JP2015073086A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】LEDチップと実装基板との間の熱抵抗の低減を図ることが可能な発光装置を提供する。
【解決手段】実装基板2aは、第1導体部21、第2導体部22を備える。LEDチップ1aは、第1電極14と、第2電極15と、を備える。発光装置B1は、第2導電型半導体層12の表面12a側と第2導体部22の表面22a側との一方から他方側へ突出して他方側に接し、第2電極15の外周に沿って位置した突起構造部16を備え、第1電極14と第1導体部21とが第1接合部31により接合され、第2接合部32が、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成されている。発光装置B1は、第1電極14と第2電極15との間隔L1よりも第1導体部21と第2導体部22との間隔L2が広い。
【選択図】図1

Description

本発明は、LEDチップ(light emitting diode chip)を備えた発光装置に関するものである。
発光装置としては、例えば、図29に示す構成を有する発光装置100が知られている(特許文献1)。
発光装置100は、LEDチップ101と、LEDチップ101が実装された実装基板102と、を備えている。
LEDチップ101は、透光性基板111の一表面側に、n型窒化物半導体層112と窒化物発光層113とp型窒化物半導体層114との積層構造を有している。LEDチップ101は、p型窒化物半導体層114における窒化物発光層113側とは反対側にアノード電極107が形成されている。また、LEDチップ101は、n型窒化物半導体層112における窒化物発光層113の積層側にカソード電極108が形成されている。
実装基板102は、絶縁性基板121の一表面側に、導体パターン127、128が形成されている。LEDチップ101は、アノード電極107が複数個のバンプ137を介して導体パターン127と接合されている。また、LEDチップ101は、カソード電極108が1個のバンプ138を介して導体パターン128と接合されている。
また、発光装置としては、例えば、図30に示す構成を有するLED装置(半導体発光装置)210が知られている(特許文献2)。
LED装置210は、回路基板212と、回路基板212にフリップチップ実装したLED素子213と、を備えている。
回路基板212は、板材216上に、−電極214(第1電極)と+電極215(第2電極)が形成されている。
LED素子213は、サファイア基板225、n型半導体層221(第1半導体層)、発光層(図示せず)及びp型半導体層222(第2半導体層)を備えている。また、LED素子213は、n型半導体層221に接続されたn側バンプ223(第1バンプ)と、p型半導体層222に接続されたp側バンプ224(第2バンプ)と、を備えている。n側バンプ223は、p側バンプ224よりも平面積が小さい。n側バンプ223及びp側バンプ224は、Auバンプ部と、金錫共晶層と、で構成されている。n側バンプ223及びp側バンプ224は、厚さが10〜15μmである。金錫共晶層の厚さは、2〜3μmである。n側バンプ223とp側バンプ224それぞれの下面の間には、p型半導体層222の厚さに相当する約1μmの段差がある。
LED素子213のn側バンプ223、p側バンプ224は、回路基板212の−電極214、+電極215にそれぞれ接続してある。回路基板212は、−電極214におけるn側バンプ223の接続領域に、補正膜217が形成されている。補正膜217は、上述の段差と略等しい厚さ(略1μm)に形成されている。
LED装置210は、補正膜217を備えていることにより、p側バンプ224の接続領域からはみ出す金錫合金を少なくできる。また、LED装置210は、LED素子213を回路基板212に実装する接合工程において、p側バンプ224を無理に押しつぶす必要がないので、補正膜217を備えていない場合に比べて、接合工程における加圧を小さくできるという利点がある。
特開2010−199247号公報 特開2011−204838号公報
発光装置の分野においては、放熱性の向上による信頼性の向上が望まれている。
これに対し、発光装置100では、LEDチップ101と実装基板102との間の熱抵抗の更なる低減が難しい。
また、LED装置210は、製造時に、接合工程において、回路基板212とLED素子213とを位置合わせしてから、LED素子213側から加圧するとともに、回路基板212側からの加熱により、n側バンプ223及びp側バンプ224それぞれの金錫共晶層を溶融させる必要がある。このため、LED装置210は、n側バンプ223及びp側バンプ224それぞれの厚みがばらつきやすく、熱抵抗がばらつきやすい。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、LEDチップと実装基板との間の熱抵抗の低減を図ることが可能な発光装置を提供することにある。
本発明の発光装置は、実装基板と、前記実装基板に実装されたLEDチップと、を備え、前記実装基板は、支持体と、前記支持体に支持され前記LEDチップが電気的に接続される第1導体部、第2導体部と、を備え、前記LEDチップは、基板と、前記基板の第1面側に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側に形成された第2導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側の露出した表面上に形成された第1電極と、前記第2導電型半導体層の表面上に形成された第2電極と、を備え、前記第2導電型半導体層の前記表面側と前記第2導体部の表面側との少なくともいずれか一方から他方側へ突出して前記他方側に接し、前記第2電極の外周に沿って位置した突起構造部を備え、前記第1電極と前記第1導体部とが、はんだにより形成された第1接合部により接合され、前記第2電極と前記第2導体部とが、はんだにより形成された第2接合部により接合され、前記第2接合部は、前記第2電極と前記突起構造部と前記第2導体部とで囲まれた空間を満たすように形成されており、前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広いことを特徴とする。
この発光装置において、前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広くなるように、前記第2導体部における前記第1導体部側の端を前記第2電極における前記第1電極側の端よりも後退させてあるのが好ましい。
この発光装置において、前記突起構造部は、前記LEDチップにおける前記第2電極の外周に沿って形成され、前記第2導電型半導体層の前記表面側で、前記LEDチップにおける、前記突起構造部の周辺よりも突出していることが好ましい。
この発光装置において、前記LEDチップは、前記第2電極が前記第1電極よりも大きく、前記突起構造部は、前記第2電極の外周の全周に亘って形成されていることが好ましい。
この発光装置において、前記実装基板は、前記第1導体部及び前記第2導体部の厚さが、前記第2電極と前記第2導体部との間隔よりも大きいことが好ましい。
この発光装置において、前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記第2電極が前記第2導電型半導体層の前記表面と前記絶縁膜の表面とに跨って形成され、前記第2電極のうち中央部よりも前記第2導電型半導体層から離れる向きに突出した外周部が、前記突起構造部を兼ねていることが好ましい。
この発光装置において、前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記絶縁膜が、前記突起構造部を兼ねていることが好ましい。
この発光装置において、前記第2接合部は、はんだにより形成された部分に加えて前記第2導体部の前記表面上に形成されたバリア層を含んでおり、前記バリア層は、拡散バリアの機能を有し、前記第2接合部は、前記バリア層が、前記突起構造部の内側で前記突起構造部から離れて形成されており、はんだにより形成された部分が、前記第2導体部の前記表面のうち前記バリア層が形成されていない部位と前記バリア層の前記表面及び側面とを覆うように形成されていることが好ましい。
この発光装置において、前記突起構造部で囲まれた前記第2導体部の前記表面は、はんだにより形成された部分に接している面積が、前記バリア層に接している面積よりも大きいことが好ましい。
この発光装置において、前記第1接合部を形成するはんだ及び前記第2接合部を形成するはんだは、AuSnであることが好ましい。
本発明の発光装置は、前記第2導電型半導体層の前記表面側と前記第2導体部の表面側との少なくともいずれか一方から他方側へ突出して前記他方側に接し、前記第2電極の外周に沿って位置した突起構造部を備え、前記第1電極と前記第1導体部とが、はんだにより形成された第1接合部により接合され、前記第2電極と前記第2導体部とが、はんだにより形成された第2接合部により接合され、前記第2接合部は、前記第2電極と前記突起構造部と前記第2導体部とで囲まれた空間を満たすように形成されているので、LEDチップと実装基板との間の熱抵抗の低減を図ることが可能となる。
図1は、実施形態1の発光装置の要部概略断面図である。 図2は、実施形態1の発光装置の要部概略平面図である。 図3は、実施形態1の発光装置におけるLEDチップの概略平面図である。 図4は、実施形態1の発光装置の製造方法の説明図である。 図5は、実施形態1の発光装置の製造方法の説明図である。 図6は、実施形態1の発光装置の製造方法の説明図である。 図7は、実施形態1の発光装置の製造方法の説明図である。 図8は、実施形態1の発光装置の第2変形例の要部概略平面図である。 図9は、実施形態1の発光装置の第2変形例におけるLEDチップの概略平面図である。 図10は、実施形態1の発光装置の第2変形例の製造方法の説明図である。 図11は、実施形態1の発光装置の第3変形例におけるLEDチップの概略平面図である。 図12は、実施形態2の発光装置の要部概略断面図である。 図13は、実施形態2の発光装置の要部概略平面図である。 図14は、実施形態2の発光装置におけるLEDチップの概略平面図である。 図15は、実施形態2の発光装置の製造方法の説明図である。 図16は、実施形態2の発光装置の製造方法の説明図である。 図17は、実施形態2の発光装置の製造方法の説明図である。 図18は、実施形態2の発光装置の製造方法の説明図である。 図19は、実施形態2の発光装置の第1変形例の要部概略平面図である。 図20は、実施形態2の発光装置の第1変形例におけるLEDチップの概略平面図である。 図21は、実施形態2の発光装置の第1変形例の製造方法の説明図である。 図22は、実施形態2の発光装置の第2変形例の製造方法の説明図である。 図23は、実施形態2の発光装置の第2変形例におけるLEDチップの概略平面図である。 図24は、実施形態2の発光装置の第3変形例の要部概略断面図である。 図25は、実施形態2の発光装置の第4変形例の要部概略断面図である。 図26は、実施形態2の発光装置の第5変形例の要部概略断面図である。 図27は、実施形態2の発光装置の第6変形例の要部概略断面図である。 図28は、実施形態2の発光装置の第6変形例の製造方法の説明図である。 図29は、従来例の発光装置の概略断面図である。 図30は、従来例のLED装置の概略断面図である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の発光装置B1について、図1〜6に基づいて説明する。なお、図1は、図2のX−X断面に対応する模式的な概略断面図である。
