付材料4が積層された部分がエロージョンされる等の理由で未積層になったりすることを抑制できる。
本実施形態において、補修対象である高温部材1は、ガスタービンの動翼、静翼及び燃焼器のような部材を例としたが、高温部材1はガスタービンが備える部材に限定されない。例えば、蒸気タービンが備える部材のうち、高温にさらされるものを本実施形態に係る補修方法の対象としてもよい。
以上、本実施形態について説明したが、前述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、前述した本実施形態の構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換及び変更を行うことができる。
1 高温部材
2 傷
3 開先
4 ろう付材料
5 溶射装置
6 余盛部
10 第1粉末
11 第2粉末
12 ろう付用粉末

Claims (11)

  1. ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、補修対象の金属製の部材に対応した材料の粉末である第2粉末とを混合して作製されたろう付用粉末を溶射法によって前記部材の補修対象位置に積層し、
    前記ろう付用粉末が積層された後、積層された前記ろう付用粉末及び前記部材を熱処理する、
    部材の補修方法。
  2. 前記第1粉末と前記第2粉末とは、メカニカルアロイング法で混合される、請求項1に記載の部材の補修方法。
  3. 前記ろう付用粉末は、粒度が10μm以上45μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の部材の補修方法。
  4. 前記ろう付用粉末は、粒度が10μm以上25μm以下である、請求項1又は請求項2に記載の部材の補修方法。
  5. 前記ろう付用粉末は、アスペクト比が1:1以上3:1以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の部材の補修方法。
  6. 前記ろう付用粉末は、アスペクト比が2:1以上3:1以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の部材の補修方法。
  7. 前記ろう付用粉末は、アスペクト比が1:1以上2:1以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の部材の補修方法。
  8. 前記溶射法は、コールドスプレー法である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の部材の補修方法。
  9. 金属製の部材の補修対象位置にろう付用材料を、溶射法を用いて積層させることにより補修するために用いる前記ろう付用材料の粉末を製造するにあたり、
    ろう付に用いられる材料の粉末である第1粉末と、補修対象の金属製の部材に対応した材料の粉末である第2粉末とをメカニカルアロイング法によって混合する、補修用の粉末の製造方法。
  10. 前記粉末は、粒度が10μm以上45μm以下である、請求項9に記載の補修用の粉末の製造方法。
  11. 前記粉末は、アスペクト比が1:1以上3:1以下である、請求項9又は請求項10に記載の補修用の粉末の製造方法。
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