発光装置B1は、実装基板2aと、実装基板2aに実装されたLEDチップ1aと、を備える。実装基板2aは、支持体20と、支持体20に支持されLEDチップ1aが電気的に接続される第1導体部21、第2導体部22と、を備える。LEDチップ1aは、基板10と、基板10の第1面10a側に形成された第1導電型半導体層11と、第1導電型半導体層11における基板10側とは反対側に形成された第2導電型半導体層12と、第1導電型半導体層11における基板10側とは反対側の露出した表面11a上に形成された第1電極14と、第2導電型半導体層12の表面12a上に形成された第2電極15と、を備える。また、発光装置B1は、第2導電型半導体層12の表面12a側と第2導体部22の表面22a側との一方から他方側へ突出して他方側に接し、第2電極15の外周に沿って位置した突起構造部16を備える。また、発光装置B1は、第1電極14と第1導体部21とが、はんだにより形成された第1接合部31により接合され、第2電極15と第2導体部22とが、はんだにより形成された第2接合部32により接合されている。第2接合部32は、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成されている。よって、発光装置B1は、第1接合部31及び第2接合部32それぞれをより薄くすることが可能となり、且つ、第1接合部31及び第2接合部32それぞれが第1導体部21及び第2導体部22それぞれと面で接合することが可能となる。これにより、発光装置B1は、LEDチップ1aと実装基板2aとの間の熱抵抗の低減を図ることが可能となる。更に、発光装置B1は、突起構造部16による第2接合部32の厚み管理が可能なため、熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能となる。要するに、発光装置B1は、その製品ごとの熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能となる。これにより、発光装置B1は、放熱性の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
突起構造部16は、LEDチップ1aにおける第2電極15の外周に沿って形成され、第2導電型半導体層12の表面12a側で、LEDチップ1aにおける、突起構造部16の周辺よりも突出していることが好ましい。これにより、発光装置B1は、突起構造部16が第2導体部22の表面22aに接し、第2接合部32が、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成された構成とすることができる。
第1接合部31を形成するはんだ及び第2接合部32を形成するはんだは、AuSnであるのが好ましい。これにより、発光装置B1は、第1接合部31を形成するはんだ及び第2接合部32を形成するはんだとして、例えば、AuSn以外の鉛フリーはんだ(lead-free solder)の一種であるSnCuAgを採用する場合に比べて、耐熱性の向上が可能となる。よって、発光装置B1は、例えば、プリント配線板等に2次実装する場合、2次実装の際に第1接合部31及び第2接合部32が再溶融するのを抑制することが可能となる。
第1接合部31を形成するはんだ及び第2接合部32を形成するはんだは、AuSnに限らず、例えば、AuSn、SnAgCu、AuGe、AuSi、PbSn等でもよい。
本明細書では、説明の便宜上、発光装置B1の製造方法について説明した後、発光装置B1の各構成要素について詳述する。
本実施形態の発光装置B1の製造方法では、まず、LEDチップ1aと、実装基板2aと、を準備した後、第1工程、第2工程を順次行う。
第1工程では、図4、5に示すように、実装基板2aの第1導体部21の表面21a側、第2導体部22の表面22a側に、第1接合部31、第2接合部32それぞれの元になる第1はんだ層41、第2はんだ層42を形成する。第1はんだ層41及び第2はんだ層42の材料であるはんだとしては、例えば、AuSnを採用することができる。第1はんだ層41及び第2はんだ層42は、例えば、蒸着法やめっき法等により形成することができる。第1工程では、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さを同じ値に設定してある。第1はんだ層41の表面41aの面積は、第1電極14の表面14a(図3参照)の面積よりも小さく設定してある。また、第2はんだ層42の表面42aの面積は、第2電極15の表面15a(図3参照)の面積よりも小さく設定してある。第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、LEDチップ1aの突起構造部16の突出量H1(図6参照)と、LEDチップ1aの厚み方向における第2電極15と第1電極14との段差H2(図6参照)と、の合計(H1+H2)よりも所定厚さ(α)だけ大きくなるように設定する。つまり、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、H1+H2+αとする。例えば、H1=1μm、H2=1μmの場合、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、3μm程度に設定すればよい。この場合、αは、1μmである。これらの数値は、一例であり、LEDチップ1aの構造等に基づいて適宜設定すればよく、特に限定するものではない。第1はんだ層41、第2はんだ層42は、実装基板2aのうち第1電極14、第2電極15それぞれに対向させる領域の中央部に形成するのが好ましい。第2はんだ層42は、突起構造部16の垂直投影領域よりも内側で、この垂直投影領域から離れて位置するように、第2導体部22の表面22a上に配置する。突起構造部16の垂直投影領域とは、突起構造部16の厚さ方向への投影領域を意味する。
第1はんだ層41及び第2はんだ層42は、AuSnの場合、共晶組成(70at%Au、30at%Sn)よりもAuの組成比が小さく例えば300℃以上400℃未満の温度で溶融する組成(例えば、60at%Au、40at%Sn)のAuSnが好ましい。第1はんだ層41及び第2はんだ層42は、AuSnに限らず、実装基板2a及びLEDチップ1aの融点よりも低いはんだにより形成する。
第1工程では、第1導体部21、第2導体部22と第1はんだ層41、第2はんだ層42との間に、第1バリア層51、第2バリア層52をそれぞれ形成するのが好ましい。第1バリア層51、第2バリア層52は、第1はんだ層41、第2はんだ層42と第1導体部21、第2導体部22との間での金属(例えば、Sn等)の拡散に起因してAuSnの組成が変動するのを抑制する拡散バリアの機能を有する層である。第1バリア層51及び第2バリア層52の材料としては、例えば、Ptを採用することができるが、これに限らず、Pd等を採用することもできる。第1工程では、第1バリア層51及び第2バリア層52の厚さを同じ値に設定してある。第1バリア層51及び第2バリア層52の厚さは、例えば、0.2μm程度に設定するのが好ましい。第1バリア層51及び第2バリア層52は、例えば、蒸着法やめっき法等により形成することができる。
また、第1工程では、第1はんだ層41、第2はんだ層42上に、第1Au層61、第2Au層62をそれぞれ形成するのが好ましい。図5では、第1Au層61及び第2Au層62の図示を省略してある。第1Au層61、第2Au層62は、第1はんだ層41、第2はんだ層42のSnの酸化を抑制するために設ける層である。第1Au層61及び第2Au層62の厚さは、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さに比べて十分に薄いのが好ましく、例えば、0.1μm以下が好ましい。第1Au層61及び第2Au層62の厚さは、第1はんだ層41、第2はんだ層42が溶融したときに、第1はんだ層41、第2はんだ層42へAuが熱拡散され、第1導体部21、第2導体部22と第1電極14、第2電極15との接合が行われるように設定する必要がある。第1Au層61及び第2Au層62の厚さは、例えば、0.05μm〜0.1μm程度の範囲で設定するのが好ましい。第1Au層61及び第2Au層62は、例えば、蒸着法やめっき法等により形成することができる。以下では、第1バリア層51と第1はんだ層41と第1Au層61との積層膜を第1接合用層71と称し、第2バリア層52と第2はんだ層42と第2Au層62との積層膜を第2接合用層72と称する。なお、第1接合用層71は、少なくとも第1はんだ層41を備えていればよく、積層膜に限らず、単層膜でもよい。また、第2接合用層72は、少なくとも第2はんだ層42を備えていればよく、積層膜に限らず、単層膜でもよい。
第2工程では、第1ステップ、第2ステップを順次行う。なお、第2工程では、図示しないダイボンド装置を利用する。ダイボンド装置は、例えば、LEDチップ1aを吸着保持することができる吸着保持具と、実装基板2aを載置するステージと、ステージに設けられ実装基板2aを加熱可能な第1ヒータと、吸着保持具又は吸着保持具を保持するホルダのいずれかに装着された第2ヒータと、を備えた構成のものが好ましい。吸着保持具としては、コレット(collet)等がある。
第1ステップでは、図6に示すように、LEDチップ1aと実装基板2aとを対向させる。LEDチップ1aと実装基板2aとを対向させるとは、LEDチップ1aの第1電極14、第2電極15と実装基板2aの第1導体部21、第2導体部22とがそれぞれ対向するように、LEDチップ1aと実装基板2aとを対向させることを意味する。
この第1ステップでは、吸着保持具により吸着保持したLEDチップ1aにおける第1電極14、第2電極15と実装基板2aの第1導体部21、第2導体部22とを対向させる。
第2ステップでは、LEDチップ1aの第1電極14、第2電極15と実装基板2aの第1導体部21、第2導体部22とを、はんだにより形成された第1接合部31、はんだにより形成された第2接合部32により接合する。第1接合部31は、はんだのみにより形成される場合に限らず、はんだにより形成された部分に加えて第1バリア層51を含んでいてもよい。また、第2接合部32は、はんだのみにより形成される場合に限らず、はんだにより形成された部分に加えて第2バリア層52を含んでいてもよい。
上述の第2ステップでは、LEDチップ1aの第1電極14、第2電極15と実装基板2a上の第1接合用層71、第2接合用層72とが接触するように重ね合わせた状態で、適宜の加熱及び加圧を行いながら第1はんだ層41及び第2はんだ層42を溶融させる。第1はんだ層41が溶融すると、溶融したはんだに、第1Au層61からAuが拡散し、溶融したはんだにおけるAuの組成比が増加する。また、第2はんだ層42が溶融すると、溶融したはんだに、第2Au層62からAuが拡散し、溶融したはんだにおけるAuの組成比が増加する。
第2ステップでは、上述のように第1はんだ層41及び第2はんだ層42を溶融させてから、突起構造部16が第2導体部22に接するように、LEDチップ1a側から加圧することで、溶融したはんだを押し下げて横方向に広げて空間3にはんだを満たしてから、冷却凝固させる。
第2ステップでは、第1ヒータによる実装基板2aの加熱だけでもよいし、コレット又はコレットを保持するホルダに装着された第2ヒータによるLEDチップ1aの加熱を行うようにしてもよい。第2ステップでは、実装基板2aとLEDチップ1aとの接合性を考えると、第1ヒータ及び第2ヒータ両方からの加熱を行うのが好ましい。また、第2ステップでは、適宜の荷重を印加することで加圧を行う。荷重は、例えば、1個のLEDチップ1aに対して、0.1〜1kg/cm程度の範囲で設定するのが好ましい。また、荷重を印加する時間は、例えば、0.1〜1秒程度の範囲で設定するのが好ましい。第2ステップは、Nガス雰囲気中や真空雰囲気中で行うのが好ましい。
第1はんだ層41及び第2はんだ層42の溶融温度は、LEDチップ1aの耐熱温度よりも低いのが好ましい。第1はんだ層41及び第2はんだ層42の溶融温度をより低くする上では、Auの組成比が共晶組成付近の組成比であるほうがよく、例えばAuの組成比が68at%〜69at%であれば溶融温度が300℃以下となる。第1はんだ層41及び第2はんだ層42を400℃以下で溶融させるには、第1はんだ層41を形成するはんだ及び第2はんだ層42を形成するはんだがAuSnの場合、例えば、Auの組成比を56at%以上70at%未満とすればよい。
ところで、第1工程で形成する第2接合用層72の体積は、第2接合部32を形成するはんだが空間3から出ないように、空間3の容積と等しくなるように設定するのが好ましい。
発光装置B1の製造方法では、第1はんだ層41及び第2はんだ層42それぞれが溶融した状態でLEDチップ1aの突起構造部16が第2導体部22の表面22aに接するように、溶融したはんだを押し下げてLEDチップ1aと実装基板2aとを接合する。よって、発光装置B1の製造方法では、第1電極14と第1導体部21とが未接合となるのを抑制することが可能となる。
また、発光装置B1の製造方法では、突起構造部16が第2導体部22に接し、第1電極14と第1導体部21とが、はんだにより形成された第1接合部31により接合され、第2電極15と第2導体部22とが、はんだにより形成された第2接合部32により接合される。これにより、発光装置B1の製造方法では、第2接合部32が、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成された構成、とすることが可能となる。発光装置B1の製造方法では、第2接合用層72の溶融したはんだを押し下げて横方向に広げたときに、突起構造部16が、溶融したはんだの、LEDチップ1aの表面に沿った流動を抑制するので、第1電極14と第2電極15とのはんだによる短絡の発生を抑制可能となる。しかも、発光装置B1の製造方法では、LEDチップ1aと実装基板2aとの間の熱抵抗の低減を図ることが可能で且つ熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能な発光装置B1を製造することが可能となる。
発光装置B1の製造方法では、第1電極14の面積に比べて第2電極15の面積が大きい場合、第1接合部31よりも第2接合部32に不安定な広がりが発生しやすくなる懸念がある。このため、発光装置B1の製造方法では、第2接合用層72を所定のパターンに形成するのが好ましい。第2接合用層72のパターンとしては、第2電極15の平面形状により適宜変更すればよいが、例えば図5や図7に示すように、気泡を取り込みにくくする放射状の形状とするのが好ましい。これにより、発光装置B1の製造方法では、第2ステップにおいて溶融したはんだを押し下げて広げるときに広がりを安定化することが可能となり、第2接合部32にボイドが発生するのを抑制することが可能となる。
ところで、発光装置B1の製造方法では、突起構造部16の先端面の全面を第2導体部22の表面22aと接するように荷重を印加するのが好ましい。しかしながら、発光装置B1の製造方法では、突起構造部16の先端面の平面度と、第2導体部22の表面22aの平面度との違いに起因して、突起構造部16の先端面の全面を第2導体部22の表面22aと接するようにするのが難しいこともある。この場合には、突起構造部16の先端面の一部が第2導体部22の表面22aと接し、突起構造部16の先端面の残りの部分と第2導体部22の表面22aとの間に製造時に浸み込んで固まったはんだからなる、薄いはんだ層が残ることもある。要するに、発光装置B1は、実装基板2aに対するLEDチップ1aの平行度が所望の範囲であれば、突起構造部16が部分的に、第2導体部22の表面22aに接する構成でもよい。発光装置B1の製造方法では、第2ステップで印加する荷重をより大きくすれば、突起構造部16の先端面の平面度と、第2導体部22の表面22aの平面度との差を低減可能となり、突起構造部16と第2導体部22との接触面積を大きくすることが可能となる。また、発光装置B1の製造方法では、突起構造部16が例えば金属等により形成されている場合、第2ステップで印加する荷重を大きくすれば、突起構造部16を圧縮するように変形させることも可能となり、突起構造部16と第2導体部22との接触面積を大きくすることが可能となる。
発光装置B1の製造方法では、上述のように、第1工程において、第1はんだ層41、第2はんだ層42上に、第1Au層61、第2Au層62をそれぞれ形成するのが好ましい。これにより、発光装置B1の製造方法では、第2工程の前に第1はんだ層41及び第2はんだ層42のSnが酸化するのを抑制することが可能となり、LEDチップ1aと実装基板2aとの接合性を向上させることが可能となる。接合性は、例えば、ダイシェア強度(die shear strength)により評価することができる。ダイシェア強度は、実装基板2aに接合されたダイ(die)であるLEDチップ1aを接合面に平行に押し剥がすために必要な力である。ダイシェア強度は、例えば、ダイシェアテスタ(die shear tester)等により測定することができる。
発光装置B1の製造方法では、第1工程において、上述のように、第1接合用層71及び第2接合用層72を実装基板2a側に形成するのが好ましい。これにより、発光装置B1の製造方法では、第1接合用層71及び第2接合用層72をLEDチップ1a側に形成する場合に比べて、製造が容易になる。
発光装置B1の各構成要素については、以下に詳細に説明する。
実装基板2aは、LEDチップ1aを実装する基板である。「実装する」とは、LEDチップ1aを配置して機械的に接続すること及び電気的に接続することを含む概念である。このため、実装基板2aは、LEDチップ1aを機械的に保持する機能と、LEDチップ1aへ給電するための配線を形成する機能と、を備えている。実装基板2aは、配線として、第1導体部21及び第2導体部22を備えている。実装基板2aは、1個のLEDチップ1aを実装できるように構成されている。実装基板2aは、実装可能なLEDチップ1aの個数を特に限定するものではなく、例えば、複数個のLEDチップ1aを実装可能に構成されていてもよい。発光装置B1は、複数個のLEDチップ1aが直列接続された構成を有してもよいし、並列接続された構成を有してもよいし、直並列接続された構成を有してもよい。
実装基板2aは、第1導体部21の表面21aと第2導体部22の表面22aとが一平面上に揃うように構成されている。
支持体20は、第1導体部21及び第2導体部22を支持する機能と、且つ、第1導体部21と第2導体部22とを電気的に絶縁する機能と、を備えている。また、支持体20は、LEDチップ1aで発生する熱を効率良く外部に伝えるためのヒートシンク(heat sink)としての機能を備えているのが好ましい。このため、支持体20は、熱伝導性が高い材料により形成されているのが好ましい。支持体20は、例えば、窒化アルミニウム基板により構成することができる。支持体20は、窒化アルミニウム基板に限らず、例えば、サファイア基板や、炭化ケイ素基板等により構成してもよい。また、支持体20は、例えば、シリコン基板の表面に電気絶縁層を形成した構成としてもよいし、金属板の表面に適宜の材料からなる電気絶縁層を形成した構成としてもよい。金属板の材料は、熱伝導率の高い金属が好ましい。金属板の材料は、例えば、銅、アルミニウム、銀、鉄、アルミニウム合金、リン青銅、銅合金、ニッケル合金、コバール(Kovar)等を採用することができる。シリコン基板の表面に形成する電気絶縁層の材料は、例えば、SiO2、Si34等を採用することができる。
実装基板2aは、支持体20が平板状に形成されており、支持体20の厚み方向に直交する第1面20a上に第1導体部21及び第2導体部22が形成されている。実装基板2aは、第1導体部21の厚さと第2導体部22の厚さとを同じ値に設定してある。実装基板2aは、支持体20の形状が、平板状に限らず、例えば、LEDチップ1aを収納する凹部が一面に形成されたものでもよく、この場合、凹部の内底面上に、第1導体部21及び第2導体部22が形成された構成としてもよい。
支持体20の外周形状は、矩形状としてある。支持体20の外周形状は、矩形状に限らず、例えば、矩形以外の多角形状や、円形状等でもよい。
第1導体部21は、LEDチップ1aの第1電極14が電気的に接続される導電層である。第2導体部22は、LEDチップ1aの第2電極15が電気的に接続される導電層である。
第1導体部21及び第2導体部22は、例えば、Ti膜211、221とPt膜212、222とAu膜213、223との積層膜により構成することができる。第1導体部21及び第2導体部22は、これに限らず、例えば、Al膜とNi膜とPd膜とAu膜との積層膜、Ni膜とAu膜との積層膜、Cu膜とNi膜とAu膜との積層膜等を採用することができる。第1導体部21及び第2導体部22は、積層膜により構成する場合、支持体20から最も離れた最上層がAuにより形成され、支持体20に最も近い最下層が支持体20との密着性の高い材料により形成されているのが好ましい。第1導体部21及び第2導体部22は、積層膜に限らず、単層膜により構成してもよい。
実装基板2aは、第1導体部21と第2導体部22とが空間的に分離されるように、第1導体部21及び第2導体部22が形成されている。これにより、実装基板2aは、第1導体部21と第2導体部22との間に溝23が形成されている。溝23の内面は、支持体20の第1面20aの一部と、第1導体部21及び第2導体部22の互いの対向面と、で構成される。実装基板2aは、第1導体部21と第2導体部22とが、支持体20の第1面20a上に同じ厚さに形成されている。これにより、実装基板2aは、第1導体部21の表面21aと第2導体部22の表面22aとが一平面上に揃うように構成されている。実装基板2aの平面サイズは、LEDチップ1aのチップサイズよりも大きいのが好ましい。
LEDチップ1aのチップサイズは、特に限定するものではない。LEDチップ1aとしては、例えば、チップサイズが0.4mm□(0.4mm×0.4mm)や0.6mm□(0.6mm×0.6mm)や0.8mm□(0.8mm×0.8mm)や1mm□(1mm×1mm)のもの等を用いることができる。また、LEDチップ1aの平面形状は、正方形状に限らず、例えば、長方形状等でもよい。LEDチップ1aの平面形状が、長方形状の場合、LEDチップ1aとしては、例えば、チップサイズが0.5mm×0.24mmのもの等を用いることができる。
LEDチップ1aは、このLEDチップ1aの厚み方向の一方側に、第1電極14及び第2電極15が設けられている。これにより、LEDチップ1aは、実装基板2aにフリップチップ実装できるようになっている。
LEDチップ1aは、基板10の第1面10a側において、第1面10aに近い側から順に、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12が形成されている。要するに、LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11及び第2導電型半導体層12を有する半導体多層膜19を備えている。LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11がn型半導体層により構成され、第2導電型半導体層12がp型半導体層により構成されている。LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11がp型半導体層により構成され、第2導電型半導体層12がn型半導体層により構成されていてもよい。
基板10は、半導体多層膜19を支持する機能を備える。半導体多層膜19は、エピタキシャル成長法により形成することができる。エピタキシャル成長法は、例えば、有機金属気相成長(metal organic vapor phase epitaxy:MOVPE)法、ハイドライド気相成長(hydride vapor phase epitaxy:HVPE)法、分子線エピタキシー(molecular beam epitaxy:MBE)法等の結晶成長法を採用できる。なお、半導体多層膜19は、この半導体多層膜19を形成する際に不可避的に混入される水素、炭素、酸素、シリコン、鉄等の不純物が存在してもよい。基板10は、半導体多層膜19を形成する際の結晶成長用基板により構成することができる。
LEDチップ1aは、青色光を放射する青色LEDチップにより構成してある。LEDチップ1aは、GaN系青色LEDチップにより構成する場合、基板10として、例えば、GaN基板を採用することができる。基板10は、半導体多層膜19から放射される光を効率良く透過できる材料により形成された基板であればよく、GaN基板に限らず、例えば、サファイア基板等を採用することもできる。要するに、基板10は、半導体多層膜19から放射される光に対して透明な基板が好ましい。LEDチップ1aは、上述のように、第1導電型半導体層11及び第2導電型半導体層12が、基板10の第1面10a側に形成されている。よって、LEDチップ1aは、基板10の第2面10bが光取り出し面を構成しているのが好ましい。LEDチップ1aは、半導体多層膜19が、基板10と第1導電型半導体層11との間に図示しないバッファ層(buffer layer)を備えた構成でもよい。LEDチップ1aは、半導体多層膜19の材料や発光色を特に限定するものではない。すなわち、LEDチップ1aは、青色LEDチップに限らず、例えば、紫色LEDチップ、紫外LEDチップ、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ等でもよい。
LEDチップ1aは、半導体多層膜19が、第1導電型半導体層11と第2導電型半導体層12との間に発光層13を備えているのが好ましい。この場合、半導体多層膜19から放射される光は、発光層13から放射される光であり、発光層13の材料により発光波長が規定される。発光層13は、単一量子井戸構造や多重量子井戸構造を有することが好ましいが、これに限らない。例えば、LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11と発光層13と第2導電型半導体層12とでダブルヘテロ構造(double heterostructure)を構成するようにしてもよい。
第1導電型半導体層11は、単層構造に限らず多層構造でもよい。また、第2導電型半導体層12は、単層構造に限らず、多層構造でもよい。第2導電型半導体層12は、例えば、p型電子ブロック層とp型半導体層とp型コンタクト層とで構成される多層構造とすることができる。この場合、p型半導体層は、発光層13へ正孔を輸送するための層である。p型電子ブロック層は、発光層13で正孔と再結合されなかった電子がp型半導体層側へ漏れる(オーバーフローする)のを抑制するための層である。p型電子ブロック層は、p型半導体層及び発光層よりもバンドギャップエネルギが高くなるように組成を設定するのが好ましい。p型コンタクト層は、第2電極15との接触抵抗を下げ、第2電極15との良好なオーミック接触を得るために設ける層である。p型電子ブロック層及びp型半導体層は、例えば、互いに組成の異なるAlGaN層により構成することができる。また、p型コンタクト層は、例えば、p型GaN層により構成することができる。
LEDチップ1aは、半導体多層膜19の一部を、半導体多層膜19の表面19a側から第1導電型半導体層11の途中までエッチングすることで除去してある。要するに、LEDチップ1aは、半導体多層膜19の一部をエッチングすることで形成されたメサ構造(mesa structure)を有している。これにより、LEDチップ1aは、第2導電型半導体層12の表面12aと第1導電型半導体層11の表面11aとの間に段差が形成されている。そして、LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11の露出した表面11a上に第1電極14が形成され、第2導電型半導体層12の表面12a上に第2電極15が形成されている。LEDチップ1aは、第1導電型半導体層11の導電型(第1導電型)がn型であり、第2導電型半導体層12の導電型(第2導電型)がp型である場合、第1電極14、第2電極15が、負電極、正電極を、それぞれ構成する。また、LEDチップ1aは、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型である場合、第1電極14、第2電極15が、正電極、負電極を、それぞれ構成する。
LEDチップ1aは、第2導電型半導体層12の表面12aの面積が、第1導電型半導体層11の表面11aの面積よりも大きいほうが好ましい。これにより、LEDチップ1aは、第2導電型半導体層12と第1導電型半導体層11とが互いの厚み方向において重なる領域を広くすることが可能となり、発光効率の向上を図ることが可能となる。
LEDチップ1aは、突起構造部16が、第2電極15の外周に沿って形成され、第2導電型半導体層12の表面12a側で突出している。
LEDチップ1aは、第2電極15が第1電極14よりも大きく、突起構造部16が、第2電極15の外周の全周に亘って形成されていることが好ましい。これにより、発光装置B1は、製造時に、第2接合部32を形成するはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡が発生するのを、より抑制することが可能となる。しかも、発光装置B1は、LEDチップ1aを実装基板2aに実装するときに、第2接合部32の形状の再現性を高めることが可能となり、熱抵抗のばらつきを低減することが可能となる。突起構造部16は、第2電極15の外周に沿って形成され幅W1(図6参照)が一定であるのが好ましい。これにより、発光装置B1は、第2電極15と第2導電型半導体層12との接触面積を大きくしつつ、第2電極15と第1電極14とのはんだによる短絡の発生を抑制することが可能となる。突起構造部16の幅W1は、例えば、5μm〜10μm程度の範囲で設定するのが好ましい。
LEDチップ1aは、第2電極15が、第2導電型半導体層12の表面12aの略全面を覆うように形成されているのが好ましい。第2導電型半導体層12の表面12aの略全面とは、表面12aの全面に限らない。例えば、LEDチップ1aが後述の絶縁膜18を備え、第2導電型半導体層12の表面12aの外周部が絶縁膜18により覆われている場合、第2導電型半導体層12の表面12aの略全面とは、第2導電型半導体層12の表面12aのうち絶縁膜18により覆われていない部位を意味する。要するに、LEDチップ1aは、第2電極15が、第2導電型半導体層12の表面12aを面状に覆うように形成されているのが好ましい。これにより、発光装置B1は、放熱性を向上させることが可能となる。
実装基板2aは、第1導体部21及び第2導体部22の厚さが、第2電極15と第2導体部22との間隔よりも大きいことが好ましい。第2電極15と第2導体部22との間隔とは、第2電極15の表面15a(図6参照)の中央部と第2導体部22の表面22aとの間隔を意味する。第2電極15と第2導体部22との間隔は、突起構造部16の突出量H1により決めることができる。言い換えれば、第2電極15と第2導体部22との間隔は、突起構造部16の突出量H1と略同じである。
よって、発光装置B1は、製造時に、空間3からはんだがはみ出した場合でも、はみ出したはんだの流速を溝23で低下させることが可能となり、そして、発光装置B1は、製造時に、第2導体部22の側面が、はみ出したはんだを支持体20の第1面20a側へ向かって誘導するはんだ誘導部として機能することが可能となる。これにより、発光装置B1は、空間3からはみだしたはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡の発生を抑制することが可能となる。なお、支持体20の第1面20aは、第1導体部21及び第2導体部22の各側面よりもはんだ濡れ性が低いのが好ましい。
LEDチップ1aは、第2電極15における第2導電型半導体層12との接触領域を囲むように第2導電型半導体層12の表面12a上に形成された絶縁膜18を備えているのが好ましい。また、LEDチップ1aは、第2電極15が第2導電型半導体層12の表面12aと絶縁膜18の表面とに跨って形成され、第2電極15のうち中央部よりも第2導電型半導体層12から離れる向きに突出した外周部が、突起構造部16を兼ねている。これにより、発光装置B1は、第2電極15と第2導体部22との接合面積を増加させることが可能となり、放熱性を向上させることが可能となるとともに、接触抵抗の低抵抗化を図ることが可能となる。
絶縁膜18の材料としては、SiO2を採用している。絶縁膜18の材料は、電気絶縁性を有する材料であればよく、SiO2に限らず、例えば、Si34、Al23、TiO2、Ta25、ZrO2、Y23、CeO2、Nb25等を採用することができる。絶縁膜18の厚さは、例えば、1μmに設定してあるが、特に限定するものではない。絶縁膜18は、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法、蒸着法、スパッタ法等により形成することができる。絶縁膜18は、単層膜に限らず、多層膜により構成してもよい。絶縁膜18として設ける多層膜は、半導体多層膜19で発生した光を反射させるための誘電体多層膜により構成してもよい。
LEDチップ1aは、絶縁膜18が、メサ構造の表面19a(第2導電型半導体層12の表面12a)と側面19cと第1導電型半導体層11の表面11aとに跨って形成されているのが好ましい。絶縁膜18のうち第1導電型半導体層11の表面11a上に形成される部位は、第1電極14における第1導電型半導体層11との接触領域を囲むようなパターンに形成されているのが好ましい。
絶縁膜18は、半導体多層膜19の機能を保護するためのパッシベーション膜(passivation film)としての機能を備えることが好ましく、その材料として、SiO2やSi34が好ましい。これにより、発光装置B1は、信頼性を向上させることが可能となる。
LEDチップ1aは、第1電極14、第2電極15と、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12との接触が、オーミック接触であるのが好ましい。オーミック接触とは、第1電極14、第2電極15と、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12との接触のなかで、印加電圧の方向により生じる電流の整流性のない接触を意味する。オーミック接触は、電流−電圧特性が略線形であるのが好ましく、線形であるのがより好ましい。また、オーミック接触は、接触抵抗がより小さいのが好ましい。第1電極14、第2電極15と、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12との接触では、第1電極14、第2電極15と、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12との界面を通過する電流が、ショットキー障壁を乗り越える熱電子放出電流とショットキー障壁を透過するトンネル電流との和であると考えられる。このため、第1電極14、第2電極15と、第1導電型半導体層11、第2導電型半導体層12との接触では、トンネル電流が支配的な場合、近似的にオーミック接触が実現していると考えられる。
第1電極14は、電極層(第1接続電極層)141と、電極層(第1パッド電極層)142と、を備えている。電極層141は、第1導電型半導体層11とオーミック接触を得るために、第1導電型半導体層11の表面11a上に形成されている。電極層142は、第1接合部31を介して実装基板2aと接合するために、電極層141を覆うように形成されている。電極層141は、例えば、Al膜を第1導電型半導体層11の表面11a上に蒸着法等により成膜することにより形成することができる。電極層142は、例えば、Ti膜とAu膜との積層膜により構成することができる。電極層142は、例えば、蒸着法等により形成することができる。第1電極14は、その層構造を特に限定するものではなく、例えば、電極層141のみにより第1電極14全体の形状を構成してもよいし、電極層141と電極層142との間に別の電極層を備えた構成でもよい。
第2電極15は、電極層(第2接続電極層)151と、電極層(第2パッド電極層)152と、を備えている。電極層151は、第2導電型半導体層12とオーミック接触を得るために、第2導電型半導体層12の表面12a上に形成されている。電極層152は、第2接合部32を介して実装基板2aと接合するために、電極層151を覆うように形成されている。電極層151は、例えば、Ni膜とAg膜との積層膜を第2導電型半導体層12の表面12a上に蒸着法等により成膜することにより形成することができる。電極層152は、例えば、Ti膜とAu膜との積層膜により構成することができる。電極層152は、例えば、蒸着法等により形成することができる。第2電極15は、その層構造を特に限定するものではなく、例えば、電極層151のみにより第2電極15全体の形状を構成してもよいし、電極層151と電極層152との間に別の電極層を備えた構成でもよい。
電極層152は、電極層151の表面と絶縁膜18の表面とに跨って形成されているのが好ましい。そして、発光装置B1は、第2電極15のうち中央部よりも第2導電型半導体層12から離れる向きに突出した外周部が、突起構造部16を兼ねているのが好ましい。これにより、発光装置B1は、LEDチップ1aと実装基板2aとの接合面積を増加させることが可能となって熱抵抗の低減を図れ、しかも、LEDチップ1aの半導体多層膜19で発生した熱が突起構造部16を通して実装基板2a側へ伝わりやすくなる。よって、発光装置B1は、放熱性を向上させることが可能となる。
ところで、上述の発光装置B1の製造方法では、第2接合用層72(図4、6参照)は、第1接合用層71(図4、6参照)に比べてはんだの量が多く、且つ、第2工程での厚さの変化が大きい。このため、発光装置B1の製造方法では、第2接合用層72のほうが第1接合用層71よりも、溶融したはんだの押し下げられる量が多く、第2接合用層72の厚さのばらつき等に起因して、はんだが、空間3からはみ出す可能性がある。
発光装置B1は、第1電極14と第2電極15との間隔L1よりも第1導体部21と第2導体部22との間隔L2が広くなるように、第2導体部22における第1導体部21側の端を第2電極15における第1電極14側の端よりも後退させてあるのが好ましい。これにより、発光装置B1は、LEDチップ1aの第1電極14及び第2電極15の形状を変更することなく、且つ、第1電極14と第2電極15との短絡を防止しつつ、空間3からはみ出したはんだを溝23により吸収することが可能となる。ここで、発光装置B1は、上述のように、第1導体部21及び第2導体部22の厚さが、第2電極15と第2導体部22との間隔よりも大きいことが好ましい。これにより、発光装置B1は、空間3からはみだしたはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡の発生を、より抑制することが可能となる。
LEDチップ1aは、上述のように、第2電極15における第2導電型半導体層12との接触領域を囲むように第2導電型半導体層12の表面12a上に形成された絶縁膜18を備えているのが好ましい。発光装置B1は、第1変形例として、絶縁膜18が、突起構造部16を兼ねるように構成してもよい。この場合には、第2電極15における電極層152を電極層151の表面上のみに設け、絶縁膜18の膜厚を第2電極15の厚さよりも大きく設定すればよい。これにより、発光装置B1の第1変形例は、第2電極15と第1電極14との間の電気絶縁性をより向上させることが可能となる。LEDチップ1aの構造の簡略化及び製造プロセスの簡略化を図ることが可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。また、発光装置B1の第1変形例は、突起構造部16の突出量を、絶縁膜18の膜厚と第2電極15の厚さとの差分とすることが可能となるので、突起構造部16の突出量の精度を向上させることが可能となる。
図8は、本実施形態の発光装置B1の第2変形例の発光装置B2の概略平面図である。発光装置B2は、発光装置B1と基本構成が略同じである。発光装置B2は、LEDチップ1b(図9参照)における第1電極14及び第2電極15の形状、実装基板2b(図10参照)における第1導体部21及び第2導体部22の形状等が発光装置B1と相違するだけである。このため、発光装置B2の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B2において、発光装置B1と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
LEDチップ1bは、LEDチップ1a(図1、3参照)よりもチップサイズが小さい。LEDチップ1aは、半導体多層膜19の4隅の各々で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、各表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1aは、4個の第1電極14を備えている。これに対して、LEDチップ1bは、半導体多層膜19の4隅のうちの1か所で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1bは、第2電極15の形状をLEDチップ1aとは異ならせてある。
図11は、本実施形態の発光装置B1の第3変形例におけるLEDチップ1cの概略下面図である。発光装置B1の第3変形例は、LEDチップ1cにおける第1電極14及び第2電極15の形状が相違し、発光装置B1の実装基板2aの代わりに、実装基板2aにおける第1導体部21及び第2導体部22の形状等を変更した実装基板(図示せず)を備える点が相違する。このため、発光装置B1の第3変形例の詳細な説明は、省略する。
LEDチップ1cは、LEDチップ1a(図1、3参照)よりもチップサイズが小さく、LEDチップ1b(図8、9参照)よりもチップサイズが大きい。LEDチップ1cは、半導体多層膜19の4隅のうちの2か所で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、各表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1cは、2個の第1電極14を備えており、第2電極15の形状をLEDチップ1a、1bとは異ならせてある。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の発光装置B3について、図12〜17に基づいて説明する。なお、図12は、図13のX−X断面に対応する模式的な概略断面図である。なお、本実施形態の発光装置B3において、実施形態1の発光装置B1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
発光装置B3は、実装基板2dと、実装基板2dに実装されたLEDチップ1dと、を備える。実装基板2dは、支持体20と、支持体20に支持されLEDチップ1dが電気的に接続される第1導体部21、第2導体部22と、を備える。LEDチップ1dは、基板10と、基板10の第1面10a側に形成された第1導電型半導体層11と、第1導電型半導体層11における基板10側とは反対側に形成された第2導電型半導体層12と、第1導電型半導体層11における基板10側とは反対側の露出した表面11a上に形成された第1電極14と、第2導電型半導体層12の表面12a上に形成された第2電極15と、を備える。また、発光装置B3は、第2導電型半導体層12の表面12a側と第2導体部22の表面22a側との一方から他方側へ突出して他方側に接し、第2電極15の外周に沿って位置した突起構造部16を備える。また、発光装置B3は、第1電極14と第1導体部21とが、はんだにより形成された第1接合部31により接合され、第2電極15と第2導体部22とが、はんだにより形成された第2接合部32により接合されている。第2接合部32は、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成されている。よって、発光装置B3は、第1接合部31及び第2接合部32それぞれをより薄くすることが可能となり、且つ、第1接合部31及び第2接合部32それぞれが第1導体部21及び第2導体部22それぞれと面で接合することが可能となる。これにより、発光装置B3は、LEDチップ1dと実装基板2dとの間の熱抵抗の低減を図ることが可能となる。更に、発光装置B3は、突起構造部16による第2接合部32の厚み管理が可能なため、熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能となる。要するに、発光装置B3は、その製品ごとの熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能となる。これにより、発光装置B3は、放熱性の向上及び信頼性の向上を図ることが可能となる。
突起構造部16は、第2導体部22において第2電極15の外周に沿う形状に形成され、第2導体部22の表面22a側で、実装基板2dにおける、突起構造部16の周辺よりも突出していることが好ましい。これにより、発光装置B3は、突起構造部16が第2電極15の表面15aに接し、第2接合部32が、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成された構成とすることができる。
本明細書では、説明の便宜上、発光装置B3の製造方法について説明した後、発光装置B3の各構成要素について詳述する。
本実施形態の発光装置B3の製造方法では、まず、LEDチップ1dと、実装基板2dと、を準備した後、第1工程、第2工程を順次行う。
第1工程では、図15、16に示すように、実装基板2dの第1導体部21の表面21a側、第2導体部22の表面22a側に、第1接合部31、第2接合部32それぞれの元になる第1はんだ層41、第2はんだ層42を形成する。第1はんだ層41及び第2はんだ層42の材料であるはんだとしては、例えば、AuSnを採用することができる。第1はんだ層41及び第2はんだ層42は、例えば、蒸着法やめっき法等により形成することができる。第1工程では、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さを同じ値に設定してある。第1はんだ層41の表面41aの面積は、第1電極14の表面14a(図14参照)の面積よりも小さく設定してある。また、第2はんだ層42の表面42aの面積は、第2電極15の表面15a(図14参照)の面積よりも小さく設定してある。第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、第2導体部22の表面22aからの突起構造部16の突出量H11(図17参照)と、LEDチップ1dの厚み方向における第2電極15と第1電極14との段差H2(図17参照)と、の合計(H11+H2)よりも所定厚さ(α)だけ大きくなるように設定する。つまり、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、H11+H2+αとする。例えば、H11=1μm、H2=1μmの場合、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、3μm程度に設定すればよい。この場合、αは、1μmである。これらの数値は、一例であり、LEDチップ1dの構造等に基づいて適宜設定すればよく、特に限定するものではない。第1はんだ層41、第2はんだ層42は、実装基板2dのうち第1電極14、第2電極15それぞれに対向させる領域の中央部に形成するのが好ましい。第2はんだ層42は、平面視において突起構造部16よりも内側で突起構造部16から離れて位置するように、第2導体部22の表面22a上に配置する。
第1工程では、第1導体部21、第2導体部22と第1はんだ層41、第2はんだ層42との間に、第1バリア層51、第2バリア層52をそれぞれ形成するのが好ましい。
また、第1工程では、第1はんだ層41、第2はんだ層42上に、第1Au層61、第2Au層62をそれぞれ形成するのが好ましい。図16では、第1Au層61及び第2Au層62の図示を省略してある。以下では、第1バリア層51と第1はんだ層41と第1Au層61との積層膜を第1接合用層71と称し、第2バリア層52と第2はんだ層42と第2Au層62との積層膜を第2接合用層72と称する。なお、第1接合用層71は、少なくとも第1はんだ層41を備えていればよく、積層膜に限らず、単層膜でもよい。また、第2接合用層72は、少なくとも第2はんだ層42を備えていればよく、積層膜に限らず、単層膜でもよい。
第2工程では、第1ステップ、第2ステップを順次行う。なお、第2工程では、図示しないダイボンド装置を利用する。ダイボンド装置は、例えば、LEDチップ1dを吸着保持することができる吸着保持具と、実装基板2dを載置するステージと、ステージに設けられ実装基板2dを加熱可能な第1ヒータと、吸着保持具又は吸着保持具を保持するホルダのいずれかに装着された第2ヒータと、を備えた構成のものが好ましい。吸着保持具としては、コレット等がある。
第1ステップでは、図17に示すように、LEDチップ1dと実装基板2dとを対向させる。
この第1ステップでは、吸着保持具により吸着保持したLEDチップ1dにおける第1電極14、第2電極15と実装基板2dの第1導体部21、第2導体部22とを対向させる。
第2ステップでは、LEDチップ1dの第1電極14、第2電極15と実装基板2dの第1導体部21、第2導体部22とを、はんだにより形成された第1接合部31、はんだにより形成された第2接合部32により接合する。
上述の第2ステップでは、LEDチップ1dの第1電極14、第2電極15と実装基板2d上の第1接合用層71、第2接合用層72とが接触するように重ね合わせた状態で、適宜の加熱及び加圧を行いながら第1はんだ層41及び第2はんだ層42を溶融させる。第2ステップでは、上述のように第1はんだ層41及び第2はんだ層42を溶融させてから、突起構造部16が第2電極15に接するように、LEDチップ1d側から加圧することで、溶融したはんだを押し下げて横方向に広げて空間3にはんだを満たしてから、冷却凝固させる。
ところで、第1工程で形成する第2接合用層72の体積は、第2接合部32を形成するはんだが空間3から出ないように、空間3の容積と等しくなるように設定するのが好ましい。
発光装置B3の製造方法では、第1はんだ層41及び第2はんだ層42それぞれが溶融した状態で実装基板2dの突起構造部16が第2電極15の表面15aに接するように、溶融したはんだを押し下げてLEDチップ1dと実装基板2dとを接合する。よって、発光装置B3の製造方法では、第1電極14と第1導体部21とが未接合となるのを抑制することが可能となる。
発光装置B3の製造方法では、突起構造部16が第2電極15に接し、第1電極14と第1導体部21とが、はんだにより形成された第1接合部31により接合され、第2電極15と第2導体部22とが、はんだにより形成された第2接合部32により接合される。これにより、発光装置B3の製造方法では、第2接合部32が、第2電極15と突起構造部16と第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成された構成、とすることが可能となる。発光装置B3の製造方法では、第2接合用層72の溶融したはんだを押し下げて横方向に広げたときに、突起構造部16が、溶融したはんだの、LEDチップ1dの表面に沿った流動を抑制するので、第1電極14と第2電極15とのはんだによる短絡の発生を抑制可能となる。しかも、発光装置B3の製造方法では、LEDチップ1dと実装基板2dとの間の熱抵抗の低減を図ることが可能で且つ熱抵抗のばらつきを小さくすることが可能な発光装置B3を製造することが可能となる。
発光装置B3の製造方法では、第1電極14の面積に比べて第2電極15の面積が大きい場合、第1接合部31よりも第2接合部32に不安定な広がりが発生しやすくなる懸念がある。このため、発光装置B3の製造方法では、第2接合用層72を所定のパターンに形成するのが好ましい。第2接合用層72のパターンとしては、第2電極15の平面形状により適宜変更すればよいが、例えば図16や図18に示すように、気泡を取り込みにくくする放射状の形状とするのが好ましい。これにより、発光装置B3の製造方法では、第2ステップにおいて溶融したはんだを押し下げて広げるときに広がりを安定化することが可能となり、第2接合部32にボイドが発生するのを抑制することが可能となる。
ところで、発光装置B3の製造方法では、突起構造部16の先端面の全面をLEDチップ1dと接するように荷重を印加するのが好ましい。しかしながら、発光装置B3の製造方法では、突起構造部16の先端面の平面度と、LEDチップ1d側の平面度との違いに起因して、突起構造部16の先端面の全面をLEDチップ1d側と接するようにするのが難しいこともある。図17の例では、突起構造部16のLEDチップ1d側への垂直投影領域に第2電極15の一部と絶縁膜18の一部とがあり、突起構造部16の先端面の平面度と、LEDチップ1d側の平面度と、に差異が生じやすい。この場合には、突起構造部16の先端面の一部が第2電極15の表面15aと接し、突起構造部16の先端面の残りの部分とLEDチップ1dとの間に、製造時に浸み込んで固まったはんだからなる、薄いはんだ層が残ることもある。要するに、発光装置B3は、実装基板2dに対するLEDチップ1dの平行度が所望の範囲であれば、突起構造部16が部分的に、第2電極15の表面15aに接する構成でもよい。発光装置B3の製造方法では、第2ステップで印加する荷重をより大きくすれば、突起構造部16の先端面の平面度と、LEDチップ1d側の平面度との差を低減可能となり、突起構造部16と第2電極15との接触面積を大きくすることが可能となる。発光装置B3の製造方法では、突起構造部16が例えば金属等により形成されている場合、第2ステップで印加する荷重を大きくすれば、突起構造部16を圧縮するように変形させることも可能となる。これにより、発光装置B3の製造方法では、突起構造部16と第2電極15との接触面積を大きくすることが可能となる。
発光装置B3の製造方法では、上述のように、第1工程において、第1はんだ層41、第2はんだ層42上に、第1Au層61、第2Au層62をそれぞれ形成するのが好ましい。これにより、発光装置B3の製造方法では、第2工程の前に第1はんだ層41及び第2はんだ層42のSnが酸化するのを抑制することが可能となり、LEDチップ1dと実装基板2dとの接合性を向上させることが可能となる。
発光装置B3の各構成要素については、以下に説明する。
図1に示した実施形態1の発光装置B1は、LEDチップ1aに突起構造部16が形成されている。これに対して、本実施形態の発光装置B3は、実装基板2dに突起構造部16が形成されている点で相違する。
実装基板2dは、実施形態1の発光装置B1における実装基板2aと略同じであり、突起構造部16を備えている点が相違する。要するに、実装基板2dは、支持体20と、第1導体部21と、第2導体部22と、突起構造部16と、を備える。
実装基板2dは、第1導体部21と第2導体部22とが空間的に分離されるように、第1導体部21及び第2導体部22が形成されている。これにより、実装基板2dは、第1導体部21と第2導体部22との間に溝23が形成されている。溝23の内面は、支持体20の第1面20aの一部と、第1導体部21及び第2導体部22の互いの対向面と、で構成される。実装基板2dは、第1導体部21と第2導体部22とが、支持体20の第1面20a上に同じ厚さに形成されている。これにより、実装基板2dは、第1導体部21の表面21aと第2導体部22の表面22aとが一平面上に揃うように構成されている。
実装基板2dは、突起構造部16が、第2導体部22において第2電極15の外周に沿う形状に形成され、第2導体部22の表面22a側で突出している。また、実装基板2dは、第1接合部31を囲む突起構造部17を備えている。突起構造部17は、第1導体部21の表面21aから突出している。
LEDチップ1dは、LEDチップ1a(図1、3参照)と略同じ構成であり、突起構造部16、17を備えていない点がLEDチップ1aと相違する。LEDチップ1dは、LEDチップ1aと同じチップサイズとしてあるが、これに限定するものではない。
LEDチップ1dは、第2電極15が第1電極14よりも大きいのが好ましい。そして、突起構造部16は、第2導体部22において第2電極15の外周の全周に亘って沿う形状に形成されていることが好ましい。これにより、発光装置B3は、製造時に、第2接合部32を形成するはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡が発生するのを、より抑制することが可能となる。しかも、発光装置B3は、LEDチップ1aを実装基板2aに実装するときに、第2接合部32の形状の再現性を高めることが可能となり、熱抵抗のばらつきを低減することが可能となる。
突起構造部16は、第2導体部22において第2接合部32と接合される部位と同じ材料により形成され、第2接合部32と接合されているのが好ましい。これにより、発光装置B3は、放熱性を向上させることが可能となる。
突起構造部16は、例えば、第2導体部22におけるAu膜223と同じ材料により形成されている。要するに、突起構造部16は、Auにより形成されている。突起構造部16は、蒸着法、スパッタ法、めっき法等を利用して形成することができる。発光装置B3は、突起構造部16の材料が第2導体部22におけるAu膜223と同じ材料の場合、第2導体部22のAu膜223と突起構造部16とを併せた構造を、例えば、蒸着法により形成するとすれば、2回に分けて蒸着すればよい。
第2電極15と第2導体部22との間隔は、突起構造部16の突出量H11により決めることができる。言い換えれば、第2電極15と第2導体部22との間隔は、突起構造部16の突出量H11と略同じである。
発光装置B3は、製造時に、空間3からはんだがはみ出した場合でも、はみ出したはんだの流速を溝23で低下させることが可能である。そして、発光装置B3は、製造時に、突起構造部16の側面及び第2導体部22の側面が、はみ出したはんだを支持体20の第1面20a側へ向かって誘導するはんだ誘導部として機能することが可能となる。これにより、発光装置B3は、空間3からはみだしたはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡の発生を抑制することが可能となる。
LEDチップ1dは、LEDチップ1a(図1参照)と同様、第2電極15における第2導電型半導体層12との接触領域を囲むように第2導電型半導体層12の表面12a上に形成された絶縁膜18を備えているのが好ましい。
LEDチップ1dは、絶縁膜18が、メサ構造の表面19a(第2導電型半導体層12の表面12a)と側面19cと第1導電型半導体層11の表面11aとに跨って形成されているのが好ましい。絶縁膜18のうち第1導電型半導体層11の表面11a上に形成される部位は、第1電極14における第1導電型半導体層11との接触領域を囲むようなパターンに形成されているのが好ましい。
ところで、上述の発光装置B3の製造方法では、第2接合用層72(図15、17参照)は、第1接合用層71(図15、17参照)に比べてはんだの量が多く、且つ、第2工程での厚さの変化が大きい。このため、発光装置B3の製造方法では、第2接合用層72のほうが第1接合用層71よりも、溶融したはんだの押し下げられる量が多く、第2接合用層72の厚さのばらつき等に起因して、はんだが、空間3からはみ出す可能性がある。
ここで、発光装置B3は、第1導体部21及び第2導体部22の厚さが、第2電極15と第2導体部22との間隔よりも大きいことが好ましい。これにより、発光装置B3は、空間3からはみ出したはんだを溝23により吸収することが可能となり、空間3からはみだしたはんだによる第2電極15と第1電極14との短絡の発生を、より抑制することが可能となる。
図19は、本実施形態の発光装置B3の第1変形例の発光装置B4を示す要部概略平面図である。発光装置B4は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B4は、LEDチップ1e(図20参照)における第1電極14及び第2電極15の形状、実装基板2e(図21参照)における第1導体部21及び第2導体部22の形状等が発光装置B3と相違するだけである。このため、発光装置B4の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B4において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
LEDチップ1eは、LEDチップ1d(図12、14参照)よりもチップサイズが小さい。LEDチップ1dは、半導体多層膜19の4隅の各々で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、各表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1dは、4個の第1電極14を備えている。これに対して、LEDチップ1eは、半導体多層膜19の4隅のうちの1か所で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1eは、第2電極15の形状をLEDチップ1dとは異ならせてある。
図22は、本実施形態の発光装置B3の第2変形例の発光装置B5を示す要部概略平面図である。発光装置B5は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B5は、LEDチップ1f(図23参照)における第1電極14及び第2電極15の形状が、実装基板2f(図22参照)における第1導体部21及び第2導体部22の形状等が、発光装置B3と相違するだけである。このため、発光装置B5の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B5において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
LEDチップ1fは、LEDチップ1d(図12、14参照)よりもチップサイズが小さく、LEDチップ1e(図22、23参照)よりもチップサイズが大きい。LEDチップ1fは、半導体多層膜19の4隅のうちの2か所で第1導電型半導体層11の表面11aを露出させ、各表面11a上に第1電極14を形成してある。このため、LEDチップ1fは、2個の第1電極14を備えており、第2電極15の形状をLEDチップ1d、1eとは異ならせてある。
図24は、本実施形態の発光装置B3の第3変形例の発光装置B6を示す要部概略断面図である。発光装置B6は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B6は、実装基板2gにおける突起構造部17の形状が、発光装置B3と相違するだけである。このため、発光装置B6の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B6において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
発光装置B6は、突起構造部17の先端面がLEDチップ1d側に接するように突起構造部17の突出量を設定してある。これにより、発光装置B6は、第1接合部31の広がる範囲を制限することが可能となり、第1電極14と第2電極15との短絡が発生するのを、より抑制することが可能となる。
図25は、本実施形態の発光装置B3の第4変形例の発光装置B7を示す要部概略断面図である。発光装置B7は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B7は、実装基板2hが、突起構造部17(図12参照)を備えていない点が発光装置B3と相違するだけである。このため、発光装置B7の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B7において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
発光装置B7は、発光装置B3の突起構造部17を備えていないので、発光装置Bに比べて製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
図26は、本実施形態の発光装置B3の第5変形例の発光装置B8を示す要部概略断面図である。発光装置B8は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B8は、実装基板2iにおける突起構造部16、17の材料が、発光装置B3と相違するだけである。このため、発光装置B8の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B8において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
発光装置B8における突起構造部16は、第2導体部22よりもはんだ濡れ性が低く第2接合部32と接合されていない。これにより、発光装置B8は、第2接合部32を形成するはんだが空間3からはみ出すのを、より抑制することが可能となり、第1電極14と第2電極15との短絡が発生するのを、より抑制することが可能となる。
第2導体部22のはんだ濡れ性とは、第2導体部22において第2接合部32と接合される部位のはんだ濡れ性を意味する。したがって、第2導体部22のはんだ濡れ性とは、第2導体部22におけるAu膜223のはんだ濡れ性である。
突起構造部16のはんだ濡れ性とは、突起構造部16の先端側及び側面側のはんだ濡れ性を意味する。
突起構造部16は、例えば、Al膜と、このAl膜の表面に形成される酸化アルミニウム膜と、で構成することができる。酸化アルミニウム膜は、Au膜223に比べて、はんだ濡れ性が低く、はんだをはじく性質を有している。また、突起構造部16は、例えば、Ni膜と、このNi膜の表面に形成された酸化ニッケル膜と、で構成することができる。酸化ニッケル膜は、Au膜223に比べて、はんだ濡れ性が低く、はんだをはじく性質を有している。また、突起構造部16は、例えば、酸化アルミニウム膜、酸化ニッケル膜、シリコン酸化膜等により構成することもできる。シリコン酸化膜は、Au膜223に比べて、はんだ濡れ性が低く、はんだをはじく性質を有している。
図27は、本実施形態の発光装置B3の第6変形例の発光装置B9を示す要部概略断面図である。発光装置B9は、発光装置B3と基本構成が略同じである。発光装置B9は、LEDチップ1gが、突起構造部16を備えている点が相違するだけである。このため、発光装置B9の詳細な説明は、省略する。なお、発光装置B9において、発光装置B3と同様の構成要素には同一の符号を付してある。
発光装置B9は、第2導電型半導体層12の表面12a側と第2導体部22の表面22a側との両方それぞれから他方側へ突出して他方側に接し、第2電極15の外周に沿って位置した突起構造部16、16を備える。発光装置Bは、実装基板2dに形成された突起構造部16(16b)と、LEDチップ1gに形成された突起構造部16(16a)との互いの先端面同士が接している。LEDチップ1gにおける突起構造部16aは、LEDチップ1a(図1参照)と同様の構造である。
発光装置B9は、第1電極14と第1導体部21とが、はんだにより形成された第1接合部31により接合され、第2電極15と第2導体部22とが、はんだにより形成された第2接合部32により接合されている。第2接合部32は、第2電極15と突起構造部16a、16bと第2導体部22とで囲まれた空間3を満たすように形成されている。発光装置B9は、発光装置B3と同様、LEDチップ1gと実装基板2dとの間の熱抵抗の低減を図ることが可能となる。
発光装置B9の製造時には、図28に示すように、LEDチップ1gと実装基板2dとを対向させてから、LEDチップ1gの第1電極14、第2電極15と実装基板2dの第1導体部21、第2導体部22とを、第1接合部31、第2接合部32により接合する。
第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、第2電極15の表面15aからの突起構造部16aの突出量H1と、第2導体部22の表面22aからの突起構造部16bの突出量H11と、LEDチップ1dの厚み方向における第2電極15と第1電極14との段差H2と、の合計(H1+H11+H2)よりも所定厚さ(α)だけ大きくなるように設定する。つまり、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、H1+H11+H2+αとする。例えば、H1=1μm、H11=1μm、H2=1μmの場合、第1はんだ層41及び第2はんだ層42の厚さは、4μm程度に設定すればよい。この場合、αは、1μmである。これらの数値は、一例であり、特に限定するものではない。
上述の実施形態1、2等において説明した各図は、模式的なものであり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際のものの寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1、2等に記載した材料、数値等は、好ましいものを例示しているだけであり、それに限定するものではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
本明細書には、上述の実施形態1、2等の記載から明らかなように、下記の発明が記載されている。
(1)実装基板と、前記実装基板に実装されたLEDチップと、を備え、
前記実装基板は、支持体と、前記支持体に支持され前記LEDチップが電気的に接続される第1導体部、第2導体部と、を備え、
前記LEDチップは、基板と、前記基板の第1面側に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側に形成された第2導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側の露出した表面上に形成された第1電極と、前記第2導電型半導体層の表面上に形成された第2電極と、を備え、
前記第2導電型半導体層の前記表面側と前記第2導体部の表面側との少なくともいずれか一方から他方側へ突出して前記他方側に接し、前記第2電極の外周に沿って位置した突起構造部を備え、
前記第1電極と前記第1導体部とが、はんだにより形成された第1接合部により接合され、
前記第2電極と前記第2導体部とが、はんだにより形成された第2接合部により接合され、
前記第2接合部は、前記第2電極と前記突起構造部と前記第2導体部とで囲まれた空間を満たすように形成されていることを特徴とする発光装置。
(2)前記突起構造部は、前記LEDチップにおける前記第2電極の外周に沿って形成され、前記第2導電型半導体層の前記表面側で、前記LEDチップにおける、前記突起構造部の周辺よりも突出していることを特徴とする(1)記載の発光装置。
(3)前記LEDチップは、前記第2電極が前記第1電極よりも大きく、前記突起構造部は、前記第2電極の外周の全周に亘って形成されていることを特徴とする(2)記載の発光装置。
(4)前記実装基板は、前記第1導体部及び前記第2導体部の厚さが、前記第2電極と前記第2導体部との間隔よりも大きいことを特徴とする(2)又は(3)記載の発光装置。
(5)前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記第2電極が前記第2導電型半導体層の前記表面と前記絶縁膜の表面とに跨って形成され、前記第2電極のうち中央部よりも前記第2導電型半導体層から離れる向きに突出した外周部が、前記突起構造部を兼ねていることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか一つに記載の発光装置。
(6)前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記絶縁膜が、前記突起構造部を兼ねていることを特徴とする(2)乃至(4)のいずれか一つに記載の発光装置。
(7)前記突起構造部は、前記第2導体部において前記第2電極の外周に沿う形状に形成され、前記第2導体部の前記表面側で、前記実装基板における、前記突起構造部の周辺よりも突出していることを特徴とする(1)記載の発光装置。
(8)前記LEDチップは、前記第2電極が前記第1電極よりも大きく、前記突起構造部は、前記第2導体部において前記第2電極の外周の全周に亘って沿う形状に形成されていることを特徴とする(7)記載の発光装置。
(9)前記突起構造部は、前記第2導体部において前記第2接合部と接合される部位と同じ材料により形成され、前記第2接合部と接合されていることを特徴とする(7)又は(8)記載の発光装置。
(10)前記突起構造部は、前記第2導体部よりもはんだ濡れ性が低く前記第2接合部と接合されていないことを特徴とする(7)又は(8)記載の発光装置。
(11)前記第1接合部を形成するはんだ及び前記第2接合部を形成するはんだは、AuSnであることを特徴とする(1)乃至(10)のいずれか一つに記載の発光装置。
(12)前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広くなるように、前記第2導体部における前記第1導体部側の端を前記第2電極における前記第1電極側の端よりも後退させてあることを特徴とする(1)乃至(11)のいずれか一つに記載の発光装置。
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g LEDチップ
2a、2b、2d、2e、2f、2g、2h、2i 実装基板
3 空間
10 基板
10a 第1面
11 第1導電型半導体層
11a 表面
12 第2導電型半導体層
12a 表面
14 第1電極
15 第2電極
16 突起構造部
18 絶縁膜
20 支持体
21 第1導体部
21a 表面
22 第2導体部
22a 表面
31 第1接合部
32 第2接合部
B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7、B8、B9 発光装置
本発明の発光装置は、実装基板と、前記実装基板に実装されたLEDチップと、を備え、前記実装基板は、支持体と、前記支持体に支持され前記LEDチップが電気的に接続される第1導体部、第2導体部と、を備え、前記LEDチップは、基板と、前記基板の第1面側に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側に形成された第2導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側の露出した表面上に形成された第1電極と、前記第2導電型半導体層の表面上に形成された第2電極と、を備え、前記第2導電型半導体層の前記表面側と前記第2導体部の表面側との少なくともいずれか一方から他方側へ突出して前記他方側に接し、前記第2電極の外周に沿って位置した突起構造部を備え、前記第1電極と前記第1導体部とが、はんだにより形成された第1接合部により接合され、前記第2電極と前記第2導体部とが、はんだにより形成された第2接合部により接合され、前記第2接合部は、前記第2電極と前記突起構造部と前記第2導体部とで囲まれた空間を満たすように形成されており、前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広く、前記突起構造部は、前記LEDチップにおける前記第2電極の外周に沿って形成され、前記第2導電型半導体層の前記表面側で、前記LEDチップにおける、前記突起構造部の周辺よりも突出しており、前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記第2電極が前記第2導電型半導体層の前記表面と前記絶縁膜の表面とに跨って形成され、前記第2電極のうち中央部よりも前記第2導電型半導体層から離れる向きに突出した外周部が、前記突起構造部を兼ねていることを特徴とする。

Claims (10)

  1. 実装基板と、前記実装基板に実装されたLEDチップと、を備え、
    前記実装基板は、支持体と、前記支持体に支持され前記LEDチップが電気的に接続される第1導体部、第2導体部と、を備え、
    前記LEDチップは、基板と、前記基板の第1面側に形成された第1導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側に形成された第2導電型半導体層と、前記第1導電型半導体層における前記基板側とは反対側の露出した表面上に形成された第1電極と、前記第2導電型半導体層の表面上に形成された第2電極と、を備え、
    前記第2導電型半導体層の前記表面側と前記第2導体部の表面側との少なくともいずれか一方から他方側へ突出して前記他方側に接し、前記第2電極の外周に沿って位置した突起構造部を備え、
    前記第1電極と前記第1導体部とが、はんだにより形成された第1接合部により接合され、
    前記第2電極と前記第2導体部とが、はんだにより形成された第2接合部により接合され、
    前記第2接合部は、前記第2電極と前記突起構造部と前記第2導体部とで囲まれた空間を満たすように形成されており、
    前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広いことを特徴とする発光装置。
  2. 前記第1電極と前記第2電極との間隔よりも前記第1導体部と前記第2導体部との間隔が広くなるように、前記第2導体部における前記第1導体部側の端を前記第2電極における前記第1電極側の端よりも後退させてあることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記突起構造部は、前記LEDチップにおける前記第2電極の外周に沿って形成され、前記第2導電型半導体層の前記表面側で、前記LEDチップにおける、前記突起構造部の周辺よりも突出していることを特徴とする請求項1又は2記載の発光装置。
  4. 前記LEDチップは、前記第2電極が前記第1電極よりも大きく、前記突起構造部は、前記第2電極の外周の全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項3記載の発光装置。
  5. 前記実装基板は、前記第1導体部及び前記第2導体部の厚さが、前記第2電極と前記第2導体部との間隔よりも大きいことを特徴とする請求項3又は4記載の発光装置。
  6. 前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記第2電極が前記第2導電型半導体層の前記表面と前記絶縁膜の表面とに跨って形成され、前記第2電極のうち中央部よりも前記第2導電型半導体層から離れる向きに突出した外周部が、前記突起構造部を兼ねていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記LEDチップは、前記第2電極における前記第2導電型半導体層との接触領域を囲むように前記第2導電型半導体層の前記表面上に形成された絶縁膜を備え、前記絶縁膜が、前記突起構造部を兼ねていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第2接合部は、はんだにより形成された部分に加えて前記第2導体部の前記表面上に形成されたバリア層を含んでおり、前記バリア層は、拡散バリアの機能を有し、
    前記第2接合部は、前記バリア層が、前記突起構造部の内側で前記突起構造部から離れて形成されており、はんだにより形成された部分が、前記第2導体部の前記表面のうち前記バリア層が形成されていない部位と前記バリア層の前記表面及び側面とを覆うように形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記突起構造部で囲まれた前記第2導体部の前記表面は、はんだにより形成された部分に接している面積が、前記バリア層に接している面積よりも大きいことを特徴とする請求項8記載の発光装置。
  10. 前記第1接合部を形成するはんだ及び前記第2接合部を形成するはんだは、AuSnであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の発光装置。
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